図1、図4、図9、図15および図19において、以下で説明する方向は、各図に示す方向矢印記載の通りである。図5、図6および図10〜13における方向も、図1に示す方向に準拠する。また、図2における方向は、紙面上側が上側であり、紙面下側が下側であり、紙面左方向は、バッテリーカバーの長手方向一方向であり、紙面右方向は、バッテリーカバーの長手方向他方向であり、紙面手前方向は、バッテリーカバーの内側方向であり、紙面奥側方向は、バッテリーカバーの外側方向である。図3、図7、図8、図14および図16〜18における方向も、図2に示す方向に準拠する。
<第1実施形態>
1.バッテリーカバー
第1実施形態において、バッテリーカバー1は、図1が参照されるように、上下方向に延びる角筒形状であり、平面視略矩形枠形状に形成されている。バッテリーカバー1は、複数(4つ)の側壁2と、各側壁2を連結する複数(4つ)の連結部23と、側壁2および連結部23の内側面の上端に設けられる第1スペーサー3と、側壁2および連結部23の内側面の下端に設けられる第3スペーサー4(図2および図3を参照)とを備えている。
4つの側壁2は、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置される左壁5および右壁6と、前後方向に互いに間隔を隔てて対向配置される前壁7および後壁8とを備えている。
4つの連結部23は、左壁5と前壁7とを連結する左前連結部9と、左壁5と後壁8とを連結する左後連結部10と、右壁6と前壁7とを連結する右前連結部11と、右壁6と後壁8とを連結する右後連結部12とを備えている。
図2の展開図が参照されるように、側壁2および連結部23は、周方向(長手方向)に長尺な略矩形状に形成されている。側壁2および連結部23のそれぞれの上端部および下端部には、肉薄部(後述)が形成され、中央部には、断熱性を有する肉厚部(後述)が形成されている。上端部の肉薄部には、第1スペーサー3が設けられ、下端部の肉薄部には、第3スペーサー4が設けられている。
また、各連結部23は、上下方向に沿って設けられる第2スペーサー(後述)と、その第2スペーサーの両側に設けられる2つの折り曲げ部(後述)とを備えている。
各連結部23において、互いに隣接する側壁2のうち一方の側壁2は、一方の折り曲げ部(後述)を介して第2スペーサー(後述)に連結され、他方の側壁2は、他方の折り曲げ部を介して第2スペーサーに連結されている。
具体的には、図2が参照されるように、左壁5は、上下方向長さが長手方向長さより長い側面視略矩形状に形成されている。
左壁5は、左肉厚部5aと、左上肉薄部5b、左下肉薄部5cとを一体的に備えている。
左肉厚部5aは、左壁5の上下方向略中央に、側面視略矩形状に形成されている。左肉厚部5aは、図3(a)に参照されるように、内側に向かって膨出している。左肉厚部5aの厚みL1(内側面から外側面までの距離)は、左上肉薄部5bおよび左下肉薄部5cの厚みよりも大きくなるように形成されている。
左上肉薄部5bは、図2の破線および図3(a)で示されるように、左肉厚部5aの上側に隣接して形成されている。左上肉薄部5bは、長手方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。左上肉薄部5bの上下方向長さは、第1スペーサー3の上下方向長さと略同一である。
左下肉薄部5cは、図2の破線および図3(a)で示されるように、左肉厚部5aの下側に隣接して形成されている。左上肉薄部5bは、長手方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。左下肉薄部5cの上下方向長さは、第3スペーサー4の上下方向長さと略同一である。
図2が参照されるように、左壁5の長手方向他方側端部には、被係合部13が設けられている。
被係合部13は、左後連結部10の係合部21(後述)と係合して、バッテリーカバー1を筒状に保持するために設けられている。被係合部13は、長手方向一方側に向かって開放される略コ字形状をなし、肉薄状に形成されており、第1被係合部14と、第1被係合部14と下方に間隔を隔てて配置される第2被係合部15と、第1被係合部14と第2被係合部15との間を連結する重複部16とを一体的に備えている。
第1被係合部14は、側面視略矩形状をなし、その上下方向中央には、第1突出部17(後述)を差し込むための第1スリット18が上下方向に沿って形成されている。
第2被係合部15は、側面視略矩形状をなし、その上下方向中央には、第2突出部19(後述)を差し込むための第2スリット20が上下方向に沿って形成されている。第2被係合部15と第1被係合部14との上下方向長さおよび長手方向長さは、略同一である。第2スリット20と第1スリット18との上下方向長さは、略同一である。すなわち、第2被係合部15の形状は、第1被係合部14の形状と略同一である。
重複部16は、側面視略矩形状であり、その長手方向長さは、第1被係合部14の長手方向長さよりも短くなるように形成されている。
第1被係合部14、第2被係合部15および重複部16の長手方向他端部は、面一に形成されている。
左壁5の長手方向一方側には、左前連結部9が、左壁5と一体的に形成されている。
左前連結部9は、上下方向に細長く形成され、第2スペーサーとしての第2左前スペーサー9aと、左前上肉薄部9bと、左前下肉薄部9cと、2つの、折り曲げ部としての左前折り曲げ部9d、9eとを一体的に備えている。
第2左前スペーサー9aは、上下方向に沿う側面視略矩形状をなし、内側に膨出するように肉厚に形成されている。第2左前スペーサー9aは、その厚みL2(内側面から外側面までの距離)が、左前上肉薄部9bおよび左前下肉薄部9cの厚みよりも大きくなるように形成され、左肉厚部5aの厚みよりも同一または小さくなるように形成されている。
左前上肉薄部9bは、図2の破線および図3(b)に参照されるように、第2左前スペーサー9aの上側に隣接して形成されている。左前上肉薄部9bは、側面視略矩形状に形成されている。左前上肉薄部9bの上下方向長さは、第1スペーサー3の上下方向長さと略同一である。
左前下肉薄部9cは、図2の破線および図3(b)に参照されるように、第2左前スペーサー9aの下側に隣接して形成されている。左前下肉薄部9cは、側面視略矩形状に形成されている。左前下肉薄部9cの上下方向長さは、第3スペーサー4の上下方向長さと略同一である。
2つの左前折り曲げ部9d、9eは、第2左前スペーサー9a、左前上肉薄部9bおよび左前下肉薄部9cの長手方向一方向および他方向のそれぞれに、隣接して形成されている。2つの左前折り曲げ部9d、9eは、上下方向に延びる線状に形成され、肉薄に形成されている。それぞれの上下方向長さは、第2左前スペーサー9a、左前上肉薄部9bおよび左前下肉薄部9cのそれぞれの上下方向長さの合計と同一長さである。
第2左前スペーサー9aは、一方の左前折り曲げ部9dを介して左壁5に連結され、他方の左前折り曲げ部9eを介して前壁7に連結されている。
左前連結部9の長手方向一方側には、前壁7が、左前連結部9と一体的に形成されている。
前壁7は、左壁5よりも長い長手方向長さを有する側面視略矩形状をなし、その上端部が上方に向かって側面視略U字形状に切り欠かれている。前壁7は、前肉厚部7aと、前上肉薄部7bと、前下肉薄部7cとを一体的に備えている。
前肉厚部7aは、前壁7の上下方向略中央に、側面視略矩形状に形成されている。前肉厚部7aは、内側に向かって膨出している。前肉厚部7aの厚み(内側面から外側面までの距離)は、左肉厚部5aの厚みと略同一である。
前上肉薄部7bは、前肉厚部7aの上側に隣接して形成されている。前上肉薄部7bは、その上端縁が前壁7の上端部に沿う略U字形状に形成されている。
前下肉薄部7cは、図2の破線で示されるように、前肉厚部7aの下側に隣接して形成されている。前下肉薄部7cは、長手方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。前下肉薄部7cの上下方向長さは、第3スペーサー4の上下方向長さと略同一である。
前壁7の長手方向一方側には 右前連結部11が、前壁7と一体的に形成されている。
右前連結部11は、左前連結部9と略同一形状で上下方向に細長く形成され、第2スペーサーとしての第2右前スペーサー11aと、右前上肉薄部11bと、右前下肉薄部11cと、2つの、折り曲げ部としての右前折り曲げ部11d、11eとを一体的に備えている。
第2右前スペーサー11aは、上下方向に沿う側面視略矩形状をなし、内側に膨出するように肉厚に形成されている。第2右前スペーサー11aの厚みは、第2左前スペーサー9aの厚みと略同一である。
右前上肉薄部11bは、図2の破線で示されるように、第2右前スペーサー11aの上側に隣接して形成されている。右前上肉薄部11bは、側面視略矩形状に形成されている。右前上肉薄部11bの上下方向長さは、第1スペーサー3の上下方向長さと略同一である。
右前下肉薄部11cは、図2の破線で示されるように、第2右前スペーサー11aの下側に隣接して形成されている。右前下肉薄部11cは、側面視略矩形状に形成されている。右前下肉薄部11cの上下方向長さは、第3スペーサー4の上下方向長さと略同一である。
2つの右前折り曲げ部11d、11eは、第2右前スペーサー11a、右前上肉薄部11bおよび右前下肉薄部11cの長手方向一方向および他方向のそれぞれに、隣接して形成されている。2つの右前折り曲げ部11d、11eは、上下方向に延びる線状に形成され、肉薄に形成されている。それぞれの上下方向長さは、第2右前スペーサー11a、右前上肉薄部11bおよび右前下肉薄部11cのそれぞれの上下方向長さの合計と同一長さである。
第2右前スペーサー11aは、一方の右前折り曲げ部11dを介して前壁7に連結され、他方の右前折り曲げ部11eを介して右壁6に連結されている。
右前連結部11の長手方向一方側には 右壁6が、右前連結部11と一体的に形成されている。
右壁6は、前壁7よりも短く、左壁5と略同一の長手方向長さを有する側面視略矩形状をなし、右肉厚部6aと、右上肉薄部6bと、右下肉薄部6cとを一体的に備えている。
右肉厚部6aは、右壁6の上下方向略中央に、側面視略矩形状に形成されている。右肉厚部6aは、内側に向かって膨出している。右肉厚部6aは、その厚みが、右上肉薄部6bおよび右下肉薄部6cの厚みよりも大きくなるように形成され、左肉厚部5aの厚みと略同一に形成されている。
右上肉薄部6bは、図2の破線で示されるように、右肉厚部6aの上側に隣接して形成されている。右上肉薄部6bは、長手方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。右上肉薄部6bの上下方向長さは、第1スペーサー3の上下方向長さと略同一である。
右下肉薄部6cは、図2の破線で示されるように、右肉厚部6aの下側に隣接して形成されている。右下肉薄部6cは、長手方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。右下肉薄部6cの上下方向長さは、第3スペーサー4の上下方向長さと略同一である。
右壁6の長手方向一方側には 右後連結部12が、右壁6と一体的に形成されている。
右後連結部12は、左前連結部9と略同一形状で上下方向に細長く形成され、第2スペーサーとしての第2右後スペーサー12aと、右後上肉薄部12bと、右後下肉薄部12cと、2つの、折り曲げ部としての右後折り曲げ部12d、12eとを一体的に備えている。
第2右後スペーサー12aは、上下方向に沿う側面視略矩形状をなし、内側に膨出するように肉厚に形成されている。第2右後スペーサー12aの厚みは、第2左前スペーサー9aの厚みと略同一である。
右後上肉薄部12bは、図2の破線で示されるように、第2右後スペーサー12aの上側に隣接して形成されている。右後上肉薄部12bは、側面視略矩形状に形成されている。右後上肉薄部12bの上下方向長さは、第1スペーサー3の上下方向長さと略同一である。
右後下肉薄部12cは、図2の破線で示されるように、第2右後スペーサー12aの下側に隣接して形成されている。右後下肉薄部12cは、側面視略矩形状に形成されている。右後下肉薄部12cの上下方向長さは、第3スペーサー4の上下方向長さと略同一である。
2つの右後折り曲げ部12d、12eは、第2右後スペーサー12a、右前上肉薄部11bおよび右前下肉薄部11cの長手方向一方向および他方向のそれぞれに、隣接して形成されている。2つの右後折り曲げ部12d、12eは、上下方向に延びる線状に形成され、肉薄に形成されている。それぞれの上下方向長さは、第2右後スペーサー12a、右後上肉薄部12bおよび右後下肉薄部12cのそれぞれの上下方向長さの合計と同一長さである。
第2右後スペーサー12aは、一方の右後折り曲げ部12dを介して右壁6に連結され、他方の右後折り曲げ部12eを介して後壁8に連結されている。
右後連結部12の長手方向一方側には、後壁8が、右後連結部12と一体的に形成されている。
後壁8は、右壁6よりも長く、前壁7と略同一の長手方向長さを有する側面視略矩形状をなし、その上端部が、前壁7の上端部より浅くなるように、上方に向かって側面視略U字形状に切り欠かれている。後壁8は、後肉厚部8aと、後上肉薄部8bと、後下肉薄部8cとを一体的に備えている。
後肉厚部8aは、後壁8の上下方向略中央に、側面視略矩形状に形成されている。後肉厚部8aは、内側に向かって膨出している。後肉厚部8aの厚みは、左肉厚部5aの厚みと略同一である。
後上肉薄部8bは、後肉厚部8aの上側に隣接して形成されている。後上肉薄部8bは、その上端縁が、後壁8の上端部に沿う略U字形状に形成されている。
後下肉薄部8cは、図2の破線で示されるように、後肉厚部8aの下側に隣接して形成されている。後下肉薄部8cは、長手方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。後下肉薄部8cの上下方向長さは、第3スペーサー4の上下方向長さと略同一である。
後壁8の長手方向一方側には 左後連結部10が、後壁8と一体的に形成されている。
左後連結部10は、左前連結部9と略同一形状で上下方向に細長く形成され、第2スペーサーとしての第2左後スペーサー10aと、左後上肉薄部10bと、左後下肉薄部10cと、2つの、折り曲げ部としての左後折り曲げ部10d、10eとを備えている。
第2左後スペーサー10aは、上下方向に沿う側面視略矩形状をなし、内側に膨出するように肉厚に形成されている。第2左後スペーサー10aの厚みは、第2左前スペーサー9aの厚みと略同一である。
左後上肉薄部10bは、図2の破線で示されるように、第2左後スペーサー10aの上側に隣接して形成されている。左後上肉薄部10bは、側面視略矩形状に形成されている。左後上肉薄部10bの上下方向長さは、第1スペーサー3の上下方向長さと略同一である。
左後下肉薄部10cは、図2の破線で示されるように、第2左後スペーサー10aの下側に隣接して形成されている。左後下肉薄部10cは、側面視略矩形状に形成されている。左後下肉薄部10cの上下方向長さは、第3スペーサー4の上下方向長さと略同一である。
2つの左後折り曲げ部10d、10eは、第2左後スペーサー10a、左後上肉薄部10bおよび左後下肉薄部10cの長手方向一方向および他方向のそれぞれに、隣接して形成されている。2つの左後折り曲げ部10d、10eは、上下方向に延びる線状に形成され、肉薄に形成されている。それぞれの上下方向長さは、第2左後スペーサー10a、左後上肉薄部10bおよび左後下肉薄部10cのそれぞれの上下方向長さの合計と同一長さである。
第2左後スペーサー10aは、一方の左後折り曲げ部10dを介して後壁8に連結され、他方の左後折り曲げ部10eを介して係合部21(後述)に連結されている。
左後連結部10は、その長手方向一方側端部に、係合部21を備えている。係合部21は、肉薄状に形成されており、その長手方向一方側には、第1突出部17および第2突出部19を備えている。
第1突出部17は、係合部21の上方において長手方向一方向に突出し、側面視略矩形状に形成される第1突部24と、第1突部24の長手方向一端部から上方または下方に膨出する頭部25とを一体的に備えている。
第1突部24の上下方向長さは、第1スリット18の上下方向長さと略同一になるように形成されている。
第2突出部19は、第1突出部17と下方に間隔を隔てて設けられ、係合部21の長手方向一方向に突出するように形成されている。第2突出部19は、第1突出部17と略同一形状に形成されている。すなわち、第2突出部19は、係合部21の下方において長手方向一方向に突出し、側面視略矩形状に形成される第2突部26と、第2突部26の長手方向一端部から上方または下方に膨出する第2頭部27とを一体的に備えている。
第2突部26の上下方向長さは、第2スリット20の上下方向長さと略同一となるように形成されている。
4つの連結部23(左前連結部9、左後連結部10、右前連結部11および右後連結部12)のそれぞれは、折り畳み部28を構成し、側壁2の内側面が接触するようにバッテリーカバー1を折り畳むことを可能とする。
バッテリーカバー1の各側壁2および各連結部23の内側面の上端縁には、第1スペーサー3が設けられている。より具体的には、第1スペーサー3は、左上肉薄部5b、左前上肉薄部9b、前上肉薄部7b、右前上肉薄部11b、右上肉薄部6b、右後上肉薄部12b、後上肉薄部8b、および、左後上肉薄部10bの内側面の上端縁に沿って、連続して設けられている。各側壁2および各連結部23の上端部と第1スペーサー3の上端部とは、面一になるように、第1スペーサー3は、各側壁2および各連結部23に配置されている。
第1スペーサー3の内側面は、各側壁2の肉厚部(左肉厚部5a、右肉厚部6a、前肉厚部7aおよび後肉厚部8a)の内側面よりも内側に位置し、かつ、各連結部23の第2スペーサー(第2左前スペーサー9a、第2左後スペーサー10a、第2右前スペーサー11aおよび第2右後スペーサー12a)の内側面よりも内側に位置する。
第1スペーサー3は、長手方向に延びる断面視略矩形状に形成され、発泡体(スポンジ)から形成されている。
バッテリーカバー1の各側壁2および各連結部23の内側面の下端縁には、第3スペーサー4が設けられている。より具体的には、第3スペーサー4は、左下肉薄部5c、左前下肉薄部9c、前下肉薄部7c、右前下肉薄部11c、右下肉薄部6c、右後下肉薄部12c、後下肉薄部8c、および、左後下肉薄部10cの内側面の下端縁に沿って、連続して設けられている。各側壁2および各連結部23の下端面と第3スペーサー4の下端面とは、面一になるように、第3スペーサー4は、各側壁2および各連結部23に配置されている。
第3スペーサー4の内側面は、各側壁2の肉厚部(左肉厚部5a、右肉厚部6a、前肉厚部7aおよび後肉厚部8a)の内側面よりも内側に位置し、かつ、各連結部23の第2スペーサー(第2左前スペーサー9a、第2左後スペーサー10a、第2右前スペーサー11aおよび第2右後スペーサー12a)の内側面よりも内側に位置する。
第3スペーサー4は、長手方向に延びる断面視略矩形状に形成されている。第3スペーサー4は、第1スペーサー3と同一の材料、すなわち、発泡体(スポンジ)から形成されている。
2.バッテリーカバーの作製方法
まず、発泡層(図1および図3において、符号39で示す。)と、発泡層の両面に積層されている表皮(図1および図3において、符号40で示す。)とを備える断熱性のカバー材料を用意する。
発泡層としては、例えば、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリオレフィン発泡体、クロロプレン発泡体、ポリエステル発泡体などが挙げられる。発泡層を用いることにより、バッテリーカバーの断熱性が良好になる。これらの発泡層の中でも、好ましくは、成形性、断熱性の観点から、ポリウレタン発泡体が挙げられる。
表皮としては、例えば、熱硬化性樹脂を含浸させたポリエステルフェルト、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルとレーヨンとの混合物などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、レゾンシノール樹脂が挙げられる。
また、発泡層および表皮として、耐熱性を有するエチレン・プロピレン・ジエンゴム系発泡体(EPDM発泡体)、シリコーン系発泡体などの伸縮性部材なども挙げられる。これらを用いることにより、バッテリーをバッテリーカバーに装着する際に、バッテリーカバーを外側に伸ばすことができ、バッテリーの装着を容易にすることができる。
発泡層の厚みは、例えば、1mm以上、好ましくは、5mm以上であり、また、例えば、20mm以下、好ましくは、15mm以下でもある。
表皮の厚みとしては、例えば、0.05mm以上、好ましくは、0.3mm以上であり、また、例えば、1.5mm以下、好ましくは、1mm以下でもある。
カバー材料全体の厚さ(各肉厚部の厚さに相当)は、例えば、1mm以上、好ましくは、5mm以上であり、また、例えば、20mm以下、好ましくは、15mm以下でもある。
次いで、カバー材料の所定箇所を熱圧縮して、肉薄部を形成する。具体的には、カバー材料を、各肉薄部(左上肉薄部5b、左前上肉薄部9b、前上肉薄部7b、右前上肉薄部11b、右上肉薄部6b、右後上肉薄部12b、後上肉薄部8b、および、左後上肉薄部10b、左下肉薄部5c、左前下肉薄部9c、前下肉薄部7c、右前下肉薄部11c、右下肉薄部6c、右後下肉薄部12c、後下肉薄部8c、左後下肉薄部10c、左前折り曲げ部9d、9e、左後折り曲げ部10d、10e、右前折り曲げ部11d、11e、右後折り曲げ部12d、12e、係合部21、および、被係合部13)が得られるように、各肉薄部に対応した形状の加熱板でカバー材料の一方面(内側面)を圧縮する。肉薄部を形成することにより、折り曲げ部の形成が容易となり、また、周辺部との緩衝や接触を回避することができる。
加熱板の温度は、例えば、120℃以上、好ましくは、140℃以上であり、また、例えば、230℃以下、好ましくは、200℃以下でもある。
左肉厚部5aの厚みL1は、具体的には、例えば、5mm以上、好ましくは、10mm以上であり、また、例えば、20mm以下、好ましくは、15mm以下でもある。また、前肉厚部7a、右肉厚部6aおよび後肉厚部8aの厚みも、上記範囲と同様である。
第2左前スペーサー9aの厚みL2は、具体的には、例えば、1mm以上、好ましくは、2mm以上であり、また、例えば、15mm以下、好ましくは、10mm以下でもある。第2右前スペーサー11a、第2右後スペーサー12aおよび第2左後スペーサー10aの厚みも、上記範囲と同様である。
各肉薄部の厚みは、全て、略同一であり、具体的には、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.5mm以上であり、また、例えば、2mm以下、好ましくは、1.5mm以下でもある。
各折り曲げ部(左前折り曲げ部9d、9e、左後折り曲げ部10d、10e、右前折り曲げ部11d、11e、右後折り曲げ部12d、12e)の長手方向長さは、例えば、具体的には、例えば、2mm以上、好ましくは、6mm以上であり、また、例えば、35mm以下、好ましくは、20mm以下でもある。
次いで、外形加工する。より具体的には、各肉薄部の外側に沿って、カバー材料を切断する。
これにより、左壁5、左前連結部9、前壁7、右前連結部11、右壁6、右後連結部12、後壁8、および、左後連結部10が、この順で連続して一体成型されたバッテリーカバー壁材が得られる。
次いで、バッテリーカバー壁材の内側面の上端縁に沿って、側面視略矩形状の長尺な第1スペーサー3を貼着する。
第1スペーサー3は、発泡体から形成されている。発泡体としては、例えば、エチレン・プロピレン・ジエンゴム発泡体(EPDM発泡体)、エチレン・プロピレン発泡体(EPM発泡体)、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリオレフィン発泡体、クロロプレン発泡体などが挙げられる。好ましくは、EPDM発泡体が挙げられる。
第1スペーサー3の厚さ(最内側から最外側までの距離)は、例えば、1mm以上、好ましくは、5mm以上であり、また、例えば、15mm以下、好ましくは、10mm以下でもある。また、第1スペーサー3の上下方向長さは、例えば、3mm以上、好ましくは、7mm以上であり、また、例えば、15mm以下、好ましくは、10mm以下でもある。
次いで、バッテリーカバー壁材の内側面の下端縁に沿って、側面視略矩形状の長尺な第3スペーサー4を貼着する。
第3スペーサー4は、発泡体から形成されている。発泡体としては、例えば、第1スペーサー3と同一のものが挙げられる。好ましくは、EPDM発泡体が挙げられる。第3スペーサー4の厚さおよび上下方向長さは、それぞれ第1スペーサー3の厚さおよび上下方向長さと略同一である。
そして、左後連結部10の第1突出部17および第2突出部19をそれぞれ、左壁5の第1スリット18および第2スリット20に差し込むことにより、左壁5および左後連結部10が連結された、角筒形状のバッテリーカバー1が得られる。
具体的には、上記したように、バッテリーカバー1は、前壁7および後壁8が前後方向に間隔を隔てて対向し、左壁5および右壁6が左右方向に間隔を隔てて対向する、左右方向に長い平面視略矩形状に形成される。
そして、バッテリーカバー1の四隅のそれぞれでは、互いに略直角に隣接配置される各側壁2(前壁7と左壁5、左壁5と後壁8、後壁8と右壁6、右壁6と前壁7)が、各連結部23(左前連結部9、左後連結部10、右前連結部11、右後連結部12)を介して連結されている。各連結部23では、第2スペーサー(第2左前スペーサー9a、第2左後スペーサー10a、第2右前スペーサー11a、第2右後スペーサー12a)を挟む2つの折り曲げ部(左前折り曲げ部9d、9e、左後折り曲げ部10d、10e、右前折り曲げ部11d、11e、右後折り曲げ部12d、12e)が屈曲されることにより、互いに隣接する側壁2の略直角状の配置を実現している。
すなわち、互いに隣接する側壁2のうち一方の側壁2(例えば、前壁7)と連結部23(例えば、左前連結部9)とが、一方の折り曲げ部(例えば、左前折り曲げ部9e)において屈曲されることにより、角筒形状の内側に鈍角(例えば、100〜175度、好ましくは、120〜150度、最も好ましくは、135度)が形成されるように連結され、互いに隣接する側壁2のうち他方の側壁2(例えば、左壁5)と連結部23(例えば、左前連結部9)とが、他方の折り曲げ部(例えば、折り曲げ部9d)において屈曲されることにより、角筒形状の内側に鈍角が形成されるように連結されている。
これによって、バッテリーカバー1の四隅のそれぞれは、互いに略直角に隣接配置される各側壁2と連結部23とによって、2つの角(鈍角)が形成されることにより、平面視略台形状に形成される。
3.バッテリーの装着
図4に示すように、バッテリー31は、車両、船舶などに搭載される二次電池であり、内部にバッテリー液32が充填されている。
バッテリー31は、略直方体形状に形成されており、上面には、2つの端子33が設けられており、その前面には、バッテリー液界面34が外部から目視できるバッテリー液検知部35が設けられている。バッテリー液検知部35には、バッテリー液32の充填量の上限を示す上限目盛36aと、バッテリー液32の充填量の下限を示す下限目盛36bとが付されている。バッテリー液32は、バッテリー液界面34が上限目盛と下限目盛との間に位置するように、バッテリー31内に充填されている。
バッテリー31のバッテリー液検知部35がある側面(前面)が、バッテリーカバー1の前壁7と対向配置されるように、バッテリーカバー1はバッテリー31に装着される。このとき、バッテリー液検知部35は、前壁7の略U字形状に切り欠かれた上端部から露出している。
図5および図6が示すように、バッテリーカバー1は、バッテリーカバー1の4つの側壁2(内側面)から区画される空間が、バッテリー31の側面よりもわずかに大きくなるように、形成されている。
図6に示すように、バッテリーカバー1の四隅のそれぞれでは、2つの折り曲げ部(左前折り曲げ部9d、9e、左後折り曲げ部10d、10e、右前折り曲げ部11d、11e、右後折り曲げ部12d、12e)がそれぞれ屈曲することにより、バッテリーカバー1の外周形状は、四隅の角が斜めに面取りされた形状、すなわち、平面視略八角形に形成されている。そして、バッテリーカバー1の内周面においては、4つの隅部(特に、第2左前スペーサー9a、第2左後スペーサー10a、第2右前スペーサー11aおよび第2右後スペーサー12aからなる4つの第2スペーサー)が内側に突出している。そのため、バッテリー31がバッテリーカバー1に装着されたときに、4つの第2スペーサーは、バッテリーの側面の4つの隅38(角:38a、38b、38c、38d)と接触し、バッテリーカバー1は、バッテリー31に固定される。
また、第1スペーサー3は、バッテリー31の側面の上部と接触し、第3スペーサー4は、バッテリー31の側面の下部と接触する。具体的には、第1スペーサー3の内側面が、バッテリー31の側面と周方向すべてにわたって接触し、第3スペーサー4の内側面が、バッテリー31の側面と周方向すべてにわたって接触する。
バッテリー31の底面は、第3スペーサー4の下端面およびバッテリーカバー1の側壁2の下端面と面一になっている。
そして、バッテリーカバー1の側壁2の内側面と、バッテリー31の側面と、第1スペーサー3と、第2スペーサーと、第3スペーサー4とによって、密閉された4つの空間37(空気層)が区画される。
具体的には、バッテリー31の前方では、第1スペーサー3、第2左前スペーサー9a、第2右前スペーサー11a、第3スペーサー4、前壁7およびバッテリー31の前面から、前方空間37aが区画される。バッテリー31の後方では、第1スペーサー3、第2左後スペーサー10a、第2右後スペーサー12a、第3スペーサー4、後壁8およびバッテリーの後側の側面から、後方空間37bが区画される。バッテリー31の左方では、第1スペーサー3、第2左前スペーサー9a、第2左後スペーサー10a、第3スペーサー4、左壁5およびバッテリー31の左側の側面から、左方空間37cが区画される。バッテリー31の右方では、第1スペーサー3、第2右前スペーサー11a、第2右後スペーサー12a、第3スペーサー4、右壁6およびバッテリーの右側の側面から、右方空間37dが区画される。
各空間37の距離(バッテリーカバー1の各側壁2の内側面とバッテリー31の側面との距離)は、例えば、1mm以上、好ましくは、3mm以上であり、また、例えば、15mm以下、好ましくは、10mm以下でもある。
4.折り畳み
バッテリーカバー1は、図7または図8に示すように、折り畳むことができる。
具体的には、図7では、右前連結部11の右前折り曲げ部11dおよび11eと、左後連結部10の左後折り曲げ部10dおよび10eとを折り曲げるとともに、左前連結部9の左前折り曲げ部9dおよび9eと、右後連結部12の右後折り曲げ部12dおよび12eとを伸長させることにより、前壁7、左前連結部9および左壁5が連続して平板形状となり、後壁8、右後連結部12および右壁6が連続して平板形状となり、それらが重なり合うように折り畳まれる。
このとき、右前連結部11と、右前連結部11の両側に連結する前壁7および右壁6とにおいて、第1スペーサー3および第3スペーサー4は、2つの右前折り曲げ部11dおよび11eに沿って、平面視略U字形状に屈曲される。
一方、図8では、左前連結部9の左前折り曲げ部9dおよび9eと、右後連結部12の右後折り曲げ部12dおよび12eとを折り曲げるとともに、右前連結部11の右前折り曲げ部11dおよび11eと、左後連結部10の左後折り曲げ部10dおよび10eとを伸長させることにより、前壁7、右前連結部11および右壁6が連続して平板形状となり、後壁8、左後連結部10および左壁5が連続して平板形状となり、それらが重なり合うように折り畳まれる。
このとき、左前連結部9と、左前連結部9の両側に連結する前壁7および左壁5とにおいて、第1スペーサー3および第3スペーサー4は、2つの左前折り曲げ部9dおよび9eに沿って、平面視略U字形状に屈曲される。
5.作用効果
そして、このバッテリーカバー1は、バッテリー31の四方の側面を覆う側壁2(左壁5、右壁6、前壁7および後壁8)と、側壁2の上部に設けられる第1スペーサー3とを備えるので、バッテリー31の側面と、バッテリーカバー1の各側壁2との間に、空間37(空気層)が生じる。
そのため、外部からバッテリーカバー1の側壁2に伝導した熱が、バッテリーカバー1を通じてバッテリー31の側面に直接伝導しない。その結果、バッテリーカバー1は、断熱性に優れ、バッテリー31を外部の熱から効果的に保護することができる。
また、バッテリーカバー1では、第2スペーサー(第2左前スペーサー9a、第2左後スペーサー10a、第2右前スペーサー11aおよび第2右後スペーサー12a)が、側壁2に上下方向に沿って設けられて、上下方向に沿ってバッテリー31の側面に接触する。
そのため、バッテリーカバー1の側壁2とバッテリー31の側面との間の空間37を保持することができる。
具体的には、このバッテリーカバー1では、バッテリーカバー1がバッテリー31に装着されたときに、第2スペーサーが、バッテリーの側面の隅38(38a、38b、38cおよび38d)に接触するように、側壁2に設けられている。
そのため、バッテリー31の側面の隅38は、その強度が高いため、より確実にバッテリーカバー1をバッテリー31に装着することができる。
具体的には、4つの第2スペーサー(第2左前スペーサー9a、第2左後スペーサー10a、第2右前スペーサー11aおよび第2右後スペーサー12a)が、バッテリー31の側面の4つの隅38のそれぞれに接触するように、側壁2に設けられている。
そのため、バッテリー31の四隅38a、38b、38cおよび38dに、第2スペーサーが接触するため、より確実にバッテリーカバー1をバッテリー31に装着することができながら、バッテリーカバー1の側壁2とバッテリー31の側面との間の空間37を保持することができる。
つまり、このバッテリーカバー1は、各側壁2(左壁5、右壁6、前壁7および後壁8)と各連結部23(左前連結部9、左後連結部10、右前連結部11および右後連結部12)とにより、平面視略八角形状を形成する。そのため、バッテリーカバー1の側壁2とバッテリー31の側面との間に空間を確実に形成することができる。
さらに詳述すると、バッテリーカバー1をバッテリー31に装着すると、上記したように、4つの空間(37a、37b、37cおよび37d)が区画される。そのため、より一層確実にバッテリーカバー1とバッテリー31との間に空間37を形成および保存することができる。
また、このバッテリーカバー1は、4つの折り畳み部28(左前連結部9、左後連結部10、右前連結部11および右後連結部12)が互いに間隔を隔てて設けられている。そのため、側壁2の内側面が接触するようにバッテリーカバー1を折り畳むことができるので、コンパクトに持ち運び、保管することができる。
さらに詳述すると、このバッテリーカバー1では、折り畳み部28のそれぞれが、2つの折り曲げ部(左前折り曲げ部9dおよび9e、左後折り曲げ部10dおよび10e、右前折り曲げ部11dおよび11e、右後折り曲げ部12dおよび12e)を備えている。そのため、バッテリーカバー1をバッテリー31に装着する際に角筒形状としたときに、バッテリーカバー1の各隅に2つの角を形成することができる。そのため、バッテリーカバー1を上記したように平面視略八角形に形成することができ、バッテリーカバー1の側壁2とバッテリー31の側面との間に空間を確実に形成することができる。
また、バッテリーカバー1を折り畳んだ際に、折り畳み部28で対向する側壁2同士が所定の距離を保てるので、その側壁2の内側面に設けられている第1スペーサー3同士が接触して生じる応力を緩和することができる。その結果、バッテリーカバー1を折り畳んで保管する際に、第1スペーサー3の破損を低減することができる。
また、このバッテリーカバー1では、側壁2が、断熱材から形成される発泡層を備えているので、バッテリーカバー1の断熱性がより一層向上する。そのため、バッテリー31を熱からより一層保護することができる。
具体的には、側壁2が、発泡層と、発泡層の両面に積層されている表皮とを備えているので、バッテリーカバー1の断熱性がより一層向上する。そのため、バッテリー31を熱からより一層保護することができる。
<第2実施形態>
図9に示されるように、第2実施形態のバッテリーカバー1では、外気を空間37に取り込む外気取込機構としての開口部41およびフラップ42を備えている。
開口部41は、前壁7の略中央に、前壁7の厚み方向を貫通する略側面視矩形状に形成され、空間の内外を連通する。
フラップ42は、弾性を有するフィルムなどの可撓性材料からなり、開口部41よりやや大きい略矩形平板形状に形成されている。フラップ42は、前壁7の内側面から、開口部41を覆うように、配置されている。図10(a)に示されるように、フラップ42の上端部は、開口部41の上方の前壁7の内側面に固定されており、フラップ42の上端部を除く周端部(左端部、右端部および下端部)は、前壁7における開口部41の周縁部に離間可能に接触している。
そして、バッテリーカバー1は、開口部41が車両の前方に向かうように、バッテリー31に装着される。図10(b)に示されるように、前方から空気が流入すると、フラップ42は、上端部を支点として後方に揺動し、開口部41を開放する。
そのため、車両の停止時には、開口部41は、フラップ42によって閉鎖される一方、車両の走行時には、上記したように、フラップ42が開口部41を開放して外部の空気を空間37の内部に取り込むことができる。
このようなバッテリーカバー1は、空間37の内外を連通する開口部41と、開口部41を開閉するフラップ42とを備えている。そのため、フラップ42の適宜の開動作により、開口部41から新鮮な空気を空間37の内部に取り込むことができる。その結果、バッテリー31を速やかかつ確実に冷やすことができる。
なお、開口部41の内部には、図示しないが、さらに換気ファンなどを設けることもできる。
<第3実施形態>
図11に示されるように、第3実施形態のバッテリーカバー1は、外気を空間37に取り込む外気取込機構としての、空間37の内外を連通する2つの第1開口部43および第2開口部44を備えている。
第1開口部43は、吸気口として設けられ、前壁7の下方において厚み方向を貫通して、前壁7の内側面と外側面とを連通させている。第1開口部43は、円筒形状をなし、軸方向が前後方向に延びるように配置されている。第1開口部43は、ストロー構造または逆止弁構造であり、外部の空気を内部(空間37)へと一方向に流入させることができる。
第2開口部44は、排気口として設けられ、前壁7の上方において、第1スペーサー3と前壁7の内側面との間に配置され、第1スペーサー3の内側面と外側面とを連通させている。第2開口部44は、円筒形状をなし、軸方向が上下方向に延びるように配置されている。第2開口部44は、ストロー構造または逆止弁構造であり、内部(空間37)の空気を外部へと一方向に流入させることができる。
そして、バッテリーカバー1は、第1開口部43および第2開口部44、前方空間を区画する部材(前壁7、バッテリー前面、第1スペーサー3、第2左前スペーサー9a、第2右前スペーサー11aおよび第3スペーサー4)とでポンプ構造を構成している。
そのため、車両の走行時においては、第1開口部43、空間37および第2開口部44の順で、外部の空気を空間37の内部に取り入れ、空間37の内部の空気を外部に排気することができる。
また、このバッテリーカバー1は、空間37の内外を連通する2つの第1開口部43と第2開口部44を備えるので、第1開口部43から新鮮な空気を空間37の内部に取り込むことができるとともに、第2開口部44から空間37の内部の空気を外部に排気することができ、バッテリー31を確実に冷やすことができる。
具体的には、このバッテリーカバー1では、第1開口部43が側壁2に設けられ、第2開口部44が第1スペーサー3に設けられており、第1開口部43が吸気口となり、第2開口部44が排気口となる。そのため、新鮮な空気を、第1開口部43から取り込み、第2開口部44から排気できるので、空間37の内部に、新鮮な空気の通過パスを形成することができる。その結果、バッテリー31をより効率的に冷却することができる。
<第4実施形態>
図12に示されるように、第4実施形態のバッテリーカバー1では、第4スペーサー46を、バッテリーカバー1の側壁2の内側面の上下方向略中央に、備えている。第4スペーサー46は、断面視略矩形状に形成されており、第4スペーサー46の内側面は、バッテリー31に装着時において、バッテリー31の側面に接触する。
なお、第4スペーサー46は、バッテリーカバー1の側壁2のすべて(すなわち、左壁5、右壁6、前壁7および後壁8)にわたって、平面視略矩形枠状に形成することもでき、また、バッテリーカバー1の側壁2の一部(例えば、前壁7および後壁8)に形成することもできる。
このように第4スペーサー46を設ければ、各空間37において、バッテリーカバー1とバッテリー31との隙間を確実に確保することができ、断熱性を向上させることができる。
<第5実施形態>
図13に示されるように、第5実施形態のバッテリーカバー1は、その底面に、滑り性の良いフィルム48を備えている。
滑り性の良いフィルム48は、底面視において、第3スペーサー4、側壁2および連結部23に沿う略矩形枠状に形成されている。滑り性の良いフィルム48は、ポリエステル(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などの材料から形成されている。
滑り性の良いフィルム48を設けることにより、バッテリーカバー1を容易にバッテリー31に上側から装着することができる。
<第6実施形態および第7実施形態>
図14(a)に示されるように、第6実施形態のバッテリーカバー1では、第1スペーサー3aは、外側から内側に向かうに従ってやや上方に延びる上下方向に可撓性を有するヒレ構造を備えている。第5実施形態における第1スペーサー3aは、ゴム、オレフィン材料などから形成されている。
図14(b)に示されるように、第7実施形態のバッテリーカバー1では、第1スペーサー3bが、側壁2と一体的に形成されている。すなわち、第1スペーサー3bは、バッテリーカバー1の側壁2の上端部を内側に折り曲げることにより形成されている。第1スペーサー3は、外側から内側に向かうに従って上方に延びるように形成されている。
第6実施形態および第7実施形態において、第1スペーサー3bは、平面視略矩形枠状をなし、すべての側壁2にわたって形成され、バッテリー31の全ての側面に接触するように配置される。
なお、図示しないが、第3スペーサー4についても、第6実施形態または第7実施形態の第1スペーサー3と同様に形成することもできる。
<第8実施形態>
第8実施形態のバッテリーカバー1では、図示しないが、第2スペーサーに伸縮部としての伸縮性スペーサーを採用する。伸縮性スペーサーは、引張応力により伸びる材料、熱により収縮する材料などから形成されている。
伸縮性スペーサーは、バッテリーカバー1がバッテリー31に装着されたときにバッテリー31の側面の隅38と接触するように、設けられている。
第2スペーサーを伸縮性スペーサーとすれば、異なるサイズのバッテリー31に対して、バッテリーカバー1の装着が可能となる。また、装着前においては、バッテリー31とバッテリーカバー1との間に隙間を生じさせることができるため、容易にバッテリーカバー1をバッテリー31の周囲に取り付けることができる。その一方、取り付け後においては、バッテリーカバー1を収縮することができるため、バッテリーカバー1をバッテリーに密着および固定させることが容易にできる。さらには、伸縮性スペーサーの収縮性のため、バッテリーカバー1の材料面積を少なくすることが可能となる。
なお、第8実施形態において、伸縮性スペーサーは、4つの第2スペーサーのすべてに採用してもよく、また、そのうち1つの第2スペーサーに対して採用してもよく、また、部分的に採用してもよい。
<第9実施形態>
図15に示されるように、第9実施形態のバッテリーカバー1では、例えば、連結部23に伸縮部としての伸縮性連結部材51を採用する。
伸縮性連結部材51は、上下方向に延びる側面視略矩形状に形成され、薄肉状に形成されている。
伸縮性連結部材51には、切込部53が形成されている。
切込部53は、上下方向に互いに間隔を隔てて複数形成されており、各切込部53は、上下方向に延び、伸縮性連結部材51の厚み方向を貫通するように、形成されている。これら複数の切込部53は、伸縮性連結部材51の上下方向全体にわたるライン状(直線状)の切込ライン52を形成している。切込ライン52は、長手方向に間隔を隔てて、複数並列配置されている。なお、各切込ライン52には、上下方向に互いに隣接する切込部53を連結するジョイント部54が形成されている。
また、伸縮性連結部材51の外側には、連結保護部材55が設けられている。連結保護部材55は、断熱性の弾性体であり、側面視略矩形状に形成されている。連結保護部材55は、その上下方向長さおよび長手方向長さのそれぞれが、伸縮性連結部材51の上下方向長さおよび長手方向長さのそれぞれと略同一となるように、形成されている。
連結部23を伸縮性連結部材51とすれば、異なるサイズのバッテリー31に対して、バッテリーカバー1の装着が可能となる。すなわち、バッテリーカバー1を長手方向に伸長することができるので、装着前においては、バッテリー31とバッテリーカバー1との間に隙間を生じさせることができるため、容易にバッテリーカバー1をバッテリー31の周囲に取り付けることができる。その一方、取り付け後においては、バッテリーカバー1を収縮することができるため、バッテリーカバー1をバッテリー31に密着および固定させることが容易にできる。さらには、伸縮性スペーサーの収縮性のため、バッテリーカバー1の材料面積を少なくすることが可能となる。
また、連結保護部材55を設けることにより、切り込み部52からの空気の漏れを阻止することができ、バッテリーカバー1のシール性、断熱性を向上することができる。
なお、第9実施形態において、伸縮性連結部材51は、4つの連結部(9、10、11、12)のすべてに採用してもよく、また、そのうち1つの連結部に対して採用してもよく、また、部分的に採用してもよい。さらに、左壁5、右壁6、前壁7および後壁8の全面または部分的に採用してもよい。
<第10実施形態および11実施形態>
図16および図17に示されるように、第10実施形態および第11実施形態のバッテリーカバー1では、例えば、係合部21に、伸縮性係合部を採用する。
第10実施形態のバッテリーカバー1は、図16に示されるように、伸縮性係合部として第1伸縮性係合部21aを備え、第1伸縮性係合部21aは、第1突部24および第2突部26が長手方向において長く形成されている。すなわち、第1突出部17および第2突出部19がそれぞれ第1スリット18および第2スリット20に差し込まれた際に、内側(バッテリーカバー1内部)から観察した場合、第1突部24および第2突部26の一部が露出するように形成されている。
第1伸縮性係合部21aを備えれば、異なるサイズのバッテリー31に対して、バッテリーカバー1の装着が可能となる。特に、装着前においては、第1伸縮性係合部21aの伸長により、バッテリー31とバッテリーカバー1との間に隙間を生じさせることができるため、容易にバッテリーカバー1をバッテリー31の周囲に取り付けることができる。
第11実施形態のバッテリーカバー1は、図17に示されるように、伸縮性係合部として第2伸縮性係合部21bを備え、第2伸縮性係合部21bでは、第1頭部25および第2頭部27のそれぞれに、バネ部56が長手方向に延びるように設けられている。バネ部56は、弾性体から形成され、固定部57と伸縮部58とを一体的に備えている。固定部57は、左肉厚部5aにおいて、第1突出部17および第2突出部19の長手方向一方側に間隔を隔てるように、左肉厚部5aの略中央部分に固定されている。伸縮部58は、鋸刃状に形成されている。
第2伸縮性係合部21bを備えれば、異なるサイズのバッテリー31に対して、バッテリーカバー1の装着が可能となる。特に、装着後においては、第2伸縮性係合部21bに対して、バネ部56によって長手方向一方側に向かう張力が働くため、すなわち、バッテリーカバー1の内周面を小さくなるように張力が働くため、バッテリーカバー1をバッテリー31に確実に密着および固定させることができる。
<第12実施形態>
図18に示されるように、第12実施形態のバッテリーカバー1では、被係合部13に融着部64を採用し、係合部21に被融着部63を採用する。
第12実施形態では、バッテリーカバー1は、2つの部材(第1バッテリーカバー部品61および第2バッテリーカバー部品62)から構成されている。第1バッテリーカバー部品61および第2バッテリーカバー部品62における長手方向一方側端部は、被融着部63が形成され、長手方向他方側端部は、融着部64が形成されている。
融着部64は、上下方向に延びる側面視略矩形状に形成され、薄肉状に形成されている。融着部64の表面は、熱などにより溶融し、被融着部63と連結する材料から構成されている。
被融着部63は、上下方向に延びる側面視略矩形に形成され、薄肉状に形成されている。
そして、第1バッテリーカバー部品61の融着部64の内側面(図18では、紙面手前側)を、第2バッテリーカバー部品62の被融着部63の外側面(図18では、紙面奥側)に融着し、かつ、第2バッテリーカバー部品62の融着部64の内側面を、第1バッテリーカバー部品61の被融着部63の外側面に融着することにより、バッテリーカバー1を製造することができる。
なお、融着部64および被融着部63は、図2に示す第1実施形態に採用してもよい。その場合には、被係合部13に代えて融着部64を形成し、係合部21に代えて被融着部63を採用する。
また、被融着部63および融着部64は、伸縮性部材から形成することもできる。伸縮性部材から形成すれば、第8実施態様と同様の作用効果が得られる。
<第13実施形態>
第13実施形態のバッテリーカバー1では、図19に示されるように、例えば、第1スペーサー3は、8つの第1スペーサー3(3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h)から構成されている。
すなわち、左壁5、左前連結部9、前壁7、右前連結部11、右壁6、右後連結部12、後壁8および左後連結部10の内面の上端に、それぞれの第1スペーサーが互いに独立して設けられている。各第1スペーサー3(3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h)の間には、切り込み60が形成されている。
第1スペーサー3を8つの第1スペーサー3から構成すれば、バッテリーカバー1にバッテリー31を円滑に装着することが可能となる。
<第14実施形態>
第14実施形態のバッテリーカバー1では、図示しないが、第1スペーサー3の内側面には、微粘着層が形成されている。微粘着層は、第1スペーサー3の内側面の全面にわたって形成されている。微粘着層は、バッテリー31に接触すると貼着するが、わずかな力でバッテリー31から離すことができる材料から形成されており、例えば、アクリル系ポリマーなどの材料から形成されている。
この微粘着層を設ければ、第1スペーサー3とバッテリー31との密封性が向上し、外部の空気の侵入および内部の空気の漏れを効果的に防止することができる。
なお、図示しないが、第3スペーサー4の内側面にも微粘着層を形成することもできる。
<第15実施形態>
第15実施形態のバッテリーカバー1では、図示しないが、左肉厚部5a、右肉厚部6a、前肉厚部7a、後肉厚部8a、第2左前スペーサー9a、第2左後スペーサー10a、第2右前スペーサー11a、および、第2右後スペーサー12aは、バッテリーカバー1の外側に向かって膨出することもできる。第15実施形態のバッテリーカバー1も、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。