JP4049373B2 - 杭の打設方法、杭の支持方法及びこれらの方法に使用するプラグ部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、杭など中空管の先端に砂プラグを形成する杭など中空管の打設方法、支持方法及びこれらの方法に使用可能なプラグ部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建設物の基礎には、直接基礎、杭基礎、地中連続壁基礎等があるが、杭基礎工事は、鋼管杭、場所打ち杭、コンクリート杭(PC、PHC)などにより行われるのが一般的である。この内の鋼管杭の打設工法には、大別すると打撃工法、圧入工法がある。
【0003】
鋼管杭の打設工法では、通常、鋼管杭の地盤側先端が閉塞していない状態で鋼管杭の上端をハンマで打撃するが、この上端打撃工法によれば鋼管杭長によるエネルギーロスが大きい。このため、鋼管杭の先端部を閉塞し、鋼管杭の下端をハンマで打撃することによりエネルギーロスを減じ、少ないエネルギーで杭を打設可能にする工法が杭先端打撃工法として知られている(例えば、特開2002−227196公報参照)。
【0004】
上記杭先端打撃工法として杭内部を砂プラグにより閉塞して鋼管杭の下端を打撃する方法があるが、このように杭内部の砂プラグによる閉塞効果を得るときに鉛直方向に締め固めるだけでは砂プラグと鋼管杭内面との間の摩擦力が充分に得られない場合がある。このため、ハンマから砂プラグが受ける打撃エネルギーを鋼管杭内面へ充分に伝達できず、鋼管杭の打ち込みエネルギーに充分に変換できない。この結果、杭先端打撃工法でもエネルギーロスが生じてしまう。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−227196公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、ハンマから受ける打撃エネルギーを鋼管杭に充分に伝達でき、打撃エネルギーを従来よりも少なくでき、また、杭先端の支持力を確実に確保できる杭の打設方法を提供することを目的とする。 また、杭先端の支持力を確実に確保できる杭の支持方法を提供することを目的とする。更に、かかる杭の打設方法及び杭の支持方法に使用可能なプラグ部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による杭の打設方法は、地盤面にほぼ直立するように接した中空管杭内に砂を投入する工程と、砂内に入り込む先端を有するプラグ部材を前記中空管杭内に前記先端を下向きにして挿入する工程と、前記中空管杭内に打撃用ハンマを挿入する工程と、前記ハンマにより前記プラグ部材の後端面を打撃することで前記プラグ部材を前記先端から前記中空管杭内の砂内に打ち込む工程と、前記ハンマによるプラグ部材の後端面からの打撃により前記中空管杭を前記地盤中に打設する工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
この杭の打設方法によれば、中空管杭内でプラグ部材を砂内に打ち込むことで砂プラグを形成するので、中空管杭の内面への締め固め効果が増大し、砂プラグと中空管杭の内面との間の摩擦力が大きくなる。この結果、ハンマから受ける打撃エネルギーを中空管杭に充分に伝達できるので、中空管杭を地盤内に打ち込む際の打撃エネルギーを従来よりも少なくできる。このため、ハンマ打撃による騒音や振動を低減でき、またハンマの駆動源の小型化や低容量化を実現できる。
【0009】
前記プラグ部材の先端はコーン形状を有することが好ましい。また、前記プラグ部材は先端側にアンカー部と後端側にアンカーベース部とを備え、前記打ち込み工程において前記アンカーベース部を打撃することで前記アンカー部が砂内で拡張するようにできる。これらのプラグ部材により、砂プラグにおける中空管杭の内面への締め固め効果を効果的に増大させることができる。
【0010】
また、上述の杭の打設方法において前記ハンマによるプラグ部材の後端面からの打撃により前記中空管杭を前記地盤から支持層内へと貫入させる工程を更に含むことで、杭の先端を確実に支持できる。上述のように中空管杭内でプラグ部材を砂内に打ち込むことで強固な砂プラグを形成するので、中空管杭の支持層内へと貫入が容易となる。
【0011】
本発明による杭の支持方法は、地盤中に中空管杭を設置する工程と、前記地盤内の中空管杭内に砂を投入する工程と、砂内に入り込む先端を有するプラグ部材を前記中空管杭内に前記先端を下向きにして挿入する工程と、前記中空管杭内に打撃用ハンマを挿入する工程と、前記ハンマにより前記プラグ部材の後端面を打撃することで前記プラグ部材を前記先端から前記中空管杭内の砂内に打ち込む工程と、前記ハンマによるプラグ部材の後端面からの打撃により前記中空管杭を前記地盤から支持層内へと貫入させる工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
この杭の支持方法によれば、地盤中に設置した中空管杭内でプラグ部材を砂内に打ち込むことで砂プラグを形成するので、中空管杭の内面への締め固め効果が増大し、砂プラグと中空管杭の内面との間の摩擦力が大きくなり、このため、ハンマから受ける打撃エネルギーを中空管杭に充分に伝達でき中空管杭を支持層内へ貫入できる。この結果、中空管杭の先端近傍で均一かつ密実な応力球根を支持層内に形成できるので、中空管杭の先端支持力を確実に確保できる。
【0013】
前記プラグ部材の先端はコーン形状を有することが好ましい。また、前記プラグ部材は先端側にアンカー部と後端側にアンカーベース部とを備え、前記打ち込み工程において前記アンカーベース部を打撃することで前記アンカー部が砂内で拡張するようにできる。これらのプラグ部材により、砂プラグにおける中空管杭の内面への締め固め効果を効果的に増大させることができる。
【0014】
本発明による別の杭の打設方法は、地盤面にほぼ直立するように接した中空管内に砂を投入する工程と、砂内に入り込む先端を有するプラグ部材を前記中空管内に前記先端を下向きにして挿入する工程と、前記中空管内に打撃用ハンマを挿入する工程と、前記ハンマにより前記プラグ部材の後端面を打撃することで前記プラグ部材を前記先端から前記中空管内の砂内に打ち込む工程と、前記ハンマによるプラグ部材の後端面からの打撃により前記中空管杭を前記地盤から支持層内へと貫入させる工程と、低スランプのコンクリートを前記中空管の先端に投入する工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
この杭の打設方法によれば、地盤中に設置した中空管内でプラグ部材を砂内に打ち込むことで砂プラグを形成し、中空管の内面への締め固め効果が増大し、砂プラグと中空管の内面との間の摩擦力が大きくなる。このため、ハンマから受ける打撃エネルギーを中空管に充分に伝達でき中空管の先端近傍で均一かつ密実な応力球根を支持層内に形成できる。そして、その中空管の先端に低スランプのコンクリートを投入することで、杭を杭先端の支持力を確実に確保しながら施工できる。
【0016】
本発明による更に別の杭の打設方法は、地盤中に中空管杭を設置する工程と、前記地盤内の中空管杭内に砂を投入する工程と、砂内に入り込む先端を有するプラグ部材を前記中空管杭内に前記先端を下向きにして挿入する工程と、前記中空管杭内に打撃用ハンマを挿入する工程と、前記ハンマにより前記プラグ部材の後端面を打撃することで前記プラグ部材を前記先端から前記中空管杭内の砂内に打ち込む工程と、前記ハンマによるプラグ部材の後端面からの打撃により前記中空管杭を前記地盤中に打設する工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
この杭の打設方法によれば、地盤中に設置した中空管杭内でプラグ部材を砂内に打ち込むことで砂プラグを形成するので、中空管杭の内面への締め固め効果が増大し、砂プラグと中空管杭の内面との間の摩擦力が大きくなる。この結果、ハンマから受ける打撃エネルギーを中空管杭に充分に伝達できるので、中空管杭を地盤内に打ち込む際の打撃エネルギーを従来よりも少なくできる。このため、ハンマ打撃による騒音や振動を低減でき、またハンマの駆動源の小型化や低容量化を実現できる。なお、前記ハンマによるプラグ部材の後端面からの打撃により前記中空管杭を前記地盤から支持層内へと貫入させる工程を更に含むことで、中空管杭内に強固な砂プラグを形成できるので、中空管杭の支持層内へと貫入が容易となる。
【0018】
本発明によるプラグ部材は、上述の杭の打設方法または杭の支持方法における前記プラグ部材として使用可能であることを特徴とする。このプラグ部材を上述の杭の打設方法または杭の支持方法に使用することで形成される砂プラグにおいて中空管杭の内面への締め固め効果を効果的に増大させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1乃至第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
〈第1の実施の形態(杭の打設方法)〉
【0021】
図1は第1の実施の形態による杭の打設方法を説明するための工程図(a)乃至(d)である。
【0022】
本実施の形態による杭の打設方法は、図1に示すように、鋼管杭11を地盤面10から地盤内に打ち込むことで杭基礎工事を行うものである。なお、図1及び後述の図3では、説明の便宜上、鋼管杭を短めに図示している。
【0023】
図1(a)に示すように、まず、内部が中空の鋼管杭11を支持し地盤面10に対して直立させるように設置し、鋼管杭11の上端14から砂を投入することで鋼管杭11内の下端12に砂17が堆積する。そして、図1(b)のように、先端21側がコーン形状であり後端面22側が円板形状である鋼製のプラグ部材20を鋼管杭11内に先端21を下向きにして挿入する。
【0024】
次に、図1(c)のように、鋼管杭11内に打撃用ハンマ30を挿入し、公知の油圧ハンマ法やディーゼルハンマやドロップハンマ法によりハンマ30を駆動し、プラグ部材20の後端面22をハンマ30により打撃する。このハンマ30の打撃によりプラグ部材20を先端21から鋼管杭11内の砂内に打ち込む。
【0025】
次に、図1(c)の状態からハンマ30によりプラグ部材20の後端面22を打撃し、この打撃を繰り返し行うことにより、図1(d)のように、鋼管杭11をその先端12から地盤面10に打ち込み地盤中に貫入させる。このようして、鋼管杭11を所定の深さまで打ち込むことで鋼管杭1本の打設が完了する。
【0026】
図1(c)のようにプラグ部材20を砂内に打撃を繰り返して打ち込み、プラグ部材20の先端21側のコーン状部分(円錐部分)が鋼管杭11内の下端12側に堆積した砂内に押し込まれ、鋼管杭11内に堆積した砂が鉛直方向のみならず鋼管杭11の内面13側にも締め固められて目標強度の砂プラグ18が形成される。この砂プラグ18の形成により、鋼管杭11の下端12側が閉塞されるとともに、内面13への締め固め効果が増大し、砂プラグ18と鋼管杭11の内面13との間の摩擦力が大きくなる。
【0027】
従って、鋼管杭11の地盤内への打ち込みにおいて砂プラグ18がハンマ30から受ける打撃エネルギーを鋼管杭11に充分に伝達でき、このエネルギーが鋼管杭11に対する打ち込みエネルギーに効率よく変換されるので、鋼管杭11を地盤内に打ち込む際の打撃エネルギーを従来よりも少なくできる。このため、ハンマ打撃による騒音や振動を低減でき、また油圧ハンマ法やディーゼルハンマやドロップハンマ法の駆動源の小型化や低容量化を実現できる。また、地盤内の打設であるから、騒音や振動を更に低減できる。
【0028】
また、従来と同じ打撃エネルギーであれば、より大きなエネルギーで鋼管杭11を地盤内に効率的に打ち込むことができる。
【0029】
図2に図1のような鋼管杭の打設方法に適用して好ましいプラグ部材の具体例を示す。図2のプラグ部材35は、全体がコーン状に形成された円錐状部36と、ハンマが当たる円形状の後端部37と、を備える。円錐状部36の先端36aは丸みを帯びるように形成されている。
【0030】
図2において、内径Dの鋼管杭11に対し、プラグ部材35の後端部37の径dは、鋼管杭11の内面13との隙間gが20mm乃至50mmの範囲内で設定することが好ましい。また、円錐状部36の後端部37から先端36aまでの高さhは、1.5×D乃至2.5×Dが好ましい。また、円錐状部36の後端部37に対する傾斜角θは10乃至15度が好ましい。また、鋼管杭11の外径は400乃至1000mmが好ましい。外径が1000mm以下であると、鋼管杭の閉塞効果を充分に得ることができ、また打ち込み時の先端抵抗が大きくならない。
【0031】
次に、図1におけるプラグ部材を別のプラグ部材に変えた変形例を図3を参照して説明する。図3は図1の変形例である杭の打設方法を説明するための工程図(a)乃至(d)である。
【0032】
図3(b)〜(d)に示すように、別のプラグ部材40は、円形板43から先端側に延びて設けられた円筒状のアンカー部41と、円筒状のアンカー部41内に後端側から入り込むアンカーベース部42と、を備える。円筒状のアンカー部41には、先端側から円筒軸方向に直線状にカット部41aが複数形成されている。
【0033】
この杭の打設方法は、図3(a)に示すように、まず、内部が中空の鋼管杭11を支持し地盤面10に対して直立させるように設置し、鋼管杭11の上端14から砂を投入することで鋼管杭11内の下端12に砂17が堆積する。そして、図3(b)のように、プラグ部材40を鋼管杭11内に円筒状のアンカー部41を下向きにして挿入する。
【0034】
次に、図3(c)のように、鋼管杭11内に打撃用ハンマ30を挿入し、公知の油圧ハンマ法やディーゼルハンマやドロップハンマ法によりハンマ30を駆動し、プラグ部材40の後端側のアンカーベース部42をハンマ30により打撃する。このハンマ30の打撃によりプラグ部材40を中空管杭11内の砂17内に打ち込むが、このとき、図3(d)のように、アンカーベース部42が円筒状のアンカー部41内に入り込んで砂内でアンカー部41のカット部41aを押し広げ拡張する。
【0035】
次に、図3(d)の状態からハンマ30によりプラグ部材40のアンカーベース部42及び円形板43を打撃し、この打撃を繰り返し行うことにより、図1(d)と同様にして鋼管杭11をその先端12から地盤面10に打ち込み地盤中に貫入させる。このようして、鋼管杭11を所定の深さまで打ち込むことで鋼管杭の打設が完了する。
【0036】
図3(d)のように、プラグ部材40を砂内に打撃を繰り返して打ち込み、プラグ部材40が砂内でカット部41aで拡張することで鋼管杭11内の下端12側に堆積した砂が鉛直方向のみならず鋼管杭11の内面13側にも締め固められることで目標強度の砂プラグ18が図1と同様に形成される。この砂プラグ18の形成により、鋼管杭11の下端12側が閉塞されるとともに、鋼管杭11の内面13への締め固め効果が増大し、砂プラグ18と鋼管杭11の内面13との間の摩擦力が大きくなる。
【0037】
従って、図1と同様に、砂プラグ18がハンマ30から受ける打撃エネルギーを鋼管杭11に対する打ち込みエネルギーに効率よく変換できるので、鋼管杭11を地盤内に打ち込む際の打撃エネルギーを従来よりも少なくできる。このため、ハンマ打撃による騒音や振動を低減でき、また油圧ハンマ法やディーゼルハンマやドロップハンマ法の駆動源の小型化や低容量化を実現できる。また、地盤内の打設であるから、騒音や振動を更に低減できる。
【0038】
また、従来と同じ打撃エネルギーであれば、より大きなエネルギーで鋼管杭11を地盤内に効率的に打ち込むことができる。
【0039】
通常の打設工法では鋼管杭の先端を閉塞せずに鋼管杭の上端を打撃するため鋼管杭長によるエネルギーロスが大きいが、第1の実施の形態の杭の打設方法によれば、鋼管杭の先端部に強固な砂プラグを形成し先端部を閉塞し、鋼管杭の下端を打撃することでエネルギーロスを減じ、少ないエネルギーで鋼管杭を打設できるのである。
【0040】
また、従来の先端打撃方法では鋼管杭の先端部の砂を鉛直方向に締め固めるだけであるので強固な砂プラグが形成され難いのに対し、上述の杭の打設方法によれば、プラグ部材を用いて鋼管杭の先端部に鋼管杭の内面に対し大きな摩擦力で締め固められた強固な砂プラグを形成できるのである。
【0041】
〈第2の実施の形態(杭の支持方法)〉
【0042】
図4は第2の実施の形態による杭の支持方法を説明するための工程図(a)乃至(e)である。
【0043】
本実施の形態による杭の支持方法は、オーガシャフト等により地盤の中堀を行い沈設した鋼管杭の先端部に図1乃至図3と同様のプラグ部材を用いて強固な砂プラグを形成し、ハンマ打撃により支持層内において均一かつ密実な応力球根を形成して鋼管杭の先端支持力を確保して支持するものである。
【0044】
図4(a)に示すように、鋼管杭11の中にスパイラルオーガ51を挿入し、スパイラルオーガ51を回転させて地盤面50から排土しながら掘り下げる。そして、図4(b)のように、所定の深さだけ掘り下げて支持層60に達することで鋼管杭11を地盤層中に沈設する。
【0045】
次に、スパイラルオーガ51を引き上げ、鋼管杭11内に砂を投入してから、図4(c)のように、図1と同様の鋼製のプラグ部材20を鋼管杭11内に先端21を下向きにして挿入する。
【0046】
次に、図4(d)のように、鋼管杭11内に打撃用ハンマ30を挿入し、公知の油圧ハンマ法やディーゼルハンマやドロップハンマ法によりハンマ30を駆動し、プラグ部材20の後端面22をハンマ30により打撃する。このハンマ30の打撃によりプラグ部材20を先端21から鋼管杭11内の砂61内に打ち込む。
【0047】
次に、図4(d)の状態からハンマ30によりプラグ部材20の後端面22を打撃し、この打撃を繰り返し行うことにより、図4(e)のように鋼管杭11をその先端12から支持層60内に貫入させる。このようして、鋼管杭11の先端を支持層60内に貫入させることで鋼管杭について先端支持力を確保できる。
【0048】
図4(e)のように、プラグ部材20の先端21側のコーン状部分が鋼管杭11内の下端12側に堆積した砂内に押し込まれ、鋼管杭11内に堆積した砂が鉛直方向のみならず鋼管杭11の内面13側にも締め固められて目標強度の砂プラグ61が形成される。
【0049】
砂プラグ61の形成により、鋼管杭11の下端12側が閉塞されるとともに、内面13への締め固め効果が増大し、砂プラグ61と鋼管杭11の内面13との間の摩擦力が大きくなる。従って、鋼管杭11の地盤内への打ち込みにおいて砂プラグ61がハンマ30から受ける打撃エネルギーを鋼管杭11に充分に伝達でき、このエネルギーが鋼管杭11に対する打ち込みエネルギーに効率よく変換されるので、鋼管杭11内の砂プラグ61の先端が支持層60に押し出され砂プラグ61の先端近傍で支持層60内に均一かつ密実な応力球根62を形成できる。これにより、鋼管杭11の先端支持力を確保できる。
【0050】
この杭の支持方法によれば、地盤中に設置した中空管杭内でプラグ部材を砂内に打ち込むことで砂プラグを形成するので、中空管杭の内面への締め固め効果が増大し、砂プラグと中空管杭の内面との間の摩擦力が大きくなり、このため、ハンマから受ける打撃エネルギーを中空管杭に充分に伝達でき中空管杭を支持層内へ貫入できる。この結果、中空管杭の先端近傍で鉛直方向と水平方向にエネルギーを分散させることができ、均一かつ密実な応力球根を支持層内に形成できる。これにより、鋼管杭11の先端支持力を確実に確保でき、鋼管杭11を確実に支持層60内で支持できる。
【0051】
通常の工法で鋼管杭の先端に砂の球根を造成する場合、砂を直接打撃して拡幅する場合が殆どであるのに対して、本実施の形態の杭の支持方法によれば、コーン形状のプラグ部材を挿入して打撃することにより、均一かつ密実な応力球根を造成できる。
【0052】
また、従来のペデスタル杭の砂プラグ造成としてフランキー杭があり、この砂プラグ造成では鋼管杭の中に投入した砂を地表面において直接ハンマで打撃し、締め固めるものであるのに対し、本実施の形態の杭の支持方法では、プラグ部材の締め固めにより鉛直方向のエネルギーの一部を鋼管杭11の内面13へのエネルギーに変換するので、内面の側方締め固め効果が増大する。
【0053】
〈第3の実施の形態(杭の別の打設方法)〉
【0054】
図5は第3の実施の形態による杭の打設方法を説明するための工程図(a)乃至(d)である。
【0055】
本実施の形態による杭の打設方法は、図5に示すように、図1と同様にして鋼管11を地盤面10から地盤内に打ち込み、次に、図4(d)〜(e)と同様にして支持層内に応力球根を形成し、その後に低スランプのコンクリートを投入するものである。
【0056】
図5(a)のように、鋼管11を地盤面50に直立させ、鋼管11内に砂または砂礫を投入する。次に、図5(b)のように、図1と同様のプラグ部材20を鋼管11内に挿入し、ハンマ30でプラグ部材20を砂プラグ61内へ打撃する。そして、図5(c)のように、鋼管11の先端が支持層60に達するように鋼管11を目標深度まで打設する。
【0057】
次に、ハンマ30で更にプラグ部材20を打撃することで、図5(c)のように砂プラグ61の先端を支持層60内へと押し出し応力球根を形成する。かかる支持層60内への押し出しは、砂プラグ61が鋼管杭11内でのプラグ部材20の砂内への打ち込みで強固に形成されるので、従来よりも容易に行われる。
【0058】
次に、図5(d)のように、低スランプのコンクリートを鋼管11の先端に投入し、砂プラグ61の先端の応力球根部分をコンクリートで固めた先端拡幅部65に形成する。
【0059】
以上のようにして、鋼管11内でプラグ部材20を砂内に打ち込むことで砂プラグ61を形成し、鋼管11の内面への締め固め効果が増大し、砂プラグ61と鋼管11の内面との間の摩擦力が大きくなるため、ハンマ30から受ける打撃エネルギーを鋼管11に充分に伝達でき鋼管11の先端近傍で均一かつ密実な応力球根を支持層60内に形成できる。そして、その応力球根部分に低スランプのコンクリートで先端拡幅部65を形成することにより、杭先端の支持力を一層確実に確保できる。
【0060】
以上のように本発明を実施の形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図4、図5におけるプラグ部材20は図3の別のプラグ部材40を使用してもよい。また、図4における鋼管杭11の沈設方法は別の各種の公知の方法を用いてよいことは勿論である。
【0061】
また、図5における鋼管11の地盤層への打設を図4のような公知のオーガシャフト等を利用して行い、鋼管11を沈設してからプラグ部材を用いて砂プラグ形成を行うようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、ハンマから受ける打撃エネルギーを中空管杭に充分に伝達でき、打撃エネルギーを従来よりも少なくでき、また、杭先端の支持力を確実に確保できる杭の打設方法を提供できる。また、杭先端の支持力を確実に確保できる杭の支持方法を提供できる。更に、かかる杭の打設方法及び杭の支持方法に使用可能なプラグ部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による杭の打設方法を説明するための工程図(a)乃至(d)である。
【図2】図1のような鋼管杭の打設方法に適用して好ましいプラグ部材の具体例を示す図である。
【図3】図1の変形例である杭の打設方法を説明するための工程図(a)乃至(d)である。
【図4】第2の実施の形態による杭の支持方法を説明するための工程図(a)乃至(e)である。
【図5】第3の実施の形態による杭の打設方法を説明するための工程図(a)乃至(d)である。
【符号の説明】
10,50・・・地盤面
11・・・鋼管杭、鋼管(中空管杭、中空管)
13・・・鋼管杭の内面
18・・・砂プラグ
20・・・プラグ部材
21・・・先端
22・・・後端面
30・・・ハンマ
35・・・プラグ部材
36・・・先端部
40・・・別のプラグ部材
41・・・アンカー部
42・・・アンカーベース部
51・・・スパイラルオーガ
60・・・支持層
61・・・砂プラグ
62・・・応力球根
65・・・先端拡幅部
Claims (10)
- 地盤面にほぼ直立するように接した中空管杭内に砂を投入する工程と、
砂内に入り込む先端を有するプラグ部材を前記中空管杭内に前記先端を下向きにして挿入する工程と、
前記中空管杭内に打撃用ハンマを挿入する工程と、
前記ハンマにより前記プラグ部材の後端面を打撃することで前記プラグ部材を前記先端から前記中空管杭内の砂内に打ち込む工程と、
前記ハンマによるプラグ部材の後端面からの打撃により前記中空管杭を前記地盤中に打設する工程と、を含むことを特徴とする杭の打設方法。 - 前記プラグ部材の先端はコーン形状を有することを特徴とする請求項1に記載の杭の打設方法。
- 前記プラグ部材は先端側にアンカー部と後端側にアンカーベース部とを備え、
前記打ち込み工程において前記アンカーベース部を打撃することで前記アンカー部が砂内で拡張することを特徴とする請求項1または2に記載の杭の打設方法。 - 前記ハンマによるプラグ部材の後端面からの打撃により前記中空管杭を前記地盤から支持層内へと貫入させる工程を更に含むことを特徴とする請求項1,2または3に記載の杭の打設方法。
- 地盤中に中空管杭を設置する工程と、
前記地盤内の中空管杭内に砂を投入する工程と、
砂内に入り込む先端を有するプラグ部材を前記中空管杭内に前記先端を下向きにして挿入する工程と、
前記中空管杭内に打撃用ハンマを挿入する工程と、
前記ハンマにより前記プラグ部材の後端面を打撃することで前記プラグ部材を前記先端から前記中空管杭内の砂内に打ち込む工程と、
前記ハンマによるプラグ部材の後端面からの打撃により前記中空管杭を前記地盤から支持層内へと貫入させる工程と、を含むことを特徴とする杭の支持方法。 - 前記プラグ部材の先端はコーン形状を有することを特徴とする請求項5に記載の杭の支持方法。
- 前記プラグ部材は先端側にアンカー部と後端側にアンカーベース部とを備え、
前記打ち込み工程において前記アンカーベース部を打撃することで前記アンカー部が砂内で拡張することを特徴とする請求項5または6に記載の杭の支持方法。 - 地盤面にほぼ直立するように接した中空管内に砂を投入する工程と、
砂内に入り込む先端を有するプラグ部材を前記中空管内に前記先端を下向きにして挿入する工程と、
前記中空管内に打撃用ハンマを挿入する工程と、
前記ハンマにより前記プラグ部材の後端面を打撃することで前記プラグ部材を前記先端から前記中空管内の砂内に打ち込む工程と、
前記ハンマによるプラグ部材の後端面からの打撃により前記中空管杭を前記地盤から支持層内へと貫入させる工程と、
低スランプのコンクリートを前記中空管の先端に投入する工程と、を含むことを特徴とする杭の打設方法。 - 地盤中に中空管杭を設置する工程と、
前記地盤内の中空管杭内に砂を投入する工程と、
砂内に入り込む先端を有するプラグ部材を前記中空管杭内に前記先端を下向きにして挿入する工程と、
前記中空管杭内に打撃用ハンマを挿入する工程と、
前記ハンマにより前記プラグ部材の後端面を打撃することで前記プラグ部材を前記先端から前記中空管杭内の砂内に打ち込む工程と、
前記ハンマによるプラグ部材の後端面からの打撃により前記中空管杭を前記地盤中に打設する工程と、を含むことを特徴とする杭の打設方法。 - 請求項1乃至4,8,9のいずれか1項に記載の杭の打設方法または請求項5,6または7に記載の杭の支持方法における前記プラグ部材として使用可能であることを特徴とするプラグ部材。
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