JP3760316B2 - 中間打撃式杭及びその施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間打撃式杭及びその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(1)比較的騒音が発生する時間を短くし、支持力の確保に優れる杭の施工方法として、中掘り最終打撃工法が知られている。
この工法は、所定の深さまで既製杭の中空部に挿入したスパイラルオーガで掘削を行った後、杭頭部を自重により落下させるハンマー(錘)によって直接打撃して杭本体を支持層内に貫入していくというものである。
【0003】
(2)一方、杭はその頭部付近に大きな水平力が作用するため、通常の鋼管杭においては、頭部付近の鋼管の肉厚を厚くすることで水平力に抵抗している。しかし、杭頭部の肉厚を厚くする方法では、鋼材の使用量が増加する割に曲げ耐力の増加の効果は小さい。
そこで、杭頭部近傍を拡径する方法が従来から提案されている。
その一例として、特開昭52−7109号公報に記載された頭部拡大基礎杭打ち工法がある。
この工法は、下杭と、その下杭よりも直径の大きい鋼管頭部拡大杭と、その両杭の接手兼拡大杭引込み叩打面とから成り、地盤中に下杭を打込み、その頂部に接手で頭部拡大杭を接続し、その杭の中に挿入した打撃棒により底部の叩打面を叩打して、頭部拡大杭を下端から引込み的に打込む頭部拡大基礎杭打ち工法である。
【0004】
(3)また、他の施工方法として、杭先端に拡頭部と同径の掘削翼を付けて、回転掘削しながら沈設する方法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の杭の施工方法にあっては、それぞれ以下のような問題点がある。
(1)中掘り最終打撃工法では、地上で杭頭部を打撃する。このため、打撃が最終段階の短時間であるが、その間については大きな騒音が発生する。
また、杭頭部に与えた打撃エネルギーによって杭先端を支持層に圧入する必要があるため、大きな打撃力やエネルギーを必要とする。この結果、杭体を損傷する場合もある。
(2)特開昭52−7109号公報に記載された頭部拡大基礎杭打ち工法は、接続部に設けた杭内を遮断する打撃面を最初から最後まで打撃して杭を打設する方法であり、騒音の発生時間も長い。
また、拡径部に段差があるため、挿入抵抗が大きいという問題もある。
さらに、この方法では、杭内部が打撃面によって遮断されているため、杭の打設時に杭の打撃圧入が不可能になると、掘削等で対応することが非常に困難であるという問題もある。
(3)杭先端の掘削翼で回転掘削しながら沈設する方法は、最終的に杭体を打撃して支持力を確保する方法でないため、動的支持理論に基づく支持力算定式の適用ができないという問題もある。
【0006】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、騒音の問題が少なく、且つ、確実に支持力を確保できる中間打撃式杭及びその施工方法を提供することを目的とする。
また、施工時の挿入抵抗の少ない中間打撃式杭及びその施工方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る中間打撃式杭は、杭体の下部を形成する中空状の下部杭体と、該下部杭体の上部側に配置された該下部杭体より大径の中空状の上部杭体とを備え、
前記下部杭体と前記上部杭体とを、前記下部杭体と前記上部杭体の内部が全長を通じて貫通し、かつ前記上部杭体の内側に挿入した錘で前記下部杭体の上端部を直接打撃可能な状態で接続したものである。
【0008】
また、下部杭体と上部杭体の接続部の外周面をテーパー状に形成したものである。
【0009】
また、下部杭体と上部杭体の接続部を、前記下部杭体の外周面に設置した複数のリブ材と、該リブ材の外周を覆うように接合された接続管とで構成したものである。
【0010】
また、下部杭体と上部杭体の接続部を、前記下部杭体の外周面に設置した円環状のプレートと、該プレートの外周を覆うように接合された接続管とで構成し、前記上部杭の下端部を該接続管の上端部に挿入して固定したものである。
【0011】
また、下部杭体の先端部に断面が楔状のフリクションカッターを取り付けたものである。
【0012】
また、上部杭体の内部に、内径が下部杭体と同径のガイド管を着脱自在に設置したものである。
【0013】
また、本発明に係る中間打撃式杭の施工方法は、下部杭体の中空部にスパイラルオーガを挿入して地盤を掘削しながら、下部杭体を沈設する工程と、前記下部杭体の上端部に該下部杭体よりも大径の上部杭体を接続して、スパイラルオーガにて地盤を掘削しながら、前記下部杭体と前記上部杭体の接合体を所定の深度に沈設する工程と、前記スパイラルオーガを引き上げた後、前記上部杭体の内側に挿入した錘で前記下部杭体の頭部を直接打撃して、前記下部杭体の先端部を支持層内に貫入する工程と、を備えたものである。
【0014】
また、下部杭体の中空部にスパイラルオーガを挿入して地盤を掘削しながら、下部杭体を沈設する工程と、前記下部杭体の上端部に該下部杭体よりも大径の上部杭体を接続して、該上部杭体内に前記下部杭体の内径と同径のガイド管を設置し、スパイラルオーガにて地盤を掘削しながら、前記下部杭体と前記上部杭体の接合体を所定の深度に沈設する工程と、前記スパイラルオーガ及び前記ガイド管を引き上げた後、前記上部杭体の内側に挿入した錘で前記下部杭体の頭部を直接打撃して、前記下部杭体の先端部を支持層内に貫入する工程と、を備えたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
<イ>基本構成
図1は本発明の一実施の形態の中間打撃式杭の断面図である。
本実施形態の中間打撃式杭は、図1に示すように、杭体の下部を形成する中空状の下部杭体1と、該下部杭体1の上部側に配置された該下部杭体1より大径の中空状の上部杭体3とを備え、下部杭体1と上部杭体3とを、下部杭体1と上部杭体3の内部が全長を通じて貫通し、かつ上部杭体3の内側に挿入した錘5で下部杭体1の上端部を直接打撃可能な状態で接続したものである。
【0016】
<ロ>下部杭体
下部杭体1は、杭の一般部に当たる部分で、通常は設計で求められた鉛直力に対抗する部分である。
下部杭体1の外径は、上部杭体3の内径よりも小さく設定されており、その頭部が上部杭体3に挿入できるように構成されている。
下部杭体1には、内空が長手方向に貫通した鋼管、中空状のコンクリート製(RC)杭、プレストレストコンクリート製(PC、PHC)杭、鋼管とコンクリート複合(SC)杭などが使用できる。
また、錘5で打撃する下部杭体1の頭部には、必要に応じてゴム、木材などの緩衝材を設置する。
なお、下部杭体1は必要に応じて継ぎ足すことが可能である。
【0017】
<ハ>上部杭体
上部杭体3は、杭頭部近傍を形成する杭体である。
杭頭部近傍には、通常、杭体の下部よりも大きな水平力が作用するため、この水平力に抵抗できるだけの断面を確保する必要がある。そこで、本実施形態においては、上部杭体3の杭径を下部杭体1の径より大きくすることで水平力に抵抗させている。
なお、上部杭体3には、下部杭体1と同様に内空が長手方向に貫通した鋼管、中空状のコンクリート製(RC)杭、プレストレストコンクリート製(PC、PHC)杭、鋼管とコンクリート複合(SC)杭などが使用できる。
上部杭体3も、必要に応じて継ぎ足すことが可能である。
【0018】
<ニ>接続部
接続部7は、下部杭体1と上部杭体3とを接続する部分をいう。
この、接続部7の具体例を図2に示す。
接続部7は、円錐台状の接続管9の内周面に複数のリブプレート11を取り付け、このリブプレート11を介して下部杭体1と上部杭体3とを接続するように構成されている。
したがって、接続管9の下部側の小径口は下部杭体1の外径とほぼ同じか若干だけ大きく設定され、下部杭体1の頭部が挿入可能になっている。
また、接続管9の上部側の大径口は、上部杭体3と同じ大きさに設定し、溶接などで上部杭体3の下端面に突き合わせ接続するようになっている。
なお、接続管9の大径口を上部杭体3よりもわずかに大きくして上部杭体3を接続管9に挿入して、リブプレート11の上端に当接させるようにして繋ぐこともできる。
【0019】
接続部7の外周部は、テーパー状に形成して上部杭体3と下部杭体1の外面が滑らかに繋がるようにしている。
接続部7の外周部をテーパー状に形成することで、上部杭体3の圧入時に接続部周辺の土砂がテーパー状の外面に沿って上方へ移動する。これによって、上部杭体3の外径が下部杭体1の外径より大きいことに起因する地盤から受ける抵抗を低減することができる。
【0020】
接続部7の内部における下部杭体1と上部杭体3との配置関係について説明する。
この例では、接続部7の内部において、下部杭体1の頭部を上部杭体3の下端部が覆うような配置としている。このような配置であれば、後述のように、下部杭体1の頭部を上部杭体3の内部から打撃することができる。
もっとも、下部杭体1の頭部を上部杭体3の下端部が覆うといっても、水平に見たとき、下部杭体1の頭部が上部杭体3の下端部よりも突出していなくても、下部杭体1の頭部が上部杭体3の内部において露出しており、下部杭体1の頭部を上部杭体3の内部から打撃可能であればよい。
【0021】
図3は上記のように構成した本実施の形態の中間打撃式杭の施工方法の説明図である。以下、図3に基づいて施工方法を説明する。
中間打撃式杭の構成部材として次のものを用いる。
例えば上部杭体3には外径が800mm、長さ6m、肉厚9mmの鋼管を用い、これに外径が600mm、長さ6m、肉厚9mmの鋼管からなる下部杭体を接合したものを上杭とする。また、外径が600mm、長さ15m、肉厚9mmの鋼管からなる下部杭体を下杭とする。
<イ>中掘りによる中間打撃式杭の沈設(図3(a)、(b))
中間打撃式杭の中空部に、スパイラルオーガ13を挿入してセットする。その後に、中間打撃式杭を公知の杭打設装置(図示せず)に取り付ける。
次いで、スパイラルオーガ13で排土しながら、地盤15を掘り下げつつ、下杭を沈設する。途中で前記上杭と前記下杭を接続する。
そして、下杭側の下部杭体1の先端を予定の支持層17手前まで貫入する(図3(b)参照)。
【0022】
<ロ>スパイラルオーガの引き上げ
中掘り掘削後に、スパイラルオーガ13を引き上げる。
ここで、下部杭体1の頭部に掘削土21が予想以上に残留されている場合は、アースドリル用ケリーバー等で下部杭体1の頭部付近の掘削土21を地上へ排土し、下記打撃作業が可能な状態にする。
【0023】
<ハ>下部杭体の打撃(図3(c))
次に、上部杭体の中空部に錘5を挿入し、必要に応じて上部杭体3の頭部を消音用の防音蓋などで閉塞する。
そして、中間打撃式杭内で錘5を落下させて下部杭体1の頭部を直接打撃し、その先端部を予定の支持層17内に貫入させる。
この際、下部杭体1を打撃することによって、動的支持力理論に基づく支持力算定式に必要なリバウンド量を計測すれば、杭の施工品質等をより適切且つ迅速に評価することができる。
その後、必要に応じて、杭頭を打撃し沈下量を測定し、支持力を確認する。
また、杭体の先端には、セメントミルク等の固化材を注入して、固化部23を構築することもできる。
【0024】
<ニ>掘削土の充填
地上に排出された掘削土21は、土質の種類と施工条件等の状況に応じて、中間打撃式杭の中空部に中詰材25として充填することができる。
これによって、掘削残土の排出量を低減することができる。
【0025】
図4は、上記のように施工された中間打撃式杭の支持力の説明図である。以下、図4に基づいて杭の支持力について説明する。
杭の支持力は、杭先端の面積及び杭体の周面に作用する摩擦力によって算定できる。
本実施の形態の中間打撃式杭の支持力として共通して期待できるのは、下部杭体1の底面積による支持力と、杭体の周面摩擦力である。
上部杭体3の周囲には、下部杭体1によって形成された杭径を押し広げて形成された地盤の塑性域27が存在する。このため、上部杭体3と地盤の塑性域27間の高摩擦力が期待できる。また、テーパー状に形成された接続部7の外周面積も中間支持力Rmとして期待できる。
【0026】
以上のように本実施の形態によれば、支持層の手前まではスパイラルオーガー13による中掘りによって杭体を沈設するので、この工程では大きな騒音が発生することがない。また、支持層17の手前から錘5による下部杭体1の頭部打撃を行うことになるが、このとき錘5は上部杭体3内にあり、上部杭体で遮音されているので、騒音の問題を低減できる。
つまり、この実施の形態によれば、杭体の沈設の主要部をスパイラルオーガー13による中堀りで行い、後半の支持層17への貫入を上部杭体の内側に挿入した錘5による下部杭体1の頭部への直接打撃によって行うので、大きな支持力が得られる。しかも、打撃は上部杭体3の内部で行われるので、騒音上の問題を極力抑えることができるのである。
【0027】
なお、接続部の構成は上記に示したものに限られず、例えば図5に示すようなものでもよい。
この例の接続管29は、上端側29aが円筒形でこの円筒形に連続する下方側29bが下方に向かって縮径する円錐台状の形状をしている。そして、大径側の内径を上部杭体3の外径にほぼ等しく設定し、小径側の内径を下部杭体1の外径とほぼ等しく設定している。
また、接続管29の内面には内径が下部杭体1の外径にほぼ等しい環状プレート31を取り付け、環状プレート31を介して上部杭体3と下部杭体1を接続する。ここで、環状プレート31の上下にはストッパー33を設置し、下部杭体1と環状プレート31が一体となって挙動するように構成する。
上記のように構成した接続管29の上部側の大径口に上部杭体3の下端部を差し込んで溶接などにより一体化する。
【0028】
要するに、接続部の構成としては、下部杭体1と上部杭体3を一体的に接続でき、かつ上部杭体3の内面側から錘5によって下部杭体1の上端部を直接打撃できる構成であればよい。そして、接続部7の外周がテーパー状であれば杭の打撃時の抵抗を軽減できるという効果がある。
【0029】
実施の形態2.
本実施の形態2においては、スパイラルオーガ13によって掘削した土砂を上部杭体3から排出するために上部杭体3の内部にガイド管35を設置したものである。
【0030】
ガイド管35の具体的構成を説明する前にガイド管35を設ける趣旨について説明する。
実施の形態1においては、中掘り掘削は下部杭体1の内径に合わせて行っている。このため、上部杭体3の部分では、上部杭体3が下部杭体1よりも内径が大きいので、挿入したスパイラルオーガ13と上部杭体3の内面の隙間が大きくなり、掘削土21が排土されずに下部杭体1の頭部に堆積するおそれがある。
下部杭体1の頭部に掘削土21が堆積すると、錘5による打撃の効率が低下し、下部杭体1を充分に支持層17内に打ち込めないおそれもある。
そこで、下部杭体1の杭頭に掘削土21を堆積させないようにガイド管35を配置するのである。
以下、ガイド管35の構成と作用を説明する。
【0031】
図6は本実施の形態のガイド管35の説明図である。
図6の例ではガイド管35は、下部杭体1とほぼ等しい内径を有する管材37aの両端に上部杭体の内径とほぼ同じ外径を有する鍔部37bを有するガイド短管37を必要な数だけつなぎあわせたものである。ガイド短管37同士の接続は、例えば一方の鍔部37bにL字状の取付具39を設け、これに接続する側のガイド短管37の鍔部37bに取付具39が挿入可能な長孔41を設け、取付具39を長孔41に挿入後、ガイド短管37を回動することによって接続できる。接続したガイド管短37を取り外す場合は、前記と逆方向に回動して取付具39を長孔41から抜き出すようにする。
もっとも、掘削時等に支障がなければ、ガイド短管37同士は接続せずに、単に積み上げるようにしてもよい。また、ガイド管35は連結構造でなくてもよい。
【0032】
上記のように構成したガイド管35においては、下部杭体1とほぼ等しい内径を有する管材37aがスパイラルオーガ13によって掘削された掘削土21を排出するためのガイドとして機能する。
また、鍔部37bがガイド管35を上部杭体3のほぼ中央に配置するためのスペーサとして機能する。
【0033】
図7は上記のように構成されたガイド管35を使用した中間打撃式杭の施工方法の説明図である。
図7に示すように、ガイド管35を使用する施工方法は、上記した実施の形態1とほぼ同様な工程に従って杭の施工を行うが、図7(a)に示すように、上部杭体3内部の掘削前にガイド管35を設置しておく。
この場合も、実施の形態1と同様に予定の支持層17手前まで杭体を貫入させる。
【0034】
スパイラルオーガ13を引き上げた後に、ガイド管35を上部杭体3内から撤去する(図7(b))。撤去したガイド管35は、再度利用することができる。
中掘り時にガイド管35を使用することによって、掘削土21が下部杭体1の頭部に堆積することがなく、ガイド管35を撤去した後すぐに上部杭体3の内側に錘5を挿入して下部杭体1の頭部を直接打撃し、下部杭体1の先端部を支持層内に貫入させる作業をおこなうことができる(図7(c)参照)。
なお、支持力の確認、掘削土の充填(図7(d))等の作業は実施の形態1と同様にして行う。
【0035】
以上のように本実施の形態においては、上部杭体3の内部にガイド管35を設置して中堀りを行うようにしたので、掘削土21が下部杭体1の頭部に堆積することがなく、ガイド管35を撤去した後すぐに上部杭体3の内側に錘5を挿入して下部杭体1の頭部を直接打撃し、下部杭体1の先端部を支持層内に貫入させる作業をおこなうことができ、作業効率がよい。
また、ガイド管35を複数の短尺管を連結して構成したので、上部杭体3の長さに応じて必要な数を用いればよく汎用性に優れる。
【0036】
なお、ガイド管35の他の例として、例えば図8に示すように、円筒状の管材43の周囲に三角柱状のスペーサ45を取り付けるようにしてもよい。
【0037】
実施の形態3.
図9は本発明の実施の形態3の説明図である。
本実施の形態3は、下部杭体1の先端部の外面に、断面が楔状のフリクションカッター47を設けたものである。
フリクションカッター47の上幅寸法は、例えば、下部杭体1と上部杭体3の外径の差の半分とする。
このようにフリクションカッター47の寸法を設定することで、フリクションカッター47によって切削される地盤の外径が上部杭体3の外径とほぼ等しくすることができ、上部杭体3の挿入時の抵抗を低減することができる。
【0038】
フリクションカッター47の具体例としては、鋼板などを楔状の外殻に形成した後に、必要に応じて楔状の外殻内に同様な中実楔を挿入して構成すればよい。また、断面が楔状のフリクションカッター47は、下部杭体1の先端部の外周面を覆うように帯状に取り付けるだけではなく、必要に応じて所定間隔をおいたブロックとして、複数の楔状のフリクションカッターを取り付けてもよい。
【0039】
上記のように杭体の先端部にフリクションカッター47を形成すると、杭の掘削圧入時に杭先端の土砂がフリクションカッター47の外面に沿って上方へ移動するので、フリクションカッター47より上方の杭体と地盤間の周面摩擦抵抗を低減することができる。
また、硬い中間土層がある場合でも、その摩擦抵抗の影響を受けることなく、下部杭体1の先端部が支持層17内に貫入でき、打撃力の軽減を図り、省力効果を得ることができる。
さらに、フリクションカッター47を下向きに楔状に形成することで、杭圧入時の垂直精度が高まり、施工の容易化と迅速化を図ることができる。
【0040】
さらにまた、下部杭体1の先端部にフリクションカッター47を設けた場合、図10に示すように、フリクションカッター47の表面積による先端支持力Raや、突出したフリクションカッター47の上幅による引抜抵抗力Rvも期待できる。
なお、セメントミルクやモルタル等の固化材によって杭先端を固化部23で閉塞することで、杭先端の支持力を増加させることもできる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、下部杭体と上部杭体とを、下部杭体と上部杭体の内部が全長を通じて貫通し、かつ上部杭体の内側に挿入した錘で下部杭体の上端部を直接打撃可能な状態で接続したので、杭体の沈設の主要部をスパイラルオーガーによる中堀りで行い、後半の支持層への貫入を上部杭体の内側に挿入した錘による直接打撃によって行うことができる。このため、騒音を極力抑えることが出来ると共に、大きな支持力を得ることができる。
しかも、杭体の内部にある下部杭体の頭部を直接打撃するため、少ない打撃エネルギーで済み、打撃による騒音・振動を低減できる。また、地中で打撃を行うので、この点でも騒音・振動を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態の接続部の説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態の施工方法の説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態の支持力の説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態の接続部の他の態様の説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係るガイド管の説明図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の施工方法の説明図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係るガイド管の他の態様の説明図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の説明図である。
【図10】 本発明の他の実施の形態の支持力の説明図である。
【符号の説明】
1 下部杭体
3 上部杭体
5 錘
7 接続部
35 ガイド管
47 フリクションカッター
Claims (8)
- 杭体の下部を形成する中空状の下部杭体と、該下部杭体の上部側に配置された該下部杭体より大径の中空状の上部杭体とを備え、
前記下部杭体と前記上部杭体とを、前記下部杭体と前記上部杭体の内部が全長を通じて貫通し、かつ前記上部杭体の内側に挿入した錘で前記下部杭体の上端部を直接打撃可能な状態で接続したことを特徴とする中間打撃式杭。 - 下部杭体と上部杭体の接続部の外周面をテーパー状に形成したことを特徴とする請求項1記載の中間打撃式杭。
- 下部杭体と上部杭体の接続部を、前記下部杭体の外周面に設置した複数のリブ材と、該リブ材の外周を覆うように接合された接続管とで構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の中間打撃式杭。
- 下部杭体と上部杭体の接続部を、前記下部杭体の外周面に設置した円環状のプレートと、該プレートの外周を覆うように接合された接続管とで構成し、前記上部杭の下端部を該接続管の上端部に挿入して固定したことを特徴とする請求項1又は2記載の中間打撃式杭。
- 下部杭体の先端部に断面が楔状のフリクションカッターを取り付けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中間打撃式杭。
- 上部杭体の内部に、内径が下部杭体と同径のガイド管を着脱自在に設置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中間打撃式杭。
- 下部杭体の中空部にスパイラルオーガを挿入して地盤を掘削しながら、下部杭体を沈設する工程と、
前記下部杭体の上端部に該下部杭体よりも大径の上部杭体を接続して、スパイラルオーガにて地盤を掘削しながら、前記下部杭体と前記上部杭体の接合体を所定の深度に沈設する工程と、
前記スパイラルオーガを引き上げた後、前記上部杭体の内側に挿入した錘で前記下部杭体の頭部を直接打撃して、前記下部杭体の先端部を支持層内に貫入する工程と、を備えたことを特徴とする中間打撃式杭の施工方法。 - 下部杭体の中空部にスパイラルオーガを挿入して地盤を掘削しながら、下部杭体を沈設する工程と、
前記下部杭体の上端部に該下部杭体よりも大径の上部杭体を接続して、該上部杭体内に前記下部杭体の内径と同径のガイド管を設置し、スパイラルオーガにて地盤を掘削しながら、前記下部杭体と前記上部杭体の接合体を所定の深度に沈設する工程と、
前記スパイラルオーガ及び前記ガイド管を引き上げた後、前記上部杭体の内側に挿入した錘で前記下部杭体の頭部を直接打撃して、前記下部杭体の先端部を支持層内に貫入する工程と、を備えたことを特徴とする中間打撃式杭の施工方法。
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