JP6247250B2 - カルボン酸生成触媒及びカルボン酸の製造方法 - Google Patents
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二酸化炭素を直接原料として用い、炭素数が2以上の炭素化合物を合成する方法として、二酸化炭素とメタンとを原料として、触媒を用いる、酢酸の合成方法が知られている(例えば非特許文献1)。この文献では、メタンと二酸化炭素との混合ガスを、ゼオライトに亜鉛を1ミリモルパーセント担持した触媒と反応させることによって、酢酸を合成する検討が行われている。
前記した従来技術の状況下、本発明が解決しようとする課題は、炭化水素と二酸化炭素を原料としたカルボン酸の合成反応において、カルボン酸の収率を向上させるために効果的な触媒、およびこの触媒を用いたカルボン酸の製造方法を提供することである。
[1]
炭素数が1または2の炭化水素と二酸化炭素とを原料とする、炭素数が3または4のカルボン酸の生成に用いられるカルボン酸生成触媒であって、
ゼオライトを含んで構成され、
前記ゼオライトに対する、第4周期かつ10〜12族の元素の含有量が、0.1μmol/g以上、90μmol/g以下である、カルボン酸生成触媒。
[2]
前記元素の含有量が1μmol/g以上35μmol/g以下である、[1]に記載のカルボン酸生成触媒。
[3]
前記ゼオライトがMFI型のゼオライトである、[1]または[2]に記載のカルボン酸生成触媒。
[4]
[1]〜[3]のいずれかに記載のカルボン酸生成触媒の存在下で、炭素数が1または2の炭化水素と二酸化炭素とを含む原料を反応させる工程を含む、炭素数が3または4のカルボン酸の製造方法。
[5]
前記炭化水素がメタンである、[4]に記載のカルボン酸の製造方法。
[6]
反応温度が50℃以上、1000℃以下である、[4]または[5]に記載のカルボン酸の製造方法。
[7]
反応圧力が、大気圧以上、7.4MPa以下である、[4]〜[6]のいずれかに記載のカルボン酸の製造方法。
[8]
前記原料が水蒸気を含み、
原料中の水蒸気のモル分率が0.01以上、0.8以下である、[4]〜[7]のいずれかに記載のカルボン酸の製造方法。
[9]
前記カルボン酸生成触媒が存在する反応系内に、前記炭化水素を少なくとも含む気体xを導入する工程Xと、
前記反応系内に、前記二酸化炭素を少なくとも含む気体yを導入する工程Yと、を備え、
前記気体yにおける前記二酸化炭素のモル分率が、前記気体xにおける二酸化炭素のモル分率よりも高い、[4]〜[8]のいずれかに記載のカルボン酸の製造方法。
[10]
前記気体yに含まれる、水蒸気と二酸化炭素とのモル分率比が0.005以上、2.5以下である、[9]に記載のカルボン酸の製造方法。
本実施形態のカルボン酸生成触媒は、炭素数2以上のカルボン酸の生成に用いられる触媒であって、ゼオライトを含んで構成され、前記ゼオライトに対する、第4または第5周期かつ4〜14族の元素の含有量が、0.1μmol/g以上、90μmol/g以下であることを特徴とする。
ゼオライト触媒が亜鉛などの金属種をより多く含むほど、触媒上の活性点数は増加し、収率向上に有利となることが予想される。しかし、本発明者らは、特定の金属種を特定量で含むゼオライト触媒を用いることで、カルボン酸の収率が向上することを見出した。
発明者らは、この収率向上の機構が特定の理論に拘束されることを欲しないが、下記に記す理論を推測する。
ゼオライトに含まれる特定の金属種は、炭化水素や二酸化炭素の活性化に有効であり、特に、それぞれの分子中を構成する炭素の、触媒への吸着に対する活性点であることが推測される。一方、炭化水素と二酸化炭素との間に炭素‐炭素結合を形成するためには、炭化水素から水素の引き抜きが必要であるが、この水素の引き抜きには、ブレンステッド酸点が活性種として寄与する可能性が考えられる。加えて、二酸化炭素を原料としてカルボキシル基を形成するために、二酸化炭素を構成する酸素において水素との結合を形成することが必要であり、この二酸化炭素における酸素への水素の付加に、ブレンステッド酸点が活性点として寄与したことも考えられる。以上から、炭化水素の炭素と、二酸化炭素の炭素との結合形成を伴うカルボン酸形成には、ゼオライト中の特定の金属種とブレンステッド酸点が共に寄与することが考えられる。ゼオライトに対し、ケイ素、アルミニウム以外の、含まれる金属種量を増加させると、少なくとも一部はブレンステッド酸点とイオン交換を生じ、ブレンステッド酸点数が減少することが推測される。そのため、本発明で規定する特定の金属元素の種類および含有量とすることで、偶然にも金属種活性点とブレンステッド活性点との量がカルボン酸生成に適した量となったために、高いカルボン酸収率を示したことが考えられる。
本発明のカルボン酸生成触媒は、ゼオライトを含んで構成され、ゼオライトに対する、第4または第5周期かつ4〜14族の元素の含有量が、0.1μmol/g以上、90μmol/g以下である。
この触媒に含まれる、第4または第5周期かつ4〜14族の元素は、ゼオライト上に物理的、および/または化学的に結合している状態である。ゼオライトとの相互作用が大きくなる観点から、化学的に結合していることが好ましい。触媒に含まれる第4または第5周期かつ4〜14族の元素は、カルボン酸の生成において炭化水素の活性化、および二酸化炭素の活性化に有効な塩基点の形成に有利である観点から、正に帯電していることが好ましい。この第4または第5周期かつ4〜14族の元素は、これら元素の分散に有利である観点や、正に帯電するために有利である観点から、ゼオライトのブレンステッド酸点のサイトにイオン交換されて含まれていることが好ましい。
本発明にて示す触媒量とは、反応系に充填した触媒金属種と触媒担体との重量の和であり、反応系に触媒を固定する場合には、固定した反応系の重量を含めない。
流動床や移動床や疑似移動床を用いる際は、原料ガスの導入時間は、触媒の各ガス組成の滞留時間に相当する。
本発明の、炭素数2以上のカルボン酸の製造方法は、前記カルボン酸生成触媒の存在下で、炭素数が1以上5以下の炭化水素と二酸化炭素とを含む原料を反応させる工程を含む、製造方法である。
生成するカルボン酸の原料は、原子効率で有利である観点から、炭素数1以上5以下の炭化水素と、二酸化炭素とが主成分であることが好ましい。主成分とは、例えば、導入する気体(原料ガス)における前記炭化水素と前記二酸化炭素とのモル分率が0.8以上であることをさす。原料中の前記炭化水素と前記二酸化炭素とのモル分率は、0.9以上であることがより好ましく、0.95以上であることがさらに好ましく、0.99以上であることが最も好ましい。
前記炭化水素の炭素数は、炭素数が少ないほどゼオライト細孔中の拡散に有利である観点から、3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1が最も好ましい。不飽和結合が少ないほど、炭化水素同士の縮合を抑制できる観点から、飽和炭化水素が好ましい。具体的には、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、アセチレン、プロピン、ブチン、ペンチン、ブタジエン、ペンタジエン、およびこれらの異性体が好ましく、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレンがより好ましく、メタン、エタンがさらに好ましく、メタンが最も好ましい。原料の炭化水素について、複数種類の炭化水素の混合物とすることができ、天然ガスやシェールガスに比較的多く含まれる観点から、メタンとエタンを含むことが好ましい。
前記原料は、炭素数が1以上5以下の炭化水素や二酸化炭素以外の他成分を含んでも良い。前記他成分とは、例えば、水素、酸素、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、水蒸気等が挙げられる。中でも、二酸化炭素の過剰な還元反応の逆反応を促進する観点から、水蒸気を含むことが好ましい。
原料中の水蒸気のモル分率は、反応系内に導入する水蒸気量が少なくなると、液体の水から水蒸気とするまでに必要な潜熱を少なくできる観点から、0.8以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.36以下がさらに好ましく、0.28以下が最も好ましい。また、触媒上に強く吸着した生成カルボン酸の脱離を促進する観点、および、CO2と解離水素との反応によるCOと水の生成反応の逆反応を促進することにより、CO2からのCOOH基の生成効率を向上させる観点から、水蒸気のモル分率は0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.12以上がさらに好ましく、0.2以上が最も好ましい。
水蒸気と二酸化炭素とのモル分率比(水蒸気/二酸化炭素)は、水蒸気を導入する効果を大きくする観点から、0.005以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、0.5以上が最も好ましい。二酸化炭素の分圧を大きくするほど、二酸化炭素の活性化に有利である観点から、モル分率比は、2.5以下が好ましく、2.1以下がより好ましく、1.6以下がさらに好ましく、1.0以下が最も好ましい。
原料の導入は気体状態で導入することが、装置の簡便さの観点から好ましい。
さらに、原料炭化水素の蒸気圧が前記圧力よりも低い場合は、炭化水素の蒸気圧以下で導入することが好ましい。
なお、本明細書に記載されている圧力は、大気圧との相対圧力(ゲージ圧)を示している。
本発明の工程Xでは、前記カルボン酸生成触媒が存在する反応系内に、炭素数が1以上、5以下である炭化水素を少なくとも含む気体xを導入する。気体xにおいて、炭化水素のモル分率は0.1以上、1以下である。
工程Xで反応系に導入する気体xは、炭化水素、および、炭化水素以外の気体によって構成される。
気体xにおいて、炭化水素のモル分率が、0.1以上、1以下である。モル分率は、炭化水素の分圧を高くするほど触媒への吸着に有利である観点から、0.4以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。また、モル分率は炭化水素の精製コストの観点から、0.999以下が好ましく、0.990以下がより好ましく、0.950以下がさらに好ましい。
工程Yでは、前記反応系内に二酸化炭素を少なくとも含む気体yを導入する。前記気体yにおける前記二酸化炭素のモル分率が、前記気体xにおける二酸化炭素のモル分率よりも高いことが好ましい。
気体yにおいて、二酸化炭素のモル分率が0.1以上、0.995以下であることが好ましい。
工程Yで反応系に導入する気体yは、二酸化炭素、および二酸化炭素以外の気体によって構成される。
気体yにおいて、二酸化炭素のモル分率が、0.1以上、1以下である。二酸化炭素のモル分率は、分圧を高くするほど、触媒への吸着に有利である観点から、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上がさらに好ましい。また、精製コストの観点から、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下がさらに好ましい。
また、原料導入の非定常操作による、触媒への基質の吸脱着を促進する観点から、気体yにおける二酸化炭素のモル分率は、気体xにおける二酸化炭素のモル分率よりも高いことが好ましい。
二酸化炭素以外の気体とは、例えば、メタンなどの炭化水素、水素、酸素、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、等が挙げられる。
気体yにおいて、水蒸気のモル分率は、反応系内に導入する水蒸気量が少なくなると、液体の水から水蒸気とするまでに必要な潜熱を少なくできる観点や、水蒸気を過剰に導入しないことによりCO2の分圧低下を少なくでき、原料のCO2を効率的に反応に利用できる観点から、0.8以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.36以下がさらに好ましく、0.28以下が最も好ましい。また、触媒上に強く吸着した生成カルボン酸の脱離を促進する観点、CO2と解離水素との反応によるCOと水の生成反応の逆反応を促進することにより、CO2からのCOOH基の生成効率を向上させる観点から、水蒸気のモル分率は0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.12以上がさらに好ましく、0.2以上が最も好ましい。
導入する水素量が少ないほど、触媒上の活性種および生成有機酸の脱水素を伴う縮合を生じやすくなるため、より高炭素数からなる、または複数のカルボキシル基を有する有機酸の生成に有利になる。より高炭素数、または複数のカルボキシル基を有する有機酸とは、具体的には酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸などが挙げられる。
さらに本実施形態では、工程Xと工程Y以外に、一つまたは複数の工程を有機酸の製造工程に加えることができ、その順番は制限しない。工程Xと工程Yおよびそれ以外の工程は、有機酸の製造工程にて周期的または周期的ではなく、繰り返すことができる。工程X及び工程Y以外の工程とは、例えば、触媒再生のために行う酸化または還元処理などが挙げられる。
工程X、工程Y、およびそれ以外の工程間において、前記温度および/または圧力が異なるとは、流動床、移動床や、疑似移動床など、触媒が反応系内を移動する反応形態において、反応系内に定常的に気体x、気体yなどの各気体の成分組成となり、かつ、温度および/または圧力が異なる領域が存在し、触媒が所定の時間その領域に滞留することによって、前記各工程を実施することができる。
ゼオライトに含まれるアルミとケイ素との比率(Al/Si)は、以下に示すように、ゼオライトに含まれるケイ素の量とアルミの量とを評価し、評価したアルミ量からケイ素量を除算することで算出した。ケイ素の量は、波長分散型の検出器を設置した蛍光X線分析装置を用いて評価した。アルミの量は、ゼオライト20mgに対し、塩酸と硫酸とイオン交換水の容量がそれぞれ、HCl:0.6mL、H2SO4:3mL、H2O=95mLで含む溶液を、マイクロウェーブオーブンにて240℃で1時間処理し、処理後の溶液を濾過することで得た溶液をICPにて測定することで、算出した。
ゼオライト触媒中に含まれる第4または第5周期かつ4〜14族元素の量は、触媒20mgに対し、塩酸と硫酸とイオン交換水の容量がそれぞれ、HCl:0.6mL、H2SO4:3mL、H2O=95mLで含む溶液を、マイクロウェーブオーブンにて240℃で1時間処理し、処理後の溶液を濾過することで得た溶液をICPにて測定することで、算出した。
[装置]
SPS3520UV−DD(SII社製)
[測定条件]
キャリアガス:Ar(流量:0.3L/min)
高周波パワー:1.2kW
測光高さ:12mm
なお、各成分のモル分率、生成速度及び生成活性は、つぎのようにして測定した。
[装置]
システムコントローラー:CBM−20A(島津製作所製)
送液ポンプ:LC−20AD(島津製作所製)
電気伝導度検出器:CDD−10Avp(島津製作所製)
[カラム]
Shim−pack SCR−102H(島津製作所製)
[移動相]
5mmol/L p−トルエンスルホン酸
[反応液] 5mmol/L p−トルエンスルホン酸
+ 100μmol/L EDTA + 20mmol/L Bis−Tris
[測定条件]
カラム温度40℃、送液速度0.8mL/min
本明細書に記載の水素、二酸化炭素、炭化水素、およびその他成分のモル分率は、以下の式で示すものである。
[気体のモル分率総量]=[炭化水素のモル分率]+[二酸化炭素のモル分率]+[水蒸気のモル分率]+[他成分のモル分率]=1
また、モル分率をガスクロマトグラフィーで評価する際は、水蒸気/二酸化炭素比については、アルゴンまたはヘリウムをキャリアガスとし熱伝導度検出器を用い、炭化水素については、ヘリウムをキャリアガスとし熱伝導度検出器または水素炎イオン化検出器のガスクロマトグラフィーを用いた。カラムは、水蒸気/二酸化炭素比については水を強く吸着しすぎないカラム(例えば、CP−Sil5、ジーエルサイエンス社製)を用い、炭化水素については、ジメチルシロキサンのみを充填した無極性型のもの、またはジメチルシロキサンとジフェニルシロキサンの混合組成などの極性型のものなど、適宜、対象炭化水素を分離できるものを用いた。
本実施例、および比較例において、各有機酸の生成量は、反応器下流に設置した水トラップ液、および、反応管下流を蒸留水で洗浄した洗浄液を、前記液クロマトグラフィーで評価し、水トラップ液中の有機酸と洗浄液中の有機酸との和を生成量とした。
触媒には、液相イオン交換法によりイオン交換したゼオライトを用いた。Al/Si=24のプロトン型ZSM−5(H−ZSM−5)50gを、0.8Mの硝酸亜鉛水溶液60mLに懸濁させ、20℃で1時間撹拌を行った。この懸濁液を吸引濾過し、300mLの蒸留水で洗浄した。得られた粉末を400℃で6時間焼成を施し、乳鉢で粉砕することで粉末触媒を得た。この粉末中のZn含有量は、20μmol/gであった。この粉末触媒を20MPaの圧力をかけることでペレットとし、これを粉砕後、0.25〜0.50mmに分級した粒状触媒を用いて反応を行った。
反応開始前に、窒素気流下で400℃、1時間加熱する前処理を触媒に施した。触媒反応時には、反応管に導入する気体はマスフローコントローラーにより制御し、CH4 (気体x)を1分間流通させた(工程X)。その後に、プランジャーポンプにてCO2に水を導入し、加熱することで生成した、CO2と水蒸気との混合気体(気体y)を1分間導入した(工程Y)。工程Xと、それに続く工程Yとの操作を繰り返し、総時間1時間の反応を行った。ガス流量は、CH4: 200mL/min、CO2:200 mL/min、水蒸気:74mL/minとし、温度は300℃、3.5MPaの加圧条件にて反応を実施した。
実施例1に記載のイオン交換処理、および焼成処理を3回繰り返した触媒を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行った。この粉末中のZn含有量は、37μmol/gであった。生成したカルボン酸量を表1に示す。
実施例1に記載のイオン交換処理において、0.8Mの硝酸亜鉛水溶液を0.8Mの硝酸ニッケル水溶液とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。この粉末中のNi含有量は、4μmol/gであった。生成したカルボン酸量を表1に示す。
実施例2に記載のイオン交換処理において、0.8Mの硝酸亜鉛水溶液を0.8Mの硝酸ニッケル水溶液とした以外は、実施例2と同様に反応を行った。この粉末中のNi含有量は、10μmol/gであった。生成したカルボン酸量を表1に示す。
実施例1に記載の粉末触媒において、イオン交換処理を施していない同じH−ZSM−5を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行った。生成したカルボン酸量を表1に示す。
実施例1に記載の粉末触媒において、0.8Mの塩化白金酸水溶液を、実施例1と同じH−ZSM−5に、エバポレータ―で50℃で蒸発乾固することで担持した触媒を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行った。この粉末中のPt含有量は、7500μmol/gであった。生成したカルボン酸量を表1に示す。
これは、第4または第5周期かつ4〜14族元素を含有することで、該金属種元素が活性点として、カルボン酸生成に寄与していることがわかる。
Claims (10)
- 炭素数が1または2の炭化水素と二酸化炭素とを原料とする、炭素数が3または4のカルボン酸の生成に用いられるカルボン酸生成触媒であって、
ゼオライトを含んで構成され、
前記ゼオライトに対する、第4周期かつ10〜12族の元素の含有量が、0.1μmol/g以上、90μmol/g以下である、カルボン酸生成触媒。 - 前記元素の含有量が1μmol/g以上35μmol/g以下である、請求項1に記載のカルボン酸生成触媒。
- 前記ゼオライトがMFI型のゼオライトである、請求項1または2に記載のカルボン酸生成触媒。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のカルボン酸生成触媒の存在下で、炭素数が1または2の炭化水素と二酸化炭素とを含む原料を反応させる工程を含む、炭素数が3または4のカルボン酸の製造方法。
- 前記炭化水素がメタンである、請求項4に記載のカルボン酸の製造方法。
- 反応温度が50℃以上、1000℃以下である、請求項4または5に記載のカルボン酸の製造方法。
- 反応圧力が、大気圧以上、7.4MPa以下である、請求項4〜6のいずれか一項に記載のカルボン酸の製造方法。
- 前記原料が水蒸気を含み、
原料中の水蒸気のモル分率が0.01以上、0.8以下である、請求項4〜7のいずれか一項に記載のカルボン酸の製造方法。 - 前記カルボン酸生成触媒が存在する反応系内に、前記炭化水素を少なくとも含む気体xを導入する工程Xと、
前記反応系内に、前記二酸化炭素を少なくとも含む気体yを導入する工程Yと、を備え、
前記気体yにおける前記二酸化炭素のモル分率が、前記気体xにおける二酸化炭素のモル分率よりも高い、請求項4〜8のいずれか一項に記載のカルボン酸の製造方法。 - 前記気体yに含まれる、水蒸気と二酸化炭素とのモル分率比が0.005以上、2.5以下である、請求項9に記載のカルボン酸の製造方法。
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