以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1及び図2は、実施形態にかかるトイレ装置及び衛生洗浄装置を表す斜視図である。 図1及び図2に表したように、トイレ装置2は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)4と、衛生洗浄装置10と、を備える。衛生洗浄装置10は、便器4の上に取り付けられる。衛生洗浄装置10は、便器4に対して一体的に取り付けてもよいし、便器4に対して着脱可能に取り付けてもよい。なお、図2では、便宜的に、便器4の図示を省略している。
衛生洗浄装置10は、本体部12と、便座14と、便蓋16と、を有する。便蓋16は、衛生洗浄装置10に必要に応じて設けられ、省略可能である。便座14と便蓋16とは、本体部12に対して回転可能に軸支されている。
ここで、本願明細書においては、便座14に座った使用者からみて上方を「上方」とし、便座14に座った使用者からみて下方を「下方」とする。また、開いた状態の便蓋16に背を向けて便座14に座った使用者からみて前方を「前方」とし、後方を「後方」とし、右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。
便器4は、ボウル部4aを有する。ボウル部4aは、下方に凹む凹状である。便器4は、ボウル部4aにおいて使用者の尿や便などの排泄物を受ける。
衛生洗浄装置10の本体部12は、便器4のボウル部4aよりも後方の部分の上に取り付けられる。本体部12は、ケースカバー20を有する。本体部12は、ケースカバー20において、便座14及び便蓋16を回転可能に軸支する。
ケースカバー20は、延出部22を有する。延出部22は、ボウル部4aの後端部分よりも前方に延びる。延出部22は、例えば、前方に向かって下降傾斜している。延出部22は、湾曲凹面24を有する。湾曲凹面24は、延出部22の左右方向の中央部に設けられ、ボウル部4aの開口端の形状に沿って凹状に湾曲している。
図3は、実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成を表すブロック図である。
図3に表したように、衛生洗浄装置10は、電磁弁40と、洗浄水加熱部42と、流量切替弁44と、流路切替弁46と、噴出ノズル50と、ノズルモータ52と、ノズル洗浄室54と、温風乾燥ユニット60と、制御部62と、電源回路64と、操作部66と、を有する。なお、図3では、衛生洗浄装置10の水路系の要部構成と電気系の要部構成とを併せて表している。
噴出ノズル50は、先端部に設けられた噴出口56を有する。噴出ノズル50は、給水源WSから供給された洗浄水を噴出口56から噴出して、便座14に座った使用者の人体局部(例えば「おしり」など)を洗浄する。
例えば、図3に表したように、本実施形態にかかる衛生洗浄装置10は、水道や貯水タンクなどの給水源WSから供給された水を噴出ノズル50の噴出口56に導く流路70を有する。流路70の上流側には、電磁弁40が設けられている。電磁弁40は、開閉可能な電磁バルブであり、制御部62からの指令に基づいて水の供給を制御する。つまり、電磁弁40は、給水源WSから供給される水の噴出ノズル50への給水と止水とを切り替える。
電磁弁40の下流には、洗浄水加熱部42が設けられている。洗浄水加熱部42は、ヒータにより、給水源WSから供給された水を加熱して例えば規定の温度まで昇温させる。洗浄水加熱部42は、給水源WSから供給された水を、設定された温度の温水に変換する。
洗浄水加熱部42は、例えばセラミックヒータなどを用いた瞬間加熱式(瞬間式)の熱交換器でもよいし、貯湯タンクを用いた貯湯加熱式の熱交換器でもよい。使用者は、操作部66を操作することにより温水温度を設定することができる。
洗浄水加熱部42の下流には、流量の調整を行う流量切替弁44と、噴出ノズル50やノズル洗浄室54への給水の開閉や給水先の切替を行う流路切替弁46と、が設けられている。流量切替弁44は、噴出ノズル50を流れる水の流量を調整する。流路切替弁46は、給水先(流路の接続先)を噴出ノズル50およびノズル洗浄室54のいずれかに切り替えることができる。流量切替弁44および流路切替弁46は、1つのユニットとして設けられていてもよい。
流量切替弁44および流路切替弁46の下流には、噴出ノズル50が設けられている。噴出ノズル50は、ノズルモータ52からの駆動力を受け、便器4のボウル部4a内に進出したり、ケースカバー20の内部に後退することができる。つまり、ノズルモータ52は、制御部62からの指令に基づいて噴出ノズル50を進退させることができる。
ケースカバー20は、開口20aと、ノズルダンパ25と、を有する。開口20aは、噴出ノズル50と対向する位置に設けられる。噴出ノズル50は、開口20aを介してケースカバー20の内外に進退する。噴出ノズル50は、ケースカバー20の外に進出した状態において、噴出口56から洗浄水を噴出する。
ノズルダンパ25は、ケースカバー20に回転可能に取り付けられ、開口20aを開閉する。ノズルダンパ25は、例えば、噴出ノズル50の後退時に、自重で垂下することにより、開口20aを塞ぐ。そして、ノズルダンパ25は、例えば、噴出ノズル50の進出時に、噴出ノズル50に押されて回動することにより、開口20aを開放させる。ノズルダンパ25は、例えば、駆動機構などを用い、制御部62の制御に基づいて開閉させてもよい。
ノズル洗浄室54は、その内部に設けられた図示しない吐水部から殺菌水あるいは水を噴射することにより、噴出ノズル50の外周表面(胴体)を殺菌あるいは洗浄することができる。あるいは、ノズル洗浄室54は、収納された状態の噴出ノズル50の噴出口56の部分を殺菌あるいは洗浄することができる。
温風乾燥ユニット60は、同じく便座に座った使用者の人体局部(「おしり」など)に向けて温風を吹き出すことにより、洗浄で濡れた使用者の人体局部を乾燥させる。温風乾燥ユニット60は、制御部62に接続されている。温風乾燥ユニット60は、制御部62からの指令に基づいて温風の吹き出し、及び温風の停止を切り替える。
ケースカバー20は、開口20bと、温風ダンパ26と、を有する。開口20bは、温風乾燥ユニット60と対向する位置に設けられる。温風乾燥ユニット60は、開口20bを介してケースカバー20の外部に温風を吹き出す。温風ダンパ26は、ケースカバー20に回転可能に取り付けられ、開口20bを開閉する。温風ダンパ26は、例えば、温風の停止時に、自重で垂下することにより、開口20bを塞ぐ。そして、温風ダンパ26は、例えば、温風の吹き出し時に、風圧で押されて回動することにより、開口20bを開放させる。温風ダンパ26は、ノズルダンパ25と同様に、制御部62の制御に基づいて開閉させてもよい。
制御部62は、電源回路64を介して供給電源PSから電力を供給され、操作部66などからの信号に基づいて電磁弁40、洗浄水加熱部42、流量切替弁44、流路切替弁46、ノズルモータ52、及び温風乾燥ユニット60などの動作を制御する。例えば、制御部62は、温風乾燥ユニット60による温風の吹き出し、及び吹き出しの停止を制御する。
供給電源PSは、例えば、交流電源である。供給電源PSは、例えば、交流100V(実効値)の商用電源である。電源回路64は、例えば、供給電源PSから供給された100Vの交流電力を、5V、12V、24Vなどの直流電力に変換する。そして、電源回路64は、変換後の5V、12V、24Vの各直流電力、及び100Vの交流電力を、衛生洗浄装置10の各部に供給する。これにより、電源回路64からの電力供給に応じて、衛生洗浄装置10の各部が動作する。
図4は、実施形態に係る衛生洗浄装置の温風乾燥ユニットを表す斜視図である。
図5は、実施形態に係る衛生洗浄装置の温風乾燥ユニットを表す側面図である。
図4及び図5に表したように、温風乾燥ユニット60は、ファンユニット100と、ダクトユニット102と、空気加熱部104と、温度センサ106と、駆動基板108と、を有する。なお、図5では、ダクトユニット102の一部を省略することにより、温風乾燥ユニット60の内部構成を表している。
ファンユニット100は、駆動に応じて空気を吸引し、吸引した空気を噴出する。ファンユニット100は、制御部62によって制御され、制御部62の制御に基づいて空気を噴出する。制御部62は、例えば、操作部66で予め設定された風量に基づいて、ファンユニット100を動作させる。
ダクトユニット102は、ファンユニット100を保持する保持部102aと、ファンユニット100から噴出された空気をケースカバー20の開口20bに導くダクト部102bと、吹き出し口102dが設けられた先端部102cと、駆動基板108を収容する基板収容部102eと、を有する。先端部102cは、ダクト部102bの先端に設けられ、吹き出し口102dをケースカバー20の開口20bの直後に配置する。
図6は、ダクトユニットの吹き出し口の模式拡大図である。なお、図6は、図4におけるダクトユニット102の吹き出し口102dをC方向から見た図である。
図7は、実施形態に係る衛生洗浄装置の温風乾燥ユニットを表す断面図である。
図7は、図5のB1−B2線断面を表す。
図6及び図7に表したように、ダクトユニット102の先端部102cには、桟150が設けられている。桟150は、吹き出し口102dの内部に設けられている。桟150は、吹き出し口102dの内部を所定の方向に延びている。図6に例示をした桟150は、吹き出し口102dの内部を上下方向に延びている。なお、桟150は、例えば、吹き出し口102dの内部を左右方向に延びていてもよい。
桟150は、柱状を呈するものであってもよいし、板状を呈するものであってもよい。図7に例示をしたように、板状を呈する桟150とした場合には、桟150はルーバの機能を有するものとすることができる。
前述のように、ケースプレート28の左右方向の略中央には、噴出ノズル50が設けられ、温風乾燥ユニット60は、ケースプレート28の左右方向の中央に対して左側にオフセットして配置されている。各桟150がルーバの機能を有するものである場合には、各桟150は、吹き出し口102dから吹き出される風の向きを、例えば、左右方向の中央側に変化させる。すなわち、各桟150は、吹き出し口102dから吹き出される風の向きを、使用者の「おしり」に向けて変化させる。
また、図7に表したように、ダクト部102bは、前方に向かうに従って、左右方向の中央から離間する方向に傾斜する。これにより、例えば、ノズルダンパ25と温風ダンパ26とが同時に開いた場合の両者の接触を抑制できるように、開口20a、20bの間に適切な間隔を設定した場合にも、ファンユニット100をより噴出ノズル50側に寄せて配置することができる。ケースカバー20内に無駄な空間が生じることを抑制し、ケースカバー20内の収納スペースをより効率良く活用することができる。
また、左右方向の中央から離間するようにダクト部102bを傾斜させることにより、吹き出し口102dから吹き出される風の整流性を高めることもできる。吹き出し口102dから直進して出て行く風を抑制することができる。吹き出し口102dから吹き出される風の向きを、各桟150により、左右方向の中央側により適切に変化させることができる。無駄な風の発生を抑制し、電力消費をより削減することができる。なお、温風乾燥ユニット60は、ケースプレート28の左右方向の中央に対して右側にオフセットさせて配置してもよい。
ここで、図5に表したように、ダクト部102b内には空気加熱部104が設けられている。空気加熱部104から放出された温風は、吹き出し口102dに到達するまでの間に温度が低下する。そのため、吹き出し口102dと空気加熱部104との間の距離を短くすれば、熱効率の向上、ひいては空気加熱部104における温度の低減による空気加熱部104の長寿命化を図ることができる。
ところが、吹き出し口102dと空気加熱部104との間の距離を短くすると、吹き出し口102dから侵入した人の指が加熱状態にある空気加熱部104と接触するおそれがある。例えば、吹き出し口102dと空気加熱部104との間の最短距離を57.7mm以下とすれば、吹き出し口102dから侵入した人の指が空気加熱部104と接触し易くなる。
この場合、吹き出し口102dを小さくすれば、吹き出し口102dから人の指が侵入するのを抑制することができる。しかしながら、吹き出し口102dを小さくすれば、温風乾燥ユニットから放出される温風の風量が少なくなる。
そのため、本実施の形態に係るダクトユニット102においては、吹き出し口102dの内部に桟150を設けることで、温風の風量を確保するとともに、安全性を向上させるようにしている。
桟150の数には限定がなく、吹き出し口102dの大きさに応じて適宜決定することができる。この場合、桟150の数を多くして、桟150同士の間の距離、及び桟150と吹き出し口102d(先端部102c)の内壁との間の距離を短くすれば、人の指の侵入を抑制するのが容易となる。
ところが、桟150の数を多くすると、吹き出し口102dの有効面積が小さくなり、また流路抵抗も大きくなるので、温風の風量が少なくなるおそれがある。
一方、桟150の数を少なくすると、温風の風量の確保は容易となるが、人の指の侵入が容易となってしまう。
本発明者の得た知見によれば、直径寸法が8.5mmの柱状体152が吹き出し口102dから侵入しないようにすれば、人の指の侵入を抑制することができる。
そこで、本実施の形態に係るダクトユニット102においては、吹き出し口102dの内部に凸部151を設けることで、桟150の数を少なくして温風の風量を確保するとともに、人の指の侵入を抑制するようにしている。
桟150と凸部151は協働して、直径寸法が8.5mmの柱状体152が吹き出し口102dから先端部102cの内部に侵入するのを抑制する。
凸部151は、桟150及び吹き出し口102dの内壁の少なくともいずれかに設けることができる。図6に例示をした凸部151は、桟150に設けられている。
凸部151の断面形状には特に限定がない。凸部151の断面形状は、例えば、三角形、四角形、台形、半円形などとしてもよい。図6に例示をした凸部151の断面形状は四角形である。
凸部151の高さ寸法(突出寸法)、数、配設位置には特に限定がなく、図6に表すように、直径寸法が8.5mmの柱状体152が吹き出し口102dから侵入しないようになればよい。すなわち、凸部151の高さ寸法、数、配設位置は、桟150同士の間の距離、及び桟150と吹き出し口102dの内壁との間の距離に応じて適宜変更することができる。
この場合、凸部151の高さ寸法を長くしすぎたり、凸部151の数を多くしすぎたりすると、温風の風量が低下するおそれがある。そのため、凸部151の高さ寸法や数は、なるべく小さくすることが好ましい。
そのため、桟150同士の間の距離、及び桟150と吹き出し口102dの内壁との間の距離が8.5mm以上となった場合には、凸部151を設けるようにすればよい。
例えば、桟150同士の間の距離が8.5mm以上の場合には、互いに対峙する桟150の少なくともいずれかに凸部151が設けられる。
桟150と吹き出し口102dの内壁との間の距離が8.5mm以上の場合には、桟150および吹き出し口102dの内壁の少なくともいずれかに凸部151が設けられる。
吹き出し口102dの中央領域の風量は、吹き出し口102dの周縁領域の風量よりも多くなるようにすることが好ましい。そのため、吹き出し口102dの中央領域に設けられる桟150同士の間の距離は、8.5mm以上となる場合が多い。
この様な場合には、吹き出し口102dの中央領域において互いに対峙する桟150の少なくともいずれかに凸部151を設ければよい。なお、図6に例示をしたものの場合には、吹き出し口102dの中央領域において互いに対峙する桟150の両方に凸部151を設けている。
本実施の形態によれば、温風の風量を確保するとともに、安全性を向上させることができる。また、吹き出し口102dと空気加熱部104との間の距離を短くすることができる。すなわち、人の指が空気加熱部104と接触することがないので、吹き出し口102dと空気加熱部104との間の最短距離を57.7mm以下とすることができる。そのため、熱効率の向上、ひいては空気加熱部104における温度の低減による空気加熱部104の長寿命化を図ることができる。
図4及び図5に表したように、空気加熱部104は、ダクト部102b内に設けられ、ダクト部102b内を通過する空気を加熱する。空気加熱部104には、例えば、AC100V系のニクロム線ヒータが用いられる。
温度センサ106は、ダクト部102b内において、空気加熱部104よりも空気の進行方向の下流側に設けられ、空気加熱部104によって加熱された空気の温度を検出する。温度センサ106は、例えば、制御部62に接続され、検出結果を制御部62に入力する。温度センサ106には、例えば、サーミスタが用いられる。
駆動基板108は、基板収容部102e内に収容される。駆動基板108は、例えば、制御部62及び空気加熱部104に接続され、制御部62の指示に応じて空気加熱部104を駆動する。制御部62は、例えば、操作部66を介して予め設定された温度に基づいて、空気加熱部104を駆動させるとともに、温度センサ106の検出結果に応じて空気加熱部104の駆動をフィードバック制御する。これにより、使用者が設定した所望の風量及び温度の温風が、ケースカバー20の開口20bから噴出される。
ダクトユニット102には、端子台110が設けられている。端子台110は、例えば、ダクトユニット102の外面に着脱可能に取り付けられる。端子台110は、温風乾燥ユニット60と制御部62との電気的な接続を中継するコネクタ111〜113を保持する。端子台110は、例えば、ダクトユニット102に取り付けられた状態において、コネクタ111〜113をダクトユニット102に剛体結合させる。端子台110は、例えば、係合爪をコネクタ111〜113に設けられた溝に係合させることにより、コネクタ111〜113を着脱可能に保持する。
コネクタ111は、例えば、温度センサ106と制御部62との電気的な接続を中継する。コネクタ112は、例えば、駆動基板108と制御部62との電気的な接続を中継する。コネクタ113は、例えば、ファンユニット100と制御部62との電気的な接続を中継する。
温度センサ106には、例えば、コネクタ111を介して5Vの直流電圧が印加される。駆動基板108には、例えば、コネクタ112を介して5Vの直流電圧が印加される。ファンユニット100には、例えば、コネクタ113を介して24Vの直流電圧が印加される。
一方、空気加熱部104に100Vの交流電圧が印加される場合、交流電圧は、図示を省略した配線やコネクタなどを介して駆動基板108に印加され、駆動基板108を介して空気加熱部104に印加される。このように、端子台110は、例えば、直流電圧系のコネクタ111〜113のみを保持する。
100Vの交流電圧に用いられるコネクタでは、サイズが大きくなり、重量も重くなる。従って、端子台110は、比較的軽量な直流電圧系のコネクタ111〜113のみを保持する。これにより、各コネクタ111〜113を適切に保持することができる。例えば、ファンユニット100の駆動にともなう振動により、保持したコネクタがガタついてしまうことを抑制することができる。
図8(a)〜図8(c)は、ファンユニットを表す斜視図及び断面図である。
図8(a)〜図8(c)に表したように、ファンユニット100は、ファンモータ120と、ファンモータ120を収容するハウジング122と、を有する。なお、図8(c)は、図8(a)のA1−A2線断面を表す。
ファンモータ120は、モータ部123と、回転軸RAを中心にモータ部123に回転可能に設けられた羽根部124と、を有する。モータ部123は、例えば、直流のブラシレスモータである。羽根部124は、例えば、シロッコファンである。ファンモータ120の外形形状は、例えば、円板状である。ファンモータ120の回転軸RAと平行な方向の長さ(幅)は、ファンモータ120の回転軸RAと直交する方向の長さ(直径)よりも短い。
ハウジング122は、ファンモータ120を囲む箱状である。ハウジング122(ファンユニット100)の外形形状は、ファンモータ120の外形形状よりも僅かに大きい程度に設定される。ハウジング122の回転軸RAと平行な方向の長さD1は、ハウジング122の回転軸RAと直交する方向の長さD2よりも短い。換言すれば、ファンユニット100の回転軸RAと平行な方向の長さD1は、ファンユニット100の回転軸RAと直交する方向の長さD2よりも短い。
ハウジング122は、モータ支持部125と、メイン吸気口126と、補助吸気口127と、噴出口128と、を有する。モータ支持部125は、回転軸RAの一方側においてファンモータ120と対向して設けられ、ファンモータ120のモータ部123を支持する。
メイン吸気口126は、回転軸RAの他方側においてファンモータ120と対向して設けられ、ファンモータ120の少なくとも一部を露呈させる。メイン吸気口126は、略円形の貫通孔である。メイン吸気口126の直径は、羽根部124の直径と同程度に形成される。すなわち、メイン吸気口126は、ファンモータ120の略全体を露呈させる。
補助吸気口127は、回転軸RAの一方側においてモータ支持部125の周囲に設けられ、ファンモータ120の一部を露呈させる。補助吸気口127は、例えば、複数設けられる。各補助吸気口127は、モータ支持部125の周囲において、回転軸RA周りに並べて設けられる。この際、補助吸気口127の数を5つ以上とし、モータ支持部125が、放射状に延びる少なくとも5つの接続部129を介して周囲の部分と接続されるようにする。これにより、例えば、モータ部123の支持強度を高めることができる。例えば、モータ部123の駆動にともなう温風乾燥ユニット60の振動を抑制することができる。
噴出口128は、回転軸RAと直交する向きに設けられる。噴出口128は、回転軸RAと直交する方向において、羽根部124の一部を露呈させる。
これにより、ファンユニット100では、モータ部123を駆動させ、羽根部124を回転させることにより、メイン吸気口126及び各補助吸気口127から空気が吸引され、吸引された空気が噴出口128から噴出される。
図9は、ダクトユニットを表す分解斜視図である。
図9に表したように、ダクトユニット102は、ファンモータ120の回転軸RAと直交する断面において分けられた第1ダクト部材141と、第2ダクト部材142と、を有する。ダクトユニット102は、第1ダクト部材141と第2ダクト部材142とでファンユニット100を挟むことにより、保持部102aにおいてファンユニット100を保持する。
第1ダクト部材141は、ファンユニット100を保持した状態において、各補助吸気口127を露呈させる開口141aを有する。第2ダクト部材142は、ファンユニット100を保持した状態において、メイン吸気口126を露呈させる開口142aを有する。
また、第1ダクト部材141は、複数の板バネ部143〜148を有する。板バネ部143〜146は、開口141aの周囲に設けられ、ファンユニット100を保持した状態において、回転軸RAと平行な方向にファンユニット100を押圧し、ファンユニット100の回転軸RAと平行な方向の位置を規制する。板バネ部143〜146は、換言すれば、ファンユニット100を第2ダクト部材142に押し付け、ファンユニット100の位置を規制する。
板バネ部147、148は、回転軸RAと平行な方向に延び、ファンユニット100を保持した状態において、回転軸RAと直交する方向にファンユニット100を押圧し、ファンユニット100の回転軸RAと直交する方向の位置を規制する。
このように、ダクトユニット102は、第1ダクト部材141と第2ダクト部材142とでファンユニット100を挟むとともに、板バネ部143〜148でファンユニット100の位置決めを行う。これにより、ファンモータ120の駆動にともなうファンユニット100の振動を抑制することができる。板バネ部143〜148の数は、上記に限ることなく、ファンユニット100の位置を決めることができる任意の数でよい。
ダクトユニット102の回転軸RAと平行な方向の長さD3(図4参照)は、ファンユニット100の回転軸RAと平行な方向の長さD1よりも僅かに長い程度である。より詳しくは、長さD3は、長さD1に第1ダクト部材141及び第2ダクト部材142の肉厚分を足した長さである。
同様に、ダクトユニット102の回転軸RAと直交する方向の長さD4(図4参照)は、ファンユニット100の回転軸RAと直交する方向の長さD2よりも僅かに長い程度である。
従って、ダクトユニット102の回転軸RAと平行な方向の長さD3は、ダクトユニット102の回転軸RAと直交する方向の長さD4よりも短い。換言すれば、温風乾燥ユニット60の回転軸RAと平行な方向の長さD3は、温風乾燥ユニット60の回転軸RAと直交する方向の長さD4よりも短い。
図10は、実施形態に係る衛生洗浄装置を表す平面図である。
図10は、ケースカバー20を省略した状態の衛生洗浄装置10の平面図を表している。
図10に表したように、衛生洗浄装置10は、ケースプレート28を有する。ケースプレート28は、ケースカバー20の下端を塞ぐ。換言すれば、ケースカバー20は、ケースプレート28の上に取り付けられる。また、衛生洗浄装置10において、電磁弁40、洗浄水加熱部42、流量切替弁44、流路切替弁46、噴出ノズル50、温風乾燥ユニット60、制御部62、及び電源回路64などの各部は、ケースプレート28の上に取り付けられる。
噴出ノズル50は、ケースプレート28の左右方向の略中央に設けられる。電磁弁40、洗浄水加熱部42、流量切替弁44、流路切替弁46、制御部62、及び電源回路64は、噴出ノズル50に対して左右の一方側に設けられる。この例において、これらは、噴出ノズル50の右側に配置されている。
一方、温風乾燥ユニット60は、噴出ノズル50に対して左右の他方側に設けられる。温風乾燥ユニット60は、噴出ノズル50を挟んで、電磁弁40、洗浄水加熱部42、流量切替弁44、流路切替弁46、制御部62、及び電源回路64の反対側に配置される。
また、図10に表したように、温風乾燥ユニット60は、回転軸RAが略水平となり、吹き出し口102dが前方を向き、かつメイン吸気口126が、洗浄水加熱部42、制御部62、及び電源回路64などの熱源側を向いた状態で、ケースプレート28に取り付けられる。熱源は、衛生洗浄装置10の動作時に、ケースカバー20内において発熱する任意の部材でよい。熱源は、例えば、洗浄水加熱部42、制御部62、及び電源回路64の少なくともいずれかを含む。
このように、メイン吸気口126を熱源側に向けて温風乾燥ユニット60を取り付ける。すなわち、ファンユニット100が、ファンモータ120の駆動時に、熱源によって温められた空気を吸引するようにする。これにより、空気加熱部104において必要となる加熱量を抑え、電力消費を削減することができる。
前述のように、温風乾燥ユニット60の回転軸RAと平行な方向の長さD3は、温風乾燥ユニット60の回転軸RAと直交する方向の長さD4よりも短い。従って、図10に示すように温風乾燥ユニット60を取り付けた場合、温風乾燥ユニット60の左右方向の長さ(幅)は、上下方向の長さ(高さ)よりも短くなる。換言すれば、温風乾燥ユニット60は、ケースカバー20内に縦型に配置される。これにより、例えば、温風乾燥ユニット60をケースカバー20内に効率良く配置することができる。ケースカバー20内の収納スペースを効率良く活用することができる。
衛生洗浄装置10は、例えば、第1脱臭ユニット81と、第2脱臭ユニット82と、をさらに備える。第1脱臭ユニット81は、便器4のボウル部4a内の空気を吸引し、吸引した空気に含まれる臭気成分を低減させた後、ケースカバー20の外に排出する。第2脱臭ユニット82は、トイレ装置2が設置された室内の空気を吸引し、吸引した空気に含まれる臭気成分を低減させた後、ケースカバー20の外に排出する。
温風乾燥ユニット60は、噴出ノズル50の左側に隣接して配置される。第1脱臭ユニット81は、温風乾燥ユニット60の左側に隣接して配置される。換言すれば、温風乾燥ユニット60は、噴出ノズル50と第1脱臭ユニット81との間に配置される。第2脱臭ユニット82は、第1脱臭ユニット81の左側に隣接して配置される。温風乾燥ユニット60、第1脱臭ユニット81、及び第2脱臭ユニット82の配置は、上記に限ることなく、任意の配置でよい。
図11は、温風乾燥ユニットの取り付け状態を表す部分断面図である。
図4、図5、及び図11に表したように、温風乾燥ユニット60のダクトユニット102は、係合部102f、102gと、当接部102hと、をさらに有する。係合部102fは、ダクトユニット102の下部後端側に設けられ、ケースプレート28の被係合部28aと係合する。係合部102gは、ダクトユニット102の下部前端側に設けられ、ケースプレート28の被係合部28bと係合する。
当接部102hは、ダクトユニット102の下部において、係合部102fと係合部102gとの間に設けられる。当接部102hは、各係合部102f、102gが各被係合部28a、28bと係合した状態で、ケースプレート28の上面28uに当接する。
また、当接部102hは、係合部102fが被係合部28aと係合し、かつ当接部102hがケースプレート28の上面28uに当接した状態において、係合部102gが被係合部28bよりも僅かに上方に位置するように、高さ方向の寸法が調整されている。
温風乾燥ユニット60の取り付けにおいては、係合部102fを被係合部28aに係合させ、当接部102hをケースプレート28の上面28uに当接させる。この状態で、当接部102hを支点に、ダクトユニット102の前端部を僅かに下方に撓ませながら、係合部102gを被係合部28bに係合させる。これにより、温風乾燥ユニット60が、ケースプレート28に取り付けられる。
上記のように取り付けを行うことにより、温風乾燥ユニット60は、上方に向かって弓なり状に反った状態で、ケースプレート28に取り付けられる。これにより、温風乾燥ユニット60をケースプレート28に、より密着させて取り付けることができる。例えば、温風乾燥ユニット60を縦型に配置する場合にも、適切な取り付け強度を得ることができる。例えば、ファンモータ120の駆動時の温風乾燥ユニット60の振動を抑制し、異音の発生などを抑制することができる。
図4、図5、及び図11に表したように、ファンモータ120の噴出口128は、羽根部124の回転方向RDの接線方向に延びた位置に設けられる。そして、ハウジング122は、噴出口128を上方に配置した状態で、ファンモータ120を保持する。換言すれば、ハウジング122は、羽根部124の外周側から噴出される風が、羽根部124の内周側から噴出される風よりも上方に配置されるように、ファンモータ120を保持する。
ダクトユニット102のダクト部102bは、前方に向かって下降傾斜し、上から吹き降ろすように風を導く。また、ダクト部102bは、前方に向かって上端側を下方に萎ませる。ダクト部102bの上下方向の長さは、前方に向かうに従って短くなる。
温風乾燥ユニット60を縦型に配置した場合、ケースプレート20の開口20bとの位置の関係上、上記のように、ダクト部102bの前端側を下方に萎ませる必要が生じる。また、ファンモータ120から噴出される風は、羽根部124の内周側よりも、羽根部124の外周側の方が速くなる傾向にある。
この際、風速の遅い側が、風速の速い側よりも上方に位置していると、遅い風が、ダクト部102b内部の上部の傾斜面に当接することとなり、圧力損失が大きくなってしまう。また、空気加熱部104によって温められた温風が、ダクト部102b内に滞留すると、例えば、ダクト部102bの温度が過度に上昇してしまう可能性が生じる。例えば、ダクト部102bの耐久性の低下を招いてしまう。
このため、上記のように、羽根部124の外周側から噴出される風が、羽根部124の内周側から噴出される風よりも上方に配置されるように、ファンモータ120を保持する。これにより、ファンモータ120から噴出された風が、ダクト部102b内で滞留してしまうことを抑制することができる。例えば、圧力損失を抑制し、無駄な電力消費を削減することができる。
図12(a)及び図12(b)は、温風乾燥ユニットの先端部を表す断面図である。
図12(a)は、温風乾燥ユニット60の先端部102cの部分の垂直方向の断面を表し、図12(b)は、水平方向の断面を表している。
図12(a)に表したように、ダクトユニット102は、先端部102cの下端に設けられ、前方に向かって上方傾斜する上方傾斜部152を有する。上方傾斜部152は、吹き出し口102dから吹き出される風を、上方に向けて吹き上げさせる。これにより、吹き出し口102dから吹き出される風を、より適切に使用者の「おしり」に当てることができる。従って、無駄な風の発生を抑制し、電力消費をより削減することができる。
また、図12(a)及び図12(b)に表したように、ダクトユニット102は、先端部102cの上端から上方及び左右方向に延びる縦板部154と、縦板部154の上部から前方に向かって延びる横板部156と、をさらに有する。
ケースカバー20は、下方及び左右方向に延びる板部20cを有する。板部20cの下端は、縦板部154の上端よりも下方に位置する。板部20cは、例えば、下方に向かって延び、縦板部154の上端の後方及び側方を覆う。換言すれば、板部20cは、縦板部154とケースカバー20との間に空く隙間を後方から覆う。
このように、ダクトユニット102に縦板部154を設ける。これにより、例えば、温風ダンパ26に小水がかかり、図12(a)及び図12(b)に表したように温風ダンパ26が開いてしまった場合に、温風ダンパ26とケースカバー20との間に空く隙間(開口20b)から、ケースカバー20内に小水が侵入してしまうことを抑制することができる。
ダクトユニット102に横板部156を設けることにより、ケースカバー20内への小水の侵入をより抑制することができる。そして、ケースカバー20に板部20cを設けることにより、ケースカバー20内への小水の侵入を、さらに抑制することができる。
図13(a)及び図13(b)は、温風乾燥ユニットの先端部を表す側面図である。
図13(a)及び図13(b)に表したように、先端部102cは、ダクト部102bとは別体に形成され、ダクト部102bの前端に取り付け可能に構成されている。先端部102cは、例えば、係合部160を有する。先端部102cは、係合部160をダクト部102bに設けられた被係合部162に係合させることにより、ダクト部102bの前端に取り付けられる。先端部102cは、例えば、ダクト部102bの前端に着脱可能に取り付けられる。
このように、先端部102cをダクト部102bの前端に取り付け可能な構成とする。これにより、例えば、先端部102cのみを取り替えることで、ケースカバー20の形状が異なる複数の機種に、温風乾燥ユニット60を適用することができる。複数の機種間において部品の共用化を図り、温風乾燥ユニット60及び衛生洗浄装置10の製造コストを削減することができる。
この際、桟150及び上方傾斜部152は、取り付け可能な先端部102cに設ける。これにより、異なる複数の機種において、使用者の「おしり」に適切に風を当てることができる。無駄な風の発生を抑制し、電力消費を削減することができる。
同様に、縦板部154及び横板部156は、取り付け可能な先端部102cに設ける。これにより、異なる複数の機種において、ケースカバー20内への小水の侵入を適切に抑制することができる。
なお、先端部102cの取付方法は、上記に限ることなく、ダクト部102bの前端に取り付け可能な任意の方法でよい。先端部102cは、例えば、ダクト部102bの前端に取り付けた後、ダクト部102bから簡単には取り外せない構成としてもよい。例えば、先端部102cは、接着などによってダクト部102bの前端に固定してもよい。
以上、説明したように、本実施形態に係る衛生洗浄装置10によれば、ファンユニット100が、ファンモータ120の駆動時に、熱源によって温められた空気を吸引する。これにより、空気加熱部104において必要となる加熱量を抑え、電力消費を削減することができる。電力消費を削減可能な衛生洗浄装置10を提供することができる。
また、衛生洗浄装置10では、温風乾燥ユニット60が、上方に向かって弓なり状に反った状態で、ケースプレート28に取り付けられる。これにより、温風乾燥ユニット60をケースプレート28に、より密着させて取り付けることができる。例えば、ファンモータ120の駆動時の温風乾燥ユニット60の振動を抑制し、異音の発生などを抑制することができる。
また、衛生洗浄装置10では、ダクト部102bが、前方に向かって下降傾斜するとともに、前方に向かって上端側を下方に萎ませ、ハウジング122が、ファンモータ120の回転の外周側から噴出される風が、内周側から噴出される風よりも上方に配置されるように、ファンモータ120を保持する。これにより、ファンモータ120から噴出された風が、ダクト部102b内で滞留してしまうことを抑制することができる。例えば、圧力損失を抑制し、無駄な電力消費をより削減することができる。
また、衛生洗浄装置10では、ダクトユニット102が、上方傾斜部152を有する。これにより、吹き出し口102dから吹き出される風を、より適切に人体局部に当てることができる。従って、無駄な風の発生を抑制し、電力消費をより削減することができる。
また、衛生洗浄装置10では、ダクトユニット102が、縦板部154を有する。これにより、ケースカバー20内に小水が侵入してしまうことを抑制することができる。
また、衛生洗浄装置10では、先端部102cが、ダクト部102bの前端に取り付け可能である。これにより、先端部102cのみを取り替えることで、ケースカバー20の形状が異なる複数の機種に、温風乾燥ユニット60を適用することができる。
また、衛生洗浄装置10では、ダクト部102bが、前方に向かうに従って、左右方向の中央から離間する方向に傾斜する。これにより、吹き出し口102dから吹き出される風の整流性を高めることができる。吹き出し口102dから直進して出て行く風を抑制することができる。吹き出し口102dから吹き出される風の向きを、桟150により、左右方向の中央側に適切に変化させることができる。無駄な風の発生を抑制し、電力消費をより削減することができる。
また、衛生洗浄装置10では、温風乾燥ユニット60が、端子台110を有する。これにより、ファンモータ120の駆動時の各コネクタ111〜113の振動を抑制し、異音の発生などを抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ装置2や衛生洗浄装置10などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。