JP6488567B2 - 袋 - Google Patents
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Description
図1は、本実施の形態による袋10全体を示す正面図である。袋10は、液体洗剤やシャンプーなど、ボトルへ詰め替えられる液体を収容するよう構成されたものである。袋10は、後述するように、表面を構成する表面フィルム11と、裏面を構成する裏面フィルム12と、必要に応じて用いられる底面フィルム13とを熱溶着することによって構成されている。なお以下の説明および図面において、袋10とは、特に断らない限り、液体が収容される前の袋のことである。また特に断らない限り、袋10を構成する表面フィルム11および裏面フィルム12は互いに対称的な形状を有している。すなわち、袋10の表面側の構成要素と裏面側の構成要素とは略同一になっている。従って、以下の説明においては、主に表面側の形状について説明し、裏面側の形状の説明を省略する。
本体部14は、底部シール23aによって封止された底部23と、側部シール22aによって封止された一対の側部22と、上部21と、を備えている。上部21は、袋10に液体が充填される際に開口される開口部21bとなっている。袋10に液体が充填された後、上部21は、熱溶着などによって封止される。図1において、液体が充填された後に熱溶着される部分が上部シール予定部として符号21aで示されている。
次に注出口部15について説明する。注出口部15は、液体がボトルへ詰め替えられる際に液体が注出される注出方向に沿って延びるよう構成されている。このような注出口部15を設けることにより、袋10から注出される際の液体の流れを整えることができ、これによって、液体の詰め替え作業を容易化することができる。なお本実施の形態においては、注出口部15が延びる方向が、本体部14の上部21および側部22が延びる方向のいずれに対しても傾斜している例が示されているが、これに限られることはない。例えば、注出口部15が延びる方向が、本体部14の上部21または側部22が延びる方向に平行になっていてもよい。
また本実施の形態による袋10は、本体部14のうち液体が収容部14sから注出口部15へ向かう際に通る領域に設けられた拡開抑制手段30をさらに備えている。以下、拡開抑制手段30について説明する。図2は、図1の袋10の注出口部15およびその近傍を拡大して示す正面図である。また図3A(a)(b)は、図2の袋10の拡開抑制手段をIII−III方向に沿って切断した場合を示す断面図であり、図3B(a)(b)は、図2の袋の拡開抑制手段をIII−III方向から見た場合を示す図である。なお図3A(a)(b)および図3B(a)(b)のうち図3A(a)および図3B(a)においては、液体が袋10に収容される前の拡開抑制手段30の状態が示されており、図3A(b)および図3B(b)においては、袋10に収容された液体が本体部14の収容部14sから注出口部15に流入する際の拡開抑制手段30の状態が示されている。また図3A(a)(b)においては、拡開抑制手段30に加えて表面フィルム11および裏面フィルム12が示されている。
例えば、開口部31aの中心軸に沿って連結フィルム31を見た場合に、連結フィルム31が360度を超えて延在していてもよい。この場合、連結フィルム31のうち360度を超えて延在する部分は、連結フィルム31の他の部分に重なることになる。連結フィルム31のうち360度を超えて延在する部分は、連結フィルム31の他の部分に対して熱溶着されていてもよい。
また後述する図9(a)(b)に示すように、開口部31aの中心軸に沿って連結フィルム31を見た場合の連結フィルム31の延在範囲が360度未満であってもよい。
はじめに、注出口部15の幅Wについて説明する。本実施の形態において、注出口部15の幅Wは、開封予定部16が形成されている部分における注出口部15の幅を意味している。
より具体的には、はじめに、開封予定部16と一方の注出口部シール15aの内縁とが交わる点と、開封予定部16と他方の注出口部シール15aの内縁とが交わる点とを結ぶ線分を描き、この線分の中点16cを認定する。なお、線分が有意な幅を有する場合、中点16cは、幅方向における中心位置を延びる中心線の中点として定義される。次に、中点16cを通る線分であって、一方の注出口部シール15aと他方のシール部15aとを最短距離で結ぶ線分を描く。図2においては、符号Wが付された矢印として示されている線分が、これに相当する。この線分の長さ、すなわち図2において符号Wが付された矢印の長さが、本実施の形態における注出口部15の幅Wである。
次に、中点16cを通り、かつ符号Wが付された矢印に直交する方向に延びる直線を描く。この直線が、注出方向に沿って注出口部15を二等分する二等分線18である。液体の注出方向は、上述のようにして画定される二等分線18が延びる方向にほぼ平行している。また、注出口部15の一対の注出口部シール15aは、二等分線18を境界として対向している。
次に、本体部14を構成する表面フィルム11、裏面フィルム12、底面フィルム13および拡開抑制手段30を構成する連結フィルム31の層構成の一例について説明する。はじめに図4を参照して、フィルム11,12,13の層構成について説明する。図4に示すように、フィルム11,12,13は、基材層41と、基材層41上に設けられた熱可塑性樹脂層42と、を含んでいる。図4に示す例においては、基材層41が、各フィルム11,12,13の外面11x、12x,13xを構成しており、熱可塑性樹脂層51が、各フィルム11,12,13の内面11y、12y,13yを構成している。基材層41には、絵柄などの印刷が施されていてもよい。
熱可塑性樹脂層42を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができる。
フィルム11,12,13の厚みは、例えば80〜200μmの範囲内になっている。
図6(a)(b)(c)(d)は、本発明の実施の形態による袋10を製造する方法の一例を示す図である。はじめに図6(a)に示すように、表面フィルム11および裏面フィルム12を対向させるとともに、折り込んだ状態の底面フィルム13を表面フィルム11と裏面フィルム12との間に挿入する。この際、表面フィルム11、裏面フィルム12および底面フィルム13は、熱可塑性樹脂層42で構成されたそれぞれの内面11y,12y,13yが互いに接するよう配置される。
次に、液体が注出される際に得られる、袋10の作用効果について説明する。図7には、本実施の形態による袋10の本体部14の収容部14sから注出口部15へ液体を向かわせ、これによって注出口部15にも液体が充填された状態にある袋10が示されている。なお図7においては、液体が充填されてはいるが、まだ開封予定部16が開封されていない状態の袋10を、液体の注出方向に沿った方向において仮想的に切断した場合が示されている。
例えば、間隔S1が一定値を超えて拡がってしまうことを抑制することにより、注出口部15において表面フィルム11と裏面フィルム12とが成す角度α1を小さく、具体的には30度程度にすることができる。このため、開封予定部16よりも本体部14の位置において注出口部15の表面フィルム11と裏面フィルム12とが密着してしまうことを抑制することができる。このことにより、開封予定部16を開封することによって形成される注出口を十分に開口させることが可能になる。
なお本実施の形態においても、必要に応じて、注出口部15の内部に注出用口部材を設けてもよく、また、注出口部15にエンボス加工を施してもよい。
なお、開口予定部16の中点16cと拡開抑制手段30の端部との間の最短距離Lと、注出口部15の幅Wとの関係が、「最短距離Lが幅Wの1.0倍以上かつ2.0倍以下」という条件を満たす限りにおいて、拡開抑制手段30が少なくとも部分的に注出口部15に含まれるように配置されていてもよい。上述の条件が満たされている限りにおいて、注出口部15における液体の流れを大きく阻害することなく、本体部14において表面フィルム11と裏面フィルム12との間の間隔が一定値を超えて拡がってしまうことを抑制する、という、拡開抑制手段30の効果が奏せられる。従って、注出の途中で注出口部が閉塞してしまうことを抑制することができる。
すなわち本実施の形態においては、
(1)拡開抑制手段30の全体が本体部14に配置される、または、
(2)最短距離Lが幅Wの1.0倍以上かつ2.0倍以下である、
という条件(1),(2)のうちの少なくとも1つが満たされていれば、拡開抑制手段30の効果が奏せられると言える。
以下、図9(a)(b)〜図11(a)(b)を参照して、連結フィルム31の変形例について説明する。なお図9(a)(b)〜図11(a)(b)においては、図3A(a)(b)の場合と同様に、(a)が、液体が袋10に収容される前の拡開抑制手段30をIII−III方向に沿って切断した場合を示しており、(b)が、袋10に収容された液体が本体部14の収容部14sから注出口部15に流入する際の拡開抑制手段30をIII−III方向に沿って切断した場合を示している。
また上述の本実施の形態においては、連結フィルム31を表面フィルム11および裏面フィルム12に固定するための表面側シール部32および裏面側シール部33が、液体の注出方向に沿ってそれぞれ2本設けられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図12(a)(b)に示すように、表面側シール部32および裏面側シール部33をそれぞれ1本設け、連結フィルム31のうち表面フィルム11または裏面フィルム12に接する領域が広域にわたって表面フィルム11または裏面フィルム12に熱溶着されてもよい。
また上述の本実施の形態においては、注出口部15を形成するために設けられる切り欠き24に隣接する第1進入シール24aが、上部21の開口部21bに対して直交するよう延びている例を示した。しかしながら、液体を注出するための注出口部15が本体部14に接続されている限りにおいて、注出口部15の具体的な形状が特に限られることはない。例えば図13に示すように、上部21よりも上方の位置まで突出する注出口部15が、上部21と側部22との間に形成されていてもよい。また図14に示すように、上部21から上方へ突出する注出口部15が、上部21の略中央部に形成されていてもよい。なお図14に示す例においては、上部21だけでなく注出口部15も、液体を収容部14sに充填するための開口部21bとして利用され得る。この場合、図14において符号15aが付された部分は、液体を充填した後に熱溶着される、注出口部シール予定部である。
また上述の本実施の形態においては、複数のフィルムによって本体部14が構成される例を説明した。しかしながら、液体を収容するための収容部14sを有する限りにおいて、本体部14の具体的な形状、構造や作製方法が特に限られることはない。例えば、1枚のフィルムから本体部14が構成されてもよい。
11 表面フィルム
11x 外面
11y 内面
12 裏面フィルム
12x 外面
12y 内面
14 本体部
14s 収容部
15 注出口部
15a 注出口部シール
16 開封予定部
18 二等分線
21 上部
21a 上部シール予定部
30 拡開抑制手段
31 連結フィルム
31x 外面
31y 内面
32 表面側シール部
33 裏面側シール部
41 基材層
42 熱可塑性樹脂層
46 第1層
47 第2層
Claims (5)
- 液体を収容するための袋であって、
液体が収容される収容部が形成された本体部と、
前記本体部に接続され、前記袋から液体を取り出す際に液体が通る注出口部と、を備え、
前記本体部は、それらの間に前記収容部を形成する表面フィルムおよび裏面フィルムを少なくとも含み、
前記袋は、前記本体部のうち前記液体が前記収容部から前記注出口部へ向かう際に通る領域に設けられた拡開抑制手段をさらに備え、
前記拡開抑制手段は、前記領域において前記表面フィルムと前記裏面フィルムとの間の間隔を一定値以下に抑制するよう、前記表面フィルムの内面と前記裏面フィルムの内面とに熱溶着されており、
前記拡開抑制手段の内部には、前記収容部から前記注出口部へ向かう液体が通ることができる開口部が形成されており、
前記拡開抑制手段は主に前記本体部に配置され、
前記注出口部は、開封されることによって液体が注出される注出口となる開封予定部と、注出方向に沿って前記注出口部を二等分する二等分線を境界として対向する一対の注出口部シールと、を含み、
前記開封予定部と一方の前記注出口部シールの内縁とが交わる点と、前記開封予定部と他方の前記注出口部シールの内縁とが交わる点とを結ぶ線分を描き、この線分の長さを前記注出口部の幅とし、この線分の中点を前記開封予定部の中点とした場合に、
前記二等分線に沿った方向における、前記開封予定部の中点と前記拡開抑制手段の端部との間の最短距離は、前記注出口部の幅の1倍以上かつ2倍以下であり、
前記拡開抑制手段は、注出方向に沿って前記注出口部を二等分する二等分線と少なくとも前記本体部において交わるよう設けられている、袋。 - 液体を収容するための袋であって、
液体が収容される収容部が形成された本体部と、
前記本体部に接続され、前記袋から液体を取り出す際に液体が通る注出口部と、を備え、
前記本体部は、それらの間に前記収容部を形成する表面フィルムおよび裏面フィルムを少なくとも含み、
前記袋は、前記本体部のうち前記液体が前記収容部から前記注出口部へ向かう際に通る領域に設けられた拡開抑制手段をさらに備え、
前記拡開抑制手段は、前記領域において前記表面フィルムと前記裏面フィルムとの間の間隔を一定値以下に抑制するよう、前記表面フィルムの内面と前記裏面フィルムの内面とに熱溶着されており、
前記拡開抑制手段の内部には、前記収容部から前記注出口部へ向かう液体が通ることができる開口部が形成されており、
前記拡開抑制手段の全体が前記本体部に配置され、
前記注出口部は、開封されることによって液体が注出される注出口となる開封予定部と、注出方向に沿って前記注出口部を二等分する二等分線を境界として対向する一対の注出口部シールと、を含み、
前記開封予定部と一方の前記注出口部シールの内縁とが交わる点と、前記開封予定部と他方の前記注出口部シールの内縁とが交わる点とを結ぶ線分を描き、この線分の長さを前記注出口部の幅とし、この線分の中点を前記開封予定部の中点とした場合に、
前記二等分線に沿った方向における、前記開封予定部の中点と前記拡開抑制手段の端部との間の最短距離は、前記注出口部の幅の1倍以上かつ2倍以下であり、
前記拡開抑制手段は、注出方向に沿って前記注出口部を二等分する二等分線と少なくとも前記本体部において交わるよう設けられている、袋。 - 液体を収容するための袋であって、
液体が収容される収容部が形成された本体部と、
前記本体部に接続され、前記袋から液体を取り出す際に液体が通る注出口部と、を備え、
前記本体部は、それらの間に前記収容部を形成する表面フィルムおよび裏面フィルムを少なくとも含み、
前記袋は、前記本体部のうち前記液体が前記収容部から前記注出口部へ向かう際に通る領域に設けられた拡開抑制手段をさらに備え、
前記拡開抑制手段は、前記領域において前記表面フィルムと前記裏面フィルムとの間の間隔を一定値以下に抑制するよう、前記表面フィルムの内面と前記裏面フィルムの内面とに熱溶着されており、
前記拡開抑制手段の内部には、前記収容部から前記注出口部へ向かう液体が通ることができる開口部が形成されており、
前記注出口部にエンボス加工が施されておらず、
前記注出口部は、開封されることによって液体が注出される注出口となる開封予定部と、注出方向に沿って前記注出口部を二等分する二等分線を境界として対向する一対の注出口部シールと、を含み、
前記開封予定部と一方の前記注出口部シールの内縁とが交わる点と、前記開封予定部と他方の前記注出口部シールの内縁とが交わる点とを結ぶ線分を描き、この線分の長さを前記注出口部の幅とし、この線分の中点を前記開封予定部の中点とした場合に、
前記二等分線に沿った方向における、前記開封予定部の中点と前記拡開抑制手段の端部との間の最短距離は、前記注出口部の幅の1倍以上かつ2倍以下であり、
前記拡開抑制手段は、注出方向に沿って前記注出口部を二等分する二等分線と少なくとも前記本体部において交わるよう設けられている、袋。 - 前記拡開抑制手段は、前記表面フィルムの内面と前記裏面フィルムの内面とに熱溶着された、熱可塑性樹脂層を有するフィルムを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の袋。
- 前記拡開抑制手段の前記フィルムの厚みは300μm以下である、請求項4に記載の袋。
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