JP4475845B2 - 杭の施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地上に建つ構造物からの荷重を地盤に伝えるフーチングやフーチング梁などの下方に造成され、特にフーチングやフーチング梁などとの接続が容易なように、杭頭内部に鉄筋などのフーチング接続用部材を挿入・固定するための空洞部を有する杭を施工するための杭の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、地上に建つ構造物を支持する基礎杭として、ソイルセメントの中に鋼管を沈設して造成される鋼管ソイルセメント杭が採用されている。また、この種の鋼管ソイルセメント杭の杭頭部と地上に建つ構造物の基礎の一部として造成されるフーチングやフーチング梁とを接合する方法として、鋼管ソイルセメント杭の杭頭部に鉄筋などのフーチング接続用部材を突設し、このフーチング接続用部材を介して鋼管ソイルセメント杭の杭頭部とフーチングやフーチング梁とを一体的に接合する方法が採用されている。
【0003】
この場合、フーチング接続用部材は一般に、鋼管ソイルセメント杭の杭頭部の鋼管内に挿入し、その周囲にコンクリートを充填することで鋼管ソイルセメント杭の杭頭部に固定されているが、杭頭部の鋼管内はソイルセメントで充填されているため、コンクリートを充填するに際しては、あらかじめ杭頭部まで充填された鋼管内のソイルセメントを所定の深さまで除去する必要がある。
【0004】
しかし、鋼管内の半ば硬化したソイルセメントを完全に取り除くには相当の時間と費用を要し、杭内部に付着したソイルセメントを完全に取り除くことは非常に困難である。
【0005】
このため、杭頭部の鋼管内にソイルセメントがどうしても残り易く、この残ったソイルセメントが杭とコンクリートとの一体化を妨げる大きな要因となり、これに伴う様々な問題が提起されていた。
【0006】
具体的には、杭頭部の鋼管内、特に鋼管の内側部にソイルセメントが残存していると、例えば地震力などの外力によって上部構造物と杭間にせん断力が作用した際にソイルセメントがコンクリートより早く破壊する。このため、フーチング接続用部材が杭頭部にコンクリートで強固に固定されていても、非常に耐力の低い接続部にならざるを得なかった。
【0007】
このような問題は、地中に鋼管を杭として直接埋設した後、鋼管杭の杭頭部に詰まった土砂などを除去する場合においても、鋼管の内側に土砂などが付着することにより起こっていた。
【0008】
ところで、これまで、杭頭部の鋼管内にソイルセメントが残存しない鋼管ソイルセメント杭を施工するための杭の施工方法として、例えば特開平11−71574号公報に開示するような杭の施工方法が知られている。
【0009】
本工法は、例えば図5に図示するように、地中20内に形成したソイルセメント21内に杭として鋼管22を沈設する前に、鋼管22の上端部内側にあらかじめ鋼管22より小径の短管23を取付金具24を介し、後から取り外しできるようにねじ24aによって取り付けておくというものである。
【0010】
こうすることで、ソイルセメント20内に鋼管22を上端部まで沈設した際、鋼管22の上端部分においては、ソイルセメント20は鋼管22より小径の短管23内に上昇し、鋼管22の内側には流入しない。また、短管23内のソイルセメント21は硬化後、短管23とともに除去することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法を採用するには、図示するように特殊な内部構造の鋼管22を杭として用意する必要があり、加工などの点で高コストとなる等の課題があった。
【0012】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、特に上述するような特殊構造の鋼管などを用いないで、既製中空杭の杭頭部の内側にソイルセメントや土砂などの残存を少なくすることができ、しかも鋼管のみならず他の既製中空杭にも適用できる杭の施工方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の杭の施工方法は、フーチングの下方にソイルセメントと複数の中空杭とで造成される杭の施工方法において、最上段の中空杭を所定の位置まで沈設できる深さを有するソイルセメントが存在しているとともに、前記ソイルセメント内に最上段の中空杭を除く中空杭が沈設されている状態で、前記中空杭内のソイルセメントを中空杭上端から少なくとも中空杭外径のほぼ10倍程度に相当する深さまで除去し、次に前記最上段の中空杭を接続し、この最上段の中空杭をその杭頭部が前記フーチングの下端面より上方に残存する位置まで前記ソイルセメント内に沈設することを特徴とするものである。
【0014】
請求項2記載の杭の施工方法は、フーチングの下方にソイルセメントと複数の中空杭とで造成される杭の施工方法において、ソイルセメントを形成しつつ最上段の中空杭を除く中空杭を前記ソイルセメント内に必要に応じて互いに接続しながら沈設し、次に前記中空杭の下方に少なくとも前記最上段の中空杭の沈設長さに相当する深さまでソイルセメントをさらに形成するとともに、前記中空杭内のソイルセメントを中空杭上端から少なくとも中空杭外径のほぼ10倍程度に相当する深さまで除去し、次に前記最上段の中空杭を接続し、この最上段の中空杭をその杭頭部が前記フーチングの下端面より上方に残存する位置まで前記ソイルセメント内に沈設することを特徴とするものである。
【0015】
請求項3記載の杭の施工方法は、フーチングの下方にソイルセメントと複数の中空杭とで造成される杭の施工方法において、ソイルセメントを所定の深さまで形成し、次に最上段の中空杭を除く中空杭を前記ソイルセメント内に必要に応じて互いに接続しながら沈設し、次に前記中空杭内のソイルセメントを中空杭上端から少なくとも中空杭外径のほぼ10倍程度に相当する深さまで除去し、次に前記最上段の中空杭を接続し、この最上段の中空杭をその杭頭部が前記フーチングの下端面より上方に残存する位置まで前記ソイルセメント内に沈設することを特徴とするものである。
【0016】
上記いずれの杭の施工方法においても、最上段の中空杭を沈設した後、最上段の中空杭内にフーチング接続用部材として鉄筋などを建て込み、続いてコンクリートを充填することにより、杭頭部に鉄筋などのフーチング接続用部材を確実に固定することができる。この場合、コンクリートは最上段の中空杭内に鉄筋などのフーチング接続用部材を挿入した後すぐに、あるいは時間をおいて後から充填してもよい。
【0017】
本発明の杭の施工方法は、特に最上段の中空杭をその中にソイルセメントが全く充填されない状態でソイルセメント内に沈設できることで、最上段の中空杭内に鉄筋などのフーチング接続用部材を容易に挿入でき、またコンクリートも充分な量を確実に充填できて、フーチング接続用部材を杭頭部に確実に固定できることを特徴とするものである。
【0018】
また、杭頭部内に杭とコンクリートとの一体化を妨げるようなソイルセメントが残存しない構造となるので、杭頭部にフーチング接続用部材を建て込んだ後からコンクリートを充填することで、杭頭部にフーチング接続用部材を一体的に固定でき、非常に耐力の高いフーチング接続部を形成できることを特徴とするものである。
【0019】
さらに、中空杭として特に鋼管を採用することで、杭内部の損傷を考慮することなくソイルセメントの除去作業を行なうことができるだけでなく、ソイルセメントと鋼管が一体化された鋼管ソイルセメント杭を造成することができる。
【0020】
請求項4記載の杭の施工方法は、フーチングの下方に複数の中空杭で造成される杭の施工方法において、オーガーで地盤を掘削しつつ最上段の中空杭を除く中空杭を必要に応じて互いに接続しながら掘削孔に建て込み、次に前記中空杭の下方を前記最上段の中空杭を建て込む長さに相当する深さまで前記オーガーにてさらに掘削し、その下端に根固め部を形成し、次に前記オーガーを回収すると共に前記中空杭内の掘削土を中空杭上端から少なくとも中空杭外径のほぼ10倍程度に相当する深さまで除去し、次に最上段の中空杭を接続し、かつこの最上段の中空杭をその杭頭部が前記フーチングの下端面より上方に残存する位置まで地中に建て込むことを特徴とするものである。
【0021】
請求項5記載の杭の施工方法は、フーチングの下方に複数の中空杭で造成される杭の施工方法において、地中に最上段の中空杭を除く中空杭を必要に応じて互いに接続しながら建て込み、次に前記中空杭内の土を中空杭上端から少なくとも中空杭外径のほぼ10倍程度の深さまで除去し、次に最上段の中空杭を接続し、かつこの最上段の中空杭をその杭頭部が前記フーチングの下端面より上方に残存する位置まで建て込むことを特徴とするものである。
【0022】
特に、請求項5記載の杭の施工方法は、地中に中空杭を直接建て込む杭の施工方法であり、この場合の中空杭として特に鋼管を採用した場合、鋼管の外周に例えば蝶旋状の翼などを設け、回転させて直接地盤に埋設することができる。
【0023】
また、請求項4記載の施工方法のように中空杭内にオーガーを建て込み、オーガーで地盤を掘削しながら中空杭を降下させて施工する場合においても、さらに請求項5記載の施工方法のように中空杭を地中に回転、打ち込みあるいは押し込むことにより直接建て込んで施工する場合においても、鋼管は捻りに強いことから好ましく、さらに鋼管の場合、杭頭部では外周部が鋼管となり、その中にコンクリートが充填された構造となるため、水平応力に対して耐力の非常に大きな杭を造成できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0025】
図1(a)〜(h)は、中空杭1の下方にソイルセメント2を柱状に連続して形成しつつ、ソイルセメント2内に中空杭1を沈設することによって、ソイルセメント2と中空杭1とが一体化された杭を施工する方法に、本発明の杭の施工法を適用した1例を示す工程を順に示した図である。
【0026】
▲1▼ 最初に、セメントミルク吐出口を備えた掘削・攪拌ヘッド3を有するロツド4を中空杭1内に挿入し、かつ掘削・攪拌ヘッド3を中空杭1の下端に突出させて図(a)に図示するすような状態にセットする。
【0027】
▲2▼ 次に、ロッド4を介して掘削・攪拌ヘッド3を回転させながら中空杭1とともに地中に押し込み、掘削・攪拌ヘッド3で地盤を掘削しながらセメントミルク吐出口から吐出されたセメントミルクと掘削土とを攪拌・混合してソイルセメント2を掘進方向に柱状に連続して形成する。同時に、造成される杭の長さに応じて必要があれば複数の中空杭1を接続しながら継ぎ足す。
なお、この場合の中空杭1として鋼管を使用する場合、中空杭どうしは溶接によって接合してもい。また中空杭1は回転させることなく、ソイルセメント2内に単に押し込んで沈設してもよい。
さらに、この場合の掘削・攪拌ヘッド3とロツド4の構造は、ソイルセメント2を形成できるものであればどのような装置でもよい。
【0028】
▲3▼ こうして最上段の中空杭1(以下「上端杭1a」という)を残して複数の中空杭1を地中に連続して沈設し、上端杭1a(図面では鋼管杭の例を示す)を接続する位置まで中空杭1を複数沈設し終えたら、中空杭1の沈設を停止する。
【0029】
▲4▼ 次に、地中に沈設された中空杭1の下方に、上端杭1aを沈設する長さに相当する深さまでソイルセメント2をさらに柱状に連続して形成し、そしてソイルセメント2の下端部に根固め部5を形成する。この状態を(b)に示す。
この場合のソイルセメント2は、ロツド4を介して掘削・攪拌ヘッド3を回転させながら地中に押し込み、掘削・攪拌ヘッド3で地盤を掘削しながらセメントミルク吐出口から吐出されたセメントミルクと掘削土とを攪拌・混合することにより形成する。また、根固め部5はソイルセメント2の下端部分で高濃度のセメントミルクを吐出することにより形成する。
【0030】
▲5▼ 次に、図(c),(d)に図示するように、中空杭1内を掘削・攪拌ヘッド3が通過できるように、土の掘削や攪拌に用いた掘削・攪拌ヘッド3の翼を折り畳んで縮閉し、そして中空杭1内を引き上げてロッド4を地上に回収する。
【0031】
▲6▼ 次に、図(e)に図示するように、続いて施工される上端杭1aの杭上端からの深さが杭の外径のほぼ10倍程度に相当する深さHを超える位置まで中空杭1内のソイルセメント2を除去する。
この場合のソイルセメントを除去する方法としては、これまでと同様にソイルセメント内に中空杭を沈設した後、杭頭部の杭内からソイルセメントを除去する際に適用されてきた、従来のソイルセメントの除去方法を適用してよい。
【0032】
▲7▼ 次に、深さHを超える位置まで中空杭1内のソイルセメント2を除去し終えたら、図(f)に図示するように中空杭1の上端部に上端杭1aを溶接などで接続する。
【0033】
▲8▼ 次に、上端杭1aを必要ならば回転させながらソイルセメント2内に沈降させる。この場合、上端杭1aは杭頭部がフーチングの下端面より上方に残存する位置まで沈降させ、かつ最下段の中空杭1の下端部を根固め部5内に挿入する。この状態を図(g)に示す。
なお、上端杭1aの下端部に内蓋6を設けてもよく、この場合の蓋6は上端杭1aを沈設する際に空気抵抗を受けないように空気抜き用の小穴を有するものが望ましい。このように施工することで、図(g)に図示するように、後からコンクリートを充填する上端杭1a内は、ソイルセメントが全く存在しない状態になっている。
【0034】
▲9▼ 次に、上端杭1aの頭部内にフーチング接続用部材として鉄筋7を挿入・固定し、続いて上端杭1a内にコンクリート8を充填する。なお、この場合の内蓋6は鉄筋7やコンクリート8が下方に落ちないようにする受け部材の役割を果たすことができる。この状態を(h)に示す。
【0035】
発明の実施の形態2.
図2(a)〜(h)は、ソイルセメント2を柱状に連続して形成した後、ソイルセメント2内に中空杭1を沈設することによって、ソイルセメント2と中空杭1とが一体化された杭を施工する杭の施工方法に、本発明の施工法を適用した1例を示す工程を順に示す図である。
【0036】
▲1▼ 最初に、中空杭の全長を建て込む長さに相当する深さまでソイルセメント2を柱状に連続して形成し、そしてその下端部に根固め部5を形成する。この状態を図(b)に示す。
ソイルセメント2を形成するには、セメントミルク吐出口を備えた掘削・攪拌ヘッド3を有するロツド4を使用し、図(a)に図示するように、ロッド4介して掘削・攪拌ヘッド3を回転させながら地中に押し込み、かつ掘削・攪拌ヘッド3で地盤を掘削しながらセメントミルク吐出口から吐出されたセメントミルクと掘削土とを攪拌・混合する。また、根固め部5はソイルセメント2の下端部分で特に高濃度のセメントミルクを吐出することにより形成する。
なお、この場合の掘削・攪拌ヘッド3およびロッド4の構造などについては、ソイルセメント2を形成できるものであればどのような構造であってもよい。
【0037】
▲2▼ 次に、ソイルセメント2の形成が完了したなら、掘削・攪拌ヘッド3を有するロツド4を回収する。この状態を図(c)に示す。
なお、以上の説明では、掘削・攪拌ヘッド3で掘進する際にセメントミルクを吐出してソイルセメント2を形成したが、セメントミルクを吐出しないで掘進し、掘削・攪拌ヘッド3を引き上げる際に攪拌翼の上方の吐出口からセメントミルクを吐出しつつ、掘削・攪拌ビット3を回転してセメントミルクと掘削土とを攪拌・混合してソイルセメント2を形成してもい。
【0038】
▲3▼ 次に、図(d)に図示するように、ソイルセメント2内に中空杭1(要すれば複数の中空杭を接続した状態のもの。図面では鋼管杭の例を示す。)を沈設(例えば、杭を回転させながら埋設)する。
この場合、中空杭1として鋼管を使用する場合、杭どうしは溶接によって接合してもい。また中空杭1は回転させることなく、ソイルセメント2内に単に押し込んで沈設してもよい。
【0039】
▲4▼ 次に、図(e)に示すように、上端杭1aの杭上端からの深さが杭外径のほぼ10倍程度に相当する深さHを超える位置まで中空杭1内のソイルセメント2を除去する。
なお、この場合のソイルセメントを除去する方法としては、これまでと同様にソイルセメント内に中空杭を沈設した後、杭頭部の杭内からソイルセメントを除去する際に適用されてきた、従来のソイルセメントの除去方法を適用することができる。
【0040】
▲5▼ 次に、深さHを超える位置まで中空杭1内のソイルセメント2を除去し終えたら、図(f)に図示するように中空杭1の上端部に上端杭1aを溶接などで接続する。そして、中空杭1aを必要ならば回転させながらソイルセメント2内に沈降させる。
この場合、上端杭1aは杭頭部がフーチングの下端面より上方に残存する位置まで沈降させ、かつ最下段の中空杭1の下端部を根固め部5内に挿入する。この状態を図(g)に示す。なお、この場合も上端杭1aの下端部に内蓋6を設けるのが望ましい。このように施工することで、図(g)に図示するように、後からコンクリートを充填する上端杭1a内は、ソイルセメントが全く存在しない状態になっている。
【0041】
▲6▼ 次に、上端杭1aの頭部内にフーチング接続用部材として鉄筋7を挿入・固定し、続いて中空杭1a内にコンクリート8を充填する。この状態を(h)に示す。
【0042】
発明の実施の形態3.
図3(a)〜(h)は、中空杭1にスクリューオーガー9を通し、このスクリューオーガー9で掘削しながら掘削孔に中空杭1を建て込んで杭を施工する杭の施工方法に、本発明の杭の施工法を適用した1例を示す工程を順に示す図である。
【0043】
▲1▼ 最初に、中空杭1内にスクリューオーガー9を通し、図(a)に図示するような状態にセットする。
【0044】
▲2▼ 次に、スクリューオーガー9を回転させ、中空杭1とともに地中に押し込み、スクリューオーガー9で地盤を掘り進む。また、地盤の掘削と並行して、造成される杭の長さに応じて必要ならば複数の中空杭1を接続しながら継ぎ足す。
なお、この場合の中空杭1として鋼管を使用する場合、杭どうしは溶接によって接合してもよい。また中空杭1は回転させながら掘削孔内に押し込んで沈設してもよく、また回転させないで単に押し込んで沈設してもよい。
【0045】
▲3▼ 次に、こうして上端杭1aを残して複数の中空杭1を掘削孔内に沈設し、上端杭1a(図面では鋼管杭の例を示す)を接続する位置まで複数の中空杭1を沈設し終えたら、中空杭1の沈設を停止する。
【0046】
▲4▼ 次に、地中に沈設された中空杭1の下方に、さらに連続する掘削孔を上端杭1aを沈設する長さに相当する深さまで形成する。そして、掘削孔の下端部分において、スクリューオーガー9の先端部から高濃度のセメントミルクを吐出しつつ、スクリューオーガー9を回転してセメントミルクと掘削土とを攪拌・混合することにより根固め部5を形成する。そしてその後、図(c)、(d)に図示するように、スクリューオーガー9を地上に回収する。
【0047】
▲5▼ 次に、図(e)に図示するように、上端杭1aの杭上端からの深さが杭外径のほぼ10倍程度に相当する深さHを超える位置まで中空杭1内の掘削土を除去する。
この場合の掘削土を除去する方法としては、これまでと同様に地中に中空杭を沈設した後、杭頭部の杭内から掘削土を除去する際に適用されてきた、従来の掘削土の除去方法を適用してよい。
【0048】
▲6▼ 次に、深さHを超える位置まで中空杭1内の掘削土を除去し終えたら、図(f)に示すように中空杭1の上端部に上端杭1aを溶接などで接続する。そして、上端杭1aを必要ならば回転させながら掘削土内に沈降させる。
この場合、上端杭1aは杭頭部がフーチングの下端面より上方に残存する位置まで沈降させ、かつ最下段の中空杭1の下端部を根固め部5内に挿入する。この状態を図(g)に示す。なお、この場合も上端杭1aの下端部に内蓋6を設けるのが望ましい。このように施工することで、図(g)に図示するように、後からコンクリートを充填する上端杭1a内は、掘削土が全く存在しない状態になっている。
なお、上記の例では中空杭内の掘削土を除去したが、スクリューオーガー9による掘削時にセメントミルクを吐出してセメントミルクと掘削土を混合・攪拌したソイルセメントとした場合は、中空杭内のソイルセメントを除去すれば、内壁がソイルセメントに接触しない状態で上端杭1aを沈設することができるので、コンクリート8を充填する上端杭1aの内壁をソイルセメントが存在しないものとすることができる。
【0049】
▲7▼ 次に、上端杭1aの頭部内にフーチング接続用部材として鉄筋7を挿入・固定し、続いて上端杭1a内にコンクリート8を充填する。この場合も、上端杭1aの下端部に内蓋6を取り付ける。この状態を(h)に示す。
【0050】
発明の実施の形態4.
図4(a)〜(f)は、中空杭1を地中に直接建て込んで施工する杭の施工方法に、本発明の杭の施工方法を適用した例を示す図である。
【0051】
▲1▼ 最初に、地中に中空杭1を図(a)に図示するように沈設する。沈設方法は打撃工法や押し込み工法でもよいが、杭の先端に掘削刃となるような刃を設けたり、螺旋羽根を設けたりして、回転により沈設しやすくした中空杭を採用すれば、騒音問題もなく望ましい。その点で中空杭としては鋼管が好ましい。
【0052】
▲2▼ 次に、図(b)に図示するように、上端杭1aを接続する位置まで中空杭1を沈設したなら、図(c)に図示するように、上端杭1aの杭上端からの深さが杭外径のほぼ10倍程度に相当する深さHを超える位置まで杭内に入り込んだ土を除去する。
この場合の土を除去する方法としては、これまでと同様に地中に中空杭を沈設した後、杭頭部の杭内から土を除去する際に適用されてきた、従来の土の除去方法を適用してよい。
【0053】
▲3▼ 次に、上記の深さHを超える位置まで中空杭1内の土を除去したら、図(d)に図示するように上端杭1aを溶接などで接続し、そして必要ならば上端杭1aを回転させながら地盤中に沈降させる。このように施工することで、上端杭1a内は、土が全く存在しない状態になっている。
【0054】
▲4▼ 次に、上端杭1aの頭部内にフーチング接続用部材として鉄筋7を挿入・固定し、続いて中空杭1a内にコンクリート8を充填する。この状態を(f)に示す。
【0055】
以上、図1から図4を用いて本発明の杭の施工方法の実施の形態の例を説明したが、通常の杭の施工に使用される矢蛸を用いて、上端杭の頭部を地表面から下方に位置させることもできる。
【0056】
【発明の効果】
本発明は以上説明したとおりであり、特に最上段の中空杭をその中にソイルセメントや土などが全く充填されない状態で施工できることで、最上段の中空杭内に鉄筋などのフーチング接続用部材を容易に挿入でき、またコンクリートも充分な量を確実に充填できるため、フーチング接続部材を杭頭部に確実に固定できる。
【0057】
また、中空杭内に残存したソイルセメントや土などでコンクリートと中空杭との一体性が妨げられることもないので、杭頭部にフーチング接続用部材を一体的に固定でき、非常に耐力の高いフーチング接続部を形成できる。
【0058】
さらに、中空杭として特に鋼管を採用することで、杭内部の損傷を考慮することなくソイルセメントや土などの除去作業を行なうことができ、またソイルセメントを併用した場合、ソイルセメントと鋼管とが一体化された鋼管ソイルセメント杭を造成することができる。
【0059】
また、杭として鋼管を使用したときの杭頭部は、外周部が鋼管となり、その中へコンクリートを充填することにより、中詰めされた鋼管とコンクリートが複合された構造となり、水平応力に対して耐力の大きな構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(h)は、本発明に係る杭の施工方法の一例を工程順に示した図である。
【図2】(a)〜(h)は、本発明の杭を施工する方法の一例を工程順に示した図である。
【図3】(a)〜(h)は、本発明の杭を施工する方法の一例を工程順に示した図である。
【図4】(a)〜(f)は、本発明の杭を施工する方法の一例を工程順に示した図である。
【図5】従来の施工方法の一例を示す杭頭部の断面図である。
【符号の説明】
1 中空杭
1a 上端杭(最上段の中空杭)
2 ソイルセメント
3 掘削・攪拌ヘッド
4 ロツド
5 根固め部
6 内蓋
7 鉄筋(フーチング接続用部材)
8 コンクリート

Claims (5)

  1. フーチングの下方にソイルセメントと複数の中空杭とで造成される杭の施工方法において、最上段の中空杭を所定の位置まで沈設できる深さを有するソイルセメントが存在しているとともに、前記ソイルセメント内に最上段の中空杭を除く中空杭が沈設されている状態で、前記中空杭内のソイルセメントを中空杭上端から少なくとも中空杭外径のほぼ10倍程度に相当する深さまで除去し、次に前記最上段の中空杭を接続し、この最上段の中空杭をその杭頭部が前記フーチングの下端面より上方に残存する位置まで前記ソイルセメント内に沈設することを特徴とする杭の施工方法。
  2. フーチングの下方にソイルセメントと複数の中空杭とで造成される杭の施工方法において、ソイルセメントを形成しつつ最上段の中空杭を除く中空杭を前記ソイルセメント内に必要に応じて互いに接続しながら沈設し、次に前記中空杭の下方に少なくとも前記最上段の中空杭の沈設長さに相当する深さまでソイルセメントをさらに形成するとともに、前記中空杭内のソイルセメントを中空杭上端から少なくとも中空杭外径のほぼ10倍程度に相当する深さまで除去し、次に前記最上段の中空杭を接続し、この最上段の中空杭をその杭頭部が前記フーチングの下端面より上方に残存する位置まで前記ソイルセメント内に沈設することを特徴とする杭の施工方法。
  3. フーチングの下方にソイルセメントと複数の中空杭とで造成される杭の施工方法において、ソイルセメントを所定の深さまで形成し、次に最上段の中空杭を除く中空杭を前記ソイルセメント内に必要に応じて互いに接続しながら沈設し、次に前記中空杭内のソイルセメントを中空杭上端から少なくとも中空杭外径のほぼ10倍程度に相当する深さまで除去し、次に前記最上段の中空杭を接続し、この最上段の中空杭をその杭頭部が前記フーチングの下端面より上方に残存する位置まで前記ソイルセメント内に沈設することを特徴とする杭の施工方法。
  4. フーチングの下方に複数の中空杭で造成される杭の施工方法において、オーガーで地盤を掘削しつつ最上段の中空杭を除く中空杭を必要に応じて互いに接続しながら地中に建て込み、次に前記中空杭の下方を前記最上段の中空杭を建て込む長さに相当する深さまで前記オーガーにてさらに掘削し、かつその下端に根固め部を形成し、次に前記オーガーを回収すると共に前記中空杭内の掘削土を中空杭上端から少なくとも中空杭外径のほぼ10倍程度に相当する深さまで除去し、次に最上段の中空杭を接続し、この最上段の中空杭をその杭頭部が前記フーチングの下端面より上方に残存する位置まで地中に建て込むことを特徴とする杭の施工方法。
  5. フーチングの下方に複数の中空杭で造成される杭の施工方法において、地中に最上段の中空杭を除く中空杭を必要に応じて互いに接続しながら建て込み、次に前記中空杭内の土を中空杭上端から少なくとも中空杭外径のほぼ10倍程度の深さまで除去し、次に最上段の中空杭を接続し、かつこの最上段の中空杭をその杭頭部が前記フーチングの下端面より上方に残存する位置まで地中に建て込むことを特徴とする杭の施工方法。
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