JP6489147B2 - クラッチ操作装置 - Google Patents

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本発明は、作動部に動力を伝動するクラッチを接続状態と遮断状態に切替えるクラッチ操作装置に関するものである。
例えば、従来のコンバインにおいては、刈取装置、脱穀装置、排出オーガ等の作動部が装備されており、これらの作動部にエンジンの出力回転を伝動するために、クラッチがそれぞれ設けられている。
そして、刈取装置にエンジンの出力回転を伝動する刈取クラッチ及び脱穀装置にエンジンの出力回転を伝動する脱穀クラッチの接続と遮断を行う第1操作装置、並び排出オーガにエンジンの出力回転を伝動する排出クラッチの接続と遮断を行う第2操作装置を設ける技術が知られている。(特許文献1,2参照)
特開平3−164108号公報 特開平5−153842号公報
しかし、特許文献1,2に記載された技術では、エンジンを内蔵するエンジンルーム内に、刈取クラッチと脱穀クラッチを接続状態と遮断状態に切替える第1操作装置と、排出クラッチを接続状態と遮断状態に切替える第2操作装置を配置しているので、他の部品を配置するための空間を確保できない欠点があった。また、第1操作装置を駆動する駆動装置と第2操作装置を駆動する駆動装置が独立しているために制御プロクラムが複雑になる問題もあった。
そこで、本発明は、刈取クラッチ、脱穀クラッチ、排出クラッチなどの複数の作動部へ伝動される動力を、接続状態と遮断状態に切替えるクラッチ操作装置を、コンパクトで制御容易なものとして具現することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の技術的手段を講じる。
すなわち、請求項1記載の発明は、エンジン(E)の出力回転を第1作動部(3)に伝動する第1クラッチ(21)と、エンジン(E)の出力回転を第2作動部(4)に伝動する第2クラッチ(22)と、エンジン(E)の出力回転を第3作動部(8)に伝動する第3クラッチ(23)を、接続状態と遮断状態に切替えるクラッチ操作装置であって、駆動手段(50)回転駆動が伝動される第1回転体(56)と、該第1回転体(56)が支持された回転軸(55)と、該回転軸(55)と一体的に回転する第2回転体(57)及びカム(58)と、該カム(58)の回転に連動して揺動する揺動部材(47)を設け、前記第2回転体(57)に、前記回転軸(55)を中心とした円周方向に互いの位相を異ならせて延在する第1溝(57A)と第2溝(57B)を形成し、前記第1クラッチ(21)を第1溝(57A)に連繋し、前記第2クラッチ(22)を揺動部材(47)に連繋し、前記第3クラッチ(23)を第2溝(57B)に連繋し、前記駆動手段(50)によって回転軸(55)を正転させて前記第2クラッチ(22)と第1クラッチ(21)を接続し、前記駆動手段(50)によって回転軸(55)を逆転させて第3クラッチ(23)を接続する構成とし、前記第1クラッチ(21)を操作する第1ワイヤ(41)の端部を前記第1溝(57A)に対して延在方向に移動自在に係合し、前記第2クラッチ(22)を操作する第2ワイヤ(42)の端部を前記揺動部材(47)に接続し、前記第3クラッチ(23)を操作する第3ワイヤ(43)の端部を前記第2溝(57B)に対して延在方向に移動自在に係合し、前記回転軸(55)から第1溝(57A)までの距離と、前記回転軸(55)から第2溝(57B)までの距離を同等の距離に設定し、前記揺動部材(47)の揺動中心となる第1支軸(46)から、該揺動部材(47)における前記第2ワイヤ(42)の接続位置である第2支軸(47A)までの距離を、前記回転軸(55)から第1溝(57A)までの距離及び前記回転軸(55)から第2溝(57B)までの距離と同等の距離に設定し、前記第1支軸(46)の両端部を支持する一側壁および他側壁を有したケース(45)を備え、該ケース(45)の内側に前記揺動部材(47)を配置し、前記ケース(45)の一側壁における前記揺動部材(47)の上部の回転軌跡に対向する部位に、前記第2支軸(47A)が係合する円弧形状の切欠溝(45A)を形成し、前記揺動部材(47)における前記第2ワイヤ(42)の接続位置である第2支軸(47A)の一側端部を、前記ケース(45)の一側壁から一側方に延出させ、前記第1回転体(56)と第2回転体(57)とカム(58)を、前記回転軸(55)に対して他側から順に間隔をおいて固定したことを特徴とするクラッチ操作装置としたものである。
請求項2記載の発明は、前記回転軸(55)の逆転によって、前記第1クラッチ(21)と第2クラッチ(22)が遮断されると共に前記第3クラッチ(23)が接続される構成とした請求項1記載のクラッチ操作装置としたものである。
請求項1記載の発明によれば、駆動手段(50)によって回転駆動される回転軸(55)と、回転軸(55)と一体的に回転する回転体(57)及びカム(58)と、カム(58)の回転に連動して揺動する揺動部材(47)を設け、回転体(57)に、回転軸(55)を中心とした円周方向に互いの位相を異ならせて延在する第1溝(57A)と第2溝(57B)を形成し、第1クラッチ(21)を第1溝(57A)に連繋し、第2クラッチ(22)を揺動部材(47)に連繋し、第3クラッチ(23)を第2溝(57B)に連繋し、駆動手段(50)によって回転軸(55)を正転させて第2クラッチ(22)と第1クラッチ(21)を接続し、駆動手段(50)によって回転軸(55)を逆転させて第3クラッチ(23)を接続する構成としたので、1個の駆動装置で(50)で、第1クラッチ(21)と第2クラッチ(22)と第3クラッチ(23)を接続状態と遮断状態に切替えることができる。これによって、クラッチ操作装置をコンパクトに構成でき、また、駆動手段(50)の制御プログラムを簡略化することができる。
また、第1クラッチ(21)を操作する第1ワイヤ(41)の端部を第1溝(57A)に対して延在方向に移動自在に係合し、第2クラッチ(22)を操作する第2ワイヤ(42)の端部を揺動部材(47)に接続し、第3クラッチ(23)を操作する第3ワイヤ(43)の端部を第2溝(57B)に対して延在方向に移動自在に係合したので、第1クラッチ(21)を第1ワイヤ(41)を介して、第2クラッチ(22)を第2ワイヤ(42)を介して、第3クラッチ(23)を第3ワイヤ(43)を介して遠隔操作することができ、クラッチ操作装置の配置の自由度が高まる。
また、回転軸(55)から第1溝(57A)までの距離と、回転軸(55)から第2溝(57B)までの距離を同等の距離に設定したので、第1クラッチ(21)と第3クラッチ(23)を同等のモーメントまたは同等のストロークで切替えることができ、各クラッチの構造の共用化を図ることができる。
また、揺動部材(47)の揺動中心となる第1支軸(46)から、該揺動部材(47)における第2ワイヤ(42)の接続位置である第2支軸(47A)までの距離を、回転軸(55)から第1溝(57A)までの距離及び回転軸(55)から第2溝(57B)までの距離と同等の距離に設定したので、第1クラッチ(21)と、第2クラッチ(22)と、第3クラッチ(23)の状態を同等のモーメントまたは同等のストロークで切替えることができ、各クラッチの構造の共用化を図ることができる。
また、第1支軸(46)の両端部が、ケース(45)の一側壁と他側壁にそれぞれ支持されるので、この第1支軸(46)がケース(45)に強固に支持され、揺動部材(47)を第1支軸(46)を中心としてスムーズに揺動させることができる。
また、第1回転体(56)と第2回転体(57)とカム(58)を、回転軸(55)に対して他側から順に間隔をおいて固定しているので、駆動手段(50)を回転駆動することにより、回転軸(55)と第1回転体(56)と第2回転体(57)とカム(58)を一体的に回転させることができ、一つの駆動手段(50)によって第1ワイヤ(41)と第2ワイヤ(42)と第3ワイヤ(43)を引いて、第1クラッチ(21)と第2クラッチ(22)と第3クラッチ(23)を接続状態と遮断状態に切替えることができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、回転軸(55)の逆転によって、第1クラッチ(21)と第2クラッチ(22)が遮断されると共に第3クラッチ(23)が接続される構成としたので、第1作動部(3)と第2作動部(4)の駆動停止によってエンジン(E)の負荷が軽減された状態で、第3作動部(8)を駆動することができる。
コンバインの左側面図である。 コンバインの平面図である。 コンバインの正面図である。 コンバインの背面図である。 クラッチ操作装置を説明する左側面図である。 クラッチ操作装置の左側面図である。 クラッチ操作装置の(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は背面図である。 刈脱レバーが停止位置に操作された場合のクラッチ操作装置の駆動の説明図である。 刈脱レバーが脱穀位置に操作された場合のクラッチ操作装置の駆動の説明図である。 刈脱レバーが刈取・脱穀位置に操作された場合のクラッチ操作装置の駆動の説明図である。 排出レバーが排出位置に操作された場合のクラッチ操作装置の駆動の説明図である。 エンジンの出力回転の伝動図である。 制御装置の接続図である。 手扱ぎ制御のブロック回路図である。
本発明について図面を参照しつつ説明する。なお、操縦者から見て、前方を前側、後方を後側、右手側を右側、左手側を左側として便宜的に方向を示して説明する。
図1,2に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を刈取る刈取装置(請求項の「第1作動部」)3が設けられ、刈取装置3の後方左側部に刈取られた穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置(請求項の「第2作動部」)4が設けられ、刈取装置3の後方右側部に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
操縦部5の下側にはエンジンEを搭載するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側に穀粒を外部に排出する上下方向に延在する縦排出オーガと前後方向に延在する横排出オーガからなる排出オーガ(請求項の「第3作動部」)8が設けられている。
操縦部5の操縦席5Aの前側には、操縦レバー15等が設けられたフロントパネル10が配置され、操縦席5Aの左側には、主変速レバー16等が設けられたサイドパネル11が配置されている。主変速レバー16は、下部を中心として上部を前側に傾斜させた前進位置と下部を中心として上部を後側に傾斜させた後進位置に回動させることができ、主変速レバー16の前進位置と後進位置は、前進位置スイッチ16Aと後進位置スイッチ16Bで検出され、検出値は、制御装置65の入力ポートを介して制御装置65に入力される。
サイドパネル11における主変速レバー16の後側には、作業クラッチ20の接続状態(駆動力が伝動される状態)と遮断状態(駆動力の伝動が絶たれた状態)の切替え操作を行う作業レバー30が設けられている。
作業クラッチ20は、エンジンEの出力回転を刈取装置3に伝動する伝動上に設けられた刈取クラッチ(請求項の「第1クラッチ」)21と、エンジンEの出力回転を脱穀装置4に伝動する伝動上に設けられた脱穀クラッチ(請求項の「第2クラッチ」)22と、エンジンEの出力回転をグレンタンク7と排出オーガ8に伝動する伝動上に設けられた排出クラッチ(請求項の「第3クラッチ」)23から構成されている。いずれもベルトテンションクラッチ式に構成される。
作業レバー30は、サイドパネル11における主変速レバー16の後側に設けられた刈脱レバー31と、サイドパネル11における刈脱レバー31の後側に設けられた排出レバー32で構成されている。
刈脱レバー31は、下部を中心として上部を前側に傾斜させた停止位置と、下部を中心として上部を上側に立設した脱穀位置と、下部を中心として上部を後側に傾斜させた刈脱位置に回動させることができる。本明細書においては、停止位置とは、クラッチ操作装置40を駆動して、刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22を遮断状態にする位置を言い、脱穀位置とは、クラッチ操作装置40を駆動して、刈取クラッチ21を遮断状態にし、脱穀クラッチ22を接続状態にする位置を言い、刈脱位置とは、クラッチ操作装置40を駆動して、刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22を接続状態にする位置を言う。
刈脱レバー31の停止位置と、脱穀位置と、刈脱位置は、停止位置スイッチ34Aと、脱穀位置スイッチ34Bと、刈脱位置スイッチ34Cで検出され、検出値は、制御装置65の入力ポートを介して制御装置65に入力される。なお、位置スイッチ34に替えてポテンションメータを使用することもでき、刈脱レバー31に替えて回転式のダイヤル装置を使用することもできる。排出レバー32の排出停止位置と排出位置は、停止位置スイッチ35Aと排出位置スイッチ35Bで検出され、検出値は、制御装置65の入力ポートを介して制御装置65に入力される。なお、位置スイッチ35に替えてポテンションメータを使用することもできる。
排出レバー32は、下部を中心として上部を前側に傾斜させた排出位置と下部を中心として上部を後側に傾斜させた停止位置に回動させることができる。本明細書においては、排出位置とは、クラッチ操作装置40を駆動して、排出クラッチ23を接続状態にする位置を言い、停止位置とは、クラッチ操作装置40を駆動して、排出クラッチ23を遮断状態にする位置を言う。
図5に示すように、クラッチ操作装置40は、サイドパネル11の下側に配置されている。クラッチ操作装置40と刈取クラッチ21は、ワイヤ(請求項における「第1ワイヤ」)41で連繋され、クラッチ操作装置40と脱穀クラッチ22は、ワイヤ(請求項における「第2ワイヤ」)42で連繋され、クラッチ操作装置40と排出クラッチ23は、ワイヤ(請求項における「第3ワイヤ」)43で連繋されている。
図12に示すように、刈取クラッチ21は、エンジンEの伝動下流側に設けられたトランスミッション12の出力軸12Aに支持されたプーリ12Bと刈取装置3の刈取フレーム13の上部に左右方向に延在して設けられたカウンタ軸13Aに支持されたプーリ13Bに巻回されたベルトを緊張又は弛緩するテンションアームで形成されている。なお、クラッチ操作装置40によってワイヤ41が後方に引かれた場合は、ワイヤ41の端部に接続されたテンションアームの回動によってベルトが緊張して刈取クラッチ21は接続状態になり、クラッチ操作装置40によってワイヤ41が前方に押出された場合には、ベルトが弛緩して刈取クラッチ21は遮断状態になる。
脱穀クラッチ22は、エンジンEの出力軸14に支持されたプーリ14Aと脱穀装置3の前側に左右方向に延在して設けられたカウンタ軸17に支持されたプーリ17Aに巻回されたベルトを緊張又は弛緩するテンションアームで形成されている。なお、クラッチ操作装置40によってワイヤ42が後方に引かれた場合は、ワイヤ42の端部に接続されたテンションアームの回動によってベルトが緊張して脱穀クラッチ22は接続状態になり、クラッチ操作装置40によってワイヤ42が前方に押出された場合には、ベルトが弛緩して脱穀クラッチ22は遮断状態になる。
排出クラッチ23は、エンジンEの伝動下流側に設けられたべベルギヤボックス18の出力軸18Aに支持されたプーリ18Bとグレンタンク7の下部に前後方向に延在して設けられた搬送螺旋軸7Aに支持されたプーリ7Bに巻回されたベルトを緊張又は弛緩するテンションアームで形成されている。また、搬送螺旋軸7Aの後部は、べベルギヤボックス19を介して排出オーガ8のオーガ螺旋軸8Aに連結されている。なお、クラッチ操作装置40によってワイヤ43が後方に引かれた場合は、ワイヤ43の端部に接続されたテンションアームの回動によってベルトが緊張して排出クラッチ23は接続状態になり、クラッチ操作装置40によってワイヤ43が前方に押出された場合には、ベルトが弛緩して排出クラッチ23は遮断状態になる。
図6,7に示すように、ワイヤ41は、アウターケーブル41Aとインナーケーブル41Bで形成され、アウターケーブル41Aの後端部は、クラッチ操作装置40のケース45の前壁の上部に着脱自在に固定されている。ワイヤ43は、アウターケーブル43Aとインナーケーブル43Bで形成され、アウターケーブル43Aの後端部は、ケース45の前壁の下部に着脱自在に固定されている。ワイヤ42は、アウターケーブル42Aとインナーケーブル42Bで形成され、アウターケーブル42Aの後端部は、ケース45の左壁における前部上側に設けられた固定ステー45Bに着脱自在に固定されている。これにより、ワイヤ41と、ワイヤ42と、ワイヤ43をケース45に固定した組立て部品の状態で保管することができ、コンバインの組立て作業時間を軽減することができる。
ケース45の左壁における後部下側には、左右方向に延在する支軸(請求項における「第1支軸」)46が設けられ、支軸46には、揺動部材47の下部が回転自在に固定されている。なお、支軸46の左右方向の両側部は、ケース45の左壁(請求項の「一側壁」)と右壁(請求項の「他側壁」)にそれぞれ支持されている。これにより、支軸46がケース45に強固に固定されて、揺動部材47を支軸46を中心としてスムーズに揺動させることができる。
ケース45の左壁における揺動部材47の上部の回動軌跡に対向する部位には、揺動部材47の上部に設けられた左右方向に延在する支軸(請求項における「第2支軸」)47Aが係合される支軸46を中心とする円弧状の切欠溝45Aが形成されている。なお、図7に示すように、揺動部材47をケース45の内側に配置して、支軸47Aの左部をケース45の左壁から左側に延出させる構成にすることもできる。
ケース45の左壁における略中央部には、固定ステー45Cを介してポテンションメータ48が固定され、ポテンションメータ48の入力軸は、先端部にU字形状の切欠部が形成された連結ピン48Aを介して回転軸55の周囲を回動するオフセット軸49に連結されている。
ケース45の右壁には、モータ(請求項における「駆動手段」)50と減速機51が着脱自在に固定されている。これにより、モータ50と減速機51をケース45に固定した組立て部品の状態で保管することができ、コンバインの組立て作業時間を軽減することができる。
ケース45の略中央部には、左右方向に延在する回転軸55が設けられている。なお、回転軸55の左右方向の両端部はベアリングを介してケース45に固定されている。回転軸55には、右側から順に、モータ50の出力回転が伝動される回転体(請求項の「第1回転体」)56と、ワイヤ41のインナーケーブル41Aとワイヤ43のインナーケーブル43Aが連結される回転体(請求項の「第2回転体」)57と、揺動部材47の支軸47Aに設けられたローラ47Bが摺接するカム58が左右方向に所定の間隔を隔てて固定されている。これにより、モータ50を回転駆動することにより回転軸55と、回転体56と、回転体57と、カム58を一体的に回転させることができ、1個のモータ50によってワイヤ41、ワイヤ42とワイヤ43を後方に引いて、刈取クラッチ21、脱穀クラッチ22、排出クラッチ23の接続と遮断状態を切替えることができる。
次に、刈脱レバー31が停止位置に操作された場合における回転体56と、回転体57と、カム58について説明する。
図8に示すように、回転軸55の軸心視において、回転体56は、径方向において時計方向で略5時から略11時まで延在し中心角が略180度の扇形形状に形成されている。扇形形状の円弧状の外周部には、減速機51の出力軸に支持されたギヤ51Aと噛合うギヤ部56Aが形成され、扇形形状の半径方向の中心部は、回転軸55に固定されている。また、扇形形状の半径は、回転体57の半径とカム58の半径よりも小径に形成されている。
回転軸55の軸心視において、回転体57は、略円形状に形成されている。回転体57の外周部の上部には、ワイヤ41のインナーケーブル41Bの後端部に設けられた左右方向に延在するピン41Cが係合される回転軸55を中心とする円弧状の切欠溝(請求項における「第1溝」)57Aが形成され、回転体57の外周部の下部には、ワイヤ43のインナーケーブル43Bの後端部に設けられた左右方向に延在するピン43Cが係合される回転軸55を中心とする円弧状の切欠溝(請求項における「第2溝」)57Bが形成されている。
切欠溝57Aは、径方向において時計方向で略10時から略1時まで延在し中心角が略90度の円弧形状に形成され、切欠溝57Bは、径方向において時計方向で略4時から略7時まで延在し中心角が略90度の扇形形状に形成されている。切欠溝57Aの半径と切欠溝57Bの半径は、同一半径に形成され、切欠溝57Aの半径と切欠溝57Bの半径は、回転体56の半径よりも大径に形成されている。また、回転体57の中心部は、回転軸55に固定されている。これにより、回転体57を回転させてインナーケーブル41Bとインナーケーブル43Bを同一のモーメントで後方に向けて引くことができ、制御装置65の制御プロクラムを簡略化することができる。
本実施形態においては、ピン41Cは、切欠溝57Aにおいて時計方向で中心よりも1時方向に偏倚した部位に係合され、ピン43Cは、切欠溝57Bにおいて時計方向で7時の部位に係合されている。また、回転体57の軽量化を図るために、円形状の円弧状における径方向において時計方向で略7時から略9時の部位に、半径方向の内側に向かって略逆U字形状の切欠部57Cが形成されている。
回転軸55の軸心視において、カム58は、径方向において時計方向で略1時から略3時まで延在する円弧状の円弧部58Aと、円弧部58Aの時計方向で略1時側の左端部から回転軸55に固定される半径方向の中心部に向かって延在する左延在部58Bと、円弧部58Aの時計方向で略3時側の右端部から回転軸55に固定される半径方向の中心部に向かって延在する右延在部58Cから形成されている。
円弧部58Aの半径は、回転体57の半径よりも大径に形成されている。これにより、ローラ47Bが回転体57の外周部に衝突することなく円弧部58Aに摺接しながらスムーズに移動することができる。また、揺動部材47における支軸46と支軸47Aの間の長さは、切欠溝57Bと切欠溝57Aの半径と同一長さに形成されている。これにより、カム58を回転させ揺動部材47を揺動させてインナーケーブル42Bを、インナーケーブル41Bとインナーケーブル43Bと同一のモーメントで後方に向けて引くことができ、制御装置65の制御プロクラムを簡略化することができる。
右連結部58Cは、半径方向の外側に位置する外円弧部60と半径方向の内側に位置する内円弧部61から形成されている。外円弧部60は、外円弧部60に摺接しながら移動するローラ47Bに追従しながら支軸47Aが切欠溝45Aの内側から外側に向けて移動可能できるように形成されている。また、内円弧部61は、内円弧部61に摺接しながら移動するローラ47Bに追従しながら支軸47Aが切欠溝45Aの外側から内側に向けて移動可能できるように形成されている。
次に、刈脱レバー31が停止位置と、脱穀位置と、刈脱位置に操作された場合におけるクラッチ操作装置40、ワイヤ41、ワイヤ42、ワイヤ43の状態について説明する。
図8に示すように、刈脱レバー31が停止位置に操作された場合は、回転軸55の軸心視において、回転体56のギヤ部56Aが時計方向で略5時から略11時に延在し、回転体57の切欠溝57Aが時計方向で略10時から略1時に延在し、回転体57の切欠溝57Bが時計方向で略4時から略7時に延在し、カム58の円弧部58Aが時計方向で略1時から略3時に延在している。ピン41Cは、切欠溝57Aの径方向の中心よりも1時方向に偏倚した部位に係合され、ピン43Cは、切欠溝57Bの径方向の左端部に当接して係合され、ローラ47Bは、外円弧部60と内円弧部61の間の溝62に摺接され、支軸47Aは、切欠溝45Aの径方向の中心部より内側部に偏倚した位置に係合されている。
その結果として、ワイヤ41のインナーケーブル41Aと、ワイヤ42のインナーケーブル42Aと、ワイヤ43のインナーケーブル43は、後方に向かって引かれず、刈取クラッチ21と、脱穀クラッチ22と、排出クラッチ23は、遮断状態になる。
図9に示すように、刈脱レバー31が停止位置から脱穀位置に操作された場合は、回転軸55の軸心視において、モータ50の正転方向への回転によって回転体56と、回転体57と、カム58が時計方向に50度回転する。これにより、ピン41Cは、切欠溝57Aの径方向の左端部に移動し、ピン43Cは、切欠溝57Bの径方向の中心部よりも右端部に偏倚した部位に移動し、ローラ47Bは、外円弧部60に摺接しながら円弧部58Aの右端部に移動して、支軸47Aは、切欠溝45Aの径方向の外側部に向かって移動する。
その結果として、ワイヤ41のインナーケーブル41Aとワイヤ43のインナーケーブル43は、後方に向かって引かれず、刈取クラッチ21と排出クラッチ23は、遮断状態になる。一方、ワイヤ42のインナーケーブル42Aは、揺動部材47を介して後方に向かって引かれ、脱穀クラッチ22は、接続状態になり、エンジンEの出力回転が、脱穀クラッチ22を介して脱穀装置4に伝動され、脱穀装置4を駆動することができる。
図10に示すように、刈脱レバー31が脱穀位置から刈脱位置に操作された場合は、回転軸55の軸心視において、モータ50の正転方向へのさらなる回転によって回転体56と、回転体57と、カム58が時計方向にさらに40度回転する。これにより、ピン41Cは、切欠溝57Aの径方向の左端部と係合しながら後方に移動し、ピン43Cは、切欠溝57Bの径方向の右端部に当接し、ローラ47Bは、円弧部58Aに摺接しながら円弧部58Aの左端部に移動して、支軸47Aは、切欠溝45Aの径方向の外側部に当接する。
その結果として、ワイヤ43のインナーケーブル43は、後方に向かって引かれず、排出クラッチ23は、遮断状態になる。一方、ワイヤ41のインナーケーブル41Aとワイヤ42のインナーケーブル42Aは、後方に向かって引かれ、刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22は、接続状態になり、エンジンEの出力回転が、刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22を介して、刈取装置3と脱穀装置4にそれぞれ伝動され、刈取装置3と脱穀装置4をそれぞれ駆動することができる。
次に、排出レバー32が排出停止位置と排出位置に操作された場合におけるクラッチ操作装置40、ワイヤ41、ワイヤ42、ワイヤ43の状態について説明する。
図8に示すように、排出レバー32が排出停止位置、すなわち、刈脱レバー31が停止位置に操作され、且つ、排出レバー32が排出停止位置に操作された場合は、回転軸55の軸心視において、回転体56のギヤ部56Aが時計方向で略5時から略11時に延在し、回転体57の切欠溝57Aが時計方向で略10時から略1時に延在し、回転体57の切欠溝57Bが時計方向で略4時から略7時に延在し、カム58の円弧部58Aが時計方向で略1時から略3時に延在している。ピン41Cは、切欠溝57Aの径方向の中心よりも1時方向に偏倚した部位に係合され、ピン43Cは、切欠溝57Bの径方向の左端部に当接して係合され、ローラ47Bは、外円弧部60と内円弧部61の間の溝62に摺接され、支軸47Aは、切欠溝45Aの径方向の内側部に偏倚した位置に係合されている。
その結果として、ワイヤ41のインナーケーブル41Aと、ワイヤ42のインナーケーブル42Aと、ワイヤ43のインナーケーブル43は、後方に向かって引かれず、刈取クラッチ21と、脱穀クラッチ22と、排出クラッチ23は、遮断状態になる。
図11に示すように、排出レバー32が排出停止位置から排出位置に操作された場合、すなわち、刈脱レバー31が停止位置に操作され、且つ、排出レバー32が排出停止位置から排出位置に操作された場合は、回転軸55の軸心視において、モータ50が逆転方向への回転によって回転体56と、回転体57と、カム58が反時計方向に40度回転する。これにより、ピン41Cは、切欠溝57Aの径方向の右端部に当接し、ピン43Cは、切欠溝57Bの径方向の左端部に当接し、ローラ47Bは、内円弧部61に摺接しながら移動して、支軸47Aは、切欠溝45Aの径方向の内側部に向かって移動する。
次に、モータ50が逆転方向へさらに回転して回転体56と、回転体57と、カム58が正回転方向に略40度回転する。これにより、ピン41Cは、切欠溝57Aの径方向の右端部に係合しながら前側に移動し、ピン43Cは、切欠溝57Bの径方向の左端部に係合しながら後側に移動し、ローラ47Bは、内円弧部61に摺接しながら移動して、支軸47Aは、切欠溝45Aの径方向の内側部に当接する。
その結果として、ワイヤ41のインナーケーブル41Aとワイヤ42のインナーケーブル42Aは、後方に向かって引かれず、刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22は、遮断状態になる。一方、ワイヤ43のインナーケーブル43は、後方に向かって引かれ、排出クラッチ23は接続状態になり、エンジンEの出力回転が、排出クラッチ23を介して、グレンタンク7と排出オーガ8に伝動され、グレンタンク7の搬送螺旋軸7Aと排出オーガ8のオーガ螺旋軸8Aを駆動することができる。
回転軸55の回転角度は、カム58に設けられたオフセット軸49と連結ピン48を介してポテンションメータ48で計測し、その計測値は、制御装置65に入力ポートを介して入力される。これにより、モータ50によって回転軸55等が過度に回転することを防止することができる。
次に、制御装置65の接続図について説明する。図13に示すように、操縦部5に設けられた制御装置85の入力側には、刈取装置3の刈取フレーム13に設けられた刈取装置3の昇降高さが所定高さになったことを検出する高さスイッチ70と、脱穀装置4の左壁に設けられた手扱ぎスイッチ71と、緊急停止スイッチ72と、排藁の滞留を検出する排藁スイッチ73と、操縦部5のフロントパネル10に設けられたエンジンEを始動する始動スイッチ74と、操縦部5のサイドパネル11の主変速レバー16の下側に設けられた主変速レバー16の操作位置を検出する前側位置スイッチ16Aと、後側位置スイッチ16B、操作部5のサイドパネル11の刈取レバー31の下側に設けられた刈取レバー31の操作位置を検出する位置スイッチ34と、操作部5のサイドパネル11の排出レバー32の下側に設けられた排出レバー32の操作位置を検出する位置スイッチ35と、クラッチ操作装置40の回転軸55の回転角度を検出するポテンションメータ48と、排出オーガ8に設けられた排出オーガ8の旋回角度が所定角度になったことを検出する旋回スイッチ75と、排出オーガ8が収納位置にあることを検出する収納スイッチ76と、排出オーガ8内の穀粒の滞留を検出する詰まりスイッチ77が、所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。
位置スイッチ34は、停止位置スイッチ34Aと、脱穀位置スイッチ34Bと、刈穀位置スイッチ34Cを備え、位置スイッチ35は、停止位置スイッチ35Aと排出位置スイッチ35Bを備えている。
一方、制御装置85の出力側には、クラッチ操作装置40のケース45に固定されたモータ50が、所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
刈取装置3の昇降高さが所定高さとなり高さスイッチ70の入力値がONになると、刈脱レバー31の操作位置に係わらず、モータ50を逆転方向に回転させて、刈取クラッチ21、又は刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22を遮断状態にする。これにより、作業安全性を向上させ、コンバインの旋回走行時の刈取装置3と脱穀装置4から発生する騒音等を抑制することができる。
通常の刈取脱穀作業から手扱脱穀作業に変更され手扱ぎスイッチ71の入力値がONになると、刈脱レバー31の操作位置に係わらず、モータ50を逆転方向に回転させて、刈取クラッチ21を遮断状態にし、脱穀クラッチ22を接続状態にする。これにより、作業安全性を向上させることができる。
緊急事態を回避する緊急停止スイッチ72の入力値がONになると、エンジンEを停止し、刈脱レバー31の操作位置に係わらず、モータ50を逆転方向に回転させて、刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22を遮断状態にする。これにより、脱穀装置4の上部左側面に開口する扱ぎ口に沿って設けられたフィードチェン80の回動を停止することができる。
脱穀装置4から外部に排出される排藁が所定量以上に滞留し排藁スイッチ73の入力値がONになると、刈脱レバー31の操作位置に係わらず、モータ50を逆転方向に回転させて、刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22を遮断状態にする。これにより、過度の排藁が脱穀装置4に滞留するのを防止することができる。
刈脱レバー31が、脱穀位置、又は刈脱位置に操作されている場合には、エンジンEを始動する始動スイッチ74の入力値がONであっても、エンジンEの始動せずに停止状態に維持し、モータ50を逆転方向に回転させて、刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22を遮断状態にする。これにより、エンジンEの始動時に、刈脱レバー31の戻し忘れによる刈取装置3と脱穀装置4が同時に駆動開始することを防止できる。
走行装置2を後進させるために主変速レバー16を後進位置に操作し後進位置スイッチ16Bの入力値がONになると、刈脱レバー31の操作位置に係わらず、モータ50を逆転方向に回転させて、刈取クラッチ21、又は刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22を遮断状態にする。これにより、作業安全性を向上させ、コンバインの後進時の刈取装置3と脱穀装置4から発生する騒音等を抑制することができる。
刈脱レバー31が停止位置に操作されて停止位置スイッチ34Aの入力値がONになると、前述したとおり、モータ50を反転方向に回転させて、刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22を遮断状態にし、刈脱レバー31が脱穀位置に操作されて脱穀位置スイッチ34Bの入力値がONになると、前述したとおり、モータ50を正転方向に回転させて、脱穀クラッチ22を接続状態にし、刈脱レバー31が刈脱位置に操作されて刈脱位置スイッチ34Cの入力値がONになると、前述したとおり、モータ50を正転方向に回転させて、刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22を接続状態にする。なお、刈脱レバー31が脱穀位置又は刈脱位置に操作されている場合には、排出クラッチ23は遮断状態になっている。
刈脱レバー31が停止位置に操作されて停止位置スイッチ34Aの入力値がONと排出レバー32が排出停止位置に操作されて停止位置スイッチ35Aの入力値がONになると、刈取クラッチ21と、脱穀クラッチ22と、排出クラッチ23を遮断状態にし、刈脱レバー31が停止位置に操作されて停止位置スイッチ34Aの入力値がONと排出レバー32が排出位置に操作されて排出位置スイッチ35Bの入力値がONになると、刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22を遮断状態にし、排出クラッチ23を接続状態にする。これにより、1個のモータ50で、刈取クラッチ21と、脱穀クラッチ22と、排出クラッチ23の接続状態と遮断状態を切替えることができ、制御装置65の制御プログラムを簡略化することができ、モータ50に起因する不具合を減少させることができる。
ポテンションメータ48の入力値とモータ50に内装されているカウンタ値を比較して差分が所定値以上になった場合には、モータ50、又はモータ50とエンジンEを停止する。これにより、作業安全性を向上させ、断線等に起因する不具合を早期に回避することができる。
排出オーガ8の排出口が脱穀装置4又はグレンタンク7の上側に位置して旋回スイッチ75の入力値がONになると、排出レバー32の操作位置に係わらず、モータ50を正転方向に回転させて、排出クラッチ23を遮断状態にする。これにより、穀粒の排出時のロスを低減することができる。
排出オーガ8が収納位置に設けられたオーガ受けに上載されて収納スイッチ76の入力値がONになると、排出レバー32の操作位置に係わらず、モータ50を正転方向に回転させて、排出クラッチ23を遮断状態にする。これにより、穀粒の排出時のロスを低減することができる。
排出オーガ8に穀粒が所定量以上に滞留して詰まりスイッチ77の入力値がONになると、排出レバー32の操作位置に係わらず、モータ50を正転方向に回転させて、排出クラッチ23を遮断状態にする。これにより、排出オーガ8の破損を防止することができる。
(手扱ぎ制御)
図1に示すように、脱穀装置4のフィードチェン80の上側に対向して、このフィードチェン80との間で穀稈を挟持する挟扼杆81が設けられている。この挟扼杆81の前側には、フィードチェン80の前部上側に対向して、刈取装置3側から穀稈を引き継いで挟持搬送するための補助挟扼杆82が設けられている。
この補助挟扼杆82は、その後端部側を脱穀装置4の上部を覆う扱胴カバーの前壁に対して上下回動自在に軸支され、下降回動する方向、すなわちフィードチェン80側へ弾発付勢されている。
この補助挟扼杆82の軸支部分には、補助挟扼杆82の上昇回動状態、すなわちフィードチェン80との間の挟扼を解除した状態を検出するポテンショメータ83が設けられている。なお、このポテンショメータ83に替えて、ON/OFF式のスッチを用いてもよく、このスイッチを操縦部5に設置してもよい。
また、フィードチェン80には、エンジンEの出力回転が脱穀クラッチ22を介して入力されるため、エンジンEの出力回転速度が変速すると、これに応じてフィードチェン80の搬送速度も変速する。
しかして、図14に示すように、コントローラ84に対して、その入力側に上記のポテンショメータ83が接続され、出力側にはエンジンEの燃料噴射量を制御して出力回転速度を変速させるガバナコントローラ85が接続される。
これにより、手扱ぎ作業を行なう際に、刈取クラッチ21と脱穀クラッチ22を接続した状態で、手扱ぎ穀稈を投入するために補助挟扼杆82を上昇回動させてフィードチェン80の前部上方を開放すると、この補助挟扼杆82の上昇回動状態がポテンショメータ83によって検出される。この検出結果に基づいて、コントローラ85からガバナコントローラ85へ出力がなされ、エンジンEの出力回転速度が定格回転よりも低い回転速度まで低下する。これに従い、フィードチェン80の搬送速度が減速し、手扱ぎ穀稈の投入作業の安全性が向上する。
(手扱ぎ制御との連携)
刈取装置3の前側下部左側面から、脱穀装置4の後側下部左側面に亘って、未刈穀稈と機体との干渉を防止する棒状の分草ガイド86が設けられている。
この分草ガイド86は、前端部が刈取装置3の前側下部左側面の部位に軸着され、刈取装置3の左側面を囲う位置に配置される前側分草ガイド86aと、この前側分草ガイド86aの後端部に軸着され、脱穀装置4の下部左側面を囲う位置に配置される後側分草ガイド86bによって構成されている。後側分草ガイド86bの後端部は、脱穀装置4の左側面下方に配置された前後方向の支持杆(図示省略)に対して前後方向移動自在に嵌合している。
また、前側分草ガイド86aは、刈取装置3側に取り付けられた電動モータ87から、作動アーム87aを介して連動され、刈取装置3側へ収納された位置と、刈取装置3の左側方へ張り出した位置とに切り替えられる。この前側分草ガイド86aの作動に後側分草ガイド86bが連動し、脱穀装置4側へ収納された位置と、脱穀装置4の左側方へ張り出した位置とに切り替わる。
図14に示すように、上述のコントローラ84の入力側に、電動モータ87を手動で操作するスイッチ88が接続され、コントローラ84の出力側に電動モータ87と警報器89が接続される。
これにより、分草ガイド86を張り出して刈取作業を行ない、手扱ぎ作業に移る場合、補助挟扼杆82が上昇回動操作されたことがポテンショメータ83によって検出されると、まず、コントローラ84から警報器89へ出力がなされ、断続的な電子音が発せられる。これに続いて、コントローラ84から電動モータ87へ出力がなされ、分草ガイド86が左側方へ張り出した位置から、刈取装置3側および脱穀装置4側へ収納される。これに続いて、再び警報器89から断続的な電子音が発せられた後、コントローラ84からガバナコントローラ85へ出力がなされ、エンジンEの出力回転速度が低下し、フィードチェン80の搬送速度が減速する。
この手扱ぎ作業状態では、分草ガイド86が収納されているため、作業者がフィードチェン80に接近して手刈穀稈を供給することができ、手扱ぎ作業の能率が高まる。
また、機体フレーム1に対して、走行装置2の左右のクローラを左右のローリングシリンダ(図示省略)の伸縮作動によって昇降させ、車高を調節する機能を有したコンバインの構成について説明する。
この構成では、図14に示すように、上述のコントローラ84の出力側に、左右のローリングシリンダを伸縮作動させる左右のバルブソレノイド90a,90bが接続される。
しかして、湿田作業のために車高を上げた状態で刈取作業を行ない、手扱ぎ作業に移る場合、補助挟扼杆82が上昇回動操作されたことがポテンショメータ83によって検出されると、まず、コントローラ84から警報器89へ出力がなされ、断続的な電子音が発せられる。これに続いて、コントローラ84から左右のバルブソレノイド90a,90bへ出力がなされ、左右のローリングシリンダが短縮作動してコンバインの車高が低下する。
これに続いて、再び警報器89から断続的な電子音が発せられた後、コントローラ84からガバナコントローラ85へ出力がなされ、エンジンEの出力回転速度が低下し、フィードチェン80の搬送速度が減速する。
この手扱ぎ作業状態では、コンバインの車高が低下しているため、フィードチェン80も低い位置となり、手扱ぎ穀稈の供給を容易に行うことができる。
また、機体フレーム1に対する刈取装置3の昇降位置を検出する刈高検出用ポテンショメータ91を備えたコンバインの構成について説明する。
この構成では、図14に示すように、上述のコントローラ84の入力側に、刈高検出用ポテンショメータ91が接続され、コントローラ84の出力側に、刈取装置3を昇降させる刈取昇降シリンダ92の作動バルブ92aが接続される。
しかして、刈り終わり時に刈取装置3を上昇させたままの状態で、手扱ぎ作業に移る場合、補助挟扼杆82が上昇回動操作されたことがポテンショメータ83によって検出されると、まず、コントローラ84から警報器89へ出力がなされ、断続的な電子音が発せられる。これに続いて、コントローラ84から作動バルブ92aへ出力がなされ、刈取昇降シリンダ92が短縮作動して刈取装置3が下限位置まで下降する。これに続いて、再び警報器89から断続的な電子音が発せられた後、コントローラ84からガバナコントローラ85へ出力がなされ、エンジンEの出力回転速度が低下し、フィードチェン80の搬送速度が減速する。
この手扱ぎ作業状態では、刈取装置3が下限位置まで下降しているため、フィードチェン80への手扱ぎ穀稈供給時の安全性が高まる。
(補助ステップ)
図1〜3に示すように、操縦部5における操縦席5Aの前側下方にはステップ5Bが設けられており、このステップ5Bの外側下方に収納式の補助ステップ5Cが設けられる。
この補助ステップ5Cは、機体フレーム1上に上下回動自在に軸支した前後の支持アーム5Dと、この支持アーム5Dの自由端部間に接続されたステップ板5Eで構成される。
また、ステップ5Bの左側部には、走行装置2を停止状態に維持するための駐車ブレーキを作動させる駐車ブレーキペダル5Fが設けられ、ステップ5Bの下側の空間部に、この駐車ブレーキペダル5Fを作動状態に保持するロック装置(図示省略)が設けられている。
このロック装置によって駐車ブレーキペダル5Fをロックすると、補助ステップ5Cがステップ5Cの下側の空間部から機体外側へ張り出し、駐車ブレーキペダル5Fのロックを解除すると、補助ステップ5Cがステップ5Bの下側の空間へ自動的に収納されるように構成する。
すなわち、ロック装置の作動状態を検出するスイッチ(図示省略)を設け、このスイッチの検出結果に基づいて作動する電動モータを設け、この電動モータの作動によって補助ステップ5Cの支持アーム5Dを回動駆動する構成とする。
なお、上述の補助ステップ5Cは上下回動式としたが、縦軸中心に左右方向に回動(機体前後方向に回動)して収納および張出しする構成としてもよい。
なお、上述のロック装置は、駐車ブレーキペダル5Fを踏み込んだ状態では、手動でロック操作する構成であり、このロック状態で駐車ブレーキペダル5Fを再度踏み込むことにより、スプリングによってロック解除方向へ作動する構成としている。
以上の構成により、駐車ブレーキを作動させた停車状態では、補助ステップ5Cを利用してステップ5B上へ容易に乗り降りすることができ、駐車ブレーキを解除した走行状態では、補助ステップ5Cが収納されるため、この補助ステップ5Cが畦などの障害物に衝突して破損する問題が解消される。
3 刈取装置(第1作動部)
4 脱穀装置(第2作動部)
6 エンジンルーム
8 排出オーガ(第3作動部)
20 作業クラッチ
21 刈取クラッチ(第1クラッチ)
22 脱穀クラッチ(第2クラッチ)
23 排出クラッチ(第3クラッチ)
41 ワイヤ(第1ワイヤ)
42 ワイヤ(第2ワイヤ)
43 ワイヤ(第3ワイヤ)
45 ケース
45A 切欠溝
46 支軸(第1支軸)
47 揺動部材
47A 支軸(第2支軸)
50 モータ(駆動手段)
55 回転軸
56 回転体(第1回転体)
57 回転体(第2回転体)
57A 切欠溝(第1溝)
57B 切欠溝(第2溝)
58 カム
E エンジン

Claims (2)

  1. エンジン(E)の出力回転を第1作動部(3)に伝動する第1クラッチ(21)と、エンジン(E)の出力回転を第2作動部(4)に伝動する第2クラッチ(22)と、エンジン(E)の出力回転を第3作動部(8)に伝動する第3クラッチ(23)を、接続状態と遮断状態に切替えるクラッチ操作装置であって、駆動手段(50)回転駆動が伝動される第1回転体(56)と、該第1回転体(56)が支持された回転軸(55)と、該回転軸(55)と一体的に回転する第2回転体(57)及びカム(58)と、該カム(58)の回転に連動して揺動する揺動部材(47)を設け、前記第2回転体(57)に、前記回転軸(55)を中心とした円周方向に互いの位相を異ならせて延在する第1溝(57A)と第2溝(57B)を形成し、前記第1クラッチ(21)を第1溝(57A)に連繋し、前記第2クラッチ(22)を揺動部材(47)に連繋し、前記第3クラッチ(23)を第2溝(57B)に連繋し、前記駆動手段(50)によって回転軸(55)を正転させて前記第2クラッチ(22)と第1クラッチ(21)を接続し、前記駆動手段(50)によって回転軸(55)を逆転させて第3クラッチ(23)を接続する構成とし、前記第1クラッチ(21)を操作する第1ワイヤ(41)の端部を前記第1溝(57A)に対して延在方向に移動自在に係合し、前記第2クラッチ(22)を操作する第2ワイヤ(42)の端部を前記揺動部材(47)に接続し、前記第3クラッチ(23)を操作する第3ワイヤ(43)の端部を前記第2溝(57B)に対して延在方向に移動自在に係合し、前記回転軸(55)から第1溝(57A)までの距離と、前記回転軸(55)から第2溝(57B)までの距離を同等の距離に設定し、前記揺動部材(47)の揺動中心となる第1支軸(46)から、該揺動部材(47)における前記第2ワイヤ(42)の接続位置である第2支軸(47A)までの距離を、前記回転軸(55)から第1溝(57A)までの距離及び前記回転軸(55)から第2溝(57B)までの距離と同等の距離に設定し、前記第1支軸(46)の両端部を支持する一側壁および他側壁を有したケース(45)を備え、該ケース(45)の内側に前記揺動部材(47)を配置し、前記ケース(45)の一側壁における前記揺動部材(47)の上部の回転軌跡に対向する部位に、前記第2支軸(47A)が係合する円弧形状の切欠溝(45A)を形成し、前記揺動部材(47)における前記第2ワイヤ(42)の接続位置である第2支軸(47A)の一側端部を、前記ケース(45)の一側壁から一側方に延出させ、前記第1回転体(56)と第2回転体(57)とカム(58)を、前記回転軸(55)に対して他側から順に間隔をおいて固定したことを特徴とするクラッチ操作装置。
  2. 前記回転軸(55)の逆転によって、前記第1クラッチ(21)と第2クラッチ(22)が遮断されると共に前記第3クラッチ(23)が接続される構成とした請求項1記載のクラッチ操作装置。
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