JP6496796B2 - 炭化水素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化水素の製造方法に関する。
近年、石油の価格高騰や枯渇が懸念されるために、石油に代わる炭素化合物を原料とした化学製品の製造方法の開発が求められている。特に、石油に代わる化学品製造のための原料の候補としては、天然ガスやシェールガスに多く含まれるメタンが注目されている。
従来、メタンを原料とし、エチレンや、芳香族化合物などの、より高付加価値な化学品である炭化水素の製造方法が検討されてきた。
メタンから不飽和炭化水素を製造する技術の一つとして、水素分子の生成を伴うメタンの縮合による、ベンゼンなどの芳香族化合物の合成反応が知られている(特許文献1参照)。
また、メタンの酸化カップリング反応による、炭素数2以上の炭化水素の製造方法が知られている(特許文献2参照)。
特開2001−334152号公報 特開2011−32257号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている、メタンからの不飽和炭化水素の合成方法は、大きな吸熱反応であるため熱力学的制約が大きく、高収率を得るためには750℃程度の高温条件が望ましい。この高温条件では、過剰な脱水素による炭素化合物が副生物として生成される。
特許文献2には、メタンと酸素を反応させることによりエチレンと水を製造することが記載されている。メタンの縮合により生じる水素を酸素と反応させて水としているが、原子効率や、生成物の化学品としての価値の観点から、水素は、炭化水素などに付加させる、または水素分子として得ることが望ましい。また、生成物のエチレンは、原料として導入する酸素と反応して、エチレンの酸化物、COやCO等を副生する可能性がある。さらに、メタンは可燃性ガスであるため、酸素との反応による爆発を防ぐために、原料のメタンと酸素について厳しい濃度制御が必要となる。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、本発明の目的は、水の生成に比べ、原子効率が高い、および/または化学品としての価値の高い化合物の生成を伴う、飽和炭化水素の縮合反応において、水素分子生成を伴う反応に比べ、反応を進行させるための高温を必要とせず、かつ、飽和炭化水素と酸素とを原料とした不飽和炭化水素製造よりも、エチレンの酸化物、COやCO等の副生物が低減され、安全のための厳密な導入原料の濃度制御を必要としない、飽和炭化水素を原料とする炭化水素の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、生成物に対し、再利用性の高い原料を特定量含む混合気体を反応させることで、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は下記の通りのものである。
[1]
炭素数が1〜6の飽和炭化水素aと炭素数が2〜6のアルケンである不飽和炭化水素xとの存在下、炭素数が2〜6である直鎖の飽和炭化水素の生成に用いられる飽和炭化水素生成触媒であって、
Pt,Niの群からなる元素のうち少なくとも一つを1wt%〜10wt%で含み、かつレニウムを含まず、Si/Alモル比が1以上、1000以下であるゼオライトから構成される、飽和炭化水素生成触媒。
[2]
前記ゼオライトがMFI型である、[1]に記載の飽和炭化水素生成触媒。
[3]
前記Si/Alモル比が15以上、30以下である、[1]または[2]に記載の飽和炭化水素生成触媒。
[4]
モル分率が0.05以上、0.999以下である、炭素数が1〜6の飽和炭化水素aと、
モル分率が0.001 以上、0.95以下である、炭素数が2〜6のアルケンである不飽和炭化水素xと、を含む混合ガスを、触媒存在下で反応させ、
炭素数が2〜6である直鎖の飽和炭化水素、を少なくとも製造する工程Xを少なくとも含み、
前記工程Xにおいて用いる前記触媒が[1]〜[]のいずれかに記載の触媒である、炭化水素の製造方法。
[5]
前記工程Xにおいて、前記飽和炭化水素aがメタンであり、前記不飽和炭化水素xがエチレンであり、そして前記飽和炭化水素がエタンである、[4]に記載の炭化水素の製造方法。
本発明によれば、生成物に対し、再利用性の高い原料を特定量含む混合気体を反応させることで、飽和炭化水素の縮合反応において、水素分子生成を伴う反応に比べ、反応を進行させるための高温を必要とせず、かつ、飽和炭化水素と酸素とを原料とした炭化水素製造よりも、炭素酸化物や、COやCO等の副生物が低減され、安全のための厳密な導入原料の濃度制御を必要としない、炭化水素の製造方法、を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に述べる。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態は、
モル分率が0.05以上、0.999以下である、炭素数が1〜6の飽和炭化水素aと、 モル分率が0.001以上、0.95以下である、炭素数が2〜12の不飽和炭化水素xと、を含む混合ガスを、触媒存在下で反応させ、炭素骨格が不飽和炭化水素xと等しい炭化水素b、を少なくとも製造する工程Xを少なくとも含む、炭化水素の製造方法、である。
本実施形態により、生成物である炭化水素bに対し、再利用性の高い原料である不飽和炭化水素xを特定量含む混合ガスを反応させることで、飽和炭化水素の縮合反応において、水素分子の生成を伴う反応に比べ、反応を進行させるための高温を必要とせず、かつ、飽和炭化水素と酸素とを原料とした炭化水素製造よりも、炭素酸化物や、COやCO等の副生物が低減され、安全のための厳密な導入原料の濃度制御を必要としない、炭化水素の製造方法、を提供することができる。
工程Xにより得られた生成物である炭化水素bは、それ自身が原料である飽和炭化水素aより工業的に有用であるだけでなく、例えば、後に詳述する工程Y(炭化水素bから不飽和炭化水素xを製造する工程)のように、別の工程において、炭化水素bよりもさらに工業的に有用な化合物を生成する原料となり得る。
例えば、工程Xにて、メタン(飽和炭化水素a)とエチレン(不飽和炭化水素x)からエタン(炭化水素b)を製造し、工程Yにて、このエタン(炭化水素b)からエチレン(不飽和炭化水素x)と水素分子を製造することができる。より具体的には、工程Xにて、飽和炭化水素aとしてメタン2分子と、不飽和炭化水素xとしてエチレン1分子とを反応させ、2分子のエタン(炭化水素b)を製造する(式1)。そして、工程Yにて、この2分子のエタン(炭化水素b)を2分子のエチレン(不飽和炭化水素x)と2分子の水素とする(式2を2当量としたとき)。このとき、この2分子のエチレンのうち、1分子のエチレンを工程Xの原料とすることができ、その際の総反応は、2分子のメタンから1分子のエチレンと2分子の水素を製造することになる(式3)。よって、工程Xで生成するエタン(炭化水素b)は、再利用性が高い観点からも有用である。
2CH + C → 2C (式1)
→ C + H (式2)
2CH → C + 2H (式3)
メタンの縮合により直接エチレンを製造する反応(式3)において、標準自由エネルギー変化ΔGは、ΔG=170kJ/molであり、標準エントロピー変化ΔS=108J K−1 mol−1である。式3の反応を複数の工程に分割する場合には、1工程での吸熱量がより小さいことが望ましく、かつ各工程の標準エントロピー変化がより大きいことが、高温反応で大きな収率が得易くなる観点から望ましい。本発明の工程Xにて、例えばメタンとエチレンからエタンを製造する反応(式1)と、工程Yにてエタンの脱水素によるエチレンを製造する反応(式2)とは、それぞれΔG=−32kJ/mol、ΔG=101kJ/molであり、それぞれの工程における吸熱量は上述の式3の反応における吸熱量より低い。また、特に、式2の反応においてはΔS=120J K−1 mol−1であるため、メタンの縮合により直接エチレンを製造する反応のものよりも大きい。このため、メタンからのエチレン製造(式3)を、各工程にて、より熱力学的制約の少ない2段階の反応に分割することができる。
特に、メタンから直接エタンを製造する反応(式4、ΔG=69kJ/mol、ΔS=−12J K−1 mol−1)は、吸熱反応であり、かつ、標準エントロピー変化が負であるために、高温条件にしても平衡条件では高収率を得ることは難しく、熱力学的な制約が大きい。これに対し、式1のエチレンを水素受容体として用いた、メタンとエチレンからエタンを製造する反応は発熱反応となるため、熱力学的に有利にエタンを製造することができる観点からも有用な反応である。
2CH → C + H (式4)
工程Xでは、不飽和炭化水素xを縮合して、より炭素数の大きな不飽和炭化水素yなどを製造することもできる。より炭素数の大きな不飽和炭化水素yは、不飽和炭化水素xに比べ、より高付加価値な化学品となりうる観点から、この不飽和炭化水素y製造は有用である。さらに、飽和炭化水素aを原料とし、工程X、および工程Yを経て製造した、不飽和炭化水素xを縮合して、より炭素数の大きな不飽和炭化水素yなどを製造することができる。例えば、前記(式1)かつ(式2)、または(式3)など、より具体的には、工程Xおよび工程Yを経由して、メタンを原料として製造したエチレンについて、最初または2回目以降の工程Xにて、このエチレン縮合によって、ブテン(式5)や、それ以上の炭素数の高級不飽和炭化水素を製造することができる。この際、総反応として、メタンからのブテン製造(式6、2当量の式3と式5の和)などの、メタンを原料とした、高級不飽和炭化水素を製造することができる。なお、例えばエチレンの縮合による、1−ブテンの合成反応(式5)は、ΔG=−65kJ/molの発熱反応であるため、メタンとエチレンからのエタン製造(式1)およびエタンの脱水素によるエチレン製造(式2)と組み合わせることで、大きな吸熱反応であり熱力学的制約の大きな、メタンからの1−ブテン製造(式6、ΔG=275kJ/mol)を、より熱力学的制約の少ない、3段階の反応(式1、2当量の式2、式5)に分割することができる。
2C → C (式5)
4CH → C + 4H (式6)
本実施形態において、例えば、飽和炭化水素aをメタンよりも炭素数の大きい飽和炭化水素とし、かつ、不飽和炭化水素xをエチレンよりも炭素数の大きい不飽和炭化水素とすることができる。具体的には、飽和炭化水素aをエタン、不飽和炭化水素xをブテン、炭化水素bをブタンとしたとき、工程Xにて2分子のエタン(飽和炭化水素a)と、1分子のブテン(不飽和炭化水素x)から、2分子のブタン(炭化水素b)を製造し(式7)、工程Yにて、工程Xで製造したブタン(炭化水素b)を脱水素することによりブテン(不飽和炭化水素x)を製造する(式8)。そして、工程Yで製造した2分子のブテン(不飽和炭化水素x)のうち1分子のブテンを、工程Xの原料とすることで、総反応として、エタンからのブテンと水素分子の製造(式9)とすることができる。つまり、飽和炭化水素aをメタンよりも炭素数の大きい飽和炭化水素とし、かつ、不飽和炭化水素xをエチレンよりも炭素数の大きい不飽和炭化水素にした場合にも、エタンからの脱水素を伴うブテンの製造を、熱力学的により容易な2工程に分割することができる。
2C + C → 2C10 (式7)
10 → C + H (式8)
2C → C + 2H (式9)
本実施形態において、例えば、不飽和炭化水素xをアルキンとし、かつ、炭化水素bをアルケンとすることができる。具体的には、飽和炭化水素aをメタン、不飽和炭化水素xをアセチレン、炭化水素bをエチレンとしたとき、工程Xにて2分子のメタン(飽和炭化水素a)と、1分子のアセチレン(不飽和炭化水素x)から、1分子のエチレン(炭化水素b)とエタンを製造し(式10)、工程Yにて、工程Xで製造したエチレン(炭化水素b)を脱水素することでアセチレン(不飽和炭化水素x)を製造する(式11)。そして、この工程Yで製造したアセチレン(不飽和炭化水素x)を、工程Xの原料とすることで、総反応として、メタンからのエタンと水素分子の製造(式4)とすることができる。また、炭化水素bをエタンとしたとき、工程Yにて、工程Xにて製造したエタンを脱水素し、アセチレンとする(式12)ことで、総反応として、メタンからのエチレンと水素分子の製造(式3)とすることができる。つまり、不飽和炭化水素xをアルキンにした場合にも、メタンからの脱水素を伴う、エタンまたはエチレン製造を、熱力学的により容易な2工程に分割することができる。
2CH + C → C + C(式10)
→ C + H(式11)
→ C + 2H(式12)
本実施形態において、例えば、不飽和炭化水素xを、炭素間に複数の不飽和結合を有する炭化水素とすることができる。具体的には、飽和炭化水素aをエタン、不飽和炭化水素xをブタジエン、炭化水素bをブテンとしたとき、工程Xにて2分子のエタン(飽和炭化水素a)と、1分子のブタジエン(不飽和炭化水素x)から、1分子のブテン(炭化水素b)と1分子のブタンを製造し(式13)、工程Yにて、工程Xで製造したブテン(炭化水素b)を脱水素することでブタジエン(不飽和炭化水素x)を製造する(式14)。そして、この工程Yで製造したブタジエン(不飽和炭化水素x)を、工程Xの原料とすることで、総反応として、エタンからのブタン製造(式15)とすることができる。炭化水素bをブタンとしたとき、工程Yにて、工程Xにて製造したブタンを脱水素し、ブタジエンとする(式16)ことで、総反応として、エタンからのブテンと水素分子の製造(式17)とすることができる。つまり、不飽和炭化水素xをアルキンにした場合にも、エタンからの脱水素を伴うブテンまたはブタジエンの製造を、熱力学的により容易な2工程に分割することができる。
2C + C → C10 + C(式13)
→ C + H(式14)
2C → C10 + H(式15)
10 → C + 2H(式16)
2C → C + 2H(式17)
本実施形態において、例えば、不飽和炭化水素xを、芳香環を有する炭化水素とすることができる。具体的には、不飽和炭化水素xをトルエンやベンゼン、炭化水素bをメチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、メチルシクロヘキサジエンや、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエンとすることができる。特に、トルエン、ベンゼンなどは水素貯蔵材料として用いられるため、水素受容能に優れ、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサンなどはこれらの水素ハイドライドとして用いられるために、脱水素能に優れる。特に、トルエンやベンゼンからの水素受容、メチルシクロヘキサンとシクロヘキサンからの脱水素の反応エネルギー差が比較的小さいために、工程Yにおける脱水素反応が比較的小さなエネルギーで進行できる。この観点から、不飽和炭化水素xをトルエンまたはベンゼン、かつ炭化水素bをメチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、メチルシクロヘキサジエン、またはシクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、とする製造方法が好ましく、人体への安全性に比較的優れる観点から、不飽和炭化水素xをトルエン、かつ炭化水素bをメチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、メチルシクロヘキサジエンとする製造方法がより好ましい。
上記に本製造方法における原料の例を幾つか挙げたが、反応分割をすることで熱力学的制約を緩和する効果が大きいことや、原料が比較的多く地球上に存在する観点から、飽和炭化水素aをメタンおよび/またはエタンとし、かつ不飽和炭化水素xをエチレンおよび/またはブテンおよび/またはブタジエンとする製造方法が好ましく、原料として比較的豊富に存在する観点から、飽和炭化水素aをメタンとし、かつ不飽和炭化水素xをエチレンとする製造方法がより好ましい。また、炭素数が大きい飽和炭化水素ほど、触媒上で活性化するための活性化エネルギーが小さく、工程Xの進行が容易である観点から、飽和炭化水素aをエタンとし、かつ不飽和炭化水素xをブテンおよび/またはブタジエンとする製造方法がより好ましい。特に、工程Xにおいて、飽和結合のみを有する飽和炭化水素a同士の縮合反応は、飽和炭化水素aをメタンとする反応と同様の機構で反応が進行するために、炭素数が2以上、6以下の飽和炭化水素についても、同様に反応が進行する。
(飽和炭化水素a)
飽和炭化水素aは、工程Xにて生成する炭化水素bの原料となる。飽和炭化水素aが縮合する反応機構の一つに、飽和炭化水素aが触媒に吸着することで、脱水素した炭化水素活性種と、解離水素および/または水素分子を生成する。そして、2つ以上の炭化水素活性種が縮合して、炭化水素bおよび/または不飽和炭化水素yを生成することが考えられる。
飽和炭化水素aの炭素数は、1以上、6以下である。飽和炭化水素aは、天然ガスなどの成分である観点や、触媒上で活性化の際、炭素数が少ないほど触媒上での炭化水素吸着のための立体障害が小さくなる観点から、飽和炭化水素aの炭素数は、好ましくは1以上、4以下であり、より好ましくは1以上、3以下であり、さらに好ましくは1以上、2以下であり、最も好ましくは1である。
このような飽和炭化水素aとして、具体的には、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン及びこれらの異性体などが挙げられる。前述したように触媒への吸着時の立体障害を低減する観点から、飽和炭化水素aは、メタン、エタン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンであることが好ましく、メタン、エタン、プロパンがより好ましく、メタン、エタンがより好ましく、メタンが最も好ましい。
飽和炭化水素aは同一種類のものが単独で用いられてもよいし、または、異なる複数種類のものを混合して用いられてもよい。飽和炭化水素aが、異なる複数種類のものを混合して用いられる場合、例えば、天然ガスやシェールガスを原料ガスとして利用する際には、この主な成分を原料とすることが好ましい観点から、飽和炭化水素aをメタンおよびエタンとすることが好ましい。
(不飽和炭化水素x)
不飽和炭化水素xは、不飽和炭化水素yの原料となる。また、工程Xにて水素付加することなどで生成する飽和炭化水素bの原料とすることができる。工程Xで反応する不飽和炭化水素xは、分子状態で反応する、または、触媒上に吸着するなどして反応することができる。
本発明において、不飽和炭化水素xの炭素数は、2以上、12以下である。触媒上で活性化する際に、炭素数が少ないほど、触媒上での炭化水素吸着のための立体障害が小さくなる観点から、不飽和炭化水素xの炭素数は、好ましくは2以上、8以下であり、より好ましくは2以上、6以下であり、さらに好ましくは2以上、4以下であり、最も好ましくは2である。
本実施形態の不飽和炭化水素xとしては、アルケン、アルキン、芳香環を有する炭化水素が挙げられる。触媒への吸着が容易である観点から、アルケン、アルキンが好ましく、工程Yでの脱水素が容易である観点から、アルケンが最も好ましい。
本実施形態の不飽和炭化水素xとして、より具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、アセチレン、プロピン、ブチン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン及びこれらの異性体などが挙げられる。触媒への吸着時の立体障害を低減する観点から、不飽和炭化水素xは、エチレン、アセチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエンであることが好ましく、より好ましくは、エチレン、アセチレン、プロピレン、プロピン、最も好ましくはエチレン、アセチレンである。
(炭化水素b)
工程Xにて生成される、炭化水素bの炭素数は、原料に用いる不飽和炭化水素xと炭素骨格が等しい、飽和炭化水素、または不飽和炭化水素である。反応制御に有利である観点から、炭化水素bは飽和炭化水素であることが好ましい。
炭化水素bの生成について、飽和炭化水素aの縮合、および不飽和炭化水素xへの解離水素および/または水素分子による水素付加などが挙げられる。不飽和炭化水素xへの水素付加には、より具体的には、飽和炭化水素aから脱水素した解離水素、または水素分子が不飽和炭化水素xに付加することで、飽和炭化水素bが生成する機構が考えられる。
本願における炭素骨格とは、炭素鎖の構造のことであり、炭素骨格が等しくとも、炭素間結合の不飽和度は異なってもよい。また、本願における炭素間結合の不飽和度とは、前記炭素骨格中の炭素間結合における不飽和結合の不飽和度の和であり、例えば、エタンなどの飽和炭化水素は0、エチレンやブテンなどは1、アセチレンやブタジエンなどは2である。不飽和炭化水素xを飽和炭化水素aの水素アクセプターとできる観点から、炭化水素b炭素間結合の不飽和度が不飽和炭化水素xよりも低いことが好ましい。
飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xとを原料として生成し、二量化が触媒上での活性種の衝突確率から容易である観点や、不飽和炭化水素xへの水素付加により生成することが好ましい観点から、炭化水素bの炭素数は、好ましくは2以上、12以下であり、より好ましくは、2以上、8以下であり、さらに好ましくは2以上、4以下であり、最も好ましくは2である。
本実施形態の炭化水素bとして、具体的には、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、ブタジエン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリン及びこれらの異性体などが挙げられる。飽和炭化水素aを原料とし縮合して生成し、二量化が触媒上での活性種の衝突確率から容易である観点、不飽和炭化水素xへの水素付加により生成する観点、および、触媒への吸着時の立体障害を低減する観点から、炭化水素bは、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、およびこれらの異性体であることが好ましく、エタン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンがより好ましく、エタンが最も好ましい。
(不飽和炭化水素y)
不飽和炭化水素yは、工程Xにて、不飽和炭化水素xの縮合などによって製造することができる。不飽和炭化水素yの炭素数は、不飽和炭化水素xの炭素数をmとしたとき、2m以上、8m以下である。縮合する不飽和炭化水素xの数が多いほど、発熱量が大きくなり、飽和炭化水素aの縮合反応などに反応熱を供給できる観点から、3m以上が好ましく、4m以上がより好ましい。また、不飽和炭化水素の衝突確率の観点から、6m以下が好ましく、4m以下がより好ましい。
不飽和炭化水素yは、アルケン、アルキン、または芳香族であることが好ましく、より好ましくは、アルケン、アルキン、さらに好ましくは、アルケンである。また、不飽和炭化水素yの炭素鎖は、直鎖、または分岐鎖を有する不飽和炭化水素が好ましく、直鎖を有する不飽和炭化水素であることがより好ましく、直鎖のみからなる不飽和炭化水素がさらに好ましい。
本実施形態の不飽和炭化水素yとして、より具体的には、ブテン、ヘキセン、オクテン、アセチレン、ブチン、ブタジエン、ベンゼン、ナフタレン及びこれらの異性体などが挙げられる。触媒への吸着時の立体障害を低減する観点から、不飽和炭化水素yは、1−ブテン、ヘキセン、オクテン、2−ブテン、ブタジエンであることが好ましく、より好ましくは、1−ブテン、オクテン、2−ブテン最も好ましくは1−ブテンである。
(混合ガス)
本実施形態の混合ガスは、飽和炭化水素aと、不飽和炭化水素xを、少なくとも含む。混合ガスにおいて、前述のように、飽和炭化水素aのモル分率が0.05以上、0.999以下であり、不飽和炭化水素xのモル分率が0.001以上、0.95以下である。
飽和炭化水素aを効率的に触媒によって活性化させる観点から、飽和炭化水素aのモル分率は、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、最も好ましくは0.5以上である。また、導入する飽和炭化水素aの精製コストの観点から、0.940以下が好ましく、0.920以下がより好ましく、0.900以下がさらに好ましい。
不飽和炭化水素xを効率的に触媒に吸着させる観点から、不飽和炭化水素xのモル分率は、好ましくは0.01以上、より好ましくは、0.07以上、最も好ましくは0.11以上である。また、不飽和炭化水素xによる触媒活性点の被覆を抑制する観点から、0.8以下が好ましく、0.7以下がより好ましく、0.6以下がさらに好ましく、0.5以下が最も好ましい。
混合ガスの飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xの比(不飽和炭化水素x/飽和炭化水素a)は、0.01以上、10以下が好ましい。飽和炭化水素aを効率的に触媒によって活性化させる観点から、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xの比(不飽和炭化水素x/飽和炭化水素a)は、0.005以上がより好ましく、0.01以上がさらに好ましく、0.05以上が最も好ましい。また、不飽和炭化水素xを効率的に触媒に吸着させる観点から、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xの比(不飽和炭化水素x/飽和炭化水素a)は、5以下がより好ましく、1以下がさらに好ましく、0.5以下が最も好ましい。
本実施形態において、工程Xにおいて水素を導入、例えば原料の混合ガスとして飽和炭化水素aと不飽和炭化水素x(例えばメタンとエチレン)に加え、水素を含ませることが不飽和炭化水素yの生成活性を向上させる観点から、好ましい。工程Xにおいて水素を添加すると、生成する不飽和炭化水素yの不飽和結合が水素添加されて、飽和炭化水素となる反応が促進されることが推測されるにも関わらず、驚くべきことに、不飽和炭化水素y(例えばブテン)の生成活性が向上した。この、飽和炭化水素a由来の不飽和炭化水素yの製造は、より高付加価値な化学品を製造できる観点から有用である。発明者らは、この不飽和炭化水素yの生成向上について、特定の理論に拘束されることを欲さないが、以下の機構を推測する。
飽和炭化水素aの縮合反応は、飽和炭化水素aと共に、不飽和炭化水素xを水素アクセプターとして導入するために、飽和炭化水素aのみを触媒に導入するときに比べ、定常状態での触媒上の水素濃度は低下してしまうことが考えられる。そのため、水素分子を含む気体を導入することによって、飽和炭化水素aのみを導入するときよりも不足すると考えられる水素を、定常的に触媒上に供給できる。これによって、炭化水素由来の炭素化合物の活性点上への析出を抑制することができたため、不飽和炭化水素xの縮合反応による不飽和炭化水素yの生成活性が向上したことが推測される。
前記効果に加えて、不飽和炭化水素xへの水素添加反応は、大きな発熱反応である。例えば、不飽和炭化水素xがエチレンの場合(式18)、ΔG=−101kJ/molである。このため、反応時に触媒上の温度が上昇し、不飽和炭化水素xの縮合反応による不飽和炭化水素yの生成反応の反応速度が向上した効果などが推測される。同一の触媒上で、例えば、飽和炭化水素aがメタン、不飽和炭化水素xがエチレンのとき、吸熱反応である式3や式4の反応を生じる際は、それらの反応に熱量を供給し、反応を促進する効果も推測される。
+ H → C (式18)
混合ガスに含まれる水素は、水素分子、原子状水素、水素プラズマなどが挙げられ、導入が容易な観点から、水素分子が好ましい。水素のモル分率は、不飽和炭化水素yの生成速度向上の効果を高める観点から、0.0001以上、0.5以下が好ましい。不飽和炭化水素yの生成速度向上の効果を高める観点、および、炭化水素生成活性の失活を抑制する観点から、水素のモル分率は、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.005以上、さらに好ましくは0.01以上、最も好ましくは0.02以上である。また、飽和炭化水素aおよび不飽和炭化水素xの分圧を向上させる観点から、0.4以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.25以下がさらに好ましく、0.2以下が最も好ましい。
混合ガスを得る方法としては、各原料を所定量混合する方法や、比較的入手し易いメタン等を反応させることで得た気体を、直接、または分離や精製工程を経ることで得る方法等が挙げられる。例えば、後述する、工程Yにて、炭化水素bから、不飽和炭化水素x及び水素分子を生成し、この不飽和炭化水素および水素分子を、前記混合ガスの不飽和炭化水素xと水素として用いる方法が挙げられる。
(触媒)
本発明において用いられる触媒とは、均一系触媒、不均一系触媒、均一系触媒を担体または不均一系触媒に固定したもの等を指す。触媒と生成物との分離が容易である観点から、好ましくは不均一系触媒である。不均一系触媒とは具体的には、金属触媒、金属酸化物などの金属化合物触媒、ゼオライト、金属または金属化合物を担体に担持またはイオン交換した触媒、金属錯体、活性炭などであり、好ましくは担体に金属化合物を担持した触媒が好ましい。本願におけるゼオライト触媒とは、少なくとも一部はゼオライト骨格を有する触媒のことを指す。
触媒を構成する元素は、新IUPAC表記で3族から15族までの元素の少なくとも一つを含むことが好ましい。金属触媒のd軌道の電子を原料との反応に利用する際に、d電子数が多い方が反応に有利である観点から、6族から12族までが好ましく、7族から12族がより好ましく、8族から12族がさらに好ましい。d電子数の観点と金属および金属イオンの人体への毒性の観点から、8族から11族までが最も好ましい。触媒を構成する元素は、一種類または複数の元素で構成することが出来る。触媒を構成する元素は、例えば、La、Y、Sm、V、Si、Al、In、Sn、Ge、Mo、W、Cr、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、Ir、Fe、Ru、Os、Mn、Re、Cu、Ag、Auなどが挙げられる。金属触媒のd電子利用の観点から、触媒を構成する元素は、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、Ir、Fe、Ru、Os、Mn、Re、Cr、Mo、W、Cu、Ag、Auが好ましく、触媒活性の観点から、Pt、Ni、Co、Pd、Ru、Cuがより好ましく、Pt、Pd、Ni、Co、Ruがさらに好ましく、Pt、Niが最も好ましい。
金属種の化学状態としては、金属に限らず、化合物、錯体などでも構わない。吸着基質への電子供与に寄与する電荷密度が高い材料である程、不飽和炭化水素の活性化に有利である観点から、金属状態であることが好ましい。また、金属種と結合するアニオン種を活性点とできる観点、金属種の求電子性を強くできる観点から、化合物であることが好ましい。
担体に金属化合物を担持した触媒について説明する。担体としては、単一金属酸化物または単一金属酸化物に異種金属種をドープしたもの、スピネル型、ペロブスカイト型などの二種以上の金属元素からなる複合金属酸化物、ゼオライト、活性炭などを使用できる。化学的に安定である観点から、金属酸化物、ゼライトが好ましく、高比表面積化が比較的容易である観点から、ゼオライトがより好ましい。金属化合物としては、具体的には、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化マグネシウムが挙げられる。
触媒には助剤としてリン含有化合物、ホウ素含有化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などを添加できる。
触媒の調製方法は、含浸法などの様な担体に金属種を担持させる方法、固相反応によるもの、フラックス法、水熱合成法、触媒の原料を含有する溶液のpHを変化させることや化合物を形成するイオンを添加することなどによって触媒またはその前駆体を析出させる共沈法や均一沈殿法、化学気相成長法、物理気相成長法などが挙げられる。
<ゼオライト触媒>
炭化水素bが飽和炭化水素、好ましくは、炭素数2〜6の飽和炭化水素、さらに好ましくはエタンであるとき、第4族〜第13族元素の群からなる元素のうち少なくとも一つを含み、Si/Alモル比が1以上、1000以下であるMFI型ゼオライトから構成される触媒を用いることが、飽和炭化水素生成にとりわけ高活性を示すことを見出した。発明者らは、このゼオライト触媒が優れた飽和炭化水素生成活性を示す理由について、特定の理論に拘束されることを欲しないが、以下の様な理論を考える。
ゼオライトのSi/Alモル比が大きいほど、ゼオライト中のブレンステッド酸点の酸強度は強くなり、酸点数は減少する。今回特定のSi/Alモル比のゼオライトが優れた飽和炭化水素生成活性を示したのは、見出したSi/Alモル比のゼオライトは、偶然にも本反応に適切な酸点の酸強度と、酸点の数となったためであることが考えられる。加えて、ゼオライトに含まれる第4族〜第13族元素の一部は、ゼオライトのブレンステット酸点とイオン交換し、活性サイトを形成したことが考えられ、ゼオライトによる細孔空間での反応場と、イオン交換した金属種との相互作用などが本反応に適していたために、優れた活性を示したことが考えられる。
前記ゼオライトに含まれる元素は、新IUPACの第4族〜第13族元素を含むことが好ましい。活性に優れる観点から、第8〜12族がより好ましく、第9〜11族がさらに好ましく、第10族が最も好ましい。具体的には、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Pt、Ag、Cd、In、Snが好ましく、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Ru、Rh、Pd、Pt、Ag、In、Snがより好ましく、Ni、Cu、Zn、Ptがさらに好ましく、Pt、Niが最も好ましい。
本実施形態のゼオライト触媒に含有される、第4族〜第13族元素の含有量は、0.01wt%以上、50wt%以下が好ましい。ブレンステッド酸点を多くする観点から、30wt%以下が好ましく、15wt%以下がより好ましく、10wt%がさらに好ましい。また、第4族〜第13族元素の含有量が多いほど、単位重量当たりの活性点の増加に有利である観点、飽和炭化水素a、または不飽和炭化水素xの触媒への吸着に有利である観点から、0.05wt%以上が好ましく、0.5wt%以上がより好ましく、1wt%以上がさらに好ましい。なお、本願における触媒中の元素の含有量とは、該元素が金属状態であるとして算出される値である。
前記ゼオライトは細孔構造を有することが好ましく、国際ゼオライト学会の構造コードにおいて、MFI型の構造が好ましく、ZSM−5の構造がより好ましい。Si/Al比は、通常、1以上、1000以下であることが好ましい。ブレンステッド酸点が多く活性点数増加に有利である観点から、200以下が好ましく、80以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。また、ブレンステッド酸点の酸強度が強い方が、イオン交換した金属種の帯電に有利である観点から、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、15以上がさらに好ましい。
本実施形態の前記ゼオライト触媒により製造する飽和炭化水素は、ゼオライトの細孔内を利用して製造できる観点から、炭素数が2以上、6以下であることが好ましい。生成した炭化水素がゼオライト細孔内での拡散に有利である観点から、前記ゼオライト触媒により製造する飽和炭化水素の炭素数が4以下であることがより好ましく、2であることがさらに好ましい。さらに、生成した炭化水素がゼオライト細孔内での拡散に有利である観点から、前記ゼオライト触媒により製造する飽和炭化水素の炭素鎖は、直鎖であることが好ましい。
ゼオライトに4〜14族の元素を導入する調製方法としては、湿式法、固相法、化学気相法、物理気相法、などが挙げられる。簡易でゼオライトの内部まで金属種を導入し易い観点から、湿式法が好ましい。湿式法とは、例えば、4〜14族の元素を含む溶液とゼオライトとを反応させる方法であり、含浸法、イオン交換法、水熱合成法などが挙げられる。高分散に元素を導入できることや、ブレンステッド酸点のサイトに金属カチオンを導入できる観点から、イオン交換法が好ましい。
前記ゼオライトに4〜14族の元素を導入する調製方法について、導入する4〜14族の元素の前駆体は、金属カチオンを形成し易い観点から、金属化合物であることが好ましく、水系の湿式法に適する観点から水溶性であることが好ましい。具体的には、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、塩化物、リン酸塩が好ましく、ゼオライトへのアニオン種の残留が比較的少ない観点から、硝酸塩、硫酸塩、がより好ましい。
前記ゼオライトに第4〜14族の元素を導入の後処理として、焼成処理を施すことが好ましい。焼成雰囲気としては、金属カチオンとして第4〜14族元素を導入する観点から、酸素などの酸化性物質を含む雰囲気が好ましく、簡便さから大気中での焼成がより好ましい。焼成温度は、前駆体塩を分解させる観点から、150℃以上が好ましく、ゼオライトの分解を防ぐ観点や設備の簡便さの観点から、900℃以下が好ましい。ゼオライトの吸着水を除く観点から、250℃以上がより好ましく、350℃以上がさらに好ましい。ゼオライトの分解を防ぐ観点や設備の簡便さの観点から、750℃以下がより好ましく、650℃以下がさらに好ましい。
前記ゼオライトの合成方法には、固相法、共沈法、水熱合成法、ゾル‐ゲル法、などが挙げられるが、比較的低温な条件で合成できる観点から、水熱合成法が好ましい。ゼオライト合成時の反応温度は、100℃以上、1150℃以下が好ましい。反応速度の観点から150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。装置の簡便さや、粒子の凝集を防ぐ観点から、800℃以下が好ましく、600℃以下がより好ましい。
前記ゼオライト触媒を用いて反応を行う際には、工程の簡便さ、前処理に用いる反応物のコストの観点から、還元前処理を行わないことが好ましい。
後述する工程Yにて、ノルマルブタン(炭化水素b)から、1−ブテン(不飽和炭化水素x)を製造する際は、MgAlにPt種を担持した触媒を用いることが好ましい。この触媒は、MgOとAlなどを前駆体とした固相法などにより、調製することができ、担持するPt種の前駆体として塩化白金酸などを用いることができる。
後述する工程Yにて、ブテンから(炭化水素b)から、ブタジエン(不飽和炭化水素x)を製造する際は、モル比Al/Cr=5程度のアルミナ―クロミアにカリウムを5wt%程度担持した触媒を用いることが好ましい。
本発明における触媒は、他の触媒と混合して利用することができる。その際、本発明にて規定する触媒に含まれる、第4族〜第14族元素の含有量とは、混合する他の触媒に含まれる、第4族〜第14族元素量を含まない。
前記触媒には、助剤としてリン含有化合物、ホウ素含有化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などを添加できる。触媒を構成する元素として、一種類または複数の元素で構成することができる。
前記触媒は、反応器に存在する。具体的には、触媒は、固定床、流動床、スラリー床、移動床、または疑似移動床として反応器に充填されている。反応器には一種類の触媒を充填してもよく、また、活性の異なる複数種類の触媒または不活性な無機物を混合した触媒混合物を触媒として用いてもよい。活性の異なる触媒および上記触媒混合物を反応器入口から出口に向けて段階的に設置してもよい。
<工程X>
本実施形態の工程Xでは、飽和炭化水素aおよび不飽和炭化水素xを含む混合ガスを触媒存在下で反応させて、炭化水素bおよび/または不飽和炭化水素yを製造する。工程Xでの反応は、飽和炭化水素aの縮合や、飽和炭化水素a由来の水素、および導入水素由来の水素の、不飽和炭化水素xへの水素添加、不飽和炭化水素xの縮合などが考えられる。
工程Xでは、触媒が存在する反応系に、飽和炭化水素aおよび不飽和炭化水素xを少なくとも含む混合ガスを導入し、炭化水素bおよび/または不飽和炭化水素yを製造する。
水素は、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xよりも高エネルギー物質である観点から、導入する水素量は、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xとの和に対し、100以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、1以下であることがさらに好ましい。ここで、工程Xにおける反応時に導入する水素とは、飽和炭化水素aまたは不飽和炭化水素xを反応器に最初に導入する過程以降の水素であり、それ以前に触媒前処理などのために導入する水素は含めない。
工程Xにおける反応時には、飽和炭化水素a、不飽和炭化水素x、以外の気体を導入してもよく、例えば、水蒸気、酸素、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、等が挙げられる。中でも触媒の劣化を防ぐためや、反応系の気体の置換のために不活性ガスが好ましい。
工程Xにおいて、導入する気体(炭化水素原料ガス、水素及びその他の気体)は、その製造過程や産出過程は限定せず、石油を精製して生じたガス、天然ガス、工場からの排ガス、大気中から回収したガス、地層より回収したシェールガスなどの気体を使用できる。
工程Xにおいて、導入する気体(混合ガス)の総容積流量は、反応器に存在する触媒量1g当たり0.0001〜100000000L/hが好ましく、より好ましくは0.001〜10000000 L/h、さらに好ましくは0.01〜1000000 L/hである。
工程Xにおいて、触媒を固定する反応器の場合、原料流路方向における触媒部長さ(L)に対する、原料流路方向に対し垂直方向における触媒部の平均径(D)の比、L/Dは、0.0000001以上1000000000以下が好ましく、0.0001以上1000000以下がより好ましい。
工程Xにおいて、反応温度は、反応速度の観点から30℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、160℃以上がさらに好ましく、210℃以上が最も好ましい。また、触媒の焼結などによる収率低下を防ぐ観点、炭化水素bの平衡収率に有利である観点から、440℃以下が好ましく、390℃以下がより好ましく、340℃以下がさらに好ましく、310℃以下が最も好ましい。ここでいう反応温度とは、反応系内の温度を指す。
工程Xにおいて、反応圧力は、例えば、大気圧以上、50MPa以下である。低圧であるほど圧力条件を実施するためのエネルギーを要さないことから、30MPa以下が好ましく、より好ましくは20MPa以下、さらに好ましくは10MPa以下、最も好ましくは5MPa以下である。前記圧力範囲にて液化する炭化水素を用いる場合、その液化圧力未満であることが好ましい。本明細書に記載されている圧力は、大気圧との相対圧力(ゲージ圧)を示している。ここでいう反応圧力とは、反応器内の圧力を指す。
工程Xでの反応条件、例えば、原料の導入条件、温度、圧力などは、定常的または非定常とすることができる。導入する原料気体は、プロセスの簡便さから、定常的に導入することが好ましい。一方、活性低下の抑制や、反応促進などを比較的容易できる観点から、非定常とすることが好ましい。非定常とは、例えば、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xの気体を交互に切り替えて導入する条件や、触媒再生工程を導入することなどを指す。また、原料の導入条件を非定常とするときは、例えば、第一の気体として、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xの混合ガスを導入し、第一の気体の導入停止に伴い、第二の気体として、水素を含む気体を導入することも挙げられる。
工程Xを非定常とする際には、工程Aと工程Bとを含むことができる。工程Aと工程Bとの間に、後述する工程αを備えたり、工程Bの後に後述する工程βを備えたり、または前記それぞれの工程の間に、工程A、工程B、工程α、工程β以外のその他工程を行うこともできる。
(工程A)
工程Aは、飽和炭化水素aと、不飽和炭化水素xと、を含む第1の気体を、3秒以上、10分以下の導入時間で、触媒が存在する反応系内に導入し、炭化水素bを得る工程である。
飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xとの混合気体である第1の気体を導入することで、飽和炭化水素aのみの気体や不飽和炭化水素xのみの気体を導入する場合に比べ、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xとの衝突確率を向上できる。また、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xとを含む気体について精製を必要とせず、または精製を厳密にする必要がなく、原料として利用できる観点から、有利である。
第1の気体において、飽和炭化水素aのモル分率は、モル分率が0.05以上、0.99以下である。飽和炭化水素aを効率的に触媒によって活性化させる観点から、飽和炭化水素aのモル分率は、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、最も好ましくは0.5以上である。また、導入する飽和炭化水素aの精製コストの観点、および不飽和炭化水素xの濃度を高める観点から、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下がさらに好ましい。
第1の気体において、不飽和炭化水素xのモル分率は、0.01以上、0.95以下である。不飽和炭化水素xを効率的に触媒に吸着させる観点から、不飽和炭化水素xのモル分率は、好ましくは0.02以上、より好ましくは、0.05以上、最も好ましくは0.1以上である。また、不飽和炭化水素xによる触媒活性点の被覆を抑制する観点や、飽和炭化水素aの濃度を高くする観点から、0.8以下が好ましく、0.7以下がより好ましく、0.6以下がさらに好ましく、0.5以下が最も好ましい。
第1の気体中の水素のモル比は、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xとの和に対し1以下であることが好ましい。水素は飽和炭化水素aや不飽和炭化水素xに対し、高エネルギー物質である観点から、水素のモル比は、0.6以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
工程Aにおける第1の気体の導入時間は、3秒以上、10分以下である。工程Bや、工程βおよびそれ以外の工程から工程Aへ、または工程Aから、工程B、工程α、およびそれ以外の工程への切り換えの簡便さの観点や、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xとの反応量を増加させるのに有利である観点から、3秒以上が好ましく、5秒以上がより好ましく、11秒以上がさらに好ましい。また、工程Bなどの、工程A以外の工程の効果を高める観点や、工程Aにおける飽和炭化水素aおよび/または不飽和炭化水素触媒上への堆積量を少なくする観点から、300秒以下がより好ましく、240秒以下がより好ましく、120秒以下がさらに好ましく、60秒以下が最も好ましい。
(工程B)
工程Bは、前記工程Aの反応系内に、モル分率が0.02以上、1以下の水素を含む第2の気体を、1秒以上、5分以下の導入時間で、導入する工程である。工程Bにて導入する水素により、触媒上に吸着した飽和炭化水素aや不飽和炭化水素xの脱着を促進したり、炭化水素脱水素種に水添したりすることで、触媒活性を再生する効果が推測される。また、触媒上に生成した飽和炭化水素a、および/または飽和炭化水素aの脱水素種の縮合による炭化水素b生成の効果も推測される。
第2の気体は水素以外の気体を含んでもよい。水素以外の気体とは、例えば、水蒸気、酸素、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、等が挙げられる。中でも工程Aへの水素残留量を少なくするための水素希釈ガスが好ましい観点や、水素と触媒との反応による触媒の凝集を抑制する観点から、窒素やアルゴンなどの不活性ガスが好ましい。
触媒上に吸着した飽和炭化水素aや不飽和炭化水素xの脱着を促進、および/または炭化水素脱水素種に水添する効果を促進する観点から、水素のモル分率は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.5以上である。また、導入する水素のコストの観点、および触媒上に析出した炭素化合物と水素との反応により生成する、不飽和炭化水素の不飽和結合を還元することを抑制する観点から、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下がさらに好ましい。
工程Bにおける第2の気体の導入時間は、1秒以上、5分以下である。工程Aや、工程αおよびそれ以外の工程から工程Bへ、または工程Bから、工程β、工程A、およびそれ以外の工程への切り換えの簡便さの観点や、導入する水素と触媒上の炭化水素吸着種の脱着に有利である観点から、3秒以上が好ましく、5秒以上がより好ましく、11秒以上がさらに好ましい。また、工程Aなどの工程B以外の工程の効果を高める観点や、工程Bにて過剰な水素を導入すると反応せずに流通してしまうため、反応効率向上のためには第2の気体の導入は短い方が有利である観点から、3分以下がより好ましく、90秒以下がさらに好ましく、45秒以下がさらに好ましく、30秒以下が最も好ましい。
(工程α)
工程αは、工程Aの後であり、かつ、工程Bの前に行う工程である。工程αは、第1の気体に含まれる不飽和炭化水素xのモル分率よりも0.01以上小さなモル分率である不飽和炭化水素xと、0.01以上1以下のモル分率である不活性ガスを含む、第3の気体を、1秒以上、90秒以下の導入時間で、反応系内に導入する工程である。
工程Aで導入する不飽和炭化水素xと、工程Bで導入する水素とが反応して、炭化水素bとなる反応(例えば、不飽和炭化水素xがエチレン、飽和炭化水素bがエタンのとき、式18)は、工程Yの逆反応(例えば、式2)であり、エネルギー効率の観点から、この反応量は少ないことが望ましい。
工程αにて、工程Aよりも不飽和炭化水素xのモル分率が低い気体を導入することによって、続く工程Bでの水素導入による、不飽和炭化水素xへの水添反応(例えば、式18)を低減できることから、工程αを行うことが好ましい。
第3の気体における、不活性ガスとは、工程αで実施する反応条件にて飽和炭化水素aおよび不飽和炭化水素xと反応しない気体のことであり、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、水蒸気などが挙げられる。
第3の気体における不活性ガスのモル分率は、反応器中の不飽和炭化水素xのモル分率を効率的に低下させる観点から、0.1以上がより好ましく、0.5以上がさらに好ましい。一方、不活性ガスの精製コストの観点から、0.99以下がより好ましく、0.95以下がさらに好ましい。
不飽和炭化水素xと、工程Bで導入する水素との反応量を少なくする観点から、第3の気体における不飽和炭化水素xのモル分率は、第1の気体に含まれる不飽和炭化水素xよりもモル分率が0.03以上小さいことが好ましく、0.05以上小さいことが好ましく、0.1以上小さいことがさらに好ましく、0.2以上小さいことが最も好ましい。
第3の気体に含まれる不飽和炭化水素xのモル分率は、0.0001以上、0.8以下が好ましい。第3の気体の精製コストの観点から、0.0005以上が好ましく、0.001以上がより好ましく、0.005以上がさらに好ましい。前記したような、不飽和炭化水素のモル分率を低下させる効果を大きくする観点から、0.6以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.1以下がさらに好ましい。
第3の気体に含まれる、不飽和炭化水素xと不活性ガスとのモル比(不飽和炭化水素x/不活性ガス)は、0.0001以上、0.8以下が好ましい。第3の気体の精製コストの観点から、0.0005以上が好ましく、0.001以上がより好ましく、0.005以上がさらに好ましい。前記したような、不飽和炭化水素xのモル分率を低下させる効果を大きくする観点から、0.5以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.1以下がさらに好ましい。
工程αにおける第3の気体の導入時間は、反応系を、工程αや、それ以外の工程へ、または工程αから、工程B、およびそれ以外の工程への気体導入切り換えの簡便さの観点や、より不飽和炭化水素xのモル分率の低い気体で置換することが好ましい観点から、5秒以上が好ましく、8秒以上がより好ましく、10秒以上がさらに好ましく、20秒以上が最も好ましい。また、総反応時間を短くする観点から、70秒以下が好ましく、60秒以下がより好ましく、50秒以下がさらに好ましく、35秒以下が最も好ましい。
(工程β)
工程βは、工程Bの後に行う工程である。工程βは、第1の気体に含まれる不飽和炭化水素xのモル分率よりも0.01以上小さなモル分率である不飽和炭化水素xと、0.01以上、1以下のモル分率である不活性ガスとを含む、第4の気体を、1秒以上、90秒以下の導入時間で、前記反応系内に導入する工程である。工程βは、後述するように、工程Bの後に再度工程Aを行う場合には、工程Aの前に行うことが好ましい。
工程Aで導入する不飽和炭化水素xと、工程Bで導入する水素とが反応して、炭化水素bとなる反応(例えば、式18)は、工程Yの逆反応(例えば、式2)であり、エネルギー効率の観点から、この反応量は少ないことが望ましい。
工程βにて、工程Aよりも不飽和炭化水素xのモル分率が低い気体を導入することによって、続く工程Aでの水素導入による、不飽和炭化水素xへの水添反応(例えば、式18)を少なくことができることから、工程βを行うことが好ましい。
第4の気体における、不活性ガスとは、工程βで実施する反応条件にて、飽和炭化水素aおよび不飽和炭化水素xと反応しない気体のことであり、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、水蒸気などが挙げられる。
第4の気体における不活性ガスのモル分率は、0.01以上、1以下であることが好ましく、0.1以上がより好ましく、0.5以上がさらに好ましい。一方、不活性ガスの精製コストの観点から、0.99以下がより好ましく、0.95以下がさらに好ましい。
第4の気体における、不飽和炭化水素xのモル分率は、第1の気体に含まれる不飽和炭化水素xよりもモル分率が0.01以上小さい。不飽和炭化水素xと工程Bで導入する水素との反応量を少なくする観点から、不飽和炭化水素xのモル分率は、第1の気体に含まれる不飽和炭化水素xよりもモル分率が0.03以上小さいことが好ましく、0.05以上小さいことが好ましく、0.1以上小さいことがさらに好ましく、0.2以上小さいことが最も好ましい。
第4の気体に含まれる不飽和炭化水素xのモル分率は、0.0001以上、0.8以下が好ましい。第4の気体の精製コストの観点から、0.0005以上が好ましく、0.001以上がより好ましく、0.005以上がさらに好ましい。前記したような、不飽和炭化水素のモル分率を低下させる効果を大きくする観点から、0.6以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.1以下がさらに好ましい。
第4の気体に含まれる、不飽和炭化水素xと不活性ガスとのモル比(不飽和炭化水素x/不活性ガス)は、0.0001以上、0.8以下が好ましい。第3の気体の精製コストの観点から、0.0005以上が好ましく、0.001以上がより好ましく、0.005以上がさらに好ましい。前記したような、不飽和炭化水素のモル分率を低下させる効果を大きくする観点から、0.5以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.1以下がさらに好ましい。
工程βにおける第4の気体の導入時間は、1秒以上、90秒以下が好ましい。工程Bや、それ以外の工程から、工程βへ、または工程βから、工程A、およびそれ以外の工程への切り換えの簡便さの観点や、不飽和炭化水素xのモル分率のより低い気体で置換することが好ましい観点から、5秒以上が好ましく、8秒以上がより好ましく、10秒以上がさらに好ましく、20秒以上が最も好ましい。また、総反応時間を短くできる観点から、70秒以下が好ましく、60秒以下がより好ましく、50秒以下がさらに好ましく、35秒以下が最も好ましい。
前記工程Aと前記工程Bを含む工程Xでの炭化水素bの生成は、前記の様に工程Aにて生成する機構と、工程Bにて生成する機構とが推測される。工程Aでは、例えば前記式1の反応の様に、飽和炭化水素aが縮合して生じる水素を、不飽和炭化水素xが水素アクセプターとして受容することで、2分子の炭化水素bを生成する反応が例として挙げられる。加えて、同時に生じる他の反応で生成する水素に対し、不飽和炭化水素xが水素アクセプターとして作用することで炭化水素bが生成する機構も推測される。例えば、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xとの間で炭素―炭素結合の形成を伴う、不飽和炭化水素xよりも炭素数の大きい不飽和炭化水素を生成する反応(例えば式19)は、原料の炭化水素の炭素数を増加させる観点から有用であるが、例えば式19は吸熱反応かつ標準生成エントロピー差は負であるため、熱力学的制約が大きい。しかし、式19にて生成する水素活性種および/または水素分子と、水素アクセプターとして不飽和炭化水素xとを反応させ、炭化水素bを共に生成させる(例えば式20)ことで、不飽和炭化水素xよりも炭素数の大きい不飽和炭化水素の生成反応を発熱反応とすることができる。例えば式20で生成したCは、工程Yによる標準生成エントロピー差が正である脱水素反応(式2)と組み合わせることによって、総反応を、メタンとエチレンからのプロピレン生成(式20)とすることができる。つまり、本実施形態により、式19の反応を、進行させることがより容易な式20と式2とに分割することで、熱力学的制約がより小さく生成物を得ることができるようになる。一方、工程Bにて、導入される水素により、触媒上に生成した脱水素した飽和炭化水素a種(例えばCH )の縮合種と水素との反応(例えば式21)や、触媒上に吸着した不飽和炭化水素x活性種への水添反応(例えば式22)によるエタン生成のメカニズムが推測される。
CH + C → C + H (式19)
CH + 2C → C + C (式20)
2CH + H → C (式21)
+ H → C (式22)
本実施形態の工程Aでは、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xとの混合ガスを反応させることにより、飽和炭化水素aのみのガスと不飽和炭化水素xのみのガスとを切り替えて反応させるときに比べ、飽和炭化水素a由来の水素活性種と不飽和炭化水素xとの衝突確率が向上するため、例えば式1の反応などに有利であることが推測される。一方、不飽和炭化水素xは、飽和炭化水素aに比べ触媒への吸着力が強いことが推測されるため、工程Aの時間経過と共に不飽和炭化水素xがより多く触媒上に吸着することが考えられる。したがって、適切な条件で工程Aに伴い工程Bを行うことが重要であると推測される。
前記工程Aと前記工程Bは、複数回繰り返すことができる。工程Aにて生成した、触媒上の飽和炭化水素aの縮合吸着種を脱着することで、炭化水素bを製造できる観点から、工程Aの後に工程Bを行うことが好ましい。炭化水素bの生産性に有利である観点から、工程Aおよび工程Bは、2回以上繰り返すことが好ましく、4回以上がより好ましく、8回以上がさらに好ましい。
前記工程Aの後に、前記工程Bを行い、この工程Bで生成した不飽和炭化水素x、および/または水素の少なくとも一部を、前記工程Xの前記不飽和炭化水素x、および/または前記水素として用いる工程を繰り返すことが、原料の飽和炭化水素aの炭素数を増加することに有利である観点から好ましい。
工程Xにおける、工程A、工程B、工程α、工程β、およびそれ以外の工程間の切り換え操作は、流動床、移動床や、疑似移動床など、触媒が反応系内を移動する反応形態において、反応系内に定常的に第1の気体、第2の気体、第3の気体、第4の気体などの各気体の成分組成となる領域が存在し、触媒が所定の時間その領域に滞留することによって、前記各工程を実施することができる。その際、前記各工程の所要時間は、反応工程におけるその領域での触媒の平均滞留時間を意味する。
<工程Y>
本実施形態の工程Yは、炭化水素bから不飽和炭化水素xを製造する工程である。工程Yでの反応は、炭化水素bからの脱水素反応などが考えられる。
工程Yで反応系に導入する気体は、炭化水素b、および炭化水素b以外の気体によって構成される。
ここで、炭化水素b以外の気体とは、例えば、飽和炭化水素aや不飽和炭化水素xなどの炭化水素、水素、水蒸気、酸素、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、等が挙げられる。中でも不飽和炭化水素xの生成のための脱水素促進のために、酸素および水蒸気が好ましい。
工程Yでの反応条件、例えば、原料の導入条件、温度、圧力などは、定常的または非定常とすることができる。工程Yでの反応系に導入する気体の導入条件は、プロセスの簡便さから、定常的に導入することが好ましい。また、活性低下の抑制や、反応促進などを比較的容易にできる、平衡収率以上の不飽和炭化水素xを生成することが可能となる観点から、非定常とすることが好ましい。
工程Yにおいて、反応器に導入する炭化水素bのモル分率は、0.0001以上、0.999以下であることが好ましく、導入する原料の濃度が高い方が不飽和炭化水素xの製造に有利である観点から、0.001以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.2以上がさらに好ましく、0.4以上が最も好ましい。また、炭化水素bの精製コストの観点から、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下がさらに好ましく、0.6以下が最も好ましい。
工程Yにおいて、触媒を用いてもよく、または用いなくてもよい、例えば反応器には触媒を存在させてもよく、または存在させなくてもよい。目的反応の活性化エネルギーを低下させる観点から、触媒を用いること、反応器には触媒が存在することが好ましい。また、触媒の反応器への焼結の可能性がない観点、プロセスを簡易化する観点、副反応の活性化エネルギーを低下させない観点から、触媒を用いないことが好ましい。
工程Yにて、導入する気体の総容積流量は、反応器の容積1L当り50〜10000000000L/hが好ましく、より好ましくは100〜5000000000L/h、さらに好ましくは500〜1000000000L/hである。
工程Yにおいて、触媒を固定する反応器の場合、原料流路方向における触媒部長さ(L)に対する、原料流路方向に対し垂直方向における触媒部の平均径(D)の比、L/Dは、0.0000001以上1000000000以下が好ましく、0.0001以上1000000以下がより好ましい。
工程Yにおいて、反応温度は、例えば300℃以上、1300℃以下である。反応速度の観点から400℃以上が好ましく、500℃以上がより好ましく、600℃以上がさらに好ましく、700℃以上が最も好ましい。また、反応器の簡便さ、副反応の抑制、触媒を用いる際は触媒の焼結を防ぐ観点から、1300℃以下が好ましく、1300℃以下がより好ましく、1200℃以下がさらに好ましく、1100℃以下が最も好ましい。ここでいう反応温度とは、反応器内の温度を指す。
工程Yにおいて、反応圧力は、例えば大気圧以上、50MPa以下である。低圧であるほど、圧力条件を実施するためのエネルギーを要さない観点から、30MPa以下が好ましく、より好ましくは20MPa、さらに好ましくは10MPa以下である。前記圧力範囲にて液化する炭化水素を用いる場合、その液化圧力未満であることが好ましい。ここでいう反応圧力とは、反応器内の圧力を指す。
工程Xと工程Yとの間には、工程Xおよび/または工程Yで得られた反応後の気体を、原料と生成物との分離などによる精製や貯蔵などの工程を含めることができる。気体精製コストの観点から、工程Xで製造した炭化水素bを含む気体を、精製せずに、全部または一部を工程Yの原料の一部または全部に用いることが好ましい。
前記工程Yで得られた、不飽和炭化水素xの一部または全部を、前記工程Xにおける不飽和炭化水素xとして用いることが好ましい。また、前記工程Yで得られた、水素の一部または全部を、前記工程Xにおける水素として用いることが好ましい。
前記工程Yで得られた、不飽和炭化水素xおよび/または水素を含む気体を、工程Yの後に、工程Xにおける原料として用いるまでに、貯蔵、分離、精製などの工程を含むことができる。気体精製コストの観点から、工程Yで製造した不飽和炭化水素xと水素分子とを含む気体を、精製せずに、全部または一部を工程Xの原料の一部または全部に用いることが好ましい。
前記工程Xの後に、前記工程Yを行うことができる。また、前記工程Yの後に、前記工程Xを行うことができる。前記工程Xにて生成した、炭化水素bから不飽和炭化水素xと水素分子を製造できる観点から、前記工程Xの後に、前記工程Yを行うことが好ましい。また、不飽和炭化水素xから炭化水素bを製造できる観点から、前記工程Yの後に、前記工程Xを行うことが好ましい。
工程Xおよび工程Yは、バッチ型および/または流通型の反応器で実施することができる。工程Xから工程Yへの移行の際に、触媒の入れ替えなどを必要としない観点、工程Xと工程Yの反応条件が異なる場合に、反応器の条件変更のための時間やエネルギーを要しない観点、除熱などの温度制御が容易な観点から、工程Xおよび工程Yが流通式の反応器であることが好ましい。
前記工程Xと前記工程Yは、複数回繰り返すことができる。特に、前記工程Xの後に、前記工程Yを行い、この工程Yで生成した不飽和炭化水素x、および/または水素の少なくとも一部を、前記工程Xの前記不飽和炭化水素x、および/または前記水素として用いる工程を繰り返すことが、原料の飽和炭化水素aの炭素数を増加することに有利である観点から好ましい。前記工程Xと前記工程Yの繰り返す回数は、原料の飽和炭化水素aの炭素数を増加することにより有利である観点から、2回以上が好ましい。
シェールガスや天然ガスなどを直接原料に利用できる観点から、前記工程Xにおいて、最初に行う工程Xの原料気体に含まれる水素のモル分率が0.0001未満であることが好ましい。
シェールガスや天然ガスなどから、エタンクラッカーなど、脱水素処理後の気体を直接原料に利用できる観点から、前記工程Xにおいて、最初に行う工程Xの原料気体に含まれる水素のモル分率が0.0001以上であることが好ましい。
工程Xの後に工程Yを行うことで製造した気体を直接原料に利用できる観点から、前記工程Xにおいて、2回目以降に行う工程Xの原料気体に含まれる水素のモル分率が0.0001以上であることが好ましい。
本実施形態の方法によれば、水の生成に比べ、原子効率が高い、および/または化学品としての価値の高い化合物の生成を伴う、飽和炭化水素の縮合反応において、水素生成を伴う反応に比べ、反応を進行させるための高温を必要とせず、かつ、飽和炭化水素と酸素とを原料とした不飽和炭化水素製造よりも、エチレンの酸化物、COやCO等の副生物が低減され、安全のための厳密な導入原料の濃度制御を必要としない方法、を提供することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に示すような条件で合成を行い、不飽和炭化水素及び水素の生成活性、生成速度について評価した。
なお、各成分のモル分率、生成速度及び生成活性は、つぎのようにして測定した。
1.モル分率
炭化水素、および水素のモル分率はガスクロマトグラフィー(GC)で評価した。条件は下記の通りである。
(オンラインGC)
[装置]
490GC(Agilent社製)
[カラム種類と条件]
・CP−Sil5(Agilent社製)
温度:40℃、キャリアガス:He(0.55MPa)
Molsieve 5A PLOT(Agilent社製)
温度:100℃、キャリアガス:Ar(0.55MPa)
上記温度は定常な条件の下、測定を行った。
2.生成活性
本実施例、および比較例の工程Xにおいて、炭化水素b、不飽和炭化水素yの生成活性は、以下の式より算出した。尚、反応時間は、20分とした。
なお、生成飽和炭化水素b量や不飽和炭化水素y量、および未反応水素量は上記オンラインGCにより求め、導入気体量はマスフローメータにより制御した。
・[生成活性(mol mol−1−1)]=([生成炭化水素量(mol)]/[反応時間(h)])/[触媒活性種量(mol)]
なお、上記触媒活性種量とは、担持金属種を触媒活性種として算出した。
3.生成速度
各実施例および比較例の工程Yにおいて、不飽和炭化水素xの生成速度は以下の式より算出した。なお、生成量は上記オンラインGCにより求めた。尚、反応時間は、20分とした。
[生成速度(mol h−1)]=[生成量(mol)]/[反応時間(h)]
工程Yでの不飽和炭化水素xの気体生成速度は、導入する原料の不飽和炭化水素xの量から、反応後に含まれる不飽和炭化水素xの量を差し引いた値を生成量とした。
4.失活比率
各実施例および比較例の工程Xにおいて、失活比率とは、以下の式より算出した。
[失活比率(%)]=([反応開始5分後の生成活性(mol mol−1−1)]−[反応開始20分後の活性(mol mol−1−1)])*100/[反応開始5分後の活性(mol mol−1−1)]
したがって、失活比率が小さいほうが、炭化水素生成活性の失活が少ないため望ましい。
5.エタン収率
エタン(炭化水素b)の収率、消費水素量、導入炭化水素量は、以下の式より算出した。
工程Xで生成した飽和炭化水素bのうち、不飽和炭化水素xと水素との反応により生成した炭化水素bを除いた、生成炭化水素bの量が高いことが、本願では望ましいため、下記の式により求められる炭化水素bの収率を、実施例の指標とした。
なお、生成炭化水素bの量、および未反応水素量は上記オンラインGCにより求め、導入気体量(水素、飽和炭化水素a、不飽和炭化水素x)はマスフローメータにより制御し、算出した。
・[炭化水素b収率(%)]=([生成炭化水素b量(mol)]−[消費水素量(mol)])×100/(導入炭化水素量(mol))
・[消費水素量(mol)]=[導入水素量(mol)]−[未反応水素量(mol)]
・[導入炭化水素量(mol)]=[導入飽和炭化水素a量(mol)]+[導入不飽和炭化水素x量(mol)]
(触媒中の金属元素量)
触媒を20mg採取し、超純水3mL、30vol%の塩酸2mL、98vol%の硫酸3mLの混合溶液をテフロン(登録商標)容器中で混合し、1000W、240℃の条件で30分保持することで、触媒を溶液に溶解させ、その溶液を下記ICPで評価することで算出した。なお、三点校正して作成した検量線を元に、洗浄液中の各元素の濃度を得た。
(ICP装置)
SP352UV−DD(セイコーインスツル株式会社製)
(条件)
高周波パワー:1.2kW、
キャリアガス:Ar
<実施例1>
酸化チタン担体に、金属塩を溶解させた水溶液を、以下の様に含浸させることにより、触媒を調製した。ルチル型の酸化チタン10.0gを100mLの25mmol/L塩化白金酸水溶液に懸濁後、蒸発乾固させることで、白金種を担持させた。その後、500℃、大気中で焼成した粉末を得た。この粉末に20MPaの圧力をかけることでペレットとし、これを粉砕後、0.25〜0.50mmに分級することで触媒を得た。この触媒の白金の担持量は5wt%であった。
(工程X)
SUS管(外径:1/4インチ、肉厚:0.5 mm)の中央部に0.5gの触媒を石英ウールに触媒をはさみ込むことで充填した流通系の反応器を用いた。
400℃にて、20mL/minの水素流通条件の下、1時間の還元処理を触媒の前処理として施し、Arにて反応管をパージ後、反応温度を200℃、CHとC とH との混合ガスを、30分間流通させた。このときの流通条件は、CH:50mL/min、C:5mL/min、Hのモル分率:0.001以下とした。
工程Xにおけるエタン生成活性は、2.1mol mol−1−1であった。また、CO、COなどの炭素酸化物の生成は確認されなかった。
<実施例2>
反応温度を300℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。CO、COなどの炭素酸化物の生成は確認されなかった。
<実施例3>
反応温度を400℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。CO、COなどの炭素酸化物の生成は確認されなかった。
実施例4〜6では、実施例1〜3で行った反応後(工程Xの後)の気体を、それぞれ下記工程Yにて反応を行った。
<実施例4>
工程Yとして、実施例1において工程Xの反応器下流にて得られた混合気体を、反応温度850℃の下、触媒がない石英管(外径:6mm、肉厚:1mm)に流通させることで反応を行い、反応後の気体をアルミ製のガスバックに貯蔵し、その成分をガスクロマトグラフィーで評価することで、生成速度を求めた。その結果、工程Yにおける、エチレン生成速度は、1.9 mol h−1であった。CO、COなどの炭素酸化物の生成は確認されなかった。
<実施例5>
実施例4の、工程Yで反応させる気体を、実施例2において工程Xの反応器下流にて得られた混合気体とした以外は、同様に反応を行った。その結果、エチレン生成速度は、2.6 mol h−1であった。CO、COなどの炭素酸化物の生成は確認されなかった。
<実施例6>
実施例4の、工程Yで反応させる気体を実施例3において工程Xの反応器下流にて得られた混合気体とした以外は、同様に反応を行った。その結果、エチレン生成速度は、2.4 mol h−1であった。CO、COなどの炭素酸化物の生成は確認されなかった。
<比較例1>
反応ガスをCHのみのガス(CH:10mL/min)とした以外は、実施例3と同様に反応を行った。エタン生成活性は、100mmol mol−1−1以下であった。
各実施例について、工程Xにおけるエタンの生成活性、工程Yにおけるエチレン生成活性の評価結果を、反応条件と併せて表1に示す。
Figure 0006496796
実施例1〜3について、本願の実施形態を満たすことで、飽和炭化水素a(CH)と、不飽和炭化水素x(C)を原料として、低温条件であるにも関わらず、CO、COなどの炭素酸化物を生成せずに、炭化水素b(C)を製造することができることが示された。
実施例1〜3の反応温度だけが異なる条件で行った反応結果を比較すると、200℃から300℃に反応温度を上げると、エタン(炭化水素b)の生成活性は向上したが、300℃から400℃にすることでエタン(炭化水素b)の生成活性は低下した。高温にするほど反応速度は向上するものの、平衡収率としては、より低温であるほど有利である。例えば、本反応(式1)における750℃、450℃、400℃、350℃、および300℃での平衡収率はそれぞれ、約0.06%、約2%、約5%、約13%、および約44%であることから、平衡収率の観点では、より低温条件での反応が望ましい。以上、実施例1〜3の結果と平衡収率の観点から、工程Xでは特に390℃以下程度の温度条件での反応がより好ましいことが示された。
比較例1にて、原料ガスにエチレンを導入せずにメタンのみを原料として、400℃でエタンを製造した際のエタン生成活性は、実施例1〜3に比べ大幅に小さく、実施例1〜3がエタン生成活性に優れることがわかる。そのため、本実施形態の工程Xを満たすことで、飽和炭化水素aを原料とする炭化水素bの製造に有利であることが示された。
実施例4〜6で示されたように、実施例1〜3で生成された気体を工程Yで反応させることによって、エチレンを生成することができ、炭化水素bから、不飽和炭化水素xを生成できることが示された。つまり、工程Xに続き、工程Yを行うことで、飽和炭化水素a(例えば、メタン)を原料とする、不飽和炭化水素x(エチレン)の製造(式3)について、不飽和炭化水素xを直接合成する反応よりも、熱力学的制約の小さな、(式1)と(式2)の二つの反応に分割して、製造できることが示された。特に、実施例4〜6の工程Yでは触媒を用いず不飽和炭化水素xを製造できる観点から、高温での触媒の反応器への焼結を生じる必要がなく、簡易な工程とすることができることが示された。
また、工程Xでの炭化水素b(エタン)の生成活性や生成速度が速いほど、工程Yにおける不飽和炭化水素xの生成速度は速くなることが示され、炭化水素bの生成活性や生成速度が大きい工程Xであるほど、飽和炭化水素aを原料とする、不飽和炭化水素xの製造について、有用な製造方法であることが示された。
実施例7〜21では、様々な触媒を用いて飽和炭化水素a(CH)と、不飽和炭化水素x(C)とを反応させた。
<実施例7>
実施例1の触媒調製において、25mmol/L塩化白金酸水溶液を25mmol/Lの硝酸コバルト水溶液とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。担持したコバルト種は、金属状態と仮定したとき、担持量は2wt%であった。
<実施例8>
反応温度を300℃とした以外は、実施例7と同様に反応を行った。
<実施例9>
実施例1の触媒調製において、25mmol/L塩化白金酸水溶液を25mmol/Lの塩化ルテニウム水溶液とした以外は同様に反応を行った。担持したルテニウム種は、金属状態と仮定したとき、担持量は3wt%であった。
<実施例10>
反応温度を300℃とした以外は、実施例9と同様に反応を行った。
<実施例11>
触媒調製において、25mmol/L塩化白金酸水溶液を25mmol/Lの塩化パラジウム水溶液とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。担持したパラジウム種は、金属状態として、担持量は3wt%であった。
<実施例12>
反応温度を300℃とした以外は、実施例11と同様に反応を行った。
<実施例13>
触媒調製において、25mmol/L塩化白金酸水溶液を25mmol/Lの硝酸ニッケル水溶液とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。担持したニッケル種は、金属状態として、担持量は2wt%であった。
<実施例14>
触媒をゼオライト(H−ZSM−5、Si/Alモル比 = 24)とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。
<実施例15>
反応温度を300℃とした以外は、実施例14と同様に反応を行った。
<実施例16>
触媒を白金担持アルミナ(Pt金属担持量:5wt%)とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。
各実施例について、工程Xにおけるエタンの生成活性の評価結果を、反応条件と併せて表2に示す。
Figure 0006496796
実施例17〜実施例21では、ゼオライトにSiとAl以外の金属種を導入した触媒を用いて工程Xを行い、エタン生成活性を評価した。
<実施例17>
実施例2の触媒調製時に用いた酸化チタンを、ゼオライト(H−ZSM−5、Si/Alモル比 = 24)とし、反応前の触媒の還元処理を行わなかった以外は、実施例2と同様に反応を行った。触媒中のPt担持量は5wt%(Pt:金属状態として換算)であった。
<実施例18>
実施例17の触媒調製時に用いたゼオライトのSi/Alモル比を1500とした以外は、実施例17と同様に反応を行った。触媒中のPt担持量は5wt%(Pt:金属状態として換算)であった。
<実施例19>
実施例17の触媒調製時に、ゼオライト(H−ZSM−5、Si/Alモル比 = 24)を50g、49mmolの硝酸ニッケル水溶液に2時間撹拌させ、吸引濾過とイオン交換水で洗浄後、大気中、500℃で2時間焼成施して触媒を調製した以外は、実施例17と同様に反応を行った。触媒中のNi担持量は0.25wt%(Ni:金属状態として換算)であった。
<実施例20>
実施例17の触媒調製時に、ゼオライト(H−ZSM−5、Si/Alモル比 = 24)を50g、49mmolの硝酸亜鉛水溶液に2時間撹拌させ、吸引濾過とイオン交換水で洗浄後、大気中、500℃で2時間焼成施して触媒を調製した以外は、実施例17と同様に反応を行った。触媒中のZn担持量は1.2wt%(Zn:金属状態として換算)であった。
<実施例21>
実施例17の触媒調製時に、ゼオライト(H−ZSM−5、Si/Alモル比 = 24)を50g、49mmolの硝酸亜鉛水溶液に2時間撹拌させ、吸引濾過とイオン交換水で洗浄後、大気中、500℃で2時間焼成と、撹拌、洗浄、焼成操作を3回繰り返し触媒を調製した以外は、実施例17と同様に反応を行った。触媒中のCu担持量は2wt%(Cu:金属状態として換算)であった。
各実施例について、工程Xにおけるエタンの生成活性の評価結果を、反応条件と併せて表3に示す。
Figure 0006496796
実施例17〜21の結果から、本反応に様々な触媒や担体が適用できることが示された。本実施形態のゼオライト触媒が、飽和炭化水素の生成活性に優れることが示され、特に実施例17と18の比較から、Si/Al比が1以上、1000以下であることが好ましいことが示された。金属活性種には、Pt種、Ru種、Ni種、Pd種、Co種が好ましく、Pt種やNi種が、より好ましく、Ptがとりわけ好ましいことが示された。
また、ゼオライト触媒を用いた際には、還元前処理を必要とせずとも、本反応に優れた活性を有することが示された。前処理を必要としないことは、工業的適用の上で有用である。
実施例22〜26では、様々な原料気体の飽和炭化水素aと不飽和炭化水素xとの組成比、および反応圧力の下、反応を行った。
<実施例22>
反応ガスをCHとCの混合ガス(CH:50mL/min、C:25mL/min、水素のモル分率:0.001以下)とした以外は、実施例16と同様に反応を行った。
<実施例23>
反応ガスをCHとCの混合ガス(CH:50mL/min、C:50mL/min、水素のモル分率:0.001以下)とした以外は、実施例16と同様に反応を行った。
<実施例24>
反応圧力を0.4MPaとした以外は、実施例16と同様に反応を行った。
<実施例25>
反応圧力を0.8MPaとした以外は、実施例16と同様に反応を行った。
各実施例について、工程Xにおけるエタンの生成活性の評価結果を、反応条件と併せて表4に示す。
Figure 0006496796
工程Xにて、水素を含む混合ガスを導入する条件に付いて、実施例26〜29について検討を行った。
<実施例26>
実施例の混合気体を、CH(飽和炭化水素a):36mL/min、C(不飽和炭化水素x):18mL/min、H:1mL/minの混合気体とした以外は、実施例と同様に、反応を行った。
<実施例27>
原料のH導入量を、2.5mL/minとした以外は、実施例1と同様に反応を行った。
<実施例28>
原料のH導入量を、5mL/minとした以外は、実施例1と同様に反応を行った。
<実施例29>
原料のH導入量を、10mL/minとした以外は、実施例1と同様に反応を行った。
各実施例について、工程Xにおけるエタン、1―ブテンおよび2−ブテンの生成活性の評価結果を、反応条件と併せて表5に示す。
Figure 0006496796
表5に示されるように、実施例23と実施例26〜29とを比較すると、水素を導入しなかった実施例23のエタン、1−ブテン、2−ブテンの生成活性は、水素を導入した実施例26〜29に比べて小さく、それぞれの失活比率は、いずれも大きかった。そのため、原料ガスに水素を含有させることで、炭化水素b、および不飽和炭化水素yの生成に有利であることが示された。
さらに、実施例26〜29より示されるように、工程Xにて、導入する水素量を変化させることで、エタン、1−ブテン、2−ブテンの生成活性、および、それぞれの失活比率は、変化した。実施例26〜29において、導入水素のモル分率を向上させることによって、エタン、1−ブテン、2−ブテンの生成活性は向上した。また、エタン生成活性の失活比率は、実施例26〜29のいずれも0であり、大きな失活は観測されなかった。1−ブテン、2−ブテン生成活性の失活比率は、水素のモル分率を0.04以上、水素/不飽和炭化水素のモル比率を0.16以上とすることで、特に大きく減少する傾向にあり、触媒上の水素濃度が失活の抑制に十分となった、および/または、エチレンの水素添加反応による、反応熱を利用した、反応速度向上の効果が顕著になったため、ブテン生成活性の向上、および失活抑制となったと推測される。水素導入量の増加によるエタン生成活性の向上は、ブテン生成活性の向上に伴う、エチレンからのブテン生成反応の反応熱のエタン生成への利用量が増加したためであったことも、推測される。工程Xでのエタン生成量増加に伴い、工程Yでのエチレン生成速度が向上する傾向にあった。
実施例30〜37では、工程Xの反応条件を非定常とし、特に実施例〜では、非定常に水素を導入する条件で反応を行った。
<実施例30>
原料気体の導入条件を以下の様な反応工程とした以外は、実施例16と同様に反応を行った。
反応ガスの導入条件を、CHを50mL/min(第1の気体)で30秒間流通させ、その後Cを50mL/min(第2の気体)で3秒間流通させる条件を、36回繰り返した以外は、実施例16と同様に反応を行った。原料気相成分の水素のモル分率は、0.001以下であった。反応の結果、1.9mmol mol−1−1のエタン生成活性が観測された。
<実施例31>
原料気体の導入条件を以下の様な反応工程とした以外は、実施例16と同様に反応を行った。
CH:50mL/min、C:5mL/minの混合ガス(第1の気体)を240秒間流通させ(工程A)、500mL/minのAr(第3の気体)を30秒間流通(工程α)、H:10mL/min、Ar:90mL/minの混合ガス(第2の気体)を120秒間流通(工程B)、500mL/minのAr(第4の気体)を30秒間流通(工程β)、という操作を3回繰り返した。
工程Xにおけるエタン収率は、1.3%であった。
<実施例32>
実施例16に記載の各工程における気体導入時間を、以下の様にした以外は、実施例16と同様に反応を行った。工程A:120秒、工程α:30秒、工程B:120秒、工程β:30秒とし、4回繰り返した。
<実施例33>
実施例16に記載の各工程における気体導入時間を以下の様にした以外は、実施例16と同様に反応を行った。工程A:30秒、工程α:30秒、工程B:15秒、工程β:30秒とし、11回繰り返した。
<実施例34>
実施例16に記載の各工程における気体導入時間を以下の様にした以外は、実施例16と同様に反応を行った。工程A:6秒、工程α:30秒、工程B:3秒、工程β:30秒とし、17回繰り返した。
<実施例35>
実施例16に記載の各工程における気体導入時間を以下の様にし、工程Bの気体をH:15mL/min、Ar:85mL/minの混合ガスとした以外は、実施例1と同様に反応を行った。工程A:30秒、工程α:10秒、工程B:10秒、工程β:10秒とし、20回繰り返した。
<実施例36>
実施例35に記載の各工程における気体導入時間を以下の様にした以外は、実施例5と同様に反応を行った。工程A:12秒、工程α:6秒、工程B:6秒、工程β:6秒とし、40回繰り返した。
<実施例37>
実施例33に記載の触媒を、実施例10に記載のRu担持TiOとした以外は、実施例33と同様に反応を行った。
各実施例について、エタン収率の評価結果を、反応条件と併せて表6に示す。
Figure 0006496796
実施例16と実施例31〜36とを比較すると、工程Aのみを行った実施例16に対し、工程Aと工程Bとを共に行った実施例31〜36では、エタン収率、およびエチレン生成速度の向上に顕著に効果があることがわかる。
また、触媒としてRuを用いた実施例10と実施例37とを比較しても、工程Aと工程Bとを共に行うことで、エタン収率、およびエチレン生成速度の向上に顕著に効果があることがわかる。
実施例において、工程A、工程B、工程α、工程βの条件によって、工程Xでのエタン収率、および工程Yでのエチレン生成速度は変化した。実施例31〜34を比較すると、工程Aが6秒〜240秒、工程Bが3秒〜120秒の条件では、工程Aおよび工程Bの時間を小さくすることでエタン収率、およびエチレン生成速度は向上した。これは、工程Aにおける飽和炭化水素aおよび/または不飽和炭化水素bの触媒上への堆積量を少なくすることができたためであったと推測される。
また、工程α、工程βにて、不飽和炭化水素xのモル分率が低い気体を導入することによって、続く工程での水素導入による、不飽和炭化水素xへの水添反応を低減でき、エタン収率、およびエチレン生成速度を向上できる。特に、実施例33〜36を比較すると、工程α、および工程βの時間を短縮することで、エタン収率、およびエチレン生成速度は減少する傾向にあった。これは、工程αおよび工程βをより長時間行うことで、不飽和炭化水素xまたは水素のモル分率がより低い気体で置換することができ、不飽和炭化水素xと水素との反応を抑制することができたためであると推測される。
<実施例38>
(工程X)
実施例33に記載のArを窒素とした以外は、実施例33と同様に反応を行った。
その結果、実施例33と同様に優れたエタン収率、およびエチレン生成速度が得られた。
実施例38より、不活性ガスとして、Ar以外の気体も本願の実施形態に適用可能であることが示された。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明による炭化水素の製造方法を用いることで、水の生成に比べ、原子効率が高い、および/または化学品としての価値の高い化合物の生成を伴う、飽和炭化水素の縮合反応において、水素生成を伴う反応に比べ、反応を進行させるための高温を必要とせず、かつ、飽和炭化水素と酸素とを原料とした不飽和炭化水素製造よりも、エチレンの酸化物、COやCO等の副生物が低減され、安全のための厳密な導入原料の濃度制御を必要としない、飽和炭化水素を原料とする炭化水素の製造方法として広く利用することができる。

Claims (5)

  1. 炭素数が1〜6の飽和炭化水素aと炭素数が2〜6のアルケンである不飽和炭化水素xとの存在下、炭素数が2〜6である直鎖の飽和炭化水素の生成に用いられる飽和炭化水素生成触媒であって、
    Pt,Niの群からなる元素のうち少なくとも一つを1wt%〜10wt%で含み、かつレニウムを含まず、Si/Alモル比が1以上、1000以下であるゼオライトから構成される、飽和炭化水素生成触媒。
  2. 前記ゼオライトがMFI型である、請求項1に記載の飽和炭化水素生成触媒。
  3. 前記Si/Alモル比が15以上、30以下である、請求項1または2に記載の飽和炭化水素生成触媒。
  4. モル分率が0.05以上、0.999以下である、炭素数が1〜6の飽和炭化水素aと、
    モル分率が0.001 以上、0.95以下である、炭素数が2〜6のアルケンである不飽和炭化水素xと、を含む混合ガスを、触媒存在下で反応させ、
    炭素数が2〜6である直鎖の飽和炭化水素、を少なくとも製造する工程Xを少なくとも含み、
    前記工程Xにおいて用いる前記触媒が請求項1〜のいずれか一項に記載の触媒である、炭化水素の製造方法。
  5. 前記工程Xにおいて、前記飽和炭化水素aがメタンであり、前記不飽和炭化水素xがエチレンであり、そして前記飽和炭化水素がエタンである、請求項4に記載の炭化水素の製造方法。
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