JPH0217116Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、雨戸の面に通風窓を形成し、該通風
窓を開閉自在に構成した通風可能な雨戸に係るも
のである。

従来、住宅の窓や出入口には、多くの場合雨戸
が備えられているが雨戸は風雨の遮断、防寒、保
温、遮光、遮音、防氾等を目的とするものである
から、従来の雨戸は窓や出入口を閉じる機能を備
えるのみであり、通風性を有しないものであつ
た。しかしながら、夏期においては、室内の通風
をはかり涼しい外気をとり入れる必要があり、ま
た年間をとおして雨戸の戸締りをした状態でも朝
の爽やかな外光を室内にとり入れたという要請も
あるので、雨戸も通風可能なものであることがそ
の目的達成上きわめて望ましいため、雨戸の面板
の一部を可動式に構成して通風や採光を図るよう
にしている。

本考案は、上記の如き要請にこたえるべく創案
されたものであつて、雨戸の面に多数の通風窓を
形成し、雨戸の裏面側にはこの多数の通風窓を同
時に開閉しかつそれぞれの位置に保持する通風窓
開閉体を設けたことにより、雨戸を締切つた場合
であつても、通風窓を開くのみで通風または室内
換気を行うことができ、しかも雨戸本来の機能で
ある外界との遮断性をそこなうことがない許りで
なく、多数の通風窓の開閉操作もワンタツチで簡
便かつ確実に開閉ならびに調節位置での保持がで
きる通風可能な雨戸を提供しようとするものであ
る。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、１は金属（スチールまたはアルミ
ニウム）製の雨戸であつて、該雨戸１のうち、ス
チール製の場合は縦框２，２の対向間に一定ピツ
チで上下多段にわたつて形成された切欠嵌合孔２
ａ，２ａ，……に固定スラツト３を跨設して構成
されており、また、アルミ製の場合は上記切欠嵌
合孔２ａに代えて螺子２ｂにより螺着してもよく
（第７図Ａ，Ｂ参照）、いずれの場合にも各固定ス
ラツト３間に多数の通風窓４が形成されている。
多数の通風窓４には防虫網５が張られている。ま
た、６は通風窓開閉体であつて、該通風窓開閉体
６は、上記各固定スラツト３に対応し、かつ通風
窓４を塞ぐ可動スラツト７の左右両端を切欠いて
一部を縦框２，２間に入りこませ、その部分を左
右両側の連結バー８，８間で一体に連結してなる
ものであり、通風窓開閉体６は、雨戸１の裏面側
でフレーム２の両側部に上下摺動自在に支承され
ている。そして、上記通風窓開閉体６は、手掛中
桟９に設けられた開閉操作機構１０に連動されて
いる。すなわち、該開閉操作機構１０は、手掛中
桟９に左右摺動自在に装着されたカム１１を有
し、該カム１１の上下傾斜作用面１１ａに前記通
風窓開閉体６の横桟１２の突起１３を支持させた
構成となつており、カム１１を左右に摺動させる
ことによつて通風窓開閉体６が上下に摺動され、
段階的に開口巾が変化するようになつている。１
４はカム１１の操作つまみである。なお、カム１
１の作用面は、上下傾斜作用面１１ａと水平な係
止段部１１ｂとを交互に段状に連設してあり、手
掛中桟９内での摺動操作に対応して、それぞれの
面での突起１３の支持、係着と横桟１２とを介
し、通風窓開閉体６の上下摺動と、係止段部１１
ｂ位置での保持ができるようになつている。

叙上の如く構成された雨戸１においては、単に
操作つまみ１４をつかみ、カム１１を左右に摺動
させることにより、通風窓開閉体６は上下に摺動
され、かつカム１１の係止段部１１ｂにそれぞれ
の位置に保持されるので、多数の通風窓４を同時
に開閉して段階的に開口巾を変化させ、かつ開ま
たは閉の状態に保持することができる。したがつ
て、雨戸１を締切つたままでも通風または室内換
気を行うことができ、また通風窓開閉体６で通風
窓４を閉じれば外界から室内を完全に遮断して、
雨戸本来の機能を発揮せしめることができる。な
お、通風窓４には防虫網５が張られているので、
通風窓４を開いても害虫が室内に侵入するのを防
止することができる。

これを要するに、本考案は、雨戸のフレーム内
に一定ピツチで上下多段にわたり固定スラツトを
取付けて通風窓を形成し、雨戸の裏面側には、上
記各固定スラツトに対応する間隔でかつ通風窓を
塞ぐ可動スラツトを一体に連結してなる通風窓開
閉体を上下摺動自在に装着すると共に、雨戸の手
掛中桟内には、開閉操作機構を設け、該開閉操作
機構は、上下傾斜作用面と水平な係止段部とを交
互に段状に連設して、該中桟内で摺動自在とした
カムと、通風窓開閉体の横桟から突出してカムの
側上方に臨ませた突起とからなり、カムの摺動に
よる突起の昇降によつて、通風窓開閉体を上下に
摺動させかつその位置を保持するように構成した
ものであるから、雨戸を閉めきつた場合であつて
も、通風窓を開くだけで通風または室内換気を行
うことができ、しかも雨戸本来の外界との遮断性
を確保するばかりでなく、開閉操作機構によつて
多数の通風窓の開閉操作をワンタツチで簡便かつ
確実に行うことができる。さらに、開閉操作機構
は、カムを上下傾斜作用面と水平な係止段部とを
交互に段状に形成したことによつて、通風窓開閉
体設けた突起をカム上下傾斜作用面に沿つて上昇
下降させるものであるので、通風窓の開閉操作力
が軽く、また、水平な係止段部で突起を静止させ
るだけで所望の通風開口が得られ、その構造が簡
単でありながら、その作動は、通風窓の開閉なら
びに所望の調節位置での保持ができる自由度が大
きい等、きわめて有用な実用的効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る通風可能な雨戸の一実施例
を示すものであつて、第１図は全体の背面図、第
２図は通風窓を開いた状態の要部の縦断側面図、
第３図は通風窓を閉じた状態の要部の縦断側面
図、第４図は要部の横断平面図、第５図は可動ス
ラツトの端部構成図、第６図は第１図における要
部の拡大図、第７図Ａ，Ｂは固定スラツトの固定
構成図である。 図中、１は雨戸、２はフレーム、３は固定スラ
ツト、４は通風窓、５は防虫網、６は通風窓開閉
体、７は可動スラツト、８，８は連結バー、９は
手掛中桟、１０は開閉操作機構、１１はカム、１
１ａはその上下傾斜作用面、１１ｂは係止段部、
１２は通風窓開閉体６の横桟、１３は突起、１４
はカム１１の操作つまみである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 雨戸のフレーム内に一定ピツチで上下多段にわ
   たり固定スラツトを取付けて通風窓を形成し、雨
   戸の裏面側には、上記各固定スラツトに対応する
   間隔でかつ通風窓を塞ぐ可動スラツトを一体に連
   結してなる通風窓開閉体を上下摺動自在に装着す
   ると共に、雨戸の手掛中桟内には、開閉操作機構
   を設け、該開閉操作機構は、上下傾斜作用面と水
   平な係止段部とを交互に段状に連設して、該中桟
   内で摺動自在としたカムと、通風窓開閉体の横桟
   から突出してカムの側上方に臨ませた突起とから
   なり、カムの摺動による突起の昇降によつて、通
   風窓開閉体を上下に摺動させかつその位置を保持
   するように構成したことを特徴とする通風可能な
   雨戸。