JP6272791B2 - 有機酸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機酸の製造方法に関する。
現在、化学製品の原料として主に用いられている石油は、価格の高騰や枯渇が懸念されている。そのため、石油に代わる炭素化合物を原料とする化学製品の製造方法が鋭意研究されている。石油代替の化学品の原料として、安価で比較的容易に入手することができる二酸化炭素が注目されている。二酸化炭素を原料として現在の化学製品の需要を満たすためには、炭素数が2以上の炭素化合物を合成する方法の開発が重要である。
二酸化炭素を直接原料として利用し、炭素数が2以上の炭素化合物を合成する方法として、触媒を用いて、二酸化炭素とメタンとを原料とする酢酸の合成方法が知られている(例えば非特許文献1)。この文献では、原料を二段階で触媒層に供給する操作により、平衡反応の制約を超えた酢酸の合成反応が報告されている。原料を二段階で触媒層に供給する操作とは、第一段階として、触媒層を有する反応器にメタンを導入し、触媒上で脱水素を伴う活性化を経て、第二段階として、二酸化炭素と水素とを導入し、触媒上のメタン活性種と反応させることで酢酸を製造する方法である。
非特許文献1では、カルボン酸の収率を増加させるために、様々な反応条件が検討されている。水蒸気を反応器に導入する反応条件については、導入ガスにおける水蒸気のモル分率が0.71〜0.92までの範囲で検討されている。カルボン酸を高収率で得るためには、第一段階のメタン導入工程において、モル分率0.84の水蒸気が最適であり、第二段階のCO導入工程ではモル分率0.71が最適であると述べられている。
しかしながら、炭化水素と二酸化炭素からの、より高い収率でカルボン酸を得ることができる方法が望まれているのが現状である。
W. Huang et al., AIChE 2010, 56, 1279-1284.
上述した従来技術の状況下、本発明の目的は、炭化水素と二酸化炭素とを原料とした有機酸の合成反応において、有機酸の収率を向上させるために効果的な製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、炭化水素と二酸化炭素とを原料とした有機酸の合成反応において、各工程において導入する水蒸気量を特定の条件にすることで、収率の向上に効果的であることを見出し、これに基づき、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は下記の通りのものである。
[1]
炭素数が1または2の炭化水素と二酸化炭素とを原料として、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、ピルビン酸、リンゴ酸、アクリル酸、コハク酸、のうち少なくとも1種類の有機酸を製造する方法であって、
流通系反応器において、触媒が存在する反応系内に、前記炭化水素を少なくとも含む気体xを導入する工程Xと、
前記反応系内に、前記二酸化炭素と水蒸気とを少なくとも含む気体yを導入する工程Yと、を備え、
前記気体xにおいて、前記炭化水素のモル分率が0.6以上、1以下であり、かつ、水蒸気のモル分率が0.1以下であり、
前記気体yにおいて、前記二酸化炭素のモル分率が0.6以上、0.995以下であり、かつ、前記水蒸気のモル分率が0.005以上、0.36以下であり、
前記気体yにおける前記二酸化炭素のモル分率が、前記気体xにおける二酸化炭素のモル分率よりも高く、
前記工程Xと前記工程Yを交互に切り替える工程を含むことを特徴とする有機酸の製造方法。
[2]
前記気体yに含まれる、前記水蒸気と前記二酸化炭素とのモル比が0.005以上、2.5以下である、[1]に記載の有機酸の製造方法。
[3]
前記反応系内の温度が160℃以上、340℃以下である、[1]または[2]に記載の有機酸の製造方法。
[4]
前記炭化水素がメタンである、[3]に記載の有機酸の製造方法。
[5]
前記炭化水素がエチレンである、[3]に記載の有機酸の製造方法。
[6]
前記触媒が不均一系触媒である、[1]〜[5]のいずれかに記載の有機酸の製造方法。
[7]
前記反応系内の圧力が、3.1MPa以上、5.0MPa以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の有機酸の製造方法。
[8]
前記気体xおよび/または気体yの導入時間が、3秒以上、150秒以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の有機酸の製造方法。
[9]
前記気体yに含まれる水素のモル分率が0.1以下である、[1]〜[8]のいずれかに記載の有機酸の製造方法。
本発明に係る有機酸の製造方法によれば、炭化水素と二酸化炭素とを原料とした有機酸の製造方法において、各工程において導入する水蒸気量を特定の条件にすることで、製造される有機酸の高収率化を実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に述べる。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態は、
炭素数が1または2の炭化水素と二酸化炭素とを原料として、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、ピルビン酸、リンゴ酸、アクリル酸、コハク酸、のうち少なくとも1種類の有機酸を製造する方法であって、
流通系反応器において、触媒が存在する反応系内に、前記炭化水素を少なくとも含む気体xを導入する工程Xと、
前記反応系内に、前記二酸化炭素と水蒸気とを少なくとも含む気体yを導入する工程Yと、を備え、
前記気体xにおいて、前記炭化水素のモル分率が0.6以上、1以下であり、かつ、水蒸気のモル分率が0.1以下であり、
前記気体yにおいて、前記二酸化炭素のモル分率が0.6以上、0.995以下であり、かつ、前記水蒸気のモル分率が0.005以上、0.36以下であり、
前記気体yにおける前記二酸化炭素のモル分率が、前記気体xにおける二酸化炭素のモル分率よりも高く、
前記工程Xと前記工程Yを交互に切り替える工程を含むことを特徴とする有機酸の製造方法、である。
本発明者らは、炭化水素と二酸化炭素とを原料とした、有機酸の製造において、工程Xおよび工程Yにて導入する水蒸気量を所定の条件とすることで、有機酸の製造を高収率化できることを見出した。
工程Xでの導入水蒸気のモル分率を0.1以下とすることで、工程Xにて触媒上に生成する炭化水素由来の活性種の、水蒸気による不活性化や、触媒活性点の水による被毒や金属触媒の酸化、および、触媒成分の水蒸気による脱離が抑制されると推測される。以上の結果、カルボン酸収率が向上すると推測される。
一方、工程Yでの導入水蒸気のモル分率を0.005以上、0.36以下とすることで、触媒上に強く吸着した生成カルボン酸の脱離が促進される、および/または、COと解離水素などの水素との反応によって、COとHOを生成する反応(例えば式1)の逆反応を促進すると推測される。この逆反応の促進により、COからのCOOH基の生成(式2)効率が向上した結果、カルボン酸収率が向上すると推測される。また、本実施形態では、水蒸気を過剰に導入しないことによりCOの分圧低下を少なくでき、原料であるCOの反応量を増加することができる、と推測される。
CO + 2H → CO + HO (式1)
CO + H → COOH (式2)
ここで、反応系とは、触媒と原料とを反応させる空間のみを示し、触媒と原料とを反応させるまでに原料および生成物を流通、貯蔵又は分離精製するための空間を含まない。反応系とは、具体的には、触媒が充填された固定床、スラリー床、流動床、移動床、または疑似移動床としての反応器などが挙げられる。
<触媒>
本発明において用いられる触媒とは、均一系触媒、不均一系触媒、均一系触媒を担体または不均一系触媒に固定したものなどを示すが、原料と触媒との分離が比較的容易なことから、好ましくは不均一系触媒である。不均一系触媒とは、具体的には、金属触媒、金属酸化物などの金属化合物触媒、ゼオライト、金属または金属化合物を担体に担持またはイオン交換した触媒、金属錯体、活性炭などであり、好ましくは担体に金属化合物を担持した触媒が好ましい。金属化合物を担体に担持した触媒は、担体として、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化マグネシウムなどの単一金属酸化物または単一金属酸化物に異種金属種をドープしたもの、スピネル型、ペロブスカイト型などの二種以上の金属元素からなる複合金属酸化物、ゼオライト、活性炭などを使用できる。
触媒を構成する元素は、新IUPAC表記の3族から14族までの元素の少なくとも一つを含む。d電子を利用する観点から、好ましくは6族から12族まで、より好ましくは7族から11族まで、さらに好ましくは8族から10族までの元素である。例えば、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、Ir、Fe、Ru、Os、Mn、Re、Cr、Mo、W、Cu、Ag、Auが挙げられ、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、Ir、Fe、Ru、Mo、W、Cu、Agが好ましく、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、Fe、Ruがさらに好ましい。
金属種の化学状態としては、金属に限らず、化合物、錯体などでも構わないが、吸着基質への電子供与に寄与する電荷密度が高い材料であるほど高活性化に有利であるため、金属状態であることが好ましい。
触媒には、助剤としてリン含有化合物、ホウ素含有化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などを添加できる。触媒を構成する元素として、一種類または複数の元素で構成することができ、反応時の触媒活性の観点から、通常は遷移金属、13族、および14族が好ましく、より好ましくは6族から14族の元素、さらに好ましくは8族から10族の元素である。
触媒の調製方法は、含浸法、固相反応によるもの、フラックス法、水熱合成法、触媒の原料を含有する溶液のpHを変化させること、あるいは、化合物を形成するイオンを添加することなどによって触媒またはその前駆体を析出させる共沈法や均一沈殿法、化学気相成長法、物理気相成長法などである。
触媒は、反応器に存在する。具体的には、触媒は、固定床、流動床、移動床、または疑似移動床として反応器に充填できる。反応器には一種類の触媒を充填してもよく、また、活性の異なる複数種類の触媒または不活性な無機物を混合した触媒混合物を、触媒として用いてもよい。活性の異なる触媒および触媒混合物を反応器入口から出口に向けて段階的に設置してもよい。
本発明にて示す触媒量とは、反応系に充填した触媒金属種と触媒担体の重量の和であり、反応系に触媒を固定する場合には、固定した反応系の重量を含めない。
流動床や移動床や疑似移動床を用いる際は、原料ガスの導入時間は、触媒の各ガス組成の滞留時間に相当する。
本発明の方法によって製造される有機酸は、分子を構成する炭素数が以上、10以下の有機酸であり、好ましくは炭素数が以上、8以下、より好ましくは炭素数が以上、5以下、さらに好ましくは以上、4以下、最も好ましくは3である。有機酸を構成する炭素については、直鎖または分岐鎖を有するカルボン酸、飽和結合および/または不飽和結合を有するカルボン酸などが挙げられる。特に、触媒からの脱着が有利である観点から、炭素間の結合が飽和結合のみからなるカルボン酸が望ましい。
有機酸の具体例としては、例えばカルボキシル基を一つ、または複数有し、かつ、炭素数が2以上、10以下のカルボン酸が挙げられる。具体的にはモノカルボン酸、またはジカルボン酸が挙げられる。モノカルボン酸の具体例として、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、乳酸、ピルビン酸、リンゴ酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、およびこれらの異性体が挙げられ、より具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、アクリル酸、さらに具体的には酢酸、プロピオン酸が挙げられる。ジカルボン酸の具体例として、コハク酸、フタル酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸が挙げられ、より具体的には、コハク酸が挙げられる。
<工程X>
本発明の工程Xでは、炭素数が1以上、6以下である炭化水素を少なくとも含む気体xを反応系に導入する。気体xにおいて、炭化水素のモル分率が0.1以上、1以下であり、かつ、水蒸気のモル分率が0.1以下である。
(気体x)
工程Xで反応系に導入する気体xは、炭化水素、水蒸気、および、炭化水素以外の気体によって構成される。ここで、「炭化水素以外の気体」には、水蒸気は含まれない。
炭化水素の炭素数は、1以上、6以下である。前記のとおり、炭化水素は触媒上で活性化されるため、炭素数が少ないほど、触媒上での炭化水素吸着のための立体障害が小さくなる。よって、炭化水素の炭素数は、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2、最も好ましくは1である。炭化水素は飽和炭化水素または不飽和炭化水素が好ましい。生成物である有機酸との沸点差が大きく、生成物と未反応原料との分離に有利である観点から、飽和炭化水素が好ましい。
本実施形態において用いられる炭化水素としては、具体的には、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、アセチレン、及びこれらの異性体などが挙げられる。前記の観点から、炭化水素は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブテン、アセチレン、及びこれらの異性体であることが好ましく、より好ましくは、メタン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレンであり、最も好ましくはメタン、エチレンである。
本発明の原料である炭化水素は、反応器の簡便さの観点から、気体で導入されることが好ましい。
気体xにおいて、炭化水素のモル分率が、0.1以上、1以下である。モル分率は、炭化水素の分圧を高くするほど触媒への吸着に有利である観点から、0.4以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。また、モル分率は炭化水素の精製コストの観点から、0.999以下が好ましく、0.990以下がより好ましく、0.950以下がさらに好ましい。
炭化水素以外の気体とは、例えば、二酸化炭素、水素、酸素、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、等が挙げられる。中でも触媒の劣化を防ぐ観点から、不活性ガスが好ましい。気体に酸素を含む場合は、爆発限界以下の濃度とすることが好ましい。また、工程の簡便さの観点から、気体x中の、炭化水素以外の気体のモル分率は、0.5以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.05以下であることがさらに好ましい。
導入する水素のモル分率は、触媒上での脱水素による炭化水素活性種の生成の逆反応を抑制する観点から、0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましく、0.05以下がさらに好ましく、0.01以下が最も好ましい。
気体xにおいて、水蒸気のモル分率は0.1以下である。反応系内に導入する水蒸気量が少なくなると、液体の水から水蒸気とするまでに必要な潜熱を少なくできる観点から、導入する水蒸気量は少なくすることが好ましい。また、導入する水蒸気量を0.1以下とすることで、触媒上で生成する炭化水素由来の活性種の失活、触媒活性点の水による被毒、金属触媒の酸化や、触媒成分の水蒸気による脱離、を抑制することができると推測される。このような観点から、気体xにおける水蒸気のモル分率は0.05以下がより好ましく、0.02以下がさらに好ましく、0.01以下が最も好ましい。
水蒸気と炭化水素とのモル分率比(水蒸気/炭化水素)は、気体xの精製コストの観点から0.0001以上が好ましく、0.001以上がより好ましく、0.005以上がさらに好ましい。炭化水素の分圧を大きくするほど炭化水素の活性化に有利である観点から、モル分率比は0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましく0.01以下が最も好ましい。
気体xにおいて、炭化水素と二酸化炭素とのモル分率の比(炭化水素/二酸化炭素)は0.5より大きいことが好ましく、炭化水素を効率的に触媒によって活性化させる観点から、1以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、10以上が最も好ましい。
気体xは、その製造過程や産出過程、および反応器までの導入過程は限定せず、石油を精製して生じたガス、天然ガス、工場からの排ガス、大気中または地層より回収したガス、例えばシェールガスなども使用できる。
工程Xにおいて、気体xの導入時間は、3秒以上、10分以下が好ましい。触媒上の炭化水素由来の活性種の被覆率を向上させる観点から、5秒以上が好ましく、10秒以上が好ましく、より好ましくは20秒以上、さらに好ましくは30秒以上である。また、触媒へ十分に炭化水素が吸着した後に、過剰な時間導入すると、炭化水素は未反応のまま流通し、収率が低下する観点から、5分以下が好ましく、150秒以下が好ましく、110秒以下が好ましく、90秒以下が好ましい。
工程Xにおいて、導入する気体xの総容積流量は、反応系に充填された触媒量1g当たり0.0001〜10000000L/hが好ましく、より好ましくは0.001〜1000000 L/h、さらに好ましくは0.01〜100000 L/hである。
工程Xにおいて、反応系内の温度は、50℃以上、1000℃以下が好ましく、反応速度の観点から80℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、160℃以上がさらに好ましい。また、触媒の焼結などによる収率低下を防ぐ観点から、790℃以下が好ましく、490℃以下がより好ましく、340℃以下がさらに好ましい。
工程Xにおける反応系内の圧力は、大気圧以上、20MPa以下である。高圧であるほど、炭化水素の触媒への被覆率が高くなるため、0.7MPa以上が好ましく、より好ましくは1.6MPa以上、さらに好ましくは2.6MPa以上、最も好ましくは3.1MPa以上である。また、二酸化炭素の臨界圧力は7.4MPaであり、原料は気体での導入が望ましく、工程Yから工程Xへの切り替え時に、二酸化炭素が液化することを防ぐ観点から、本発明での反応系の圧力は7.4MPa以下が好ましい。圧力が低いほど、加圧のために要するエネルギーは少なくなる観点から、6.5MPa以下がより好ましく、5MPa以下がより好ましい。
さらに、原料炭化水素の蒸気圧が前記圧力よりも低い場合は、炭化水素の蒸気圧以下で導入することが好ましい。
なお、本明細書に記載されている圧力は、大気圧との相対圧力(ゲージ圧)を示している。
<工程Y>
工程Yでは、二酸化炭素と水蒸気とを少なくとも含む気体yを反応系に導入する。
気体yにおいて、二酸化炭素のモル分率が0.1以上、0.995以下であり、かつ、水蒸気のモル分率が0.005以上、0.36以下である。また、二酸化炭素のモル分率が、気体xにおける二酸化炭素のモル分率よりも高い。
(気体y)
工程Yで反応系に導入する気体yは、二酸化炭素、水蒸気、および、二酸化炭素以外の気体によって構成される。ここで、「二酸化炭素以外の気体」には、水蒸気は含まれない。
気体yにおいて、二酸化炭素のモル分率が、0.1以上、1以下である。二酸化炭素のモル分率は、分圧を高くするほど、触媒への吸着に有利である観点から、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上がさらに好ましい。また、精製コストの観点から、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下がさらに好ましい。
また、原料導入の非定常操作による、触媒への基質の吸脱着を促進する観点から、気体yの二酸化炭素のモル分率は、気体xの二酸化炭素のモル分率よりも高い。
二酸化炭素以外の気体とは、例えば、メタンなどの炭化水素、水素、酸素、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、等が挙げられる。
気体yにおいて、水蒸気のモル分率は、0.005以上、0.36以下である。反応系内に導入する水蒸気量が少なくなると、液体の水から水蒸気とするまでに必要な潜熱を少なくできる観点から、導入水蒸気量は少なくすることが好ましい。触媒上に強く吸着した生成カルボン酸の脱離を促進する観点、COと解離水素との反応によるCOと水の生成反応(式1)の逆反応を促進することにより、COからのCOOH基の生成効率を向上させる観点、および、水蒸気を過剰に導入しないことによりCOの分圧低下を少なくでき原料のCOを効率的に反応に利用できる観点から、水蒸気のモル分率は0.05以下が好ましく、0.02以下が好ましく、0.01以下が最も好ましい。
工程の簡便さの観点から、工程Yにおいて、二酸化炭素および水蒸気以外の、他の気体は導入しないことが好ましい。また、原料の二酸化炭素の精製コストの観点から、二酸化炭素に含まれる他の気体は、二酸化炭素のモル分率に対し、0.001以上であり、0.01以上が好ましく、0.05以上が最も好ましい。
前記した、二酸化炭素および水蒸気以外の、他の気体が水素であるとき、導入された炭化水素は、触媒上で脱水素した活性種となっているため、二酸化炭素と同時に水素を導入すると、脱水素した炭化水素活性種と導入水素とが反応することにより不活性化が生じる可能性がある。このため、二酸化炭素のモル分率を1としたとき、水素のモル分率は、0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましく、0.05以下が最も好ましい。
脱水素した炭化水素活性種が、導入水素と反応することによる不活性化は、この炭化水素活性種が触媒上で被覆率高く生成している際に、より顕著に不活性化が生じることが考えられる。そのため、この工程Yにおいて、二酸化炭素と共に導入する水素の量が少ないことで、工程Xにおいて高圧条件下で触媒上に被覆率高く生成した炭化水素活性種を、効率良く有機酸の生成に利用することに寄与する、と推測される。
導入する水素量が少ないほど、触媒上の活性種および生成有機酸の脱水素を伴う縮合を生じやすくなるため、より高炭素数からなる、または複数のカルボキシル基を有する有機酸の生成に有利になる。より高炭素数、または複数のカルボキシル基を有する有機酸とは、具体的にはプロピオン酸、コハク酸などが挙げられる。
気体yにおいて、水蒸気と炭化水素とのモル分率比(水蒸気/二酸化炭素)は、水蒸気を導入する効果を大きくする観点から、0.005以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、0.5以上が最も好ましい。炭化水素の分圧を大きくするほど、炭化水素の活性化に有利である観点から、モル分率比は、2.5以下が好ましく、2.1以下がより好ましく、1.6以下がさらに好ましく、1.0以下が最も好ましい。
気体yにおいて、炭化水素と二酸化炭素とのモル分率の比(二酸化炭素/炭化水素)は、0.5より大きいことが好ましく、炭化水素を効率的に触媒によって活性化させる観点から、1以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、10以上が最も好ましい。工程Yでは、炭化水素が存在しない条件のもと実施することも可能である。
気体yは、その製造過程や産出過程、および反応器までの導入過程は限定せず、石油を精製して生じたガス、天然ガス、工場からの排ガス、大気中または地層より回収したガス、例えばシェールガスなども使用できる。
工程Yにおいて、気体yの導入時間は、3秒以上、10分以下が好ましい。触媒上の炭化水素由来の活性種との反応量を多くする観点から、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、25秒以上がさらに好ましく、45秒以上が最も好ましい。また、工程Yの時間経過と共に、触媒上の炭化水素由来の活性種は、二酸化炭素と反応することで減少し、未反応の二酸化炭素が流通する量が多くなることで、収率が減少する観点から、導入時間は5分以下が好ましく、150秒以下がより好ましく、110秒以下がさらに好ましく、90秒以下が最も好ましい。
工程Yにおいて、導入する気体yの総容積流量は、反応系に充填された触媒量1g当たり0.0001〜10000000L/hが好ましく、より好ましくは0.001〜1000000 L/h、さらに好ましくは0.01〜100000 L/hである。
工程Yにおいて、反応系内の温度は、50℃以上、1000℃以下が好ましく、反応速度の観点から、80℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、160℃以上がさらに好ましい。また、触媒の焼結などによる収率低下を防ぐ観点から、790℃以下が好ましく、490℃以下がより好ましく、340℃以下がさらに好ましい。
工程Yにおける反応系内の圧力は、大気圧以上、20MPa以下が好ましい。高圧であるほど、炭化水素活性種への二酸化炭素の反応確率が高くなる観点から、0.7MPa以上が好ましく、より好ましくは1.6MPa、さらに好ましくは2.6MPa以上、最も好ましくは3.1MPa以上である。また、二酸化炭素の臨界圧力は7.4MPaであり、原料は気体での導入が望ましい観点から、本発明での反応系の圧力は7.4MPa以下が好ましい。圧力が低いほど、加圧のために要するエネルギーは少なくなる観点から、反応系の圧力は6.5MPa以下がより好ましく、5MPa以下がより好ましい。
ルシャトリエの法則より、反応圧力が高いほど、生成物の分子数が少なくなる反応が有利であると考えられるため、構成する炭素数が多い有機酸の生成物が多くなる。この構成する炭素数が多い有機酸とは、炭素数が以上の有機酸であり、例えば、プロピオン酸、コハク酸があげられる。
本実施形態における工程X及び工程Yは、どちらが先でも構わず、製造方法においてそれぞれの工程が2回以上繰り返されても構わない。工程Xと工程Yとの切り換えによる効果を大きくする観点から、工程X及び工程Yの繰り返し回数は2回以上が好ましく、5回以上がより好ましく、10回以上が最も好ましい。本実施形態では、触媒上に生成させた炭化水素由来の活性種に二酸化炭素を反応させることが好ましいために、先に工程Xを行い、その後に工程Yを行うことが好ましい。
さらに本実施形態では、工程Xと工程Y以外に、一つまたは複数の工程を有機酸の製造工程に加えることができ、その順番は制限しない。工程Xと工程Yおよびそれ以外の工程は、有機酸の製造工程にて周期的または周期的ではなく、繰り返すことができる。工程X及び工程Y以外の工程とは、例えば、触媒再生のために行う酸化または還元処理などが挙げられる。
工程Xと工程Yとの切り替えは、反応器の上流から反応器への導入ガスを切り替えることや、原料ガスの濃度分布がある反応器中で触媒を移動させることなどで、実施できる。具体的には、固定床や移動床反応器への導入ガスの切り替えや、原料ガスの濃度分布がある反応器中での流動床や移動床などである。
工程X、工程Y、およびそれ以外の工程間の切り換え操作は、流動床、移動床や、疑似移動床など、触媒が反応系内を移動する反応形態において、反応系内に定常的に気体x、気体yなどの各気体の成分組成となる領域が存在し、触媒が所定の時間その領域に滞留することによって、前記各工程を実施することができる。その際、前記各工程の所要時間は、反応工程におけるその領域での触媒の平均滞留時間を意味する。
また、工程X及び工程Yにおいて、反応系内の温度や圧力、気体の導入時間は同一である必要はなく、本明細書記載の所定の範囲内でそれぞれ異なる条件とすることができる。
工程X、工程Y、およびそれ以外の工程間において、前記温度および/または圧力が異なるとは、流動床、移動床や、疑似移動床など、触媒が反応系内を移動する反応形態において、反応系内に定常的に気体x、気体yなどの各気体の成分組成となり、かつ温度、および/または圧力が異なる領域が存在し、触媒が所定の時間その領域に滞留することによって、前記各工程を実施することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に示すような条件で合成を行い、有機酸の生成量について評価した。
なお、各成分のモル分率、生成速度及び生成活性は、つぎのようにして測定した。
(液クロマトグラフィー)
[装置]
システムコントローラー:CBM−20A(島津製作所製)
送液ポンプ:LC−20AD(島津製作所製)
電気伝導度検出器:CDD−10Avp(島津製作所製)
[カラム]
Shim−pack SCR−102H(島津製作所製)
[移動相]
5mmol/L p−トルエンスルホン酸
[反応液] 5mmol/L p−トルエンスルホン酸
+ 100μmol/L EDTA + 20mmol/L Bis−Tris
[測定条件]
カラム温度40℃、送液速度0.8mL/min
(モル分率)
本明細書に記載の水素、二酸化炭素、炭化水素、およびその他成分のモル分率は、以下の式で示すものである。
[気体のモル分率総量]=[炭化水素のモル分率]+[二酸化炭素のモル分率]+[水蒸気のモル分率]+[他成分のモル分率]=1
また、モル分率をガスクロマトグラフィーで評価する際は、水蒸気/二酸化炭素比については、アルゴンまたはヘリウムをキャリアガスとし熱伝導度検出器を用い、炭化水素については、ヘリウムをキャリアガスとし熱伝導度検出器または水素炎イオン化検出器のガスクロマトグラフィーを用いる。カラムは、水蒸気/二酸化炭素比については水を強く吸着しすぎないカラム(例えば、CP−Sil5、ジーエルサイエンス社製)を用い、炭化水素については、ジメチルシロキサンのみを充填した無極性型のもの、またはジメチルシロキサンとジフェニルシロキサンの混合組成などの極性型のものなど、適宜対象炭化水素を分離できるものを用いる。
(生成量)
本実施例、および比較例において、各有機酸の生成量は、反応器下流に設置した水トラップ液、および、反応管下流を蒸留水で洗浄した洗浄液を、前記液クロマトグラフィーで評価し、水トラップ液中の有機酸と洗浄液中の有機酸との和を生成量とした。
実施例1〜実施例7では、飽和炭化水素と二酸化炭素とを触媒存在下で反応させて、有機酸を製造し、有機酸の生成量について評価した。
<実施例1>
塩化パラジウムを、これに対し5モル当量の塩酸を含む水溶液に溶解させた15g/L の濃度の溶液を用いて、酸化チタン(ルチル型)粉末にPd種を含浸担持後、500℃で大気中焼成した。こうして得られた粉末に、硝酸コバルトを溶解させた50g/Lの濃度の水溶液を用いてCo種を含浸担持し、その後500℃で大気中焼成することで調製した粉末を触媒とした。担持金属種の担持量は、それぞれの金属種の化学状態が金属であるとして換算した際に、Pd:3wt%、Co:6wt%であった。この粉末触媒を20MPaの圧力をかけることでペレットとし、これを粉砕後、0.25〜0.50mmに分級した粒状触媒を用いて反応を行った。
一本のSUS管(外径:3/8インチ、肉厚:1.0mm、長さ:56cm)の中央部に、0.5gの触媒を石英ウールにはさみ込むことで充填した。このSUS管を設置した流通系の反応器を用いて有機酸の製造を行った。
反応開始前にH気流下で400℃、1時間加熱する前処理を触媒に施した。触媒反応時には、反応管に導入する気体はマスフローコントローラーにより制御し、CH (気体x)を1分間流通させた(工程X)。その後に、プランジャーポンプにてCOに水を導入し、加熱することで生成した、COと水蒸気との混合気体(気体y)を1分間導入した(工程Y)。工程Xと、それに続く工程Yとの操作を繰り返し、総時間1時間の反応を行った。ガス流量は、CH: 200mL/min、CO:200 mL/min、水蒸気:25mL/minとし、温度は200℃、4.0MPaの加圧条件にて反応を実施した。
1時間反応後の回収液の評価結果を表1に示す。配管洗浄液は、有機酸が検出されなくなるまで回収し、配管中の残留有機酸がなくなったことを確認した後に、次の反応工程に移行した。その結果、それぞれの炭素数が2以上の有機酸の生成量は、酢酸:174 nmol、プロピオン酸:127 nmolであった。
<実施例
工程Yにおいて、導入する気体yに含有される水蒸気量を74 mL/minとし、反応温度を300℃とした以外は、実施例と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
<実施例
工程Xにおいて、導入する気体xの炭化水素をエチレンとした以外は、実施例と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
工程Yにおいて、導入する気体yを二酸化炭素のみとした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
工程Yにおいて、導入する気体yに含有される水蒸気量を123mL/minとした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
<比較例3>
工程Xにおいて、導入する気体xを、CH:200mL/minと、水蒸気:25mL/minとの混合気体とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006272791
表1からわかるように、触媒の存在下で、反応器にCH(気体x)を導入し、その後に、CO+HOの混合気体(気体y)を導入することで、有機酸として酢酸とプロピオン酸が生成されていることが確認された。工程Xおよび工程Yにて導入する水蒸気量を変更することにより、有機酸の生成量に差がみられた。
気体xと気体yにおいて共に水蒸気を導入しなかった比較例1、気体yにのみモル分率0.38の水蒸気を導入した比較例2に比べ、気体yにモル分率0.005以上、0.36以下の水蒸気を導入した実施例1〜では、プロピオン酸について、約3倍から約26倍程度の生成量の増加がみられた。この結果から、水蒸気を気体yに導入することで有機酸の生成に効果があるが、過剰な水蒸気を導入すると有機酸の生成量は減少することがわかった。
気体xにモル分率0.11の水蒸気を含む比較例3と、気体xの水蒸気量が0.10以下である実施例1〜とを比較すると、気体xにモル分率0.1以上の水蒸気を含むことで、触媒上の炭化水素由来の活性種の不活性化などにより、有機酸の生成量は減少したと考えられる。
また、実施例から、炭化水素はメタンだけでなく、エチレンなど他の炭化水素を用いても、本発明の効果が得られることが示された。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明に係る炭化水素と二酸化炭素を原料とする有機酸の製造方法は、本明細書に示したような、適した反応条件とすることで有機酸の高収率化を発現することができるものとなり、工業的に有機酸を製造する方法において、好適に利用可能である。

Claims (9)

  1. 炭素数が1または2の炭化水素と二酸化炭素とを原料として、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、ピルビン酸、リンゴ酸、アクリル酸、コハク酸、のうち少なくとも1種類の有機酸を製造する方法であって、
    流通系反応器において、触媒が存在する反応系内に、前記炭化水素を少なくとも含む気体xを導入する工程Xと、
    前記反応系内に、前記二酸化炭素と水蒸気とを少なくとも含む気体yを導入する工程Yと、を備え、
    前記気体xにおいて、前記炭化水素のモル分率が0.6以上、1以下であり、かつ、水蒸気のモル分率が0.1以下であり、
    前記気体yにおいて、前記二酸化炭素のモル分率が0.6以上、0.995以下であり、かつ、前記水蒸気のモル分率が0.005以上、0.36以下であり、
    前記気体yにおける前記二酸化炭素のモル分率が、前記気体xにおける二酸化炭素のモル分率よりも高く、
    前記工程Xと前記工程Yを交互に切り替える工程を含むことを特徴とする有機酸の製造方法。
  2. 前記気体yに含まれる、前記水蒸気と前記二酸化炭素とのモル比が0.005以上、2.5以下である、請求項1に記載の有機酸の製造方法。
  3. 前記反応系内の温度が160℃以上、340℃以下である、請求項1または請求項2に記載の有機酸の製造方法。
  4. 前記炭化水素がメタンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機酸の製造方法。
  5. 前記炭化水素がエチレンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機酸の製造方法。
  6. 前記触媒が不均一系触媒である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機酸の製造方法。
  7. 前記反応系内の圧力が、3.1MPa以上、5.0MPa以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機酸の製造方法。
  8. 前記気体xおよび/または気体yの導入時間が、3秒以上、150秒以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機酸の製造方法。
  9. 前記気体yに含まれる水素のモル分率が0.1以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機酸の製造方法。
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