JP6493066B2 - エラストマ組成物、並びにこれを用いた絶縁電線およびケーブル - Google Patents

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本発明は、エラストマ組成物、並びにこれを用いた絶縁電線およびケーブルに関する。
絶縁電線やケーブルには、導体の外周に被覆層(絶縁層やシースなど)が設けられている。被覆層を形成する被覆材料は、絶縁電線やケーブルの用途に応じて異なっている。例えば、港湾のクレーン等の可動部位に用いられるキャブタイヤケーブルでは、その被覆層に耐屈曲性や耐摩耗性、耐油性、耐候性などが求められることから、その被覆材料として、クロロプレンゴムや塩素化ポリエチレンなどを含むエラストマ組成物が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。近年、クロロプレンゴムと比べて耐熱性および耐寒性に優れ、より広い温度範囲で使用できることから、塩素化ポリエチレンを含むエラストマ組成物が着目されている。
特開2013−41794号公報
一般に、被覆層を形成するエラストマ組成物は、被覆層の機械特性など諸特性を向上させるため、被覆層に成形した後に架橋される。例えば、加熱溶融したエラストマ組成物に架橋剤を添加して混合し、この混合物を被覆層に成形した後、加熱することで架橋させている。架橋剤としては、種々あるが、架橋反応が速いことや取り扱い性がよいことから、過酸化物が用いられている。
しかしながら、過酸化物は、エラストマ組成物に添加して架橋させるまでの間に熱分解により揮発してガスを発生させるおそれがあり、架橋前のエラストマ組成物、およびそれを架橋させて最終的に得られる被覆層を発泡させることがある。発泡は、被覆層の外観を悪化させるばかりか、その引張強度を低下させて機械特性を損ねてしまう。一方、過酸化物を減量することにより発泡を抑制することも考えられるが、過酸化物の減量により架橋度が低くなると、被覆層では所望の高い機械特性を得られなくなる。
被覆層の機械特性を底上げするために、エラストマ組成物にカーボンブラックを添加することも考えられるが、発泡による機械特性の低下を補完するには多量のカーボンブラックが必要となるので、以下のような問題が生じることがある。すなわち、カーボンブラックがエラストマ組成物の溶融粘度を高めるため、エラストマ組成物から被覆層を形成するときの成形性が低下してしまう。さらに、カーボンブラックは導電性を示すため、多量に添加されることで、被覆層の体積抵抗率が低くなり、電気絶縁性が低下してしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、成形性に優れ、架橋させたときに発泡が少なく、かつ機械特性および電気絶縁性に優れるエラストマ組成物、およびこれを用いた絶縁電線およびケーブルを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、
塩素化ポリエチレン(a1)を含むベースポリマ(A)を100質量部と、
平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)を合計で20質量部以上50質量部以下と、を含有し、
前記平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)は、
平均粒子径が20nm以上80nm以下である第1のカーボンブラック(b1)と、
平均粒子径が150nm以上500nm以下である第2のカーボンブラック(b2)と、を少なくとも含み、
前記第1のカーボンブラック(b1)と前記第2のカーボンブラック(b2)との比率が1:5〜5:1である、エラストマ組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、
導体と前記導体の外周上に配置される絶縁層とを備え、
前記絶縁層は、エラストマ組成物を架橋させた架橋体からなり、
前記エラストマ組成物は、
塩素化ポリエチレン(a1)を含むベースポリマ(A)を100質量部と、
平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)を合計で20質量部以上50質量部以下と、を含有し、
前記平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)は、
平均粒子径が20nm以上80nm以下である第1のカーボンブラック(b1)と、
平均粒子径が150nm以上500nm以下である第2のカーボンブラック(b2)と、を少なくとも含み、
前記第1のカーボンブラック(b1)と前記第2のカーボンブラック(b2)との比率が1:5〜5:1である、絶縁電線が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
導体と、前記導体の外周上に配置される絶縁層と、前記絶縁層の外周上に配置されるシースとを備え、
前記シースは、エラストマ組成物を架橋させた架橋体からなり、
前記エラストマ組成物は、
塩素化ポリエチレン(a1)を含むベースポリマ(A)を100質量部と、
平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)を合計で20質量部以上50質量部以下と、を含有し、
前記平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)は、
平均粒子径が20nm以上80nm以下である第1のカーボンブラック(b1)と、
平均粒子径が150nm以上500nm以下である第2のカーボンブラック(b2)と、を少なくとも含み、
前記第1のカーボンブラック(b1)と前記第2のカーボンブラック(b2)との比率が1:5〜5:1である、ケーブルが提供される。
本発明によれば、成形性に優れ、架橋させたときに発泡が少なく、かつ機械特性および電気絶縁性に優れるエラストマ組成物、およびこれを用いた絶縁電線およびケーブルが得られる。
本発明の一実施形態に係るケーブルの断面の概略図である。
上述したように、エラストマ組成物にカーボンブラックを添加することにより、被覆層の機械特性を高めることができるが、エラストマ組成物が増粘することにより成形性が低下したり、被覆層の電気絶縁性が低下したりしてしまう。
本発明者らは、カーボンブラックについて検討したところ、粒子径の大きさによって特性が大きく変化することを見出した。
具体的には、カーボンブラックは、粒子径が小さくなるほど、被覆層の機械特性を向上できるとともに、エラストマ組成物における発泡を抑制できることが分かった。粒子径の小さなカーボンブラックは、被覆層においてゴム弾性率を高め、機械特性を向上させるだけでなく、エラストマ組成物において溶融弾性を高め、発泡の原因となるガスの圧力よりもエラストマ組成物のゴム弾性力を大きくすることで、発泡を抑制できるものと推測される。ただし、エラストマ組成物の溶融粘度を高くする傾向が強く、成形性を大きく低下させてしまう。しかも、粒子径が小さいほど凝集しやすく、ストラクチャ(粒子のつながり)が大きくなる傾向があり、被覆層において導電パスを形成して電気絶縁性を低下させやすい。
一方、粒子径の大きなカーボンブラックは、粒子径の小さなものほどではないが、発泡の抑制や機械特性の向上に寄与し、しかも、エラストマ組成物の成形性や被覆層の電気絶縁性を大きく低下させることがない。つまり、粒子径の大きなカーボンブラックは、電気絶縁性を低下させることなく、粒子径の小さなカーボンブラックによる効果(発泡の抑制や機械特性の向上)を補完することができる。
これらのことから、平均粒子径が異なり、特性の異なる2種類のカーボンブラックを併用し、検討を行った。その結果、所定の平均粒子径を有するカーボンブラックの2種類を所定の比率で併用することにより、エラストマ組成物において、ゴム弾性率を高くして発泡を抑制しつつ、溶融粘度の過度な上昇を抑制して成形性を高く維持するとともに、被覆層において高い機械特性および電気絶縁性を得られることが見出された。
本発明は、上記知見に基づいて成されたものである。
〔本発明の一実施形態〕
以下、本発明の一実施形態について説明する。
<エラストマ組成物>
本実施形態のエラストマ組成物は、架橋前の成分であって、ベースポリマ(A)と平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)とを含有する。
(ベースポリマ(A))
ベースポリマ(A)は、塩素化ポリエチレン(a1)を含む。
塩素化ポリエチレン(a1)は、例えば、線状ポリエチレン(低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンなど)を水に懸濁分散させた水性懸濁液に塩素ガスを吹き込むことにより得られるものである。塩素化ポリエチレン(a1)の塩素量は、30%以上であることが好ましく、30%以上40%以下であることがより好ましい。このような塩素量であれば、DSCによる結晶の残りが少なくなり、非晶質となるので、エラストマ組成物の成形性を高く維持することができる。
塩素化ポリエチレン(a1)としては、エラストマ組成物を押し出して被覆層を形成するときの温度(押出温度)を低くする観点からは、融点がないものが好ましい。被覆層は、加熱により溶融したエラストマ組成物を押し出して形成されるが、塩素化ポリエチレン(a1)の融点が高いと、押出温度が高くなり、エラストマ組成物が早期架橋するおそれがある。早期架橋によると、押し出したエラストマ組成物の表面がサメ肌となり、被覆層の外観が不良となる。この点、融点がないものを用いることにより、エラストマ組成物での早期架橋を抑制し、被覆層の外観を良好にすることができる。
塩素化ポリエチレン(a1)は、121℃におけるムーニー粘度(ML1+4)が30以上150以下であることが好ましく、30以上100以下であることがより好ましい。このような粘度であれば、カーボンブラック(B)を多量に配合したときに、エラストマ組成物の粘度が過度に上昇することを抑制でき、高い成形性を維持することができる。
ベースポリマ(A)は、エチレン‐酢酸ビニル共重合体(a2)をさらに含むことが好ましい。エチレン‐酢酸ビニル共重合体(a2)(以下、EVA(a2)ともいう)は、酢酸ビニル成分(VA)を含み、所定の極性を有する成分である。EVA(a2)によれば、塩素化ポリエチレン(a1)に混合することで、エラストマ組成物の溶融粘度を適度に調整することが可能となり、成形性を向上させることができる。
EVA(a2)の融点は、特に限定されないが、エラストマ組成物を押し出すときの押出温度を低くする観点からは、低温度であることが好ましく、例えば、融点が85℃以下であることが好ましい。
EVA(a2)は、酢酸ビニル含量(VA量)が15質量%以上であることが好ましく、25質量%以上80%以下であることがより好ましく、40質量%以上70質量%以下であることがさらに好ましい。このようなVA量であれば、EVA(a2)のメルトフローレートが0.5g/10min以上となり、エラストマ組成物の溶融粘度を低減し、成形性を向上させることができる。また、EVA(a2)は、VA量によって結晶性や極性の大きさが異なるが、このようなVA量であれば、融点が低く、エラストマ組成物の成形性をより向上でき、さらに、エラストマ組成物および被覆層の極性を向上させて、それらの耐油性を向上させることができる。
EVA(a2)の配合量は、ベースポリマ(A)を100質量%としたとき、20質量%以上50質量%以下であることが好ましく、25質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。すなわち、塩素化ポリエチレン(a1)とEVA(a2)とを質量比率で50:50〜80:20で含むことが好ましく、55:45〜75:25で含むことがより好ましい。塩素化ポリエチレン(a1)の配合量が多いと、エラストマ組成物の成形性が低くなり、EVA(a2)の配合量が多いと、エラストマ組成物および被覆層の耐油性が低くなる傾向があるが、上記比率で含むことにより、エラストマ組成物において成形性および耐油性を高い水準でバランスよく得ることができる。
(平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B))
平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)は、平均粒子径が比較的小さな第1のカーボンブラック(b1)と、平均粒子径が比較的大きな第2のカーボンブラック(b2)と、を少なくとも含む。
第1のカーボンブラック(b1)は、平均粒子径が20nm以上80nm以下であって、粒子径の小さなカーボンブラックである。第1のカーボンブラック(b1)は、エラストマ組成物の溶融弾性を高める。これにより、エラストマ組成物の溶融時のゴム弾性力を、エラストマ組成物中の過酸化物から生じるガスの圧力よりも大きくし、発泡を抑制する。また、エラストマ組成物のゴム弾性力を大きくすることで、被覆層の機械特性を向上させる。ただし、第1のカーボンブラック(b1)は、発泡を抑制したり、機械特性を向上したりする反面、エラストマ組成物の溶融粘度を上昇させて成形性を低下させたり、被覆層の導電性を高め、電気絶縁性を低下させるおそれがある。
第1のカーボンブラック(b1)は、電気絶縁性の低下を抑制する観点から、ストラクチャが小さいことが好ましい。ストラクチャとは、カーボンブラックの一次粒子が凝集し、数珠状につながった構造体を示し、粒子径の小さいものほどストラクチャが大きくなる傾向がある。ストラクチャが大きくなると、被覆層において導電パスを形成しやすくなり、電気絶縁性を低下させやすい。そのため、第1のカーボンブラック(b1)は、電気絶縁性の低下を抑制する観点からストラクチャが小さいことが好ましく、ストラクチャの指標となるDBP吸油量が80以上130以下となることが好ましい。なお、DBP吸油量が多いほど、ストラクチャが大きいことを示す。
第1のカーボンブラック(b1)は、粒子径が上記範囲となれば、ファーネス法、サーマル法、アセチレン法などのいずれの製法で製造されたものでもよい。好ましくは、平均粒子径を20nm以上80nm以下の範囲に制御しやすいことから、ファーネス法で製造されたものであるとよい。
第2のカーボンブラック(b2)は、平均粒子径が150nm以上500nm以下であって、粒子径の比較的大きなカーボンブラックである。第2のカーボンブラック(b2)は、第1のカーボンブラック(b1)ほどではないが、発泡の抑制や機械特性の向上に寄与するが、第1のカーボンブラック(b1)のようにエラストマ組成物の成形性、および被覆層の電気絶縁性を大きく低下させることがない。つまり、第2のカーボンブラック(b2)は、被覆層の電気絶縁性を大きく低下させることなく、第1のカーボンブラック(b1)の効果を補完することができる。
第2のカーボンブラック(b2)は、第1のカーボンブラック(b1)よりもストラクチャが小さくなることが好ましい。具体的には、ストラクチャの指標であるDBP吸油量が10以上50未満となることが好ましい。
第2のカーボンブラック(b2)は、粒子径が上記範囲となれば、ファーネス法、サーマル法、アセチレン法などのいずれの製法で製造されたものでもよい。好ましくは、平均粒子径を150nm以上500nm以下の範囲に制御しやすいことから、サーマル法で製造されたものであるとよい。
平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)の配合量は、ベースポリマ(A)100質量部に対して、合計で20質量部以上50質量部以下である。2種類以上のカーボンブラック(B)の合計の配合量を20質量部以上とすることにより、エラストマ組成物の溶融弾性を高め、発泡を抑制することができる。一方、合計の配合量を50質量部以下とすることにより、エラストマ組成物の溶融粘度を適度なものとして高い成形性が得られるだけでなく、被覆層における引裂強度の低下を抑制して機械特性を高く維持することができる。
第1のカーボンブラック(b1)と第2のカーボンブラック(b2)との配合比率は、質量比率で1:5〜5:1である。このような比率とすることで、エラストマ組成物において成形性を高く維持するとともに、被覆層において電気絶縁性を大きく損ねることなく、発泡を抑制して機械特性を高く維持することができる。
なお、平均粒子径の異なる2種類以上のカーボンブラック(B)は、第1のカーボンブラック(b1)および第2のカーボンブラック(b2)とは異なる粒子径の第3のカーボンブラック(b3)を含有してもよい。この配合量としては、本発明の特性を損ねない範囲であれば、特に限定されない。
(過酸化物(C))
エラストマ組成物は、さらに過酸化物(C)を含有することが好ましい。過酸化物としては、公知の化合物を用いることができ、例えばジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、4,4−tert−ブチルパーオキシ吉草酸n−ブチルヘキシル、ビス(tert−ブチルジオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。その中でも、架橋効率や分解温度などの観点から、ジクミルパーオキサイド、ビス(tert−ブチルジオキシイソプロピル)ベンゼンが好ましい。
過酸化物(C)の配合量は、過酸化物(C)1分子に含まれる過酸化結合の数をαとしたとき、ベースポリマ(A)100質量部に対して、モル数でα×0.0037mol以上、α×0.0075mol以下であることが好ましい。この範囲よりも少ないと、被覆層の架橋度が低下し、所望の高い機械特性が得られないおそれがある。一方、この範囲よりも多くなると、過酸化物(C)の熱分解にともなってガスが生成しやすくなり、被覆層では発泡が発生し、機械特性が低下するおそれがある。
(多官能モノマ(D))
エラストマ組成物は、さらに多官能モノマ(D)を含有することが好ましい。多官能モノマ(D)は、過酸化物(C)と反応できる二重結合を持つ官能基、例えばメタクリル基など、を分子中に2つ以上有する化合物であり、被覆層における架橋度を高めるものである。多官能モノマ(D)としては、例えばトリアリルイソシアネート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウム、N,N´−m−フェニレンビスマレイミドなどが挙げられる。
多官能モノマ(D)の配合量は、ベースポリマ(A)100質量部に対して、0.2質量部以上3質量部以下であることが好ましい。この範囲よりも少ないと、多官能モノマ(D)による効果を十分に得られないおそれがある。一方、この範囲よりも多いと、エラストマ組成物が架橋し始めるまでの時間(スコーチタイム)が短くなり、取り扱い性が損なわれるおそれがある。また被覆層の伸び性や引張強度が低下して機械特性が損なわれるおそれがある。
(その他の添加剤)
エラストマ組成物は、必要に応じて他の添加剤を含有してもよい。他の添加剤としては、充填剤や安定剤、酸化防止剤、滑剤、難燃剤、可塑剤などを用いることができる。これらの配合量は、本発明の効果を損ねない範囲で適宜変更することができる。
<エラストマ組成物の調製および架橋>
エラストマ組成物は、各成分を所定の配合量で混合し、混練することにより得られる。
例えば、塩素化ポリエチレン(a1)とEVA(a2)とを含むベースポリマ(A)と、2種類以上のカーボンブラック(B)と、必要に応じて多官能モノマ(D)および他の添加剤とを、加熱しながら混練する。これにより、本実施形態のエラストマ組成物を得る。得られるエラストマ組成物は、2種類以上のカーボンブラック(B)を含み、溶融弾性が高いながらも、適度な溶融粘度を有し、成形性に優れている。
エラストマ組成物を架橋させる場合、加熱により溶融したエラストマ組成物に過酸化物(C)を投入し、混練する。このとき、過酸化物(C)が熱分解してガスを発生させるおそれがあるが、本実施形態では、2種類以上のカーボンブラック(B)を配合することで、エラストマ組成物の溶融弾性を高くして、そのゴム弾性力を、発生するガスの圧力よりも高くしているため、エラストマ組成物における発泡を抑制することができる。最終的に、過酸化物(C)を含むエラストマ組成物を所定条件で加熱することにより架橋させ、架橋体が得られる。この架橋体は、2種類以上のカーボンブラック(B)を含むので、発泡が少なく、かつ機械特性および電気絶縁性に優れる。また、適度な溶融粘度を有し、成形性に優れるエラストマ組成物から形成されているため、サメ肌状の表面荒れなどが少なく、外観が良好である。
<ケーブルの概略構成>
次に、上述のエラストマ組成物を用いたケーブルについて図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るケーブルの断面の概略図である。
図1に示すように、本実施形態のケーブル1は、導体11が絶縁層12で被覆された絶縁電線10を複数本(図1では3本)撚り合わせた撚り線20と、撚り線20の外周上を被覆するように配置されるシース30と、を備える。
導体11としては、低酸素銅や無酸素銅等からなる銅線、銅合金線の他、銀等の他の金属線等が用いられる。図1において、導体11の断面形状は円形状となっているが、本発明はこれに限定されず、例えば略矩形状とすることもできる。また、導体11の導体径は特に限定されず、用途に応じて最適な数値が適宜選択される。
絶縁層12は、導体11の外周上に配置されており、公知のゴム組成物や樹脂組成物から形成される。好ましくは、上述したエラストマ組成物から形成されているとよい。絶縁層12は、導体11の外周上にゴム組成物や樹脂組成物を押し出して被覆し、所定条件で加熱して架橋させることにより形成されている。
シース30は、撚り線20の外周上に配置され、上述したエラストマ組成物を架橋させた架橋体からなる。シース30は、例えば、上述したエラストマ組成物を撚り線20の外周上に押し出して被覆し、所定条件で加熱して架橋させることにより形成される。エラストマ組成物は、平均粒子径の異なる2種類以上のカーボンブラック(B)を含み、発泡が抑制されているので、それからなるシース30は、発泡が少なく、機械特性に優れ、外観が良好である。また、エラストマ組成物は、適度な溶融粘度を有し、成形性に優れているので、それからなるシース30は、表面が滑らかである。さらに、シース30は、平均粒子径の異なる2種類以上のカーボンブラック(B)を含むものの、導電性を発現しやすい粒子径の小さなカーボンブラック(b1)の配合量が少なくなるように構成されているので、電気絶縁性にも優れている。
なお、シース30は、本実施形態のエラストマ組成物からなる樹脂層、1層のみで構成してもよいが、この樹脂層を含む多層構造としてもよい。
また、本実施形態のケーブル1は、必要に応じて、図示略のセパレータや編組、金属箔によるシールドテープ層などを備えていてもよい。
また、撚り線20を構成する絶縁電線の本数は、3本に限定されない。例えば、1本でもよく、2本以上としてもよい。
〔他の実施形態〕
上述の実施形態では、シース30がエラストマ組成物で形成されるケーブル1について説明したが、本発明はこれに限定されない。本実施形態のエラストマ組成物は、絶縁電線の絶縁層として用いることもできる。具体的には、エラストマ組成物を導体の外周上に押し出して被覆し、架橋させることにより、絶縁層として形成することもできる。
次に、本発明について実施例を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって限定されない。
<材料>
実施例および比較例で用いた材料は以下のとおりである。
塩素化ポリエチレン(a1)として、塩素量が34.0質量%〜37.0質量%、121℃におけるムーニー粘度(ML1+4)が90MLである塩素化ポリエチレン(昭和電工株式会社製「エラスレン351A」)を用いた。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(a2)として、VA量が28質量%であり、メルトフローレートがg/10minである、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル株式会社製「EV260」)を用いた。
第1のカーボンブラック(b1)として、平均粒子径が45nm、DBP吸油量が114ml/100gであるカーボンブラック(旭カーボン株式会社製「旭カーボン60」)を用いた。
第2のカーボンブラック(b2)として、平均粒子径が280nm、DBP吸油量が32〜45ml/100gであるカーボンブラック(Cancarb株式会社製「ThermaxN990」)を用いた。
第3のカーボンブラック(b3)として、平均粒子径が95nm、DBP吸油量が51ml/100gであるカーボンブラック(東海カーボン株式会社製「シーストSP」)を用いた。
過酸化物(C)として、ジクミルパーオキサイド(日油株式会社製「パークミルD」)を用いた。
多官能モノマ(D)として、トリメチロールメタクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステル TMPT」)を用いた。
他の添加剤として、ハイドロタルサイト(協和化学工業株式会社製「マグセラー1」)と、滑剤であるオレイン酸ビスアマイド(日本化成株式会社製「スリバックスO」)と、充填剤である表面処理クレー(BASF株式会社製「TRANSLINK37」)と、酸化防止剤である2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(大内新興化学株式会社製「ノクラック224」)を用いた。
<エラストマ組成物の調製>
まず、上記材料を用いて、被覆層を形成するためのエラストマ組成物を調製した。
具体的には、80℃に保持したニーダに、下記表1に示す、過酸化物(C)以外の成分を投入し、その後、160℃まで昇温しながら溶融混練した。その後、混練物を短軸押出機に投入し、ストランド状に押し出すとともに、ペレタイザーによりペレット状に成型した。このペレット状物を40℃に保持したブレンダに投入し、その後、過酸化物(C)を投入し、撹拌しながら過酸化物(C)をペレット状物に含浸させ、エラストマ組成物を調製した。
Figure 0006493066
<ケーブルの作製>
続いて、調製したエラストマ組成物を用いて、ケーブルを作製した。
具体的には、絶縁電線(3×22SQ、絶縁層厚さ1.20mm)を3本撚り合わせ、撚り線を作製した。この撚り線の外周上に、シリンダ径115mmの押出機を用いて、エラストマ組成物を外径が29mmとなるように押出被覆した。その後、補強層として、織込編組を施し、さらにその外周上に、シリンダ径115mmの押出機を用いて、エラストマ組成物を外径が31mmとなるように再度、押出被覆した。この押出被覆後のケーブルの外周に、被鉛機を用いて、厚みが5mmとなるように鉛を被覆した。その後、蒸気釜にて0.5MPaの蒸気圧で120分間、熱処理を施し、架橋させ、鉛を剥ぎ取ることによりケーブルを得た。
<評価方法>
作製したケーブルについて、シースの機械特性を引張試験および引裂試験により評価した。またシースの電気絶縁性を体積抵抗率により評価した。また外観を目視により評価した。以下、各評価方法について説明する。
(引張試験)
作製したケーブルからシースを剥ぎ取り、CSA−C22.2 NO.2556−0.7に準拠した方法にて、シースの引張強度、引張伸び、および200%モジュラスを測定した。本実施例では、引張強度については16.5MPa以上であれば合格、引張伸びについては300%以上であれば合格、200%モジュラスについては4.8MPa以上であれば合格とした。
(引裂試験)
作製したケーブルからシースを剥ぎ取り、CSA−C22.2 NO.2556−0.7に準拠した方法にて、引裂強度を測定した。本実施例では、引裂強度が7.0N/m以上であれば合格とした。
(体積抵抗率)
調製したエラストマ組成物を、電熱プレス機を用いて、200℃で10分間、15MPaで加圧することにより、120mm×100mmのシートサンプルを作製した。このシートサンプルについて、JIS K6271に準拠する方法にて体積抵抗率を測定した。本実施例では、体積抵抗率が1.0×1012以上であれば、合格とした。
(外観)
ケーブルのシース表面を目視により観察し、発泡や、エラストマ組成物の成形性の低さに起因するサメ肌状の表面荒れがないか、を確認した。本実施例では、いずれの発生もなければ、外観が良好であると評価した。
<評価結果>
実施例1〜3では、第1のカーボンブラック(b1)および第2のカーボンブラック(b2)の比率を1:1とし、その合計の配合量をそれぞれ、20質量部、30質量部、40質量部としたが、いずれの実施例においても、シースは、機械特性および電気絶縁性に優れ、外観が良好であることが確認された。
実施例4,5では、第1のカーボンブラック(b1)および第2のカーボンブラック(b2)の合計の配合量を40とし、その比率を、実施例4では3:1、実施例5では1:3としたが、実施例1〜3と同様に良好な結果が得られた。
実施例6では、ベースポリマ(A)における塩素化ポリエチレン(a1)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(a2)との比率を、80:20としたが、実施例1〜3と同様に良好な結果が得られた。
実施例7では、ベースポリマ(A)として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(a2)を配合せずに、塩素化ポリエチレン(a1)のみを用いた以外は、実施例1と同様にケーブルを作製したが、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
比較例1では、第1のカーボンブラック(b1)および第2のカーボンブラック(b2)をともに5質量部しか配合せず、合計としての配合量を少なくした。そのため、シースにおいて発泡を十分に抑制できないことが確認された。
比較例2では、第1のカーボンブラック(b1)および第2のカーボンブラック(b2)をともに30質量部配合し、合計としての配合量を多くしたため、シースの電気絶縁性が低いばかりか、引裂強度が著しく低く、所望の高い機械特性を得られないことが確認された。
比較例3では、第2のカーボンブラック(b2)のみを60質量部配合したが、その配合量が多すぎたため、シースは引裂強度が低く、所望の高い機械特性を得られないことが確認された。
比較例4では、カーボンブラック(B)の配合量を40質量部としたが、粒子径の小さな第1のカーボンブラック(b1)のみを配合したため、体積抵抗率が著しく低く、電気絶縁性に劣ることが確認された。
比較例5では、カーボンブラック(B)の配合量を40質量部としたが、粒子径の大きな第2のカーボンブラック(b2)のみを配合したため、発泡を十分に抑制できないことが確認された。
比較例6では、第1のカーボンブラック(b1)と、平均粒子径が第1のカーボンブラック(b1)よりも大きく、かつ第2のカーボンブラック(b2)よりも小さな第3のカーボンブラック(b3)と、を併用したため、体積抵抗率が低く、電気絶縁性に劣ることが確認された。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
[付記1]
本発明の一態様によれば、
塩素化ポリエチレン(a1)を含むベースポリマ(A)を100質量部と、
平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)を合計で20質量部以上50質量部以下と、を含有し、
前記平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)は、
平均粒子径が20nm以上80nm以下である第1のカーボンブラック(b1)と、
平均粒子径が150nm以上500nm以下である第2のカーボンブラック(b2)と、を少なくとも含み、
前記第1のカーボンブラック(b1)と前記第2のカーボンブラック(b2)との比率が1:5〜5:1である、エラストマ組成物が提供される。
[付記2]
付記1のエラストマ組成物において、好ましくは、
前記第1のカーボンブラック(b1)は、DBP吸油量が80以上130以下であり、
前記第2のカーボンブラック(b2)は、DBP吸油量が50未満である。
[付記3]
付記1又は2のエラストマ組成物において、好ましくは、
前記ベースポリマ(A)は、酢酸ビニル含量が15質量%以上であり、かつメルトフローレートが0.5g/10min以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(a2)をさらに含み、
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(a2)の配合量が、前記ベースポリマ(A)の20質量%以上50質量%以下である。
[付記4]
付記1〜3のいずれかのエラストマ組成物において、好ましくは、
過酸化物(C)をさらに含有し、
前記過酸化物の1分子中の過酸化結合の数をαとしたとき、
前記過酸化物の配合量が、前記ベースポリマ(A)100質量部に対して、α×0.0037mol以上、α×0.0075mol以下である。
[付記5]
付記1〜4のいずれかのエラストマ組成物において、好ましくは、
多官能モノマ(D)をさらに含有し、
前記多官能モノマ(D)の配合量が、前記ベースポリマ(A)100質量部に対して、0.2質量部以上3.0質量部以下である。
[付記6]
付記1〜5のいずれかのエラストマ組成物において、好ましくは、
体積抵抗率が1.0×1012以上である。
[付記7]
本発明の他の態様によれば、
導体と前記導体の外周上に配置される絶縁層とを備え、
前記絶縁層は、エラストマ組成物を架橋させた架橋体からなり、
前記エラストマ組成物は、
塩素化ポリエチレン(a1)を含むベースポリマ(A)を100質量部と、
平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)を合計で20質量部以上50質量部以下と、を含有し、
前記平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)は、
平均粒子径が20nm以上80nm以下である第1のカーボンブラック(b1)と、
平均粒子径が150nm以上500nm以下である第2のカーボンブラック(b2)と、を少なくとも含み、
前記第1のカーボンブラック(b1)と前記第2のカーボンブラック(b2)との比率が1:5〜5:1である、絶縁電線が提供される。
[付記8]
本発明のさらに他の態様によれば、
導体と、前記導体の外周上に配置される絶縁層と、前記絶縁層の外周上に配置されるシースとを備え、
前記シースは、エラストマ組成物を架橋させた架橋体からなり、
前記エラストマ組成物は、
塩素化ポリエチレン(a1)を含むベースポリマ(A)を100質量部と、
平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)を合計で20質量部以上50質量部以下と、を含有し、
前記平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)は、
平均粒子径が20nm以上80nm以下である第1のカーボンブラック(b1)と、
平均粒子径が150nm以上500nm以下である第2のカーボンブラック(b2)と、を少なくとも含み、
前記第1のカーボンブラック(b1)と前記第2のカーボンブラック(b2)との比率が1:5〜5:1である、ケーブルが提供される。
1 ケーブル
10 絶縁電線
11 導体
12 絶縁層
20 撚り線
30 シース

Claims (8)

  1. 塩素化ポリエチレン(a1)を含むベースポリマ(A)を100質量部と、
    平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)を合計で20質量部以上50質量部以下と、を含有し、
    前記平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)は、
    平均粒子径が20nm以上80nm以下である第1のカーボンブラック(b1)と、
    平均粒子径が150nm以上500nm以下である第2のカーボンブラック(b2)と、を少なくとも含み、
    前記第1のカーボンブラック(b1)と前記第2のカーボンブラック(b2)との比率が1:5〜5:1である、エラストマ組成物。
  2. 前記第1のカーボンブラック(b1)は、DBP吸油量が80以上130以下であり、
    前記第2のカーボンブラック(b2)は、DBP吸油量が50未満である、請求項1に記載のエラストマ組成物。
  3. 前記ベースポリマ(A)は、酢酸ビニル含量が15質量%以上であり、かつメルトフローレートが0.5g/10min以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(a2)をさらに含み、
    前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(a2)の配合量が、前記ベースポリマ(A)の20質量%以上50質量%以下である、請求項1又は2に記載のエラストマ組成物。
  4. 過酸化物(C)をさらに含有し、
    前記過酸化物の1分子中の過酸化結合の数をαとしたとき、
    前記過酸化物の配合量が、前記ベースポリマ(A)100質量部に対して、α×0.0037mol以上、α×0.0075mol以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のエラストマ組成物。
  5. 多官能モノマ(D)をさらに含有し、
    前記多官能モノマ(D)の配合量が、前記ベースポリマ(A)100質量部に対して、0.2質量部以上3.0質量部以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のエラストマ組成物。
  6. 体積抵抗率が1.0×1012以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のエラストマ組成物。
  7. 導体と前記導体の外周上に配置される絶縁層とを備え、
    前記絶縁層は、エラストマ組成物を架橋させた架橋体からなり、
    前記エラストマ組成物は、
    塩素化ポリエチレン(a1)を含むベースポリマ(A)を100質量部と、
    平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)を合計で20質量部以上50質量部以下と、を含有し、
    前記平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)は、
    平均粒子径が20nm以上80nm以下である第1のカーボンブラック(b1)と、
    平均粒子径が150nm以上500nm以下である第2のカーボンブラック(b2)と、を少なくとも含み、
    前記第1のカーボンブラック(b1)と前記第2のカーボンブラック(b2)との比率が1:5〜5:1である、絶縁電線。
  8. 導体と、前記導体の外周上に配置される絶縁層と、前記絶縁層の外周上に配置されるシースとを備え、
    前記シースは、エラストマ組成物を架橋させた架橋体からなり、
    前記エラストマ組成物は、
    塩素化ポリエチレン(a1)を含むベースポリマ(A)を100質量部と、
    平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)を合計で20質量部以上50質量部以下と、を含有し、
    前記平均粒子径が異なる2種類以上のカーボンブラック(B)は、
    平均粒子径が20nm以上80nm以下である第1のカーボンブラック(b1)と、
    平均粒子径が150nm以上500nm以下である第2のカーボンブラック(b2)と、を少なくとも含み、
    前記第1のカーボンブラック(b1)と前記第2のカーボンブラック(b2)との比率が1:5〜5:1である、ケーブル。
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