JP6268110B2 - 炭化水素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化水素の製造方法に関する。
近年、石油の価格高騰や枯渇が懸念されるために、石油に代わる、炭素化合物を原料とした化学製品の製造方法の開発が求められている。特に、その原料の候補として、天然ガスやシェールガスに多く含まれるメタンやエタンが注目されている。メタンを原料の一つとした化学品の合成方法に、メタンと不飽和炭化水素とを原料とし、原料である不飽和炭化水素よりも炭素数の大きな炭化水素(以下、このような炭化水素を増炭炭化水素と記す。)の製造方法が検討されている。増炭炭化水素の製造方法の一つに、メタンとエチレンからのプロピレン合成(式a)があり、この反応はΔG=45kJ/molの吸熱反応である。
CH + C → C + H (式a)
非特許文献1では、担体にコバルトやルテニウム金属種を担持した触媒を用いた増炭炭化水素の合成方法について、原料の導入条件を非定常にする条件を検討している。この非定常な条件とは、第一に、450℃でのヘリウム希釈0.5%メタンガスによるメタン導入を90秒以上行い、第二に、100秒程度要する450℃から150℃以下への反応器の温度変化を伴う不活性ガス導入工程、第三に、150℃以下での不飽和炭化水素導入工程、第四に、150℃以下での水素導入工程を行い、最後に、水素導入を継続した状態で20分以上かけ550℃まで変化させる操作、を繰り返す条件であった。
J.Am.Chem.Soc.1992,114,7272.
しかしながら、式aに示すような増炭炭化水素の生成反応には大きな熱量が必要であり、かつ、標準生成エントロピー差は負であるため、熱力学的な制約が大きく、定常条件で収率を高く増炭炭化水素を製造することは難しい。
一方、非特許文献1では、コバルトやルテニウムからなる触媒を用い、系内に導入する気体を切り替える非定常な条件で反応を行っている。しかしながら、非特許文献1で検討されている増炭炭化水素の合成条件では、導入するメタンの濃度が低い。反応器に原料を同じ量導入させるためには、より多くの気体を流通させる必要があるため、短時間で効率的に反応させる観点から、導入する原料気体の濃度はより高いことが望ましい。また、前記第3の不飽和炭化水素工程から次のメタン導入工程までに20分以上を要するため、総反応に所要する時間の短縮と、導入する総気体量を少なくできる観点から、飽和炭化水素の導入工程と不飽和炭化水素の導入工程との間の時間を短縮することが望ましい。
本発明は、上述した従来の実情に鑑みてなされたものであり、飽和炭化水素と不飽和炭化水素とを原料とし、特定の触媒を用いた増炭炭化水素の製造について、増炭炭化水素の収率向上に効果的であり、かつ総反応時間を短くすることができる、炭化水素の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の触媒を用いた下、特定の反応条件とすることで、飽和炭化水素と不飽和炭化水素とを原料とする増炭炭化水素がより収率高く製造でき、かつ総反応時間を短くすることができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は下記の通りのものである。
[1]
メタンである飽和炭化水素aと、エチレン、またはプロピレンである不飽和炭化水素bとを原料として炭化水素cを合成する、炭化水素の製造方法であって、
流通系の触媒が存在する反応系内に、モル分率が0.8以上、1以下である飽和炭化水素aを含む気体xを導入する工程Aと、
前記反応系内に、モル分率が0.8以上、1以下である不飽和炭化水素bを含む気体yを導入する工程Bと、を少なくとも備え、
前記気体x中の前記飽和炭化水素aのモル分率をa(x)、前記気体y中の前記飽和炭化水素aのモル分率をa(y)としたとき、該飽和炭化水素aのモル分率は下記式(1)を満たし、
a(x)≧a(y)+0.1 式(1)
前記工程A及び前記工程Bにおける気体導入時間が、それぞれ1秒以上、5分以下であり、かつ、前記工程Aと前記工程Bとの間の時間が、0秒以上、10分以下であり、
前記触媒が、周期表の第4周期又は第5周期、かつ、5〜12属の元素を少なくとも一つ含み、
炭化水素cがプロパン、プロピレン、ブタンのいずれかであることを特徴とする、炭化水素の製造方法。
[2]
前記工程A又は前記工程Bにおいて、さらに水素を導入し、
導入する水素のモル比が、前記工程A又は前記工程Bにおいて導入する飽和炭化水素aと不飽和炭化水素bの和に対し100以下である、[1]に記載の炭化水素の製造方法。
[3]
前記触媒が不均一系触媒である、[1]又は[2]のいずれかに記載の炭化水素の製造方法。
[4]
前記触媒を構成する元素が、Mo、Cr、Ni、Co、Fe、Mn、Cu、Znの少なくとも一つの元素を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の炭化水素の製造方法。
[5]
前記工程Aの後に工程Bを備え、かつ、各工程をそれぞれ2回以上備える、[1]〜[4]のいずれかに記載の炭化水素の製造方法。
[6]
前記工程A及び工程Bに所要する時間が、それぞれ3秒以上、80秒以下である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の炭化水素の製造方法。
[7]
前記工程Aと工程Bとの間の時間が、0秒以上、90秒以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の炭化水素の製造方法。
[8]
前記工程Aと工程Bの反応温度の差が250℃以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の炭化水素の製造方法。
本発明によれば、飽和炭化水素と不飽和炭化水素とを原料とし、特定の触媒を用いた増炭炭化水素の製造方法において、より収率高く製造でき、かつ総反応時間を短くすることができる炭化水素の製造方法を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に述べる。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
メタンである飽和炭化水素aと、エチレン、またはプロピレンである不飽和炭化水素bとを原料として炭化水素cを合成する、炭化水素の製造方法であって、
触媒が存在する流通系の反応系内に、モル分率が0.1以上、1以下である飽和炭化水素aを含む気体xを導入する工程Aと、
前記反応系内に、モル分率が0.1以上、1以下である不飽和炭化水素bを含む気体yを導入する工程Bと、を少なくとも備え、
前記気体x中の前記飽和炭化水素aのモル分率をa(x)、前記気体y中の前記飽和炭化水素aのモル分率をa(y)としたとき、該飽和炭化水素aのモル分率は下記式(1)を満たし、
a(x)≧a(y)+0.1 式(1)
前記工程A及び前記工程Bにおける気体導入時間が、それぞれ1秒以上、5分以下であり、かつ、前記工程Aと前記工程Bとの間の時間が、0秒以上、10分以下であり、
前記触媒が、周期表の第4周期又は第5周期、かつ、5〜12属の元素を少なくとも一つ含み、
炭化水素cがプロパン、プロピレン、ブタンのいずれかであることを特徴とする。
本実施形態の方法では、特定の触媒を用いた下、特定の反応条件とすることで、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素bとを原料として、増炭炭化水素cをより収率高く製造でき、かつ総反応時間を短くできる。
発明者は、この製造方法による増炭炭化水素収率が向上する原理を、特段の理論に拘束されることを欲しないが、ここでは、原料の飽和炭化水素aをメタン、不飽和炭化水素bをエチレンとしたときを例として挙げて説明する。
工程Aにおいてメタン活性時に生じる脱水素(式b)により、水素を気相に抜出することで、触媒上のメタン活性種の被覆率を、定常的にメタンとエチレンとを原料として導入した時よりも向上させることができる。そのため、メタン活性種とエチレンとの反応確率を向上することができ、結果として増炭炭化水素の収率を向上することができた、と推測される。特に、例えばメタンとエチレンとのプロピレン合成(式a)の際には、プロピレン生成と共に水素の生成を伴うために、工程Aによりメタンからの脱水素を進行させることにより、生成物側に平衡シフトが生じたために収率が向上したと、推測される。
特定の触媒を使用時に本発明の効果を発現する原理については、水素と金属との結合エネルギーが比較的小さい触媒を用いたことにより、触媒上の解離水素の吸着力が弱く、飽和炭化水素からの脱水素(式b)に有利になったために、原料導入の切替操作による効果が顕著になった、と推測される。
CH → CH4−x + x/2 H (式b)
(飽和炭化水素a)
飽和炭化水素aは、炭化水素cの原料であり、不飽和炭化水素bや、不飽和炭化水素bの縮合物と反応することなどにより、炭化水素cを生成する。
飽和炭化水素aの炭素数は、1以上、6以下である。飽和炭化水素aは、触媒上で活性化の際、炭素数が少ないほど、触媒上での炭化水素吸着のための立体障害が小さくなる観点から、飽和炭化水素aの炭素数は、好ましくは1以上、3以下であり、さらに天然ガスなどの成分である観点から、より好ましくは1以上、2以下であり、最も好ましくは1である。
このような飽和炭化水素aとして、具体的には、メタンである。前述したように触媒への吸着時の立体障害を低減する観点から、メタンが最も好ましい。
飽和炭化水素aは同一種類のものが単独で用いられてもよいし、または、異なる複数種類のものを混合して用いられてもよい。飽和炭化水素aが、異なる複数種類のものを混合して用いられる場合、例えば、天然ガスやシェールガスを原料ガスとして利用する際には、この主な成分を原料とすることが好ましい観点から、飽和炭化水素aをメタンおよびエタンとすることが好ましい。単一種類の飽和炭化水素を用いることが、原料の分圧を高くできる観点から最も好ましく、例えば、メタンを単独で用いることが好ましい。
(不飽和炭化水素b)
不飽和炭化水素bは、炭化水素cの原料であり、飽和炭化水素aと反応することなどにより、炭化水素cを生成する。
本発明において、不飽和炭化水素bは、2以上、以下である。触媒上で活性化する際に、炭素数が少ないほど、触媒上での炭化水素吸着のための立体障害が小さくなる観点から、最も好ましくは2以上、3以下である。
本実施形態の不飽和炭化水素bとしては、触媒への吸着が容易である観点から、アルケンが最も好ましい。
本実施形態の不飽和炭化水素bとして、より具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、及びこれらの異性体などが挙げられる。触媒への吸着時の立体障害を低減する観点から、不飽和炭化水素bは、エチレンであることが好まし
不飽和炭化水素bは、同一種類のものが単独で用いられてもよいし、または、異なる複数種類のものを混合して用いられてもよい。不飽和炭化水素bが、異なる複数種類のものを混合して用いられる場合、例えば、ナフサ分解によるガスを利用する際には、この主な成分を原料とすることが好ましい観点から、飽和炭化水素aをエチレンまたはプロピレンとすることが好ましい。単一種類の不飽和炭化水素を用いることが、原料の分圧を高くできる観点から最も好ましく、例えば、エチレンやプロピレンを単独で用いることが好ましい。
(炭化水素c)
炭化水素cは、飽和炭化水素aと不飽和炭化水素bとの反応により生成する。
飽和炭化水素aと不飽和炭化水素bとの反応機構の一つに、飽和炭化水素aが触媒に吸着することで脱水素した炭化水素活性種と、不飽和炭化水素bとが反応して炭化水素cを生成することが考えられる。
炭化水素cの炭素数は、飽和炭化水素aの炭素数をn、不飽和炭化水素bの炭素数をmとしたとき、(n+m)以上、(2n+4m)以下である。原料の衝突確率の観点から、炭化水素cの炭素数は(n+m)以上、(2n+2m)以下が好ましく、(n+m)以上、(n+2m)以下がより好ましく、(n+m)が最も好ましい。
また、炭化水素cは、飽和炭化水素または不飽和炭化水素であることが好ましい。反応性が高い炭化水素の方が、化学品として有利である観点から、炭化水素cは不飽和炭化水素であることが好ましく、アルケンであることが最も好ましい。
本実施形態の炭化水素cとして、具体的には、例えば、プロパン、プロピレン、ブタン及びこれらの異性体などが挙げられる。飽和炭化水素aおよび不飽和炭化水素bの炭素数が少ない方が、触媒への吸着の際の立体障害が少ない観点から、炭化水素cは、プロパン、プロピレン、およびこれらの異性体であることが好ましく、プロピレンがより好ましい。
(触媒)
本発明において用いられる触媒とは、均一系触媒、不均一系触媒、均一系触媒を担体または不均一系触媒に固定したもの等を指す。触媒と生成物との分離が容易である観点から、好ましくは不均一系触媒である。不均一系触媒とは、具体的には、金属触媒、金属酸化物などの金属化合物触媒、金属または金属化合物を担体に担持またはイオン交換した触媒、金属錯体などであり、好ましくは担体に金属化合物を担持した触媒が好ましい。
触媒を構成する元素は、新IUPAC表記で第4周期または第5周期、かつ、5〜12族の元素までの元素の、少なくとも一つを含む。第4周期または第5周期、かつ、5〜12族の元素までの元素は、第5周期以降の元素に比べ、比較的安価で豊富であり、飽和炭化水素からの水素分子の生成活性に優れる観点から好ましい。d電子数が多い方がd電子を反応に寄与しやすくなる観点から、6族〜12族がより好ましく、8族〜12族がさらに好ましく、さらに資源の豊富さの観点、および人体への毒性の観点から、8族から10族が最も好ましい。質量数が小さな方が、同じ質量でより多くの原子を含むことができる観点や、水素‐金属の結合エネルギーが小さい方が、飽和炭化水素からの水素分子の生成活性に有利である観点から、第4周期の元素を含むことが好ましい。触媒を構成する元素は、一種類または複数の元素で構成することが出来る。触媒を構成する元素は、例えば、Mo、Cr、Ni、Pd、Co、Rh、Fe、Ru、Mn、Cu、Agなどが挙げられる。質量数が小さな方が、同じ質量でより多くの原子を含むことができる観点や、水素‐金属の結合エネルギーが小さい方が飽和炭化水素からの脱水素に有利である観点から、触媒を構成する元素は、Mo、Cr、Ni、Co、Fe、Mn、Cu、Znが好ましい。さらに、d電子数が多い方が、d電子が反応に寄与しやすくなる観点から、Ni、Co、Fe、Cu、Znが好ましく、さらに、資源の豊富さの観点から、Ni、Co、Feが好ましい。
金属種の化学状態としては、金属に限らず、化合物、錯体などでも構わない。吸着基質への電子供与に寄与する電荷密度が高い材料である程、不飽和炭化水素の活性化に有利であるため、金属状態であることが好ましい。
担体に金属化合物を担持した触媒について説明する。担体としては、単一金属酸化物または単一金属酸化物に異種金属種をドープしたもの、スピネル型、ペロブスカイト型などの二種以上の金属元素からなる複合金属酸化物、ゼオライト、活性炭などを使用できる。金属化合物としては、具体的には、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化マグネシウムが挙げられる。
触媒には、助剤としてリン含有化合物、ホウ素含有化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などを添加できる。
触媒の調製方法は、含浸法などの様な、担体に金属種を担持させる方法、固相反応によるもの、フラックス法、水熱合成法、触媒の原料を含有する溶液のpHを変化させることや化合物を形成するイオンを添加することなどによって触媒またはその前駆体を析出させる共沈法や均一沈殿法、化学気相成長法、物理気相成長法などが挙げられる。
触媒は、反応器に存在する。具体的には、触媒は、固定床、流動床、スラリー床、移動床、または疑似移動床として反応器に充填されている。反応器には一種類の触媒を充填してもよく、また、活性の異なる複数種類の触媒または不活性な無機物を混合した触媒混合物を触媒として用いてもよい。活性の異なる触媒および上記触媒混合物を反応器入口から出口に向けて段階的に設置してもよい。
<工程A>
本発明の工程Aでは、触媒が存在する反応系内に、モル分率が0.1以上、1以下の飽和炭化水素aを含む気体xを導入する。工程Aにて導入された飽和炭化水素aは、反応系内の触媒と反応して、炭化水素脱水素種と、解離水素および/または水素分子を生成することなどが推測される。
気体xにおいて、飽和炭化水素aのモル分率は、0.1以上、1以下である。前記飽和炭化水素aのモル分率が0.1より小さくなると、同量の飽和炭化水素aを導入するために、より多くの気体を導入しなくてはならないために不利となる。炭化水素の分圧を高くするほど触媒への吸着に有利である観点から、モル分率は、0.4以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。また、モル分率は炭化水素の精製コストの観点から、0.99以下が好ましく、0.95以下がより好ましく、0.90以下がさらに好ましい。
本発明における、気体xでの飽和炭化水素aのモル分率と、気体yでの飽和炭化水素aのモル分率との差は、気体xが気体yよりも0.1以上大きい。すなわち、気体x中の飽和炭化水素aのモル分率をa(x)とし、気体y中の飽和炭化水素aのモル分率をa(y)としたときに、下記式を満たす。
a(x)≧a(y)+0.1 式(1)
気体xと気体yとでの飽和炭化水素aのモル分率の差が大きい方が、工程Aと工程Bとの切り替えの効果が大きくなる観点から、a(x)は、a(y)よりも0.2以上大きいことが好ましく、0.4以上大きいことがより好ましく、0.6以上大きいことがさらに好ましく、0.8以上大きいことが最も好ましい。
気体xは、飽和炭化水素a以外の気体を含むことができる。飽和炭化水素a以外の気体とは、例えば、不飽和炭化水素bなどの炭化水素、二酸化炭素、水素、水蒸気、酸素、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、等が挙げられる。中でも触媒の劣化を防ぐ観点から、水素が好ましい。気体に酸素を含む場合には、爆発限界以下の濃度とすることが好ましい。また、工程の簡便さの観点から、気体x中の、炭化水素以外の気体のモル分率は、0.5以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.05以下であることがさらに好ましい。
特に、触媒上での脱水素による炭化水素活性種の生成の逆反応を抑制する観点から、水素のモル分率は、0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましく、0.05以下がさらに好ましく、0.01以下が最も好ましい。
気体xは、その製造過程や産出過程、および反応器までの導入過程は限定せず、石油を精製して生じたガス、天然ガス、工場からの排ガス、大気中または地層より回収したガス、例えばシェールガスなども使用できる。
工程Aにおいて、気体xの導入時間は、1秒以上、5分以下である。1秒よりも導入時間を短くすると、工程B以外の工程により反応器内に存在する気体を入れ換えるために、比較的大流量の気体を導入しなくてはならない観点から、1秒以上が必要である。触媒上の炭化水素由来の活性種の被覆率を向上させる観点から、3秒以上が好ましく、5秒以上が好ましく、より好ましくは20秒以上、さらに好ましくは40秒以上である。また、触媒上の飽和炭化水素aへの活性種の被覆率が十分になった後に、さらに飽和炭化水素aを過剰な時間導入すると、飽和炭化水素aは未反応のまま流通し、収率が低下する観点から、3分以下が好ましく、80秒以下がより好ましく、60秒以下がさらに好ましい。
工程Aにおいて、導入する気体xの総容積流量は、反応系に充填された触媒量1g当たり0.0001〜10000000L/hが好ましく、より好ましくは0.001〜1000000 L/h、さらに好ましくは0.01〜100000 L/hである。
工程Aにおいて、反応温度は、50℃以上、1000℃以下が好ましい。さらに、反応速度の観点から80℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、190℃以上がさらに好ましい。また、触媒の焼結などによる収率低下を防ぐ観点から、790℃以下が好ましく、590℃以下がより好ましく、340℃以下がさらに好ましい。ここで、反応温度とは、反応系内の温度のことを指す。
工程Aにおいて、反応系内の圧力は大気圧以上、30MPa以下である。圧力が低いほど、加圧のために要するエネルギーは少なくなる観点から、20MPa以下が好ましく、10MPa以下がより好ましく、5MPa以下が最も好ましい。ここで、本明細書に記載されている圧力は、大気圧との相対圧力(ゲージ圧)を示している。
<工程B>
本発明の工程Bでは、触媒が存在する反応系内に、モル分率が0.1以上、1以下の不飽和炭化水素bを含む気体yを導入する。工程Bにて導入された不飽和炭化水素bは、触媒上に生成している飽和炭化水素aの脱水素種と反応し、炭化水素cを生成することなどが推測される。
工程Bにおいて、不飽和炭化水素bのモル分率は、0.1以上、1以下である。前記不飽和炭化水素bのモル分率が0.1より小さくなると、同量の不飽和炭化水素bを導入するために、より多くの気体を導入しなくてはならないために不利となる。炭化水素の分圧を高くするほど触媒への吸着に有利である観点から、モル分率は、0.4以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。また、炭化水素の精製コストの観点から、モル分率は0.99以下が好ましく、0.95以下がより好ましく、0.90以下がさらに好ましい。
気体yは、不飽和炭化水素b以外の気体を含むことができる。不飽和炭化水素b以外の気体とは、例えば、飽和炭化水素aなどの炭化水素、二酸化炭素、水素、水蒸気、酸素、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、等が挙げられる。中でも触媒の劣化を防ぐ観点から、水素が好ましい。気体に酸素を含む場合には、爆発限界以下の濃度とすることが好ましい。また、工程の簡便さの観点から、気体x中の、炭化水素以外の気体のモル分率は、0.5以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.05以下であることがさらに好ましい。
特に、水素のモル分率は、触媒上での脱水素による炭化水素活性種の生成の逆反応を抑制する観点から、0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましく、0.05以下がさらに好ましく、0.01以下が最も好ましい。
気体yは、その製造過程や産出過程、および反応器までの導入過程は限定せず、石油を精製して生じたガス、天然ガス、工場からの排ガス、大気中または地層より回収したガス、例えばシェールガスなども使用できる。
工程Bにおいて、気体yの導入時間は、1秒以上、5分以下である。1秒よりも導入時間を短くすると、工程B以外の工程により反応器内に存在する気体を入れ換えるために、比較的大流量の気体を導入しなくてはならない観点から、1秒以上が必要である。触媒上の炭化水素由来の活性種の被覆率を向上させる観点から、3秒以上が好ましく、5秒以上が好ましく、より好ましくは20秒以上、さらに好ましくは40秒以上である。また、工程Aにて導入した不飽和炭化水素bと、触媒上の飽和炭化水素aとが、十分に反応した後に、さらに不飽和炭化水素bを過剰な時間導入すると、不飽和炭化水素bは未反応のまま流通し、収率が低下する観点から、80秒以下が好ましく、60秒以下がより好ましく、30秒以下がさらに好ましく、10秒以下が最も好ましい。
工程Bにおいて、導入する気体xの総容積流量は、反応系に充填された触媒量1g当たり0.0001〜10000000L/hが好ましく、より好ましくは0.001〜1000000 L/h、さらに好ましくは0.01〜100000 L/hである。
工程Bにおいて、反応温度は、50℃以上、1000℃以下が好ましい。反応速度の観点から80℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、190℃以上がさらに好ましい。また、触媒の焼結などによる収率低下を防ぐ観点から、790℃以下が好ましく、590℃以下がより好ましく、340℃以下がさらに好ましい。ここで、反応温度とは、反応系内の温度のことを指す。
工程Bにおいて、反応系内の圧力は、大気圧以上、30MPa以下である。圧力が低いほど、加圧のために要するエネルギーは少なくなる観点から、20MPa以下が好ましく、10MPa以下がより好ましく、5MPa以下が最も好ましい。ここで、本明細書に記載されている圧力は、大気圧との相対圧力(ゲージ圧)を示している。
<炭化水素cの製造方法>
本実施形態における工程A及び工程Bは、どちらが先でも構わない。本実施形態では、触媒上に生成させた飽和炭化水素a由来の活性種に、不飽和炭化水素bを反応させることが好ましいために、先に工程Aを行い、その後に工程Bを行うことが好ましい。
また、総反応時間の短縮、および触媒上に生成した活性種を失活させずに反応に利用できる観点から、工程Aと工程Bとを交互に繰り返し行うことが好ましく、各工程を2回以上繰り返すことが好ましい。工程Aと工程Bとの切り換えによる効果を大きくする観点から、工程A及び工程Bの繰り返し回数は3回以上が好ましく、5回以上がより好ましく、10回以上がさらに好ましく、20回以上が最も好ましい。
本実施形態では、工程Aと工程B以外に、一つまたは複数の工程を炭化水素cの製造工程に加えることができ、その順番は制限しない。工程Aと工程Bおよびそれ以外の工程は、炭化水素の製造工程にて、周期的または周期的ではなく、繰り返すことができる。工程A及び工程B以外の工程とは、例えば、反応器中の気体置換のための不活性ガスの導入や、触媒再生のために行う酸化または還元処理などが挙げられる。
本実施形態において、前記工程Aと工程Bとの間の時間は、0秒以上、10分以下である。10分を超えると、総工程の時間が大幅に増加してしまう。総反応時間を短くする方が、炭化水素cの製造効率に有利である観点から、5分以下が好ましく、80秒以下がより好ましく、40秒以下がさらに好ましく、20秒以下が最も好ましい。
工程A及び工程Bにおいて、反応温度、反応圧力、所要時間は同一である必要はなく、本明細書記載の所定の範囲内でそれぞれ異なる条件とすることができる。
工程Aと工程Bとの反応温度の差は、反応装置の簡便さ、および加熱と冷却に所要する時間を少なくする観点から、250℃以下であることが好ましい。反応温度の差は、150℃以下であることがより好ましく、50℃以下であることがさらに好ましい。
工程Aと工程Bとの切り替えは、反応器の上流から反応器への導入ガスを切り替えることや、原料ガスの濃度分布がある反応器中で触媒を移動させることなどで実施でき、この際、工程Aおよび工程Bは、所定のガス濃度における触媒の滞留時間に相当する。具体的には、固定床や移動床反応器への導入ガスの切り替えや、原料ガスの濃度分布がある反応器中での流動床や移動床などである。
水素は、原料の炭化水素に対し高エネルギーを有する物質であり、炭化水素c製造のためのエネルギー効率の観点から、工程A及び工程B、並びに工程Aと工程B以外の工程を合わせた総工程にて導入する水素量は、前記総工程にて導入する飽和炭化水素aと不飽和炭化水素bとの和に対し、100以下であることが好ましく、10以下がより好ましく、1以下がさらに気好ましく、0.1以下が最も好ましい。ここで、前記総工程における反応時に導入する水素とは、飽和炭化水素aまたは不飽和炭化水素bを反応器に最初に導入する過程以降の水素であり、それ以前に触媒前処理などのために導入する水素は含めない。
気体xおよび気体yに含まれる水素のモル分率は、触媒上での飽和炭化水素aの脱水素の逆反応の促進する、および/または不飽和炭化水素bに水添してしまうことで反応性が低下してしまう観点から、0.2以下が好ましく、0.1以下がよりに好ましく、0.05以下がさらに好ましく、0.01以下が最も好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に示すような条件で合成を行い、増炭炭化水素の生成活性について評価した。
なお、各成分のモル分率、生成速度及び生成活性は、つぎのようにして測定した。
1.モル分率
炭化水素、および水素のモル分率はガスクロマトグラフィー(GC)で評価した。条件は下記の通りである。
[装置]
490GC(Agilent社製)
[カラム種類と条件]
・CP−Sil5(Agilent社製)
温度:40℃、キャリアガス:He(0.55MPa)
上記温度は定常な条件の下、測定を行った。
2.生成速度
本実施例、および比較例において、炭化水素および水素の生成速度は以下の式より算出した。
なお、生成量は上記GCにより求めた。
[生成速度(mol h−1)]=[生成量(mol)]/[反応時間(h)]
3.生成活性
それぞれの工程における炭化水素の生成活性は以下の式により算出した。
[生成活性(mol g−1−1)] = [生成速度(mol h−1)]/[触媒活性種量(g)]
ここで触媒活性種量とは、担体に担持された金属種の質量であり、この金属種が金属状態であるとして算出した。
<実施例1>
酸化チタン担体に、金属塩を溶解させた水溶液を、以下の様に含浸させることにより、触媒を調製した。ルチル型の酸化チタン(99.9%、和光化学、7m/g)10.0gを100mLの25mmol/L硝酸ニッケルに懸濁後、蒸発乾固させることでニッケル種を担持させた。その後、500℃、大気中で焼成した粉末を得た。この粉末に20MPaの圧力をかけることでペレットとし、これを粉砕後、0.25〜0.50mmに分級することで触媒を得た。この触媒のニッケルの担持量は2wt%であった。
SUS管(外径1/4インチ、肉厚0.5 mm)の中央部に0.5gの触媒を石英ウールに触媒をはさみ込むことで充填した、流通系の反応器を用いた。
400℃にて、20mL/minの水素流通条件の下、1時間の還元処理を触媒の前処理として施した。Arにて反応管をパージ後、反応ガスの導入条件を、気体xとしてCH(飽和炭化水素a)を50mL/minで60秒間流通させた(工程A)。その後、間を置かずに(0秒)、気体yとしてC(不飽和炭化水素b)を50mL/minで6秒間流通させた(工程B)。これらの条件を繰り返し、合計で29分42秒間反応させた。原料気相成分の水素のモル分率は、0.001以下であった。
<実施例2>
実施例1の触媒調製において、25mmol/L硝酸ニッケル水溶液を25mmol/Lのモリブデン酸アンモニウム水溶液に替えた以外は、実施例1と同様に反応を行った。原料気相成分の水素のモル分率は、0.001以下であった。この触媒のモリブデンの担持量は4wt%であった。
<実施例3>
実施例1の触媒調製において、25mmol/L硝酸ニッケル水溶液を25mmol/Lの硝酸コバルト水溶液に替えた。また、反応ガスの導入条件を、CHを50mL/minで30秒間流通させ、その後Cを50mL/minで3秒間流通させる条件を繰り返し、合計で29分42秒間反応させた。この触媒のコバルトの担持量は2wt%であった。原料気相成分の水素のモル分率は、0.001以下であった。
<比較例1>
実施例1の実験条件において、工程Aとして、反応ガスの導入条件を、CHを50mL/minと、Cを5mL/minとの混合ガスとし、30分間反応させた(工程Bは行わず)以外は、実施例1と同様に反応を行った。
<比較例2>
実施例2の実験条件において、工程Aとして、反応ガスの導入条件を、CHを50mL/minと、Cを5mL/minとの混合ガスとし、30分間反応させた(工程Bは行わず)以外は、実施例2と同様に反応を行った
<比較例3>
実施例3の実験条件において、工程Aとして、反応ガスの導入条件を、CHを50mL/minと、Cを5mL/minとの混合ガスとし、30分間反応させた(工程Bは行わず)以外は、実施例3と同様に反応を行った。
<比較例4>
実施例1の触媒調製において、25mmol/L硝酸ニッケル水溶液を25mmol/Lの塩化白金酸水溶液に替えた以外は、実施例1と同様に反応を行った。この触媒の白金の担持量は10wt%であった。
<比較例5>
比較例4の反応ガスの導入条件を、工程Aとして、CHを50mL/minと、Cを5mL/minとの混合ガスとし、30分間反応させた(工程Bは行わず)以外は、比較例4と同様に反応を行った。
以上のようにして得られた生成物について、プロパン、プロピレン及びブタンについて生成活性を測定した。それらの結果を表1に示す。
Figure 0006268110
原料の不飽和炭化水素bとしてエチレンを用いた実施例1と比較例1とを比較すると、同じNi触媒を用い原料導入以外の条件は等しく、かつ導入原料の総量が等しいにも関わらず、本発明の原料導入条件とした実施例1では、プロピレンの生成活性は、定常的に原料を導入した比較例1に比べて4倍程度になった。
また、実施例2と比較例2とを比較すると、Mo触媒を用いた際にも、定常的に原料を導入した比較例2では検出限界以下であったプロピレンの生成活性が、本発明の原料導入条件とした実施例2では検出限界以上のプロピレンが検出されるようになった。
原料の不飽和炭化水素bとしてプロピレンを用いた実施例3と比較例3とを比較すると、原料導入以外の条件は等しく、かつ導入原料の総量が等しいにも関わらず、比較例3では検出限界以下であったブタン生成活性が、本発明の原料導入条件とした実施例3では、検出限界以上のブタン生成活性が確認された。
以上から、本願の原料導入条件を満たすことで、増炭炭化水素の生成活性向上に効果があることが示された。
実施例1〜実施例3に示されるように、本発明で規定する導入条件とすることで、工程Aにて導入されたメタンが、触媒と反応して、メタン脱水素種と、解離水素および/または水素分子を生成し、工程Bにて導入されたエチレンまたはプロピレンが、触媒上に生成しているメタンの脱水素種と反応し、増炭炭化水素(プロパン、プロピレン及びブタン)を生成する、といった一連の反応過程を経ることができるため、同じ触媒を用いて定常的に原料を導入した比較例1〜3のそれぞれに比べ、増炭炭化水素の生活活性向上に効果的であり、かつ総反応時間を短くすることができる。
一方、比較例4と比較例5とを比較すると、Pt触媒を用いた際には、原料の導入条件を本発明の条件とした際でも、増炭炭化水素生成の活性向上に効果はみられなかった。そのため、本発明の反応条件による増炭炭化水素の生成活性向上には、本発明で規定する特定の元素を含有する触媒を用いることが必要であることが示された。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明による炭化水素の製造方法を用いることで、飽和炭化水素と不飽和炭化水素を原料とする増炭炭化水素がより収率高く製造でき、かつ総反応時間を短くすることができるものとなり、炭化水素の製造方法として広く利用することができる。

Claims (8)

  1. メタンである飽和炭化水素aと、エチレン、またはプロピレンである不飽和炭化水素bとを原料として炭化水素cを合成する、炭化水素の製造方法であって、
    流通系の触媒が存在する反応系内に、モル分率が0.8以上、1以下である飽和炭化水素aを含む気体xを導入する工程Aと、
    前記反応系内に、モル分率が0.8以上、1以下である不飽和炭化水素bを含む気体yを導入する工程Bと、を少なくとも備え、
    前記気体x中の前記飽和炭化水素aのモル分率をa(x)、前記気体y中の前記飽和炭化水素aのモル分率をa(y)としたとき、該飽和炭化水素aのモル分率は下記式(1)を満たし、
    a(x)≧a(y)+0.1 式(1)
    前記工程A及び前記工程Bにおける気体導入時間が、それぞれ1秒以上、5分以下であり、かつ、前記工程Aと前記工程Bとの間の時間が、0秒以上、10分以下であり、
    前記触媒が、周期表の第4周期又は第5周期、かつ、5〜12属の元素を少なくとも一つ含み、
    炭化水素cがプロパン、プロピレン、ブタンのいずれかであることを特徴とする、炭化水素の製造方法。
  2. 前記工程A又は前記工程Bにおいて、さらに水素を導入し、
    導入する水素のモル比が、前記工程A又は前記工程Bにおいて導入する飽和炭化水素aと不飽和炭化水素bの和に対し100以下である、請求項1に記載の炭化水素の製造方法。
  3. 前記触媒が不均一系触媒である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の炭化水素の製造方法。
  4. 前記触媒を構成する元素が、Mo、Cr、Ni、Co、Fe、Mn、Cu、Znの少なくとも一つの元素を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭化水素の製造方法。
  5. 前記工程Aの後に工程Bを備え、かつ、各工程をそれぞれ2回以上備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭化水素の製造方法。
  6. 前記工程A及び工程Bに所要する時間が、それぞれ3秒以上、80秒以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の炭化水素の製造方法。
  7. 前記工程Aと工程Bとの間の時間が、0秒以上、90秒以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の炭化水素の製造方法。
  8. 前記工程Aと工程Bの反応温度の差が250℃以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の炭化水素の製造方法。
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