JP6347415B2 - 半導電性樹脂組成物およびそれを用いた送電ケーブル - Google Patents

半導電性樹脂組成物およびそれを用いた送電ケーブル Download PDF

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Description

本発明は、半導電性樹脂組成物、特に絶縁層との良好な易剥離性及び押出加工性を具備する半導電性樹脂組成物、およびこれを外部半導電層に用いた送電ケーブルに関する。また、電気特性、機械特性に優れた外部半導電層を形成することができる半導電性樹脂組成物およびそれを用いた送電ケーブルに関する。
従来より、架橋ポリエチレンからなる絶縁層上に外部半導電層が設けられた送電ケーブルが広く使用されている(例えば、特許文献1を参照)。上記外部半導電層は、コロナ放電を起こさないように、絶縁層に対して密着している必要がある。一方で、ケーブル接続などの端末処理を行う場合には、絶縁層を傷つけることなく容易に取り除くことができる必要がある。従って、外部半導電層としては、絶縁層に対して良好な接着性と易剥離性を具備するものが望まれている。
このような外部半導電層を得るために、従来より、塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの極性ポリマー、フッ素樹脂、シリコン樹脂など、絶縁体に対して親和性を持たないポリマーと、ポリオレフィン樹脂とを混合して得られるものをベースポリマーとし、これに導電性カーボンブラックを配合したものが半導電性樹脂組成物として用いられてきた。
特開平1−246708号公報
上記半導電性樹脂組成物において、絶縁体に対する親和性を持たないポリマーとして、酢酸ビニル含量の高いエチレン−酢酸ビニル共重合体や塩素化ポリエチレン−塩化ビニルグラフト共重合体など極性の高いポリマーを用いることによって、絶縁体をなす樹脂との極性の差を大きくすることができるため、絶縁層に対する良好な剥離性を保持することができる。
しかしながら、上記半導電性樹脂組成物にあっては、外部半導電層を押し出す際、高粘度化し、ヤケ(炭化)による外観異常が発生する問題点があった。
本発明は、上記課題を解決し、絶縁層との良好な易剥離性及び押出加工性を具備する半導電性樹脂組成物、およびこれを外部半導電層に用いた送電ケーブルを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、下記の半導電性樹脂組成物並びにこれを用いた送電ケーブルを提供する。
[1]酢酸ビニル含有量が60重量%以上のエチレン酢酸ビニル共重合体を含むベースポリマーと、脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上と、1時間の半減期温度が130℃以上からなる過酸化物系架橋剤と、DBP吸着量が150mg/g以下からなるカーボンとからなることを特徴とする半導電性樹脂組成物。
[2]前記ベースポリマー100質量部に対して、前記脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上を5質量部以上20質量部以下含有する[1]に記載の半導電性樹脂組成物。
[3]前記ベースポリマー及び前記脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上の合計100質量部に対して、前記過酸化物系架橋剤を0.5質量部以上3質量部以下含有する[1]又は[2]に記載の半導電性樹脂組成物。
[4]前記ベースポリマー及び前記脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上の合計100質量部に対して、前記カーボンを50質量部以上95質量部以下含有する[1]乃至[3]のいずれかに記載の半導電性樹脂組成物。
[5][1]乃至[4]のいずれかに記載の半導電性樹脂組成物からなる外部半導電層を有する送電ケーブル。
本発明によれば、上記課題を解決し、絶縁層との良好な易剥離性及び押出加工性を具備する半導電性樹脂組成物、およびこれを外部半導電層に用いた送電ケーブルが得られる。
図1は、本発明の実施の形態に係る送電ケーブルの断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る半導電性樹脂組成物の相構造を示す写真である。 図3(A)は、本発明の一実施形態に係る半導電性樹脂組成物の相構造を示す拡大写真であり、図3(B)及び図3(C)は本発明の一実施形態に係る半導電性樹脂組成物の相構造の各ドメイン層の拡大写真であり、図3(D)及び図3(E)は本発明の一実施形態に係る半導電性樹脂組成物の相構造のドメイン層を更に拡大した写真であり、図3(F)は本発明の一実施形態に係る半導電性樹脂組成物のマトリックス層の拡大写真である。
[半導電性樹脂組成物]
本発明の実施の形態に係る半導電性樹脂組成物は、酢酸ビニル含有量が60重量%以上のエチレン酢酸ビニル共重合体を含むベースポリマーと、脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上と、1時間の半減期温度が130℃以上からなる過酸化物系架橋剤と、DBP吸着量が150mg/g以下からなるカーボンとからなる。
(エチレン酢酸ビニル共重合体)
本発明の実施の形態に係る半導電性樹脂組成物は、ベースポリマーとしてエチレン酢酸ビニル共重合体を含有している。
エチレン酢酸ビニル共重合体としては、その酢酸ビニル含量が60重量%以上のものが用いられる。酢酸ビニル含量が、60重量%未満であると、得られる外部半導電層と絶縁層との剥離性が過度に低下するため、外部半導電層と絶縁層との剥離作業が困難となるためである。
(脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上)
本発明の実施の形態に係る半導電性樹脂組成物は、脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上を含有する。脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド、トリメリット酸エステルは、各々使用するエチレン酢酸ビニル共重合体と適度な相溶性がある低粘度調整剤ではあるが、単独で用いる系では、低添加ではヤケ(炭化)を防止できず、高添加では滑性が増し押出成形が不可能となるため、2種以上併用して使用する。
A:脂肪酸亜鉛
脂肪酸亜鉛は、ステアリン酸もしくはラウリン酸の1種以上からなる亜鉛金属塩を用いることができる。また、トリメリット酸エステルは、アルキル鎖がC8以上で構成されることが好ましい。
B:オレイン酸ビスアマイド
オレイン酸ビスアマイドは、一般には外部滑性系の滑剤であるが、本発明の実施の形態に係る半導電性樹脂組成物においてはベースポリマーと適度な親和性をもつことから、脂肪酸亜鉛やトリメリット酸エステルと併用することで、内部滑性効果も発現する。この内部滑性効果が押出時の発熱抑制に寄与すると考えられる。
C:トリメリット酸エステル
トリメリット酸エステルとしては、トリ−2−エチルヘキシル−トリメリテート、トリノルマルオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリプロピルヘプチルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、トリノルマルデシルトリメリテートなどが挙げられる。これらを単独で用いてもよく、併用しても良い。トリメリット酸エステルは、本発明の実施の形態に係る半導電性樹脂組成物においては内部可塑化効果を発現する。トリメリット酸エステルを単独で使用すると混和物に若干の粘りが発生するため、脂肪酸亜鉛やオレイン酸ビスアマイドと併用し弱点を克服すると考えられる。
脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上の添加量は5質量部以上20質量部以下が好ましく、より好ましくは脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルを併用して6質量部以上17質量部以下とするものである。添加量が5質量部未満だと、十分な低粘度化が図れず、20質量部を超えると低粘度化しすぎによるフクレが発生してしまうためである。
(1時間の半減期温度が130℃以上からなる過酸化物系架橋剤)
本発明の実施の形態に係る半導電性樹脂組成物は、1時間の半減期温度が130℃以上からなる過酸化物系架橋剤を含有する。過酸化物系架橋剤の半減期温度が130℃未満だと、押出時のヤケが発生し押出作業が困難となるためである。
1時間の半減期温度が130℃以上からなる過酸化物系架橋剤は、前記ベースポリマー及び前記脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上の合計100質量部に対して、0.5質量部以上3質量部以下含有することが好ましく、押出時のヤケ(炭化)を防止する観点を考慮すると2質量部以上2.8質量部にあることがより好ましい。
(DBP吸着量が150mg/g以下からなるカーボン)
本発明の実施の形態に係る半導電性樹脂組成物は、DBP吸着量が150mg/g以下のカーボンを含有する。DBP吸着量が50mg/g前後であって、性状が平均粒径30μm前後のペレット形状からなるものがより好ましい。
これは、粒径が30μm以下のカーボンが分散したマトリックス層と粒径が30μm前後のカーボンが分散したドメイン層に分かれる分散形態を構成させるためである。30μm程度のドメインは、30nm程度のカーボン粒子の凝集物から成り立っており、粒子自体はその形状を維持している。
前記脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上の成分によるベースポリマーへの可塑化によって、ベースポリマーが低粘度化され、1時間の半減期温度が130℃以上からなる過酸化物系架橋剤への吸油作用により、混練工程でこの構造が形成される。100μm以上のドメイン層が存在すると破壊の起点となり機能しない。このため、上記粒径は30μm以上100μm未満が好ましい。混練は、バンバリミキサー、ニーダー、オープンロール、二軸押出機等のいずれの混練機を用いても可能である。
この相構造は、外部半導電層の絶縁層に対する剥離性向上にも好適である。絶縁体との間に突起物や空隙が生じない程度の均一な凹凸が、良好な剥離性を発現させる。30μm程度のドメインが全体の面積に対して、1%程度では、剥離性は改善せず、また30%以上となると容易に剥離を生じてしまい問題となる。本方法によれば、ドメイン(海島構造の島に相当)の面積占有率は5%以上20%以下の程度に制御されている。
カーボンの添加量は、前記ベースポリマー及び前記脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上の合計100質量部に対して、50質量部以上95質量部以下であることが好ましく、60質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。50質量部未満では、十分な半導電性が得られず、また95質量部を超えると、高粘度化し押出作業が困難となる。
また、本発明の実施の形態に係る半導電性樹脂組成物には、必要に応じてシランカップリング剤、架橋反応促進剤、酸化防止剤、その他の滑剤などを本発明の半導電性樹脂組成物の効果を損なわない範囲で配合することもできる。
[ケーブル]
図1は、本発明の実施の形態に係る送電ケーブルの正面図である。
この送電ケーブル1は、撚り線からなる導体2と、導体2の外周に形成された内部半導電層3と、内部半導電層3の外周に形成された絶縁層4と、絶縁層4の外周に形成された外部半導電層5と、外部半導電層5の外周に半導電性テープ60を巻き付けて形成された半導電性テープ層6と、半導電性テープ層6の外周にワイヤー70を巻き付けて形成された遮蔽層7と、遮蔽層7の外周に押えテープ80を巻き付けて形成された押えテープ層8と、押えテープ層8の外周に形成されたシース層9とを備えて構成されている。本発明の実施の形態に係る半導電性樹脂組成物は、上記外部半導電層5に適用されている。
導体2は、複数の素線を撚り合わせて形成されている。素線としては、例えばすずめっき軟銅線等の線材を用いることができる。導体2は、例えば7000V以上の高電圧を送電する。
内部半導電層3は、電界の集中を緩和させるために設けられており、例えば、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム等のゴムにカーボン等の導電性粉末を分散して導電性を持たせたものを押出成形することにより形成される。もっとも内部半導電層3として外部半導電層5と同じ半導電性樹脂組成物を用いることもできる。
絶縁層4は、例えばエチレンプロピレンゴム、塩化ビニル、架橋ポリエチレン、シリコーンゴム、フッ素系材料等の材料を押出成形することにより形成される。
半導電性テープ層6は、外部半導電層5の外周に半導電性テープ60をケーブル長手方向に沿って螺旋状に例えばテープ幅の1/4以上1/2以下が重なるように重ね巻きして形成される。半導電性テープ60は、例えばナイロン又はレーヨン、PET等からなる経糸と緯糸とを編み込んだ基布又は不織布にエチレンプロピレンゴム、ブチルゴム等のゴムにカーボン等の導電性粉末を分散したものを含浸させて形成され、例えば厚さ0.1mm以上0.4mm以下、幅30mm以上70mm以下のものを用いることができる。
遮蔽層7は、半導電性テープ層6の外周にワイヤー70をケーブル軸方向に沿って螺旋状に巻き付けて形成されている。ワイヤー70は、例えば銅等の導電性材料から形成され、例えば直径0.4mm以上0.6mm以下の線材を用いることができる。遮蔽層7は、使用時にグランドに接続される。
押えテープ層8は、遮蔽層7の外周に押えテープ80をケーブル軸方向に沿って螺旋状に重ね巻きして形成されている。押えテープ80は、例えば、厚さ0.03mm以上0.5mm以下、幅50mm以上90mm以下のポリエチレンからなるテープを用いることができる。
シース層9は、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロロビドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴムに架橋剤等が添加されたものを押出成形することにより形成される。
(製造方法)
次に、送電ケーブル1の製造方法の一例について説明する。
導体2の外周に、内部半導電層3、絶縁層4、外部半導電層5をこの順序で押出成形する。次に、外部半導電層5の外周に半導電性テープ60をケーブル軸方向に沿って螺旋状に巻き付けて半導電性テープ層6を形成し、半導電性テープ層6の外周にワイヤー70をケーブル軸方向に沿って螺旋に巻き付けて遮蔽層7を形成し、遮蔽層7の外周に押えテープ80をケーブル軸方向に螺旋状に沿って巻き付けて押えテープ層8を形成する。次に、押えテープ層8の外周にシース層9を押出成形する。その後、150℃以上180℃以下の雰囲気下の連続加硫装置に5min以上60min以下の条件で加硫を行い、このようにして送電ケーブル1が製造される。
本発明の実施の形態に係る送電ケーブルの用途としては、例えば、鉄道車両用の特別高圧ケーブル等に使用することができる。
[本発明の実施の形態の効果]
本発明は、酢酸ビニル含有量が60重量%以上のエチレン酢酸ビニル共重合体を含むベースポリマーと、脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上と、1時間の半減期温度が130℃以上からなる過酸化物系架橋剤と、DBP吸着量が150mg/g以下からなるカーボンとからなる半導電性樹脂組成物を用いることにより、絶縁層との良好な易剥離性及び押出加工性を得ることができる。
以下、実施例を示して本発明を、より具体的に説明する。かかる実施例は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲で任意に変更が可能である。
公称断面積120mmである錫メッキ軟銅撚線導体の上に、共押出法によって、厚み1mmの内部半導電層、厚み7.28mmの絶縁層、厚み1mmの外部半導電層を押出被覆した。押出温度は80℃〜95℃に調整した。その後、連続加硫条件は蒸気圧0.6MPaにて、管内滞留時間を30分に調整し作業を行い、各実施例及び比較例の評価用送電ケーブルを得た。
絶縁層の配合組成は、ENB量が5.8%、エチレン量が61%からなるEPDM100質量部に、ジクミルパーオキサイド1.4質量部、焼成クレー55質量部、酸化亜鉛5質量部に老化防止剤、滑剤等を処方したものとした。外部半導電層の配合組成は、表1および表2に記載したとおりとした。
施例および比較例において用いた材料は次の通りである。
1)EVA(レバプレン600HV(ランクセス社製(独))VA量60%)
2)EVA(レバプレン500HV(ランクセス社製(独))VA量50%)
3)ステアリン酸亜鉛(日東化成工業社製)
4)TOTM(トリメリット酸2エチルへキシル)花王社製)
5)オレイン酸ビスアマイド(スリパックスO、日本化成社製)
6)1,3−ジ(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(パーブチルP(1時間半減期141℃、日本油脂社製))
7)TAIC(杭州科利社製)
8)アセチレンブラック(デンカ社製、デンカブラック、DBP吸着量212mg/g)
9)ケツチンブラツク(KISCO社製、EC600JD、DBP吸着量495mg/g)
10)ファーネスブラック(東海カーボン社製、シーストG116、DBP吸着量133mg/g)
11)酸化防止剤(ソンウォン社製、ソングノックス1010)
得られた送電ケーブルについて、外部半導電層の押出加工性、剥離力、体積抵抗率、引張強度について、下記の方法に基づいて検討を行った。
(1)押出加工性:
外部半導電層の押出作業は、設定温度85℃で115mmφの押出機を用いて実施した。押出機の負荷電流が許容電流以下であり押出後のヤケ(炭化)やフクレが発生しないものを合格(○)として、許容電流値を超えるかヤケ或いはフクレが発生するものは不合格(×)と表記した。ヤケ、フクレの発生の有無は押出後目視観察により確認した。
(2)剥離力:
外部半導電層の密着性については、絶縁層から外部半導電層を剥離するときの剥離強度により評価した。具体的には、評価用送電ケーブルをカッターで縦割りし、幅12.7mm、長さ約15cm程度の試験片を3つ作製した。この各試験片に対して、ショッパー型引張試験機により剥離試験を実施し、500mm/minの引張速度で外部半導電層を剥離するときの剥離強度を測定した。測定した剥離強度が10N/12.7mm未満であると、外部半導電層の密着性が小さすぎる。一方、剥離強度が50N/12.7mmを超えると、外部半導電層の密着性が大きすぎるため、外部半導電層を剥離する際に外部半導電層自体が破壊されたり、絶縁層が破壊されたりする。よって剥離力は、10N/12.7mm以上50N/12.7mm未満にあるものを合格(○)とし、10N/12.7mm未満は不合格(×1)、50N/12.7mm以上は不合格(×2)と表記した。
(3)電気特性:
外部半導電層の電気特性については、外部半導電層の体積抵抗率により評価した。具体的には、長さ80mm、幅50mm、厚さ1mmの試験片を作製し、JISK7194に従い、9点測定で23±2℃の室内で評価した。外部半導電層の体積抵抗率は400Ω・cm以下であれば、送電ケーブルに生じる部分放電を抑制することが可能となる。よって、400Ω・cm以下となるものを合格(○)、400Ω・cmを超えるものを不合格(×)と表記した。
表1に示した結果から、実施例1〜実施例9で得られた送電ケーブルの外部半導電層は、良好な押出加工性を有することがわかる。これに対して、表2に示した比較例1〜比較例6は、押出加工性、剥離力のいずれかに問題点を生じた。
比較例1においては、酢酸ビニル含有量が60重量%未満のエチレン酢酸ビニル共重合体であるため、外部半導電層と絶縁層との剥離性が過度に低下し、剥離性が悪く、不合格であった。
比較例2においては、ステアリン酸亜鉛を単独で使用する系であるため、押出加工性が悪く、不合格であった。
比較例3においては、トリメリット酸2エチルへキシルを単独で使用する系であるため、剥離性が悪く、不合格であった。
比較例4においては、オレイン酸アマイドを単独で使用する系であるため、押出加工性が悪く、不合格であった。
比較例5、比較例6においては、DBP吸着量が150mg/gを超えるものを使用したため、押出加工性が悪く、不合格であった。
なお、実施例1で作製した外部半導電層を剥離した後、剥離面をSEM−EDX分析装置を用い観察した。結果を図2に示す。カーボンが分散したマトリックス層に白色の粒径が30μm前後のカーボンが分散したドメインが確認された。また図3では、ドメインとマトリックス層のカーボンの分散状態を確認した(ドメインはA、B2点確認)。ドメインA及びBそしてマトリックス層ともカーボン粒子の分散状態に大きな差はなく、30nm程度のカーボン粒子の凝集物から成り立っていて、カーボンの粒子自体はその形状を維持していることが確認された。
1 送電ケーブル
2 導体
3 内部半導電層
4 絶縁層
5 外部半導電層
6 半導電性テープ層
7 遮蔽層
8 押えテープ層
9 シース層
60 半導電性テープ
70 ワイヤー
80 押えテープ
100 カーボン粒子


Claims (5)

  1. 酢酸ビニル含有量が60重量%以上のエチレン酢酸ビニル共重合体を含むベースポリマーと、脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上と、1時間の半減期温度が130℃以上からなる過酸化物系架橋剤と、DBP吸着量が150mg/g以下からなるカーボンとからなることを特徴とする半導電性樹脂組成物。
  2. 前記ベースポリマー100質量部に対して、前記脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上を5質量部以上20質量部以下含有する請求項1に記載の半導電性樹脂組成物。
  3. 前記ベースポリマー及び前記脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上の合計100質量部に対して、前記過酸化物系架橋剤を0.5質量部以上3質量部以下含有する請求項1又は請求項2に記載の半導電性樹脂組成物。
  4. 前記ベースポリマー及び前記脂肪酸亜鉛、オレイン酸ビスアマイド及びトリメリット酸エステルのうち2種以上の合計100質量部に対して、前記カーボンを50質量部以上95質量部以下含有する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導電性樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導電性樹脂組成物からなる外部半導電層を有する送電ケーブル。








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