JP7448897B2 - 換気システム - Google Patents

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本発明は、建物の換気システムに関する。
建物の室内環境は、空調設備で制御していたが、窓からの熱の出入りが多く電気代がかかるため、経済的に優れたものが求められていた。
本発明は以上に述べた実情に鑑み、冷暖房負荷を抑えることのできる換気システムの提供を目的とする。
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による換気システムは、上階と下階にそれぞれ設けた開口部と、上階と下階に連通する室内空間とを備え、上階と下階の開口部は、換気装置又は窓の何れかであり、上階と下階の開口部の少なくとも一方に流量調節手段を有し、室内空間には、室内空間を正圧及び負圧に調整することができる室内空間圧力調整手段を有し、外気温が室内温度より低い冬期において、室内空間圧力調整手段により室内空間を負圧に調整し、流量調節手段により外気温Toと室内温度Tiの温度差(Ti-To)が大きいほど下階の開口部を上階の開口部よりも相対的に外気が入り難くすることで、上下階の開口部から入ってくる外気の流量をほぼ同じにすることを特徴とする。
請求項2記載の発明による建物の換気システムは、請求項1記載の発明の構成に加え、窓は、外側ガラスと内側ガラスを有し、外側ガラスの内側面と内側ガラスの外側面に沿って外気が流れることで内側ガラスから逃げる熱を回収することを特徴とする。
請求項3記載の発明による換気システムは、上階と下階にそれぞれ設けた開口部と、上階と下階に連通する室内空間とを備え、上階と下階の開口部は、換気装置又は窓の何れかであり、上階と下階の開口部の少なくとも一方に流量調節手段を有し、室内空間には、室内空間を正圧及び負圧に調整することができる室内空間圧力調整手段を有し、外気温が室内温度より高い夏期において、室内空間圧力調整手段により室内空間を正圧に調整し、流量調節手段により外気温Toと室内温度Tiの温度差(To-Ti)が大きいほど上階の開口部を下階の開口部よりも相対的に内気が出やすくすることで、上下階の開口部から出る内気の流量をほぼ同じにすることを特徴とする。
請求項4記載の発明による換気システムは、請求項3記載の発明の構成に加え、窓は、外側ガラスと内側ガラスを有し、外側ガラスの内側面と内側ガラスの外側面に沿って内気が流れることで外側ガラスから入ってくる熱を捨てることを特徴とする。
請求項1記載の発明による換気システムは、上階と下階にそれぞれ設けた開口部と、上階と下階に連通する室内空間とを備え、上階と下階の開口部は、換気装置又は窓の何れかであり、上階と下階の開口部の少なくとも一方に流量調節手段を有し、室内空間には、室内空間を正圧及び負圧に調整することができる室内空間圧力調整手段を有し、外気温が室内温度より低い冬期において、室内空間圧力調整手段により室内空間を負圧に調整し、流量調節手段により外気温Toと室内温度Tiの温度差(Ti-To)が大きいほど下階の開口部を上階の開口部よりも相対的に外気が入り難くすることで、上下階の開口部から入ってくる外気の流量をほぼ同じにすることにより、室内外温度差により上下階に圧力差が生じていても、上階と下階の換気量を略同じにすることができ、冬期に下階に冷たい外気が必要以上に流入することを防げるので、暖房負荷を抑えることができる。
請求項2記載の発明による換気システムは、窓は外側ガラスと内側ガラスを有し、外側ガラスの内側面と内側ガラスの外側面に沿って外気が流れることで内側ガラスから逃げる熱を回収することで、窓から室内の熱が逃げるのを抑えられるため、暖房負荷をさらに抑えることができる。
請求項3記載の発明による換気システムは、上階と下階にそれぞれ設けた開口部と、上階と下階に連通する室内空間とを備え、上階と下階の開口部は、換気装置又は窓の何れかであり、上階と下階の開口部の少なくとも一方に流量調節手段を有し、室内空間には、室内空間を正圧及び負圧に調整することができる室内空間圧力調整手段を有し、外気温が室内温度より高い夏期において、室内空間圧力調整手段により室内空間を正圧に調整し、流量調節手段により外気温Toと室内温度Tiの温度差(To-Ti)が大きいほど上階の開口部を下階の開口部よりも相対的に内気が出やすくすることで、上下階の開口部から出る内気の流量をほぼ同じにすることにより、室内外温度差により上下階に圧力差が生じていても、上階と下階の換気量を略同じにすることができ、夏期に下階から涼しい内気が必要以上に流出することを防げるので、冷房負荷を抑えることができる。
請求項4記載の発明による換気システムは、窓は外側ガラスと内側ガラスを有し、外側ガラスの内側面と内側ガラスの外側面に沿って内気が流れることで外側ガラスから入ってくる熱を捨てることで、窓から室外の熱が入ってくるのを抑えられるため、冷房負荷をさらに抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係る換気システムの概要を示す説明図であり、(a)は室内空間圧力調整手段が停止した状態、(b)は室内空間圧力調整手段を運転し開口部の流量を調整する前の状態、(c)は室内空間圧力調整手段を運転し開口部の流量を調整した後の状態を示す。 本発明の換気システムにおける換気装置の例を示す縦断面図である。 図2に示す換気装置の開口面積調整機構を模式的に示す斜視図であって、(a)は全閉状態、(b)は半開状態、(c)は全開状態、(d)は室内側に外部カバーを取付けて室内に流れ込む空気の向きを制御した状態を示す。 第1実施形態において上下階の開口部の流量をほぼ同じにするための室内外温度差と上下階の開口面積比の関係を示すグラフである。 第1実施形態において上下階の開口部の流量をほぼ同じにするための室内外温度差と上下階の流路抵抗比の関係を示すグラフである。 本発明の換気システムにおける窓(単窓)の例を示す縦断面図である。 (a)は図6の建具の上框の室内側正面図であり、(b)はB-B断面図である。 本発明の換気システムにおける窓(二重窓)の例を示す縦断面図である。 図8に示す窓の室内側正面図である。 (a)は内窓の上枠部を拡大して示す室内側正面図であり、(b)はA-A断面図である。 同窓の開口面積調整機構を模式的に示す図であって、(a)は換気口を全開にした状態、(b)は換気口を半開にした状態、(c)は換気口を全閉にした状態を示す。 本発明の換気システムを設置した住宅の間取り図である。 冬期における各窓の通気量を示すグラフであって、(a)は1階の窓の換気口を半開、2階の窓の換気口を全開にしたとき、(b)は1階と2階の窓の換気口を両方とも全開にしたときを示す。 本発明の第2実施形態に係る換気システムの概要を示す説明図であり、(a)は室内空間圧力調整手段が停止した状態、(b)は室内空間圧力調整手段を運転し開口部の流量を調整する前の状態、(c)は室内空間圧力調整手段を運転し開口部の流量を調整した後の状態を示す。 第2実施形態において上下階の開口部の流量をほぼ同じにするための室内外温度差と上下階の開口面積比の関係を示すグラフである。 窓(二重窓)からの空気及び熱の出入りを模式的に示す図であって、(a)は外気温が室温よりも低いとき(第1実施形態)、(b)は外気温が室温よりも高いとき(第2実施形態)を示す。 本発明の参考例に係る換気システムの概要を示す説明図であり、(a)は室内空間圧力調整手段が停止した状態、(b)は室内空間圧力調整手段を運転し開口部の流量を調整する前の状態、(c)は室内空間圧力調整手段を運転し開口部の流量を調整した後の状態を示す。 参考例において上下階の開口部の流量をほぼ同じにするための室内外温度差と上下階の開口面積比の関係を示すグラフである。 参考例において上下階の開口部の流量をほぼ同じにするための室内外温度差と上下階の流路抵抗比の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る建物の換気システムの概要を示す説明図である。本換気システムは、2階建ての建物に適用したものであって、冬期の運転状態を示している。本換気システムは、上階と下階で連通した建物の上階と下階の開口部にそれぞれに室内外に連通した換気装置1a,1bが取り付けてあり、上階と下階の連通した空間内に室内空間圧力調整手段3が設けてある。上階と下階の少なくとも1つの換気装置1a,1bは、開口面積調整機構(流量調節手段)が設けてある。また、室外と室内とに温度計(図示省略)が設けられ、室内に設けた表示部に外気温Toと室内温度Tiを表示し、室内に居る人が内外温度差を把握できるようにしてある。
図2は、換気装置1a,1bの一例を示している。この換気装置1a,1bは、壁に穴をあけて設置してあり、換気経路6内にフィルター45を備えると共に、その室内側に開口面積調整機構2a,2bを備えている。開口面積調整機構2a,2bは、図3に示すように、2枚の引戸式の開閉蓋46a,46bよりなり、図3(a)~(c)に示すように、開閉蓋46a,46bを適宜スライドさせることで、開口面積を適宜調整できる。図3(d)は、開閉蓋46a,46bの室内側に外部カバー47を開閉蓋46a,46bと隙間をあけて設置し、換気装置1a,1bから入った空気が上向き及び左右向きで室内に流れ込むようにしたものである。換気装置1a,1bの室外側には、図2に示すようにフード48を設置し、雨や風の侵入を防いでいる。
室内空間圧力調整手段3は、リビングの壁面などに設けた図示しないスイッチを操作することで、室内の空気を室外に排出する方向と、室外の空気を室内に吸い込む方向とに、回転方向を切り替えることのできるファンを有し、室内空間を負圧又は正圧に調整することができる。
外気温Toが室内温度Tiより低い冬期は、室内空間圧力調整手段3が停止した状態では、図1(a)に示すように、外気温Toと室内温度Tiとの温度差によって上階と下階に圧力差が生じており、下階の換気装置1bより外気が流入し、上階の換気装置1aより内気が流出する。
本換気システムでは、図1(b)に示すように、室内空間圧力調整手段3を室内の空気を室外に排出する方向でファンを回転させ、室内空間を負圧に調整する。それに伴い、上階と下階の換気装置1a,1bより外気が室内に流入する。このとき、外気温Toと室内温度Tiとの温度差によって上階と下階に圧力差が生じており、上階の気圧が下階の気圧よりも高くなるから、上階から空気が入りにくくなり、そのままでは上下階の換気量がアンバランスになるおそれがある。
これを解消するために本換気システムは、開口面積調整機構2a,2bにより上階の換気装置1aの開口面積Xを下階の換気装置1bの開口面積Yより相対的に大きくして、下階の換気装置1bを上階の換気装置1aよりも相対的に外気が入り難くすることで、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気装置1a,1bから入ってくる外気の流量をほぼ同じにして、上下階の換気量をほぼ同じにすることができる。具体的には、上階の換気装置1aの開口面積調整機構2aを全開とし、下階の換気装置1bの開口面積調整機構2bを半開きとすることで実施できる。
その際、図4に示すように、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(Ti-To)が大きいほど、上階の換気装置1aの開口面積Xと下階の換気装置1bの開口面積Yとの比X/Yが大きくなるように調整する。例えば、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(Ti-To)が10℃のときに、上階の開口面積調整機構2aの開口面積Xと下開の開口面積調整機構2bの開口面積Yとの比X/Yを1.29、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(Ti-To)が20℃のときに、上階の開口面積調整機構2aの開口面積Xと下開の開口面積調整機構2bの開口面積Yとの比X/Yを1.56に調整する。これにより室内外の温度差によらず、上下階の換気量を略同じにすることができる。
開口面積調整機構2a,2bの操作は、外気温の変化に合わせて開口面積比X/Yをマイコン等を用いて自動調整することも可能であるが、冬期の日平均外気温と暖房設定温度の差により設定することも可能である。例えば、冬期には下階の開口面積調整機構2bを所定の半開位置とすることとし、本換気システムを設置する場所の冬期の日平均外気温と暖房設定温度の差に応じて、半開位置における開口面積比X/Yを設定する。すなわち、地域によって半開位置における開口面積比X/Yを、その地域における冬期の日平均外気温と暖房設定温度の差に応じて異ならせる。
上述の実施形態においては、開口面積調整機構2a,2bにより上階の換気装置1aの開口面積Xと下階の換気装置1bの開口面積Yとの比X/Yを調整することで、上階と下階の換気量を略同じにしていたが、少なくとも一方の換気装置1a,1bのフィルター45を交換可能にするなどして、上階の換気装置1aの流路抵抗Vと下階の換気装置1bの流路抵抗Wとの比V/Wを調整することで、上階と下階の換気量を略同じにすることもできる。
すなわち、冬期においては図1(b)に示すように上階の換気装置1aから外気が入りにくくなるから、下階の換気装置1bの流路抵抗Wを上階の換気装置1aの流路抵抗Vより相対的に大きくすることで、図1(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。その際、図5に示すように、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(Ti-To)が大きいほど、上階の換気装置1aの流路抵抗Vと下階の換気装置1bの流路抵抗Wとの比V/Wが小さくなるように調整する。流路抵抗比V/Wは、冬期の日平均外気温と暖房設定温度の差に応じて、地域によって異ならせることができる。
上下階の開口部には、換気装置1a,1bの代わりに窓を取付けることができる。図6は、本発明の建物の換気システムにおける窓(単窓)53の例を示している。この窓53は、躯体開口部に固定される枠19内に外障子20aと内障子20bを引違い開閉自在に収めてあり、両障子20a,20bの上框23に室内外に連通する換気口27を設けている。
上框23には、室外側と室内側の見付面に通気孔26a,26bを設けることで換気口27が構成されている。換気口27には、図7に示すように、通気孔26aを開閉して空気の流量を調整する開口面積調整機構(流量調節手段)2を備えている。開口面積調整機構2は、通気孔26aの室内側に隣接して配置され、左右方向にスライド可能に設けた作動板37と、作動板37を左右にスライド操作するための操作ツマミ38を備えている。作動板37には、通気孔26aと同じ大きさ・ピッチで通気孔26cが設けてあり、操作ツマミ38のスライド操作に伴い通気孔26a,26cの重なり量が変化し、開口面積を適宜調整することができる。室内側の通気孔26bの室内側には、フィルター39とフィルターカバー40が着脱自在に設けてあり、フィルターカバー40にも通気孔26dが左右方向に間隔をおいて多数設けてある。
上述の窓53を1階と2階に設置し、内外温度差によって生ずる上下階の圧力差に応じて、1階又は2階の窓53の換気口27の開口面積を開口面積調整機構2により調整することで、1・2階の換気量を略同じにすることができる。
すなわち、冬期においては図1(b)に示すように2階の窓53から外気が入りにくくなるから、1階の窓53の換気口27を半開、2階の窓53の換気口27を全開とすることで、図1(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。開口面積を調整する代わりに、フィルター39を交換するなどして、流路抵抗を調整してもよい。
図8は、本発明の換気システムにおける窓の他の例を示している。この窓は、外窓(外側ガラス)14と内窓(内側ガラス)15とからなる二重窓51に室内外に連通する換気経路6を設け、該換気経路6を通じて換気が行えるようにしたものである。外窓14と内窓15の間の中間層16には、ハニカムブラインド17が上方から吊り下げて設置してある。
外窓14は、躯体開口部に固定される枠19と、枠19内に引違い状に開閉自在に収めた外障子20a及び内障子20bとを備えている。枠19は、上枠21と下枠22と左右の竪枠とを枠組みして構成されている。外障子20a及び内障子20bは、上框23と下框24と戸先框と召合せ框とを框組みし、その内側にガラス25を嵌め込んで構成されている。枠19と障子20a,20bの框は、アルミ製である。
上框23には、室外側と室内側の見付面に通気孔26a,26bを設けることで換気口27が構成されている。通気孔26a,26bは、縦長の長方形で、左右方向に間隔をおいて多数形成してある。
内窓15は、躯体開口部に固定される枠28と、枠28内に引違い状に開閉自在に収めた外障子29a及び内障子29bとを備えている。枠28は、上枠30と下枠31と左右の竪枠とを枠組みして構成されている。外障子29a及び内障子29bは、上框32と下框33と戸先框と召合せ框とを框組みし、その内側にガラス(複層ガラス)34を嵌め込んで構成されている。枠28と障子29a,29bの框は、樹脂製である。
上枠30は、図8,10に示すように、室外側と室内側の見付面に多数の通気孔35a,35bを設けることで換気口36が構成されている。換気口36の室内側には、室内側の通気孔35bを開閉して開口面積を調整する開口面積調整機構(流量調節手段)2を備えている。開口面積調整機構2は、室内側の通気孔35bの室内側に隣接して配置され、左右方向にスライド可能に設けた作動板37と、作動板37を左右にスライド操作するための操作ツマミ38を備えている。作動板37には、室内側の通気孔35bと同じ大きさ・ピッチで通気孔35cが設けてある。作動板37の室内側には、フィルター39とフィルターカバー40が着脱自在に設けてあり、フィルターカバー40にも通気孔35dが左右方向に間隔をおいて多数設けてある。
図11(a)に示すように、操作ツマミ38を右端にスライドすると、作動板37の通気孔35cが上枠室内側の通気孔35bと合致して、換気口36が全開の状態になる。図11(c)に示すように、操作ツマミ38を左端にスライドすると、作動板37の通気孔35cと上枠室内側の通気孔35bとが左右に完全にずれた状態となり、換気口36は全閉の状態となる。図11(b)に示すように、操作ツマミ38を左右方向の中間の位置で止めると、作動板37の通気孔35cと上枠室内側の通気孔35bとが横にずれた状態で重なり、換気口36は半開の状態となる。なお図11(b)では、操作ツマミ38を左右方向のちょうど真ん中で止めた状態となっているが、操作ツマミ38を中間の任意の位置で止めて、換気口36の開口面積を任意に調節することができる。
ハニカムブラインド17は、図8に示すように、ポリエステルの不織布を用いてダブル・ハニカム(蜂の巣)構造のスクリーン状に構成され、このスクリーンが二重の空気層を作り、高い断熱効果を発揮する。またハニカムブラインド17の左右両側の側部は、額縁に沿って取付けた樹脂製のレール41に案内してあり、気密性を高めている。したがって、中間層16内はハニカムブラインド17により室外側と室内側に仕切られ、ハニカムブラインド17の室外側の空気は室外の気温に近付き、ハニカムブラインド17の室内側の空気は室内側の気温に近付き、ハニカムブラインド17の室外側と室内側で温度差が生じる。ハニカムブラインド17の下端と窓枠の下面との間には、数センチ程度の隙間42を設けている。ハニカムブラインド17は、操作部43を操作することで上下に伸縮自在となっている。
以上に説明したように本二重窓51は、外窓14に設けた換気口27と、中間層16と、内窓15に設けた換気口36とで、室内外に連通する換気経路6が設けてあり、中間層16では空気がハニカムブラインド17を迂回して外窓14と内窓15に沿って上下に流れるようになっている。また、内窓15の上枠部30に設けた開口面積調整機構2により、換気経路6からの流量を適宜調整できるようになっている。
上述の二重窓51を上階と下階にそれぞれ設置し、内外温度差によって生ずる上下階の圧力差に応じて、1階又は2階の二重窓51の換気口36の開口面積を開口面積調整機構2により調整することで、1・2階の換気量を略同じにすることができる。
すなわち、冬期においては図1(b)に示すように上階の二重窓51から外気が入りにくくなるから、1階の二重窓51の換気口36を半開、2階の二重窓51の換気口36を全開とすることで、図1(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。開口面積を調整する代わりに、フィルター39を交換するなどして、流路抵抗を調整してもよい。
図12に示すように、上述の二重窓51a,51b,51c,51dを2階建ての建物の1階と2階とに2箇所ずつ設置し、冬期において室内空間圧力調整手段3により室内空間を負圧に調整した状態で、各二重窓の通気量を測定した。測定結果を図13に示す。
図13(a)は、冬季において1階の二重窓51a,51bの換気口36を半開、2階の二重窓51c,51dの換気口36を全開として、各二重窓51a,51b,51c,51dの通気量を実際に測定した結果を示している。この測定結果からも、1階と2階の換気量が略同じになることが確認できる。図13(b)は、比較のために同じ建物で1階・2階の二重窓51a,51b,51c,51dの換気口36を全て全開にして、各二重窓51a,51b,51c,51dの通気量を測定した結果を示している。同図より明らかなように、1階・2階の二重窓51a,51b,51c,51dの換気口36を全て全開にした場合には、1階と2階の換気量に大きな差が生ずることが分かる。
第1実施形態の換気システムにおいては、室内空間圧力調整手段3を室内の空気を室外に排出する方向で回転させ、室内空間を負圧にする。それに伴い、二重窓51の換気経路6を通じて室外の空気が室内に流入し、換気がなされる。
このとき、図16(a)に示すように、外窓14の換気口27より流入した冷たい外気は、ハニカムブラインド17に当たることで下向きに流れを変え、その後、冷たい外気はコールドドラフトにより外窓14の内側面に沿って中間層16の下まで流れてから折り返し、内窓15のガラスから室内の熱が伝わることで暖められ、ガラスの室外側面に沿って上昇し、この間にガラスから室外に逃げる熱を空気の流れによって回収する。また、窓に日射を受ける場合は、このように中間層16内を外気が外窓14の内側面と内窓15の外側面に沿うように流れる間に、日射熱を取得することができる。そうして暖められた外気は、内窓15の換気口36より室内に流入する。このように、室内から室外に逃げる熱を空気の流れによって回収し、室内に戻すことで、空気の流入する方向とは逆方向の熱輸送が妨げられることによる断熱効果(ダイナミックインシュレーションによる断熱効果)が生じ、室内から室外への熱の損失がなくなるので、非常に高い断熱性が得られ、暖房負荷を小さくすることができる。
本換気システムは、先に述べたように、開口面積調節機構2により下階の二重窓51を上階の二重窓51よりも相対的に外気が入り難くすることで、上下階の二重窓51から入ってくる外気の流量をほぼ同じにできるため、上述の断熱効果が上下階の二重窓51に同じように得られる。
ダイナミックインシュレーションによる断熱効果を得るための窓の構造としては、図8に示したような二重窓に限らず、例えば単窓の窓枠部に換気経路を設け、換気経路を通過する空気に室内側又は室外側からの熱を伝える伝熱部を少なくとも有していればよい。具体的には、窓枠部に設けた換気経路にロックウール等のポーラス材を設置したり、櫛歯状のヒートシンクを設置したりして実施することができる。
図14は、本発明の換気システムの第2実施形態を示している。本実施形態は、第1実施形態と同様に、2階建ての建物に適用したものであって、夏期の運転状態を示している。本換気システムは、第1実施形態と同様に、上階と下階の開口部に設けた換気装置1a,1bと、室内空間圧力調整手段3を備えている。
外気温Toが室内温度Tiより高い夏期は、室内空間圧力調整手段3が停止した状態では、図14(a)に示すように、外気温Toと室内温度Tiとの温度差によって上階と下階に圧力差が生じており、下階の換気装置1bより内気が流出し、上階の換気装置1aより外気が流入する。
本換気システムでは、図14(b)に示すように、室内空間圧力調整手段3を室外の空気を室内に吸い込む方向でファンを回転させ、室内空間を正圧に調整する。それに伴い、上階と下階の換気装置1a,1bより内気が室外に流出する。このとき、外気温Toと室内温度Tiとの温度差によって上階と下階に圧力差が生じており、上階の気圧が下階の気圧よりも低くなるから、上階から内気が出にくくなり、そのままでは上下階の換気量がアンバランスになるおそれがある。
これを解消するために本換気システムは、開口面積調整機構2a,2bにより上階の換気装置1aの開口面積Xを下階の換気装置1bの開口面積Yより相対的に大きくして、上階の換気装置1aを下階の換気装置1bよりも相対的に内気が出やすくすることで、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気装置1a,1bから出る内気の流量を略同じにして、上下階の換気量を同じにすることができる。具体的には、上階の換気装置1aの開口面積調整機構2aを全開とし、下階の換気装置1bの開口面積調整機構2bを半開きとすることで実施できる。
その際、図15に示すように、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(To-Ti)が大きいほど、上階の換気装置1aの開口面積Xと下階の換気装置1bの開口面積Yとの比X/Yが大きくなるように調整する。例えば、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(To-Ti)が10℃のときに、上階の開口面積調整機構2aの開口面積Xと下開の開口面積調整機構2bの開口面積Yとの比X/Yを1.29、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(To-Ti)が20℃のときに、上階の開口面積調整機構2aの開口面積Xと下開の開口面積調整機構2bの開口面積Yとの比X/Yを1.56に調整する。これにより室内外の温度差によらず、上下階の換気量を略同じにすることができる。
開口面積調整機構2a,2bの操作は、外気温の変化に合わせて開口面積比X/Yをマイコン等を用いて自動調整することも可能であるが、夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差により設定することも可能である。例えば、夏期には下階の開口面積調整機構2bを所定の半開位置とすることとし、本換気システムを設置する場所の夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差に応じて、半開位置における開口面積比X/Yを設定する。すなわち、地域によって半開位置における開口面積比X/Yを、その地域における夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差に応じて異ならせる。
開口面積比X/Yを調整する代わりに、少なくとも一方の換気装置1a,1bのフィルター45を交換可能にするなどして、上階の換気装置1aの流路抵抗Vと下階の換気装置1bの流路抵抗Wとの比V/Wを調整することで、上階と下階の換気量を略同じにすることもできる。
すなわち、夏期においては図14(b)に示すように上階の換気装置1aから内気が出にくくなるから、下階の換気装置1bの流路抵抗Wを上階の換気装置1aの流路抵抗Vより相対的に大きくすることで、図14(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。その際、図5に示すように、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(Ti-To)が大きいほど、上階の換気装置1aの流路抵抗Vと下階の換気装置1bの流路抵抗Wとの比V/Wが小さくなるように調整する。流路抵抗比V/Wは、夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差に応じて、地域によって異ならせることができる。
上下階の開口部には、換気装置1a,1bに換えて図6に示すような窓(単窓)53を設置することもできる。この場合も、1階又は2階の窓53の換気口27の開口面積を開口面積調整機構2により調整することで、1・2階の換気量を略同じにすることができる。
すなわち、夏期においては図14(b)に示すように2階の窓53から内気が出にくくなるから、1階の窓53の換気口27を半開、2階の窓53の換気口27を全開とすることで、図14(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。開口面積を調整する代わりに、フィルター39を交換するなどして、流路抵抗を調整してもよい。
上下階の開口部には、換気装置1a,1bに換えて図8に示すような二重窓51を設置することもできる。この場合も、内外温度差によって生ずる上下階の圧力差に応じて、1階又は2階の二重窓51の換気口36の開口面積を開口面積調整機構2により調整することで、1・2階の換気量を略同じにすることができる。
すなわち、夏期においては図14(b)に示すように上階の二重窓51から内気が出にくくなるから、1階の二重窓51の換気口36を半開、2階の二重窓51の換気口36を全開とすることで、図14(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。開口面積を調整する代わりに、フィルター39を交換するなどして、流路抵抗を調整してもよい。
第2実施形態の換気システムは、図14(b)に示すように、室内空間圧力調整手段3を室外の空気を室内に吸い込む方向で回転させ、室内空間を正圧にする。それに伴い、二重窓51の換気経路6を通じて室内の空気が室外に排出され、換気がなされる。
このとき、図16(b)に示すように、内窓15の換気口36より中間層16に流出した室内の涼しい空気は、室外よりも温度が低いので、内窓15のガラスの室外側面に沿って下向きに流れ、その後、中間層16の下部で折り返し、外窓14のガラス等の熱が伝わることで外窓14のガラスの室内側面に沿って上昇し、この間にガラスを通じて室外から室内に入ってくる熱を空気の流れによって回収する。その後、外窓14の換気口27を通って空気が室外に放出される。空気が換気口27を通過する際、上框を伝って室内に入ってくる熱を空気の流れによって回収する。そして、空気が室外に放出されることで、ガラスや上框から回収した熱を室外に捨てる。このように室外から室内に伝わる熱を空気の流れによって回収し、室外に捨てることで、空気の流出する方向とは逆方向の熱輸送が妨げられることによる断熱効果(ダイナミックインシュレーションによる断熱効果)が生じ、室外から室内に入る熱を削減できるので、非常に高い断熱性が得られ、冷房負荷を抑えることができる。
本換気システムは、先に述べたように、開口面積調節機構2により上階の二重窓51を下階の二重窓51よりも相対的に内気が出やすくすることで、上下階の二重窓51から流出する内気の流量をほぼ同じにできるため、上述の断熱効果が上下階の二重窓51に同じように得られる。
図17は、本発明の換気システムの参考例を示している。本実施形態は、第1実施形態と同様に、2階建ての建物に適用したものであって、夏期の運転状態を示している。本換気システムは、第1実施形態と同様に、上階と下階の開口部に設けた換気装置1a,1bと、室内空間圧力調整手段3を備えている。
外気温Toが室内温度Tiより高い夏期は、室内空間圧力調整手段3が停止した状態では、図17(a)に示すように、外気温Toと室内温度Tiとの温度差によって上階と下階に圧力差が生じており、下階の換気装置1bより内気が流出し、上階の換気装置1aより外気が流入する。
本換気システムでは、図17(b)に示すように、室内空間圧力調整手段3を室内の空気を室外に吸い出す方向でファンを回転させ、室内空間を負圧に調整する。それに伴い、上階と下階の換気装置1a,1bより外気が室内に流入する。このとき、外気温Toと室内温度Tiとの温度差によって上階と下階に圧力差が生じており、下階の気圧が上階の気圧よりも高くなるから、下階から外気が入り難くなり、そのままでは上下階の換気量がアンバランスになるおそれがある。
これを解消するために本換気システムは、開口面積調整機構2a,2bにより下階の換気装置1bの開口面積Yを上階の換気装置1aの開口面積Xより相対的に大きくして、上階の換気装置1aを下階の換気装置1bよりも相対的に外気が入り難くすることで、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。具体的には、下階の換気装置1bの開口面積調整機構2bを全開とし、上階の換気装置1aの開口面積調整機構2aを半開きとすることで実施できる。
その際、図18に示すように、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(To-Ti)が大きいほど、上階の換気装置1aの開口面積Xと下階の換気装置1bの開口面積Yとの比X/Yが小さくなるように調整する。例えば、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(To-Ti)が10℃のときに、上階の開口面積調整機構2aの開口面積Xと下階の開口面積調整機構2bの開口面積Yとの比X/Yを0.78(1/1.29)、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(To-Ti)が20℃のときに、上階の開口面積調整機構2aの開口面積Xと下階の開口面積調整機構2bの開口面積Yとの比X/Yを0.64(1/1.56)に調整する。これにより室内外の温度差によらず、上下階の換気量を略同じにすることができる。
開口面積調整機構2a,2bの操作は、外気温の変化に合わせて開口面積比X/Yをマイコン等を用いて自動調整することも可能であるが、夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差により設定することも可能である。例えば、夏期には上階の開口面積調整機構2aを所定の半開位置とすることとし、本換気システムを設置する場所の夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差に応じて、半開位置における開口面積比X/Yを設定する。すなわち、地域によって半開位置における開口面積比X/Yを、その地域における夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差に応じて異ならせる。
開口面積比X/Yを調整する代わりに、少なくとも一方の換気装置1a,1bのフィルター45を交換可能にするなどして、上階の換気装置1aの流路抵抗Vと下階の換気装置1bの流路抵抗Wとの比V/Wを調整することで、上階と下階の換気量を略同じにすることもできる。
すなわち、夏期においては図17(b)に示すように下階の換気装置1bから外気が入り難くなるから、上階の換気装置1aの流路抵抗Vを下階の換気装置1bの流路抵抗Wより相対的に大きくすることで、図17(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。その際、図19に示すように、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(To-Ti)が大きいほど、上階の換気装置1aの流路抵抗Vと下階の換気装置1bの流路抵抗Wとの比V/Wが大きくなるように調整する。流路抵抗比V/Wは、夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差に応じて、地域によって異ならせることができる。
上下階の開口部には、換気装置1a,1bに換えて図6に示すような窓(単窓)53を設置することもできる。この場合も、1階又は2階の窓53の換気口27の開口面積を開口面積調整機構2により調整することで、1・2階の換気量を略同じにすることができる。
すなわち、夏期においては図17(b)に示すように1階の窓53から外気が入り難くなるから、2階の窓53の換気口27を半開、1階の窓53の換気口27を全開とすることで、図17(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。開口面積を調整する代わりに、フィルター39を交換するなどして、流路抵抗を調整してもよい。
上下階の開口部には、換気装置1a,1bに換えて図8に示すような二重窓51を設置することもできる。この場合も、内外温度差によって生ずる上下階の圧力差に応じて、1階又は2階の二重窓51の換気口36の開口面積を開口面積調整機構2により調整することで、1・2階の換気量を略同じにすることができる。
すなわち、夏期においては図17(b)に示すように下階の二重窓51から外気が入り難くなるから、2階の二重窓51の換気口36を半開、1階の二重窓51の換気口36を全開とすることで、図17(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。開口面積を調整する代わりに、フィルター39を交換するなどして、流路抵抗を調整してもよい。
第1・第2実施形態では、熱が移動する方向(冬期は室内から室外、夏期は室外から室内)とは逆向きに二重窓51に空気を流すことで、空気の流れる方向とは逆方向の熱輸送が妨げられることを利用して二重窓51に断熱性を持たせていたが、本参考例では熱が移動する方向(室外から室内)と同じ向きで二重窓53に空気を流している。すなわち参考例の換気システムは、図17(b)に示すように、室内空間圧力調整手段3を室内の空気を室外に吸い出す方向で回転させ、室内空間を負圧にする。それに伴い、二重窓51の換気経路6を通じて外気が室内に流入し、換気がなされる。
外窓14の換気口27より流入した外気は、外窓14の内側面に沿って下向きに流れ、中間層16の下まで流れてから折り返し、内窓15のガラスの室外側面に沿って上昇し、この間にガラスから室外に逃げる冷熱を空気の流れによって回収する。その後、内窓15上部の換気口36を通り、室内に流出する。
このように参考例の換気システムは、外窓14のガラスの内側面と内窓15のガラスの外側面に沿うように迂回して外気が流れることで、内窓15のガラスから逃げる冷熱を回収して室内に取り入れることで、室内が涼しく保たれ、冷房負荷を低減することができる。本参考例は、図1に示す第1実施形態と同じ構成で、空気の流れる向きも同じままで、夏期も断熱効果が得られるので、低コストである。本実施形態は、窓が北向きに設けてあるなど、窓に強い日射を受けない場合に効果的である。
以上に述べたように本換気システム(第1実施形態)は、上階と下階にそれぞれ設けた開口部を備え、上階と下階の開口部は、換気装置1a,1b又は窓51,53の何れかであり、上階と下階の開口部の少なくとも一方に流量調節手段(開口面積調節機構)2,2a,2bを有し、流量調節手段2,2a,2bにより下階の開口部を上階の開口部よりも相対的に外気が入り難くすることで、上下階の開口部から入ってくる外気の流量をほぼ同じにすることにより、室内外温度差により上下階に圧力差が生じていても、上階と下階の換気量を略同じにすることができ、冬期に下階に冷たい外気が必要以上に流入することを防げるので、暖房負荷を抑えることができる。
窓51は、外側ガラス(外窓)14と内側ガラス(内窓)15を有し、外側ガラス14の内側面と内側ガラス15の外側面に沿って外気が流れることで内側ガラス15から逃げる熱を回収することで、窓51から室内の熱が逃げるのを抑えられるため、暖房負荷をさらに抑えることができる。
上下階の開口部を窓51,53とすることで、外壁に給気・排気口が要らなくなるので、建物の美観を損ねない。
本換気システム(第2実施形態)は、上階と下階にそれぞれ設けた開口部を備え、上階と下階の開口部は、換気装置1a,1b又は窓51,53の何れかであり、上階と下階の開口部の少なくとも一方に流量調節手段2,2a,2bを有し、流量調節手段2,2a,2bにより上階の開口部を下階の開口部よりも相対的に内気が出やすくすることで、上下階の開口部から出る内気の流量をほぼ同じにすることにより、室内外温度差により上下階に圧力差が生じていても、上階と下階の換気量を略同じにすることができ、夏期に下階から涼しい内気が必要以上に流出することを防げるので、冷房負荷を抑えることができる。
窓51は、外側ガラス14と内側ガラス15を有し、外側ガラス14の内側面と内側ガラス15の外側面に沿って内気が流れることで外側ガラス14から入ってくる熱を捨てることで、窓から室外の熱が入ってくるのを抑えられるため、冷房負荷をさらに抑えることができる。
上下階の開口部を窓51,53とすることで、外壁に給気・排気口が要らなくなるので、建物の美観を損ねない。
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。換気装置は、換気が行えるものであればよく、その具体的な構成は問わない。実施形態では、1階の換気装置の換気口を狭めて流量の調整を行っているが、2階の換気装置の換気口を拡げて流量の調整を行うこともできる。また、換気口を狭めるのではなく、換気口に付くフィルターに通気抵抗の高いフィルターを使うことでも実現できる。窓の構造は適宜変更することができ、外窓と内窓とを備える二重窓に限らず、外側のガラスと内側のガラスを1つのフレーム(枠、框等)に支持した単体サッシとすることもできる。流量調節手段の構造は、適宜変更することができる。室内温度は、室内空間内のどこで計測してもよい。上階と下階の開口部は、換気装置と窓の何れであってもよく、例えば上階の開口部が換気装置で、下階の開口部を窓としたものであってもよい。本換気システムは、換気装置又は窓を空気が室外から室内にだけ流れるもの、室内から室外にだけ流れるもの、室外から室内と室内から室外の両方向に空気が流れるものの何れであってもよい。本換気システムは、1階と2階の換気に限らず、上下の複数の階にまたがるあらゆる換気システムに適用することができる。
1a,1b 換気装置
2,2a,2b 開口面積調整機構(流量調節手段)
3 室内空間圧力調整手段
14 外窓(外側ガラス)
15 内窓(内側ガラス)
39,45 フィルター(流量調節手段)
51,51a,51b,51c,51d 二重窓(窓)
53 窓
To 外気温
Ti 室内温度
X 上階の換気装置の開口面積
Y 下階の換気装置の開口面積
V 上階の換気装置の流路抵抗
W 下階の換気装置の流路抵抗

Claims (4)

  1. 上階と下階にそれぞれ設けた開口部と、上階と下階に連通する室内空間とを備え、上階と下階の開口部は、換気装置又は窓の何れかであり、上階と下階の開口部の少なくとも一方に流量調節手段を有し、室内空間には、室内空間を正圧及び負圧に調整することができる室内空間圧力調整手段を有し、外気温が室内温度より低い冬期において、室内空間圧力調整手段により室内空間を負圧に調整し、流量調節手段により外気温Toと室内温度Tiの温度差(Ti-To)が大きいほど下階の開口部を上階の開口部よりも相対的に外気が入り難くすることで、上下階の開口部から入ってくる外気の流量をほぼ同じにすることを特徴とする換気システム。
  2. 窓は、外側ガラスと内側ガラスを有し、外側ガラスの内側面と内側ガラスの外側面に沿って外気が流れることで内側ガラスから逃げる熱を回収することを特徴とする請求項1記載の換気システム。
  3. 上階と下階にそれぞれ設けた開口部と、上階と下階に連通する室内空間とを備え、上階と下階の開口部は、換気装置又は窓の何れかであり、上階と下階の開口部の少なくとも一方に流量調節手段を有し、室内空間には、室内空間を正圧及び負圧に調整することができる室内空間圧力調整手段を有し、外気温が室内温度より高い夏期において、室内空間圧力調整手段により室内空間を正圧に調整し、流量調節手段により外気温Toと室内温度Tiの温度差(To-Ti)が大きいほど上階の開口部を下階の開口部よりも相対的に内気が出やすくすることで、上下階の開口部から出る内気の流量をほぼ同じにすることを特徴とする換気システム。
  4. 窓は、外側ガラスと内側ガラスを有し、外側ガラスの内側面と内側ガラスの外側面に沿って内気が流れることで外側ガラスから入ってくる熱を捨てることを特徴とする請求項3記載の換気システム。
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