JP5906913B2 - 低級オレフィンの製造方法 - Google Patents
低級オレフィンの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5906913B2 JP5906913B2 JP2012092152A JP2012092152A JP5906913B2 JP 5906913 B2 JP5906913 B2 JP 5906913B2 JP 2012092152 A JP2012092152 A JP 2012092152A JP 2012092152 A JP2012092152 A JP 2012092152A JP 5906913 B2 JP5906913 B2 JP 5906913B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catalyst
- reaction
- gas
- olefin
- separation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
従って、合成ガスからメタノールを経由せずに、直接低級オレフィンを製造プロセスが好ましい。
n・CO+2n・H2 → (CH2=)n(※)+n・H2O …(i)
CO+H2O → CO2+H2 ・・・(ii)
(※は炭素数nのオレフィンを表す)
(1) 目的物であるプロピレンやブテンの生成量を向上させるために、プロピレン、ブテン選択性(以下、「C3/C4オレフィン選択性」ということがある)の高い触媒を用いると、生成物分布が低級炭化水素側にシフトするため、メタンや、エタン、エチレン等のC2成分の生成量が増大する。これらの低級炭化水素が増大すると、製品であるプロピレン、ブテンを分離する際、通常の深冷(蒸留)分離では冷却負荷が増大する。
(2) 上記反応の特徴として、前述の反応式(ii)に従い、生成物に多量のCO2が生成するが、CO2は主要な目的物であるプロピレンと共沸するため、分離に際して多段の蒸留塔が必要となる。更に、分離エネルギーが大きく、またプロピレンのロスも多いことが問題となる。
(2)(1)で製造した合成ガスを、触媒、好ましくはFe系触媒、より好ましくは後述のFe−Cu−Mo/グラファイト触媒と接触させ、低級オレフィンとCO2を含む反応混合物(反応生成ガス)を生成させる。
(3)(2)で得られた反応混合物を、分離膜法又は吸着分離法を用いて、二酸化炭素、メタン及びC2成分(以下、これらを「ガス成分」と称す場合がある。)、具体的には、H2、CO、CO2、メタン(CH4)、エチレン(C2H6)、エタン(C2H8)を含むガス成分と、C3以上成分とに分離する。
(4)(3)で得られたC3以上成分を更に深冷分離で分離精製し、プロピレン、ブテン等を得る。
(6)(2)で得られた反応混合物、及び/又は(5)で得られたC9以上成分、好ましくはC7以上成分以外の成分から水を除去する。
(7)(5)で分離したC9以上成分、好ましくはC7以上成分を燃料として利用する。
(8)(3)で得られたガス成分(CO2、CH4、C2成分)の少なくとも一部を(1)及び/又は、後述する逆シフト反応を経て(2)の改質原料としてリサイクルする。
(9)(7)でC9以上成分、好ましくはC7以上成分を利用した燃料の燃焼によって排出される燃焼排ガスから回収されるCO2の少なくとも一部を(1)の改質原料として使用する。
工程(1)では、炭化水素ガスとCO2含む原料ガスから、改質により、COとH2を主成分とする合成ガスを製造する。ここで原料ガスとしては、合成ガスの原料として公知のものを用いることができ、例えば、メタンやエタン等の低級炭化水素など、また、天然ガス、ナフサ、石炭、コークス炉ガスなどを用いることができる。
原料ガスには、炭化水素ガスとCO2以外に、水、H2、O2を含んでいてもよく、必要に応じ、前記の成分を適宜追加して使用することもできる。
また、この原料ガスには、後述の工程(3)で分離されたガス成分(CO2、CH4、C2成分)をリサイクルして混合使用してもよく(工程(8))、更に後述の工程(7)の燃料によって排出される燃焼排ガスから回収されたCO2を混合して使用してもよい(工程(9))。
合成ガスのH2/COのモル比が0.1未満では、前記反応式(i)におけるCO転化率が低くなり、平行して起こるCOの不均化反応の寄与が増大する場合があり、4を超えると生成したオレフィンの水素化反応が進行しやすくなってオレフィンの選択性が低下する場合がある。
CO2 + H2 → CO + H2O …(iii)
また、上記の改質時の併用のみではなく、別途逆シフト反応器を併設し、そこで生成したCOを導入することによって調整することもできる。
合成ガス中のH2とCOの合計の含有量は、改質反応での転化率を制御すること、リサイクルガス量を制御すること、フラッシュドラム等で気液分離すること等により上記下限値以上とすることができる。
工程(2)では、工程(1)で得られた合成ガスを触媒と接触させて反応混合物(反応生成ガス)を得る(FT反応)。
FT反応に用いる触媒としては、合成ガスと接触して、オレフィンを製造することができるものであればよく特に限定されないが、C3オレフィン、C4オレフィンの選択性に優れる点から、Feを主成分とする触媒(特許文献1,2に記載の触媒)を用いることが好ましく、特に、活性成分としてFeを主成分とし、Cu及びMoを副成分として含み、これらの活性成分がグラファイト担体に担持されているもの(以下「Fe−Cu−Mo/グラファイト触媒」と称す。)が好ましい。
また、Moの担持量は、Feに対して0.1〜20重量%、特に1〜10重量%であることが好ましい。Moの担持量が少な過ぎると十分なC3/C4オレフィン選択性を得ることができない場合があり、多過ぎるとCO転化率が低下する場合がある。
得られたFe−Cu−Mo/グラファイト触媒は、H2又はH2/CO混合ガスで還元処理した後、反応に供される。
合成ガスと上記の触媒とを接触させる際の反応条件は特に限定されないが、好ましく下記の通りである。
反応温度:200〜400℃、好ましくは240〜300℃
反応圧力:0.1〜10MPa、好ましくは0.5〜5MPa
反応温度が上記下限未満ではFT反応及び水性ガスシフト反応の進行が遅くなることがあり、上記上限超過では触媒劣化が著しくなることがある。また、反応圧力が上記下限未満では、FT反応及び水性ガスシフト反応の進行が遅く、メタン選択率が高くなる傾向があり、上記上限超過では、C3/C4オレフィン選択性が低下することがあり、触媒の劣化が顕著になる傾向がある。また高圧仕様の反応器が必要となる場合があり、機器コストが増大する場合がある。
原料ガスの空間速度GHSVは、通常500〜200000(h−1)であり、1000〜100000(h−1)が好ましい
なおここでいう選択率は、炭素原子換算の選択率であり、CO2以外の炭化水素の選択率とは、(目的物に含まれる総炭素数)/(得られた化合物からCO2を除いた総炭素数)×100で表される。
CO転化率:20%以上、90%以下
CO2選択率:20%以上、50%以下
CO2以外の炭化水素の選択率
C1成分:1〜20%
C2オレフィン:2〜20%
C2パラフィン:1〜10%
C3〜C4オレフィン:20〜90%
C3〜C4パラフィン:2〜10%
C5〜C8成分:1〜40%
C9以上成分:1〜30%
工程(3)では、工程(2)で得られた反応混合物から、分離膜法又は吸着分離法でCO2、CH4及びC2成分(ガス成分)を分離する。このとき反応混合物からガス成分の大部分が分離されていればよい。この工程(3)に先立ち、C9以上成分、好ましくはC7以上成分を、冷却及び気液分離法により分離することが好ましく(工程(5))、このように、予め、C9以上成分、好ましくはC7以上成分を分離することにより、膜分離法又は吸着分離法によりガス成分を分離する際の分離阻害や、用いた分離膜又は吸着剤の劣化を防止することができる。また、ここで分離されたC9以上成分、好ましくはC7以上成分は、改質反応器の加熱、ボイラー等の燃料として使用することが好ましく(工程(7))、この燃料供給先で排出される燃焼排ガス中のCO2は回収して改質原料として使用することが好ましい(工程(9))。
またガス成分に含まれるCO2をH2とともに逆シフト反応器で反応させてH2とCOの混合ガスを製造し、これをFT反応器へリサイクルすることもできる(工程(8))。
工程(3)で得られたC3以上成分は、常法に従って、深冷(蒸留)分離に供され、プロピレンとブテンが分離回収される。
<調製例1: Fe−Cu/グラファイト触媒の調製>
共沈法によりFe−Cu/グラファイト触媒を調製した。
500mL四つ口フラスコにイオン交換水300mLとグラファイト粉末(HSAG−100,TIMCAL社製)5gを加え、撹拌しながらオイルバスで70℃に加熱した。加熱開始と同時に窒素フローを始め、系内を窒素ガスで置換した。所定温度になったところで、1mol/LのFeSO4(硫酸鉄 特級,キシダ化学社製)水溶液と0.5mol/LのCuSO4(硫酸銅 特級,キシダ化学社製)水溶液の混合溶液と、pH調整用の2mol/LのNa2CO3水溶液を、pHが8.0〜8.2となるように滴下した。このとき、グラファイトとFeの割合を重量比でグラファイト:Fe=1:1とし、CuはFeに対して1重量%となるように液量を調整した。
滴下終了後、70℃で窒素フローを継続したまま3時間攪拌した。放冷後、窒素ガス雰囲気下での加圧濾過により液体と沈殿を分離し、沈殿をイオン交換水で十分洗浄した。洗浄後、真空乾燥機に入れ、室温で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、窒素気流下において110℃で12時間乾燥し、その後、窒素気流下において400℃で3時間焼成した。
得られたFe−Cu/グラファイト触媒のFeの粒子径は10〜300nm程度であった。
含浸法により、調製例1で得られたFe−Cu/Graphite触媒へのMo担持を行った。
ナスフラスコにFe−Cu/Graphite触媒と触媒中のFe量に対してMoが1重量%となる量のパラモリブデン酸アンモニウム(特級,和光純薬社製)を入れ、脱塩水を適量加えて2分間超音波処理を実施した。その後、ローターリーエバポレータを用いて蒸発乾固し、窒素気流下、110℃で12時間乾燥し、その後400℃で3時間焼成してFe−Cu−Mo(1)/グラファイト触媒を得た。
担持するMoの量を、Feに対して2重量%としたほかは、調製例2におけるFe−Cu−Mo(1)/グラファイトの調製と同様の操作でFe−Cu−Mo(2)/グラファイト触媒を得た。
担持するMoの量を、Feに対して5重量%としたほかは、調製例2におけるFe−Cu−Mo(1)/グラファイトの調製と同様の操作でFe−Cu−Mo(5)/グラファイト触媒を得た。
担持するMoの量を、Feに対して10重量%としたほかは、調製例2におけるFe−Cu−Mo(1)/グラファイトと同様の操作でFe−Cu−Mo(10)/グラファイト触媒を得た。
<実施例1>
(触媒の前処理)
Fe−Cu−Mo(1)/グラファイト触媒0.8gをバルブを有する焼成管に入れ、H2(50mL/min)気流下で室温から330℃まで60分かけて昇温し、330℃で6時間保持した。放令後、Arで置換し、空気が混入しないように焼成管のバルブを閉じて保管した。
内容積70mLのステンレス鋼製ミクロオートクレーブ(MAC)に攪拌子と溶媒(ヘキサデカン10mL)を入れ、Ar置換した後、前処理を行ったFe−Cu−Mo(1)/グラファイト触媒を空気に触れないように注意しながら加えた。このとき、触媒投入前後の焼成管の重量を量り、その差を、使用した触媒重量とした。触媒重量は0.6〜0.7gであった。
MACを密閉し、反応ガスであるH2/CO混合ガス(H219体積%,CO78体積%,Ar3体積%)で系内を置換した後、同ガスを2MPaまで導入した。予め260℃に加熱しておいた炉に、このMACを挿入し、15分経過後を反応開始とし、3時間反応させた。反応終了後、室温まで空冷し、MAC内のガス成分と液成分を分析した。
転化率、選択率は、下記の条件に基づいてガスクロマトグラフ分析によって求めた。選択率は、炭素原子換算の選択率であり、CO2以外の炭化水素の選択率とは、
(目的物に含まれる総炭素数)/(得られた化合物からCO2を除いた総炭素数)×100
で表される。
なお、各成分の分析条件は下記の通りである。
<Ar、CO、CO2、CH4の分析>
分析装置:島津ガスクロマトグラフ分析装置GC8A
検出器:TCD
カラム:ActiveCarbon60/80
キャリアガス:He
<炭化水素ガス成分の分析>
分析装置:ジーエルサイエンスガスクロマトグラフ分析装置GC−4000
検出器:FID
カラム:CP−PoraPLOTQ−HT
キャリアガス:He
<炭化水素液成分の分析>
分析装置:島津ガスクロマトグラフ分析装置GC−2014
検出器:FID
カラム:CBP−1
キャリアガス:He
用いる触媒をFe−Cu−Mo(2)/グラファイト触媒としたほかは実施例1と同様にして触媒活性の評価を実施した。
用いる触媒をFe−Cu−Mo(5)/グラファイト触媒としたほかは実施例1と同様にして触媒活性の評価を実施した。
用いる触媒をFe−Cu−Mo(5)/グラファイト触媒とし、反応時間を6時間としたほかは実施例1と同様にして触媒活性の評価を実施した。
用いる触媒をFe−Cu−Mo(10)/グラファイト触媒とし、反応時間を6時間としたほかは実施例1と同様にして触媒活性の評価を実施した。
用いる触媒をFe−Cu/グラファイト触媒としたほかは実施例1と同様にして触媒活性の評価を実施した。
表1−Aより明らかなように、Fe−Cu/グラファイト触媒を用いた実施例6に比較して、MoをFeに対して1〜10重量%添加したFe−Cu−Mo/グラファイト触媒を用いた実施例1〜5では高沸点成分が減少し、C3,C4オレフィンの選択性が増大した。この結果から、Fe−Cu−Mo/グラファイト触媒の方がFe−Cu/グラファイト触媒よりも、C3,C4オレフィンの製造に有利であることが明らかである。
(流通系反応)
撹拌翼を備えた内容積200mLのステンレス鋼製オートクレーブに溶媒(ヘキサデカン100mL)とFe−Cu−Mo(1)/グラファイト触媒1gを入れ、系内を反応ガス(H248.5体積%,CO48.5体積%,Ar3体積%)で十分に置換した。その後、反応ガスを150mL/minの速度で流し、背圧弁により0.5MPaまで昇圧した後、330℃まで昇温した。温度と圧力が一定となってから、4時間還元を行った。還元後、反応器温度を260℃、反応圧力を2.0MPaとして反応を開始した。誘導期の終了を確認の後、転化率が安定した時点で活性評価を行った。表1−Bに記載の「時間」は反応開始から活性評価を行った時点までの時間を示す。
<Ar、CO、CO2、CH4の分析>
分析装置:島津ガスクロマトグラフ分析装置GC−14A
検出器:TCD
カラム:ActiveCarbon60/80
キャリアガス:He
<炭化水素ガス成分の分析>
分析装置:島津ガスクロマトグラフ分析装置GC−14B
検出器:TCD
カラム:PorapakQ
キャリアガス:He
<炭化水素液成分の分析>
分析装置:島津ガスクロマトグラフ分析装置GC−2014
検出器:FID
カラム:CBP−1
キャリアガス:He
各成分の転化率、選択率は、上記ガスクロマトグラフを基に算出した。
用いる触媒をFe−Cu/グラファイト触媒としたほかは実施例7と同様にして触媒活性の評価を実施した。
表1−Bから明らかなように、Fe−Cu/グラファイト触媒を用いた実施例8に比較して、MoをFeに対して1重量%添加したFe−Cu−Mo/グラファイト触媒を用いた実施例7では、高沸点成分が減少し、C3,C4オレフィンの選択性が増大した。このことから、流通反応においても、Fe−Cu−Mo/グラファイト触媒の方が、Fe−Cu/グラファイト触媒よりも、C3,C4オレフィンの製造に有利であることが明らかである。
<分離モデル及び前提>
Fe−Cu−Mo/グラファイト触媒を用いた実施例1及びFe−Cu/グラファイト触媒を用いた実施例6の結果から、原料であるCO供給1kmol/hrあたりの生成物分離に要するエネルギーを見積もった。シミュレーションでは図1のような分離モデルを想定した。分離シミュレーション時の分離膜モジュール内の流体流れは、並流を仮定した。計算にはASPEN Tech社 ASPENPlusV7.2を使用した。
なお本明細書において、シミュレーションにおける生成物の選択率、回収率、および濃度は特に断りのないかぎりモル換算で表記している。
<蒸留塔C−1>
理論段数:30
塔底C2濃度:0.01mol%vsC3
<蒸留塔C−2>
理論段数:30
塔頂C4濃度:0.1mol%vsC3
塔底C3濃度:0.1mol%vsC4
<蒸留塔C−3>
理論段数:30
塔頂C5,6濃度:0.1mol%vsC4
<分離膜モジュール(並流モデル)>
CO2分離:CO2/(C2+CH4+CO)α=100
CO2/C3α=1000
CO2+C2分離:CO2/(C2+CH4+CO)α=10
C2/C3α=100
なお、αは分離膜性能の指標である透過係数比を示す。
供給側圧力:1.6MPa
透過側圧力:0.1MPa
実施例1で得られた反応成績を元に、CO2を除去せず、深冷分離のみで分離した場合の計算結果を求めた。
実施例1で得られた反応成績を元に、CO2を除去後、深冷分離で分離した場合の計算結果を求めた。
実施例6で得られた反応成績を元に、CO2を除去せず、深冷分離のみで分離した場合の計算結果を求めた。
実施例6で得られた反応成績を元に、CO2を除去後、深冷分離で分離した場合の計算結果を求めた。
実施例1で得られた反応成績を元に、C2成分までを分離した場合の計算結果を求めた。
実施例6で得られた反応成績を元に、C2成分までを分離した場合の計算結果を求めた。
上記前提で、C2成分以下を深冷分離前に事前に分離する系(本発明法)及びCO2のみを分離する系(従来技術)における回収率及び所要エネルギーを計算した。計算結果を表2〜4にまとめた。なお、各項目の内容は以下のとおりである。
内における対象ガスの濃度
C3=回収率:分離膜モジュールMに導入されたプロピレンのうち蒸留塔C−2塔頂
のstream−4において回収されるプロピレンの割合(%)
C−1top温度:蒸留塔C−1の塔頂温度(℃)
冷却負荷:蒸留塔C−1の凝縮熱量の単位時間当たりの総量(kcal/hr)
また、表2からC3,C4成分の選択性の高いFe−Cu−Mo/グラファイト触媒を使用すると、Fe−Cu/グラファイト触媒に比べてCO2の分離を実施した場合には、冷却負荷が増大することが分かる。
具体的には、冷却負荷が還流比0.1のときで60〜80kcal/hr程度、還流比1.0のときには300〜470kcal/hr程度増大してしまう。また、蒸留塔C−1の塔頂温度もCO2の分離の有無にかかわらず−30〜−60℃の範囲に制御する必要があるため冷凍機が必要である。
すなわち従来法で、C3,C4成分の収率を向上させるほど、冷却負荷が増大することになることが分かる。
以上の結果より、C2以下成分を深冷分離前に除去し、かつC3,C4オレフィンの選択性の高い触媒を使用する本発明の実施により、高収率でC3,C4オレフィンを得ながらも、冷却負荷を低減することができることが明らかである。
M 分離膜モジュール
Claims (7)
- 一酸化炭素と水素を主成分とする合成ガスを触媒と接触させて炭素数3以上のオレフィンを製造する低級オレフィンの製造方法において、前記触媒と合成ガスとを接触させて反応混合物を得る第一の工程と、前記反応混合物から、膜分離法又は吸着分離法によって二酸化炭素、メタン、及び炭素数2の成分を分離する第二の工程と、前記第二の工程で分離されなかった成分を分離精製する第三の工程とを含むことを特徴とする低級オレフィンの製造方法。
- 前記第二の工程の前に、前記反応混合物から水を分離する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の低級オレフィンの製造方法。
- 前記第二の工程の前に、前記反応混合物から炭素数9以上の成分を分離する工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の低級オレフィンの製造方法。
- 前記触媒が、活性成分として鉄、銅、及びモリブデンを含み、該活性成分がグラファイトに担持されたものであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の低級オレフィンの製造方法。
- 前記第一の工程における前記合成ガスの水素/一酸化炭素のモル比が、0.1以上4以下であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の低級オレフィンの製造方法。
- 前記第一の工程において、前記触媒と合成ガスとを接触させる際の反応温度が、200℃以上400℃以下であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の低級オレフィンの製造方法。
- 前記第一の工程において、前記触媒と合成ガスとを接触させる際の反応圧力が、絶対圧で0.1MPa以上5MPa以下であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の低級オレフィンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012092152A JP5906913B2 (ja) | 2012-04-13 | 2012-04-13 | 低級オレフィンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012092152A JP5906913B2 (ja) | 2012-04-13 | 2012-04-13 | 低級オレフィンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013220998A JP2013220998A (ja) | 2013-10-28 |
JP5906913B2 true JP5906913B2 (ja) | 2016-04-20 |
Family
ID=49592241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012092152A Active JP5906913B2 (ja) | 2012-04-13 | 2012-04-13 | 低級オレフィンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5906913B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7017024B2 (ja) * | 2016-02-29 | 2022-02-08 | 株式会社Ihi | オレフィン製造システム、および、オレフィン製造方法 |
CN106925315B (zh) * | 2017-03-09 | 2019-08-06 | 盐城复华环保产业开发有限公司 | 一种催化剂及其制备方法和在二氧化碳合成低碳醇中的应用 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06166639A (ja) * | 1992-09-09 | 1994-06-14 | Tonen Chem Corp | 接触分解装置から副生する軽質ガスからのオレフィン類の回収方法 |
EP2501781B1 (de) * | 2009-11-19 | 2014-03-19 | Basf Se | Verfahren zur selektiven herstellung von leichten olefinen |
-
2012
- 2012-04-13 JP JP2012092152A patent/JP5906913B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013220998A (ja) | 2013-10-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Numpilai et al. | Recent advances in light olefins production from catalytic hydrogenation of carbon dioxide | |
JP5411133B2 (ja) | 二酸化炭素の合成ガスへの接触水素化 | |
CA2795553C (en) | Process for the production of light olefins from synthesis gas | |
JP2009179801A (ja) | 液化石油ガスの製造方法 | |
JP2007125515A (ja) | 液化石油ガス製造用触媒、および、この触媒を用いた液化石油ガスの製造方法 | |
TW201016641A (en) | Process for production of olefin, and production apparatus for same | |
CN110072813B (zh) | 使用双功能氧化铬/氧化锌-sapo-34催化剂将合成气转化为烯烃的方法 | |
JP4989650B2 (ja) | 液化石油ガス製造用触媒、及び、この触媒を用いた液化石油ガスの製造方法 | |
US20230069964A1 (en) | Production of liquefied petroleum gas (lpg) hydrocarbons from carbon dioxide-containing feeds | |
Wang et al. | Direct conversion of syngas into light aromatics over Cu-promoted ZSM-5 with ceria–zirconia solid solution | |
Ma et al. | Selective synthesis of gasoline from syngas in near-critical phase | |
JP5906913B2 (ja) | 低級オレフィンの製造方法 | |
JP2011084528A (ja) | プロピレンの製造方法 | |
JP4459925B2 (ja) | 液化石油ガス製造用触媒、および、この触媒を用いた液化石油ガスの製造方法 | |
WO2015015312A2 (en) | A process for the production of olefins through ft based synthesis | |
JP6769769B2 (ja) | フィッシャー・トロプシュ反応における使用を意図した触媒の調製方法 | |
US20230382820A1 (en) | Production of liquid hydrocarbons from carbon dioxide, in combination with hydrogen or a hydrogen source | |
WO2006030828A1 (ja) | 液化石油ガスの製造方法 | |
US20160177187A1 (en) | A process for the production of olefins through ft based synthesis | |
Bikbaeva | Metal-sulfide materials for ethane conversion in presence of CO2 | |
NL2016236B1 (en) | Process and system for the production of olefins. | |
JP5086658B2 (ja) | 液化石油ガスの製造方法 | |
WO2017195817A1 (ja) | 炭化水素の改質方法、有機酸素化物の製造方法、及び有機酸素化物の製造システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141128 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150624 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150707 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160223 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160307 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5906913 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |