JP3991311B2 - 掘削ロッド及び既製杭の埋設方法 - Google Patents

掘削ロッド及び既製杭の埋設方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既製杭を地盤中に埋設する際に、地盤を掘削する掘削ロッド及びこの掘削ロッドを使用した埋設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物や土木構造物等の基礎杭の施工方法として、既製杭(コンクリート杭、鋼管杭等)を使用した工法では打撃工法、埋込工法等がなされ、また既製杭を使用しない場合には、いわゆる現場造成杭工法等が用いられている。
【0003】
これらの工法で、既製杭を使用するもの内、打撃工法では、打撃による騒音や振動を生じる問題点があった。また既製杭を使用するか否かに係わらず杭穴を掘削するものでは、多量の水やセメントミルク等の硬化性材料を使用したり、また多量の掘削土が排出されるなど、環境上好ましくない問題が生じている。とりわけ、現場造成杭の場合には、掘削土が多量に排出させていた。
【0004】
また、硬化性材料を含有する掘削土が排出されると、これは産業廃棄物扱いとされ、処分費用が発生するだけでなく、固化後には再利用困難であり、取扱いも不便となり、地球環境の悪化につながる。
【0005】
この問題を解決するために、既製杭を使用した回転貫入方法が実施されている。例えば、コンクリート杭の先端に、掘削用の先端金具を取付けて、該コンクリート杭を直接地盤に回転貫入させる方法がなされている(例えば、特開平2-132215)。また、鋼管杭の外面に先端に鋼製の翼を設けて回転貫入させる工法も提案させている(例えば、特許第2592079号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の工法の内、コンクリート杭の先端に先端金具を取付けて、該コンクリート杭を直接地盤に回転貫入させる方法では、コンクリート杭回転時の過大な負荷によって捩れが生じ、コンクリート杭の破壊や回転装置の損傷を招くおそれがある問題点があった。
【0007】
また、鋼管杭の下端部や外周部にスパイラル状等の翼を設けて回転貫入させるものは、鋼管杭外径よりも大径のスパイラル状の翼によって支持力を得るものである。この翼付き鋼管杭は、回転時の負荷により、過大な捩れが生じ易く、そのため鋼管杭の肉厚を厚くしなければならない問題点があった。
【0008】
また、いずれの方法においても、杭貫入時の摩擦抵抗によって、従来の予め杭穴を掘削し、または掘削しながら既製杭を埋設する工法(プレボーリング工法等)に比べて、多大な施工時間を要していた。従って、大径の既製杭では、更に既製杭を貫入する際の抵抗が大きく、施工時間が増加し、掘削時の排土等も大量となるため、問題が顕著となっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
然るにこの発明では、ロッド本体と開閉ユニットとを装着解除自在として掘削ロッドを構成し、掘削ロッドで掘削をしながら既製杭を埋設するので前記問題点を解決した。
【0010】
即ちこの発明は、ロッド本体の下端に、掘削刃を有する開閉ユニットを上下方向に装着解除自在に取付け、前記ロッド本体の下端部と前記開閉ユニットとの間に、杭穴壁を練り付けできる練付部を有し、あるいは練付部を取付けできる拡開練付ユニットを取り付けてなり、前記拡開練付ユニットは、前記開閉ユニットがロッド本体から装着解除した際に閉状態となり、前記開閉ユニットがロッド本体に装着された際に開状態となり、開状態で拡開練付ユニットが拡開して略放射状に突出できる構成としたことを特徴とする掘削ロッドである。
【0011】
また、前記において、ロッド本体の下端部に、下端に掘削刃を突設した外筒を、上下摺動自在に装着して、前記外筒が下方位置で閉状態とし、前記外筒が上方位置で開状態となるように形成して開閉ユニットを構成し、前記閉状態で拡開練付ユニットが閉じ、前記開状態で前記開閉ユニットが拡開するように構成したことを特徴とする掘削ロッドである。
【0012】
また、他の発明は、ロッド本体の下端に、掘削刃を有する開閉ユニットを上下方向に装着解除自在に取付け、前記ロッド本体の下端部と前記開閉ユニットとの間に、杭穴壁を練り付けできる練付部を有する拡開練付ユニットを取り付けてなり、前記拡開練付ユニットは、前記開閉ユニットがロッド本体から装着解除した際に閉状態となり、前記開閉ユニットがロッド本体に装着された際に開状態となり、開状態で拡開練付ユニットの練付部が拡開して略放射状に突出できる構成としたことを特徴とする掘削ロッドである。
【0013】
また、前記において、ロッド本体の下端に、掘削刃を有する開閉ユニットを上下方向に装着解除自在に取付け、前記ロッド本体の下端部と前記開閉ユニットとの間に、拡開練付ユニットを取り付けてなり、前記拡開練付ユニットは、練付部の上下に、夫々上部腕、下部腕を回動自在に取り付け、該上部腕の先端部を前記ロッド本体に回動自在に取り付け、前記下部腕の先端部を開閉ユニットに回動自在に取り付けて構成したことを特徴とする掘削ロッドである。
【0014】
また、前記において、ロッド本体の下端と、開閉ユニットとに上下方向で、装着解除自在となる嵌合部を夫々形成し、前記ロッド本体と開閉ユニットとが嵌合して装着状態で、拡開練付ユニットの練付部が予め設定した所望寸法に拡開して、略放射状に突出する構造としたことをを特徴とする掘削ロッドである。
【0015】
また、前記において、ロッド本体の周囲に、等間隔に複数の拡開練付ユニットを配置した掘削ロッドである。
【0016】
また、前記において、開閉ユニットをロッド本体から装着を解除した状態で、拡開練付ユニットは垂下状態となり、掘削ロッドが使用する既製杭の中空部を挿通可能な構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の掘削ロッド。
【0017】
また、前記において、開閉ユニットをロッド本体に装着した状態で、拡開練付ユニットは拡開状態となり、拡開練付ユニットの練付部が、使用する既製杭の外径以上となるように略放射状に突出することができる形状寸法の構成としたことを特徴とする掘削ロッドである。
【0018】
また、前記において、開閉ユニットの嵌合部を、ロッド本体の下端と嵌合した状態で、ロッド本体と開閉ユニットとが一体に回動できる構成としたことを特徴とした掘削ロッドである。
【0019】
また、前記において、開閉ユニットの嵌合部を、前記開閉ユニットとロッド本体との上下の相対位置を変化させることにより、拡開練付ユニットの拡開径を変更可能な構成とした掘削ロッドである。また、開閉ユニットの下面及び下部腕の下面に掘削刃を設置した掘削ロッドである。
【0020】
また、埋設方法の発明は、ロッド本体の下端に、掘削刃を有する開閉ユニットを装着解除自在に取付け、前記ロッド本体の下端部と前記開閉ユニットとの間に、杭穴壁を練り付けできる練付部を有する拡開練付ユニットを取り付けて掘削ロッドを構成し、
(1) 既製杭の中空部を挿通した掘削ロッドの開閉ユニット及び練り付けユニットの練付部を、前記既製杭の下端から突出し、
(2) 前記開閉ユニットの先端を地盤に押し当てて、前記ロッド本体に開閉ユニットを装着して一体化して、前記拡開練付ユニットの練付部を前記既製杭の外周より外方に突出させ、
(3) 掘削ロッドを回転させて、開閉ユニットで所定寸法の杭穴を掘削しつつ、練付部で杭穴壁を練り付けつつ、既製杭を埋設する。
ことを特徴とする既製杭の埋設方法である。更に、既製杭を所定深度に設置した後、掘削ロッドを上方に引き上げて、開閉ユニットとロッド本体との装着を解除し、前記掘削ロッドを既製杭の中空部を通して引き抜くことを特徴とする既製杭の埋設方法である。
【0021】
前記における既製杭とは、コンクリート製の杭、鋼管製の杭、あるいはこれらの複合構造の杭のいずれも含む、即ち、いわゆるPHC杭、PRC杭、SC杭、鋼管杭、節杭等を含む。また、既製杭とは、単独の既製杭のみならず、複数本を上下に連結して既製杭を構成する場合や、支持力増加などの諸機能を補強する部材を既製杭の下端部に装着して既製杭を構成する場合も当然に含まれる。
【0022】
また、杭長が長尺となる場合には、埋設位置の地盤を考慮した所要曲げモーメントを有する既製杭を順次連結して埋設することもできる。 また、前記における開閉ユニット及び拡開練付ユニットは、掘削ロッドの下端部に一体に形成する場合、あるいは掘削ロッドに着脱自在に形成する場合のいずれでも可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
(1)掘削ロッドを既製杭の中空部に挿通し、既製杭の下面から拡開練付ユニットの練付部及び開閉ユニットを突出させる。
(2)開閉ユニット下面の掘削刃を地盤に当接させ、そのまま掘削ロッドを押し下げて、ロッド本体の先端部と開閉ユニットとを嵌合させて、ロッド本体と開閉ユニットとが一体に回動できるように、ロッド本体に開閉ユニットを装着する。ロッド本体に開閉ユニットを装着すると同時に、拡開した拡開練付ユニットの拡開が保持される。
(3)次に掘削ロッドを回転させて地盤を掘削し、掘削によって生じる掘削土を杭穴壁に練付けながら既製杭を沈設する。このとき、掘削土を杭穴壁に練付けながら杭を沈設していくため、掘削土が地上に溢れ出ることを極力抑えることができる。また、水や掘削液を使用しなければ、泥水等が地上に溢れ出ることも抑えることができる。
(4) 次に、掘削ロッドが支持層に到達し、既製杭を所定深度に設置した後、掘削ロッドを上方に引上げれば、開閉ユニットとロッド本体の装着が解除され、拡開練付ユニットが縮径する。従って、引き続き掘削ロッドを引上げると拡開練付ユニット及び開閉ユニットは既製杭の中空部内を通って、掘削ロッドを引上げて、既製杭の埋設が完了する。
【0024】
【実施例1】
図面に基づきこの発明の実施例を説明する。
【0025】
[1]掘削ロッド20の構成
【0026】
ロッド本体1は、径Dの断面円状であって、上端部に他の掘削ロッドとの連結部2を形成し、下端に平面包装キャンディ状の連結板3を水平に固定して構成する(図1)。
【0027】
後述する拡開練付ユニット10を開閉するための開閉ユニット5は、円筒ブロック状で、下面に、刃先を下方に向けた掘削刃6、6を固定し、上面に、連結板3を嵌挿できる嵌合穴7を形成して構成する。前記嵌合穴7は、連結板3の平面形状に対応させた包装キャンディー状に形成されている。
【0028】
前記連結板3又は嵌合穴7の包装キャンディ状とは、球形のキャンディを包装して包装紙の両側で捻ったような外観形状で、嵌合穴7では、断面が、円形8の両側に三角形8a、8aの一頂点を重ねたような形状である(図3(a))。また嵌合穴7は、連結板3の厚さtに比して大きな深さLで形成されている(図1(b))。
【0029】
拡開練付ユニット10は、略直方体のブロック状で、一外側面に練付板(練付部)12を有する練付本体11の上端部に上部腕14の下端部を、練付本体11の下端部に下部腕15の上端部を夫々回動自在に取付けて構成する。練付本体11と上部腕14との連結は、練付板12と略平行な水平方向の回動軸16を、上部腕の下端部を貫通させて、回動軸16を練付本体11に取り付けてなる。また、練付本体11と下部腕15との連結も、回動軸16と平行な回動軸17を下部腕15の上端部を貫通させて、回動軸17を練付本体11に取り付けてなる(図4(b))。また、練付板12の外面13は、杭穴壁の形状に対応した凸曲面状に形成されている(図4(a)(b))。
【0030】
ロッド本体1の下端部に、2つの拡開練付ユニット10、10をロッド本体1の軸1aに対して、直径対称となるように(軸1aに対して等間隔に)、配置してする。ロッド本体1の下端部の外側面に突設した取付板4、4に、上部腕14が回動自在となるように、回動軸16と平行な回動軸18で取付ける(図5(a))。また、開閉ユニット5の上面外周側に、拡開練付ユニット10の下部腕15の回動軸(回動軸と平行)19で取り付ける(図3(a)(b))。
【0031】
以上のようにして、掘削ロッド20を構成する(図1)。前記において、上部腕14、下部腕15の長さは、拡開練付ユニット10を開いた際に練付板3の回動径が所望の径Dとなり(図1(a))、拡開練付ユニット10を閉じた際に、練付板12の回動径が所望の径Dとなるように(図1(b))設定する。
【0032】
また、前記拡開練付ユニット10は、練付板12が拡開した状態を保持できるようなストッパーが取り付けられている。上部腕14の上端部に突起43を突設し、ロッド本体1に突起43に当接するストッパー44を設ける(図5(a))。また、上部腕14の下端部に突起45を突設し、下部腕15の上端部に突起47を突設し、拡開練付ユニット10の練付本体11に、前記突起45、47に当接するストッパー46、48を夫々対応させて設ける(図4(b))。また、下部腕15の下端部に突起49を突設し、開閉ユニット5に突起49が当接するストッパー50を設ける(図3(b))。
【0033】
また、前記において、連結板3を板状とし、連結板3の厚さtに比して、嵌合穴7の深さLを深く形成したので、嵌合穴7内で連結板(ロッド本体)3を多少上下した場合であっても、連結板3が嵌合穴7から外れることがない。また、嵌合穴7内に連結板3が嵌挿された状態で、連結板(ロッド本体)3を上下すれば、連結板3の嵌合位置により、練付板12の最大回動径Dを調節できる。
【0034】
[2]掘削ロッド20の他の構成
【0035】
前記実施例において、開閉ユニット5は円筒状としたが、他の構造とすることもできる。また、開閉ユニット5の下面に掘削刃6を設けると共に、側面に排土用の螺旋翼35を取り付けることもできる(図6(b))。
【0036】
また、前記実施例において、拡開練付ユニット10の下部腕に、拡開状態で、下方に向けた掘削刃36、36を設けることもできる(図6(a))。
【0037】
この場合、これらの掘削刃36、36の取付位置、数を調節することにより、所望の掘削や掘削土の粉砕化が図れる。従って、比較的軟らかい地盤に限らず、ほとんど総ての土質で使用可能であり、汎用性を高められる。即ち、掘削外径と練付外径とを接近させると共に、杭穴の全断面の掘削、掘削土の粉砕化も可能となり、均一な杭穴壁及び掘削土が得られる。
【0038】
また、前記実施例において、ロッド本体1の連結板3及びこれと嵌合する開閉ユニット5の嵌合穴7を平面包装キャンディー状としたが、互いに嵌合して、一体に回動できる組合せであれば、三角形、四角形等の形状とすることもできる(図示していない)。また、ロッド本体1の連結板3を開閉ユニット5の嵌合穴7に嵌挿したが、互いに嵌合できれば、ロッド本体1の下面に嵌合穴を形成し、開閉ユニット5の上面に、嵌合穴に嵌挿できる嵌合突起を形成することもできる(図示していない)。
【0039】
また、前記実施例において、拡開練付ユニット10は、2つ設けたが、対称に取り付ければ、3つ或いはそれ以上の数の拡開練付ユニット10を使用することもできる。また、拡開練付ユニット10は上部腕14、下部腕15で、練付板12を開閉したが、他の機構で練付板12を開閉することもできる(図示していない)。
【0040】
また、前記実施例において、上部腕14の上端部及び下端部、下部腕15の上端部又は下端部の4箇所に、夫々突起43、・・・、49と対応するストッパー44、・・・、50を設けたが、少なくとも1箇所に突起及び対応するストッパーを設け(例えば上部腕14の上端部に突起43とストッパー44を設け)、他の位置で突起、ストッパーを省略することもできる(図示していない)。
【0041】
前記実施例において、ロッド本体1に直接に取付板4、4を突設して、上部腕14の上端部を取り付けたが、他の取付け構造とすることもできる。例えば、ロッド本体1に環状の凹溝51を設けて、凹溝51にリング52を回動自在に嵌装し、リング52に取付片4を設けて、上部腕14を軸止すると共にストッパー44を固定することもできる(図5(b))この場合には、ロッド本体1と拡開練付ユニット10との回動を分離できる。従って、ロッド本体1に連結した連結板3と拡開練付ユニット10に連結された開閉ユニット5との上下方向及び回転方向で、相対位置を変更できる。
【0042】
更に、この場合、開閉ユニット5の嵌合穴7にストッパーを設けて、深さL内の複数位置で連結板3を保持できるように構成すれば、拡開練付ユニット10により複数の練付外径を選択して異なる杭穴径に対応できるように構成することもできる。例えば、連結板3を扇形状として、開閉ユニット5の嵌合穴7を断面円形とし、外周壁に回転方向により異なる高さで作用するようにストッパー53、53を設けることもできる(図8(a)(b))。この場合、ロッド本体1を正回転した場合には、ストッパー53が連結板3を上方位置3bで保持して、拡開練付ユニット10は小さな練付径を取り、ロッド本体1の逆回転で、ストッパー53が連結板3を下方位置3aで保持して、拡開練付ユニット10は大きな練付径をとることができる(図8(b))。
【0043】
また、2つの掘削径で、杭穴34を掘削する場合、通常は、小さな径の杭穴軸部と大きな径に拡底した拡底根固め部とからなる杭穴34の構成とする。この場合、支持力を高める観点から、根固め部内に杭穴軸部より固化強度が高いソイルセメントを形成し、このソイルセメント層内に既製杭23の下端部を納める。従って、既製杭23の下端部に突起部を形成すれば、既製杭23に鉛直荷重や引張荷重が作用した場合、その突起部の上下面から斜め下方又は上方に向けて、根固め部のソイルセメント層にせん断力が有効に伝搬して、高い鉛直支持力を有する基礎杭構造を容易に構築できる。
【0044】
また、前記実施例において、開閉ユニット5の下面の掘削刃6、6は固定刃としたが、掘削径を可変できる掘削刃とすることもできる(図示していない)。この場合には、前記のような複数の練付外径を選択できる拡開練付ユニットと組み合わせれば、夫々の杭穴径に対応した掘削及び練り付けができる。尚、ここで、掘削径が可変できる掘削刃とは、例えば、掘削ロッド20を逆回転することにより、拡開するように構成された拡大掘削刃をいう(図示していない)。
【0045】
【実施例2】
前記実施例に基づく、掘削ロッド20の使用、即ちこの発明の既製杭23の埋設方法について説明する。
【0046】
(1) 使用する既製杭23は、下杭24と上杭28との連結杭とし、下杭24が中空部25を有する円筒状のコンクリート杭(PHC杭、杭長15m)で、上杭28が同じく中空部29を有する円筒状のコンクリート杭(PRC杭、杭長10m)を使用して、いずれも杭外径D=φ600mm、杭内径D=φ420mmとしてある。
【0047】
また、使用する前記実施例の掘削ロッド20は、軸部径D(=φ250mm)の円筒状で、拡開練付ユニット10、10を閉じた状態で、練付板12、12の回動径D(=380mm)とし(図1(b))、拡開練付ユニット10、10を開いた状態の、練付け板の回動径D(=800mm)となるように、ロッド本体1の先端の連結板3と開閉ユニット5の嵌合穴7との間を調節してある。また、開閉ユニット5は外径D=300mmの円柱体で形成され(図3)ている。
【0048】
(2) 前記実施例の掘削ロッド20を下杭(既製杭)24の中空部25に挿通し、クレーン等(図示していない)で吊り上げ、杭打機に搭載された回転駆動装置(図示していない)に、掘削ロッド20の上端部の連結部2を連結する。
【0049】
下杭24の上端部には杭頭キャップ26が取付けられており、杭打機の回転駆動装置の下に搭載されている杭保持装置31に係止めする。次に杭芯上で下杭24の下面24aから、拡開練付ユニット10(上部腕14の上部は下杭24の中空部15内にあっても良い)、開閉ユニット5を突出させる(図1(a)(b))。
【0050】
(3) 開閉ユニット5下面の掘削刃6、6を掘削する地盤33に当接させ、そのまま掘削ロッド20を押し下げて、ロッド本体1先端の連結板3を開閉ユニット5の嵌合穴7に嵌挿し、ロッド本体1に開閉ユニット5を装着して一体に回動できるようにすると共に、練付板12、12を拡開させる(図2(b)鎖線図示)。
【0051】
(4) 次に、そのまま掘削ロッド20を押し下げつつ、回転させて地盤33を掘削し、杭穴34を形成しつつ、掘削によって生じる掘削土を練付板12で、杭穴壁に練付けながら掘削ロッド20を下降する。同時に、連続的に又は断続的に、下杭24を沈設していく(図2(c))。
【0052】
先端の掘削刃6、6で掘削された掘削土は、練付板12で杭穴壁に練付けられ、穴径D(=約800mm)の杭穴34が形成される(図1(a))。
【0053】
このとき、掘削土を杭穴壁に練付けながら下杭24を沈設していくため、掘削土が地上に溢れ出ることを極力抑えることができる。また、硬質な地盤(例えば巨礫の混じる層、硬質粘性土等)を除き、水等の掘削液を吐出していないため、泥水が地上に溢れ出ることも抑えることができる。
【0054】
(5) 掘削に伴い、順次下杭24を沈設し、所定深度で掘削ロッドの作動を止め(掘削を停止し)、掘削ロッドを現状位置で保持しつつ、回転駆動装置を掘削ロッド20の上端部の連結部2から分離する。また、杭頭キャップ26及び回転駆動装置を下杭24から分離する。
【0055】
続いて、杭頭キャップが連結された上杭28を下杭24の上端に連結すると共に、予め上杭28の中空部29に挿通された連結用の円筒ロッド30を、掘削ロッド20の上端部の連結部2に連結する。次に、円筒ロッド30の上端を、杭打ち機の回転駆動装置(図示していない)に連結すると共に、上杭28の杭頭キャップを、杭打機の回転駆動装置の下に搭載されている杭保持装置31に係止めする。
【0056】
(6) 下杭24と上杭28とを接合した後、再度掘削ロッド20で地盤の掘削を再開し、同様に上杭24及び下杭28を沈設していく。
【0057】
掘削ロッド20が支持層に到達した後、上方から上杭28及び下杭24を加圧し、下杭24下端部を支持層内に圧入し、下杭24を所定深度に設置する。
【0058】
(7) その後、掘削ロッド20及び円筒ロッド30を上方に引上げれば、連結板3と開閉ユニット5の嵌合穴7の嵌合が解除され、ロッド本体1が開閉ユニット5から離脱する。更に、掘削ロッド20等を引き上げれば、開閉ユニット5の自重や拡開練付ユニット10に生じる掘削土の押圧抵抗等により、拡開練付ユニット10は閉じる。更に、掘削ロッド20等を引上げれば、縮径した拡開練付ユニット10が、下杭24の中空部25を通過でき(図2(d))、掘削ロッド20等を地上に引上げて、上杭28及び下杭24からなる既製杭23の埋設が完了する。
【0059】
尚、掘削ロッド20の引き上げにおいて、上部腕14の外側の面に柔軟材(例えば、ゴム材)で、コーティングしておくこともできる(図示していない)。この場合には、掘削ロッドを引き上げる際に、上部腕14が既製杭の下端に当たった場合であっても、該部に損傷を与えることを防止できる。
【0060】
(8)また、前記において、中掘工法について説明したが、先に掘削ロッド20で杭穴34を掘削し、その後に杭穴34から掘削ロッド20を引き抜いて、既製杭23を埋設するいわゆる先堀工法に適用することもでき、同様の効果が期待できる。
【0061】
[他の実施例]
【0062】
(1) 既製杭23が支持層に到達した後、既製杭23を所定深度に設置する際には、既製杭23を上方から加圧して圧入することもできる。また、掘削ロッド20の先端から所要強度のセメントミルク(例えば、固化強度20N/mm程度)を注入して、杭穴34底部に根固め部を形成し、その後に下杭24(既製杭23)の下端部を根固め部に沈設することもできる(図示していない)。
【0063】
(2) また、前記実施例において、既製杭23の下端部にフリクションカッターを設けておけば、地盤との摩擦抵抗を軽減できるため杭沈設が容易となる(図示していない)。また、フリクションカッターを取り付ければ、掘削径(杭穴径)Dを小さくすることもできる。
【0064】
(3) 既製杭23外壁と杭穴34壁との間隙部分37は、地盤からの土圧により徐々に締め固められるが、間隙部分37にトレミー管等を挿入してセメントミルク等を注入することもできる(図示していない)。また、セメントミルク等の注入は、掘削ロッド20、円筒ロッド30の中空部を利用して、行うこともできる(図示していない)。
【0065】
(4)前記において、既製杭23は、円筒状の上杭28、下杭24を連結して使用したが、単独の杭とすることもできる(図示していない)。また、既製杭23(上杭28下杭24の一方又は両方)は、環状リブを有するいわゆる節杭から構成することもでき(図7(a))、この場合には、杭穴軸部での周面摩擦力が強化されると共に、根固め部での先端支持力又は引抜力も強化される。また、既製杭23(下杭24)は、下端部を大径に形成した膨大部40を形成した杭を使用することもででき(図7(b))、この場合には、杭穴の根固め部での先端支持力及び引抜力が強化される。
【0066】
また、既製杭23(下杭24)は下端部に拡大翼(螺旋形状等)41を設けた杭を使用することもできる(図7(c))。また、通常の既製杭23(下杭24)の下端に、螺旋状の拡大翼41を有するアタッチメント42を取付けることもできる(図7(d))。これらの場合には、鉛直荷重が作用した際に、拡大翼41断面径から応力が支持地盤に伝わるため、比較的大きな支持力を得ることができる。
【0067】
また、アタッチメント42を、既製杭23の外径より小さな鋼管(内径を既製杭と略同一)から形成し、鋼管の外周に、リブ付きの円盤からなる拡大翼41を形成して構成することもできる(図7(e))。円盤の外径は、既製杭23の外径より大径に形成してあり、鋼管を小径としたので、円盤の面積を広く取れる。
【0068】
前記のように、拡大翼41のような突起部を形成すれば、強度を高めたソイルセメント層を形成した杭穴の根固め部内で、突起部からせん断力の伝搬が図られ、基礎杭構造全体での支持力を高めることができる。この場合、所望の大きさの突起部(拡大翼41)を選択したアタッチメント42を使用すれば、求める支持力を発揮する既製杭23を容易に構成できる。また、アタッチメント42を円盤付きの鋼管とすれば、鋼管の長さや円盤の材厚や円盤の外径・数(即ち円盤の面積)を調節すれば、任意の支持力を容易に設定できるアタッチメントを構成できる。また、この場合の既製杭23は、コンクリート系であり、外周に鋼管を巻いたいわゆるPHC杭とすることもできる。
【0069】
【実施例3】
次に他の掘削ロッド20の実施例を説明する。
【0070】
[1]掘削ロッド20の構成
【0071】
ロッド本体1は中空筒状で、上端部に円筒ロッド30との連結部2を有し、中間部に、大径部54を有する。大径部54の外側面に、直径対称な位置に突片56を放射状に突設する。
【0072】
ロッド本体1の下部に、上下に摺動自在の外筒57を嵌装する。外筒57の下端部には、3つの掘削刃6、6が、掘削ロッドを回転した際に、各刃先が異なる軌跡を描くように、中心から異なる半径位置に固定されている。外筒57の下端には、下方に向けて吐出口58が形成され、ロッド本体1の中空部を通して供給されるセメントミルク類を下方に向けて吐出できるようになっている。また、吐出口58には、掘削土や泥水がが入らないように、弁59が取り付けられている。
【0073】
外筒57の上端に嵌合凸部60を形成し、ロッド本体1の大径部54の下端55に、嵌合凸部60に対応する嵌合凹部61を形成し、外筒57の上端がロッド本体1の大径部57に当接した状態で、嵌合凹部61と嵌合凸部60とが互いに嵌合して、外筒57の回転が規制され、ロッド本体1と一体に回転するようになっている。
【0074】
外筒57の下端部の外側面に、直径対称な位置に突片62、62を放射状に突設する。上部腕14の上端部を突片56に、下部腕15の下端部を突片62に、夫々横方向の回転軸16、19で回動自在に連結する。また、上部腕14の下端部と、下部腕15の上端部とを、横方向の回転軸63で回動自在に連結する。
【0075】
上部腕14、下部腕15は、ロッド本体1に対して外筒57を最も下げた状態で、ロッド本体1に沿って垂れた状態になり、装着状態が解除され、外径が最も小さくなる(直径D)。中掘工法に使用する場合には、使用する既製杭23の内径Dより小さくなり、中空部25を挿通できるるように形成する。
【0076】
また、上部腕14、下部腕15は、ロッド本体1に対して外筒57を最も上げた状態で、上部腕14の下端部又は下部腕15の上端部は、最も開いた状態(直径D)となり、かつ嵌合凸部60と嵌合凹部61とが嵌合して、ロッド本体1と外筒57とが装着状態となり、外筒57とロッド本体1とが一体に回転する。
【0077】
下部腕15に、最も開いた状態で、刃先が下方に向くように、掘削刃36、36を突設する。掘削刃36、36は、掘削ロッドを回転した際に、各刃先が異なる軌跡を描くように、中心から異なる半径位置に固定されている。また、掘削ロッドを正回転した際に刃先が前側を向けて固定され、刃先が地盤をとらえて掘削効率が良くなるように配置されている。
【0078】
下部腕15の上端部に、鋼片からなる練付本体11を溶接により固定する。練付本体11は下部腕15が最も開いた状態で、外面(練付部)13が略垂直に位置するように固定されている。また、練付本体11は、掘削刃36の刃先の向きと反対側に位置する下部腕15の側面に位置している。
【0079】
以上のようにして、掘削ロッド20を構成する(図9、10)。前記において、ロッド本体1の大径部54に当接できる外筒57から、開閉ユニット5を構成する。また、練付本体11を有する上部腕14と下部腕15とで、拡開練付ユニット10を構成する。
【0080】
[2]掘削ロッド20の使用
【0081】
(1)杭打機に搭載された回転駆動装置(図示していない)に、取り付けた円筒ロッド30の下端に掘削ロッド20の上端部の連結部2を連結する。この状態で、上部腕14、下部腕15は下方に垂れた状態になっている(図10(a))。
【0082】
外筒57の掘削刃6、6を掘削する地盤33に当接させ、そのまま掘削ロッド20を押し下げると、ロッド本体1は外筒内を摺動しながら下降し、大径部54が外筒57に当接して、嵌合凸部60と嵌合凹部61とが互いに嵌合する。この状態で、拡開練付ユニット(上部腕14、下部腕15)が開き、掘削刃36、36の刃先が下方を向き、練付本体11の外面13が略垂直になる(図11)。
【0083】
次に、そのまま掘削ロッド20を押し下げつつ、回転させて、掘削刃6、36で、地盤33を掘削し、径Dの杭穴34を形成する。この際、掘削によって生じる掘削土を練付本体11で、杭穴壁に練付けながら掘削ロッド20を下降する。この際、各掘削刃6、36は、各刃先が異なる軌跡(異なる半径の円)を描いて杭穴底面のほぼ全面をもれなく削ることができるので、掘削速度が速く、掘削効率が良い。
【0084】
このとき、掘削土を杭穴壁に練付けるので、実施例2と同様に、掘削土が地上に溢れ出ることを極力抑えることができる。この場合、掘削位置の直上で練付ができるので、練付効率が良い。
【0085】
また、硬質な地盤(例えば巨礫の混じる層、硬質粘性土等)を除き、水等の掘削液を吐出していないため、泥水が地上に溢れ出ることも抑えることができる。尚、必要ならば、吐出口58から各種掘削液を吐出しながら掘削することもできる。
【0086】
杭穴34の掘削が完了したならば、ロッド本体1を引き上げれば、拡開練付ユニット10(上部腕14、下部腕15)の自重で、外筒57が下がり、拡開練付ユニット10は閉じるので、縮径され(D程度)、杭穴壁を傷つけることなく容易に引き上げできる(図10(a))。掘削ロッドを引き上げた後、杭穴34内に既製杭23を埋設する。
【0087】
この掘削ヘッド20は、拡開練付ユニットが、上部腕14、下部腕15で構成する単純簡易な構造であるので、機械的強度が堅牢で、掘削作業で破損が生じ難い。また、掘削泥土が詰まり難く、また、掘削泥土が付着した場合であっても、容易に除去清掃でき、保守管理が容易である。
【0088】
また、外筒57の先端の掘削刃6が地盤33に当接して抵抗することにより、容易に拡開するので、地盤の状況(岩石の混入など)や掘削液(セメントミルク等)の有無に因らず、確実に拡開を保ち、寸法精度の良い杭穴を築造できる。
【0089】
(2) 上記で、杭穴34を形成した後で、既製杭23を埋設する工法について説明したが、実施例2と同様に、中掘工法に使用することもできる。即ち、既製杭23の中空部25を挿通して(図10)、下方から拡開練付ユニット10を突出させて掘削し(掘削径D。図9)、掘削完了後縮径(D)して、既製杭23の中空部25を通して引き上げる(図10)。
【0090】
(3)また、掘削ロッド20で、
外筒57の外径160mm
上部腕14の長さ(回転軸16、63間の長さ)450mm
下部腕15の長さ(回転軸63、19間の長さ)450mm
とした場合、拡開した状態で、D=1070mm 程度の大径の掘削ができる。
【0091】
また、この寸法規格で、形成した掘削ロッド20は、コンクリート製の中空の既製杭23(外径D=600mm、内径D=420mm)の中空部25に挿通して(D<D)、中掘工法に使用できる。この場合も、D=1070mm 程度の大径の掘削ができる。
【0092】
(4)また、前記実施例で、大径部54と外筒57の上面との間に、高さLの補助筒64を介装すれば、掘削外径(最大外径)をDとすることができる(D<D。図11)。この場合、補助筒64の下端に嵌合凹部61、上端に嵌合凸部60を形成して(図示していない)、大径部54(ロッド本体1)、補助筒64、外筒57を互いに嵌合して、一体に回転させる。
【0093】
また、この場合、補助筒64を縦方向(左右に分割)に分割可能とすれば、補助筒64の着脱が容易である。従って、同じ掘削ロッド20を使用して、Lを適宜設定した補助筒64を介装すれば、任意の掘削径を容易に設定・変更できる。
【0094】
[3]他の実施例
【0095】
また、前記実施例において、練付本体11は溶接で固定したが、下部腕15と一体に形成することもできる。
【0096】
また、前記実施例において、練付本体11は、不要な場合には、溶接を解いて除去できるようになっているが、他の係脱手段により着脱自在に形成することもできる。
【0097】
また、練付本体11を除去した状態で、掘削ロッド20を構成することもできる(図示していない)。この場合、ロッド本体1の上部腕14の上方や、ロッド本体1に連結する円筒ロッド30に練付ドラム(例えば、特願2000-162637に記載の練付ドラム2)を形成して、掘削土を杭穴壁に練付することもでき、杭穴の品質向上及び排土の減少等の点から望ましい。これは、中掘工法及び先堀工法のいずれにおいても同様な効果が得られる。
【0098】
また、前記実施例において、外筒57に嵌合凸部60を形成し、ロッド本体1の大径部54に嵌合凹部61を形成したが、大径部54に嵌合凸部、外筒57に嵌合凹部を形成することもできる(図示していない)。要は、ロッド本体1と外筒57とが摺動可能で、かつロッド本体1に対して外筒57の回転が規制されれば良い。従って、例えば、外筒57の内面又はロッド本体1の外面に、軸方向の突条を形成し、ロッド本体1又は外筒57に、突条が摺動する溝を形成することもできる(図示していない)。また、ロッド本体1の断面を円形以外の形状(例えば、半円、四角形や六角形等)とし、外筒57の内面をこれに対応した形状に形成することもできる(図示していない)。
【0099】
また、他の実施例は、前記実施例1と同様である。
【0100】
【発明の効果】
この発明は、ロッド本体の下端に、掘削刃を有する開閉ユニットを装着解除自在に取付けてなる掘削ロッドを使用するので、掘削ロッドの押し込み又は引抜の上下動で容易に掘削、掘削解除ができる効果がある。
【0101】
また、この発明は、ロッド本体の下端に、掘削刃を有する開閉ユニットを装着解除自在に取付けて、ロッド本体の下端部と前記開閉ユニットとの間に、杭穴壁を練り付けできる練付部を有する拡開練付ユニットを取り付けてなる掘削ロッドを使用するので、掘削ロッドの上下動だけで容易に練付け板を拡縮することができる。
【0102】
また、上部腕、下部腕を使用した拡開練付ユニットでは、閉状態の小さな径(ロッド本体1の径)と、開状態の拡開径との比率を大きくでき、小さく畳んで大きな径の杭穴を掘削できる。これは掘削ロッドを既製杭の狭い中空部を貫通して既製杭の下方を掘削しながら既製杭を埋設する中掘工法は当然な有効な効果であるが、杭穴掘削後に掘削ロッドを撤去して既製杭を埋設するいわゆる先堀工法においても、掘削ロッドの引き上げ時に縮径して杭穴壁を傷つけるおそれが無いので、有利な効果となる。
【0103】
従って、既製杭の下方に開閉ユニット又は練付部を突出して、掘削土を練り付けながら掘削土の排出を抑制しつつ、杭穴を掘削して既製杭を埋設できる効果がある。また、 掘削土を杭穴壁に練付けながら既製杭を沈設していくため、掘削土が地上に溢れ出ることを低減でき、また順次既製杭を沈設していくため、練付けた掘削土が崩壊することを防止できる。
【0104】
また、拡開練付ユニットに拡開状態を保持する、即ち最大拡開状態を規制する、ストッパーを設けた場合には、拡開練付ユニットの練付部が拡開したときに拡開状態を保持できるため、深度方向で所定杭穴径を維持して掘削することができる。
【0105】
更に、上部腕、下部腕から拡開練付ユニットを構成した場合には、下部腕の下側(拡開した状態)の所望位置掘削刃を形成することができ、この場合には、拡開練付ユニットに取り付けた練付部での練付径を制御できると共に、杭穴掘削に際しても掘削径、とりわけ大径杭穴の掘削の制御が可能となる。更に、開閉ユニットの掘削刃と下部腕の掘削刃とにより杭穴の全断面をくまなく削って掘削でき、掘削土を均質に粉砕させることができる。即ち、拡開練付ユニットに練付部を形成した場合、あるいは練付部を外した場合であっても、掘削ロッドの上方に別途練付ドラムなどの練付手段を別途設けた掘削ロッドを使用すれば、掘削土の排土の低減が同様に実現できるので、径1m以上の大径の杭穴を先堀工法を採用した場合でも、本願発明の埋設方法と同様な効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の掘削ロッドの正面図で、(a)は拡開練付ユニットを開いた状態、(b)は拡開練付ユニットを閉じた状態を夫々表す。
【図2】この発明の埋設方法を説明する正面図で、(a)は掘削機に装着開始前、(b)は掘削機に装着して掘削する前、(c)は掘削中、(d)は既製杭を埋設完了して、掘削ロッドを引き上げる状態、を夫々現す。
【図3】(a)はこの発明の掘削ロッドの開閉ユニットの平面図で、(b)は(a)のA−A線における一部断面図である。
【図4】(a)は拡開練付ユニットの練付部の平面図で、(b)は拡開練付ユニットの縦断面図である。
【図5】(a)(b)は、ロッド本体と拡開練付ユニットの上部腕との連結部分を表す拡大正面図である。
【図6】(a)(b)はこの発明の掘削ロッドの他の実施例の正面図である。
【図7】(a)〜(e)は、この発明の発明の実施に使用する他の既製杭の正面図である。
【図8】この発明の実施例の他の開閉ユニットで、(a)は概略した拡大平面図、(b)は概略した拡大縦断面図である。
【図9】この発明の他の掘削ロッドで、拡開状態を表す一部を破折した正面図である。
【図10】同じく閉じた状態を表し、(a)は一部を破折した正面図、(b)は平面図である。
【図11】同じく、補助筒を使用した状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ロッド本体
2 ロッド本体の連結部
3 ロッド本体の連結板
5 開閉ユニット
6 開閉ユニットの掘削刃
7 開閉ユニットの嵌合穴
10 拡開練付ユニット
11 拡開練付ユニットの練付本体
12 拡開練付ユニットの練付板
14 拡開練付ユニットの上部腕
15 拡開練付ユニットの下部腕
16〜19 拡開練付ユニットの回転軸
20 掘削ロッド
23 既製杭
24 下杭(既製杭)
25 下杭の中空部
28 上杭(既製杭)
29 上杭の中空部
30 円筒ロッド
33 地盤
34 杭穴
34a 杭穴の根固め部
36 下部腕の掘削刃
54 大径部
57 外筒
60 嵌合凸部
61 嵌合凹部
64 補助筒

Claims (13)

  1. ロッド本体の下端に、掘削刃を有する開閉ユニットを上下方向に装着解除自在に取付け、前記ロッド本体の下端部と前記開閉ユニットとの間に、杭穴壁を練り付けできる練付部を有し、あるいは練付部を取付けできる拡開練付ユニットを取り付けてなり、
    前記拡開練付ユニットは、前記開閉ユニットがロッド本体から装着解除した際に閉状態となり、前記開閉ユニットがロッド本体に装着された際に開状態となり、開状態で拡開練付ユニットが拡開して略放射状に突出できる構成としたことを特徴とする掘削ロッド。
  2. ロッド本体の下端部に、下端に掘削刃を突設した外筒を、上下摺動自在に装着して、前記外筒が下方位置で閉状態とし、前記外筒が上方位置で開状態となるように形成して開閉ユニットを構成し、
    前記閉状態で拡開練付ユニットが閉じ、前記開状態で前記開閉ユニットが拡開するように構成したことを特徴とする請求項1記載の掘削ロッド。
  3. ロッド本体の下端に、掘削刃を有する開閉ユニットを上下方向に装着解除自在に取付け、前記ロッド本体の下端部と前記開閉ユニットとの間に、杭穴壁を練り付けできる練付部を有する拡開練付ユニットを取り付けてなり、
    前記拡開練付ユニットは、前記開閉ユニットがロッド本体から装着解除した際に閉状態となり、前記開閉ユニットがロッド本体に装着された際に開状態となり、開状態で拡開練付ユニットの練付部が拡開して略放射状に突出できる構成としたことを特徴とする掘削ロッド。
  4. ロッド本体の下端に、掘削刃を有する開閉ユニットを上下方向に装着解除自在に取付け、前記ロッド本体の下端部と前記開閉ユニットとの間に、拡開練付ユニットを取り付けてなり、
    前記拡開練付ユニットは、練付部の上下に、夫々上部腕、下部腕を回動自在に取り付け、該上部腕の先端部を前記ロッド本体に回動自在に取り付け、前記下部腕の先端部を開閉ユニットに回動自在に取り付けて構成したことを特徴とする請求項1又は3記載の掘削ロッド。
  5. ロッド本体の下端と、開閉ユニットとに上下方向で、装着解除自在となる嵌合部を夫々形成し、前記ロッド本体と開閉ユニットとが嵌合して装着状態で、拡開練付ユニットの練付部が予め設定した所望寸法に拡開して、略放射状に突出する構造としたことをを特徴とする請求項1、3、4のいずれか一項記載の掘削ロッド。
  6. ロッド本体の周囲に、等間隔に複数の拡開練付ユニットを配置した請求項1乃至請求項5記載の掘削ロッド。
  7. 開閉ユニットをロッド本体から装着を解除した状態で、拡開練付ユニットは垂下状態となり、掘削ロッドが使用する既製杭の中空部を挿通可能な構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の掘削ロッド。
  8. 開閉ユニットをロッド本体に装着した状態で、拡開練付ユニットは拡開状態となり、拡開練付ユニットの練付部が、使用する既製杭の外径以上となるように略放射状に突出することができる形状寸法の構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項7記載の掘削ロッド。
  9. 開閉ユニットの嵌合部を、ロッド本体の下端と嵌合した状態で、ロッド本体と開閉ユニットとが一体に回動できる構成としたことを特徴とした請求項5記載の掘削ロッド。
  10. 開閉ユニットの嵌合部を、前記開閉ユニットとロッド本体との上下の相対位置を変化させることにより、拡開練付ユニットの拡開径を変更可能な構成とした請求項5又は請求項9記載の掘削ロッド。
  11. 開閉ユニットの下面及び下部腕の下面に掘削刃を設置した請求項4記載の掘削ロッド。
  12. ロッド本体の下端に、掘削刃を有する開閉ユニットを装着解除自在に取付け、前記ロッド本体の下端部と前記開閉ユニットとの間に、杭穴壁を練り付けできる練付部を有する拡開練付ユニットを取り付けて掘削ロッドを構成し、
    (1) 既製杭の中空部を挿通した掘削ロッドの開閉ユニット及び練り付けユニットの練付部を、前記既製杭の下端から突出し、
    (2) 前記開閉ユニットの先端を地盤に押し当てて、前記ロッド本体に開閉ユニットを装着して一体化して、前記拡開練付ユニットの練付部を前記既製杭の外周より外方に突出させ、
    (3) 掘削ロッドを回転させて、開閉ユニットで所定寸法の杭穴を掘削しつつ、練付部で杭穴壁を練り付けつつ、既製杭を埋設する。
    ことを特徴とする既製杭の埋設方法。
  13. 既製杭を所定深度に設置した後、掘削ロッドを上方に引き上げて、開閉ユニットとロッド本体との装着を解除し、前記掘削ロッドを既製杭の中空部を通して引き抜くことを特徴とする請求項12記載の既製杭の埋設方法。
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