JP5191040B2 - 杭頭余盛コンクリートの処理装置 - Google Patents
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このため、コンクリートが固化した後に、ブレーカ等を用いて余盛コンクリートを除去する方法では、騒音や振動が発生し、周囲の環境に悪影響を及ぼすおそれがある。また、杭頭部に鋼製のキャップを挿入して解体を容易にする方法などがあるが、コストが上昇するばかりでなく、さらなる産業廃棄物が発生するという問題があった。
このような構成からなる杭頭余盛コンクリートの処理装置では、挿入管の先端部が余盛コンクリートの中心部よりも外周側に位置するため、大口径(例えば100cm以上の口径)の場所打ちコンクリート杭を形成する場合であっても、周辺部分にまで高圧空気及び高圧水が到達する。この際、螺旋部分は円筒管や円形螺旋板により補強される。
このような構成からなる杭頭余盛コンクリートの処理装置では、挿入管を杭頭余盛コンクリートに貫入する際に、軸状の挿入管を回転中心として、螺旋状の挿入管が軸回りに回転するので、貫入性を向上させることができる。
このような構成からなる杭頭余盛コンクリートの処理装置では、杭頭余盛コンクリート内において、まず初めに軸状の挿入管が貫入され、続いて軸状の挿入管を回転中心として螺旋状の挿入管が軸回りに回転しながら貫入するので、挿入管の直進性を保つことができる。
このような構成からなる杭頭余盛コンクリートの処理装置では、杭頭余盛コンクリート内で多方向へ向かって高圧水及び高圧空気を噴射させることができるので、杭頭余盛コンクリートの処理範囲(改良範囲)を拡大することができる。
このような構成からなる杭頭余盛コンクリートの処理装置では、軸状の挿入管と螺旋状の挿入管の接合部付近が杭頭余盛コンクリートに貫入しないので、当該接合部付近が貫入抵抗とならず、貫入性を向上させることができる。
このような構成からなる杭頭余盛コンクリートの処理装置では、余盛コンクリートに挿入管を貫入する際に高圧水を噴射することにより、貫入性を向上させることができる。
このような構成からなる杭頭余盛コンクリートの処理装置では、高圧水により高圧空気が押し出されて遠方まで到達する。
このような構成からなる杭頭余盛コンクリートの処理措置では、予め余盛コンクリート内に挿入補助具が設置し、この挿入補助具を用いて余盛コンクリート内に挿入具を貫入する。
このような構成からなる杭頭余盛コンクリートの処理装置では、余盛コンクリート内に、高圧水及び高圧空気とともに大量の低圧水が供給される。
さらに、セメント分が洗い流されているため、粗骨材や細骨材を再利用することができ、産業廃棄物の排出量を減少させることが可能となる。
本発明の実施形態に係る余盛コンクリートの処理装置は、場所打ちコンクリート杭の杭頭部に形成される余盛コンクリートを固化前に処理して、コストダウンを図るとともに、産業廃棄物の排出量を減少させて環境負荷を低減するための装置である。
この余盛コンクリートの処理装置は、直径1,000mm〜2,000mm程度の場所打ちコンクリート杭に好適に用いられる。
図1〜3は、本発明の第1の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置に関するもので、図1は使用状態の説明図、図2は挿入管先端部分の拡大図、図3は高圧水噴出口及び高圧空気噴出口の拡大図である。
なお、図1及び図2に示す例では、高圧水噴出口90及び高圧空気噴出口100を2組設けているが、噴射する水及び空気の圧力を上昇させるために、高圧水噴出口90及び高圧空気噴出口100を1組としてもよい。また、1組の高圧水噴出口90及び高圧空気噴出口100における各噴出口の数や配設位置は、図3に示されるものに限定されず、適宜変更して実施することができる。例えば、挿入管60の先端部付近において、下方に高圧空気噴出口100を配設するとともに上方に高圧水噴出口90を配設する等、種々の態様とすることができる。
余盛コンクリート50の処理は、予め所定深さまで挿入管60を挿入した後に挿入管60を引き上げながら行ってもよいし、上部から余盛コンクリート50内に挿入管60を挿入しながら行ってもよい(他の実施形態においても同様)。
第2の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置は、上述した第1の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置の構成に加えて、挿入補助具を備えた構成としたものである。図4及び図5を参照して、第2の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置を説明する。図4及び図5は、第2の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置に関するもので、図4は挿入補助具の斜視図、図5は大口径の場所打ちコンクリート杭における杭頭余盛コンクリートの処理を説明する説明図である。
この挿入補助具180は、余盛コンクリート50が硬化する前に、余盛コンクリート50内に設置されるもので、設置時には一体となって下端部に落下蓋190が被せられている。その他の構成は、図1〜図3に示す第1の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置10とほぼ同様であるため、詳細な説明を省略する。
また、挿入管60の先端部を円錐状に尖らせることにより、貫入抵抗を低減することができる。
第3の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置は、上述した第1の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置の構成に加えて、挿入管の先端部付近に大量の低圧水を供給する構成としたものである。図6を参照して、第3の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置を説明する。図6は、第3の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置の挿入管の先端部分の拡大図である。
その他の構成は、図1〜図3に示す第1の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置10とほぼ同様であるため、詳細な説明を省略する。
低圧水供給管150に大量の低圧水を供給する低圧水供給装置170は、例えば高揚程ポンプからなり、10kgf/cm2程度以下の圧力で水を供給する。また、低圧水の供給量は、例えば100〜200リットル/分程度である。
また、挿入管60の先端部を円錐状に尖らせることにより、貫入抵抗を低減することができる。
図7及び図8を参照して、第4の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置を説明する。図7及び図8は、本発明の第4の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置に関するもので、図7は使用状態の説明図、図8は挿入管先端部分の拡大図である。
なお、図7及び図8に示すように、挿入管60の先端部分を下方へ向かって延長して軸状部60′とするとともに、挿入管60の途中から螺旋状湾曲部610を分岐させてもよい。さらに、軸状部60′の先端部を円錐状に尖らせることにより、貫入抵抗を低減することができる。
さらに、螺旋状湾曲部610の内側に、挿入管60を補強するための円筒管620を備えている。円筒管620の直径や長さは、螺旋状湾曲部610の形状に合わせて適宜変更して設定することができる。
このようにして、挿入管60を徐々に余盛コンクリート50の深部へ挿入して、余盛コンクリート50の処理を行うことができる。そして、余盛コンクリート50のセメント分が流出したら、残った粗骨材及び細骨材を除去することにより、面倒なはつり作業を行うことなく、余盛コンクリート50を処理することができる。
図9及び図10を参照して、第5の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置を説明する。図9及び図10は、本発明の第5の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置に関するもので、図9は使用状態の説明図、図10は挿入管先端部分の拡大図である。
さらに、螺旋状湾曲部610の先端部付近に、挿入管60を補強するための円形螺旋板630を備えている。円形螺旋板630の直径や形状は、螺旋状の先端部の形状に合わせて適宜変更して設定することができる。
このようにして、挿入管60を徐々に余盛コンクリート50の深部へ挿入して、余盛コンクリート50の処理を行うことができる。そして、余盛コンクリート50のセメント分が流出したら、残った粗骨材及び細骨材を除去することにより、面倒なはつり作業を行うことなく、余盛コンクリート50を処理することができる。
また、上述した第4の実施形態及び第5の実施形態を大口径の場所打ちコンクリート杭に適用する場合には、図5に示した例と同様に、掘削孔内の複数箇所に挿入管を貫入することにより、余盛コンクリートのほぼ全範囲にわたって処理範囲を拡大することができる。
図11乃至図14を参照して、第6の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置を説明する。図11乃至図14は、本発明の第6の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置に関するもので、図11は斜視図、図12は軸状の挿入管と螺旋状の挿入管の位置関係を示す拡大図、図13は軸状の挿入管の先端部分の拡大図、図14は螺旋状の挿入管の先端部分の拡大図である。
その他の構成は、図1〜図3に示す第1の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置10とほぼ同様であるため、同様の機能を有する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
さらに、図12に示すように、軸状の挿入管800の高圧水噴出口90及び高圧空気噴出口100と、螺旋状の挿入管810の高圧水噴出口90及び高圧空気噴出口100とは、互いに対向する位置に設けられている。また、図13及び図14に示すように、高圧空気噴出口100は、高圧水噴出口90を中心とした同心円状に複数個配置されている。
第6の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置710では、スイベルジョイント110の上部に高圧水供給管70及び高圧空気供給管80が接続されているため、回転アーム120を用いて軸状の挿入管800及び螺旋状の挿入管810を回転させた場合であっても、高圧水供給管70及び高圧空気供給管80が他の部材に絡み付くことがない。
このようにして、軸状の挿入管800及び螺旋状の挿入管810を徐々に余盛コンクリートの深部から引き抜いて、余盛コンクリートの処理を行うことができる。そして、余盛コンクリートのセメント分が流出したら、残った粗骨材及び細骨材を除去することにより、面倒なはつり作業を行うことなく、余盛コンクリートを処理することができる。
次に、図15を参照して、本発明の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置による処理の一例を説明する。図15は、本発明の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置による処理の一例を示す説明図である。
本発明の実施形態に係る杭頭余盛コンクリートの処理装置は、大口径の掘削孔に対しても適用することができる。例えば、図15に示すように、掘削孔20の中心部付近は、螺旋状の挿入管を有する処理装置Bを用いて処理を行い、掘削孔20の周辺部分は軸状の挿入管を有する処理装置Aを用いて処理を行うことにより、杭頭余盛コンクリートを隅々までくまなく処理することができる。
<他の実施形態>
上述した実施形態では、回転アーム120を操作することにより挿入管60等を人力で回転させているが、モータ及び歯車等を用いた回転装置を設け、この回転装置により挿入管60等を回転させてもよい。
20 掘削孔
30 鉄筋
40 場所打ちコンクリート杭
50 余盛コンクリート
60 挿入管
60′ 軸状部
70 高圧水供給管
80 高圧空気供給管
90 高圧水噴出口
100 高圧空気噴出口
110 スイベルジョイント
111 係止部
120 回転アーム
130 高圧水供給装置
140 高圧空気供給装置
150 低圧水供給管
160 低圧水噴出口
170 低圧水供給装置
180 挿入補助具
190 落下蓋
200 処理範囲
610 螺旋状湾曲部
611、801、811 突出部
620 円筒管
630 円形螺旋板
800 軸状の挿入管
810 螺旋状の挿入管
A 軸状の挿入管を有する処理装置
B 螺旋状の挿入管を有する処理装置
Claims (12)
- 場所打ちコンクリート杭の杭頭部に形成される余盛コンクリートを固化前に処理するための装置であって、
余盛コンクリート内に挿入する挿入管と、
前記挿入管の内部に配設された高圧水供給管及び高圧空気供給管と、
前記高圧水供給管に高圧水を供給する高圧水供給装置と、
前記高圧空気供給管に高圧空気を供給する高圧空気供給装置と、
を備え、
前記挿入管は、その先端部に高圧水を噴射する高圧水噴出口及び高圧空気を噴射する高圧空気噴出口が組となって設けられると共に、その先端部付近が螺旋状に湾曲していることを特徴とする杭頭余盛コンクリートの処理装置。 - 前記螺旋状の先端部を補強する円筒管を備えていることを特徴とする請求項1に記載の杭頭余盛コンクリートの処理装置。
- 前記螺旋状の先端部を補強する円形螺旋板を備えていることを特徴とする請求項1に記載の杭頭余盛コンクリートの処理装置。
- 前記先端部付近が螺旋状に湾曲している挿入管は、軸状の挿入管の上部から分岐して当該軸状の挿入管の周囲を取り囲むように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の杭頭余盛コンクリートの処理装置。
- 前記軸状の挿入管の先端部は、前記螺旋状の挿入管の先端部よりも下方に位置することを特徴とする請求項4に記載の杭頭余盛コンクリートの処理装置。
- 前記軸状の挿入管又は螺旋状の挿入管の先端部に設けられた高圧水噴出口及び高圧空気噴出口は、互いに位置をずらして2組以上設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の杭頭余盛コンクリートの処理装置。
- 前記螺旋状の挿入管の先端部に設けられた高圧水噴出口及び高圧空気噴出口は、前記軸状の挿入管の先端部に設けられた高圧水噴出口及び高圧空気噴出口のいずれか一つと対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の杭頭余盛コンクリートの処理装置。
- 前記軸状の挿入管と前記螺旋状の挿入管は、その接合部付近が処理対象となる余盛コンクリートよりも上方へ位置するように設定されていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の杭頭余盛コンクリートの処理装置。
- 前記挿入管は、その先端部分に、挿入方向へ高圧水を噴射する補助高圧水噴出口を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の杭頭余盛コンクリートの処理装置。
- 前記高圧水噴出口を囲んで複数の高圧空気噴出口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の杭頭余盛コンクリートの処理装置。
- 余盛コンクリートの打設時に余盛コンクリート内に設置して、前記挿入管の挿入補助を行うための挿入補助具を備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の杭頭余盛コンクリートの処理装置。
- 余盛コンクリート内に大量の低圧水を供給する低圧水供給管と、
該低圧水供給管に低圧水を供給する低圧水供給装置と、
を備え、
前記挿入管の先端部に、大量の低圧水を噴射する低圧水噴出口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の杭頭余盛コンクリートの処理装置。
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