第1の実施の形態
以下、図1乃至図7(a)〜(c)を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張して示すことがある。
袋
図1は、本実施の形態による袋1全体を示す斜視図であり、図2Aは、本実施の形態による袋1全体を示す正面図である。図1においては、流動体Lが充填された状態の袋1の斜視図が示されている。一方、図2Aにおいては、流動体Lの存在を無視した場合の袋1の正面図が示されている。具体的には、図2Aにおいては、後述する閉鎖部3を構成する閉鎖用フィルム30の第1部分31の外面30yと第2部分32の外面30yとが互いに密着していると仮定した場合の袋1の正面図が示されている。
本実施の形態においては、袋1が、自立可能なタイプのものである例について説明する。例えば図1において矢印Mで示すように、袋1の底部にはマチMが形成されている。すなわち袋1は、その底縁23にマチが形成された、いわゆる底ガセット袋になっている。なお本明細書において、「底部」、「上部」や「側部」という名称、並びに、「上下方向」や「水平方向」という用語は、袋1が自立している状態を基準として袋1やその構成要素の位置や方向を表すものである。
袋1は、流動体が充填される充填部Sが形成されるとともに一端ここでは下端が開口した本体部2と、本体部2の開口を覆うよう取り付けられた閉鎖部3と、を備えている。本体部2は、それらの間に充填部Sを形成する表面フィルム11および裏面フィルム12を含んでいる。なお以下の説明および図面において、特に断らない限り、本体部2を構成する表面フィルム11および裏面フィルム12は、互いに対称的な形状を有している。すなわち、表面フィルム11の構成要素と裏面フィルム12の構成要素とは略同一になっている。従って、以下の説明においては、主に表面フィルム11の形状について説明し、裏面フィルム12の形状の説明を省略する。
後述するように、本体部2の開口は、本体部2のうち、袋1が自立している状態のときに袋1の底縁23になる部分に形成されている。本体部2の開口は、後述するように、本体部2の内部の充填部Sに流動体Lを充填する際に流動体Lが通る部分である。流動体Lを充填する際、本体部2は、後述するように、開口が上を向くように保持される。また本明細書において、「閉鎖部」とは、流動体Lを本体部2に充填した後に本体部2を閉鎖するために本体部2の開口に取り付けられる部材のことである。本実施の形態においては、閉鎖部3が、袋1が自立する際の袋1の底部を構成する例について説明するが、これに限られることはなく、例えば後述する第2の実施の形態で説明するように、閉鎖部3が袋1の上部を構成していてもよい。
袋1は、例えば、液体洗剤やシャンプーなど、ボトルへ詰め替えられる流動体である液体を収容するよう構成されたものであるが、流動性のある粉体や粒体などを収容してもよい。すなわち「流動体」とは、液体だけでなく、多数の粉体や粒体など、流動性を有する物質や物質群を広く含む概念である。
また前述の閉鎖部3によって覆われる開口が形成されている限りにおいて、本実施の形態による本体部2のタイプが特に限られることはない。例えば本体部2は、表面フィルム11および裏面フィルム12を熱溶着などによって互いに接合することによって形成されている。この場合、本体部2は、表面フィルム11と裏面フィルム12とが接合されているシール部と、表面フィルム11と裏面フィルム12とが接合されていない未シール部と、に区画される。
以下、本体部2および閉鎖部3について詳細に説明する。図3は、袋1を構成する部材の分解図である。図3に示すように、本実施の形態において、袋1は、表面フィルム11、裏面フィルム12および閉鎖用フィルム30の3枚のフィルムから構成されている。このうち表面フィルム11および裏面フィルム12により本体部2が構成され、閉鎖用フィルム30により閉鎖部3が構成される。
(本体部)
本体部2は、袋1の底縁23となる部分に開口が存在するように表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとを熱溶着することによって形成される。この場合、本体部2は、表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとが熱溶着されているシール部と、表面フィルム11と裏面フィルム12とが熱溶着されていない未シール部と、に区画される。なお本明細書において、「内面」とは、袋1に充填される流動体Lに面する側の面である。図3においては、表面フィルム11の内面11xの反対側にある外面、および裏面フィルム12の内面12xの反対側にある外面が、それぞれ符号11yおよび12yで表されている。
図2Aに示すように、本体部2のシール部は、一対の側縁22に沿って延びる一対の側縁シール部22aと、上縁21に沿って延びる上縁シール部21aと、を含んでいる。上述の充填部Sは、一対の側縁シール部22aおよび上縁シール部21aによって囲われた空間に画成される。なお図1および図2Aにおいては、本体部2の表面フィルム11の内面11xおよび裏面フィルム12の内面12xと、閉鎖部3の閉鎖用フィルム30の内面30xとを熱溶着することによって形成される底縁シール部が、符号23aで表されている。底縁シール部23aは、本体部2の開口を閉鎖するために形成されるシール部である。
本明細書においては、説明の便宜上、側縁シール部22aなどの、表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとを熱溶着することによって得られるシール部のことを、第1種シール部R1と称することがある。また、底縁シール部23aなどの、表面フィルム11の内面11xまたは裏面フィルム12の内面12xと閉鎖用フィルム30の内面30xとを熱溶着することによって得られるシール部のことを、第2種シール部R2と称することもある。また図2Aに示すように、異なる種のシール部に対して異なるハッチングを付すこともある。本実施の形態においては、図2Aに示されているように、第1種シール部R1からなる側縁シール部22aが、袋1の底縁23に至るまで延びている。このことは、後述するように、袋1の自立状態をより安定に維持するという利点をもたらすことができる。
本体部2には、本体部2を破断して袋1を開封することを容易にするための易開封手段が設けられていてもよい。例えば図2Aに示すように、本体部2の側縁シール部22aには、破断の起点となるノッチ25が形成されていてもよい。また、本体部2を破断する際の経路となる部分には、易開封手段として、レーザー加工やカッターなどで形成されたハーフカット線が設けられていてもよい。また、表面フィルム11や裏面フィルム12の中に延伸フィルムを包含させ、延伸フィルムの延伸方向と本体部2の破断方向とを一致させてもよい。また本体部2には、開封されるべき位置を袋1の使用者に示すための印刷などが施されていてもよい。
(閉鎖部)
次に閉鎖部3について説明する。図3に示すように、本実施の形態において、閉鎖部3は、閉鎖用フィルム30を折り返して折り返し部分33を形成し、そして、折り返し部分33が袋1の内側に向かって凸となる状態で閉鎖用フィルム30の内面30xを本体部2の表面フィルム11の内面11xおよび裏面フィルム12の内面12xに熱溶着することによって、本体部2に取り付けられる。閉鎖用フィルム30のうち、表面フィルム11に熱溶着される側に位置する部分を第1部分31と称し、裏面フィルム12に熱溶着される側に位置する部分を第2部分32と称する。折り返し部分33は、第1部分31と第2部分32との間に位置している。また閉鎖部3は、本体部2の一対の側縁シール部22aのうちの一方の側縁シール部22aから他方の側縁シール部22aに至るよう構成されている。なお図3においては、閉鎖用フィルム30を鋭く折り曲げることにより、折り返し部分33が屈曲部として形成される例が示されているが、これに限られることはなく、折り返し部分33が湾曲部として形成されていてもよい。
次に図2Bを参照して、側縁シール部22aとの境界部分における底縁シール部23aの構造の一例について説明する。図2Bは、図2Aにおいて枠IIBで囲まれた部分を拡大して示す図である。図2Bに示すように、底縁シール部23aは、表面フィルム11の内面11xまたは裏面フィルム12の内面12xと閉鎖用フィルム30の内面30xとを熱溶着することによって得られる第2種シール部R2に加えて、表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとを熱溶着することによって得られる第1種シール部R1を、閉鎖用フィルム30の折り返し部分33よりも袋1の内側の位置にさらに有していてもよい。この場合、底縁シール部23aのうち袋1の最も内側に位置する部分が、側縁シール部22aと同様に第1種シール部R1として、側縁シール部22aと一体的に形成されることになる。このため、側縁シール部22aと底縁シール部23aとの境界部分から流動体Lが漏洩してしまうことを抑制することができる。
図2Bにおいて、側縁シール部22aが延びる方向に直交する方向における、例えば水平方向における、底縁シール部23aの第1種シール部R1の寸法が、符号dで表されている。側縁シール部22aと底縁シール部23aとの境界部分から流動体Lが漏洩してしまうことを十分に抑制することを考慮すると、寸法dが3mm以上であることが好ましい。例えば寸法dを3〜5mmの範囲内に設定することができる。
(フィルム)
次に、表面フィルム11、裏面フィルム12および閉鎖用フィルム30の層構成の一例について説明する。はじめに図4を参照して、表面フィルム11および裏面フィルム12の層構成について説明する。図4に示すように、表面フィルム11および裏面フィルム12は、基材層52と、基材層52上に設けられた熱可塑性樹脂層51と、を含んでいる。図4に示す例においては、基材層52が、各フィルム11,12の外面11y、12yを構成しており、熱可塑性樹脂層51が、各フィルム11,12の内面11x、12xを構成している。基材層52には、絵柄などの印刷が施されていてもよい。
基材層52を構成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやナイロンを用いることができる。基材層52によって、外面11y、12yにおける高い印刷適性を確保することができる。また基材層52は、熱溶着時の高い耐熱性を有している。
熱可塑性樹脂層51を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができる。
フィルム11,12の厚みは、例えば20〜250μmの範囲内になっている。
なお図示はしないが、フィルム11,12は、基材層52と熱可塑性樹脂層51との間に配置される中間層をさらに含んでいてもよい。中間層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性、各種の機械的強度など、必要とされる性能に応じて、適切なものが選択され得る。例えば、中間層として、金属層や、金属または金属酸化物の蒸着層などが設けられ得る。このような中間層を設けることにより、酸素や水蒸気が袋1の内部に進入することを抑制することができる。また中間層として、延伸ナイロンフィルムを設けてもよい。この場合、袋1の耐突き刺し性を高めることができる。
次に図5を参照して、閉鎖用フィルム30の層構成について説明する。図5に示すように、閉鎖用フィルム30は、基材層57と、基材層57の一方の側に設けられた第1熱可塑性樹脂層56と、を含んでいる。図5に示す例においては、第1熱可塑性樹脂層56が、閉鎖用フィルム30の内面30xを構成しており、基材層57が、閉鎖用フィルム30の外面30yを構成している。表面フィルム11および裏面フィルム12の場合と同様に、基材層57には、絵柄などの印刷が施されていてもよい。
基材層57を構成する材料としては、表面フィルム11および裏面フィルム12の場合と同様に、ポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。第1熱可塑性樹脂層56を構成する材料としても、表面フィルム11および裏面フィルム12の場合と同様に、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができる。また表面フィルム11および裏面フィルム12の場合と同様に、基材層57と第1熱可塑性樹脂層56との間に中間層が配置されていてもよい。閉鎖用フィルム30の厚みは、例えば20〜250μmの範囲内になっている。
なお、表面フィルム11、裏面フィルム12、および閉鎖用フィルム30の層構成は、上述したものに限定されないことは言うまでもない。
(製造方法)
次に、本実施の形態による袋1の製造方法について説明する。
はじめに図6(a)〜(d)を参照して、本体部2の製造方法について説明する。まず図6(a)に示すように、長尺状の表面フィルム11および裏面フィルム12を準備する。この際、表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとが向かい合うようにする。次に図6(b)に示すように、長手方向に沿って搬送されている表面フィルム11および裏面フィルム12を積層させる。その後、図6(c)に示すように、表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとを熱溶着して、第1種シール部R1を所定のパターンで形成する。この際、充填部Sおよび開口2aとなる未シール部がフィルム11,12の長手方向に沿って等間隔で設けられるよう、第1種シール部R1を形成する。また第1種シール部R1は、長手方向に沿って搬送されるフィルム11,12の側縁のうち開口2aが形成される側の側縁に達するように形成される。
その後、図6(d)に示すように、未シール部の間隔に応じて、第1種シール部R1に沿って表面フィルム11および裏面フィルム12の積層体を切断する。このようにして、上縁シール部21aおよび一対の側縁シール部22aと、上縁シール部21aおよび一対の側縁シール部22aによって囲われた充填部Sと、を含み、一端に開口2aが形成された本体部2を得ることができる。なお上述のように、第1種シール部R1が、フィルム11,12の側縁のうち開口2aが形成される側の側縁に達するように形成されているので、図6(d)に示すように、本体部2の一対の側縁シール部22aは、開口2aの端部に至るまで延びている。
次に図7(a)〜(c)を参照して、本体部2に流動体Lを充填して袋1を製造する方法について説明する。はじめに図7(a)に示すように、開口2aが上方を向くように保持された本体部2を準備する。この際、側縁シール部22aを把持するグリップGなどを利用して、本体部2を保持してもよい。次に、開口2aを介して流動体Lを充填装置Fのノズルから本体部2の充填部Sに充填する充填工程を実施する。ここで上述のように、一対の側縁シール部22aは、開口2aの端部に至るまで延びている。従って、表面フィルム11および裏面フィルム12が、開口2aの端部においても開口2aの両脇で互いに強固に接合されている。このため、仮に充填工程において充填装置Fが表面フィルム11や裏面フィルム12に接触したとしても、フィルム11,12がめくれてしまったり変形してしまったりすることを抑制することができる。このことにより、充填装置Fを用いた充填工程をより容易に実施することができる。
次に、閉鎖用フィルム30からなる閉鎖部3を用いて本体部2の開口2aを閉鎖する閉鎖工程を実施する。具体的には、はじめに図7(b)に示すように、折り返し部分33が本体部2の内側に向かって凸となるように折り返された閉鎖用フィルム30からなる閉鎖部3を準備する。次に、本体部2の開口2aに閉鎖部3を挿入する。ここで閉鎖部3を構成する閉鎖用フィルム30は、閉鎖部3が本体部2の一対の側縁シール部22aの間に挿入可能であるよう構成されている。具体的には、図7(b)に示すように、閉鎖用フィルム30の幅W1は、本体部2の一対の側縁シール部22aの内縁の間の距離W2以下になっている。
次に図7(c)に示すように、閉鎖部3の閉鎖用フィルム30の内面30xを、本体部2の表面フィルム11の内面11xおよび裏面フィルム12の内面12xに熱溶着させる。これによって、本体部2の開口2aを閉鎖するための底縁シール部23aを形成することができる。このようにして、流動体Lが充填された袋1を製造することができる。なお上述の図2Bに示すように、この際、折り返し部分33よりも本体部2の内側の部分において表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとを熱溶着させ、これによって、底縁シール部23aが、第2種シール部R2だけでなく第1種シール部R1をも含むようにしてもよい。
本実施の形態によれば、本体部2を構成するフィルム11,12とは異なる閉鎖用フィルム30を用いて本体部2の開口2aを閉鎖するので、充填工程の際に、本体部2の一方の側縁シール部22aから他方の側縁シール部22aに至る開口2aを確保し、かつ、開口2aを閉鎖することによって形成される袋1の底部にマチを設ける、ということが可能になる。すなわち、充填工程の際の開口2aの幅を広く確保し、これによって流動体の良好な充填適性を実現しながら、かつ、様々なタイプの袋1を実現する、ということが可能になる。このため、簡易かつ安定した方法で様々なタイプを製造することができる。
第1の比較の形態
次に、本実施の形態の効果を、第1の比較の形態と比較して説明する。図8は、第1の比較の形態における袋100を示す正面図である。また図9(a)〜(d)は、図8に示す袋100を製造する方法を示す図である。図8および図9(a)〜(d)に示す第1の比較の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第1の比較の形態による袋100においては、はじめに図9(a)に示すように、袋100の底部を構成するための長尺状のフィルム130を準備する。次に図9(b)に示すように、折り返し部分133に沿ってフィルム130を折り返し、その後、図9(c)に示すように、表面フィルム11と裏面フィルム12との間に、折り返されたフィルム130を挿入する。その後、図9(d)に示すように、表面フィルム11と裏面フィルム12とを熱溶着し、さらに表面フィルム11および裏面フィルム12とフィルム130とを熱溶着して、底縁シール部123aを形成する。その後、図9(d)に示す積層体を切断して本体部2を作製し、本体部2に流動体を充填し、そして本体部2の上部を熱溶着によって封止することによって、図8に示す袋100が得られる。
このように第1の比較の形態において、袋100の底部を構成するための長尺状のフィルム130は、本体部2を構成する表面フィルム11および裏面フィルム12に積層されて熱溶着された後、表面フィルム11および裏面フィルム12とともに切断される。この場合、フィルム130の側縁の位置は、表面フィルム11の側縁および裏面フィルム12の側縁の位置に必然的に一致することになる。このことは、図8に示すように、第1種シール部R1からなる側縁シール部22aが、フィルム130の折り返し部分133のところで途切れてしまうことを意味している。このため、第1の比較の形態による方法によって製造される袋100においては、側縁22のうちフィルム130と重なる部分では、表面フィルム11と裏面フィルム12とが接合されておらず、この結果、袋100の自立状態が不安定になる。また、袋100が落下したときに、底縁シール部123aの内縁と側縁シール部22aの内縁とが交わる部分を起点として破袋が発生することがある。このような課題を解決するため、第1の比較の形態による方法によって製造される袋100においては、図8に示すように、フィルム130のうち側縁22に沿う部分に切り欠き130yを形成し、この切り欠き130yを介して表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとを部分的に熱溶着させることが考えられる。一方、この場合、図9(a)に示すように、搬送されるフィルム130のうち後に切り欠き130yになる部分には孔130zが形成されることになり、このため、搬送方向におけるフィルム130の剛性が低下し、この結果、搬送中にフィルム130が伸びやすくなってしまう。また一般に、自立可能な袋においては、袋が落下したときに袋が受ける衝撃を吸収することができるよう、底部を構成するためのフィルム130として、高い柔軟性を有するフィルムが採用される傾向がある。このことは、搬送中に生じ得るフィルム130の伸びをさらに助長させてしまう。
またフィルム130に孔130zが設けられる場合、袋100の製造工程において、パンチングなどによってフィルム130に孔130zを形成する工程が実施されることになる。このため、孔130zを形成する際に生じる打ち抜きカスが製造ラインに混入しやすくなり、この結果、工程不良が生じやすくなると考えられる。
また上述のように切り欠き130yを介して表面フィルム11と裏面フィルム12とを部分的に熱溶着させ、これによって第1種シール部R1を形成したとしても、図8に示すように、第1種シール部R1は、側縁22全域には形成されない。従って、底部の近傍には、表面フィルム11と裏面フィルム12とが離れている部分が存在することになり、自立状態が不十分になる場合がある。
これに対して本実施の形態によれば、上述のように、流動体Lを充填するために利用される本体部2の開口2aが、本体部2を構成する表面フィルム11および裏面フィルム12とは別の閉鎖用フィルム30からなる閉鎖部30によって閉鎖される。また閉鎖部30は、表面フィルム11と裏面フィルム12とを熱溶着して側縁シール部22aを形成した後に、表面フィルム11と裏面フィルム12との間に挿入される。このため、閉鎖部3を構成する閉鎖用フィルム30の側縁を、表面フィルム11の側縁および裏面フィルム12の側縁よりも内側に位置付けることが可能である。従って、図2Aに示すように、第1種シール部R1からなる側縁シール部22aを、袋1の底縁23に至るまで延びるように形成することができる。このため、袋1の自立状態をより安定に維持することができる。また、閉鎖用フィルム30に孔を形成する必要が無いので、打ち抜きカスに起因する工程不良が生じることもない。また、閉鎖用フィルム30がその長手方向に沿って所定の張力で搬送される場合であっても、閉鎖用フィルム30に孔が設けられていないので、閉鎖用フィルム30が伸びてしまうことを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
上述の本実施の形態においては、閉鎖用フィルム30として、本体部2の一対の側縁シール部22aの内縁の間の距離W2以下の幅W1を有するものが用いられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図10に示すように、本体部2の一対の側縁シール部22aの内縁の間の距離W2よりも大きく、かつ本体部2の一対の側縁22の間の距離W3よりも小さい幅W1を有する閉鎖用フィルム30を用いて閉鎖部3を構成してもよい。
図10に示す袋1の製造方法について、図11(a)〜(c)を参照して説明する。はじめに図11(a)に示すように、一端に開口2aが形成された本体部2を準備する。ここで、本体部2の一対の側縁シール部22aは、開口2aが設けられた一端(後の底縁23)にまでは至らないように形成されている。このような本体部2の開口2aを介して、流動体Lを充填装置Fのノズルから本体部2の充填部Sに充填する。次に図11(b)に示すように、本体部2の一対の側縁シール部22aの内縁の間の距離W2よりも大きく、かつ本体部2の一対の側縁22の間の距離W3よりも小さい幅W1を有する閉鎖用フィルム30からなる閉鎖部3を準備する。その後、本体部2の一対の側縁シール部22aの間に閉鎖部3を挿入する。この際、本体部2の一対の側縁シール部22aが、開口2aが設けられた一端にまでは至っていないので、閉鎖部3をより容易に本体部2の内部に挿入することができる。次に、閉鎖部3の閉鎖用フィルム30の内面30xを、本体部2の表面フィルム11の内面11xおよび裏面フィルム12の内面12xに熱溶着させる。これによって、図11(c)に示すように、底縁シール部23aを構成する第2種シール部R2を形成することができる。この際、図11(c)に示すように、側縁シール部22aのうち底縁23に至るまで延びる部分を構成する第1種シール部R1を、第2種シール部R2の側方に形成することもできる。
本変形例においても、閉鎖部3を構成する閉鎖用フィルム30の側縁を、表面フィルム11の側縁および裏面フィルム12の側縁よりも内側に位置づけることができる。従って、図10に示すように、第1種シール部R1からなる側縁シール部22aを、袋1の底縁23に至るまで延びるように形成することができる。このため、袋1の自立状態をより安定に維持することができる。また本変形例においても、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、充填工程の際の開口2aの幅を広く確保し、これによって流動体の良好な充填適性を実現しながら、かつ、様々なタイプの袋1を実現することができる。
(第2の変形例)
上述の第1の変形例においては、本体部2の一対の側縁シール部22aの内縁の間の距離W2よりも大きく、かつ本体部2の一対の側縁22の間の距離W3よりも小さい幅W1を有する閉鎖用フィルム30を用いて閉鎖部3が構成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、閉鎖用フィルム30は、本体部2の一対の側縁22の間の距離W3と同一の幅W1を有していてもよい。閉鎖用フィルム30の幅W1が本体部2の一対の側縁22の間の距離W3と同一である場合の、袋1の製造方法を、図12(a)〜(c)に示す。
本変形例においても、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、充填工程の際の開口2aの幅を広く確保し、これによって流動体の良好な充填適性を実現しながら、かつ、様々なタイプの袋1を実現することができる。なお図示はしないが、本変形例による閉鎖部3を構成する閉鎖用フィルム30には、上述の第1の比較の形態の場合と同様の切り欠き130yが設けられていてもよい。この場合、切り欠き130yを介して表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとを部分的に熱溶着させることができるので、袋1の自立状態の安定性を高めることができる。
(第3の変形例)
上述の本実施の形態においては、上縁21に略平行な方向に沿って本体部2を破断させることによって袋1を開封し、流動体Lを取り出す例を示した。しかしながら、袋1から流動体Lを取り出す方法が特に限られることはない。例えば図13に示すように、袋1の本体部2の上部には、流動体Lを取り出すための取出口部50が設けられていてもよい。取出口部50は、袋1から流動体Lを取り出す際に流動体Lの流れを整えるために設けられる部分であり、充填部Sに比べて狭い幅wを有している。また取出口部50には、開封されることによって流動体を取り出す取出口34となる開封予定部35が形成されていてもよい。開封予定部35には、開封を容易化するためにレーザー加工やカッターなどで形成されたハーフカット線などの易開封手段が設けられていてもよい。また、表面フィルム11や裏面フィルム12の中に延伸フィルムを包含させ、延伸フィルムの延伸方向と開封予定部35の方向とを一致させ、これによって、開封予定部35に沿った袋1の破断を容易化してもよい。また開封予定部35には、開封されるべき位置を袋1の使用者に示すための印刷などが施されていてもよい。
図13に示す例において、取出口部50における流動体Lの流路は、流動体Lの取出方向に沿って延びる一対のシール部36の間に形成されている。シール部36は、表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとを熱溶着することによって、すなわち第1種シール部R1として形成されている。図13に示すように、取出口部50には、取出口部50の形状を整えるための切り欠き37がシール部36の側方に形成されていてもよい。
(第4の変形例)
図14に示すように、本体部2の内部には、一方の側縁シール部22aから他方の側縁シール部22aまで延びるチャックテープ45が設けられていてもよい。チャックテープ45とは、ノッチ25などの易開封手段に沿って破断されて開封された後の袋1の本体部2を再び封止するために設けられる部材である。
図15は、図14に示す袋1をXV−XV線に沿って見た場合を示す断面図である。図15に示すように、チャックテープ45は、表面フィルム11の内面11xに取り付けられた雄型部材46と、雄型部材46に対向するよう裏面フィルム12の内面12xに取り付けられた雌型部材47と、を含んでいる。雄型部材46および雌型部材47は、互いに嵌合可能に構成されている。この場合、雄型部材46と雌型部材47とを嵌合させることにより、開封後の袋1の本体部2の充填部Sを再び封止することができる。また、雄型部材46と雌型部材47との嵌合を外すことにより、充填部S内の流動体Lを取り出すことができる。なお図示はしないが、雄型部材46が裏面フィルム12に取り付けられ、雌型部材47が表面フィルム11に取り付けられていてもよい。
図15に示すように、本体部2の内部のうちチャックテープ45よりも底部側の部分には、表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとを必要に応じて密着させることができるイージーピール手段48が設けられていてもよい。チャックテープ45よりも底部側で表面フィルム11と裏面フィルム12とを密着させることにより、流動体Lがチャックテープ45に接触することを抑制することができる。これによって、例えば雄型部材46と雌型部材47との間に流動体が存在することなどに起因してチャックテープ45の封止性能が不十分になってしまうことを抑制することができる。またイージーピール手段48を設けることにより、流動体がチャックテープ45を超えてノッチ25などの易開封手段の周囲にまで到達してしまうことをより確実に抑制することができる。これによって、使用者が袋1を開封するときに使用者の手に流動体が付着してしまうことを抑制することができる。イージーピール手段48の具体的な構成が特に限られることはなく、公知のものが適宜用いられえる。例えば図15に示すように、イージーピール手段48は、フィルム11,12の内面11x,12xのいずれか一方または両方に設けられたイージーピールフィルム49を含んでいてもよい。
図14に示す袋1の製造方法について、図16(a)〜(c)を参照して説明する。はじめに図16(a)に示すように、後に底縁となる一端に開口2aが形成され、かつ上縁21側にチャックテープ45が設けられた本体部2を準備する。この際、チャックテープ45の雄型部材46および雌型部材47は、互いに嵌合した状態にある。より具体的には、図16(a)に示す状態のチャックテープ45においては、雄型部材46および雌型部材47の嵌合が、チャックテープ45がフィルム11,12に取り付けられてからまだ一度も外されていない。このため、チャックテープ45の雄型部材46と雌型部材47との間には、流動体が存在していない。すなわちチャックテープ45は、高い封止性能を発揮することができる状態に保たれている。
このような本体部2の開口2aを介して、図16(b)に示すように、流動体Lを充填装置Fのノズルから本体部2の充填部Sに充填する。次に図16(c)に示すように、本体部2の一対の側縁シール部22aの間に閉鎖部3を挿入して、閉鎖部3を本体部2に熱溶着し、開口2aを閉鎖する。
本変形例によれば、雄型部材46および雌型部材47の嵌合を一度も外すことなく、本体部2に流動体Lを充填し、そして本体部2の開口2aを閉鎖することができる。このため、高い封止性能を発揮することができる状態に保たれたチャックテープ45を有する袋1を製造することができる。また本変形例によれば、本体部2を構成するフィルム11,12とは異なる閉鎖用フィルム30を用いて本体部2の開口2aを閉鎖するので、開口2aを閉鎖することによって形成される袋1の底部にマチを設けることができる。すなわち、高い封止性能を発揮することができる状態に保たれたチャックテープ45を有し、かつ、底ガセット式の自立可能な袋1を提供することができる。
第2の比較の形態
次に、上述の第4の変形例の効果を、第2の比較の形態と比較して説明する。図17(a)〜(c)は、第2の比較の形態による袋の製造方法を示す図である。
図17(a)に示すように、第2の比較の形態においては、後に上縁となる一端に開口2aが形成され、かつ上縁21側にチャックテープ45が設けられた本体部2を準備する。この際、本体部2の底縁側は、底縁シール部123aによって封止されている。
次に図17(b)に示すように、開口2aを介して流動体Lを充填装置Fのノズルから本体部2の充填部Sに充填する。この際、流動体Lが充填部Sに到達することができるよう、チャックテープ45の雄型部材46と雌型部材47との嵌合は外されている。充填が完了した後、チャックテープ45の雄型部材46と雌型部材47とを嵌合させ、そして図17(c)に示すように、本体部2の上部を熱溶着して上縁シール部21aを形成する。
第2の変形例によれば、後に上縁となる一端に形成された開口2aを介して流動体Lが充填部Sに充填される。流動体Lは、チャックテープ45の雄型部材46と雌型部材47との間を通って充填部Sに到達する。このため、充填工程の際、雄型部材46と雌型部材47との間に流動体が付着し、これによってチャックテープ45の封止性能が不十分になってしまうことが考えられる。また、充填工程の際、開口2aとチャックテープ45との間の領域において表面フィルム11の内面や裏面フィルム12の内面に流動体が付着することも考えられる。この場合、後に使用者が袋を開封するとき、使用者の手が表面フィルム11の内面や裏面フィルム12の内面に接触し、これによって、使用者の手に流動体が付着してしまうことも考えられる。また、充填工程の前に、チャックテープ45の雄型部材46と雌型部材47との嵌合を外し、そして充填工程の後に、チャックテープ45の雄型部材46と雌型部材47とを嵌合させる、という作業も必要になる。
これに対して上述の第4の変形例によれば、チャックテープ45の雄型部材46と雌型部材47とが嵌合した状態で、後に底縁となる一端に形成された開口2aを介して、流動体が本体部2の充填部Sに充填される。このため、充填工程の際、雄型部材46と雌型部材47との間に流動体が付着することがない。従って、チャックテープ45の封止性能を十分に発現させることができる。また、充填工程の際、袋1のうち後に開封される部分と、チャックテープ45との間において、表面フィルム11の内面や裏面フィルム12の内面に流動体が付着することもない。従って、表面フィルム11の内面や裏面フィルム12の内面のうち、使用者の手が接触する可能性のある領域を清浄に保つことができる。このため、後に使用者が袋を開封するとき、使用者の手が表面フィルム11の内面や裏面フィルム12の内面に接触したとしても、使用者の手が流動体で汚れてしまうことを抑制することができる。また、充填工程の前後でチャックテープ45の雄型部材46と雌型部材47との嵌合を外したり再び嵌合させたりするという作業が不要なので、袋1の生産性を向上させることができる。さらに、イージーピール手段48を設ける場合、イージーピールフィルム49の内面に流動体が付着することがないため、シール不良を抑制することができる。
(その他の変形例)
上述の第1の実施の形態および各変形例においては、本体部2の充填部Sに充填される内容物が、流動性を有する流動体である例を示した。しかしながら、本体部2の充填部Sに充填される内容物が特に限られることはない。例えば、上述の第1の実施の形態や、第1、第2、第4の変形例などにおいては、本体部2の充填部Sに充填される内容物が、菓子などの固形体であってもよい。
なお、上述した第1の実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
第2の実施の形態
上述の第1の実施の形態およびその変形例においては、本体部2の開口2aを閉鎖するために用いられる、閉鎖用フィルム30からなる閉鎖部3が、袋1の底部を構成する例について示した。しかしながら、これに限られることはなく、閉鎖部3が袋1の上部を構成していてもよい。以下、図18乃至図24を参照して、閉鎖部3が袋1の上部を構成する、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態およびその変形例と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態およびその変形例において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
袋
図18は、本実施の形態による袋1全体を示す斜視図であり、図19は、本実施の形態による袋1全体を示す正面図である。袋1は、表面フィルム11と裏面フィルム12との間に流動体が充填される充填部Sが形成されるとともに一端ここでは上端が開口した本体部2と、本体部2の開口を覆うよう取り付けられた閉鎖用フィルム30からなる閉鎖部3と、を備えている。なお、図18においては、充填部Sに流動体Lが充填された状態が示されている。
本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、袋1が、自立可能なタイプのものである例について説明する。例えば図18において矢印Mで示すように、袋1の底部にはマチMが形成されている。すなわち袋1は、その底縁23にマチが形成された、いわゆる底ガセット袋になっている。
以下、本体部2および閉鎖部3について詳細に説明する。図20は、袋1を構成する部材の分解図である。図20に示すように、本実施の形態において、袋1は、表面フィルム11、裏面フィルム12、底面フィルムおよび閉鎖用フィルム30の4枚のフィルムから構成されている。このうち表面フィルム11、裏面フィルム12および底面フィルム13により本体部2が構成され、閉鎖用フィルム30により閉鎖部3が構成される。
(本体部)
本体部2は、袋1の上部となる部分に開口が存在するように表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとを熱溶着することによって形成される。また、図20に示すように、折り返し部分13cが本体部2の内側に向かって凸となるように折り返された底面フィルム13を表面フィルム11と裏面フィルム12との間に挿入し、表面フィルム11および裏面フィルム12と底面フィルム13とを熱溶着して底縁シール部23aを形成することによって、袋1の底部にマチが形成され、これによって袋1が自立可能になる。なお底面フィルム13は、上述の第1の実施の形態における閉鎖用フィルム30とは異なり、流動体Lを本体部2の充填部Sに充填する充填工程の際には既に表面フィルム11および裏面フィルム12に熱溶着されている。すなわち、本実施の形態における底面フィルム13は、流動体Lを本体部2の充填部Sに充填するために利用される本体部2の開口を閉鎖するためのものではない。
袋1の底部となる底縁シール部23aを形成する方法が特に限られることはなく、様々な方法が採用され得る。例えば上述の第1の実施の形態の場合のように、はじめに、表面フィルム11および裏面フィルム12が互いに熱溶着された積層体を準備し、次に、表面フィルム11と裏面フィルム12との間に底面フィルム13を挿入して底面フィルム13を表面フィルム11および裏面フィルム12に熱溶着することによって、底縁シール部23aを形成してもよい。若しくは、上述の比較の形態の場合のように、長尺状の表面フィルム11、裏面フィルム12および底面フィルム13を積層させてこれらを互いに熱溶着し、その後に切断することによって、底縁シール部23aが形成された本体部2を得ることもできる。なお、袋1の底部にマチが設けられる必要がない場合、表面フィルム11と裏面フィルム12とを熱溶着することによって、袋1の底部となる底縁シール部23aを形成してもよい。
(閉鎖部)
次に閉鎖部3について説明する。 図20に示すように、本実施の形態において、閉鎖部3は、閉鎖用フィルム30を折り返して折り返し部分33を形成し、そして、折り返し部分33が袋1の外側に向かって凸となる状態で閉鎖用フィルム30の外面30yを本体部2の表面フィルム11の内面11xおよび裏面フィルム12の内面12xに熱溶着することによって、本体部2に取り付けられる。なお本実施の形態においては、折り返し部分33が湾曲部として形成される例について説明するが、これに限られることはなく、閉鎖用フィルム30を鋭く折り曲げることにより、折り返し部分33が屈曲部として形成されていてもよい。上述の第1の実施の形態の場合と同様に、閉鎖部3は、本体部2の一対の側縁シール部22aのうちの一方の側縁シール部22aから他方の側縁シール部22aに至るよう構成されている。
図18および図19に示すように、閉鎖用フィルム30には、開封されることによって流動体を取り出す取出口34となる開封予定部35を有する取出口部50が形成されていてもよい。取出口34からは、折り返し部分33に沿って流動した流動体が取出される。なお、取出口34は、説明の便宜のため破線で示している。また図20においては、本体部2に取り付けられる前の閉鎖用フィルム30であって、取出口部50が形成される前の閉鎖用フィルム30が示されている。図20に示す閉鎖用フィルム30は、矩形のフィルムが単に折り返されたものである。本実施の形態では、後述するように、図20に示す閉鎖用フィルム30が、本体部2に取り付けられる際、または本体部2に取り付けられる前若しくは取り付けられた後に適宜加工されることで、開封予定部35を有する取出口部50等が形成される。
取出口部50は、袋1から流動体Lを取り出す際に流動体Lの流れを整えるために設けられる部分であり、本体部2に比べて狭い幅wを有している。流動体Lの流れを整えることができる限りにおいて、取出口部50の具体的な形状が特に限られることはない。一例としては、図19に示すように、閉鎖用フィルムの一対の側部30A,30Bのうちの一方の側部30Aには、第1部分31の内面30xと第2部分32の内面30xとを熱溶着することによって形成されるシール部36が設けられている。このシール部36は、シール部36と折り返し部分33との間の距離が側方へ向かうにつれて狭くなるよう、構成されている。このように形成されたシール部36と、折り返し部分33のシール部36側の部位と、これらシール部36と折り返し部分33のシール部36側の部位との間に位置する第1部分31及び第2部分32とによって、取出口部50が構成されている。以下の説明において、本体部2側から、シール部36と折り返し部分33とが交わる閉鎖用フィルム30の角部分に向かう方向を、流動体Lの取出方向とも称する。
取出口部50の開封予定部35は、シール部36から折り返し部分33に向かって、流動体Lの取出方向に交差するように延びている。この開封予定部35に沿って閉鎖部3を破断することにより、流動体Lを取り出すための取出口34が閉鎖部3に形成される。取出口34からは、例えば袋1が傾けられた際、取出口部50によって画定される、本体部2の幅よりも小さい幅wの流路を通過することによって整流された流動体を外部に取り出すことができる。なお図19に示すように、シール部36には切り欠き37が形成されていてもよい。
開封予定部35には、開封予定部35が開封され易くなるための易開封手段が設けられていてもよい。例えば開封予定部35は、シール部36から折り返し部分33に向けて、流動体の取出方向に交差するように延びる易開封線38として形成されていてもよい。易開封線38の例としては、レーザー加工やカッターなどで形成されたハーフカット線を挙げることができる。またシール部36の縁部に、易開封手段としてノッチが形成されていてもよい。また、表面フィルム11や裏面フィルム12の中に延伸フィルムを包含させ、延伸フィルムの延伸方向と開封予定部35の方向とを一致させてもよい。また開封予定部35には、開封されるべき位置を袋1の使用者に示すための印刷などが施されていてもよい。
次に、閉鎖部3の断面構造について説明する。はじめに、閉鎖部3のうち本体部2に取り付けられる部分の断面構造について説明する。図21には、図19のXXI―XXI線に沿う断面が示されている。図21に示すように、本実施の形態では、閉鎖用フィルム30の第1部分31および第2部分32がそれぞれ、本体部2内で直線状に延びて、それぞれの端部が本体部2の開口を介して表面フィルム11と裏面フィルム12との間に配置されている。そして、第1部分31の外面30yの一部が表面フィルム11の内面11xに、第2部分32の外面30yの一部が裏面フィルム12の内面12xに熱溶着されている。これにより、閉鎖用フィルム30が本体部2に取り付けられている。以下の説明において、本実施の形態による閉鎖用フィルム30を本体部2に取り付ける際に形成されるシール部のような、表面フィルム11の内面11xまたは裏面フィルム12の内面12xと閉鎖用フィルム30の外面30yとを熱溶着することによって得られるシール部のことを、第3種シール部R3と称することがある。図19に示すように、第3種シール部R3は、一方の側縁シール部22aから他方の側縁シール部22aに至るよう延びている。また上述のシール部36のような、閉鎖用フィルム30の内面30x同士を熱溶着することによって得られるシール部のことを、第4種シール部R4と称することがある。
次に、閉鎖部3のうち取出口部50が形成される部分の断面構造について説明する。図22には、図19のXXII−XXII線に沿う断面であって、開封予定部35の断面形状が示されている。図22に示すように、開封予定部35においては、閉鎖用フィルム30の内面30x同士を熱溶着することによって、全体として略楕円形の断面形状が形成されている。また閉鎖用フィルム30の折り返し部分33は、円弧状の断面形状を有している。なお図21に示すように、閉鎖部3のうち本体部2に取り付けられる部分においても、閉鎖用フィルム30の折り返し部分33は、曲率半径r1で湾曲する円弧状の断面形状を有している。すなわち、本実施の形態では、閉鎖用フィルム30は、全体にわたり、折り返し部分33が断面視で円弧状となっている。
次に、閉鎖用フィルム30の本体部2に対する取り付けの詳細について以下に説明する。図18および図19に示すように、本実施の形態において、閉鎖用フィルム30は、取出口部50が形成される一方の側部30Aが、その反対側の側部(以下、他方の側部30Bとも称する)よりも本体部2の開口から外側に離れて位置するよう、本体部2に取り付けられている。そして、折り返し部分33は、他方の側部30Bから一方の側部30Aに向かうにつれて次第に本体部2の開口から離れるように延びている。
この状態において、閉鎖用フィルム30の一方の側部30Aは、その基端部(本体部2側の端部)が本体部2の内側に入り込んだ状態とされる一方で、閉鎖用フィルム30の他方の側部30Bは、その全体が本体部2の内側に入り込んだ状態とされている。
この例においては、閉鎖用フィルム30の一方の側部30Aが位置する側の本体部2の側縁22の上縁21側の端部においては、表面フィルム11と裏面フィルム12とが熱溶着されておらず、この熱溶着されていない表面フィルム11と裏面フィルム12との間に、閉鎖用フィルム30の一方の側部30Aの基端部が配置されている。一方、閉鎖用フィルム30の他方の側部30Bが位置する側の側縁シール部22aは、底縁23から上縁21にかけて形成されている。そして、閉鎖用フィルム30の他方の側部30Bは、当該他方の側部30Bが位置する側の側縁シール部22aの内側(充填部S側)に配置されて、その全体が本体部2の内側に入り込んだ状態とされている。
(フィルム)
次に、本実施の形態における閉鎖用フィルム30の層構成の一例について説明する。なお表面フィルム11および裏面フィルム12の層構成は、上述の第1の実施の形態の場合と同一であるので、説明を省略する。図23に示すように、閉鎖用フィルム30は、基材層57と、基材層57の一方の側に設けられた第1熱可塑性樹脂層56と、基材層57の他方の側に設けられた第2熱可塑性樹脂層58と、を含んでいる。図23に示す例においては、第1熱可塑性樹脂層56が、閉鎖用フィルム30の内面30xを構成しており、第2熱可塑性樹脂層58が、閉鎖用フィルム30の外面30yを構成している。閉鎖用フィルム30の外面30yと各フィルム11,12の内面11x,12xとを熱溶着させることにより、上述の第3種シール部R3が構成されている。
基材層57を構成する材料としては、表面フィルム11および裏面フィルム12の場合と同様に、ポリエチレンテレフタレートやナイロン等を用いることができる。第1熱可塑性樹脂層56および第2熱可塑性樹脂層58を構成する材料としても、表面フィルム11および裏面フィルム12の場合と同様に、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができる。また表面フィルム11および裏面フィルム12の場合と同様に、基材層57と第1熱可塑性樹脂層56との間に、および/または、基材層57と第2熱可塑性樹脂層58との間に中間層が配置されていてもよい。閉鎖用フィルム30の厚みは、例えば30〜200μmの範囲内になっている。
なお、表面フィルム11、裏面フィルム12、および閉鎖用フィルム30の層構成は、上述したものに限定されないことは言うまでもない。
(製造方法)
次に、本実施の形態による袋1の製造方法について図24を参照して説明する。
はじめに図24(a)に示すように、開口2aが上方を向くように保持された本体部2を準備する。この際、側縁シール部22aを把持するグリップGなどを利用して、本体部2を保持してもよい。次に、開口2aを介して流動体Lを充填装置Fのノズルから本体部2の充填部Sに充填する充填工程を実施する。ここで図24(a)に示すように、開口2aは、一対の側縁シール部22aの一方から他方に至るまで延びている。すなわち、充填工程の際の開口2aの幅が広く確保されている。従って、充填工程を容易に実施することができる。例えば、充填装置Fを容易に開口2aに挿入することができる。若しくは、充填装置Fから噴出された流動体Lを容易に開口2aに通すことができる。
次に、閉鎖用フィルム30からなる閉鎖部3を用いて本体部2の開口2aを閉鎖する閉鎖工程を実施する。具体的には、はじめに図24(b)に示すように、折り返し部分33が外側ここでは上方に向かって凸となるように折り返された閉鎖用フィルム30からなる閉鎖部3を準備する。次に図24(c)に示すように、本体部2の開口2aに閉鎖部3を挿入する。その後、閉鎖用フィルム30の外面30yと表面フィルム11の内面11xおよび裏面フィルム12の内面12xとを熱溶着させる。
ところで上述のように、閉鎖用フィルム30の内面30xは第1熱可塑性樹脂層56によって構成されている。このため、閉鎖用フィルム30の外面30yと表面フィルム11の内面11xおよび裏面フィルム12の内面12xとを熱溶着するために閉鎖用フィルム30を加熱する際、閉鎖用フィルム30の外面30yを構成する第2熱可塑性樹脂層58だけでなく、閉鎖用フィルム30の内面30xを構成する第1熱可塑性樹脂層56も溶融してしまうことが考えられる。第1熱可塑性樹脂層56が溶融して、閉鎖用フィルム30の第1部分31の内面30xと第2部分32の内面30xとが熱溶着してしまうと、本体部2から取出口部50に至る流動体Lの流路が遮断または抑制されてしまうことになる。この点を考慮し、図24(c)に示すように、閉鎖用フィルム30の対向する内面30xの間に、セパレータSEが配置される。この状態で、閉鎖用フィルム30における第1部分31と表面フィルム11との熱溶着、および、第2部分32と裏面フィルム12との熱溶着を実施する。これにより、図24(d)に示すように、第1部分31の内面30xと第2部分32の内面30xとが熱溶着されることを防ぎながら、本体部2に閉鎖用フィルム30を取り付けることができる。
また、本体部2に取り付けられた閉鎖用フィルム30に対してさらに熱溶着工程を実施して、取出口部50を構成するための、第4種シール部R4からなるシール部36を形成する。なおシール部36は、第3種シール部R3を形成する際に同時に形成されてもよい。シール部36を形成した後、切り欠き37を形成して、取出口部50の形状を整えてもよい。若しくは、本体部2に取り付けられる前の閉鎖用フィルム30に、予め切り欠き37が形成されていてもよい。
ところで、従来の袋においては、例えば上述の図13に示すように、取出口部50における流動体Lの流路は、流動体Lの取出方向に沿って延びる一対のシール部36の間に形成される。シール部36は、上述のように、表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとを熱溶着することによって得られる第1種シール部R1として形成されている。
軟包装材から構成された袋においては、流動体Lからの圧力によって表面フィルム11と裏面フィルム12との間の間隔が拡がることによって、取出口部50における流動体Lの流路が確保される。また、取出口部50の内部に流動体Lが存在することによって、流動体Lの取り出しの際の取出口部50の剛性が高められる。一方、図13に示すような袋100においては、取出口部50における流動体Lの流路の両脇において表面フィルム11と裏面フィルム12とが互いに固定されているため、取出口部50において、表面フィルム11と裏面フィルム12との間の間隔が拡がりにくい。すなわち、取出口部50における流動体Lの流路を十分に大きく確保することができない。このことは、流動体Lの取り出しの際に取出口部50内に位置する流動体Lの量が少なく、このため、取出口部50の剛性が十分に確保され難いことを意味している。流動体Lの取り出しの途中で取出口部50が閉塞されてしまうことや、流動体の取り出しの途中で取出口部が折れ曲がってしまうことが考えられる。
これに対して、本実施の形態においては、取出口部50が、本体部2の開口2aを閉鎖するために取り付けられる閉鎖用フィルム30からなる閉鎖部3に形成されている。この取出口部50は、一対のシール部の間ではなく、折り返し部分33とシール部36との間に形成されている。折り返し部分33は、閉鎖用フィルム30を折り返すことによって形成される部分であり、従って折り返し部分33においては、閉鎖用フィルム30の第1部分31の内面30xと第2部分32の内面30xとが密着していない。このため本実施の形態においては、図21に示すように、折り返し部分33が湾曲部として形成され得る。例えば、湾曲部は、全体として円弧状となることもあり、U字状になることもある。いずれの場合でも、折り返し部分33は、所定の曲率半径を有する円弧状となる。
このように本実施の形態においては、取出口部50に折り返し部分33が含まれることにより、一対のシール部36の間に取出口部50が形成される場合に比べて、閉鎖用フィルム30の第1部分31と第2部分32とが密着し難くなる。すなわち、取出口部50において、第1部分31の内面30xと第2部分32の内面30xとの間の間隔を広く維持することができる。従って、取出口部50における流動体Lの流路を十分に大きく確保することができ、このため、流動体Lの取り出しの際に多くの量の流動体Lを取出口部50内に存在させることができる。これによって、取出口部50の剛性を十分に確保することができ、このことにより、流動体Lの取り出しの途中で取出口部50が閉塞されてしまうことを抑制することができる。また、流動体Lの取り出しの途中で取出口部50が折れ曲がってしまうことを抑制することができる。
また本実施の形態においては、図19に示すように、袋1の上縁21が閉鎖用フィルム30の折り返し部分33によって構成され、この折り返し部分33が取出口部50にまで延びている。このため、袋1の上縁が、シール部、例えば第1種シール部R1によって形成されている場合に比べて、対向するフィルム間の間隔を広く維持することができる。これによって、袋1の上縁における流動体Lの流路を広く確保することができ、このため、袋1を傾けた際に充填部Sから袋1の上縁に到達した流動体Lを、取出口部50に向けてスムーズに案内することができる。また、閉鎖用フィルム30の折り返し部分33によって構成された袋1の上縁21の長さを長くすることにより、十分な量の流動体Lを袋1の上縁に沿って溜めておくことができる。このため、流動体Lの取出性を向上させることができる。
また、本実施の形態の袋1では、閉鎖用フィルム30は、その一方の側部30Aが、その他方の側部30Bよりも本体部2の開口から離れて位置するよう、本体部2に取り付けられている。また折り返し部分33は、他方の側部30Bから一方の側部30Aに向けて次第に本体部2の開口から離れるように延びている。そして、開封予定部35は、閉鎖用フィルム30における一方の側部30A側に形成されている。このため、折り返し部分33が水平方向に延びる場合に比べて、袋1を傾けた際に充填部Sから袋1の上縁に到達して取出口部50に向かって流れる流動体Lが袋1の上縁の近傍で行う方向転換の程度を、軽微なものにすることができる。これにより、取出口部50に向けて流動体Lをより滑らかに導くことができるため、流動体Lの取出性をさらに向上させることができる。また、詰め替え対象のボトルが直立姿勢にある場合に、ボトルの口部に対して袋1の取出口部50を挿入することが容易になる。さらに、傾けられた袋1を元の姿勢に戻す際に、流動体Lの液垂れが生じてしまうことを抑制することができる。
また本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、本体部2を構成するフィルム11,12とは異なる閉鎖用フィルム30を用いて本体部2の開口2aを閉鎖する。このため、充填工程の際に、本体部2の一方の側縁シール部22aから他方の側縁シール部22aに至る開口2aを確保し、かつ、流動体Lの取出性に優れた取出口部50を形成する、ということが可能になる。すなわち、充填工程の際の開口2aの幅を広く確保し、これによって流動体の良好な充填適性を実現しながら、かつ、様々なタイプの袋1を実現する、ということが可能になる。このため、簡易かつ安定した方法で様々なタイプを製造することができる。
なお、上述の第2の実施の形態では、閉鎖用フィルム30の折り返し部分33が湾曲部として形成される例を示した。しかしながら、仮に折り返し部分33が屈曲部として形成されたとしても、閉鎖用フィルム30が有する弾性特性のため、袋1の上縁や取出口部50の上縁がシール部として構成される場合に比べて、第1部分31の内面30xと第2部分32の内面30xとの間が密着し難くなると考えられる。従って、仮に折り返し部分33が屈曲部になっている場合であっても、従来の袋に比べて、流動体Lの取出性を向上させることができる。
また上述の第2の実施の形態においては、閉鎖部3を本体部2に取り付ける際、若しくは閉鎖部3を本体部2に取り付けた後に、取出口部50を画成するためのシール部36が閉鎖部3に形成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、予めシール部36が形成された閉鎖部3を本体部2に取り付けてもよい。以下、シール部36が形成された閉鎖部3を準備する方法の一例について、図25(a)〜(d)を参照して説明する。
はじめに図25(a)に示すように、閉鎖部3を構成するための長尺状の閉鎖用フィルム30を準備する。次に図25(b)に示すように、折り返し部分33に沿って閉鎖用フィルム30を折り返す。その後、図25(c)に示すように、閉鎖用フィルム30の第1部分31の内面30xと第2部分32の内面30xとを熱溶着して、第4種シール部R4を所定のパターンで形成する。この際、取出口部50の流路となる未シール部が閉鎖用フィルム30の長手方向に沿って等間隔で設けられるよう、第4種シール部R4を形成する。
その後、図25(d)に示すように、未シール部の間隔に応じて、第4種シール部R4の部分で閉鎖用フィルム30を切断する。このようにして、取出口部50を画成するためのシール部36が予め形成された閉鎖部3を得ることができる。図25(d)に示すように、取出口部50が形成される一方の側部30Aだけでなく、一方の側部30Aの反対側にある他方の側部30Bにも、シール部36が形成されてもよい。また、取出口部50が形成される側のシール部36に切り欠き37を設けてもよい。
本変形例によれば、本体部2に取り付けられる前の閉鎖部3において、閉鎖用フィルム30の第1部分31と第2部分32とが部分的に熱溶着されている。このため、本体部2に取り付けられる際の閉鎖部3の形状を安定に維持することができる。従って、本体部2の開口2aに閉鎖用フィルム30を配置する作業や、熱溶着によって閉鎖部3を本体部2に取り付ける作業を容易化することができる。また、シール部36が形成された閉鎖部3をロール・トゥ・ロール方式で製造することができるので、生産性を向上させることができる。
ところで、上述のようにロール・トゥ・ロール方式で閉鎖用フィルム30を搬送するということは、閉鎖用フィルム30の長手方向に沿った張力が閉鎖用フィルム30に加えられ、これによって閉鎖用フィルム30が弾性変形していることを意味している。ロール・トゥ・ロール方式で搬送される際の閉鎖用フィルム30の長手方向は、閉鎖用フィルム30を折り返すことによって形成される折り返し部分33が延びる方向に相当する。従って、ロール・トゥ・ロール方式で搬送されている状態の閉鎖用フィルム30においては、閉鎖用フィルム30の弾性変形に起因して、折り返し部分33における曲率半径r1が若干小さくなり、この結果、第1部分31の内面30xと第2部分32の内面30xとの間の間隔が若干狭くなってしまうことが考えられる。
一方、上述の本変形例においては、上述のように、ロール・トゥ・ロール方式で搬送されている閉鎖用フィルム30を折り返し、そして第1部分31と第2部分32とを部分的に熱溶着してシール部36を形成した後、所定の間隔で閉鎖用フィルム30を切断して閉鎖部3を作製し、この閉鎖部3を本体部2に取り付ける。すなわち、搬送されている状態の閉鎖用フィルム30を本体部2に取り付けるのではなく、閉鎖用フィルム30を切断して個々の閉鎖部3を形成してから、これを本体部2に取り付ける。従って、個々の閉鎖部3においては、搬送されていたときに加えられていた張力から解放されているため、折り返し部分33が延びる方向における弾性変形も軽減または消滅している。すなわち、弾性変形に起因して小さくなっていた曲率半径r1が、完全にまたはある程度回復していると考えられる。従って本変形例においては、折り返し部分33における曲率半径r1を十分に大きく確保しながら、ロール・トゥ・ロール方式を採用することによる生産性の向上という利点を享受することができる。
なお、閉鎖用フィルム30を枚葉で準備し、閉鎖用フィルム30を本体部2に熱溶着し、これによって、シール部36を含む閉鎖部3を形成する場合は、シール部36を形成する際に、閉鎖用フィルム30の長手方向に沿った張力が閉鎖用フィルム30に加えられることを抑制することができるので、当然に、折り返し部分33における曲率半径r1を十分に大きくすることができる。その他にも、閉鎖用フィルム30を枚葉で準備し、折り返し部分33に沿って閉鎖用フィルム30を折り返し、閉鎖用フィルム30の第1部分31と第2部分32とを熱溶着してシール部36を形成し、そして、シール部36が形成された閉鎖用フィルム30を本体部2に熱溶着する、という方法を採用する場合にも、当然に、折り返し部分33における曲率半径r1を十分に大きくすることができる。なお、枚葉で準備した閉鎖用フィルム30を本体部2に熱溶着する、という方法の一具体例は、以下のとおりである。
・はじめに、シール部36が形成されていない状態の閉鎖用フィルム30を、袋1に対応した寸法で切り出し、これによって閉鎖用フィルム30を枚葉で準備する。
・次に、折り返し部分33に沿って閉鎖用フィルム30を折り返し、そして、閉鎖用フィルム30を、本体部2に取り付けるための位置(取付位置)に保持する。
・その後、取付位置にある閉鎖用フィルム30を本体部2の表面フィルム11および裏面フィルム12に熱溶着する。また、取付位置にある閉鎖用フィルム30の第1部分31と第2部分32とを熱溶着して、シール部36を形成する。
また上述の第2の実施の形態においては、閉鎖用フィルム30の対向する内面30x同士が熱溶着されることによって、充填部Sから取出口部50に至る流動体Lの流路が遮られることを防ぐため、袋1の製造においてセパレータSEが用いられる例を説明した。しかしながら、充填部Sから取出口部50に至る流動体Lの流路を十分に確保することができる限りにおいて、閉鎖用フィルム30の対向する内面30x同士が熱溶着されることを防ぐための方法が、セパレータSEを用いる方法に限られることはない。例えば図26に示すように、閉鎖用フィルム30は、内面30x上に塗布された阻害剤59をさらに備えていてもよい。阻害剤は、熱溶着が生じることを阻害することができる材料から構成されており、例えば、第1熱可塑性樹脂層56よりも高い融点を有する材料から構成されている。このような阻害剤59を、閉鎖用フィルム30のうち、上述の第4種シール部R4が形成される部分を除いて、少なくとも上述の第3種シール部R3が形成される部分に塗布しておくことにより、閉鎖部3の閉鎖用フィルム30の外面30yと本体部2のフィルム11,12の内面11x,12xとを熱溶着させる際に同時に閉鎖用フィルム30の対向する内面30x同士が熱溶着されてしまうことを防ぐことができる。阻害剤59としては、例えば、シリコーン樹脂とセルロース系樹脂とを主成分とし、酢酸エチルを溶剤として含むインキ(例えば、DIC株式会社、ポリコートP−91、固形分10%)などを用いることができる。
また、閉鎖用フィルム30の内面30xを構成する第1熱可塑性樹脂層56として、閉鎖用フィルム30の外面30yを構成する第2熱可塑性樹脂層58よりも融点の高いものを用いる、という方法も考えられる。例えば、第1熱可塑性樹脂層56としてポリプロピレンを用い、第2熱可塑性樹脂層58としてポリエチレンを用いることが考えられる。この場合、閉鎖部3の閉鎖用フィルム30の外面30yと本体部2のフィルム11,12の内面11x,12xとを熱溶着させる際の温度を、第1熱可塑性樹脂層56の融点よりも低く、かつ第2熱可塑性樹脂層58の融点よりも高い温度に設定することにより、閉鎖部3の閉鎖用フィルム30の外面30yと本体部2のフィルム11,12の内面11x,12xとを熱溶着させる際に同時に閉鎖用フィルム30の対向する内面30x同士が熱溶着されてしまうことを防ぐことができる。
また上述の第2の実施の形態においては、閉鎖用フィルム30の第1部分31の端部の外面30yおよび第2部分32の端部の外面30yがそれぞれ、本体部2の内側において、本体部2の表面フィルム11の内面11xおよび裏面フィルム12の内面12xに熱溶着される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図27に示すように、第1部分31および第2部分32のそれぞれの端部を折り返すことによって、閉鎖用フィルム30の第1部分31の内面30xおよび第2部分32の内面30xがそれぞれ、本体部2の内側において、本体部2の表面フィルム11の内面11xおよび裏面フィルム12の内面12xに熱溶着されるようにしてもよい。これによって、第1部分31の端部および第2部分32の端部が流動体Lに接触することを防ぐことができるので、接着性や衛生の観点で好ましいと言える。
また、上述した実施の形態に対してさらなる様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の各種の例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
上述の第2の実施の形態においては、閉鎖用フィルム30の外面30yを本体部2の表面フィルム11の内面11xおよび裏面フィルム12の内面12xに熱溶着することによって、閉鎖部3が本体部2に取り付けられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図28に示すように、閉鎖用フィルム30の内面30xを本体部2の表面フィルム11の外面11yおよび裏面フィルム12の外面12yに熱溶着することによって、閉鎖部3を本体部2に取り付けてもよい。以下の説明において、表面フィルム11の外面11yまたは裏面フィルム12の外面12yと閉鎖用フィルム30の内面30xとを熱溶着することによって得られるシール部のことを、第5種シール部R5と称することがある。図28に示すように、第5種シール部R5は、図19に示す第3種シール部R3の場合と同様に、一方の側縁シール部22aから他方の側縁シール部22aに至るよう延びている。
図29は、図28に示す袋をXXIX−XXIX線に沿って見た場合を示す断面図である。図21に示す上述の第2の実施の形態の場合と同様に、本変形例においても、閉鎖部3のうち本体部2に取り付けられる部分において、閉鎖用フィルム30の折り返し部分33は、円弧状の断面形状を有している。また図示はしないが、閉鎖部3のうち50が形成されている部分においても、図22に示す上述の第2の実施の形態の場合と同様に、折り返し部分33は円弧状の断面形状を有している。このため、流動体Lの取出性を向上させることができる。
(フィルム)
次に、本変形例における表面フィルム11および裏面フィルム12の層構成の一例について説明する。図30に示すように、表面フィルム11および裏面フィルム12は、基材層52と、基材層52の一方の側に設けられた第1熱可塑性樹脂層51と、基材層52の他方の側に設けられた第2熱可塑性樹脂層53と、を含んでいる。図30に示す例においては、第1熱可塑性樹脂層51が、フィルム11,12の内面11x,12xを構成しており、第2熱可塑性樹脂層53が、フィルム11,12の外面11y,12yを構成している。閉鎖用フィルム30の内面30xと各フィルム11,12の外面11y,12yとを熱溶着させることにより、上述の第5種シール部R5が構成されている。
その内面30xが熱可塑性樹脂層によって構成されている限りにおいて、本変形例における閉鎖用フィルム30の層構成が特に限られることはない。例えば閉鎖用フィルム30として、上述の図5に示す第1の実施の形態における層構成を有する閉鎖用フィルム30や、上述の図23に示す第2の実施の形態における層構成を有する閉鎖用フィルム30を用いることができる。
(製造方法)
次に、本変形例による袋1の製造方法について図31を参照して説明する。
はじめに図31(a)に示すように、開口2aが上方を向くように保持された本体部2を準備する。次に、開口2aを介して流動体Lを充填装置Fのノズルから本体部2の充填部Sに充填する充填工程を実施する。本変形例においても、上述の第2の実施の形態の場合と同様に、開口2aは、一対の側縁シール部22aの一方から他方に至るまで延びている。従って、充填工程を容易に実施することができる。
次に、閉鎖用フィルム30からなる閉鎖部3を用いて本体部2の開口2aを閉鎖する閉鎖工程を実施する。具体的には、はじめに図31(b)に示すように、折り返し部分33が外側ここでは上方に向かって凸となるように折り返された閉鎖用フィルム30からなる閉鎖部3を準備する。次に図31(c)に示すように、本体部2の開口2aに閉鎖部3を被せる。
なお本変形例においては、閉鎖用フィルム30の内面30xと表面フィルム11の外面11yおよび裏面フィルム12の外面12yとを熱溶着するためにフィルム11,12を加熱する際、フィルム11,12の外面11y,12yを構成する第2熱可塑性樹脂層53だけでなく、フィルム11,12の内面11x,12xを構成する第1熱可塑性樹脂層51も溶融してしまうことが考えられる。第1熱可塑性樹脂層51が溶融して、表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとが熱溶着してしまうと、本体部2から取出口部50に至る流動体Lの流路が遮断または抑制されてしまうことになる。この点を考慮し、図31(c)に示すように、表面フィルム11と裏面フィルム12との間の部分であって、閉鎖部3を本体部2に取り付ける際に加熱される部分に、セパレータSEが配置される。この状態で、閉鎖用フィルム30の内面30xと表面フィルム11の外面11yおよび裏面フィルム12の外面12yとの熱溶着を実施する。これにより、図31(d)に示すように、表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとが熱溶着されることを防ぎながら、本体部2に閉鎖用フィルム30を取り付けることができる。
また、本体部2に取り付けられた閉鎖用フィルム30に対してさらに熱溶着工程を実施して、取出口部50を構成するための、第4種シール部R4からなるシール部36を形成する。なおシール部36は、第5種シール部R5を形成する際に同時に形成されてもよい。
本変形例においても、上述の第2の実施の形態の場合と同様に、取出口部50は、一対のシール部の間ではなく、折り返し部分33とシール部36との間に形成されている。このため、閉鎖用フィルム30の第1部分31と第2部分32とが密着し難くなる。従って、流動体Lの取り出しの途中で取出口部50が閉塞されてしまうことを抑制することができる。また、流動体Lの取り出しの途中で取出口部50が折れ曲がってしまうことを抑制することができる。また袋1の上縁21が閉鎖用フィルム30の折り返し部分33によって構成され、この折り返し部分33が取出口部50にまで延びているので、袋1を傾けた際に充填部Sから袋1の上縁に到達した流動体Lを、取出口部50に向けてスムーズに案内することができる。
なお本変形例においては、充填部Sから取出口部50に至る流動体Lの流路において表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとが熱溶着されることを防ぐため、袋1の製造においてセパレータSEが用いられる例を説明した。しかしながら、充填部Sから取出口部50に至る流動体Lの流路を十分に確保することができる限りにおいて、表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとが熱溶着されることを防ぐための方法が、セパレータSEを用いる方法に限られることはない。例えば図32に示すように、表面フィルム11および裏面フィルム12は、内面11x,12x上に塗布された阻害剤54をさらに備えていてもよい。阻害剤は、熱溶着が生じることを阻害することができる材料から構成されており、例えば、第1熱可塑性樹脂層51よりも高い融点を有する材料から構成されている。このような阻害剤54を、フィルム11,12のうち、上述の第4種シール部R4が形成される部分を除いて、少なくとも上述の第5種シール部R5が形成される部分に塗布しておくことにより、閉鎖部3の閉鎖用フィルム30の内面30xと本体部2のフィルム11,12の外面11y,12yとを熱溶着させる際に同時に表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとが熱溶着されてしまうことを防ぐことができる。阻害剤54としては、上述の阻害剤59の場合と同様に、シリコーン樹脂とセルロース系樹脂とを主成分とし、酢酸エチルを溶剤として含むインキ(例えば、DIC株式会社、ポリコートP−91、固形分10%)などを用いることができる。
また、フィルム11,12の内面11x,12xを構成する第1熱可塑性樹脂層51として、フィルム11,12の外面11y,12yを構成する第2熱可塑性樹脂層53よりも融点の高いものを用いる、という方法も考えられる。例えば、第1熱可塑性樹脂層51としてポリプロピレンを用い、第2熱可塑性樹脂層53としてポリエチレンを用いることが考えられる。この場合、閉鎖部3の閉鎖用フィルム30の内面30xと本体部2のフィルム11,12の外面11y,12yとを熱溶着させる際の温度を、第1熱可塑性樹脂層51の融点よりも低く、かつ第2熱可塑性樹脂層53の融点よりも高い温度に設定することにより、閉鎖部3の閉鎖用フィルム30の内面30xと本体部2のフィルム11,12の外面11y,12yとを熱溶着させる際に同時に表面フィルム11の内面11xと裏面フィルム12の内面12xとが熱溶着されてしまうことを防ぐことができる。
(第2の変形例)
上述の第2の実施の形態および第1の変形例においては、取出口部50において流動体Lの流路を画定するシール部36に切り欠き37が設けられている例を示した。しかしながら、流動体Lの流路を画定することができる限りにおいて、シール部36の具体的な形状が特に限られることはない。例えば図33に示すように、第4種シール部R4からなるシール部36の一部を分離することにより、切り欠き37が設けられるようにしてもよい。またシール部36には、シール部36の一部を容易に分離することができるように構成された引き裂き線36cが形成されていてもよい。引き裂き線36cの例としては、ハーフカット線や、シール部36を貫通するよう離散的に設けられた複数の貫通部を挙げることができる。また図33に示すように、引き裂き線36cは、上述の開封予定部35に接続されていてもよい。例えば引き裂き線36cは、開封予定部35と一連のものとして構成されていてもよい。
本変形例によれば、袋1を開封する作業を容易化することができる。すなわち本変形例によれば、使用者は、シール部36の分離される部分である第2部分36bを掴みながら引き裂き線36cや開封予定部35に沿って袋1を破断させることができるので、袋1をより容易に開封することができる。なお、図33では、袋1に残る部分のシール部36が第1部分36aとして示されている。また、第2部分36bには、未シール部を設けてもよい。
なお、上述した第2の実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
(その他の変形例)
また、上述の各実施の形態およびその変形例においては、取出口部50において、開封されることによって取出口34になる開封予定部35が形成される例を説明した。しかしながら、これに限定されることはなく、閉鎖用フィルム30に設けられたスパウトが取出口を構成してもよい。
また、上述の各実施の形態およびその変形例においては、閉鎖用フィルム30の折り返し部分33において第1部分31の内面30xと第2部分32の内面30xとが熱溶着されていない例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、閉鎖用フィルム30の折り返し部分33において第1部分31の内面30xと第2部分32の内面30xとが互いに熱溶着されていてもよい。この場合であっても、本体部2の開口2aを、本体部2を構成する表面フィルム11および裏面フィルム12とは別の閉鎖用フィルム30からなる閉鎖部3を用いて閉鎖することにより、充填工程の際の開口2aの幅を広く確保することができる。従って、充填工程を容易に実施することができる。
また、上述の各実施の形態およびその変形例において、閉鎖部3を構成する閉鎖用フィルム30の内面30xは、袋1に充填される内容物の劣化を防止するように構成されていてもよい。例えば、閉鎖用フィルム30の内面30xを構成する層に、脱酸素剤や吸湿剤などの劣化抑止剤が含まれていてもよい。これによって、袋1の内部の酸素や水分を除去し、このことにより、内容物が劣化してしまうことを抑制することができる。
仮に本体部2を構成する表面フィルム11の内面11xや裏面フィルム12の内面12xを構成する層に脱酸素剤や吸湿剤を含ませる場合、本体部2の内部に内容物が充填されるよりも前に脱酸素剤や吸湿剤が活性になり、この結果、脱酸素剤や吸湿剤の性能が劣化してしまうことが考えられる。これに対して本変形例によれば、流動体Lを本体部2に充填した後に本体部2に取り付けられる閉鎖部3の内面に脱酸素剤や吸湿剤が含まれているので、脱酸素剤や吸湿剤の性能を最大限に利用することができる。
また、上述の各実施の形態およびその変形例においては、複数のフィルムによって本体部2が構成される例を説明した。しかしながら、流動体Lを充填するために利用される開口2aが形成されている限りにおいて、本体部2の具体的な形状、構造や作製方法が特に限られることはない。例えば、1枚のフィルムから本体部2が構成されてもよい。
なお、上述した各実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。