JP6491938B2 - 換気装置 - Google Patents
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Description
特許文献3、4に示す換気装置は、火災発生の際に一時的に換気装置近傍の環境温度が低下するとバイアスバネの力で作動板は開き位置に戻ってしまう。そのため、新鮮な空気が室内に入り込み、高温で乾燥した室内で発火したり燃焼が激しくなる等の不都合が生じる。
特許文献5に示す換気装置は、ロック手段を装備しているため、防火ダンパは一旦閉じると開かないが、構成が複雑となる。
イ.上記本体に、上記通気口を開く開き位置と上記通気口を閉じる閉じ位置との間で、スライド可能に支持された作動板と、ウ.上記本体の室内側に配置されて上記作動板をスライド操作する操作部材と、を備えた換気装置において、
さらに形状記憶合金製のバネを備え、このバネの一端が上記本体に固定された固定端となり、他端が自由端となっており、通常の環境温度では、上記バネの弾性力が上記作動板に作用せず、上記作動板は上記操作部材により選択された位置を維持され、火災により環境温度が異常レベルまで上昇した時には、上記バネが高温での記憶形状に戻ろうとして上記自由端が変位し、この自由端が上記開き位置にある上記作動板に直接または間接的に作用し、上記バネの弾性力により上記作動板を、上記操作部材の操作による閉じ位置またはこの閉じ位置とは異なる閉じ位置まで移動させ、上記通気口を閉じることを特徴とする。
この構成によれば、バネ受け部の構成を簡略化することができる。
この構成によれば、バネの小型化と手動による開閉操作時の操作感を両立させることができる。
さらに形状記憶合金製のバネを備え、このバネの一端が上記本体に固定された固定端となり、他端が自由端となっており、通常の環境温度では、上記バネの弾性力が上記スライダに作用せず、上記作動板は上記操作部材により選択された位置を維持され、火災により環境温度が異常レベルまで上昇した時には、上記バネが高温での記憶形状に戻ろうとして上記自由端が変位し、この自由端が上記作動板の開き位置に対応した位置にある上記スライダに作用し、上記バネの弾性力により上記スライダを、上記作動板の閉じ位置に対応する位置までスライドさせることを特徴とする。
この構成によれば、火災発生時にバネの弾性力により作動板を正確に設定された閉じ位置に移動させることができる。また、換気装置に損傷が無い場合には、作動板を開き位置に戻す過程でバネを初期形状に戻し、自由端を初期位置に戻すことができるので、再利用が可能となる。
この構成によれば、火災時の自動閉じ機能のための構成をより一層簡略化することができる。
本実施形態の換気装置は、左右に細長く形成されサッシ戸の上框として用いられる。図1〜図3に示すように、換気装置は、本体10と、作動板20と、操作部材30とを基本構成要素として備えている。
上記作動板20は、主板部21が本体10の室外側壁部13に接し、下側の副板部23が水平壁部14に接した状態で、本体10に左右方向(長手方向)にスライド可能に支持されている。
作動板20が開き位置にある時、制御口21aが通気口13aと一致し、通気口13a(ひいては通気路10x)が開かれる。また、作動板20が閉じ位置にある時、制御口21aが通気口13aと不一致となり、通気口13a(ひいては通気路10x)が閉じられる。
上記室内側壁部12の右端部には、左右方向に延びてその右端に達する切欠12dが形成されている。この切欠12dの上下方向の寸法は、通気口12aとほぼ同程度である。上記枠部材40は、この切欠12dを塞ぐようにして室内側壁部12に取り付けられている。枠部材40の上下縁は、上記係合溝12b、12cに嵌められている。枠部材40には、左右に細長い操作口41が形成されている。
取付部材65は、本体10の右端部において水平壁部14の隆起部14aにねじ等で固定されており、本体10の一部を構成している。この取付部材65の固定状態において、バネ60の固定端61と自由端62は、本体10の長手方向に離れている。また、バネ60は、室外側壁部13とほぼ平行をなして起立している。
図5(A)に示すように、操作部材30を枠部材40の操作口41の右端41aに当たるまで右方向に移動させると、作動板20は開き位置に達し、作動板20の制御口21aと室外側壁部13の通気口13aとが一致し、通気路10xが開く。その結果、室内外の換気が行われる。
上記作動板20が開き位置にある時、図5(A)、図6(A)に示すように、バネ60の自由端62は取付部材65の切欠65bの右端に接するかその近傍に位置しており、作動板20のバネ受け部23xは、自由端62から若干離れているか、接していてもバネ60の力を受けない。
上記第1閉じ位置では、図5(B)、図6(B)に示すように、作動板20の切欠23aの左端すなわちバネ受け部23xがバネ60の自由端62からさらに離間する。
図7〜図11に示す第2実施形態では、作動板20’が本体10’に対してスライド可能かつ回動可能に支持されている。以下、詳述する。
図8、図9に示すように、作動板20’は、室外側から見て左端部において操作部材30’に連結されている。操作部材30’は係合凸部39を有し、この係合凸部39が作動板20’の係合穴29に上下方向の遊びを有して入り込むことにより、操作部材30’と作動板20’は、長手方向に相対移動不能、かつ作動板20’の回動を許容するように連結されている。
取付部材80の第1部分81を本体10’の水平壁14’の室外側部分にねじで固定することにより、バネ60が本体10’に設置される。
上述したように、操作部材30の手動操作により、作動板20を左右方向にスライドさせ、カム部材70のカム作用を利用して通気口12a’(通気路10x)を開閉する。
作動板20’が閉じ位置にある時には、図10(B)に示すように、スライダ90はバネ60の自由端62から離れる。
第1スライダ部95にはカム部材70が固定されている。第2スライダ部90”の構成は第2実施形態のスライダ90と同様であるので、詳細な説明を省略する。ただし、第2実施形態のような係合穴93aは形成されていない。
本実施形態でも、第2実施形態と同様の形状記憶合金製のバネ60と取付部材80が用いられる。カム部材70も第2実施形態と同様であるが、傾斜面71,72の向きが逆になっている。
これとは逆に操作部材30”を左方向に移動させると、スライダ100およびカム部材70が同方向にスライドする。この過程で、カム部材70の傾斜面72が突起26に当たり、突起26を傾斜面72に沿って案内することにより、図12(A)に示すように、作動板20’が壁部12’から離れて通気口12a’を開く。
他の作用は第2実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
上記実施形態の換気装置はサッシ戸の上框として機能するいわゆる框一体型であるが、框と別体をなし框に沿って設置される換気装置であってもよい。
さらに本発明は、内部空間を有さない換気装置にも適用することができる。
上記実施形態では、形状記憶合金製のバネは線状のU字形をなしていて、異常高温時に延びて作動板またはスライダを押すことにより閉じ動作を行ったが、異常高温時に縮んで(曲率半径が小さくなって)作動板またはスライダを引き寄せることにより、閉じ動作を行ってもよい。さらにバネ形状は、板バネ状であってもよいし、コイルスプリング形状であってもよい。
10a 内部空間
10x 通気路
12’ 壁部(主壁部)
12a’ 通気口
13 室外側壁部(主壁部)
13a 通気口
20,20’ 作動板
21a 制御口
21 主板部
23 副板部
23x 切欠の端(バネ受け部)
30,30’、30” 操作部材
60 形状記憶合金製のバネ
61 固定端
62 自由端
65 取付部材
65a 固定穴
65b 切欠
65x 切欠の端(バネ係止部)
70 カム部材
80 取付部材
83 スリット
83x スリットの端(バネ係止部)
90 スライダ
91x 側面(バネ受け部)
100 スライダ
Claims (10)
- ア.通気口が形成された主壁部を有する本体と、
イ.上記本体に、上記通気口を開く開き位置と上記通気口を閉じる閉じ位置との間で、スライド可能に支持された作動板と、
ウ.上記本体の室内側に配置されて上記作動板をスライド操作する操作部材と、
を備えた換気装置において、
さらにU字形をなす形状記憶合金製のバネを備え、このバネの一端が上記本体に固定された固定端となり、他端が自由端となっており、
通常の環境温度では、上記バネの弾性力が上記作動板に作用せず、上記作動板は上記操作部材により選択された位置を維持され、
火災により環境温度が異常レベルまで上昇した時には、上記バネが高温での記憶形状に戻ろうとして上記自由端が変位し、この自由端が上記開き位置にある上記作動板に直接または間接的に作用し、上記バネの弾性力により上記作動板を、上記操作部材の操作による閉じ位置またはこの閉じ位置とは異なる閉じ位置まで移動させ、上記通気口を閉じることを特徴とする換気装置。 - 上記本体および上記作動板が細長く形成され、上記作動板が上記長手方向にスライド可能であり、
上記本体の主壁部には、上記通気口が長手方向に等間隔をおいて多数形成され、
上記作動板には、多数の制御口が長手方向に上記通気口と同一ピッチで形成され、
上記作動板は、上記主壁部に接しながらスライドし、上記開き位置では上記制御口が上記通気口と一致して上記通気口を開き、上記閉じ位置では上記制御口が上記通気口と不一致となって上記通気口を閉じ、
上記作動板には、環境温度が異常レベルまで上昇した時に上記バネの自由端から上記バネの弾性力を受けるバネ受け部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の換気装置。 - 上記作動板は、上記本体の上記主壁部に接し上記制御口を形成してなる主板部と、この主板部と直交する副板部とを有し、この副板部に形成された切欠の端が上記バネ受け部として提供されることを特徴とする請求項2に記載の換気装置。
- 上記操作部材による上記作動板の上記閉じ位置を第1閉じ位置とし、上記バネによる上記作動板の閉じ位置を第2閉じ位置とし、上記作動板の上記開き位置から上記第1閉じ位置までの移動ストロークは、上記通気口の1ピッチより長く、上記作動板の上記開き位置から上記第2閉じ位置までの移動ストロークは、上記通気口の1ピッチより小さいことを特徴とする請求項2または3に記載の換気装置。
- 上記作動板の上記開き位置から上記第1閉じ位置までの移動ストロークが、上記通気口の1.5ピッチであり、上記作動板の上記開き位置から上記第2閉じ位置までの移動ストロークが、上記通気口の1.5ピッチであることを特徴とする請求項4に記載の換気装置。
- 上記本体および上記作動板が細長く形成され、
上記作動板は、上記本体に長手方向にスライド可能かつ回動可能に支持され、上記スライドの過程でカム部材により回動され、上記開き位置では上記主壁部に対して離間して上記通気口を開き、上記閉じ位置では上記壁に接近して上記通気口を閉じ、
さらに、上記本体に長手方向にスライド可能に支持されたスライダを備え、このスライダは、上記作動板に対して軸方向相対移動不能であるが上記作動板の回動を許容するように連結され、
上記スライダは、環境温度が異常レベルまで上昇した時に上記バネの自由端から上記バネの弾性力を受けるバネ受け部を有することを特徴とする請求項1に記載の換気装置。 - ア.通気口が形成された主壁部を有する本体と、
イ.上記本体に回動可能に支持された作動板と、
ウ.上記本体の室内側に配置された操作部材と、
エ.上記操作部材に連結され上記本体にスライド可能に支持されたスライダと、
オ.上記スライダに支持されたカム部材と、
を備え、上記操作部材の操作により上記スライダをスライドさせ、このスライド過程で上記カム部材のカム作用により上記作動板を回動し、上記通気口を開閉する換気装置において、
さらにU字形をなす形状記憶合金製のバネを備え、このバネの一端が上記本体に固定された固定端となり、他端が自由端となっており、
通常の環境温度では、上記バネの弾性力が上記スライダに作用せず、上記作動板は上記操作部材により選択された位置を維持され、
火災により環境温度が異常レベルまで上昇した時には、上記バネが高温での記憶形状に戻ろうとして上記自由端が変位し、この自由端が上記作動板の開き位置に対応した位置にある上記スライダに作用し、上記バネの弾性力により上記スライダを、上記作動板の閉じ位置に対応する位置までスライドさせることを特徴とする換気装置。 - 上記バネは、異常高温時に一直線になるように形状記憶処理されており、
上記本体はバネ係止部を有し、環境温度が異常レベルまで上昇して上記バネの自由端が変位した時に、この自由端を上記バネ係止部で係止することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の換気装置。 - 上記本体は、その主要部とは別体をなして当該主要部に固定される取付部材を有し、
上記取付部材は、上記バネの上記固定端が挿入される固定穴と、上記バネの自由端が挿入される切欠又はスリットを有し、
上記切欠またはスリットにおける上記固定穴から離れた端が、上記バネ係止部として提供されることを特徴とする請求項8に記載の換気装置。 - 上記主壁が垂直をなし、上記バネが上記主壁とほぼ平行をなして起立していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の換気装置。
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