JP4035454B2 - 換気装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境温度に応じて自動的に換気調節が可能な換気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
サッシ戸等の上部または下部に設置された細長い換気装置は公知である。この換気装置を用いれば、サッシ戸を閉めたままで換気を行うことができる。一般的な換気装置は、主壁に換気口を形成してなる細長い本体と、この主壁に接近したり離れたりして換気口を開閉する細長い作動板と、この作動板を開閉操作する操作つまみとを備えている。
【0003】
ところで、高気密,高断熱の住宅ではホルムアルデヒドを含む揮発性化学物質によるシックハウス症が問題となっている。気温が高い時には、この揮発性化学物質の濃度が高くなるので換気量を多くすることが求められる。しかし、気温が低い時には揮発性化学物質の濃度が高くならないので暖房効率を高めるために換気量を少なくすることが求められる。このような木目細かい換気を、操作つまみを操作することにより行おうとすると、使用者が頻繁に手動操作しなければならず、面倒であった。
【0004】
そこで、特許文献1には、環境温度に応じて換気調節を自動的に行うことのできる換気装置が記載されている。この換気装置の本体には、カム部材が固定され、作動板には、カム部材と協働するカムフォロア部が設けられている。作動板は、形状記憶合金製のコイルスプリングによって本体の長手方向に沿って一方向に付勢され、バイアスコイルスプリングによって反対方向に付勢されている。
【0005】
特許文献1の換気装置では、温度が上がると、形状記憶合金製のコイルスプリングの弾性力が強まって作動板を一方向へ移動させる。この移動の過程で、上記カムフォロア部とカム部材とのカム作用により、作動板を主壁から遠ざけて換気量を増大させるようになっている。逆に、温度が下がると、形状記憶合金製のコイルスプリングの弾性力が弱まって、バイアススプリングの力で作動板を反対方向へ移動させ、カム作用により作動板を主壁に近づけて換気量を減少させるようになっている。
さらに、特許文献1の換気装置では、本体に操作つまみをスライド可能に設け、この操作つまみによって作動板を強制的に全開位置、全閉位置に移動させるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
実用新案登録2506435号公報(第1頁、第5図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上掲特許文献1の換気装置では、作動板を本体の長手方向に沿って移動させることによって換気量の自動制御を行なっている。この自動制御時の作動板の長手移動は、2つのスプリングの弾性力の差によって惹き起こされるようになっている。そのため、これらスプリングの負担が大きくなり、スプリングの大型化、ひいては装置の大型化を招くとともに、スプリングの寿命、特に形状記憶合金製のスプリングの寿命の低下を招くという問題があった。
また、図12に示すように、形状記憶合金製のスプリングは、ヒステリシス特性を有している。すなわち、該形状記憶合金製スプリングの弾性力は、温度が上がると増大し、温度が下がると減少するようになっているが、温度上昇時の弾性力増大曲線Lと、温度低下時の弾性力減少曲線Lとは一致しない。そのため、同じ温度でも過去の履歴によって開き具合が異なるという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の換気装置は、
(イ)主壁に換気口を形成してなる細長い本体と、
(ロ)細長く形成され、一方の縁部に上記本体に回動可能かつスライド可能に支持される回動軸部を有し、他方の縁部に第1、第2のカムフォロア部を有し、回動に伴い上記主壁に近づいたり離れたりして上記換気口を開閉する作動板と、
(ハ)自動制御位置と強制閉じ位置との間で上記本体の長手方向にスライド可能にして本体に支持され、上記作動板の回動を許容するようにして作動板に連結され、スライド操作に伴い作動板を本体の長手方向にスライドさせる操作部材と、
(ニ)上記本体に固定され、上記操作部材が自動制御位置にあるときに、第2カムフォロア部と連携せずに作動板の回動を許容し、操作部材が自動制御位置から強制閉じ位置に向かうように操作されて作動板がスライドするときに、第2カムフォロア部と協働して作動板を回動させることにより、換気口を強制的に閉じさせる固定カム部材と、
(ホ)開側カム部と閉側カム部と中間カム部とを有して、上記本体の長手方向に移動可能なようにして本体に支持され、上記開側カム部は、移動に伴い上記第1カムフォロア部と協働して作動板を回動させ、ひいては所定の半開き状態より開いている時の換気口を開閉し、上記閉側カム部は、移動に伴い上記第1カムフォロア部と協働して作動板を回動させ、ひいては上記所定半開き状態より閉じている時の換気口を開閉し、上記中間カム部は、移動に伴い第1カムフォロア部と連携しつつも作動板を回転させないようにし、ひいては上記所定半開き状態の換気口をその開度に維持する移動カム部材と、
(ヘ)上記移動カム部材を上記本体の長手方向に沿う第1方向に付勢する形状記憶合金製のスプリングと、
(ト)上記移動カム部材を上記第1方向とは逆の第2方向に付勢するバイアススプリングと、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記特徴構成によれば、形状記憶合金製のスプリングとバイアススプリングの釣り合いにより、温度環境に応じて自動換気を行うことができる。しかも、作動板は、この自動制御において回動はするが本体長手方向に沿う移動はしない。これによって、スプリングの負担が軽くなり、装置の小型化、スプリングの長寿命化を図ることができる。さらに、形状記憶合金製スプリングのヒステリシスが効いてくる中間の温度帯では、温度が多少違っても換気口を所定の半開き状態にすることができ、これにより、ヒステリシスによる開き具合のばらつきを抑えることができる。
【0010】
上記移動カム部材において、上記中間カム部が、本体の長手方向に沿って延び、この中間カム部の一端から上記開側カム部が本体の長手方向に対して傾斜して延び、他端から上記閉側カム部が本体の長手方向に対して傾斜して延びていることが望ましい。これによって、簡単なカム構成にすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態をなす換気装置を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の換気装置1は、上框一体型と称されるものであり、サッシ戸Aの上框として機能する。図2、図3、図5に示すように、換気装置1は、左右水平方向に細長く延びる本体10と、同方向に細長く延びる作動板20と、操作つまみ30(操作部材)と、自動制御ユニット40と、固定カム50とを主要構成要素として備えている。
【0012】
図5に示すように、上記本体10は、3つの長尺アルミ型材11〜13を含んでいる。室内側の型材11は、室内に面する垂直の上部壁11aと、この上部壁11aと面一をなして垂下する下部壁11bとを有している。中間の型材12は、室内寄りに位置してほぼ垂直をなす上部壁12aと、ほぼ水平をなす中間壁12cと、室外に面する下部壁12bとを有している。型材11,12の上部壁11a,12aは、上下一対の樹脂製の断熱用型材14を介して連結されている。型材11,12の下部壁11b,12bにより形成される凹部15には、ガラス板(図示しない)が嵌るようになっている。
【0013】
中間の型材12には室外側の型材13が嵌り込むようになっている。型材13の上部は、ほぼU字形をなしており、中間の型材12の上端部と協働して窓枠の上レールBを収容するためのガイド溝16を構成している。図1に示すように、型材11〜13の両端にはキャップ17が嵌め込まれている。上記本体10の型材11〜13とキャップ17によって内部空間が構成されている。
【0014】
図1に示すように、型材12の上部壁12a(主壁)には、多数の換気口12xが長手方向に並んで形成されている。型材11の上部壁11aにも、上記換気口12xに連なる多数の化粧口11xが長手方向に並んで形成されている。型材13にも、換気口12xに連なる多数の通気口13x(図5)が形成されている。
【0015】
図5に示すように、上記作動板20は、本体10の内部空間に収容されている。作動板20の上縁部(一方の縁部)は、断面円形の回動軸部21となっている。この回動軸部21が、中間の型材12の上端部に形成された支持溝12yに収容されている。これにより、作動板20が、本体10に回動可能かつ左右スライド可能に支持されている。作動板20は、回動に伴い、型材12の上部壁12aに近づいたり離れたりし、その傾斜量に応じて換気量(換気口12xの開度)を調節するようになっている。
【0016】
図10に最も良く示されているように、作動板20の一端(室外側から見て右端)の近傍には、係合切欠22が形成されている。また、作動板20の下縁部(他方の縁部)には、2つの浅い切欠23,24が形成されている。切欠23の中間部には、突起23aが形成されている。この突起23aは、「第1カムフォロア部」として提供される。また、切欠24の端縁24a,24bのうち一方の端縁は、「第2カムフォロア部」として提供される。
【0017】
図3、図5に示すように、室内側の型材11の上部壁11aの端部には、窓11yが形成されている。この窓11yに長方形の樹脂製の枠部材18が嵌められている。この枠部材18に、上記操作つまみ30が左右スライド可能に支持されている。詳述すると、操作つまみ30は、樹脂製の第1、第2部材31,32からなり、第1部材31は、左右細長状をなし、室内側に突出する中央の凸部31aと室外側に突出する複数の係合片部31bと、左右の翼部31c,31dとを有している。第2部材32は中空の箱形状をなし、この第2部材32に上記第1部材31の係合片部31bが嵌り込んでおり、これら部材31,32が一体に左右スライドするようになっている。第2部材32は、中間の型材12の端部に形成された切欠12zに嵌り込んでいる。第2部材32には、第1部材31を室内側に付勢する圧縮コイルスプリング(図示せず)が収容されている。
【0018】
図3(A)〜(C)に示すように、室外側から見て右側の翼部31dが枠部材18の裏側に位置し、左側の翼部31cの端縁が枠部材18の内周に係止されることにより、自動制御位置を維持されるようになっている。また、図4に示すように、翼部31cが枠部材18の裏側に位置し、翼部31dの端縁が枠部材18の内周に係止されることにより、強制閉じ位置を維持されるようになっている。なお、両位置間の操作つまみ30の移動に際しては、凸部31aを押し込んで枠部材18との係止を外してから移動させる。翼部31cには、自動制御位置を意味する「オート」の表示がなされ、翼部31dには、強制閉じ位置を意味する「トジ」の表示がなされている。
【0019】
操作つまみ30の第2部材32が上記作動板20の係合切欠22に入り込むことにより、操作つまみ30と作動板20とが連結されており、操作つまみ30に追随して作動板20が左右へスライドするようになっている。なお、この連結は、作動板20の回動を許容している。
【0020】
次に、固定カム部材50について説明する。図2、図4に示すように、固定カム部材50は、上記操作つまみ30から本体10の長手方向に離れて本体10に固定されている。固定カム部材50の上面には、突起51が形成されている。突起51は、本体10の長手方向に対して傾斜するカム面51aと、このカム面51aの室内側の一端に連なり本体10の長手方向に延びる短い保持面51bとを有している。この固定カム部材50は、作動板20の切欠24に対して後述する所定の位置関係を有している。
【0021】
次に、上記自動制御ユニット40について説明する。図2、図3、図5に示すように、本体10の内部空間には、自動制御ユニット40が収容されている。図8、図9に示すように、自動制御ユニット40は、左右に延びる細長いスライダ41と、引張コイルスプリングからなる形状記憶合金製のスプリング45(以下、形状記憶スプリングと称す)と、引張コイルスプリングからなるバイアススプリング46と、移動カム部材47とを備えている。
【0022】
スライダ41は、板金製の第1部材42と第2部材43とを有している。第1部材42は断面L字形をなして細長く形成され、その両端が折り曲げられて引掛片42a,42bとなっている。第1部材42の垂直壁の中央には、窓42cが形成されている。第2部材43は、第1部材42の端部の室内側の面に固定された垂直をなす固定片43aと、この固定片43aの上下縁から水平に室内に向かって延びる水平片43b,43cと、上側の水平片43bの室内側の縁から垂直に起立する左右一対の係止片43dとを有している。
【0023】
図11に示すように、上記移動カム部材47は、左右に長いブロック形状をなし、上記固定カム部材50から本体10の長手方向に離れて配置されている。図9(B)および図11に示すように、移動カム部材47の上面には、カム溝(カム部)47aが刻設されている。カム溝47aは、室外側と室内側に分かれた一対のカム溝部47b,47cと、これらカム溝部47b,47cの中間に配された中間カム溝部47d(中間カム部)とを有している。室外側のカム溝部47b(開側カム部)は、上から見て左右方向に対して傾斜している。室内側のカム溝部47c(閉側カム部)も、カム溝部47bと同じ勾配で傾斜している。これら傾斜カム溝部47b,47cの対向端部どうしは、互いに左右にずれて位置するとともに、中間カム溝部47dによって繋がれている。中間カム溝部47dは、傾斜カム溝部47b,47cより幅細をなし、左右方向にまっすぐ延びている。
【0024】
図3および図11に示すように、移動カム部材47の上側部は、作動板20の切欠23内に入れられ、カム溝47aに突起23aが入り込んでいる。図9に示すように、移動カム部材47の室外側部は、スライダ41の第1部材42の窓42cに入り込んでいる。この移動カム部材47の室外側の面には、2つの引掛ピン48,49が取り付けられている。
【0025】
2つのスプリング45,46は、移動カム部材47を挟んで左右に分かれるとともに、左右水平方向に沿う一直線上に配されている。
バイアススプリング46の一端は、スライダ41の他方の引掛片42bに掛けられ、他端は、移動カム部材47のピン49に掛けられている。
形状記憶スプリング45の一端は、スライダ41の一方の引掛片42aに掛けられ、他端は、移動カム部材47のピン48に掛けられている。
【0026】
図12に示すように、形状記憶スプリング45は、温度が上昇するにしたがって、自然長が縮まって引張り弾性力が強まり、温度が低下するにしたがって、自然長が伸びて引張り弾性力が弱まるようになっている。したがって、移動カム部材47は、温度環境に応じて両スプリング45,46の弾性力が均衡する位置になるように制御される。ただし、図12の曲線L,Lに示すように、形状記憶スプリング45の上記弾性力変化は、ヒステリシス特性を有している。したがって、温度環境が高温と低温の中間の領域では、温度に対する移動カム部材47の位置が一定しない。
【0027】
図2および図3に示すように、自動制御ユニット40の本体10への収容状態において、スライダ41の一対の係止片43d間には、操作つまみ30の第2部材32が嵌っている。これにより、自動制御ユニット40が、操作つまみ30に追随して作動板20と一緒に左右スライドするようになっている。図5に示すように、スライダ41の第1部材42の下端縁および第2部材43の水平片43cが、中間の型材12の段や突起に接している。これにより、スライダ41が、本体10に対して安定して左右スライド可能に支持されている。また、移動カム部材47の室内側に形成された複数の段が、中間の型材12の段や突起に接している。これにより、移動カム部材47が、本体10に対して安定して左右スライド可能に支持されている。
【0028】
上記のように構成された換気装置1の動作を説明する。
換気装置1において自動換気制御動作を行なうには、操作つまみ30を自動制御位置にロックする(図3(A)〜(C))。操作者は、操作つまみ30の翼部31cの「オート」表示によって自動制御状態にあることを確認することができる。自動制御状態では、作動板20は、操作つまみ30の自動制御位置に対応する本体10長手方向位置において左右スライド不能となる。このとき、作動板20の切欠24が、固定カム部材50の突起51と対応する位置に来るようになっている。これにより、作動板20は、固定カム部材50の干渉を受けずに回動することができる。また、自動制御ユニット40のスライダ41が、操作つまみ30の自動制御位置に対応する位置に維持される。
【0029】
上述したように、移動カム部材47の本体10長手方向の位置は、形状記憶スプリング45とバイアススプリング46の弾性力の釣り合いにより決定される。この移動カム部材47のカム溝47aと作動板20の突起23aとのカム作用によって、作動板20の回動角度、ひいては換気口12xの開度が決定される。
【0030】
すなわち、夏季などの高温環境下では、形状記憶スプリング45の弾性力が強い。そのため、移動カム部材47が室外側から見て右側に片寄って位置する。このとき、図3(A)および図5に示すように、作動板20の突起23aは、室外側の傾斜カム溝部47bに係合し、作動板20が型材12の上部壁12aから大きく離れるように傾いた状態になる。これによって、換気口12xが略全開の状態になる。この結果、室内を十分に換気でき、揮発性化学物質の濃度が高くならないようにすることができる。
【0031】
逆に、冬季などの低温環境下では、形状記憶スプリング45の弾性力が弱い。そのため、移動カム部材47が室外側から見て左側に片寄って位置する。このとき、図3(C)および図7に示すように、作動板20の突起23aは、室内側の傾斜カム溝部47cに係合し、作動板20が型材12の上部壁12aに接近した状態になる。これによって、換気口12xが略全閉の状態になる。この結果、室内の保温を図ることができる。
【0032】
次に、環境温度が、換気口12xの略全閉に対応する低温から上昇していく場合と、略全開に対応する高温から低下していく場合とについて考察する。
まず、低温環境から昇温する場合は、形状記憶スプリング45の弾性力が弱い状態から図12の曲線Lに沿って次第に強まっていく。これにより、室外側から見て移動可能範囲の左側に片寄っていた移動カム部材47(図3(C))が、右側へスライドしていく。これに伴い、傾斜カム溝部47cと係合する作動板20の突起23aが、カム作用によって傾斜カム溝部47cに沿って室外側へスライドし、作動板20が上部壁12aから離れる方向へ回動する。これにより、換気口12xの開度が大きくなっていく。そして、温度環境が、形状記憶スプリング45のヒステリシスが顕著になる中間の温度領域に入るあたりで、突起23aが、傾斜カム溝部47cから中間カム溝部47d内へ移る。このとき、図6に示すように、作動板20は、所定の中間傾き角度になり、換気口12xは、所定の半開き状態になる。その後、温度上昇により形状記憶スプリング45の弾性力が更に強まり、移動カム部材47が更に右スライドしても、突起23aが中間カム溝部47d内にある限り、作動板20は回動せず、換気口12xは上記所定の半開き状態を維持する(図3(B)および図6)。温度が、更に上昇して形状記憶スプリング45のヒステリシスが収束する高温域になると、移動カム部材47が移動可能範囲の右側に片寄る位置まで来ることになり、突起23aが、中間カム溝部47dから傾斜カム溝部47b内へ移る。それ以降は、突起23aと傾斜カム溝部47bとのカム作用によって、作動板20が上記所定中間傾き角度より大きく傾くように回動し、換気口12xが上記所定半開き状態より大きく開いていく(図3(A)および図5)。
【0033】
次に、高温環境から降温する場合は、形状記憶スプリング45の弾性力が強状態から図12の曲線Lに沿って次第に弱まっていく。これにより、室外側から見て移動可能範囲の右側に片寄っていた移動カム部材47(図3(A))が、左側へスライドしていく。これに伴い、傾斜カム溝部47bと係合する突起23aが、カム作用によって傾斜カム溝部47bに沿って室内側へスライドし、作動板20が上部壁12aに近づく方向へ回動し、換気口12xの開度が小さくなっていく。そして、温度環境が、形状記憶スプリング45のヒステリシスが顕著になる中間の温度領域に入るあたりで、突起23aが傾斜カム溝部47bから中間カム溝部47d内へ移り、作動板20が上記所定中間傾き角度になり、換気口12xが上記所定半開き状態になる(図6)。その後、温度低下により形状記憶スプリング45の弾性力が更に弱まり、移動カム部材47が更に左スライドしても、突起23aが中間カム溝部47d内にある限り、作動板20は回動せず、換気口12xは上記所定の半開き状態を維持する(図3(B)および図6)。温度が、更に低下して形状記憶スプリング45のヒステリシスが収束する低温域になると、移動カム部材47が移動可能範囲の左側に片寄る位置まで来ることになり、突起23aが、中間カム溝部47dから傾斜カム溝部47c内へ移る。それ以降は、突起23aと傾斜カム溝部47cとのカム作用によって、作動板20が上記所定中間傾き角度より上部壁12aに近づくように回動し、換気口12xが上記所定半開き状態より閉まっていく(図3(C)および図7)。
【0034】
以上のように、換気口12xの開度の自動制御時において、温度環境が高温と低温の中間の領域のときは、突起23aを中間カム溝部47dに沿って導くことにより、作動板20を所定の中間傾き角度に留めて回動しないようにすることができる。これによって、形状記憶スプリング45のヒステリシスのために移動カム部材47の位置が温度に対して一定していなくても、換気口12xを常に所定の半開き状態に維持することができる。
また、この自動制御時においては、作動板20の左右スライドを伴わない。これによって、スプリング45,46の負担が軽くて済み、スプリング45,46の小型化を図ることができる。
【0035】
暴風雨の際には、温度環境とは無関係に換気口12xを全閉状態にすることが要求される。この場合、図2(B)および図4に示すように、操作つまみ30を室外側から見て左方向に移動させ、強制閉じ位置にする。すると、操作つまみ40に追随して作動板20が同方向に移動する。上記自動制御で換気口12xが半開きないしは全開であった場合には、この強制閉じ操作の過程で、作動板20の端縁24aが固定カム部材50の突起51のカム面51aに当たり、両者のカム作用により、作動板20が型材12の上部壁12aに向かって回動し、換気口12xが、図7の全閉状態になる。操作つまみ30が強制閉じ位置に達すると、作動板20の端縁24aが固定カム部材50のカム面51aを越えて保持面51bに至る。これにより、強風でも安定して閉じ状態を維持できる。
【0036】
上記のように換気口12xが強制的に閉じられる際に、作動板20の突起23aと移動カム部材47のカム溝47aとのカム作用により、移動カム部材47は強制的に左スライドされ、この移動量に対応して形状記憶スプリング45がバイアススプリング46との均衡状態から伸ばされる。しかし、上記強制閉じ操作に伴い、操作つまみ40に追随して自動制御ユニット40全体が移動するので、形状記憶スプリング45の伸び量は抑制される。このため、形状記憶スプリング45の長寿命化を図ることができる。
【0037】
上記自動制御から強制閉じへと操作つまみを操作する際、自動制御で既に全閉状態になっていた場合には、作動板20の端縁24aは固定カム部材50のカム面51aに接することなく保持面51bに至り、移動カム部材47のスライダ41に対する相対移動は生じず、スプリング45,47は均衡状態のまま維持される。
なお、上記強制閉じ状態は、操作つまみ30の露出された翼部31dの「トジ」表示により、確認できる。
【0038】
本発明は上記実施形態に制約されず種々の態様が可能である。
例えば、上述した実施形態では自動制御ユニット、固定カム部材がそれぞれ1つずつであったが、サッシ戸の幅が広い場合(換気装置が長い場合)には、これらを複数設置してもよい。
形状記憶スプリング、バイアススプリングとして、引張コイルスプリングを用いたが、圧縮コイルスプリングを用いてもよい。この場合、形状記憶スプリングとバイアススプリングの配置を上記実施形態とは左右逆にする。
形状記憶スプリングは、室外側の空気の温度の影響を受けるが、室内側の空気温度の影響を受けるようにしてもよい。
自動制御ユニットのスライダを省き、形状記憶スプリングおよびバイアススプリングの一端を本体に固定してもよい。この場合、強制閉じ操作の際の形状記憶合金の伸び量は上記実施形態より大となる。
【0039】
自動制御と強制閉じに加えて、強制開きも可能にしてもよい。すなわち、操作つまみを、自動制御位置を挟んで強制閉じ位置とは逆側へも移動できるようにして、そこを強制開き位置とし、この強制開き位置への移動に伴って作動板を本体の主壁に近づくように回動させる全開用固定カム部材を本体に固定して設けてもよい。全開用固定カム部材は、上記実施形態の全閉用固定カム部材と一体になっていてもよい。
強制閉じ、強制開きを行う操作つまみを省略してもよい。この場合、作動板は、自動制御による回動のみ行われ、形状記憶スプリングおよびバイアススプリングの一端は本体に固定される。
操作つまみの各位置を維持する係止手段を、操作つまみの内蔵スプリングと翼部の端縁,段により構成したが、他の構成を採用することもできる。
断熱用型材14を省き、室内側型材11を樹脂で形成してもよい。
換気装置が換気扇の給気口として機能する場合には、室内側型材11に花粉濾過用のフィルタを装着してもよい。
本発明の換気装置は、サッシ戸の上框と別体をなし上框の下に装着するようにしてもよく、下框又は竪框に装着してもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、温度環境に応じて自動換気制御を行うことができ、かつ装置の小型化を図ることができるだけでなく、形状記憶合金製スプリングのヒステリシスによる開き具合のばらつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態をなす換気装置を室内から見た正面図である。
【図2】同換気装置を室外から見た一部切欠背面図であり、(A)は自動制御状態を示し、(B)は強制閉じ状態を示す。
【図3】同換気装置の平面断面図であり、(A)は自動制御での開き状態、(B)は自動制御での所定半開き状態、(C)は自動制御での閉じ状態をそれぞれ示す。
【図4】同換気装置の強制閉じ状態の平面断面図である。
【図5】同換気装置の自動制御での開き状態の縦断面図である。
【図6】同換気装置の自動制御での所定半開き状態の縦断面図である。
【図7】同換気装置の自動制御での閉じ状態の縦断面図である。
【図8】同換気装置に組み込まれる自動制御ユニットの側面図である。
【図9】(A)は同自動制御ユニットの背面図、(B)は同制御ユニットの平面図である。
【図10】同換気装置に組み込まれる作動板を室外から見た背面図である。
【図11】同換気装置に組み込まれる移動カム部材と作動板の一部との分解斜視図である。
【図12】同換気装置に組み込まれる形状記憶スプリングの引張り弾性力の温度に対するヒステリシス特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 本体
12a 中間型材の上部壁(主壁)
12x 換気口
20 作動板
21 回動軸部
23a 突起(第1カムフォロア部)
24a 切欠の一方の端縁(第2カムフォロア部)
30 操作つまみ(操作部材)
40 自動制御ユニット
41 スライダ
45 形状記憶スプリング
46 バイアススプリング
47 移動カム部材
47a カム溝
47b 室外側の傾斜カム溝部(開側カム部)
47c 室内側の傾斜カム溝部(閉側カム部)
47d 中間カム溝部(中間カム部)
50 固定カム部材

Claims (2)

  1. (イ)主壁に換気口を形成してなる細長い本体と、
    (ロ)細長く形成され、一方の縁部に上記本体に回動可能かつスライド可能に支持される回動軸部を有し、他方の縁部に第1、第2のカムフォロア部を有し、回動に伴い上記主壁に近づいたり離れたりして上記換気口を開閉する作動板と、
    (ハ)自動制御位置と強制閉じ位置との間で上記本体の長手方向にスライド可能にして本体に支持され、上記作動板の回動を許容するようにして作動板に連結され、スライド操作に伴い作動板を本体の長手方向にスライドさせる操作部材と、
    (ニ)上記本体に固定され、上記操作部材が自動制御位置にあるときに、第2カムフォロア部と連携せずに作動板の回動を許容し、操作部材が自動制御位置から強制閉じ位置に向かうように操作されて作動板がスライドするときに、第2カムフォロア部と協働して作動板を回動させることにより、換気口を強制的に閉じさせる固定カム部材と、
    (ホ)開側カム部と閉側カム部と中間カム部とを有して、上記本体の長手方向に移動可能なようにして本体に支持され、上記開側カム部は、移動に伴い上記第1カムフォロア部と協働して作動板を回動させ、ひいては所定の半開き状態より開いている時の換気口を開閉し、上記閉側カム部は、移動に伴い第1カムフォロア部と協働して作動板を回動させ、ひいては上記所定半開き状態より閉じている時の換気口を開閉し、上記中間カム部は、移動に伴い第1カムフォロア部と連携しつつも作動板を回転させないようにし、ひいては上記所定半開き状態の換気口をその開度に維持する移動カム部材と、
    (ヘ)上記移動カム部材を上記本体の長手方向に沿う第1方向に付勢する形状記憶合金製のスプリングと、
    (ト)上記移動カム部材を上記第1方向とは逆の第2方向に付勢するバイアススプリングと、
    を備えたことを特徴とする換気装置。
  2. 上記移動カム部材において、上記中間カム部が、本体の長手方向に沿って延び、この中間カム部の一端から上記開側カム部が本体の長手方向に対して傾斜して延び、他端から上記閉側カム部が本体の長手方向に対して傾斜して延びていることを特徴とする請求項1に記載の換気装置。
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