JP6350026B2 - 袋 - Google Patents
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Description
以下、図1乃至図7を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
図1は、本実施の形態による袋10全体を示す正面図である。袋10は、液体洗剤やシャンプーなど、ボトルへ詰め替えられる液体を収容するよう構成されたものである。袋10は、後述するように、表面を構成する表面フィルム11と、裏面を構成する裏面フィルム12と、必要に応じて用いられる底面フィルム13とを熱溶着することによって構成されている。なお以下の説明および図面において、袋10とは、特に断らない限り、液体が収容される前の袋のことである。また特に断らない限り、袋10を構成する表面フィルム11および裏面フィルム12は互いに対称的な形状を有している。すなわち、袋10の表面側の構成要素と裏面側の構成要素とは略同一になっている。従って、以下の説明においては、主に表面側の形状について説明し、裏面側の形状の説明を省略する。
本体部14は、底部シール23aによって封止された底部23と、側部シール22aによって封止された一対の側部22と、上部21と、を備えている。上部21は、袋10に液体が充填される際に開口される開口部21bとなっている。袋10に液体が充填された後、上部21は、熱溶着などによって封止される。図1において、液体が充填された後に熱溶着される部分が上部シール予定部として符号21aで示されている。
次に注出口部15について説明する。注出口部15は、液体がボトルへ詰め替えられる際に液体が注出される注出方向に沿って延びるよう構成されている。このような注出口部15を設けることにより、袋10から注出される際の液体の流れを整えることができ、これによって、液体の詰め替え作業を容易化することができる。なお本実施の形態においては、注出口部15が延びる方向が、本体部14の上部21および側部22が延びる方向のいずれに対しても傾斜している例が示されているが、これに限られることはない。例えば、注出口部15が延びる方向が、本体部14の上部21または側部22が延びる方向に平行になっていてもよい。
また本実施の形態による袋10は、本体部14のうち液体が収容部14sから注出口部15へ向かう際に通る領域に設けられた拡開抑制手段30をさらに備えている。以下、拡開抑制手段30について説明する。図2は、図1の袋10の注出口部15およびその近傍を拡大して示す正面図である。また図3A(a)(b)は、図2の袋10の拡開抑制手段をIII−III方向に沿って切断した場合を示す断面図であり、図3B(a)(b)は、図2の袋の拡開抑制手段をIII方向から見た場合を示す図である。なお図3A(a)(b)および図3B(a)(b)のうち図3A(a)および図3B(a)においては、液体が袋10に収容される前の拡開抑制手段30の状態が示されており、図3A(b)および図3B(b)においては、袋10に収容された液体が本体部14の収容部14sから注出口部15に流入する際の拡開抑制手段30の状態が示されている。また図3A(a)(b)においては、拡開抑制手段30に加えて表面フィルム11および裏面フィルム12が示されている。
はじめに、注出口部15の幅Wについて説明する。本実施の形態において、注出口部15の幅Wは、開封予定部16が形成されている部分における注出口部15の幅を意味している。
より具体的には、はじめに、開封予定部16と一方の注出口部シール15aの内縁とが交わる点と、開封予定部16と他方の注出口部シール15aの内縁とが交わる点とを結ぶ線分を描き、この線分の中点16cを認定する。なお、線分が有意な幅を有する場合、中点16cは、幅方向における中心位置を延びる中心線の中点として定義される。次に、中点16cを通る線分であって、一方の注出口部シール15aと他方のシール部15aとを最短距離で結ぶ線分を描く。図2においては、符号Wが付された矢印として示されている線分が、これに相当する。この線分の長さ、すなわち図2において符号Wが付された矢印の長さが、本実施の形態における注出口部15の幅Wである。
次に、中点16cを通り、かつ符号Wが付された矢印に直交する方向に延びる直線を描く。この直線が、注出方向に沿って注出口部15を二等分する二等分線18である。液体の注出方向は、上述のようにして画定される二等分線18が延びる方向にほぼ平行している。また、注出口部15の一対の注出口部シール15aは、二等分線18を境界として対向している。
次に、本体部14を構成する表面フィルム11、裏面フィルム12、底面フィルム13および拡開抑制手段30を構成するプラスチック成形体31の層構成の一例について説明する。はじめに図4を参照して、フィルム11,12,13の層構成について説明する。図4に示すように、フィルム11,12,13は、基材層41と、基材層41上に設けられた熱可塑性樹脂層42と、を含んでいる。図4に示す例においては、基材層41が、各フィルム11,12,13の外面11x、12x,13xを構成しており、熱可塑性樹脂層51が、各フィルム11,12,13の内面11y、12y,13yを構成している。基材層41には、絵柄などの印刷が施されていてもよい。
熱可塑性樹脂層42を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができる。
フィルム11,12,13の厚みは、例えば80〜200μmの範囲内になっている。
シート成形法においては、はじめに、拡開抑制手段30の形状に対応した表面形状を有する型を準備する。次に、加熱されて軟化している合成樹脂製のシートを型にセットする。その後、真空の力や圧縮空気の力を利用して、シートを型に密着させ、これによって型の形状をシートに付与する。このようにして、拡開抑制手段30を構成するためのプラスチック成形体31を得ることができる。
射出成形法においては、はじめに、拡開抑制手段30の形状に対応した表面形状を有する金型を準備する。次に、流動性を有するようになる温度まで加熱された合成樹脂を金型に充填させる。金型に接した合成樹脂が固化することによって、金型の表面形状に沿ったプラスチック成形体31を得ることができる。
押出成形法においては、はじめに、拡開抑制手段30の断面形状に対応した孔が設けられた、ダイスとも呼ばれる金型を準備する。次に、流動性を有するようになる温度まで加熱された合成樹脂を、金型の孔を通して押し出すことによって、合成樹脂を成形する。その後、合成樹脂を冷却することによって、同一の断面形状を有するプラスチック成形体を連続的に得ることができる。なお押出成形法においては、金型から押し出された合成樹脂が、熱により柔らかくなっているため、合成樹脂が冷却されて固化するまでの間に合成樹脂が変形してしまうことが考えらえる。このような変形が生じることを抑制するため、金型と、最終的な冷却を実施するための冷却装置例えば水槽との間に、合成樹脂の形状を保持しながら合成樹脂を予備的に冷却する予備冷却工程を実施してもよい。例えば、いわゆるサイジングダイスを用いて、合成樹脂の変形を抑制しながら合成樹脂を予備的に冷却することができる。サイジングダイスは、例えば、最終的な冷却を実施するための水槽の側面に設けられる。
図6(a)(b)(c)(d)は、本発明の実施の形態による袋10を製造する方法の一例を示す図である。はじめに図6(a)に示すように、表面フィルム11および裏面フィルム12を対向させるとともに、折り込んだ状態の底面フィルム13を表面フィルム11と裏面フィルム12との間に挿入する。この際、表面フィルム11、裏面フィルム12および底面フィルム13は、熱可塑性樹脂層42で構成されたそれぞれの内面11y,12y,13yが互いに接するよう配置される。
次に、液体が注出される際に得られる、袋10の作用効果について説明する。図7には、本実施の形態による袋10の本体部14の収容部14sから注出口部15へ液体を向かわせ、これによって注出口部15にも液体が充填された状態にある袋10が示されている。なお図7においては、液体が充填されてはいるが、まだ開封予定部16が開封されていない状態の袋10を、液体の注出方向に沿った方向において仮想的に切断した場合が示されている。
例えば、間隔S1が一定値を超えて拡がってしまうことを抑制することにより、注出口部15において表面フィルム11と裏面フィルム12とが成す角度α1を小さく、具体的には30度程度にすることができる。このため、開封予定部16よりも本体部14の位置において注出口部15の表面フィルム11と裏面フィルム12とが密着してしまうことを抑制することができる。このことにより、開封予定部16を開封することによって形成される注出口を十分に開口させることが可能になる。
なお本実施の形態においても、必要に応じて、注出口部15の内部に注出用口部材を設けてもよく、また、注出口部15にエンボス加工を施してもよい。
なお、開口予定部16の中点16cと拡開抑制手段30の端部との間の最短距離Lと、注出口部15の幅Wとの関係が、「最短距離Lが幅Wの1.0倍以上かつ2.0倍以下」という条件を満たす限りにおいて、拡開抑制手段30が少なくとも部分的に注出口部15に含まれるように配置されていてもよい。上述の条件が満たされている限りにおいて、注出口部15における液体の流れを大きく阻害することなく、本体部14において表面フィルム11と裏面フィルム12との間の間隔が一定値を超えて拡がってしまうことを抑制する、という、拡開抑制手段30の効果が奏せられる。従って、注出の途中で注出口部が閉塞してしまうことを抑制することができる。
すなわち本実施の形態においては、
(1)拡開抑制手段30の全体が本体部14に配置される、または、
(2)最短距離Lが幅Wの1.0倍以上かつ2.0倍以下である、
という条件(1),(2)のうちの少なくとも1つが満たされていれば、拡開抑制手段30の効果が奏せられると言える。
以下、図9(a)(b)〜図11(a)(b)を参照して、プラスチック成形体31の変形例について説明する。なお図9(a)(b)〜図11(a)(b)においては、図3A(a)(b)の場合と同様に、(a)が、液体が袋10に収容される前の拡開抑制手段30をIII−III方向に沿って切断した場合を示しており、(b)が、袋10に収容された液体が本体部14の収容部14sから注出口部15に流入する際の拡開抑制手段30をIII−III方向に沿って切断した場合を示している。
また上述の第1の実施の形態においては、プラスチック成形体31を表面フィルム11および裏面フィルム12に固定するための表面側シール部32および裏面側シール部33が、液体の注出方向に沿ってそれぞれ2本設けられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図12(a)(b)に示すように、表面側シール部32および裏面側シール部33をそれぞれ1本設け、プラスチック成形体31のうち表面フィルム11または裏面フィルム12に接する領域が広域にわたって表面フィルム11または裏面フィルム12に熱溶着されてもよい。
次に図13〜図14B(a)(b)を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、収容部14sから注出口部15へ向かう液体が通ることができる、プラスチック成形体31によって囲われた開口部が形成されていない点が異なるのみであり、他の構成は、上述の第1の実施の形態と略同一である。第2の実施の形態の説明において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が第2の実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
以下、図15〜図16B(a)(b)を参照して、プラスチック成形体31の変形例について説明する。図15は、袋10の注出口部15およびその近傍を拡大して示す正面図である。また図16A(a)(b)は、図15の袋10の拡開抑制手段をXVI方向に沿って切断した場合を示す断面図であり、図16B(a)(b)は、図15の袋の拡開抑制手段をXVI方向から見た場合を示す図である。
以下、図17〜図18B(a)(b)を参照して、プラスチック成形体31のさらなる変形例について説明する。図17は、袋10の注出口部15およびその近傍を拡大して示す正面図である。また図18A(a)(b)は、図17の袋10の拡開抑制手段をXVIII−XVIII方向に沿って切断した場合を示す断面図であり、図18B(a)(b)は、図17の袋の拡開抑制手段をXVIII方向から見た場合を示す図である。
上述の各実施の形態においては、注出口部15を形成するために設けられる切り欠き24に隣接する第1進入シール24aが、上部21の開口部21bに対して直交するよう延びている例を示した。しかしながら、液体を注出するための注出口部15が本体部14に接続されている限りにおいて、注出口部15の具体的な形状が特に限られることはない。例えば図19に示すように、上部21よりも上方の位置まで突出する注出口部15が、上部21と側部22との間に形成されていてもよい。また図20に示すように、上部21から上方へ突出する注出口部15が、上部21の略中央部に形成されていてもよい。なお図20に示す例においては、上部21だけでなく注出口部15も、液体を収容部14sに充填するための開口部21bとして利用され得る。この場合、図20において符号15aが付された部分は、液体を充填した後に熱溶着される、注出口部シール予定部である。
また上述の各実施の形態においては、複数のフィルムによって本体部14が構成される例を説明した。しかしながら、液体を収容するための収容部14sを有する限りにおいて、本体部14の具体的な形状、構造や作製方法が特に限られることはない。例えば、1枚のフィルムから本体部14が構成されてもよい。
11 表面フィルム
11x 外面
11y 内面
12 裏面フィルム
12x 外面
12y 内面
14 本体部
14s 収容部
15 注出口部
15a 注出口部シール
16 開封予定部
18 二等分線
21 上部
21a 上部シール予定部
30 拡開抑制手段
31 プラスチック成形体
31a 第1部分
31b 第2部分
31c 連結部分
32 表面側シール部
33 裏面側シール部
41 基材層
42 熱可塑性樹脂層
46 第1層
47 第2層
Claims (3)
- 液体を収容するための袋であって、
液体が収容される収容部が形成された本体部と、
前記本体部に接続され、前記袋から液体を取り出す際に液体が通る注出口部と、を備え、
前記本体部は、それらの間に前記収容部を形成する表面フィルムおよび裏面フィルムを少なくとも含み、
前記袋は、前記本体部のうち前記液体が前記収容部から前記注出口部へ向かう際に通る領域に設けられた拡開抑制手段をさらに備え、
前記拡開抑制手段は、前記領域において前記表面フィルムと前記裏面フィルムとの間の間隔を一定値以下に抑制するよう、前記表面フィルムの内面と前記裏面フィルムの内面とに熱溶着されており、
前記拡開抑制手段は、プラスチック成形体によって構成されており、前記プラスチック成形体は、前記表面フィルムに接するまたは面する第1部分と、前記裏面フィルムに接するまたは面する第2部分と、前記第1部分および前記第2部分に連結された連結部分と、を含み、
前記プラスチック成形体の前記第1部分は表面側シール部によって前記表面フィルムに取り付けられ、
前記プラスチック成形体の前記第2部分は裏面側シール部によって前記裏面フィルムに取り付けられ、
前記表面側シール部と前記裏面側シール部との間において、プラスチック成形体は、形状を変化させることができるように構成されている、袋。 - 前記注出口部は、開封されることによって液体が注出される注出口となる開封予定部と、注出方向に沿って前記注出口部を二等分する二等分線を境界として対向する一対の注出口部シールと、を含み、
前記開封予定部と一方の前記注出口部シールの内縁とが交わる点と、前記開封予定部と他方の前記注出口部シールの内縁とが交わる点とを結ぶ線分を描き、この線分の長さを前記注出口部の幅とし、この線分の中点を前記開封予定部の中点とした場合に、
前記二等分線に沿った方向における、前記開封予定部の中点と前記拡開抑制手段の端部との間の最短距離は、前記注出口部の幅の1倍以上かつ2倍以下である、請求項1に記載の袋。 - 前記拡開抑制手段の前記プラスチック成形体の厚みは100〜1500μmの範囲内である、請求項1または2に記載の袋。
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