JP2016103414A - 電線被覆材組成物、絶縁電線及びワイヤーハーネス - Google Patents

電線被覆材組成物、絶縁電線及びワイヤーハーネス Download PDF

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Abstract

【課題】電子線架橋を用いずに耐熱性を向上させることが可能であり、電線を軽量化し、柔軟性を向上させ、取扱い時の作業性を良好とし、電線被覆材組成物、絶縁電線及びワイヤーハーネスを提供する。【解決手段】下記(A)〜(D)を含む電線被覆材組成物を用いて電線被覆材を構成した。(A)密度が0.860〜0.950g/cm3であるポリオレフィンにシランカップリング剤がグラフトされたシラングラフトポリオレフィン。(B)密度が0.860〜0.950g/cm3である未変性ポリオレフィン。(C)ホスファイト系化合物又は/及びメラミン系化合物。(D)架橋触媒をバインダー樹脂に分散させた架橋触媒バッチ。【選択図】なし

Description

本発明は、電線被覆材組成物、絶縁電線及びワイヤーハーネスに関し、更に詳しくは、例えば自動車のワイヤーハーネスのように高い耐熱性が要求される場所で使用される絶縁電線の被覆材として好適な電線被覆材組成物、絶縁電線及びワイヤーハーネスに関するものである。
近年、ハイブリッド自動車等の普及により、自動車部品である電線やコネクタは、高耐電圧性、高耐熱性が求められている。従来、自動車のワイヤーハーネス等のように、高温を発する箇所に用いられる絶縁電線としては、塩化ビニル樹脂の架橋電線や、ポリオレフィン架橋電線が用いられていた。これらの絶縁電線の架橋方法は、電子線で架橋する方式が主流であった(例えば、特許文献1参照)。
しかし、電子線架橋は、高価な電子線架橋装置等を必要とし、設備費用が高価であり、製品コストが上昇してしまうという問題があった。そこで安価な設備で架橋が可能であるシラン架橋が注目されている。電線、ケーブル等の被覆材に用いられる、シラン架橋が可能なポリオレフィン組成物が公知である(例えば特許文献2参照)。
特開2000−294039号公報 特開2000−212291号公報
しかしながら、自動車用電線の主要必須特性である難燃性を付与するためには、難燃剤であるフィラーを添加する必要がある。金属水酸化物に代表される無機系難燃剤を用いる場合、添加量が多量になり、機械的特性が低下してしまう恐れがある。
又、ハロゲン系有機難燃剤を使用する場合、コスト、難燃効果、環境等を考慮すると、非デカブロ臭素系難燃剤が用いられる。その場合、臭素系難燃剤を単独で使用して十分な難燃効果を得るためには、難燃剤を多量に使用し、三酸化アンチモン等の難燃助剤と併用する必要がある。しかし、三酸化アンチモンは硬度が高いため、添加量が多くなると電線の柔軟性を損なう恐れがある。
難燃効果の高いハロゲン系有機難燃剤を用いた場合は、粒子径が大きく樹脂との界面濡れ性が低いため電線外観が荒れやすく、材料混合時にダイス口に目やにが発生してペレット不良が発生する恐れがある。ペレット不良が発生すると、生産性が低下する。
また、別名水架橋と呼ばれるシラン架橋材料においては、加熱成型時に空気中の水分で架橋が促進され、異物発生の懸念があることから、加熱工程は極力回数を抑える必要がある。そこで、難燃剤は非シラン樹脂でマスターバッチ化することが一般的であるが、非シラン樹脂(未架橋成分)を含むがゆえに架橋度が低くなり、自動車用規格を満足させることが出来なくなる恐れがある。
また近年、高電圧・高電流化に伴い、電線直径が大きくなってきている。そのため、電線重量が増加し、電線が硬くなっているため、ワイヤーハーネス等の組立作業性が低下するという問題があった。これに対し電線の柔軟性を向上させると、ガソリンや軽油等の自動車に使用される有機溶媒との親和性が高くなり、電線が膨潤し易くなってしまうという問題がある。
本発明の課題は、電子線架橋を用いずに耐熱性を向上させることが可能であり、電線を軽量化し、柔軟性を向上させ、取扱い時の作業性を良好とすることが可能な、難燃性を有する電線被覆材組成物、絶縁電線及びワイヤーハーネスを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る電線被覆材組成物は、
下記(A)〜(D)を含むことを要旨とするものである。
(A)密度が0.860〜0.950g/cmであるポリオレフィンにシランカップリング剤がグラフトされたシラングラフトポリオレフィン。
(B)密度が0.860〜0.950g/cmである未変性ポリオレフィン。
(C)ホスファイト系化合物又は/及びメラミン系化合物。
(D)架橋触媒をバインダー樹脂に分散させた架橋触媒バッチ。
本発明の電線被覆材組成物において、更に下記(E)を含むことが好ましい。
(E)ポリオレフィンが、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、オキサゾリン基から選択される1種又は2種以上の官能基により変性された変性ポリオレフィン。
本発明の電線被覆材組成物において、更に下記(F)を含むことが好ましい。
(F)ケイ酸塩。
本発明の電線被覆材組成物において、更に下記(G)を含むことが好ましい。
(G)臭素系難燃剤、或いは臭素系難燃剤と三酸化アンチモン。
本発明の電線被覆材組成物において、
前記(A)が、シラングラフト前のポリオレフィンは、密度が0.860〜0.900g/cmであり、結晶化度が10〜50%であり、190℃×2.16kg荷重のメルトフローレイトが0.5〜10g/10分であり、ショアA硬度が55〜90であり、曲げ弾性率が20〜500MPaであり、シラングラフトポリオレフィンのゲル分率が80〜95%であり、
前記(B)が、190℃×2.16kg荷重のメルトフローレイトが0.5〜10g/10分であり、曲げ弾性率が20〜500MPaであり、密度が0.885〜0.920g/cmであり、
前記(C)のメラミン化合物が、メラミンシアヌレートであることが好ましい。
本発明の電線被覆材組成物において、
前記(A)が30〜90質量部、
前記(B)、或いは(B)と(E)の合計が、10〜70質量部、
前記(A)、(B)、(E)の合計100質量部に対し、
前記(C)が、15〜50質量部、
前記(D)が、ポリオレフィン100質量部に対しシラノール縮合触媒を1〜10質量部分散させたものが2〜20質量部、
であることが好ましい。
本発明の電線被覆材組成物において、
前記(F)が1〜10質量部であることが好ましい。
本発明の電線被覆材組成物において、前記(G)の臭素系難燃剤が20質量部以下であることが好ましい。
本発明の電線被覆材組成物において、密度が1.05g/cm以下であることが好ましい。
本発明の絶縁電線は、上記の電線被覆材組成物を水架橋させてなる電線被覆材を有することを要旨とするものである。
本発明のワイヤーハーネスは、上記の絶縁電線を有することを要旨とするものである。
本発明は、上記(A)〜(D)成分を含む電線被覆材組成物を用いるものであるから、設備の高価な電子線架橋を用いず設備の安価な水架橋を利用して耐熱性の優れた絶縁電線が得られる。またホスファイト系化合物又は/及びメラミン系化合物を含むことにより、被覆材に難燃性を付与することが可能である。また電線被覆材組成物から得られる被覆材は、軽量化することが可能であり、柔軟性を有するから、電線径が太くなった場合であっても、電線取扱い時の作業性が良好である。更に電線被覆材は、耐薬品性に優れている。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の電線被覆組成物は、例えば下記の(A)〜(J)成分から構成することができる。組成物が下記の成分を有することにより、電線外観、生産性、難燃性、耐熱性、耐薬品性、柔軟性、耐摩耗性等に優れた低密度の自動車用電線を得ることが可能である。
(A)グラフト前の密度が0.860〜0.950g/cmであるポリオレフィンにシランカップリング剤がグラフトされたシラングラフトポリオレフィン。
(B)密度が0.860〜0.950g/cmである、未変性ポリオレフィン。
(C)ホスファイト系化合物又は/及びメラミン系化合物。
(D)架橋触媒をバインダー樹脂に分散させた架橋触媒バッチ。
(E)ポリオレフィンが、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、オキサゾリン基から選択される1種又は2種以上の官能基により変性された変性ポリオレフィン。
(F)ケイ酸塩。
(G)臭素系難燃剤、或いは臭素系難燃剤と三酸化アンチモン。
(H)充填剤(フィラー)。
(I)酸化防止剤。
(J)金属不活性剤。
以下、各成分について説明する。
(A)のシラングラフトポリオレフィンに用いられるグラフト前のポリオレフィン(ベース樹脂ということもある)、(B)の未変性ポリオレフィン、(E)の変性ポリオレフィンに用いられる変性前のポリオレフィンとしては以下のものが例示される。
上記ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他のオレフィンの単独重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−アクリル酸エステル共重合体、プロピレン−メタクリル酸エステル共重合体等のプロピレン系共重合体等を例示することができる。これらは単独で用いてもよいし、併用してもよい。好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体である。
上記ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、メタロセン超低密度ポリエチレン等を例示することができる。これらは単独で用いてもよいし、併用しても良い。ポリオレフィンは、好ましくはメタロセン超低密度ポリエチレンを代表とする低密度ポリエチレンである。低密度ポリエチレンを用いると、電線の柔軟性が良好となり、押出性に優れ、生産性が向上する。
また上記ポリオレフィンとしては、オレフィンをベースとするポリオレフィンエラストマーを用いてもよい。ポリオレフィンエラストマーは、被膜に柔軟性を付与することができる。ポリオレフィンエラストマーは、例えばエチレン系エラストマー(PEエラストマー)、プロピレン系エラストマー(PPエラストマー)等のオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、EPR)、エチレンプロピレン−ジエン共重合体(EPDM、EPT)等が挙げられる。
(A)シラングラフトポリオレフィンに用いられるポリオレフィンは、密度が、0.860〜0.950g/cmの範囲のものであり、好ましくは0.860〜0.900g/cmの範囲のものである。ポリオレフィンは、より低密度である方がシランカップリング剤をグラフトし易いが、密度が0.860g/cm未満では電線の耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性が低下し易く、ペレットのブロッキングが発生し易い。一方、ポリオレフィンの密度が0.950g/cmを超えると、高密度になることで柔軟性が低下する恐れがある。ポリオレフィンの密度は、ASTM規格のD792に準拠して測定される値である。
シラングラフトポリオレフィンに用いられるポリオレフィンの結晶化度は、10〜50%であるのが好ましい。ポリオレフィンの結晶化度は、密度と相関関係があり、結晶化度が低いものは密度も低くなり、結晶化度が高いものは密度も高くなる。
ポリオレフィンの結晶化度は、示差走査熱量計を用いて、樹脂ペレットの融解熱量を測定し、ポリエチレン系樹脂の場合は、高密度ポリエチレン(HDPE)の完全結晶体理論熱量文献値293J/gから算出し、ポリプロピレン系樹脂の場合はホモポリプロピレンの209J/gから算出した値である。上記示差走査熱量計としては、日立ハイテクサイエンス社製、製品名「DSC6200」を用いた。
シラングラフトポリオレフィンに用いられるポリオレフィンの190℃×2.16kg荷重のメルトフローレイト(以下、MFRということもある)は、0.5〜10g/10分であるのが好ましい。ポリオレフィンのMFRを規定することは、電線及び混合被覆材料の成形性に寄与するものである。シラングラフトポリオレフィンのMFRが、0.5g/10分未満であると、押出成形性が乏しくなり、単位時間当たりの生産量が低下する恐れがある。一方MFRが10g/10分を超えると、電線成形時に樹脂垂れ等が発生し易くなり生産性が低下する恐れや、分子量低下による耐摩耗性や耐熱性が低下する懸念がある。本発明において、MFRは、ASTM規格のD1238に準拠して測定された値である。
シラングラフトポリオレフィンに用いられるポリオレフィンのショアA硬度は、55〜90であるのが好ましい。ショアA硬度は、ASTM規格のD2240に準拠して測定された値である。
シラングラフトポリオレフィンに用いられるポリオレフィンの曲げ弾性率は、20〜500MPaであるのが好ましい。曲げ弾性率は、ASTM規格のD790に準拠して常温で測定された値のことである。オレフィン系樹脂のショアA硬度及び曲げ弾性率を上記範囲に特定することにより、電線の柔軟性や耐摩耗性等の向上に寄与する。
シラングラフトポリオレフィンのゲル分率は、80〜95%であるのが好ましい。ゲル分率が上記範囲であると、耐熱性、耐薬品性等が更に良好となる。
シラングラフトポリオレフィンのゲル分率は、下記の測定方法により測定し、下記の式より求めた値である。シラングラフトポリオレフィンを100質量部に対して、架橋触媒バッチ(詳細は実施例の欄に記載した)を5質量部加えた配合材料を東洋精機社製、「ラボプラストミル」で200℃×5分間混練し、得られた塊状体を200℃×3分間圧縮プレス加工し、1mm厚さのシートを成形する。成形したシートを60℃×12時間×湿度95%の雰囲気下で水架橋を行った後、試験体とし0.1gを採取し秤量し、キシレン浸漬前の質量を求めた。次いで、試験体を120℃のキシレン溶媒中に浸漬して20時間後に取り出し、取り出した試験体を100℃×6時間乾燥した後、乾燥後の試験体を秤量して、キシレン浸漬後の質量を求めた。試験体のキシレン溶媒に浸漬する前の質量に対する浸漬後の質量百分率をもって、下記式によりゲル分率を求めた。
ゲル分率%=(キシレン浸漬後の質量/キシレン浸漬前の質量)×100
シラングラフトポリオレフィンに用いられるシランカップリング剤は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン等のビニルアルコキシシランやノルマルヘキシルトリメトキシシラン、ビニルアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を例示することができる。これらは、1種又は2種以上併用しても良い。
シラングラフトポリオレフィンにおけるシランカップリング剤の添加量は、シランカップリング剤をグラフトするポリオレフィン100質量部に対して、0.5〜5質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、3〜5質量部の範囲内である。シランカップリング剤の添加量が0.5質量部未満では、シランカップリング剤のグラフト量が少なく、シラン架橋時に十分な架橋度が得られ難い。一方、シランカップリング剤の添加量が5質量部を超えると、混練時に架橋反応が進みすぎてゲル状物質が発生しやすい。そうすると、製品表面に凹凸が発生しやすく、量産性が悪くなりやすい。また、溶融粘度も高くなりすぎて押出機に過負荷がかかり、作業性が悪化しやすくなる。
シランカップリング剤のグラフト量(シラングラフト前のポリオレフィンに占めるグラフトされているシランカップリング剤の質量割合)の上限は、電線被覆工程での過剰な架橋による異物発生等の観点から、好ましくは、15質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、更に好ましくは、5質量%以下であると良い。一方、上記グラフト量の下限は、電線被覆の架橋度(ゲル分率)等の観点から、好ましくは、0.1質量%以上、より好ましくは、1質量%以上、更に好ましくは、2.5質量%以上であると良い。
ポリオレフィンにシランカップリング剤をグラフトしてシラングラフトポリオレフィンを製造する方法としては、例えばポリオレフィンとシランカップリング剤に遊離ラジカル発生剤を加え、二軸あるいは短軸の押出機等で混合する方法が一般的である。この他にも、ポリオレフィンを重合する際に、シランカップリング剤を添加する方法を用いてもよい。
シランカップリング剤をグラフトしたシラングラフトポリオレフィンは、シラングラフトバッチ(a成分)として保持され、組成物を混練するまでの間、後述する他の難燃剤バッチ(b成)、触媒バッチ(c成分)とは別に保管される。
上記の遊離ラジカル発生剤としては、ジクミルパーオキサイド(DCP)、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ブチルパーアセテート、tert−ブチルパーベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物を例示することができる。遊離ラジカル発生剤は、上記に限定されるものではなく、その他のパーオキサイドやラジカル発生剤を使用してもよい。
遊離ラジカル発生剤として、より好ましくは、ジクミルパーオキサイド(DCP)である。遊離ラジカル発生剤としてDCPを用いる場合には、ポリオレフィンにシランカップリング剤をグラフト重合させる際のシラングラフトバッチを調製する温度を120℃以上にすると良く、好ましくは160℃以上にすると良い。グラフト効率が良く、反応時間が短縮されるためである。
遊離ラジカル発生剤の添加量は、シラン変性されるポリオレフィン100質量部に対して0.025〜0.5質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.2質量部の範囲内である。遊離ラジカル発生剤の添加量が0.025質量部未満では、シランカップリング剤のグラフト化反応が十分進行し難く、所望のゲル分率が得られにくい。一方、遊離ラジカル発生剤の添加量が0.5質量部を越えると、ポリオレフィンの分子を切断する割合が多くなったり、目的としない過酸化物架橋が進行し易い。そうすると、難燃剤バッチや触媒バッチと混練する際に、製品表面に凹凸が発生したり、低分子化により加工性が低下する。これにより、加工性や外観が悪化し易くなる。
また上記遊離ラジカル発生剤は、不活性物質のタルクや炭酸カルシウムで希釈しても良いし、エチレンプロピレンゴムやエチレンプロピレンジエンゴムやポリオレフィンやポリオレフィン‐αオレフィン共重合体等で希釈しペレット化してもよい。
(B)の未変性ポリオレフィンは、シランカップリング剤や官能基等により変性されていないポリオレフィンが用いられる。未変性ポリオレフィンは、密度が0.860〜0.950g/cmの範囲のものであるが、好ましくは0.885〜0.920g/cmの範囲のものである。未変性ポリオレフィンの密度が0.860未満では、電線の耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、耐屈曲性等が低下し易くなる。また未変性ポリオレフィンの密度が0.950g/cm超では、柔軟性が低下する恐れがある。
未変性ポリオレフィンは、190℃×2.16kgの荷重のMFRが0.5〜10g/10分であるのが好ましい。未変性ポリオレフィンのMFRは、シラングラフトポリオレフィンのMFRの規定と同様に、0.5g/10分未満であると、押出成形性が乏しくなり、単位時間当たりの生産量が低下する恐れがある。一方MFRが10g/10分を超えると、電線成形時に樹脂垂れ等が発生し易くなり生産性が低下する恐れや、分子量低下による耐摩耗性や耐熱性が低下する懸念がある。
(E)の変性ポリオレフィンに用いられるポリオレフィンとしては、未変性ポリオレフィンとして使用する樹脂と同系列の樹脂を使用することがが相溶性の面で好ましく、加えてVLDPEやLDPE等のポリエチレンは電線への柔軟性寄与や難燃剤であるフィラーが良分散する理由から好ましい。
変性ポリオレフィンに用いられる官能基は、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、オキサゾリン基、ヒドロキシル基、シラン基等が挙げられる。官能基は、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基及びオキサゾリン基から選択される1種又は2種以上が好ましい。更に好ましくは、マレイン酸基、エポキシ基、アミノ基等である。官能基の変性により、臭素系難燃剤、三酸化アンチモン等の添加剤との接着性が良好になり樹脂の強度が低下しにくくなる。
変性ポリオレフィンにおける官能基の変性割合は、ポリオレフィン100質量部に対し、0.05〜15質量部の範囲が好ましい。15質量部を超えると端末加工時の被覆ストリップ性が低下するおそれがある。0.05質量部未満では、官能基による変性効果を十分得られない恐れがある。
ポリオレフィンを官能基により変性する方法は、官能基を有する化合物をポリオレフィンにグラフト重合する方法や、官能基を有する化合物とオレフィンモノマとを共重合させてオレフィン共重合体とする方法等が挙げられる。
官能基としてカルボキシル基や酸無水物基を導入する化合物としては、具体的には、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等のα、β−不飽和ジカルボン酸、又はこれらの無水物、アクリル酸、メタクリル酸、フラン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ペンテ酸等の不飽和モノカルボン酸等が挙げられる。
官能基としてアミノ基を導入する化合物としては、具体的には、アミノエチル(メタ)アクリレート、プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、フェニルアミノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
官能基としてエポキシ基を導入する化合物としては、具体的には、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、α−クロロアクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸等のグリシジルエステル類、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルオキシエチルビニルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、p−グリシジルスチレン等が挙げられる。
上記樹脂成分(A)、(B)、(E)は、樹脂成分の合計を100質量部とした場合の配合割合が、(A)シラングラフトポリオレフィンが30〜90質量部、(B)未変性ポリオレフィンと(E)変性ポリオレフィンとの合計が10〜70質量部である。(B)未変性ポリオレフィンと(E)変性ポリオレフィンの混合割合は、(B):(E)=95:5〜50:50の範囲が相溶性に優れ、生産性や難燃剤の分散性が良好となる理由から好ましい。
(C)のホスファイト系化合物及び/又はメラミン化合物は、組成物に難燃性、耐熱性等を付与するために用いられる。一般に難燃効果の高いハロゲン系有機難燃剤を用いた場合は、粒子径が大きく樹脂との界面濡れ性が低いため電線外観が荒れやすく、材料混合時にダイス口に目やにが発生してペレット不良が発生する恐れがある。ペレット不良が発生すると、生産性が低下することになる。また臭素系難燃剤や三酸化アンチモンは比重が大きいため、添加量が多くなると、密度が高くなり、軽量化を図れなくなる恐れがある。これに対し本発明は、ホスファイト系やメラミン系化合物を添加することで難燃性を付与することが可能であり、臭素系難燃剤や三酸化アンチモンを使用しないか、若しくは臭素系難燃剤の添加量を減らすことが可能である。
(C)のホスファイト系化合物及び/又はメラミン化合物は、組成物中にホスファイトとメラミン化合物をそれぞれ単独で添加しても、両者を併用しても、いずれでもよい。
ホスファイト系化合物としては、例えば、トリスメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジル2,6‐キシレニルホスフェート、ジクレジルキシレニルホスフェート、1,3フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、1,3フェニレンビス(ジ2,6キシレニルホスフェート)、1,4フェニレンビス(ジ2,6キシレニルホスフェート)等の縮合リン酸エステルや、ポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。これらは1種単独で使用しても、2種以上を併用してもいずれでもよい。
ホスファイト系化合物は、融点が150℃以上であることが好ましく、より好ましくは200℃以上である。電線の耐熱性が優れるためである。
メラミン系化合物としては、ポリリン酸メラミン、硫酸メラミン、シアヌル変性したメラミン(メラミンシアヌレートということもある)等が挙げられる。メラミン系化合物としては、例えば市販品として、日産化学社の商品名「MC4000」、「MC6000」、堺化学社の商品名「MC‐5S」等が挙げられる。メラミン系化合物は、微粒子状のものが用いられ、樹脂との相溶性の観点から、機械的強度が優れるために粒子径が3μm以下であるのが好ましく、更に好ましくは1μm以下である。
メラミン系化合物を添加することにより、後述するケイ酸塩と同様に、被覆が燃えた際に殻を構成し、樹脂ダレを起こし難くすることができる。メラミンシアヌレートは特にその効果が大きい。
(C)のホスファイト系化合物及び/又はメラミン化合物の添加量は、上記樹脂成分(A)、(B)、(E)の合計量が100質量部に対し、15〜50質量部の範囲内が好ましい。15質量部未満では、十分な難燃性が得られない場合があり、50質量部を超えると分散不良による電線外観の悪化や難燃剤のブルーム(電線表面への粉吹き)が発生する恐れがある。上記添加量は、ホスファイト系化合物及びメラミン系化合物の合計量である。
(D)の架橋触媒バッチは、架橋触媒をバインダー樹脂に分散したものである。バインダー樹脂としては、非架橋(非シラン変性)ポリオレフィンが好ましく用いられる。
上記架橋触媒は、シラングラフトポリオレフィンをシラン架橋させるためのシラノール縮合触媒である。架橋触媒として、例えば、錫、亜鉛、鉄、鉛、コバルト等の金属カルボン酸塩や、チタン酸エステル等の有機金属化合物、有機塩基、無機酸、有機酸等を例示することができる。具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫メルカプチド(ジブチル錫ビスオクチルチオグリコールエステル塩、ジブチル錫β−メルカプトプロピオン酸塩ポリマー等)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、カプリル酸第一錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジン、硫酸、塩酸、トルエンスルホン酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸等を例示することができる。架橋触媒として好ましくは、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫メルカプチド等の有機錫化合物である。
上記バインダー樹脂に用いられるポリオレフィンは、前述の(A)、(B)、(E)の説明で例示したポリオレフィンが挙げられ、特にLDPE、LLDPE、VLDPE等が好ましい。これは、シラングラフトポリオレフィンや未変性ポリオレフィン、変性ポリオレフィン等のポリオレフィンを選択する理由と同じである。また相溶性の面では、シラングラフトポリオレフィンや未変性ポリオレフィン、変性ポリオレフィンと同系統の樹脂を用いることが好ましい。
架橋触媒バッチは、バインダー樹脂と架橋触媒の配合割合は、バインダー樹脂がポリオレフィンで架橋触媒がシラノール縮合触媒の場合、ポリオレフィン100質量部に対し、シラノール縮合触媒を0.5〜10質量部の範囲内とするのが好ましく、更に好ましくは1〜10質量部の範囲内である。架橋触媒が0.5質量部未満ではポリオレフィンの添加量が多くなり、電線被覆組成物におけるポリオレフィンの配合量が増えてしまう。このポリオレフィンは、非シラン架橋性ポリオレフィンが用いられるので、架橋密度が低下する恐れがある。
(D)の架橋触媒バッチの添加量は、上記(A)、(B)、(E)成分の合計量100質量部に対して、2〜20質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは5〜15質量部である。2質量部未満では架橋が進みにくくなり部分架橋の恐れがあり、20質量部を超えると、成分中の非架橋性樹脂、非難燃性樹脂の割合が増加することにより、難燃性や耐熱性が低下する恐れがある。
架橋触媒バッチは、シラングラフトポリオレフィンを含むシラングラフトバッチ(a成分)に直接混合すると架橋が進行してしまうため、電線の被覆工程で添加するのが一般的である。また、架橋触媒を添加する方法は、難燃バッチを作成する際に難燃剤と同時にバッチ化させる方法と、架橋触媒と樹脂のみを混合し単独でバッチ化させる方法があるが、どちらを選択しても良い。好ましくは、架橋触媒専用の架橋触媒バッチを作成することであり、難燃剤と共に混合することで起こりうる余剰反応を抑制したり、触媒添加量の制御が容易であるメリットがある。
(F)のケイ酸塩は、難燃助剤として用いられる。ケイ酸塩は、被覆材が燃焼した際にチャー(殻)を形成して、樹脂ダレによる燃焼拡大を抑制する効果がある。ケイ酸塩の粒子径は、分散性等が良く、耐摩耗性の向上や電線表面の平滑化の観点から10μm以下が好ましく、物性を低下させないという点から3μm以下が更に好ましく、より好ましくは1μm以下である。
ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、マイカ、モンモリロナイト、ウォラストナイト、カオリナイト、クレー(カオリナイト、デッカイト、ハロイサイト、セリサイト、モンモリロナイト等の集合体)等が挙げられる。中でもモンモリロナイト等のカルシウム、ナトリウム塩やアルミニウム塩がチャ―形成に優れており、第4級アンモニウム塩等で有機化して樹脂との密着力を上げると、フィラー成分添加による機械的強度低下を抑制する効果がある。
(F)のケイ酸塩の添加量は、上記樹脂成分(A)、(B)、(E)の合計量が100質量部に対し、1〜10質量部の範囲内が好ましい。ケイ酸塩の添加量が1質量部未満では、難燃助剤としての効果が十分発揮されない恐れがあり、10質量部を超えると比重が大きいから軽量化が図れず、柔軟性が低下する恐れがある。
(G)は臭素系難燃剤成分であり、臭素系難燃剤の単独使用、或いは臭素系難燃剤と三酸化アンチモンの併用のいずれでもよい。また臭素系難燃剤成分を水酸化マグネシウムと併用してもよい。
臭素系難燃剤は、エチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレンビストリブロモフタルイミド等のフタルイミド構造を持つ臭素系難燃剤、あるいは、エチレンビスペンタブロモフェニルが適している。これらは、熱キシレンへの溶解度が他と比較して低いためにゲル分率が良好であり、融点が高く耐熱性が優れているためである。
臭素系難燃剤は、上記のフタルイミド系の臭素系難燃剤、エチレンビスペンタブロモフェニルを単独で使用してもよいが、下記の臭素系難燃剤と併用してもよい。具体的には、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)〔別名:ビス(ペンタブロモフェニル)エタン〕、テトラブロモビスフェノールA(TBBA)、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、TBBA−カーボネイト・オリゴマー、TBBA−エポキシ・オリゴマー、臭素化ポリスチレン、TBBA−ビス(ジブロモプロピルエーテル)、ポリ(ジブロモプロピルエーテル)、ヘキサブロモベンゼン(HBB)等である。電線に難燃性を付与するためだけであれば、これらを制限なく使用して可能であるが、十分なゲル分率、あるいは耐熱性を電線に付与するためには、フタルイミド構造の難燃剤と併用することが好ましい。
(G)の三酸化アンチモンは、臭素系難燃剤の難燃助剤として用いられ、臭素系難燃剤と併用することで相乗効果が得られる。三酸化アンチモンは純度99%以上のものを用いるのが好ましい。三酸化アンチモンは、鉱物として産出される三酸化アンチモンを粉砕処理して微粒化して用いる。その際、平均粒子系が3μm以下であるのが好ましく、更に好ましくは1μm以下である。粒子径が大きくなると樹脂との界面強度が低下する恐れがある。また粒子系の制御や樹脂との界面強度を向上させる目的で、表面処理を施しても良い。この表面処理剤として好ましくは、シランカップリング剤、高級脂肪酸、ポリオレフィンワックス等が挙げられる。
(G)の三酸化アンチモンを臭素系難燃剤と併用する場合、臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの混合比率は、当量比で、臭素系難燃剤:三酸化アンチモン=3:1〜2:1の範囲内であるのが好ましい。
水酸化マグネシウムは、合成水酸化マグネシウム、天然水酸化マグネシウムのいずれでもよく、表面処理剤により処理されたもの、未処理のもの、いずれでもよい。水酸化マグネシウムは、平均粒径が0.2〜10μmが好ましく、更に好ましくは0.5〜5μmである。
(G)の臭素系難燃剤の添加量の上限は、上記樹脂成分(A)、(B)、(E)の合計量が100質量部に対し、30質量部以下とするのが好ましく、更に好ましくは20質量部以下である。また三酸化アンチモンの添加量は、上記樹脂成分の合計量100質量部に対し、15質量部以下とするのが好ましく、更に好ましくは、10質量部以下である。水酸化マグネシウムの添加量は、上記樹脂成分(A)、(B)、(E)の合計量が100質量部に対し、50質量部以下とするのが好ましく、更に好ましくは、30質量部以下である。
上記難燃剤の添加量の下限は、所望の難燃効果に応じて、難燃剤の種類に応じて適宜、決定すればよい。
難燃剤成分として用いられる、ホスファイト系化合物、メラミン系化合物、ケイ酸塩、臭素系難燃剤、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム等は、上記(A)、(B)、(E)の樹脂成分100質量部に対し、合計で50質量部以下にするのが良く、好ましくは15〜30質量部の範囲内である。上記範囲であると、低密度化に加えて材料の伸びが向上することにより、曲げ加工し易くなる。
ケイ酸塩は、チャー形成のための難燃助剤であるため、ホスファイト系化合物とメラミン系化合物を合わせた質量の1/15〜1/5程度で効果が得られる。チャーを形成することで燃焼時に樹脂が液だれを引き起こし二次燃焼等の発生を抑制し、効果的に消火が進行する。ケイ酸塩は多量に添加しても難燃効果が低下するわけではないが、フィラー成分の分散性低下や被覆伸びの低下に繋がる恐れがある。上記の点からケイ酸塩は、樹脂成分100質量部に対して、5〜10質量部程度が好ましく、更に好ましくは3〜5質量部程度にすると良い。
(H)の充填剤は、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等が用いられる。充填剤を少量添加することで、樹脂の硬度を調製することができる。充填剤の添加量の上限は、上記樹脂成分(A)、(B)、(E)の合計量が100質量部に対し、30質量部以下が好ましく、更に好ましくは5質量部以下である。
(I)の酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。酸化防止剤の添加量は、上記樹脂成分(A)、(B)、(E)の合計量が100質量部に対し、1〜10質量部が好ましくは、より好ましくは1〜5質量部の範囲である。酸化防止剤の添加量が上記範囲内であると、老化特性に優れ、多量添加時に発生するブルーム等を抑制できる。
(J)の金属不活性剤は、銅不活性剤又はキレート化剤等の用いられる。金属不活性剤は、ヒドラジド誘導体や、サリチル酸誘導体等が挙げられる。金属不活性剤を添加することで、耐熱性を向上させることができる。金属不活性剤の添加量は、上記樹脂成分(A)、(B)、(E)の合計量が100質量部に対し、1〜10質量部の範囲内が好ましく、導体からの銅害を防止、金属不活性剤のブルーム防止や、金属不活性剤と架橋触媒が反応してしまい、シラングラフト樹脂の架橋を阻害することを良好に防止できる。
電線被覆材組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、上記(A)〜(J)以外のその他の成分を添加してもよい。その他の成分としては、この種の絶縁電線の被覆材の組成物に添加されるものであれば、使用することができる。その他の添加剤として例えば、滑剤、老化防止剤等が挙げられる。
上記滑剤は、この種の電線被覆材に用いられる滑剤を使用することができる。滑剤は、内部滑剤、外部滑剤のいずれを用いてもよい。上記老化防止剤としては、イミダゾール系化合物の亜鉛塩、イミダゾール化合物と酸化亜鉛の併用、硫化亜鉛等が挙げられる。
組成物は、密度が1.05g/m以下であることが好ましい。密度が上記範囲あると、被覆材を軽量化して、柔軟性が良好で、外径が太くなった場合でも、取扱作業性が優れた絶縁電を得ることが可能である。密度の測定は、JISK7112に準拠して測定した値である。
以下、本発明の絶縁電線及びワイヤーハーネスについて説明する。本発明に係る絶縁電線は、導体の外周が、上記の電線被覆材組成物を水架橋させてなる電線被覆材(単に被覆材ということもある)からなる絶縁層により被覆されている。絶縁電線の導体は、その導体径や導体の材質等は特に限定されるものではなく、絶縁電線の用途等に応じて適宜定めることができる。導体としては例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。また電線被覆材の絶縁層は、単層であっても、2層以上の複数層であってもいずれでも良い。
本発明の絶縁電線において、被覆材の架橋度は、耐熱性の観点から50%以上であることが好ましく、より好ましくは、60質量%以上である。架橋度はオレフィン系樹脂へのシランカップリング剤のグラフト量や、架橋触媒の種類や添加量、水架橋条件(温度や時間)等により調製することができる。
本発明の絶縁電線を製造するには、上記(A)シラングラフトポリオレフィンを含むシラングラフトバッチ(a成分)と、上記(B)、(C)、(E)、(F)、(G)、(H)、(I)、(J)を混練した難燃剤バッチ(b成分)と、前記(D)架橋触媒バッチ(c成分)を、加熱、混練して(混練工程)、導体の外周に押出し被覆した(被覆工程)後、水架橋(水架橋工程)すればよい。
上記混練工程では、ペレット形状の各バッチをミキサーや押し出し機等を用いて混合する。上記b成分とc成分は、予め混練されていてペレット化されていてもよいし、b成分とc成分が、それぞれ別々にペレット化されていてもよい。またa成分のシラングラフトポリオレフィンもペレット化することができる。
上記被覆工程では通常の押出し成形機等を用いて押出し被覆をする。上記水架橋工程は、被覆電線の被覆樹脂を水蒸気あるいは水にさらすことにより行う。上記水架橋工程は、常温〜90℃の温度範囲内で、48時間以内で行うことが好ましい。上記水架橋工程は、好ましくは、温度が50〜80℃の範囲内で、8〜24時間の範囲内で行うことである。
本発明のワイヤーハーネスは、上記の絶縁電線を有するものである。ワイヤーハーネスは、上記絶縁電線のみがひとまとまりに束ねられた単独電線束の形態、あるいは上記の絶縁電線と他の絶縁電線とが混在状態で束ねられた混在電線束の形態のいずれでもよい。電線束は、コルゲートチューブ等のワイヤーハーネス保護材や、粘着テープのような結束材等で束ねられてワイヤーハーネスとして構成される。
ISO6722は自動車用電線に用いられる国際規格であり、許容耐熱温度によってAからEまでのクラスに分類される。本発明の絶縁電線は耐熱性に優れ、高電圧がかかるバッテリーケーブル等に最適であり、耐熱温度125℃のCクラスや、150℃のDクラスの特性を得ることが可能である。
以下、本発明の実施例、比較例を示す。本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔供試材料及び製造元等〕
本実施例及び比較例において使用した供試材料を製造元、商品名等とともに示す。
〔シラングラフトポリオレフィン(シラングラフトPE1〜シラングラフトPE5、シラングラフトPP1)〕
シラングラフトポリオレフィンは、ポリオレフィンとして下記の表1に示す特性のベース樹脂を用いて、ベース樹脂100質量部に対してビニルトリメトキシシラン(信越化学社製、商品名「KBM1003」を1〜4質量部、ジクミルパーオキサイド(日油社製、商品名「パークミルD」)を0.1〜0.5質量部をドライブレンドした材料を190℃の内径25mmの単軸押出機で混合して調製した。得られたシラングラフト樹脂のゲル分率を、上述したように架橋触媒バッチ(下記の実施例で用いたものと同じものを用いた)を加えて硬化させた後、キシレン浸漬前後の質量の比率から求める方法により測定した。各シラングラフトポリオレフィンのゲル分率の測定結果を表1に合わせて示す。
表1のシラングラフトポリオレフィンのベース樹脂は、下記の樹脂を用いた。
・シラングラフトPE1:ダウエラストマー社製、商品名「ENR7256.02」
・シラングラフトPE2:ダウエラストマー社製、商品名「エンゲージ8100」
・シラングラフトPE3:住友化学社製、商品名「スミカセン C215」
・シラングラフトPE4:日本ポリエチ社製、商品名「ノバテックHD HY331」
・シラングラフトPE5:宇部丸善社製、商品名「F120N」
・シラングラフトPP1:日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックEC9」
Figure 2016103414
〔未変性ポリオレフィン(PE1〜PE5)〕
未変性ポリオレフィンは、下記の樹脂を用いた。具体的な物性を表2に示す。
・PE1:ダウエラストマー社製、商品名「エンゲージ8842」
・PE2:ダウエラストマー社製、商品名「ENR7256.02」
・PE3:住友化学社製、商品名「エクセレン FX352」
・PE4:住友化学社製、商品名「スミカセン C215」(LDPE)
・PE5:日本ポリエチ社製、商品名「ノバテックHDHY331」
Figure 2016103414
〔上記以外の成分〕
上記以外の成分は、下記の通りである。
・マレイン酸変性PE:日本油脂社製、商品名「モディックM512」
・エポキシ変性PE:住友化学社製、商品名「ボンドファーストE」(E−GMA)
・マレイン酸変性PP:三菱化学社製、商品名「アドマーQB550」
・メタクリル変性PE:住友化学社製、商品名「アクリフトWH102」
・ホスファイト1:芳香族縮合リン酸エステル、大八化学社製、商品名「PX200」
・ホスファイト2:トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、大八化学社製、商品名「CR‐900」
・ホスファイト3:トリアリールリン酸エステル、味の素ファインテクノ社製、商品名「レオフィス65」
・メラミン化合物1:メラミンシアヌレート、堺化学社製、商品名「STABIACE MC‐5S」
・メラミン化合物2:メラミンシアヌレート、日産化学社製、商品名「MC3000」
・メラミン化合物3:ポリリン酸メラミン、三和ケミカル社製、商品名「MPP‐B」
・ケイ酸塩1:モンモリロナイト、クニミネ工業社製、商品名「クニピアF」
・ケイ酸塩2:マイカ、セイシン企業社製、商品名「CS‐05」
・臭素系難燃剤1:エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)、アルベマール社製、商品名「SAYTEX8010」
・臭素系難燃剤2:エチレンビステトラブロモフタルイミド、アルベマール社製、商品名「SAYTEXBT‐93」
・三酸化アンチモン:山中産業社製、商品名「三酸化アンチモンMSWグレード」
・酸化防止剤1:Basfジャパン社製、商品名「イルガノックス1010」
・酸化防止剤2:Basfジャパン社製、商品名「イルガノックス3114」
・水酸化マグネシウム:協和化学社製、商品名「キスマ5C」
・炭酸カルシウム:白石カルシウム社製、商品名「Vigot15」
・銅害防止剤:ADEKA社製、商品名「CDA−1」
・架橋触媒バッチ:三菱化学社製、商品名「リンクロンLZ015H」
「リンクロンLZ015H」は、バインダー樹脂としてポリエチレンを含み、架橋触媒として錫化合物を1%未満含有している。
〔難燃剤バッチ(b成分)の調製〕
シラングラフトPE、シラングラフトPP、架橋触媒バッチ以外の成分を、表3及び表4の実施例・比較例に示す質量比で各材料を2軸押出混練機に加え、200℃で0.1〜2分間加熱混練した後、ペレット化して、難燃剤バッチを調製した。
〔架橋触媒バッチ(c成分)の調製〕
予めペレットの状態で供給されている上記市販品を架橋触媒バッチとして用いた。
〔絶縁電線の作製〕
表3及び表4の実施例・比較例に示す配合質量比で,シラングラフトバッチ(a成分)、難燃剤バッチ(b成分)、架橋触媒バッチ(c成分)を押出機のホッパーで混合して押出機の温度を約140〜200℃に設定して、押出加工を行った。押出加工は外径2.4mmの導体上に、厚さ0.7mmの絶縁体として押出被覆して被覆材を形成した(被覆外径3.65mm)。その後、60℃95%湿度の高湿高温槽で24時間水架橋処理を施して絶縁電線を作製した。
得られた絶縁電線について、電線外観、ゲル分率、ISO長期耐熱、ISO耐摩耗性、ISO加熱変形、ISO耐薬品性、柔軟性、ISO難燃性、密度について試験を行い、評価した。評価結果を表3及び表4に合わせて示す。尚、各試験方法と評価基準については下記の通りである。
〔電線外観〕
電線外観の評価として、成形後の絶縁電線の表面を、針形の検出器を用いて平均粗さ(Ra)を測定してその数値を比較した。Ra=2未満を合格「○」とし、Ra=2以上を不合格「×」とした。表面粗さの測定は、Mitutoyo社製、商品名「サーフテストSJ301」を使用した。
〔ゲル分率〕
JASO−D608−92に準拠して、ゲル分率を測定した。すなわち、水架橋させた後の絶縁電線の被覆材を採取した試料を約0.1g秤量しこれを試験管に入れ、キシレン20mlを加えて、120℃の恒温油槽中で24時間加熱する。その後試料を取り出し、100℃の乾燥機内で6時間乾燥後、常温になるまで放冷してから、その重量を精秤し、試験前の質量に対する質量百分率をもってゲル分率とした。ゲル分率50%以上のものを合格「○」とし、ゲル分率50%未満のものを不合格「×」とした。
〔ISO長期耐熱試験〕
ISO6722に準拠し、絶縁電線に対して120℃×3000時間の老化試験を行った後、1kv×1minの耐電圧試験を行った。その結果、絶縁破壊せず耐電圧試験に耐えることができた場合を合格「○」とし、耐えることができなかった場合を不合格「×」とした
〔ISO耐摩耗性〕
ISO6722に準拠し、外径0.45mmの鉄線を水架橋させた後の絶縁電線に対して荷重7Nで押し当て、55回/分の速さで往復動させ、鉄線と導体である銅が導通するまでの回数を測定し、700回以上の場合を合格「○」とし、700回未満の場合を不合格「×」とした。
〔ISO加熱変形〕
ISO6722に準拠し、水架橋させた後の絶縁電線に0.7mmのブレードを荷重190gで押し当て、150℃恒温槽中に4時間放置した後、絶縁電線を1%食塩水中で1kv×1分間の耐電圧試験を行い、絶縁破断しなかった場合を合格「○」とし、絶縁破断した場合を不合格「×」とした。
〔ISO耐薬品性〕
ISO耐薬品性メソッド2に準ずる。水架橋させた後の絶縁電線を600mmの長さに切り出し、トルエンと2,2,4トリメチルペンタンの混合液(質量比で50:50)に20℃で20時間浸漬させた後、絶縁電線を取り出し、表面を軽くキムタオル(日本製紙クレシア社の紙ワイパーの商品名)で拭き、30分間放置した後、5分以内に外径を測定した。浸漬前後の外径から、下記式より外径変化率を求め、15%を超えない場合を合格「○」とし、15%超の場合を不合格「×」とした。
外径変化率(%)=(浸漬後の外径−浸漬前の外径)/浸漬前の外径×100
〔柔軟性〕
JISK7171を参考にし、shimadzu製オートグラフAG-01を用いて3点曲げ柔軟性の評価を行った。すなわち、水架橋させた後の絶縁電線を100mmの長さに切り取り、3本を横一列に並べ先端をポリ塩化ビニルテープで固定した状態で、支柱間50mmの治具上にセットし、支柱間の中心から1mm/分の速度で上方からサンプルを押し込み、最大荷重を測定した。荷重が5N以下の場合を合格「○」とし、荷重が5N超の場合を不合格「×」とした。また荷重が3N以下の場合を良好「◎」とした。
〔ISO難燃性〕
ISO6722に準拠し、70秒以内に消火する場合を合格「○」とし、70秒以内に消火しない場合を不合格「×」とした。
〔密度〕
JIS K7171に準拠し、ALFAMiRAGE社製、製品名「MD300S」を用い、エタノール溶媒を用いて電線被覆1gの密度を測定し、密度が1.2以下を合格「○」とし、1.05以下を良好「◎」とし、1.2超を不良「×」とした。
実施例1〜8は表3に示すように、本発明に規定された各成分を含有しているため、電線外観、ゲル分率、ISO長期耐熱、ISO耐摩耗性、ISO加熱変形、ISO耐薬品性、柔軟性、ISO難燃性、密度の評価がいずれも合格以上の絶縁電線が得られた。これに対し、比較例1〜6は、表4に示すように、本発明に規定された各成分を全て含有しているものではないから、全ての特性を満足する絶縁電線は得られなかった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
Figure 2016103414
Figure 2016103414

Claims (11)

  1. 下記(A)〜(D)を含むことを特徴とする電線被覆材組成物。
    (A)密度が0.860〜0.950g/cmであるポリオレフィンにシランカップリング剤がグラフトされたシラングラフトポリオレフィン。
    (B)密度が0.860〜0.950g/cmである未変性ポリオレフィン。
    (C)ホスファイト系化合物又は/及びメラミン系化合物。
    (D)架橋触媒をバインダー樹脂に分散させた架橋触媒バッチ。
  2. 更に下記(E)を含むことを特徴とする請求項1に記載の電線被覆材組成物。
    (E)ポリオレフィンが、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、オキサゾリン基から選択される1種又は2種以上の官能基により変性された変性ポリオレフィン。
  3. 更に下記(F)を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電線被覆材組成物。
    (F)ケイ酸塩。
  4. 更に下記(G)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電線被覆材組成物。
    (G)臭素系難燃剤、或いは臭素系難燃剤と三酸化アンチモン。
  5. 前記(A)が、シラングラフト前のポリオレフィンは、密度が0.860〜0.900g/cmであり、結晶化度が10〜50%であり、190℃×2.16kg荷重のメルトフローレイトが0.5〜10g/10分であり、ショアA硬度が55〜90であり、曲げ弾性率が20〜500MPaであり、シラングラフトポリオレフィンのゲル分率が80〜95%であり、
    前記(B)が、190℃×2.16kg荷重のメルトフローレイトが0.5〜10g/10分であり、曲げ弾性率が20〜500MPaであり、密度が0.885〜0.920g/cmであり、
    前記(C)のメラミン化合物が、メラミンシアヌレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電線被覆材組成物。
  6. 前記(A)が30〜90質量部、
    前記(B)、或いは(B)と(E)の合計が、10〜70質量部、
    前記(A)、(B)、(E)の合計100質量部に対し、
    前記(C)が、15〜50質量部、
    前記(D)が、ポリオレフィン100質量部に対しシラノール縮合触媒を1〜10質量部分散させたものが2〜20質量部、
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電線被覆材組成物。
  7. 前記(F)が1〜10質量部であることを特徴とする請求項6に記載の電線被覆材組成物。
  8. 前記(G)の臭素系難燃剤が20質量部以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載の電線被覆材組成物。
  9. 密度が1.05g/cm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電線被覆材組成物。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の電線被覆材組成物を水架橋させてなる電線被覆材を有することを特徴とする絶縁電線。
  11. 請求項10に記載の絶縁電線を有することを特徴とするワイヤーハーネス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019026692A (ja) * 2017-07-27 2019-02-21 矢崎総業株式会社 樹脂組成物、並びにこれを用いた被覆電線及びワイヤーハーネス
WO2021020020A1 (ja) * 2019-07-30 2021-02-04 株式会社Adeka 添加剤組成物
JP2022070962A (ja) * 2016-08-08 2022-05-13 バンドー化学株式会社 カバーゴム用ゴム組成物、及び、コンベヤベルト

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