JPH0552189U - 開閉機能付き格子体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外界との遮断性を損なうことがなく、しかも
通風や採光の可能な開閉機能付き格子体を提供すること
にある。 【構成】 左右の縦部材１，２間に適宜間隔で並列する
横部材３，３' を、下向きに開口する溝桟４と、溝桟内
より連続状態に下降する数枚のスラット５より構成し、
溝桟の一側片下端と最下降スラット51を除く他のスラッ
トの下端に内向爪14，７を夫々設ける一方、各スラット
の上端に前記内向爪に係止する外向爪６を設け、且つ各
スラットの両側に案内片８を突設し、左右縦部材の内周
側に各スラット案内片の案内溝10，20を相対設し、最下
降スラットの案内片に外部より操作可能な昇降装置40を
取付け、スラットを昇降し得るようにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、主として雨戸やシャッター等を構成する格子体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

窓や出入口の室外側に風雨の遮断、防寒、保温、遮光、遮音、防犯等を目的と して雨戸やシャッターを備え付け、窓や出入口を必要に応じて塞いでいた。 雨戸の多くは金属板や断熱パネルにて塞がれ、雨戸枠の案内溝に嵌挿し、案内 溝より雨戸枠の側方に連設した戸袋に走行して格納するものである。 （例えば実開昭54-155340 号公報、実開昭60-33290号公報） シャッターの多くは横長の細幅金属板を折畳み可能に連続し、窓枠の上部室外 側にシャッター格納室を設け、格納室に軸支した巻取ドラムの回動にて開閉する ものである。（例えば実開昭63-83393号公報）

【０００３】 又窓の室外側にダンパーを取付け、ダンパーの上部に数枚のプレート収納部を 設けると共に、ダンパーの左右にプレート案内レールを設け、収納部より案内レ ールに沿ってプレートを順次下降して窓を塞ぐものも開発されているし、窓の室 外側に設ける面格子の下部を軸支し、面格子を窓の下に回動するもの、或いは面 格子を上下摺動可能に設けたものも工夫されている。（例えば実開平3-108193号 公報、実開昭59-171194 号公報、実開昭59-167294 号公報） 更にフェンスに垂直板を水平回動可能に軸支し、垂直板の回動にてフェンスを 開閉するものも工夫されている。（例えば実開昭51-81539号公報）

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の雨戸やシャッターにあっては、通風したり採光する場合、その都度、雨 戸等を開閉しなければならない面倒な問題点があった。 特に雨戸にあっては、窓の側部に雨戸格納部を連設しなければならないし、シ ャッターにあっては、窓の上部にシャッター格納部を連設しなければならず、そ の格納部の取付けに労力を必要とする問題点があると共に、格納部の取付けによ って建物の外観が損なわれる問題点もあった。 本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、 その目的とするところは、外界との遮断性を損なうことがなく、しかも通風や採 光の可能な開閉機能付き格子体を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案における開閉機能付き格子体は、左右縦部 材の間に適宜間隔で並列する横部材を、下向きに開口する溝桟と、溝桟内より連 続状態に下降する数枚のスラットより構成し、溝桟の一側片と最下降スラットを 除くスラットの下端に内向爪を、又各スラットの上端に前記内向爪に係止する外 向爪を設け、且つ各スラットの両側に案内片を突設する一方、左右縦部材の内周 側にスラット案内溝を相対設し、最下降スラットの案内片に外部より操作可能な 昇降装置を取付け、スラットを昇降し得るようにしたものである。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案における開閉機能付き格子体の構造を実施例の図面に基づき説明 すると、格子体Ａは左縦部材１と右縦部材２の間に横部材３，３' を適宜間隔で 並列し、最下位の横部材３”を除く横部材３，３' を、下向きに開口する溝桟４ と、溝桟４の内部に格納され連続状態に下降する数枚のスラット５より構成し、 左縦部材１と右縦部材２の内周側にスラット案内溝10，20を相対設し、最下降ス ラット51に外部より操作可能な昇降装置40を取付けるものである。

【０００７】 溝桟４は下向きに開口する溝型を成し、相対する側片4a，4bの一方の下端に溝 内に向けて折返す内向爪14を突設している。 スラット５は２枚乃至５枚で構成にするもので、最下降スラット51を除く他の スラット５の下端に、溝桟４と同じ内向爪７を同じ方向に突設し、且つ各スラッ ト５の上端に前記内向爪14，７に係止する外向爪６を設けると共に、各スラット ５の両側に案内片８を突設している。

【０００８】 以下、３枚構成のスラット５において具体的に説明すると、最下降スラット51 を除く他のスラット５を、説明の便宜上、順に第２スラット52、第３スラット53 とすれば、第２スラット52と第３スラット53の下端に溝桟４と同じ内向爪27，37 を同じ方向に突設し、各スラット51,52,53の上端に前記内向爪14,27,37に係止す る外向爪16,26,36を設けると共に、各スラット51,52,53の両側に案内片18,28,38 を突設し、最下降スラット51の下端に他のスラット52，53の支持と溝桟４の閉鎖 を兼ねた下片17を突設するものである。

【０００９】 左縦部材１と右縦部材２は対称形状を成すもので、左縦部材内周壁1aと右縦部 材内周壁2aの内周側に案内溝10，20を相対設すると共に、一方の縦部材１の内側 壁1bか外側壁1cに縦長孔19を穿設するものである。 縦部材１，２に相対設する案内溝10，20は、３枚構成スラット５において、左 縦部材内周壁1aに最下降スラット案内片18と第２スラット案内片28、及び第３ス ラット案内片38の昇降範囲に応じて案内溝11,12,13を設け、右縦部材内周壁2aに 左縦部材１と相対する案内溝21,22,23を設ける。 縦長孔19は昇降装置40の取付位置に応じて穿設するものである。

【００１０】 昇降装置40は縦部材１の案内溝10より内部に挿通するロープ41と、ロープ41の 案内ローラ42、ロープ41の一端に止着し縦部材１の縦長孔19に取付ける操作具43 より構成され、案内ローラ42を縦部材１の内部と案内溝10の上部に水平回動可能 に軸支し、案内溝10に挿通するロープ42を各横部材３，３' に収納する最下降ス ラット51の案内片18に夫々結束するものである。 昇降装置40は上記実施例に限定されるものではなく、周知昇降装置40を用いる ことも可能である。

【００１１】 図１１の開閉機能付き格子体は、前記格子体Ａの上下を90度旋回し、左右縦部 材１，２を上部材31と下部材32と成す一方、横部材３，３',３”を竪部材33と成 し、竪部材33に２枚構成以上のスラット５を収納し、竪部材33よりスラット５を 左右に出入りし得るようにしたものである。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の開閉機能付き格子体は、上記のとおり構成されているので、次に記載 する効果を奏する。 格子体の溝桟内に２枚乃至５枚構成のスラットを昇降可能に収納するものであ るから、格子体の閉鎖状態において溝桟内よりスラットを下降すれば、従来通り 外界と遮断できる。反対に溝桟内にスラットを格納すれば、溝桟間を開口して通 風や換気を可能にすることも可能となる。しかも２枚構成のスラットにあっては ２段階に開閉し得るし、３枚構成のスラットにあっては３段階に開閉し得る。

【００１３】 特に本案の開閉機能付き格子体を雨戸に用いれば、雨戸格納部の連設を省略し 得るし、シャッターに用いれば、シャッター格納部の連設も省略し得る。その結 果、格納部の省略によって雨戸やシャッターの取付けが飛躍的に容易になるし、 建物の外観も著しく向上する。 更に本案の開閉機能付き格子体は、台所や風呂場の窓に取付ける目隠し、バル コニーやフェンス、或いはカーポートの面格子としても応用し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】の（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）（Ｄ）本案格子体の開閉
例を示す要部側面図である。

【図２】溝桟とスラットの側面図である。

【図３】の（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）スラットの昇降例を示す
要部側面図である。

【図４】スラットの斜視図である。

【図５】案内溝の形成例を示す格子体の横断面図であ
る。

【図６】の（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）案内溝の形成範囲を示す
縦部材の側面図、及び昇降装置操作具の取付部の斜視図
と要部縦断面図である。

【図７】昇降装置の取付け例を示す格子体の透視図であ
る。

【図８】スラットの嵌挿例を示す格子体の横断面図であ
る。

【図９】本案格子体の開口状態を示す正面図である。

【図１０】本案格子体の閉鎖状態を示す正面図である。

【図１１】の（Ａ）（Ｂ）格子体の開閉状態を示す正面
図である。

【符号の説明】

１，２ 縦部材 ３，３',３” 横部材 ４ 溝桟 ５,51,52,53 スラット ６，16,26,36 外向爪 ７，14,27,37 内向爪 ８，18,28,38 案内片 19 縦長孔 10,11,12,13,20,21,22,23 案内溝 40 昇降装置 Ａ 格子体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左縦部材（１）と右縦部材（２）の間に
   横部材（３，３')を適宜間隔で並列する格子体(10)にお
   いて、最下位の横部材（３”）を除く横部材を、下向き
   に開口する溝桟（４）と、溝桟内により連続状態に下降
   する数枚のスラット（５）より構成し、溝桟の一側片と
   最下降スラット(51)を除く他のスラットの下端に内向爪
   (14,７）を設け、各スラットの上端に前記内向爪に係止
   する外向爪（６）を設ける一方、各スラットの両側に案
   内片（８）を突設し、左右縦部材の内周側にスラット案
   内溝（10，20）を相対設し、最下降スラットの案内片に
   外部より操作可能な昇降装置（40）を取付け、スラット
   を昇降し得るようにした開閉機能付き格子体。