JP2012138326A - 絶縁電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで、難燃性、耐熱性に優れる絶縁電線を提供すること。
【解決手段】導体の周囲が、架橋シリコーンゴムと架橋フッ素ゴムとを混合した架橋ゴムを含む絶縁層で被覆されている絶縁電線とする。架橋シリコーンゴムと架橋フッ素ゴムの割合は、質量比で、9:1〜1:9の範囲内であることが好ましい。絶縁層は、有機高分子よりなる表面処理剤により水酸化マグネシウムが表面処理された表面処理水酸化マグネシウムを難燃剤として含有することが好ましい。表面処理水酸化マグネシウムの絶縁層中の含有量は、架橋ゴム100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲内であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、絶縁電線に関し、さらに詳しくは、自動車、電気・電子機器などに好適な耐熱性に優れた絶縁電線に関するものである。
自動車、電気・電子機器などに使用される絶縁電線の絶縁材料には、ポリ塩化ビニル化合物や、分子中に臭素原子や塩素原子を含むハロゲン系難燃剤を配合したコンパウンドが主として使用されてきた。このようなハロゲン原子を含む材料は、焼却廃棄した際に多量の腐食ガスを発生するおそれがある。このため、腐食ガスが発生するおそれのないノンハロゲン系難燃材料が提案されている。
また、例えば自動車用の絶縁電線には、高い耐熱性が要求される場合がある。このような高い耐熱性が要求されるものとしては、例えば自動車のエンジンルーム内に配策される絶縁電線などが挙げられる。
耐熱性の絶縁電線としては、例えば、導体上にアクリルゴムを含有する組成物からなる第一層と、フッ素樹脂からなる第二層を絶縁層として形成してなる絶縁電線が公知である(特許文献1)。
特開2009−272100号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている耐熱性の絶縁電線は、難燃性、耐熱性が十分ではなかった。また、絶縁電線の絶縁層がフッ素樹脂のみで構成されれば、コストが高いという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、低コストで、難燃性、耐熱性に優れる絶縁電線を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る絶縁電線は、導体の周囲が、架橋シリコーンゴムと架橋フッ素ゴムとを混合した架橋ゴムを含む絶縁層で被覆されていることを要旨とするものである。
上記絶縁電線において、前記架橋シリコーンゴムと架橋フッ素ゴムの割合が、質量比で、9:1〜1:9の範囲内であることが好ましい。
上記絶縁電線において、前記絶縁層は、有機高分子よりなる表面処理剤により水酸化マグネシウムが表面処理された表面処理水酸化マグネシウムを難燃剤として含有することが好ましい。
上記絶縁電線において、前記表面処理水酸化マグネシウムの前記絶縁層中の含有量は前記架橋ゴム100質量部に対し0.1〜100質量部の範囲内であることが好ましい。
上記絶縁電線において、前記表面処理水酸化マグネシウムの表面処理剤としての有機高分子が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、およびそれらの誘導体から選択される1種類以上であることが好ましい。
上記絶縁電線において、前記有機高分子よりなる表面処理剤の水酸化マグネシウムへのコート量が、前記表面処理水酸化マグネシウム全体に占める割合として、0.1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る絶縁電線は、導体の周囲が架橋シリコーンゴムと架橋フッ素ゴムとを混合した架橋ゴムを含む絶縁層で被覆されていることにより、難燃性、耐熱性に優れる。また、絶縁層がフッ素樹脂のみで構成されるものと比較して、材料のコストを低減できる。また、架橋シリコーンゴムを含む層と架橋フッ素ゴムを含む層とに分けて複数の絶縁層とする構成ではなく、架橋ゴムを含む絶縁層を一度の押出により形成することができるため、製造コストを低減できる。
上記絶縁電線において、絶縁層に、有機高分子よりなる表面処理剤により表面処理された表面処理水酸化マグネシウムを難燃剤として含有する場合には、より一層、難燃性に優れる。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る絶縁電線は、導体と、この導体の周囲を被覆する絶縁層とを有している。絶縁層は、架橋シリコーンゴムと架橋フッ素ゴムとを混合した架橋ゴムを含有している。この絶縁層は、未架橋のシリコーンゴムおよび未架橋のフッ素ゴムを含む絶縁層用のゴム組成物を用いて形成される。
未架橋のシリコーンゴムは、架橋剤を混練した後、加熱架橋させることで弾性体となるミラブル型(加熱架橋型)、或いは架橋前は液状である液状ゴム型のいずれを用いてもよい。液状ゴム型シリコーンゴムは、室温付近で架橋が可能な室温架橋型(RTV)と、混合後100℃付近で加熱すると架橋する低温架橋型(LTV)がある。
未架橋のシリコーンゴムとしては、ミラブル型シリコーンゴムが好ましい。ミラブル型シリコーンゴムは、架橋温度が180℃以上と比較的高温であり安定性が良いので、混練の際の混合がし易く、作業性に優れるという利点がある。これに対し、液状ゴム型シリコーンゴムは、架橋温度が通常120℃程度と低温であるため、安定性が低く混練の際の発熱を低く抑制する必要があり、温度の管理などが煩わしくなるおそれがある。ミラブル型シリコーンゴムは、直鎖状のオルガノポリシロキサンを主原料(生ゴム)として、補強充填剤、増量充填剤、分散促進剤、その他添加剤などを配合したゴムコンパウンドとして市販されているものを用いてもよい。
未架橋のフッ素ゴムは、必要に応じて架橋剤を用い、加熱架橋させることで弾性体となる。未架橋のフッ素ゴムとしては、例えば、フッ化ビニリデン・三フッ化塩化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン・四フッ化エチレン三元共重合体、四フッ化エチレン・プロピレンゴム、四フッ化エチレン・プロピレン・フッ化ビニリデンゴム等が挙げられる。
絶縁層中の架橋シリコーンゴムと架橋フッ素ゴムの割合は、質量比で、架橋シリコーンゴム:架橋フッ素ゴム=9:1〜1:9の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、架橋シリコーンゴム:架橋フッ素ゴム=85:15〜15:85の範囲内である。架橋シリコーンゴムの割合が多くなりすぎると、耐熱性、難燃性が低下しやすい。一方、架橋フッ素ゴムの割合が多くなりすぎると、材料コストが高くなりやすい。
本発明に係る絶縁電線においては、絶縁層に難燃剤を含んでいなくても優れた難燃性を有するが、絶縁層に特定の難燃剤を含有する場合には、より一層、難燃性に優れる。特定の難燃剤は、有機高分子よりなる表面処理剤により表面処理された表面処理水酸化マグネシウムである。
絶縁層中の表面処理水酸化マグネシウムの含有量は、絶縁層中に含まれる架橋ゴム100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲であることが好ましい。表面処理水酸化マグネシウムの含有量は、更に好ましくは0.5〜95質量部である。絶縁層中の表面処理水酸化マグネシウムの含有量が、0.1質量部未満では絶縁層の難燃性が悪くなるおそれがあり、また100質量部を超えると、絶縁層の耐熱性が悪くなるおそれがある。
表面処理水酸化マグネシウムに用いられる表面処理前の水酸化マグネシウムは、海水から結晶成長法で合成するもの、塩化マグネシウムと水酸化カルシウムの反応で合成するものなどの合成水酸化マグネシウム、或いは天然に産出する鉱物を粉砕した天然水酸化マグネシウムなどを用いることができる。
表面処理前の未処理の水酸化マグネシウムは、平均粒径が0.1〜20μmであり、好ましくは0.2〜10μm、更に好ましくは0.5〜5μmである。水酸化マグネシウムの平均粒径が、0.1μm未満では二次凝集が起こり易く、絶縁層の機械的特性が低下するおそれがある。また水酸化マグネシウムの平均粒径が20μmを超えると、絶縁層の外観が悪化するおそれがある。
水酸化マグネシウムの表面処理に用いられる表面処理剤としての有機高分子は、パラフィン系樹脂、オレフィン系樹脂などの炭化水素系樹脂が好ましい。炭化水素系樹脂は、具体的には、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンの単独重合体、もしくは相互共重合体、或いはそれらの混合物、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びそれらの誘導体などが挙げられる。表面処理剤は、少なくとも上記樹脂の1種類以上を含有していればよい。
表面処理剤としての有機高分子は変性されていてもよい。変性剤としては、不飽和カルボン酸やその誘導体を用いることができる。具体的には不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。不飽和カルボン酸の誘導体としては、無水マレイン酸(MAH)、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステルなどが挙げられる。このうちで好ましいのは、マレイン酸、無水マレイン酸などである。なお、これらの表面処理剤としての有機高分子の変性剤は1種単独で使用しても、2種以上を併用してもいずれでもよい。
表面処理剤としての有機高分子に酸を導入する方法としては、グラフト法や直接法などが挙げられる。また酸変性量としては、表面処理剤としての有機高分子の0.1〜20質量%、好ましくは0.2〜10質量%、さらに好ましくは0.2〜5質量%である。
水酸化マグネシウムに対する表面処理剤による表面処理方法としては、特に限定されるものではない。水酸化マグネシウムの表面処理方法は、例えば、所定の粒径の水酸化マグネシウムに表面処理してもよいし、合成時に同時に処理してもよい。また処理方法としては、溶媒を用いた湿式処理でもよいし、溶媒を用いない乾式処理でもよい。湿式処理の際、好適な溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒などを用いることができる。また、絶縁層の組成物を調製する際に、表面処理剤を他のゴム原料などの材料と同時に混練してもよい。
表面処理水酸化マグネシウムにおいて、有機高分子よりなる表面処理剤の水酸化マグネシウムへのコート量(表面処理剤の添加量)は、表面処理水酸化マグネシウム全体に占める割合として、0.1〜10質量%の範囲であることが好ましい。有機高分子よりなる表面処理剤のコート量が、0.1質量%未満では分散不良となるおそれがあり、10質量%を超えると凝集するおそれがある。
絶縁層用のゴム組成物において、未架橋のシリコーンゴムおよび未架橋のフッ素ゴムは、加熱等により架橋することが可能であるが、架橋剤(加硫剤)を用いて架橋しても良い。
架橋剤は、未架橋のゴムの種類や架橋条件などに応じて適宜選択することができる。架橋剤としては、例えば、有機過酸化物などのラジカル発生剤、金属石けん、アミン、チオール、チオカルバミン酸塩、有機カルボン酸などの化合物を挙げることができる。架橋剤としては、有機過酸化物などが、架橋速度の向上の点から好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、ジへキシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド、n−ブチル4,4−ジ(t―ブチルパーオキサイド)バレレートなどのパーオキシケタールなどを挙げることができる。
架橋剤の配合量は、適宜決定することができる。架橋剤の配合量は、例えば、未架橋のゴムと架橋剤の合計量に対し、0.01〜10質量%の範囲で配合するのが好ましい。
絶縁層は、架橋ゴム、特定の難燃剤の他に、絶縁層の特性を損なわない範囲で、各種の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、絶縁電線の絶縁層に用いられる一般的な添加剤を挙げることができる。具体的には、他の難燃剤、架橋剤、充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、顔料などを挙げることができる。
本発明に係る絶縁電線は、例えば次のようにして製造することができる。すなわち、まず、絶縁層を形成するための絶縁層用のゴム組成物を調製する。次いで、調製したゴム組成物を導体の周囲に押出して、導体の周囲に未架橋ゴムを含む被覆層を成形する。次いで、加熱などの架橋手段により、被覆層の未架橋ゴムを架橋する。これにより、導体の周囲が架橋ゴムを含む絶縁層により被覆された絶縁電線を製造することができる。また、本発明に係る絶縁電線は、導体の周囲に絶縁層用のゴム組成物を塗工して被覆層を形成し、加熱などの架橋手段により被覆層の未架橋ゴムを架橋することによっても製造することができる。
絶縁層用のゴム組成物は、未架橋のシリコーンゴムと、未架橋のフッ素ゴムと、必要に応じて配合される難燃剤、架橋剤などの各種添加剤とを混練することにより調製することができる。ゴム組成物の成分を混練する際には、例えば、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、混練押出機、二軸混練押出機、ロールなどの通常の混練機を用いることができる。
絶縁層用のゴム組成物の押出成形には、通常の絶縁電線の製造に用いられる電線押出成形機などを用いることができる。導体は、通常の絶縁電線に使用されるものを利用できる。例えば、銅系材料やアルミニウム系材料よりなる単線の導体や撚線の導体を挙げることができる。また、導体の径や絶縁層の厚みなどは特に限定されず、絶縁電線の用途などに応じて適宜決めることができる。
以上の構成の本発明に係る絶縁電線は、導体の周囲が、架橋シリコーンゴムと架橋フッ素ゴムとを混合した架橋ゴムを含む絶縁層で被覆されている。そのため、難燃性、耐熱性に優れる。また、絶縁層がフッ素樹脂のみで構成されるものと比較して、材料のコストを低減できる。
また、本発明においては、絶縁層に添加する難燃剤として水酸化マグネシウムを用いている。水酸化マグネシウムの脱水温度は、絶縁層に用いるシリコーンゴムやフッ素ゴムの架橋時の温度よりも高いため、シリコーンゴムやフッ素ゴムの架橋時に、水酸化マグネシウムの脱水による絶縁層の発泡が起こるおそれはない。このため、絶縁層の外観不良は発生せず、良好な外観が得られる。また、外観の影響により例えば耐摩耗性などの各種物性が低下するおそれもない。また、水酸化マグネシウムは水酸化アルミニウムよりも脱水温度が高いため、水酸化アルミニウムを難燃剤として用いた従来の絶縁電線よりも高い温度で、絶縁層の発泡を起こすことなく絶縁層のゴムを架橋できるため、確実に絶縁層のゴムを架橋できる。これにより、確実に、所望の絶縁層の物性を得ることができる。
また、本発明においては、絶縁層に添加する難燃剤として用いる水酸化マグネシウムが、有機高分子よりなる表面処理剤で表面処理された表面処理水酸化マグネシウムであるため、ゴム中の水酸化マグネシウムの分散性に優れる。すなわち、ゴム中の水酸化マグネシウムの分散性が悪化しないため、水酸化マグネシウムの配合により耐寒性を悪化させるおそれが低い。したがって、本発明に係る絶縁電線は、優れた耐寒性を発揮できる。また、表面処理水酸化マグネシウムはゴム成分と混ざりやすい。このため、絶縁層用のゴム組成物の混練時の負荷が小さく、混練時の温度上昇を抑えることができる。そのため、温度上昇に敏感な材料等を使用することが可能となり、絶縁電線として利用できる材料の幅が広がるという効果が得られる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記態様の絶縁電線は、単一層の絶縁層から構成したが、本発明の絶縁電線は、2層以上の絶縁層から構成してもよい。
本発明に係る絶縁電線は、自動車、電子・電気機器に使用される絶縁電線に利用することができる。特に高い耐熱性と難燃性を要求される用途の絶縁電線として好適である。例えば自動車用絶縁電線において、このような高い耐熱性が要求される用途としては、ハイブリッド車や電気自動車のエンジンとバッテリを繋ぐパワーケーブルなどのような高電圧、大電流の用途などが挙げられる。
以下、本発明の実施例、比較例を示す。
〔実施例1〜7〕
表1に示す配合組成となるように各成分を混合することにより、未架橋のシリコーンゴムおよび未架橋のフッ素ゴムを含む絶縁層用のゴム組成物を調製した。次いで、押出成形機を用いて、軟銅線を7本撚り合わせた軟銅撚線の導体(断面積0.5mm)の外周に絶縁層用のゴム組成物を押出することにより、未架橋のゴムを含む被覆層を形成した。次いで、200℃×4時間の条件で被覆層の熱処理を行うことにより、未架橋のゴムを架橋させた。これにより、実施例1〜7の絶縁電線を得た。
〔比較例1〜6〕
表2に示す配合組成となるように各成分を混合することにより、未架橋のアクリルゴムを含む内層用組成物を調製した。また、表2に示す配合組成となるように各成分を混合することにより、未架橋のフッ素ゴムを含む外層用組成物を調製した。次いで、実施例と同様にして、比較例1〜6の絶縁電線を得た。
実施例1〜7、比較例1〜6の絶縁電線について、耐寒性試験、難燃性試験、耐熱性試験を行い、評価した。その結果を表1及び表2に合わせて示す。尚、表1及び表2の各成分組成、試験方法及び評価は、下記の通りである。
〔表1及び表2の成分〕
・シリコーンゴム1[信越化学社製、商品名「931」]
・シリコーンゴム2[信越化学社製、商品名「541」]
・フッ素ゴム1[旭硝子社製、商品名「150E」]
・フッ素ゴム2[旭硝子社製、商品名「150L」]
・アクリルゴム1[電気化学社製、商品名「4200」]
・アクリルゴム2[日本ゼオン社製、商品名「Nipol AR14」]
・フッ素ゴム3[ダイキン社製、商品名「G801」]
・フッ素ゴム4[ダイキン社製、商品名「G901」]
・PE5%コート水マグ[表面処理水酸化マグネシウム、表面処理剤:ポリエチレン、表面処理量:5質量%]
上記表面処理水酸化マグネシウムの水酸化マグネシウムは、結晶成長法による平均粒径1.0μmのものを用いた。また表面処理剤のポリエチレンは、三井化学社製、商品名「800P」を用いた。また、表面処理量は、ポリエチレンと水酸化マグネシウムの合計量に対する質量%である。
・架橋剤[日本油脂社製、商品名「パーへキシルD」(ジ−t−へキシルパーオキサイド)]
〔耐寒性試験方法〕
JIS C3055に準拠して行った。すなわち作製した絶縁電線を38mmの長さに切断し試験片とした。この試験片を耐寒性試験機に装着し、所定の温度まで冷却し、打撃具で打撃して、試験片の打撃後の状態を観察した。5本の試験片を用いて、5本の試験片が全て割れた温度を耐寒温度とした。
〔難燃性試験方法〕
JIS 6722に準拠して、45度傾斜難燃試験を行った。試験の結果、70秒以下で消火した場合を合格(○)とし、70秒以下で消火しなかった場合を不合格(×)とした。
〔耐熱性試験方法〕
電線被覆を皮剥ぎして導体を引張り、絶縁被覆を長さ約100mm取り出し試験片とした。この試験片に240℃×10日間劣化試験を実施し、その後引張り試験を行った。伸び残率が50%以上のものを場合を合格(○)とし、50%未満のものを不合格(×)とした。
Figure 2012138326
Figure 2012138326
表1に示すように実施例1〜7の絶縁電線は、いずれも電線の耐寒性、難燃性、耐熱性が良好であり、柔軟性、難燃性、耐熱性に優れることが確認できた。これに対し、比較例1〜6の絶縁電線は、実施例のものと比べて耐寒性に劣っている。また、難燃性、耐熱性に劣ることが確認された。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

Claims (6)

  1. 導体の周囲が、架橋シリコーンゴムと架橋フッ素ゴムとを混合した架橋ゴムを含む絶縁層で被覆されていることを特徴とする絶縁電線。
  2. 前記架橋シリコーンゴムと架橋フッ素ゴムの割合が、質量比で、9:1〜1:9の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 前記絶縁層は、有機高分子よりなる表面処理剤により水酸化マグネシウムが表面処理された表面処理水酸化マグネシウムを難燃剤として含有することを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁電線。
  4. 前記表面処理水酸化マグネシウムの前記絶縁層中の含有量が、前記架橋ゴム100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の絶縁電線。
  5. 前記表面処理水酸化マグネシウムの表面処理剤としての有機高分子が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、およびそれらの誘導体から選択される1種類以上であることを特徴とする請求項3または4に記載の絶縁電線。
  6. 前記有機高分子よりなる表面処理剤の水酸化マグネシウムへのコート量が、前記表面処理水酸化マグネシウム全体に占める割合として、0.1〜10質量%の範囲内であることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の絶縁電線。
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