JP6696232B2 - 回転圧入鋼管杭の施工方法 - Google Patents

回転圧入鋼管杭の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転圧入鋼管杭の施工方法に関する。
従来、鋼管杭の打設方法として、打撃やバイブロハンマにより地盤に鋼管杭を貫入させる方法があるが、騒音や振動が大きいことから市街地で適用しにくい欠点がある。そのため、低騒音で、かつ低振動で鋼管杭を打設する方法として、例えば特許文献1に示されるような、回転貫入させるドリル式の回転圧入により施工する方法が知られている。
特許文献1には、螺旋羽根を有する鋼管杭を使用し、鋼管杭の下端開口部内に締め固めた状態の土砂を詰めて施工し、杭先端が支持層に達するまでの施工中に軟弱層の土砂が杭内に進入することを抑制するようにした方法について記載されている。この場合、低騒音および低振動であるのに加え、回転圧入中の鋼管杭内への土砂の進入が抑制され、鋼管杭の打設後の土砂の除去量を減らすことができるので、市街地の施工に適した工法となっている。
特開2002−167760号公報
しかしながら、従来の回転圧入鋼管杭の施工方法では、回転圧入による施工中において、鋼管杭内に進入した土砂が貫入抵抗となり、また地盤抵抗の大きな支持層においては回転圧入のみでは目標深度に到達させることができないおそれがあった。
また、特許文献1に示すように積極的に鋼管杭の開口部分に締め固めた土砂を詰めた状態とし、軟弱地盤の土砂の鋼管杭内への進入を抑制する方法があるが、この場合、鋼管杭の閉塞断面積が大きくなることから、貫入抵抗が大きくなる。そのため、施工性が低下するという問題があり、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、貫入抵抗を低減させることで施工性を向上させ、回転圧入により目標深度に確実に到達できるうえ、従来の回転圧入工法と同等以上の鋼管杭の支持力を得ることができる回転圧入鋼管杭の施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、鋼管杭を回転圧入させて地盤の支持層まで貫入させる回転圧入鋼管杭の施工方法であって、前記鋼管杭の内部に振動ロッドを挿入し、該振動ロッドを振動させた状態で前記鋼管杭を回転圧入させて地盤に貫入させる第1工程と、前記支持層において前記鋼管杭を該前記鋼管杭の杭到達目標深度に到達させる第2工程と、を有することを特徴としている。
本発明では、鋼管杭を回転圧入により地盤に貫入させる際に、鋼管杭内に挿入させた振動ロッドを振動させながら同時に地盤に貫入させることができる。そのため、鋼管杭の先端周囲の地盤を振動ロッドの先端で緩めながら鋼管杭を回転圧入させることが可能となるので、鋼管杭の貫入抵抗を低減させて施工性を向上させることができる。
このように鋼管杭の貫入抵抗を低減することで、支持層において鋼管杭の杭到達目標深度に確実に到達させることが可能となる。さらに、鋼管杭の貫入抵抗を低減させることにより、圧入速度が増し、施工効率を向上させることができるうえ、回転圧入を行うための装置の小型化が可能となり、施工コストの低減を図ることができる。また、装置の小型化によって施工スペースを縮減することができ、狭隘地での施工も可能になる。
また、本発明では、鋼管杭の圧入に加え、振動ロッドによる振動を付与する構成であるが、振動する振動ロッドが鋼管杭内に位置し、鋼管杭の内部の地盤のみに振動を与えることから、鋼管杭自体を打撃やバイブロハンマで貫入する場合に比べて騒音や振動を小さく抑えることができる。
また、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、前記振動ロッドの先端の位置は、前記鋼管杭が前記杭到達目標深度に到達するまでは前記鋼管杭の先端よりも浅い深度に配置されていることが好ましい。
この場合には、振動ロッドによって鋼管杭の内部に進入する土砂のみが緩みの対象となるので、鋼管杭内の土砂による貫入抵抗を効果的に低減することができる。
また、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、前記鋼管杭が前記杭到達目標深度に到達する前、到達時点、又は通過後において、前記鋼管杭を回転させた状態、又は回転させない状態で前記鋼管杭の押し込みと引き抜きとを繰り返しながら、徐々に前記鋼管杭の先端深度を深くすることと、浅くすることと、を適宜選択して行うことで前記杭到達目標深度に到達させることが好ましい。
この場合には、振動ロッドを使用して地盤抵抗を低減した施工後に、鋼管杭の押し込みと引き抜きとを繰り返しながら、徐々に鋼管杭の先端深度を深くしたり、浅くすることにより、杭先端部の地盤および管内土を効果的に締め固めることをができる。そのため、振動ロッドによって低減された地盤の支持力を回復することができる。
また、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、前記振動ロッドがロッド最深目標深度に到達した後に、前記振動ロッドを振動させたまま前記鋼管杭の内部から引き抜く第3工程を有することが好ましい。
この場合、振動ロッドを振動させたまま鋼管杭の内部から引き抜くことで、鋼管杭の直下の地盤および鋼管杭内の緩んだ土砂の密度を回復することができる。つまり、振動ロッドの貫入時に緩めた地盤および鋼管杭内の土砂の強度を振動ロッドのロッド最深目標深度に到達した後に回復することができるので、鋼管杭の圧入時に低下した地盤および鋼管杭内の土砂の支持力を高めることができる。
また、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、前記第3工程は、前記鋼管杭が前記支持層に到達する前のタイミングで行われるようにしてもよい。
この場合、振動ロッドの引抜き後に鋼管杭の回転圧入のみとなり、振動ロッドによって地盤を緩ませることなく杭到達目標深度に到達させることができる。つまり、振動ロッドを引き抜いた後は、鋼管杭の圧入に伴って鋼管杭内に進入する土砂によって、管内が閉塞された状態で前記鋼管杭が杭到達目標深度に到達されることになる。この場合、管内に閉塞された土砂の抵抗力が付加された、支持力を得ることができる。
また、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、前記第3工程において、前記振動ロッドが前記ロッド最深目標深度に到達した後に、地盤中の地下水を前記振動ロッドの先端から吸水することが好ましい。
この場合、振動ロッドを振動させたまま引き抜く際に、振動ロッドの先端から吸水することによって振動ロッドの先端付近の地盤の間隙水圧が低下し、締め固めを促進させることができるので、鋼管杭の支持力をより向上させることができる。
また、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、前記第3工程において、前記振動ロッドが前記ロッド最深目標深度に到達した後に、前記振動ロッドの先端から地盤中および前記鋼管杭内に進入した土砂に向けて砂を投入することが好ましい。
この場合、振動ロッドを振動させたまま引き抜く際に、振動ロッドの先端から砂を投入することによって振動ロッドの先端付近の地盤中および鋼管杭内に進入した土砂の密度が高まり、締め固めを促進させることができるので、鋼管杭の支持力をより向上させることができる。
また、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、前記第3工程において、前記振動ロッドが前記ロッド最深目標深度に到達した後に、前記振動ロッドを前記鋼管杭の内部から引き抜く工程と、引き抜いた前記振動ロッドよりも接地面積がより大きい先端部を有する第2振動ロッドを前記鋼管杭に挿入する工程と、前記第2振動ロッドの前記先端部から流体を噴射させながら、前記先端部を前記鋼管杭の先端よりも深い位置まで貫入させる工程と、前記第2振動ロッドを振動させたまま前記鋼管杭の内部から引き抜く工程と、を有することが好ましい。
本発明では、鋼管杭の回転圧入時に地盤を緩ませる際に使用する振動ロッドを第2振動ロッドに交換し、第2振動ロッドをその先端部が鋼管杭の先端よりも深い位置となるまで貫入させる際に、第2振動ロッドの先端部から流体を噴射させることから、鋼管杭の内部に進入して詰まっている土砂を流体の噴射により緩めながら容易に到達位置まで貫入させることができる。接地面積の大きな先端部を有する第2振動ロッドを鋼管杭の内部から振動させたまま引き抜くことで、交換前の前記振動ロッドの場合に比べて振動による締め固めの促進効率を向上させることができる。
また、接地面積の大きな先端部を有する第2振動ロッドを鋼管杭の内部から振動させたまま引き抜くことで、交換前の前記振動ロッドの場合に比べて振動による締め固めの促進効率を向上させることができる。
また、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、前記振動ロッドを引き抜いた後、さらに前記鋼管杭の内部における複数箇所に前記振動ロッドを振動させながら所定深度まで挿入し、振動させたまま引き抜くようにしてもよい。
この場合には、振動ロッドによって緩んだ土砂の密度を鋼管杭の断面内の複数箇所において回復することができるので、鋼管杭の断面内における回復状態がばらつきが無く均一になる。
また、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、前記鋼管杭の先端には、地盤掘削用の切削ビットが設けられていることが好ましい。
この場合には、鋼管杭は回転に伴って切削ビットが地盤を切削しながら圧入されるので、礫などの硬い地盤であっても、切削ビットで砕きながら圧入することができ、施工効率の向上を図ることができる。
また、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、前記鋼管杭の先端には、径方向の外側に突出する羽根が設けられていることが好ましい。
本発明では、鋼管杭は回転に伴って羽根が地盤を切削、かつ撹拌しながら圧入されるので、圧入方向の推進力(トルク)が付与され圧入速度を速くすることができ、施工効率の向上を図ることができる。
また、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、前記鋼管杭の先端内面には、管径方向の内側に向けて突出するとともに、開口部の投影面積を縮小する板部材が設けられていることが好ましい。
このような構成とすることで、鋼管杭内に進入する土砂が板部材によって押さえつけられるので、締め固めを促進することができる。
また、本発明に係る回転圧入鋼管杭の施工方法は、前記振動ロッドは、外管と、該外管より先端が下方に突出する内管と、からなる二重管構造になっており、前記内管のみを振動させるようにしてもよい。
本発明では、振動する内管が外管より下方に突出する部分の周囲のみの地盤(鋼管杭内の土砂)を緩め、かつ締め固めることができる。この場合、内管の外管からの突出長さを適宜設定することで、地盤の緩み領域や締め固め領域を調整することができる。
本発明の回転圧入鋼管杭の施工方法によれば、貫入抵抗を低減させることで施工性を向上させ、回転圧入により目標深度に確実に到達できるうえ、従来の回転圧入工法と同等以上の鋼管杭の支持力を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態による鋼管杭の施工方法を示す一部破断した側面図である。 (a)〜(e)は、鋼管杭の施工手順を示す説明図である。 振動ロッドの先端の位置を説明するための縦断面図である。 (a)、(b)は、第2の実施の形態による鋼管杭の施工方法を示す縦断面図である。 (a)、(b)は、第3の実施の形態による鋼管杭の施工方法を示す縦断面図である。 (a)〜(d)は、第4の実施の形態による鋼管杭の施工手順を示す縦断面図である。 (a)〜(c)は、図6(d)に続く鋼管杭の施工手順を示す縦断面図である。 (a)〜(d)は、第5の実施の形態による鋼管杭の施工手順を示す縦断面図である。 (a)、(b)は、第6の実施の形態による鋼管杭の施工方法を示す縦断面図である。 図9(b)に示すA−A線断面図であって、鋼管杭の水平断面図である。 第7の実施の形態による第1施工方法を模式的に示した図である。 第7の実施の形態による第2施工方法を模式的に示した図である。 第7の実施の形態による第3施工方法を模式的に示した図である。 第7の実施の形態による第4施工方法を模式的に示した図である。 実施例による実験の結果を示す図であって、貫入抵抗比と支持力比との関係を示す図である。 (a)、(b)は、第1変形例による鋼管杭内の振動ロッドの構成を示す水平断面図である。 第2変形例による鋼管杭の構成を示す縦断面図である。 第3変形例による振動ロッドの構成を示す縦断面図である。 第4変形例による鋼管杭の構成を示す縦断面図である。 第5変形例による鋼管杭の構成を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態による回転圧入鋼管杭の施工方法について、図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本実施の形態による回転圧入鋼管杭の施工方法は、鋼管杭1(回転圧入鋼管杭)を回転圧入装置10を用いて圧入する施工において、この施工時に鋼管杭1内に加振装置20によって振動ロッド2を挿入し、振動ロッド2を振動させながら鋼管杭1を支持層G1に貫入するまで圧入させる方法である。
ここで、図1の符号G0は地盤における軟弱層を示し、符号G1は中間層G0の下層に位置する支持層を示している。また、鋼管杭1及び振動ロッド2において、それぞれ下端を先端1a、2aという。
鋼管杭1は、例えば直径1000mmで上下端が開口する筒状の鋼管からなり、溶接により接合され同軸線上に複数本が継ぎ足されることにより施工される。
回転圧入装置10は、鋼管杭1を外周側から把持するジャッキ(不図示)を備え、ジャッキで把持した鋼管杭1を管軸を中心にして回転させ、かつ下方に向けて押圧する機能を有している。
加振装置20は、例えば鋼矢板の打設等に使用される周知のバイブロハンマ等を採用することができ、図示しないクレーンによって吊り下げられるとともに、先端2a(下端)が円錐形状をなす振動ロッド2の上端2bを把持して上下方向に振動可能となっている。振動ロッド2は、例えば外径寸法100mmの鋼製管状のものが使用され、水平断面視で鋼管杭1の略中心部に位置している。
次に、具体的な鋼管杭1の施工方法について説明する。
先ず、図1に示すように、回転圧入装置10を鋼管杭1の打設位置となる地盤上に設置し、最初に打設する鋼管杭1をセットする。続いて、振動ロッド2を装着した加振装置20をクレーンによって吊り下げ、振動ロッド2の先端2aが鋼管杭1の先端1aに対して所定の位置(ここでは、振動ロッド2の先端2aが鋼管杭1の先端1aより深い位置)になるように鋼管杭1内に挿入して圧入準備が完了となる。
図2(a)、(b)に示すように、第1工程では、鋼管杭1の回転圧入を開始し、同時に鋼管杭1内で振動ロッド2に振動を付与して地盤に貫入させ、第2工程において支持層G1における鋼管杭1の杭到達目標深度P1まで打設し到達させる。ここで、杭到達目標深度P1とは、支持層G1において鋼管杭1の先端1aを到達させる深度を意味する。このとき、振動ロッド2の先端2aを鋼管杭1の先端1aよりも深い位置にしながら加振装置20により振動させることで、鋼管杭1内に進入する土砂(符号Ga)及び鋼管杭1の直下の地盤(符号Gb)を緩めることができる。そのため、回転圧入される鋼管杭1に作用する鉛直方向の貫入抵抗を小さくすることができる。なお、杭到達目標深度P1は支持層G1の深度や土質条件によるが、例えば支持層G1の深度が30mで、鋼管杭1の杭径が1mの場合、杭到達目標深度P1は30.5〜35mで、鋼管杭1の外形寸法Dの0.5〜5倍を支持層G1に貫入させる。
ここで、振動ロッド2は、鋼管杭1の圧入とともに、鋼管杭1内に貫入させていく。振動ロッド2の先端2aの位置は、図1及び図2(a)、(b)に示すように鋼管杭1の先端1aよりも下方に突出させた位置であっても良いし、好ましくは図3に示すように鋼管杭1が杭到達目標深度P1に到達するまでは鋼管杭1の先端1aよりも浅い深度に配置されていることが良い。さらに具体的に振動ロッド2の先端2aの位置は、図3に示すように、鋼管杭1の先端1aに極力近く、上限値は鋼管杭1の先端1aから鋼管杭1の外形寸法Dの2倍(2D)だけ離れた位置であることが効果的である。
なお、本実施の形態では、振動ロッド2が振動停止位置(到達するロッド最深目標深度P2)に到達するタイミングは、鋼管杭1の圧入を停止させて到達位置(鋼管杭1の先端1aが到達する杭到達目標深度P1)に到達するタイミングと同じになる。つまり、鋼管杭1の杭到達目標深度P1と振動ロッド2のロッド最深目標深度P2はそれぞれ同時に到達することになる。ここで、ロッド最深目標深度P2とは、施工中に振動ロッド2が到達する最も深い深度を意味する。ロッド最深目標深度P2は杭到達目標深度P1によるが、例えば杭到達目標深度P1が31mで、鋼管杭1の杭径が1mの場合、ロッド最深目標深度P2は28〜32mの範囲である。
次に、図2(c)〜(e)に示すように、第3工程において、振動ロッド2がロッド最深目標深度P2に到達した後、及び鋼管杭1が支持層G1における杭到達目標深度P1に到達した後に、振動ロッド2を振動させた状態のまま鋼管杭1の内部から引き抜く。振動ロッド2を引抜くと空隙ができ、周辺の地盤が落ち込む。その地盤を振動ロッド2の振動によって突き固めることで、前記第1工程及び第2工程で緩まった地盤中の密度が回復し、鋼管杭1の直下の地盤Gbおよび鋼管杭1内に進入した土砂Gaの強度を回復することができる。ここで、図2(a)〜(e)における鋼管杭1の直下の地盤Gbおよび鋼管杭1内に進入する土砂Gaは、ドットの少ない部分(例えば図2(c)の鋼管杭1内の土砂Ga)が振動ロッド2によって緩んだ状態を示し、ドットの多い部分(例えば図2(e)の鋼管杭1の直下の地盤Gb)が振動ロッド2によって密度が回復した状態を示している。
そして、振動ロッド2を鋼管杭1から完全に引き上げることで、施工が完了となる。
なお、締め固めの施工管理方法としては、地盤の締め固めの分野で一般的に利用されている手法(例えば、非特許文献「土の締固め」、地盤工学・実務シリーズ30、公益社団法人地盤工学会)を用い、振動ロッド2の応答加速度を測定して、その周波数分布が所定の状態になったときに所定の締め固め強度となったものと判断する方法などを採用することができる。
以上説明した回転圧入鋼管杭の施工方法によれば、図1及び図2に示すように、鋼管杭1を回転圧入により地盤に貫入させる際に、鋼管杭1内に挿入させた振動ロッド2を振動させながら同時に地盤に貫入させることができる。そのため、鋼管杭1の先端1a周囲の地盤を振動ロッド2の先端2aで緩めながら鋼管杭1を回転圧入させることが可能となるので、鋼管杭1の貫入抵抗を低減させて施工性を向上させることができる。
このように鋼管杭1の貫入抵抗を低減することで、支持層G1において鋼管杭1の杭到達目標深度P1に確実に到達させることが可能となる。さらに、鋼管杭1の貫入抵抗を低減させることにより、圧入速度が増し、施工効率を向上させることができるうえ、回転圧入装置10の小型化が可能となり、施工コストの低減を図ることができる。また、回転圧入装置10の小型化によって施工スペースを縮減することができ、狭隘地での施工も可能になる。
また、この場合、振動ロッド2を振動させたまま鋼管杭1の内部から引き抜くことで、鋼管杭1の直下の地盤Gbおよび鋼管杭1内の緩んだ土砂Gaの密度を回復することができる。つまり、振動ロッド2の貫入時に緩めた地盤Gbおよび鋼管杭1内の土砂Gaの強度を振動ロッド2のロッド最深目標深度P2に到達した後に回復することができるので、鋼管杭1の圧入時に低下した地盤Gbおよび鋼管杭1内の土砂Gaの支持力を高めることができる。
さらに、本実施の形態では、鋼管杭1の圧入に加え、振動ロッド2による振動を付与する構成であるが、振動する振動ロッド2が鋼管杭1内に位置し、鋼管杭1の内部の地盤のみに振動を与えることから、必要エネルギーが小さく、鋼管杭1自体を打撃やバイブロハンマで貫入する場合に比べて騒音や振動を小さく抑えることができる。
また、本実施の形態では、図3に示すように、振動ロッド2の先端2aの位置は、鋼管杭1が杭到達目標深度P1に到達するまでは鋼管杭1の先端1aよりも浅い深度に配置することができる。
この場合には、振動ロッド2によって鋼管杭1の内部に進入する土砂Gaのみが緩みの対象となるので、鋼管杭1内の土砂Gaによる貫入抵抗を効果的に低減することができる。また、鋼管杭1内に進入する土砂Gaの貫入抵抗は、鋼管先端と、この先端から上方に前記2Dだけ離れた位置との間で卓越することが知られており、振動ロッド2の先端2aの上限値は鋼管杭1の先端1aから鋼管杭1の外形寸法Dの2倍(2D)だけ離れた位置とされることが効果的である。
上述のように本実施の形態による回転圧入鋼管杭の施工方法では、貫入抵抗を低減させることで施工性を向上させ、回転圧入により目標深度に確実に到達できるうえ、従来の回転圧入工法と同等以上の鋼管杭1の支持力を得ることができる。
次に、本発明の回転圧入鋼管杭の施工方法による他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態による回転圧入鋼管杭の施工方法は、上述した第3工程において、振動ロッド2がロッド最深目標深度P2に到達した後に、図4(a)に示すように地盤中の地下水Wを振動ロッド2の先端2aから吸水しながら振動を加えつつ、図4(b)に示すように鋼管杭1内から引き抜く方法となっている。この場合には、振動ロッド2の先端2aに吸水用の孔(不図示)が形成されるとともに、吸い上げ用のパイプが振動ロッド2の内側又は外側に設けられている。
本第2の実施の形態では、振動ロッド2を振動させたまま鋼管杭1の内部から引き抜く際に、振動ロッド2の先端2aから地下水Wを吸水することによって振動ロッド2の先端2a付近の地盤の間隙水圧が低下し、締め固めを促進させることができる。そのため、鋼管杭1の支持力をより向上させることができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態による回転圧入鋼管杭の施工方法は、上述した第3工程において、振動ロッド2がロッド最深目標深度P2に到達した後に、図5(a)に示すように振動ロッド2の先端2aから地盤中および鋼管杭1内に進入した土砂に向けて砂Sを投入しながら振動を加えつつ、図5(b)に示すように鋼管杭1内から引き抜く方法となっている。この場合には、振動ロッド2の先端2aに砂噴射孔(不図示)が設けられ、鋼管杭1の外方から前記砂噴射孔に向けて砂Sを高圧で送るパイプが振動ロッド2の内側又は外側に設けられている。
第3の実施の形態では、振動ロッド2を振動させたまま鋼管杭1の内部から引き抜く際に、振動ロッド2の先端2aから砂Sを投入することによって振動ロッド2の先端2a付近の地盤中および鋼管杭1内に進入した土砂Gaの密度が高まり、締め固めを促進させることができる。そのため、鋼管杭1の支持力をより向上させることができる。
(第4の実施の形態)
図6及び図7に示す第4の実施の形態による回転圧入鋼管杭の施工方法は、上述した第3工程において、図6(a)、(b)に示すように振動ロッド2がロッド最深目標深度P2に到達した後に、図6(c)に示すように振動ロッド2を鋼管杭1の内部から引き抜く。次に、図6(d)に示すように、引き抜いた振動ロッド2よりも接地面積がより大きい先端部21を有する第2振動ロッド2Aを鋼管杭1に挿入する。
そして、図7(a)、(b)に示すように、第2振動ロッド2Aの先端部21から水などの流体Eを噴射させながら、先端部21を鋼管杭1の先端1aよりも深い位置まで貫入させる。その後、図7(c)に示すように、第2振動ロッド2Aを振動させたまま鋼管杭1の内部から引き抜く方法となっている。
本第4の実施の形態では、鋼管杭1の回転圧入時に地盤を緩ませる際に使用する振動ロッド2を第2振動ロッド2Aに交換し、接地面積の大きな先端部21を有する第2振動ロッド2Aを鋼管杭1の内部から振動させたまま引き抜くことで、交換前の振動ロッド2の場合に比べて振動による締め固めの促進効率を向上させることができる。
また、第2振動ロッド2Aをその先端部21が鋼管杭1の先端1aよりも深い位置となるまで貫入させる際に、第2振動ロッド2Aの先端部21から流体Eを噴射させることから、鋼管杭1の内部に進入して詰まっている土砂Gaを流体Eの噴射により緩めながら容易に到達位置まで貫入させることができる。
(第5の実施の形態)
図8(a)〜(d)に示すように、第5の実施の形態による回転圧入鋼管杭の施工方法では、図8(a)に示す振動ロッド2のロッド最深目標深度P2に到達して引き抜くタイミングは鋼管杭1が支持層G1に到達する前であって、図8(b)に示すように、振動ロッド2を鋼管杭1が杭到達目標深度P1に到達する時点よりも先に引き抜く方法である。この場合、ロッド最深目標深度P2は、図8(b)に示すように施工途中の鋼管杭1の先端1aより浅い位置であってもよいし、鋼管杭1の先端1aよりも深い位置であってもよい。振動ロッド2を引抜くタイミングは、例えば鋼管杭1の先端1aが支持層G1に到達する1〜2D手前であり、その深度がロッド最深目標深度P2になる。
この第5の実施の形態の場合には、図8(c)及び(d)に示すように振動ロッド2の引抜き後に鋼管杭1の回転圧入のみとなり、振動ロッド2によって地盤を緩ませることなく杭到達目標深度P1に到達させることができる。つまり、振動ロッド2を引き抜いた後は、鋼管杭1の圧入に伴って鋼管杭内に進入する土砂Gaによって、管内が閉塞された状態で鋼管杭1が杭到達目標深度P1に到達されることになる。この場合、管内に閉塞された土砂の抵抗力が付加された、支持力を得ることができる。
(第6の実施の形態)
図9(a)、(b)および図10に示すように、第6の実施の形態による回転圧入鋼管杭の施工方法では、鋼管杭1の先端1a内面において、管径方向の内側に向けて突出するとともに、開口部の投影面積を縮小する板部材12が設けられている。本実施の形態では、板部材12は、周方向の全周にわたってリング状に設けられている。
本実施の形態のように板部材12を設ける場合には、図9(a)に示す第1工程において振動ロッド2が板部材12の中空部12bを貫通した状態で、鋼管杭1の先端1a周囲の地盤Gbを緩め、貫入抵抗を低減させることができる。また、図9(b)に示す第2工程および第3工程においては、板部材12がその下面12a側で鋼管杭1内に進入する土砂Gaを押え込み、締め固めを促進することができる。なお、板部材12の設置位置は、鋼管杭1の先端1aから1〜2D上方であることが好ましい。
また、板部材12は、本実施の形態のように全周にわたって設けられることに限定されることはなく、周方向に部分的に配置されていてもよい。
(第7の実施の形態)
図11〜図14に示す第7の実施の形態による第1〜第4施工方法は、上述した施工中において、杭到達目標深度に到達する前まで振動ロッドを使用した補助施工を行い、振動ロッドを引き抜き(又は、引き抜かず)、鋼管杭を回転させた状態(又は、回転させない状態)で鋼管杭の押し込みと引き抜きを繰り返しながら、徐々に鋼管杭の先端深度を深くしていき(又は、浅くしていき、又は深くしたのちに浅くし)、杭到達目標深度P1に到達させるようにした施工方法であって、鋼管杭の先端(下端)の位置を示している。なお、振動ロッドを引き抜いた場合には、圧入のみで鋼管杭を一定の深度を施工した後に、鋼管杭の押し込みと引き抜きを繰り返し行うこともある。なお、押し込みと引き抜き量としては、例えば杭径の10〜20%とされる。
図11に示す第1施工方法は、杭到達目標深度P1の未達点から鋼管杭を押し引きしながら打ち下げを行う方法である。
先ず、振動ロッドを使用した補助施工によって地表面から中間層の途中まで、すなわち支持層に到達する前まで施工する。これにより図2(a)、(b)に示すように鋼管杭1内に進入する土砂Ga及び鋼管杭1の直下の地盤Gbが緩んだ状態となる。その後、振動ロッドを引き抜き(又は、引き抜かず)、鋼管杭を回転させた状態(又は、回転させない状態)で鋼管杭の押し込みと引き抜きを繰り返しながら(以下、押し引き工程という)、徐々に鋼管杭の先端深度を深くしていき、杭到達目標深度P1に到達させる。このとき、鋼管杭の押し引きによって、補助施工によって緩んだ鋼管杭1内に進入する土砂Ga及び鋼管杭1の直下の地盤Gbの圧縮が蓄積されて、締め固めることができる。
このように、第1施工方法では、中間層の途中までは補助施工により貫入抵抗を低減して効率的に施工することができ、この区間で緩んだ鋼管杭1内に進入する土砂Ga及び鋼管杭1の直下の地盤Gbを押し引き工程において締め固め支持力を高めることができる。また、押し引き工程における施工機械の負荷は補助工程より大きくなるため、施工機械に余力がある場合に好適である。
図12に示す第2施工方法は、杭到達目標深度P1を通過した適宜な位置の通過点から鋼管杭を押し引きしながら引き上げを行う方法である。
先ず、補助施工によって地表面から支持層に到達させ、さらに杭到達目標深度P1よりも深い所定停止位置P3まで施工する。その後、振動ロッドを引き抜き(又は、引き抜かず)、鋼管杭を回転させた状態(又は、回転させない状態)で鋼管杭の押し込みと引き抜きを繰り返しながら押し引き工程を行い、徐々に鋼管杭の先端深度を浅くしていく。これにより、上述した所定停止位置P3よりも浅い範囲で緩んだ鋼管杭1内に進入する土砂Ga及び鋼管杭1の直下の地盤Gbを締め固めることができる。
このように、第2施工方法では、上述した第1施工方法に比べて支持力は小さくなるが、補助施工で杭到達目標深度P1よりも深く貫入させるので、杭到達目標深度P1まで確実に施工することができる。従って、支持層の地盤抵抗が高い場合や、中間層の層厚が厚く途中で管内閉塞が生じてしまい施工性が悪化する場合など、従来の回転圧入鋼管杭の施工方法では貫入が困難な場合に好適である。
図13に示す第3施工方法は、杭到達目標深度P1から押し引きしながら打ち下げた後に、さらに引き上げを行う方法である。
先ず、補助施工によって地表面から支持層に到達させ、さらに杭到達目標深度P1に到達するまで施工する。その後、振動ロッドを引き抜き(又は、引き抜かず)、鋼管杭を回転させた状態(又は、回転させない状態)で鋼管杭の押し込みと引き抜きを繰り返す押し引き工程を行いながら、徐々に鋼管杭の先端深度を深くしていき、所定の深さ位置P4に達した後に浅くしていく。これにより、補助施工によって緩んだ鋼管杭1内に進入する土砂Ga及び鋼管杭1の直下の地盤Gbを締め固めるとともに、杭先端よりも深い範囲で緩んでいない地盤をさらに締め固めることができる。
このように、第3施工方法では、杭到達目標深度P1まで確実に到達でき、かつ杭先端より深い範囲まで締め固めることができるので従来の回転圧入鋼管杭の施工方法では貫入が困難な場合においても大きな支持力を得ることができる。
図14に示す第4施工方法は、支持層に達しない所定の深度P5から押し引きしながら打ち下げと引き上げを繰り返し行う方法である。
先ず、補助施工によって地表面から前記所定の深度P5まで施工する。その後、振動ロッドを引き抜き(又は、引き抜かず)、鋼管杭を回転させた状態(又は、回転させない状態)で鋼管杭の押し込みと引き抜きを繰り返す押し引き工程を行いながら、鋼管杭の先端深度を深くする打ち下げと、浅くしていく引き上げを繰り返し行う。このように、第4施工方法では、鋼管杭の押し込みと引き抜きの反復回数を増やすことで、補助施工によって緩んだ鋼管杭1内に進入する土砂Ga及び鋼管杭1の直下の地盤Gbを復元するうえに、より一層締め固めることができる。
(実施例)
次に、本第7の実施の形態の効果を裏付けるための実験について詳細に説明する。
本実験では、表1に示すように、上述した第3施工方法に相当する実施例と、比較例を実施した。本実験では、鋼管外径で、実物の約1/10の寸法の鋼管杭を使用し、地盤に対して回転圧入し、補助工法の振動ロッド(バイブロ補助)の代わりにバイブレータを採用した実験を行い、補助施工による貫入抵抗の低減の度合い、及び締め固めによる支持力回復の度合いについて確認した。
Figure 0006696232
表1に示すように、実施例は、バイブロ補助と押し引き工程(引き抜き+押し引き)とを行い、押し引き工程の前にバイブロを撤去するケースである。比較例は、バイブロ補助を用いない、従来の回転圧入工法のケースである。
押し引き工程を有する実施例では、杭到達目標深度から載荷最終深度まで押し込みと引き抜きを繰り返しながら貫入させた後、載荷最終深度から杭到達目標深度まで引き抜きと押し込みを繰り返しながら杭到達目標深度の位置まで引き上げた。杭到達目標深度から載荷最終深度までの距離は杭径の50%であり、それぞれの押し込み量と引き抜き量は杭径の10%〜20%とした。バイブレータの径は鋼管外径の約27%とし、バイブレータの先端は鋼管先端から杭頭側に鋼管外径の約50%の位置とした。
実験における地盤は、飯豊珪砂7号(D500.26mm)、Dr70%目標で気中落下させて造成した。また、試験杭は、外径φが101.6mm、長さLが548mmで、試験杭の内部にバイブレータを設置した。また、実験において、施工時の圧入速度は50mm/min、回転速度は4rpmで制御し、載荷時の圧入速度を2mm/minで制御した。
図15は、上述した実験の結果を示し、比較例の最大施工荷重、及び0.1D(杭径10%変位)支持力をそれぞれ1.0としたときの、実施例の比を示している。すなわち、図15は、横軸を貫入抵抗比、縦軸を支持力比とし、点線状の勾配は貫入抵抗に対する支持力の大きさである。図15において、実施例の貫入抵抗比は比較例よりも小さく、上述した第7の実施の形態で貫入抵抗が低減されていることを実証していることがわかる。
また、実施例の支持力比は比較例より小さくなっているが、実施例の勾配は比較例より急勾配になっている。この場合、急勾配であるほど性能が良い(すなわち、少ない貫入抵抗で大きな支持力が得られる)ことを意味することから、実施例は比較例よりに性能が向上されていることを確認することができる。
以上、本発明による回転圧入鋼管杭の施工方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、振動ロッド2のロッド最深目標深度P2に到達した後に、振動ロッド2を振動させたまま鋼管杭1の内部から引き抜く第3工程を有する方法としているが、この第3工程を省略した施工方法であってもかまわない。すなわち、振動ロッド2は、鋼管杭1の回転圧入時に地盤Gbおよび鋼管杭1内の土砂Gaを緩ませる際に用いる施工のみに採用されてもかまわない。
また、振動ロッド2は土砂に対して振動を与えるだけではなく、鋼管杭1内で上下動させるようにしてもよい。このように振動ロッド2を上下動させることにより、鋼管杭1内の土砂をより広範囲で緩めることができる。
また、他の実施の形態(第1変形例)として、図16(a)に示すように鋼管杭1の中心軸線O上に挿入される振動ロッド2を引き抜いた後、さらに図16(b)に示すような鋼管杭1の内部における複数箇所において複数(図16(b)では3本)の振動ロッド2を振動させながら所定深度まで挿入し、振動させたまま引き抜くようにしてもよい。また、再挿入される振動ロッド2は、3本同時でも良いし、1本ずつ順次交換しても良い。さらに、再挿入される振動ロッド2の本数や断面中の位置については、図16(b)に示す形態に限定されることはなく、適宜変更することができる。
この場合には、鋼管杭1の断面内の複数箇所において振動ロッド2による締め固めを行うことができるので、鋼管杭1の断面における締め固め状態がばらつきが無く均一になり、支持力の向上を図ることができる。
また、鋼管杭1の先端1aに地盤掘削用の切削ビットを設けるようにしてもよい。この場合には、鋼管杭1は回転に伴って切削ビットが地盤を切削しながら圧入されるので、礫などの硬い地盤であっても、切削ビットで砕きながら圧入することができ、施工効率の向上を図ることができる。
さらに、図17に示す第2変形例のように、鋼管杭1の先端1aに径方向の外側に突出する羽根11が設けられていてもよい。このような羽根11を設けることにより、鋼管杭1は回転に伴って羽根11が地盤を切削、かつ撹拌しながら圧入されるので、圧入方向の推進力(トルク)が付与され圧入速度を速くすることができ、施工効率の向上を図ることができる。
なお、図17に示す羽根11は、鋼管杭1の先端1aより上方に配置されているが、羽根11が先端1aの位置に設けられていて、羽根11の内周縁が鋼管杭1の内周側に張り出していてもよい。また、羽根は鋼管杭1の外周に螺旋状に取り付けられており、1枚の羽根が外周のほぼ全周に渡って取り付けられていてもよく、また周方向に複数枚に分割されていてもよい。複数枚に分割される場合、鋼管杭1の先端1aの端面に対して、やや傾斜させた状態で羽根が取り付けられ、隣り合う羽根の始端と終端が異なる高さで設けられていてもよい。
また、図18に示す第3変形例のように、外管22と、外管22の先端22aより先端23aが下方に突出する内管23と、からなる二重管構造の振動ロッド2Bを設け、内管23のみを振動させることも可能である。
この場合には、振動する内管23が外管22より下方に突出する部分の周囲のみの地盤(鋼管杭1内の土砂Ga)を緩め、かつ締め固めることができる。この場合、内管23の外管22からの突出長さを適宜設定することで、地盤の緩み領域や締め固め領域を調整することができる。
また、図19に示す第4変形例のように、上述した第2の実施の形態の吸水と、第3の実施の形態の砂投入と、の両方の機能を振動ロッド2に備えるようにしてもよい。すなわち、振動ロッド2は外管22と内管23とからなる二重管構造となっている。図19では、外管22が振動ロッド2の先端から吸水される地下水Wを排水するための排水管をなしており、内管23が砂Sの投入に使用され、振動ロッド2の先端2aに設けられた砂噴射孔より高圧で地盤Gbに向けて噴射させる。この場合も、振動ロッド2を振動させつつ引き抜きながら吸水および砂投入を行うことで、それぞれ単独で行う場合(第2の実施の形態、第3の実施の形態)よりも振動ロッド2の先端2a付近の地盤中および鋼管杭1内に進入した土砂Gaの密度が高まり、より効果的に締め固めを促進させることができる。
さらに、図20に示す第5変形例のように、上述した第4の実施の形態の第2振動ロッド2Aを使用し、流体Eではなく砂Sを地盤Gbに向けて投入するようにしてもよい。具体的には、振動ロッド2がロッド最深目標深度に到達して鋼管杭1の内部から引き抜かれた後に、引き抜いた振動ロッド2よりも接地面積がより大きい先端部21を有する第2振動ロッド2Aを鋼管杭1に挿入する。そして、第2振動ロッド2Aの先端部21から砂Sを噴射させながら、先端部21を鋼管杭1の先端1aよりも深い位置まで貫入させる。その後、第2振動ロッド2Aを振動させたまま鋼管杭1の内部から引き抜く方法である。この場合、接地面積の大きな先端部21を有する第2振動ロッド2Aを鋼管杭1の内部から振動させたまま引き抜くとともに、砂Sが投入されるので、締め固めの促進効率をさらに向上させることができる。
さらにまた、鋼管杭1の先端1aの、内周面側あるいは外周面側の少なくとも一方に周方向に沿って延びる突起を設けるようにしてもよい。これにより鋼管杭1内に進入する土砂と突起との付着力が得られ、支持力をさらに増大させることができる。しかも、前記突起が鋼管杭1の周方向に設けられているので鋼管杭1内に進入する土砂Gaの閉塞を促進する効果を有する。
また、加振装置として、鋼管杭頭部の内面に収め、油圧などで鋼管杭に押圧される構成であってもよい。この場合には、加振装置が鋼管杭の内部に収まることから、鋼管杭が防音の役目を果たし、加振装置から生じる騒音を小さくできる。
なお、鋼管杭1、振動ロッド2の長さ、径寸法などの構成についても適宜設定することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 鋼管杭(回転圧入鋼管杭)
1a 先端
2、2B 振動ロッド
2A 第2振動ロッド
2a 先端
10 回転圧入装置
11 羽根
12 板部材
20 加振装置
21 先端部
22 外管
23 内管
P1 杭到達目標深度
P2 ロッド最深目標深度
G0 軟弱層
G1 支持層
Ga 鋼管杭内の土砂
Gb 鋼管杭直下の地盤
E 流体
S 砂
W 地下水

Claims (13)

  1. 鋼管杭を回転圧入させて地盤の支持層まで貫入させる回転圧入鋼管杭の施工方法であって、
    前記鋼管杭の内部に振動ロッドを挿入し、該振動ロッドを振動させた状態で前記鋼管杭を回転圧入させて地盤に貫入させる第1工程と、
    前記支持層において前記鋼管杭を該鋼管杭の杭到達目標深度に到達させる第2工程と、
    を有することを特徴とする回転圧入鋼管杭の施工方法。
  2. 前記振動ロッドの先端の位置は、前記鋼管杭が前記杭到達目標深度に到達するまでは前記鋼管杭の先端よりも浅い深度に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の回転圧入鋼管杭の施工方法。
  3. 前記鋼管杭が前記杭到達目標深度に到達する前、到達時点、又は通過後において、前記鋼管杭を回転させた状態、又は回転させない状態で前記鋼管杭の押し込みと引き抜きとを繰り返しながら、徐々に前記鋼管杭の先端深度を深くすることと、浅くすることと、を適宜選択して行うことで前記杭到達目標深度に到達させることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転圧入鋼管杭の施工方法。
  4. 前記振動ロッドがロッド最深目標深度に到達した後に、前記振動ロッドを振動させたまま前記鋼管杭の内部から引き抜く第3工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転圧入鋼管杭の施工方法。
  5. 前記第3工程は、前記鋼管杭が前記支持層に到達する前のタイミングで行われることを特徴とする請求項4に記載の回転圧入鋼管杭の施工方法。
  6. 前記第3工程において、前記振動ロッドが前記ロッド最深目標深度に到達した後に、地盤中の地下水を前記振動ロッドの先端から吸水し、前記鋼管杭内に進入した土砂を締め固めることを特徴とする請求項4又は5に記載の回転圧入鋼管杭の施工方法。
  7. 前記第3工程において、前記振動ロッドが前記ロッド最深目標深度に到達した後に、前記振動ロッドの先端から地盤中および前記鋼管杭内に進入した土砂に向けて砂を投入し、前記鋼管杭内に進入した土砂を締め固めることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の回転圧入鋼管杭の施工方法。
  8. 前記第3工程において、前記振動ロッドが前記ロッド最深目標深度に到達した後に、前記振動ロッドを前記鋼管杭の内部から引き抜く工程と、
    引き抜いた前記振動ロッドよりも接地面積がより大きい先端部を有する第2振動ロッドを前記鋼管杭に挿入する工程と、
    前記第2振動ロッドの前記先端部から流体を噴射させながら、前記先端部を前記鋼管杭の先端よりも深い位置まで貫入させる工程と、
    前記第2振動ロッドを振動させたまま前記鋼管杭の内部から引き抜く工程と、
    を有することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の回転圧入鋼管杭の施工方法。
  9. 前記振動ロッドを引き抜いた後、さらに前記鋼管杭の内部における複数箇所に前記振動ロッドを振動させながら所定深度まで挿入し、振動させたまま引き抜くことを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載の回転圧入鋼管杭の施工方法。
  10. 前記鋼管杭の先端には、地盤掘削用の切削ビットが設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の回転圧入鋼管杭の施工方法。
  11. 前記鋼管杭の先端には、径方向の外側に突出する羽根が設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の回転圧入鋼管杭の施工方法。
  12. 前記鋼管杭の先端内面には、管径方向の内側に向けて突出するとともに、開口部の投影面積を縮小する板部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の回転圧入鋼管杭の施工方法。
  13. 前記振動ロッドは、外管と、該外管より先端が下方に突出する内管と、からなる二重管構造になっており、
    前記内管のみを振動させることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の回転圧入鋼管杭の施工方法。
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