JP4699241B2 - 換気装置 - Google Patents
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Description
形状記憶合金製のバネを用いることにより、温度環境に応じて換気口の開度を自動調節可能な自動式換気装置も開発されている。
また、換気口を操作つまみで手動開閉する際に自動換気用のバネ力に対抗しなくてはならかった。形状記憶合金製バネの場合、温度によってバネ力が増大することがあり、手動操作性がますます悪化していた。
さらに、手動開閉を頻繁に行なうと、形状記憶合金が繰り返し応力によって金属疲労を来たし、バネの寿命が短くなるという問題があった。
(a)換気口を有して上下に延びる装置本体と、
(b)前記装置本体に収容された作動板と、この作動板に連繋された操作つまみと、この操作つまみの手動操作に応じて前記作動板を前記換気口に接近・離間するように移動させるカムとを含み、前記作動板の移動により前記換気口を開閉する手動換気機構と、
(c)第1通気穴を有して上下に延び、前記装置本体における前記作動板より室外側の部分に設けられた第1通気板と、
(d)前記第1通気板に対し上下方向にスライド可能に設けられ、この上下スライドにより前記第1通気穴の開度を調節する第2通気板と、
(e)前記第2通気板を上方向又は下方向に付勢する形状記憶合金製の第1バネと、
(f)前記第2通気板を前記第1バネとは反対方向に付勢する第2バネと、
を備えたことを特許請求しない特徴とする。本発明は、室内と室外を換気する換気装置であって、
(a)換気口を有して上下に延びる装置本体と、
(b)前記装置本体に収容された作動板と、この作動板に連繋された操作つまみと、この操作つまみの手動操作に応じて前記作動板を前記換気口に接近・離間するように移動させるカムとを含み、前記作動板の移動により前記換気口を開閉する手動換気機構と、
(c)第1通気穴を有して上下に延び、前記装置本体における前記作動板より室外側の部分に設けられた第1通気板と、
(d)上下に延びるとともに前記第1通気板に対し上下方向にスライド可能に設けられ、この上下スライドにより前記第1通気穴の開度を調節する第2通気板と、
(e)前記第2通気板を上方向又は下方向に付勢する形状記憶合金製の第1バネと、
(f)前記第2通気板を前記第1バネとは反対方向に付勢する第2バネと、
を備え、前記第1通気板の上側部と下側部にそれぞれ常開の穴部が形成されていることを特許請求する特徴とする。
第2通気板は上下方向にスライドするので摩擦抵抗を小さくでき、温度環境に応じた自動換気量調節の精度を向上させることができる。また、手動換気機構と第1、第2バネを機構的に分離できるので、手動換気機構の操作つまみの操作時に第1バネ又は第2バネに抗する必要がなく、手動操作性を確保できるとともに、バネの金属疲労を回避して長寿命化を図ることができる。
前記手動換気機構の操作つまみは、前記装置本体の室内側の壁に設けられるのが好ましく、前記カムは、前記装置本体の内部において前記作動板と装置本体との間に介在されているのが好ましい。
前記第1通気板には、上下に延びるスライドガイド部が設けられ、前記第2通気板には、前記スライドガイド部に上下スライド可能に嵌合するスライド嵌合部が設けられていることが望ましい。
スライドガイド部及びスライド嵌合部が上下に延びているので、これらの間に塵埃が積もるのを抑制でき、第2通気板を長期間にわたってスムーズにスライドさせることができる。
好ましくは、前記スライドガイド部を第1通気板の幅方向の両縁に一対設け、前記スライド嵌合部を第2通気板の幅方向の両縁に一対設ける。
さらに、前記第1バネと第2バネが、それぞれ固定端と可動端を有し、各バネの固定端が前記第1通気板に係止されるとともに可動端が前記第2通気板に係止されていることが望ましい。
これによって、第1、第2通気板と第1、第2バネをユニットにすることができ、換気装置に一体的に取り付けたり取り外したりすることができる。
好ましくは、前記第1通気板が前記装置本体に対し着脱可能になっている。
これによって、換気装置をスリムにすることができる。
好ましくは、前記第1、第2バネが、前記第2通気板の中心線上に配置されている。これにより、第2通気板を上下にまっすぐ吊り下げた状態で上下にまっすぐスライドさせることができる。ひいては、上下スライド時の摩擦抵抗を一層低減することができる。
これによって、第1通気穴が閉じている時でも、室内の換気を確保することができる。室内と室外には通常温度差があるので、相対的に暖かいほうの空気が上側の常開穴部を通り、冷たいほうの空気が下側の常開穴部を通ることにより、換気を確実に行なうことができる。これにより、建物から出るホルムアルデヒド等の揮発性化学物質や暖房機器からの一酸化炭素などが室内に滞留するのを防止することができる。
前記上下の常開穴部に前記第1、第2バネを収容することにしてもよい。
図1及び2において、1は、建物の壁Wに設けられたサッシ方立であり、2は、サッシ障子である。サッシ方立1は、アルミ型材からなる方立本体3と、室内(屋内)に面する内カバー4と、室外(屋外)に面する外カバー5とを有し、上下方向(図11の紙面と直交する方向)に延びている。内カバー4には上下に延びる開口4aが形成されている。外カバー5には室外とサッシ方立1の内部とを連通する通気孔5aが形成されている。
装置本体11は、1つ又は複数のアルミ型材にて構成され、屋外側に開放された大略コ字状の断面をなして上下方向に延びている。装置本体11の室内側の壁部12は、サッシ方立1の内カバー4の開口4aを通して室内に露出されている。図3に示すように、装置本体11の室内側の壁部12には換気口12aが上下に並んで複数形成されている。この換気口12aを通して、室内と装置本体11の内部が連通されるようになっている。
図4及び図5に示すように、装置本体10の内部には、作動板21が収容されている。作動板21は、上下方向に延びている。作動板21の幅方向の両縁(図4において紙面手前と紙面奥側)には一対のカム係合部21a,21aが凸設されている。カム係合部21a,21aは、作動板21の長手方向(上下)に離れて複数対設けられている(図2参照)。
図7(a)に示すように、位置決め凸部32eが位置決め孔31eの上端の縁に突き当たるとき、第2通気板32が上下スライド範囲の上限位置に位置される。このとき、第1通気板31の通気穴31aと第2通気板32の通気穴32aが完全に一致し、通気穴31aの開口度が最大(全開)になるようになっている。
例えば夏季のように気温が高くなると、形状記憶合金製の第1バネ33が、自然長が小さくなる方向に形状変化してバネ力が増大する。したがって、第1バネ33が縮み、第2バネ34が伸びる。これによって、第2通気板32が上方にスライドして、第1通気板31の通気穴31aと第2通気板32の通気穴32aの重なり(開度)が大きくなる。そして、図7(a)に示すように、位置決め凸部32eが位置決め孔31eの上端の縁に突き当たって第2通気板32が上限位置に達したとき、第1通気穴31aが第2通気穴32aと完全に一致し全開状態になる。この結果、室内を十分に換気することができる。
しかも、第1通気板31には常開の穴部31c,31dが上下に一対設けられているので、室内の暖かい空気は、上側の穴部31cを通して屋外へ流出し、屋外の冷たい空気は、下側の穴部31dを通して室内に流入することができる。この結果、建物から出るホルムアルデヒド等の揮発性化学物質や暖房機器からの一酸化炭素などが室内に滞留するのを確実に防止することができる。
スライドガイド部31bは上下に延びているので、塵埃がスライドガイド部31bの溝内に積もりにくい。したがって、スムーズなスライド状態を長期間にわたって維持することができる。
一方、自動換気機構30のバネ33,34は、手動換気機構20の開閉操作によって伸び縮みすることがないので、手動換気調節を頻繁に行なっても、バネ33,34が金属疲労を来たすことがない。これによって、バネ33,34の長寿命化を図ることができる。
第1、第2バネ33,34を、第2通気板32を挟んで第1通気板31の上下端部に配置し、これら通気板31,32及びバネ33,34を一直線上(中心線上)に配置することにより、自動換気機構30のスリム化が可能となる。
自動換気機構30が、全開状態と全閉状態の間で開閉されるようにしてもよい。
換気装置本体11にスライドガイド部を設け、このスライドガイド部に第2通気板32を上下スライド可能に係合させてもよい。
上記実施形態では、第1通気板31のスライドガイド部31bが凹状になり、これに第2通気板32の凸状のスライド嵌合部32bが嵌合されていたが、第2通気板32のスライド嵌合部を凹状にし、第1通気板31のスライドガイド部を凸状にして上記凹状のスライド嵌合部に嵌め込まれるようにしてもよい。
形状記憶合金製の第1バネ31を下側に設け、第2バネ32を上側に設けてもよい。
第1バネ31又は第2バネ32を、引っ張りバネに代えて圧縮バネにて構成してもよい。
手動換気機構20の作動板21は、平行移動だけでなく回転をも伴いながら換気口12aに接近・離間し、換気口12aを開閉するようになっていてもよい。
1 サッシ方立
2 サッシ障子
3 方立本体
3a 室内側部分
3b 室外側部分
4 内カバー
4a 開口
5 外カバー
5a 通気孔
6 中仕切り
6a 連通路
10 換気装置
11 装置本体
12 室内側の壁部
12a 換気口
20 手動換気機構
21 作動板
21a カム係合部
22 操作つまみ
23 ホルダ(カム)
23a カム溝
23b 戻しバネ
30 自動換気機構
31 第1通気板
31a 第1通気穴
31b スライドガイド部
31c 上側の穴部
31d 下側の穴部
31f 凸縁
31e 位置決め孔
31g 第1バネ固定端係止部
31h 第2バネ固定端係止部
32 第2通気板
32a 第2通気穴
32b スライド嵌合部
32e 位置決め凸部
32g 第1バネ可動端係止部
32h 第2バネ可動端係止部
33 第1バネ(形状記憶合金バネ)
34 第2バネ(バイアスバネ)
Claims (5)
- 室内と室外を換気する換気装置であって、
(a)換気口を有して上下に延びる装置本体と、
(b)前記装置本体に収容された作動板と、この作動板に連繋された操作つまみと、この操作つまみの手動操作に応じて前記作動板を前記換気口に接近・離間するように移動させるカムとを含み、前記作動板の移動により前記換気口を開閉する手動換気機構と、
(c)第1通気穴を有して上下に延び、前記装置本体における前記作動板より室外側の部分に設けられた第1通気板と、
(d)上下に延びるとともに前記第1通気板に対し上下方向にスライド可能に設けられ、この上下スライドにより前記第1通気穴の開度を調節する第2通気板と、
(e)前記第2通気板を上方向又は下方向に付勢する形状記憶合金製の第1バネと、
(f)前記第2通気板を前記第1バネとは反対方向に付勢する第2バネと、
を備え、前記第1通気板の上側部と下側部にそれぞれ常開の穴部が形成されていることを特徴とする換気装置。 - 前記第1通気板には、上下に延びるスライドガイド部が設けられ、前記第2通気板には、前記スライドガイド部に上下スライド可能に嵌合するスライド嵌合部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の換気装置。
- 前記第1バネと第2バネが、それぞれ固定端と可動端を有し、各バネの固定端が前記第1通気板に係止されるとともに可動端が前記第2通気板に係止されていることを特徴とする請求項2に記載の換気装置。
- 前記第1通気板の上端部に前記第1、第2バネの一方が配置され、前記第1通気板の下端部に前記第1、第2バネの他方が配置され、これら第1、第2バネの間に前記第2通気板が第1、第2バネと一直線をなすように配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の換気装置。
- 前記第1、第2バネが、前記第2通気板の中心線上に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の換気装置。
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