JP6497742B2 - 石炭灰処理方法及び石炭灰処理装置 - Google Patents

石炭灰処理方法及び石炭灰処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、石炭灰を石炭灰処分場の地盤へ埋設する石炭灰処理方法及び石炭灰処理装置に関するものである。
一般に、火力発電所からは多量の石炭灰が産業廃棄物として廃棄される。この多量の石炭灰は石炭灰処分場に埋め立てられて処分されている。その際、石炭灰処分場への石炭灰の処分量を増加させるために、杭状の石炭灰を地盤内に造成する工法、例えば、通称サンドコンパクション工法やリソイルコンポーザ工法が採用されている。
しかしながら、従来の工法は、廃棄される石炭灰のうち湿灰に対しては好ましく、乾灰に対しては好ましい工法ではない。すなわち、石炭灰処分場に持ち込まれる石炭灰は乾燥石炭灰の状態であり、石炭灰処分場に持ち込む際には飛散対策のためシャワーリング作業を実施して湿灰とする必要がある。また、従来の工法では、石炭灰の強制圧入による造成のため、施工時の盛り上がりが大きく、鋤取り等の後処理に多くの手間が必要となる。さらに、従来の、例えばサンド(石炭灰)コンパクション工法やリソイルコンポーザ工法では、その装置として主に三点式杭打機の利用が前提であり、装置本体が大きく、軟弱な石炭灰の地盤上では十分なトラフィカビリティを確保する必要があり、作業効率の観点からも問題である。
そこで、石炭灰を使用した石炭灰処理方法として、特許文献1には、ケーシングを地盤の所定深さまで打設し、所定量の石炭灰と固化材と最適含水比程度の水粉体比の水とを練り混ぜた混練物をケーシングの内部に充填し、該ケーシングを振動させることにより混練物に振動を伝えて流動状態にした後に、ケーシングを振動させながら引き上げて、流動状態の混練物を地盤中に残置する地盤改良工法が開示されている。
特開2004−353310号公報
しかしながら、特許文献1の発明は、単に、ケーシングを振動させることで、該ケーシング内の混練物を流動状態として、地盤内に石炭灰を杭状に造成して地盤改良するだけであって、上述した、石炭灰処分場への石炭灰の処分量を増加させる、という目的を達成する、という点では十分なものではなく、より適切な工法の開発が望まれている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、主たる目的は、石炭灰処分場への石炭灰の処分量を増加させる石炭灰処理方法及び石炭灰処理装置を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した石炭灰処理方法に係る発明は、石炭灰を石炭灰処分場の地盤へ埋設する石炭灰処理方法であって、管状体を地盤内に挿入する挿入ステップと、次に、前記管状体を振動させ地盤内の前記管状体の先端周辺を液状化させながら、スラリー状石炭灰を該管状体の内部を通じて前記管状体の先端ないしその近傍に開孔する圧入用孔から地盤内に圧入する圧入ステップと、次に、前記管状体の先端部分により圧入箇所を打撃する打撃ステップと、を含むことを特徴とするものである。
請求項1の発明では、特に、圧入ステップにて、管状体の振動により地盤内の管状体の先端周辺を液状化させてその箇所の強度を下げた状態で、その液状化された箇所にスラリー状石炭灰を管状体の先端ないしその近傍に開孔する圧入用孔から圧入して、その後、打撃ステップにて、管状体の先端部分により圧入箇所を打撃するので、地盤内の石炭灰の密度を高くすることができ、ひいては石炭灰の処分量を増加させることができる。また、乾灰をスラリー状にして使用することで、石炭灰の石炭灰処分場への持ち込み時の、石炭灰の飛散対策として湿灰とする工程が必要なく、しかも、乾灰の処分量の増加に寄与する。
請求項2に記載した石炭灰処理方法に係る発明は、請求項1の発明において、前記挿入ステップ、前記圧入ステップ及び前記打撃ステップでは、前記管状体を軸周りに回転させることを特徴とするものである。
請求項2の発明では、挿入ステップの際、管状体が軸周りに回転するので、管状体をスムーズに地盤内に挿入することができる。また、圧入ステップの際、管状体を回転させながらその先端からスラリー状石炭灰を地盤内に圧入するので、スラリー状石炭灰の注入圧を高圧しなくても、スラリー状石炭灰を管状体の先端周辺において局所的に、且つ略均一に圧入することができる。さらに、打撃ステップの際には、管状体を回転させつつ先端によりその圧入箇所を打撃するので、地盤内の密度を各均一に高めることができる。
請求項3に記載した石炭灰処理方法に係る発明は、請求項1または2に記載した発明において、前記打撃ステップの後、前記管状体を所定距離引き揚げて、前記圧入ステップ及び前記打撃ステップを繰り返すことを特徴とするものである。
請求項3の発明では、スラリー状石炭灰を地盤内に挿入された管状体の軸方向に沿って積層するようにして圧入することができる。
請求項4に記載した石炭灰処理装置に係る発明は、石炭灰を石炭灰処分場の地盤へ埋設する石炭灰処理装置であって、石炭灰をスラリー状に生成するミキサーと、該ミキサーに連通して、前記地盤内に挿入される管状体と、前記管状体の先端部分に設けられ、前記管状体よりも大径の打撃部と、前記ミキサーにより生成されるスラリー状石炭灰を前記管状体内に圧送する圧送ポンプと、前記管状体の内部と連通するように前記管状体の先端ないしその近傍に形成され、前記管状体内からのスラリー状石炭灰を地盤内に圧入するための圧入用孔と、前記打撃部への振動及び前記打撃部による地盤への打撃を付与し、前記打撃部の振動により地盤内の該打撃部周辺を液状化させるハンマーと、を備えることを特徴とするものである。
請求項4の発明では、打撃部による地盤への打撃により管状体を地盤内に挿入した後、ハンマーによりその先端の打撃部を振動させることで地盤内の打撃部周辺の箇所を液状化させて、圧送ポンプにより、その箇所にスラリー状石炭灰を、管状体内を経由して圧入用孔から圧送する。その後、管状体の打撃部により、液状化された地盤内に圧入されたスラリー状石炭灰を打撃する。その結果、地盤内の石炭灰の密度を高くすることができ、ひいては石炭灰の処分量を増加させることができる。
請求項5に記載した石炭灰処理装置に係る発明は、請求項4に記載した発明において、前記管状体は、軸周りに回転可能であることを特徴とするものである。
請求項5の発明では、管状体を地盤内に挿入する際には、管状体の回転によりスムーズに挿入することができる。また、管状体を回転させながらその打撃部の圧入用孔からスラリー状石炭灰を地盤内に圧入するので、スラリー状石炭灰を地盤内に局所的に、且つ略均一に圧入することができる。さらに、管状体を回転させつつ打撃部により圧入箇所を打撃するので、地盤内の密度を略均一に高めることができる。
請求項6に記載した石炭灰処理装置に係る発明は、請求項4または5に記載した発明において、前記打撃部より上方で前記管状体の周りに設けられ、石炭灰の上方への逆流を規制する逆流規制板と、前記管状体の周りで地盤上に配置され、石炭灰の地上への流出を規制する流出規制板と、を備えることを特徴とするものである。
請求項6の発明では、打撃部の外径は管状体の外径よりも大径であるので、管状体を地盤内に挿入すると、管状体の外壁面と削孔の内壁面との間に環状空間が現出して、その環状空間に管状体の打撃部から圧入したスラリー状石炭灰が入り込み上方に向かって逆流する状態が想定されるが、逆流規制板によりそのスラリー状石炭灰の上方への逆流を抑制して、最終的には、流出規制板によりそのスラリー状石炭灰の地上への流出を抑制することができる。
請求項7に記載した石炭灰処理装置に係る発明は、請求項に記載した発明において、前記管状体の周りで、前記逆流規制板と前記流出規制板との間に設けられ、石炭灰の流通を規制するフィルタを備えることを特徴とするものである。
請求項7の発明では、管状体の地盤内への挿入後、管状体の外壁面と削孔の内壁面との間の環状空間を上方に逆流するスラリー状石炭灰に対して、フィルタにより水分の上方への移動を許容しつつ、石炭灰の上方への移動を抑制することができる。
請求項8に記載した石炭灰処理装置に係る発明は、請求項5〜7のいずれかに記載した発明において、前記打撃部の径方向中心は、前記管状体の径方向中心に対して偏心していることを特徴とするものである。
請求項8の発明では、打撃部周辺の液状化される範囲を可能な限り大きくすることができる。
本発明の石炭灰処理装置及び石炭灰処理方法によれば、石炭灰処分場への石炭灰の処分量を増加させることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る石炭灰処理装置の概略図である。 図2は、本石炭灰処理装置に備えた打撃部を含む管状体等の側面図である。 図3は、打撃部の側面図である。 図4は、打撃部の下面図である。 図5は、図4のA−A線に沿う断面図である。 図6は、本石炭灰処理装置を使用した石炭灰処理方法を段階的に示した図である。 図7は、図6から続く、石炭灰処理方法を段階的に示した図である。 図8の(a)は、本発明の他の実施形態に係る石炭処理装置の、打撃部を含む管状体の断面図であり、(b)はB−B線に沿う断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図8に基づいて詳細に説明する。
本発明に実施の形態に係る石炭灰処理装置1は、図1に示すように、石炭処分場の地盤内に挿入される管状体2と、該管状体2の上端に連結されるバイブロハンマー3と、管状体2及びバイブロハンマー3を支持するバックホウ4と、管状体2の下端に一体的に設けられる打撃部5(図2参照)と、石炭灰をスラリー状に生成するミキサー6と、ミキサー6内のスラリー状石炭灰を管状体2に圧送する圧送ポンプ7と、スラリー状石炭灰の圧入箇所から管状体2を経由して吸水する吸水ポンプ(図示略)とを備えている。なお、ミキサー6は第1配管8により圧送ポンプ7と連通している。圧送ポンプ7は第2配管9により管状体2内と連通している。
図5に示すように、管状体2は、円筒状の内側管状体10と、該内側管状体10の外側に間隔を置いて同心状に配置される円筒状の外側管状体11とからなる二重管にて構成される。管状体2の外径は100mm以下で、様々な条件に対応して決定される。内側管状体10の内部がスラリー状石炭灰の流通経路となる。内側管状体10の外壁面と外側管状体11の内壁面との間には環状空間12が形成される。内側管状体10及び外側管状体11の上端開口はそれぞれ閉塞され、内側管状体10に、例えばロータリージョイントを介して第2配管9が接続されている。内側管状体10の外壁面と外側管状体11の内壁面との間の環状空間12に吸水ポンプが連通している。
図2〜図5に示すように、管状体2の下端(先端)には、打撃部5が一体的に接続される。打撃部5の最大外径は、管状体2の外径よりも大径である。打撃部5は、円筒状の内側筒状体15と、該内側筒状体15の外側に間隔を置いて同心状に配置される円筒状の外側筒状ブロック体16と、内側筒状体15及び外側筒状ブロック体16の下方に配置されるヘッド部17とから構成される。内側筒状体15の外壁面と、外側筒状ブロック体16の内壁面との間には環状空間18が形成される。外側筒状ブロック体16は、最も大径でありその外壁面が軸方向に沿って延びる大径部20と、大径部20の上方に位置して外壁面が管状体2に向かって縮径する上側テーパ部21と、大径部20の下方に位置して外壁面が大径部20に向かって拡径する下側テーパ部22とが形成される。外側筒状ブロック体16の大径部20には径方向に沿う吸水孔23が周方向に間隔を置いて複数設けられ、各吸水孔23は環状空間18に連通する。各吸水孔23に吸水フィルタ24がそれぞれ設けられている。吸水フィルタ24は不織布で構成され、水分の通過を許容しつつ、石炭灰の塊の通過を規制するものである。外側筒状ブロック体16の下側テーパ部22には下方に向かって延びる下側掻取エッジ28が周方向に間隔を置いて複数形成される。外側筒状ブロック体16の大径部20の外壁面には、外方に向かって突設する外側掻取エッジ29が周方向に間隔を置いて複数形成される。
図5から解るように、外側筒状ブロック体16及び内側筒状体15の下端開口(先端開口)は閉塞板部35によってそれぞれ閉塞される。閉塞板部35には上下方向に沿う貫通孔36が設けられる。該貫通孔36は内側筒状体15の内部に連通している。ヘッド部17は、内部に中空部39を有する円錐状に形成される。ヘッド部17は頂部が下方を向くように閉塞板部35の下面に一体的に接続される。ヘッド部17は管状体2と同心状に配置される。ヘッド部17の中空部39が貫通孔36に連通され、ひいては内側筒状体15の内部に連通する。ヘッド部17の外壁部には周方向に沿って間隔を置いて複数の圧入用孔40が形成される。各圧入用孔40は中空部39に連通している。各圧入用孔40はヘッド部17の円錐状の外壁部に対して直交する方向に形成されている。そして、管状体2の内側管状体10の内部と、打撃部5の内側筒状体15の内部(ヘッド部17の内部)とが連通すると共に、管状体2側の環状空間12と、打撃部5側の環状空間18とが連通するように、管状体2の下端に打撃部5が一体的に接続される。管状体2と打撃部5との接続には、溶接、螺合やかしめ等適宜の接続手段が採用される。なお、本実施形態では、管状体2と打撃部5とを別体で構成したが、管状体2の内側管状体10と打撃部5の内側筒状体15とを共通部材で構成して、管状体2の外側筒状体11の下端から下方に連続して突設させた内側筒状体10(共通部材)の下端部の周りに、打撃部5を構成する外側筒状ブロック体16を一体的に配置してもよい。
図2に示すバイブロハンマー3は、管状体2に上下方向(軸方向)の振動を付与でき、また管状体2の先端の打撃部5による地盤への打撃を付与することができる。なお、バイブロハンマー3には、管状体2を軸周りに回転させる機構が付加されている。バイブロハンマー3は、管状体2へ付与する振動、回転及び打撃を独立して制御することができる。
図2、図6及び図7に示すように、打撃部5から上方の管状体2の周りに逆流規制板43が設けられている。該逆流規制板43は円環状に形成され、管状体2の外壁面に一体的に接続される。該逆流規制板43の外径は、打撃部5の各外側掻取エッジ29の外縁の回転軌跡の径と略一致している。また、逆流規制板43から上方で管状体2の周りに流出規制板44が配置されている。流出規制板44は上下方向に沿う挿通孔45を有する平面視矩形状に形成される。なお、流出規制板44は、平面視円形状でもよいし、楕円形状や多角形状でもよい。流出規制板44の挿通孔45に管状体2が挿通され、管状体2は流出規制板44と相対的に軸方向に移動可能となる。流出規制板44の外縁部には下方に延びる係止部46が一体的に形成される。流出規制板44の外縁部全域に係止部46を一体的に形成してもよい。該流出規制板44は、その係止部46を地盤内に打ち込むことで、地盤上に係止される。流出規制板44は、管状体2により形成された削孔50を上方から塞ぐように地盤上に係止される。なお、流出規制板44の地盤上からの浮上を抑制するために、係止部46の内面に更に内方に突設する係止ピン等を設けてもよい。流出規制板44の下方で管状体2周りの地盤内には帯状フィルタ47が配置される。帯状フィルタ47は、管状体2の外壁面に密着すると共に削孔50の内壁面に密着するように配置される。帯状フィルタ47は不織布で構成され、水分の通過を許容しつつ、石炭灰の塊の通過を規制するものである。
次に、本発明の実施形態に係る石炭灰処理装置1を用いた石炭灰処理方法を説明する。
まず、混合ステップでは、火力発電所から廃棄される石炭灰及び海水をそれぞれ所定の混合比でミキサー6に投入して、ミキサー6によりこれらを撹拌混合してスラリー状石炭灰を生成する。石炭灰と海水との混合比(含水比)は、流動性等、様々な条件に対応して適宜決定される。この混合ステップでは、供給される石炭灰が乾灰であっても、湿灰であっても、ミキサー6により含水比が調整されたスラリー状石炭灰を生成する。なお、埋立処分のために予め含水比が調整されたスラリー状石炭灰が供給される場合には、混合ステップを省略する場合もある。
次に、挿入ステップが実施される。すなわち、図6(a)に示すように、挿入ステップでは、バイブロハンマー3を起動して、管状体2の先端に設けた打撃部5により地盤を打撃しつつ、管状体2を回転させて、管状体2を地盤内の所定深さまで挿入する。この時、打撃部5に設けた各下側掻取エッジ28及び各外側掻取エッジ29により地盤に削孔50を容易に形成することができ、該削孔50に管状体2を挿入することができる。なお、挿入ステップの後に、バイブロハンマー3の作動を一時的に停止して、管状体2の、地盤内で地上に近接する位置に帯状フィルタ47を巻き付けた後、流出規制板44の係止部46を地盤に打ち込み、流出規制板44を地盤上に係止する。また、管状体2の挿入後は、打撃部5の外径は管状体2の外径よりも大径であるので、管状体2の外壁面と削孔50の内壁面との間に環状空間51が現出して、管状体2の周りに備えた逆流規制板43の外壁面が削孔50の内壁面に当接する。帯状フィルタ47は管状体2の内壁面に密着すると共に、削孔50の内壁面に密着するようになる。なお、管状体2へ付与される回転数は、施工場所等、様々な条件に対応して適宜決定されるが、25〜35rpm/minの範囲で設定される。
次に、圧入ステップが実施される。すなわち、圧入ステップでは、図6(b)及び(c)に示すように、バイブロハンマー3を再起動させて、該バイブロハンマー3により管状体2を上下方向に振動させることで、打撃部5を上下方向に振動させて、打撃部5周辺の箇所を液状化させてその箇所(2点鎖線で囲まれる箇所)の強度を下げる。なお、バイブロハンマー3による、周波数及び加振力は、施工場所等、様々な条件に対応して適宜決定される。この時、管状体2には、バイブロハンマー3により、管状体2への上下方向の振動に加え、軸周りの回転も付与される。続いて、管状体2(打撃部5)に上下方向の振動を付与しつつ、管状体2を若干引き揚げて、このタイミングで圧送ポンプ7によりスラリー状石炭灰をミキサー6から管状体2の内側管状体10の内部に向かって圧送する。すると、スラリー状石炭灰が、管状体2の内側管状体10内及び打撃部5の内側筒状体15内を経由して、ヘッド部17の各圧入用孔40から液状化された箇所(2点鎖線で囲まれる箇所)に圧入される。
この圧入時、管状体2は軸周りを回転しているために、スラリー状石炭灰は、液状化された箇所全域に局所的に、且つ略均一に圧入される。なお、圧送ポンプ7からのスラリー状石炭灰の注入圧は、様々な条件に対応して適宜決定されるが、3MPa以下に設定される。これは、予め、打撃部5の上下方向への振動により打撃部5周辺の箇所を液状化させてその箇所の強度を下げているために比較的低い注入圧で対応することができる。また、打撃部5の各圧入用孔40から圧入されたスラリー状石炭灰が、打撃部5周辺から管状体2の外壁面と削孔50の内壁面との間の環状空間51に沿って上方に向かって逆流した場合でも、管状体2の周りには逆流規制板43が配置されているので、ほとんどのスラリー状石炭灰のそれ以上の逆流が抑制される。しかしながら、スラリー状石炭灰の圧力が逆流規制板43に直接付与され、少量のスラリー状石炭灰が逆流規制板43の外壁面と削孔50の内壁面との間の間隙から上方に向かって逆流した場合でも、地盤上には流出規制板44が係止されているので、スラリー状石炭灰が地上に流出するのを抑制することができる。しかも、流出規制板44から直下の地盤内には帯状フィルタ47が配置されているので、水分の上方への移動を許容しつつ、石炭灰の塊等の地上への流出を極力抑制することができる。
次に、打撃ステップが実施される。すなわち、打撃ステップでは、図6(d)に示すように、バイブロハンマー3の作動により管状体2の打撃部5により圧入箇所を上方から打撃する。この時、管状体2が軸周りを回転しつつ打撃するので、地盤内の密度を略均一に高めることができる。なお、打撃ステップ時、吸水ポンプを作動させることで、圧入箇所からの吸水を同時に行う場合がある。この場合、吸水ポンプにより、圧入箇所から、打撃部5の各吸水孔23に設けた吸水フィルタ24、打撃部5の外側筒状ブロック体16と内側筒状体15との間の環状空間18、及び管状体2の内側管状体10と外側管状体11との間の環状空間12を経由して吸水される。その際、打撃部5の各吸水フィルタ24により、石炭灰の塊等の吸い込みを抑制することができる。
次に、管状体2を所定距離引き揚げた後、圧入ステップ(図7(e)及び(f))及び打撃ステップ(図7(g))が繰り返される。なお、図7(e)及び(f)は、図6(b)及び(c)と同じ圧入ステップが実施され、図7(g)は、図6(d)と同じ打撃ステップが実施される。
なお、上述した、挿入ステップ、圧入ステップ及び打撃ステップによりスラリー状石炭灰を地盤内に埋設した後、地盤内の密度増大、すなわち強度増大を調査するためにコーン貫入試験を行った。その結果、地盤内の強度増大、すなわち密度増大が確認された。なお、スラリー状石炭灰の圧入量等様々な条件によって変化するが、打撃部5の軸方向の長さが30cmである管状体2を深さ100cm(打撃部5の先端が深さ100cmに位置)まで挿入して、上述した圧入ステップ及び打撃ステップを実施した時、深さ40cm〜120cmの範囲でその密度が高く、管状体2が挿入された部位を中心として直径1.5m〜2.0mの範囲でその密度が高くなることが確認されている。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る石炭灰処理装置1は、特に、バイブロハンマー3により上下方向に振動可能で、打撃部5による打撃可能で、しかも軸周りに回転可能な管状体2を備えている。そして、混合ステップにて海水と石炭灰とを所定の混合比でミキサー6により撹拌混合してスラリー状石炭灰を生成した後、挿入ステップでは、管状体2を回転させつつその打撃部5で地盤を打撃して、管状体2を地盤内に挿入する。挿入ステップの後、圧入ステップでは、管状体2を回転させつつ振動させて、地盤内の管状体2の打撃部5周辺を液状化させながら、スラリー状石炭灰を該管状体2の内部を通じてその打撃部5の各圧入用孔40から地盤内に圧入する。圧入ステップの後、打撃ステップでは、管状体2の打撃部5によりスラリー状石炭灰の圧入箇所を打撃する。
これにより、石炭灰の地盤内への埋設時、地盤内の管状体2の打撃部5周辺を液状化させながらスラリー状石炭灰を圧入しているので地盤の盛り上がりもなく、石炭灰を地盤内に埋設することができ、石炭灰の処分量を増加させることができる。また、本実施形態では、供給される石炭灰が乾灰であっても、混合ステップにて、海水と石炭灰とを所定の混合比(含水比)でミキサー6により撹拌混合してスラリー状石炭灰を生成した後、該スラリー状石炭灰を地盤内に圧入するので、乾灰をシャワーリング作業を実施して湿灰とする等の石炭灰の飛散対策を講じる必要はない。また、圧入ステップでは、地盤内の管状体2の打撃部5周辺を液状化させて強度を下げた状態でスラリー状石炭灰を圧入するので、圧送ポンプ7からの注入圧を比較的低く設定することができ、高圧の圧送機能を有する高価な圧送ポンプ7を備える必要がない。また、本実施形態では、管状体2及びバイブロハンマー3をバックホウ4により支持できるので、例えばサンドコンパクション工法やリソイルコンポーザ工法で使用する三点式杭打機等の大掛かりな設備は必要なく、地盤上のトラフィカビリティを確保する必要もなく、ひいては、装置全体を小型・軽量化できると共に、作業性が良好でコスト的にも有利となる。
また、本発明の実施の形態に係る石炭灰処理装置1では、打撃部5より上方で管状体2の周りに、石炭灰の上方への逆流を規制する逆流規制板43を設けているので、管状体2の打撃部5の各圧入用孔40から圧入されたスラリー状石炭灰が、削孔50を経由して上方に逆流するのを抑制することができる。さらに、管状体2の周りで地盤上に係止され、石炭灰の地上への流出を規制する流出規制板44を設けているので、逆流規制板43により逆流を抑制できなかったスラリー状石炭灰が地上に流出するのを抑制することができる。しかも、流出規制板44の下方には帯状フィルタ47を設けているので、石炭灰の地上への流出を極力抑制することができる。
次に、本発明の他の実施形態に係る石炭灰処理装置1を図8に基づいて説明する。なお、他の実施形態に係る石炭灰処理装置1の説明の際には、図2〜図7に示す実施形態との相違点を主に説明する。また、図2〜図7に示す実施形態の部材や部位と同一または相当する部材や部位は同じ符号で示す。
管状体2の内側管状体10が外側管状体11の下端(先端)から突出するように下方に連続して延びている。内側管状体10の下端開口(先端開口)は円錐状のヘッド部17により閉塞される。外側管状体11の下端部から内側管状体10の下端開口を塞ぐヘッド部17に至る範囲で、その周りに打撃部5が一体的に接続される。打撃部5の径方向中心は管状体2の径方向中心に対して偏心している。該打撃部5はその大径部20の外径が管状体2の外径より大径に形成される。大径部20の内には、複数の吸水孔23が周方向に沿って区画されて設けられる。各吸水孔23は、管状体2の内側管状体10と外側管状体11との間の環状空間12に連通している。該各吸水孔23には吸水フィルタ24がそれぞれ配置されている。
打撃部5は、内側管状体10の外周壁の一部が外部に露出するように、周方向の所定範囲に吸水孔23を設けていない。外部に露出した内側管状体10の外壁部に径方向に貫通する圧入用孔40が複数形成されている。各圧入用孔40は、内側管状体10の下端(先端)に近傍する位置に形成される。
そして、圧入ステップ時、圧送ポンプ7によりスラリー状石炭灰をミキサー6から管状体2の内側管状体10の内部に向かって圧送すると、スラリー状石炭灰は、管状体2の内側管状体10内を経由して各圧入用孔40から水平方向に吐出されて液状化された箇所に圧入される。しかも、この圧入時、管状体2は振動しつつ軸周りを回転しており、打撃部5の径方向中心は管状体2の径方向中心に対して偏心しているために、打撃部5周辺に液状化される箇所を可能な限り大きな範囲で形成することができ、各圧入用孔40からのスラリー状石炭灰が、液状化された箇所全域に局所的に、且つ略均一に圧入される。
1 石炭灰処理装置,2 管状体,3 バイブロハンマー,4 バックホウ,5 打撃部,6 ミキサー,7 圧送ポンプ,40 圧入用孔,43 逆流規制板,44 流出規制板,47 帯状フィルタ

Claims (8)

  1. 石炭灰を石炭灰処分場の地盤へ埋設する石炭灰処理方法であって、
    管状体を地盤内に挿入する挿入ステップと、
    次に、前記管状体を振動させ地盤内の前記管状体の先端周辺を液状化させながら、スラリー状石炭灰を該管状体の内部を通じて前記管状体の先端ないしその近傍に開孔する圧入用孔から地盤内に圧入する圧入ステップと、
    次に、前記管状体の先端部分により圧入箇所を打撃する打撃ステップと、
    を含むことを特徴とする石炭灰処理方法。
  2. 前記挿入ステップ、前記圧入ステップ及び前記打撃ステップでは、前記管状体を軸周りに回転させることを特徴とする請求項1に記載の石炭灰処理方法。
  3. 前記打撃ステップの後、前記管状体を所定距離引き揚げて、前記圧入ステップ及び前記打撃ステップを繰り返すことを特徴とする請求項1または2に記載の石炭灰処理方法。
  4. 石炭灰を石炭灰処分場の地盤へ埋設する石炭灰処理装置であって、
    石炭灰をスラリー状に生成するミキサーと、
    該ミキサーに連通して、前記地盤内に挿入される管状体と、
    前記管状体の先端部分に設けられ、前記管状体よりも大径の打撃部と、
    前記ミキサーにより生成されるスラリー状石炭灰を前記管状体内に圧送する圧送ポンプと、
    前記管状体の内部と連通するように前記管状体の先端ないしその近傍に形成され、前記管状体内からのスラリー状石炭灰を地盤内に圧入するための圧入用孔と、
    前記打撃部への振動及び前記打撃部による地盤への打撃を付与し、前記打撃部の振動により地盤内の該打撃部周辺を液状化させるハンマーと、
    を備えることを特徴とする石炭灰処理装置。
  5. 前記管状体は、軸周りに回転可能であることを特徴とする請求項4に記載の石炭灰処理装置。
  6. 前記打撃部より上方で前記管状体の周りに設けられ、石炭灰の上方への逆流を規制する逆流規制板と、
    前記管状体の周りで地盤上に配置され、石炭灰の地上への流出を規制する流出規制板と、
    を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の石炭灰処理装置。
  7. 前記管状体の周りで、前記逆流規制板と前記流出規制板との間に設けられ、石炭灰の流通を規制するフィルタを備えることを特徴とする請求項に記載の石炭灰処理装置。
  8. 前記打撃部の径方向中心は、前記管状体の径方向中心に対して偏心していることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の石炭灰処理装置。
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