WO2021182145A1

WO2021182145A1 - パウチ容器およびその製造方法

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Publication number: WO2021182145A1
Application number: PCT/JP2021/007594
Authority: WO
Inventors: 英浩登尾; 長田　耕平; 神長　政弘
Original assignee: 株式会社フジシールインターナショナル
Priority date: 2020-03-12
Filing date: 2021-03-01
Publication date: 2021-09-16
Also published as: JPWO2021182145A1

Abstract

注出部を備え、小容量かつ薄型であるパウチ容器について、載置したときに胴部の上端側の部分が下方に折れ曲がることを抑制する。　本発明に基づくパウチ容器１は、胴部１０と、底襠部５０と、注出部９０とを備えている。注出部９０は、胴部１０の上端１０Ｕに設けられ、注出口９３が少なくとも上方Ｕを向くように配置されている。第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の幅方向の長さＷ１１０，Ｗ１２０は、３５ｍｍ以上１００ｍｍ以下である。第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の上下方向長さＨ１１０，Ｈ１２０は、８０ｍｍ以上２００ｍｍ以下である。胴部１０を構成する胴部フィルムおよび底襠部５０を構成する底襠部フィルムの各々の厚さは、６４μｍ以上１５０μｍ以下である。注出部９０の質量は、０．９ｇ以上１．５ｇ以下である。

Description

パウチ容器およびその製造方法

　本発明は、パウチ容器およびその製造方法に関する。

　パウチ容器の構成を開示した文献として、特開２００３－１８２７４５号公報(特許文献１)、および、”共同印刷・オリヒロ「Tパウチ・ショット」が「日食優秀食品機械資材・素材賞」資材部門で入賞”(非特許文献１)がある。

特開２００３－１８２７４５号公報

"共同印刷・オリヒロ「Tパウチ・ショット」が「日食優秀食品機械資材・素材賞」資材部門で入賞"[2020年2月18日検索]，インターネット<URL:https://p-prom.com/company/？p=9885>

　従来の小容量かつ薄型のパウチ容器について、注出部を上端側に設けた場合、パウチ容器の内容物の容量がパウチ容器の最大容量より小さい場合には、当該パウチ容器の下端を仮想の載置面として載置したときに、上記内容物は、パウチ容器の内部空間の下端側に偏在する。このため、パウチ容器の内容物より上方においては、パウチ容器の胴部のみで注出部を支えることになる。これにより、パウチ容器の胴部が注出部の重量の重さに耐えられず、パウチ容器本体の胴部が下方に向かって折れ曲がる。パウチ容器本体の胴部が折れ曲がると、その折れ曲がった部分である屈曲部および当該屈曲部の周辺でピンホールが発生して、パウチ容器から内容物が漏れるおそれがある。また、パウチ容器を構成するフィルム同士が互いに接合されて形成された接合部が、上記フィルムの溶着により設けられている場合には、胴部の折れ曲がりが当該接合部で生じることにより、当該接合部でデラミネーション現象が発生するおそれがある。ひいては、デラミネーション現象により接合部を構成するフィルム同士の間に隙間が生じ、当該隙間から内容物が漏れるおそれがある。

　本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、注出部を備え、小容量かつ薄型であり、かつ、載置したときに胴部の上端側の部分が下方に折れ曲がることを抑制できる、パウチ容器を提供することを目的とする。

　本発明に基づくパウチ容器は、胴部と、底襠部と、注出部とを備えている。胴部は、第１壁部と、第１壁部に対向する第２壁部とにより構成されている。底襠部は、胴部の下端において第１壁部と第２壁部との間に設けられている。注出部は、胴部の上端に設けられ、注出口が少なくとも上方を向くように配置されている。第１壁部および第２壁部の各々の幅方向の長さは、３５ｍｍ以上１００ｍｍ以下である。第１壁部および第２壁部の各々の上下方向長さは、８０ｍｍ以上２００ｍｍ以下である。胴部を構成する胴部フィルムおよび底襠部を構成する底襠部フィルムの各々の厚さは、６４μｍ以上１５０μｍ以下である。注出部の質量は、０．９ｇ以上１．５ｇ以下である。

　本発明の一形態においては、底襠部は、胴部の下端から第１壁部と第２壁部との間に折り込まれている。第１壁部の幅方向における一対の側部の各々の下端側の部分と、第２壁部の幅方向における一対の側部の各々の下端側の部分と、山折の底襠部とが互いに重なっている、一対の領域の各々において、山折の底襠部の幅方向における一対の側部の各々に形成された切欠部を介して第１壁部と第２壁部とが互いに接合することで、一対の下端側側部接合部が形成されている。山折の底襠部より上方においては、第１壁部の幅方向における一対の側部の各々の上端側の部分と、第２壁部の幅方向における一対の側部の各々の上端側の部分とが互いに接合することで、一対の上端側側部接合部が形成されている。上記一対の領域の各々においては、山折の底襠部の一対の側部の各々の第１壁部側の部分が第１壁部に接合され、山折の底襠部の一対の側部の各々の第２壁部側の部分が第２壁部に接合されることで、一対の底襠部側部接合部が形成されている。一対の上端側側部接合部の各々の幅方向における長さは、一対の底襠部端部接合部の各々の幅方向における長さと、同一である。一対の下端側側部接合部の各々の幅方向の長さは２．５ｍｍ以上５．０ｍｍ以下である。一対の底襠部側部接合部の各々の幅方向の長さは５．０ｍｍ以上１０．０ｍｍ以下である。

　本発明の一形態においては、パウチ容器の製造方法が、底襠部を、第１壁部と第２壁部との間に折り込んだ状態に配置する工程と、第１壁部の上端側の幅方向における一対の側部と第２壁部の上端側の幅方向における一対の側部とを互いに接合することで一対の上端側側部接合部を形成する工程と、注出部を胴部の上端に設けつつ、胴部の上端を封止する工程とを備えている。上端側側部接合部を形成する工程は、第１溶着工程と、第２溶着工程とをこの順で含んでいる。第１溶着工程は、第１壁部および第２壁部の各々の左側の側端縁から、右側の側端縁に向かって離れた位置において、第１壁部および第２壁部の各々の左側側部を互いに溶着することで、上下方向に延びる第１左側側部溶着部を形成する工程と、第１壁部および第２壁部の各々の右側の側端縁から左側の側端縁に向かって離れて第１壁部および第２壁部の各々の右側側部を互いに溶着することで、上下方向に延びる第１右側側部溶着部を形成する工程と、を有している。第２溶着工程は、第１左側側部溶着部に重なるように第１壁部および第２壁部の各々の左側側部を互いに溶着することで、第１左側側部溶着部より幅広の第２左側側部溶着部を形成する工程と、第１右側側部溶着部に重なるように第１壁部および第２壁部の各々の右側側部を互いに溶着することで、第１右側側部溶着部より幅広の第２右側側部溶着部を形成する工程と、を有している。

　本発明によれば、注出部を備え、小容量かつ薄型であるパウチ容器について、載置したときに胴部の上端側の部分が下方に折れ曲がることを抑制できる。

本発明の一実施形態に係るパウチ容器を示す正面図である。本発明の一実施形態に係るパウチ容器の分解斜視図である。本発明の一実施形態に係るパウチ容器の製造方法を示すフローチャートである。

　以下、本発明の一実施形態に係るパウチ容器について図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。

　図１は、本発明の一実施形態に係るパウチ容器を示す正面図である。図２は、本発明の一実施形態に係るパウチ容器の分解斜視図である。

　図１および図２に示すように、本発明の一実施形態に係るパウチ容器１は、胴部１０と、底襠部５０と、注出部９０とを備えている。

　胴部１０は、第１壁部１１０と、第１壁部１１０に対向する第２壁部１２０とにより構成されている。図１においては、山折の底襠部５０に対して胴部１０の上端１０Ｕ側の部分において、第１壁部１１０と第２壁部１２０とが互いに密接している状態のパウチ容器１を示している。また、図２においては、第１壁部１１０と第２壁部１２０とが胴部１０を構成する前の互いに離間した状態を示している。

　第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の幅方向Ｗの長さＷ１１０，Ｗ１２０は、３５ｍｍ以上１００ｍｍ以下である。上述の幅方向の長さＷ１１０，Ｗ１２０は、それぞれ、図２に示すような平坦な状態の第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の幅方向の長さである。

　本実施形態において、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々は、上下方向Ｈにかけて幅方向Ｗの長さが一定であるが、一定でなくてもよい。第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々について、上下方向にかけて幅方向Ｗの長さが一定でない場合は、第１壁部１１０および第２壁部１２０の幅方向Ｗの最大長さが、３５ｍｍ以上１００ｍｍ以下であればよい。

　本実施形態においては、第１壁部１１０の幅方向の長さＷ１１０と、第２壁部１２０の幅方向の長さＷ１２０とは、互いに同一である。これらの長さＷ１１０，Ｗ１２０は、いずれも、図１に示すような、第１壁部１１０、第２壁部１２０および山折の底襠部５０が互いに密着している状態のパウチ容器１における、胴部１０の幅方向Ｗの長さＷ１０と略同一である。このため、本実施形態においては、胴部１０の幅方向Ｗの長さＷ１０も、３５ｍｍ以上１００ｍｍ以下である。

　第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の上下方向長さＨ１１０，Ｈ１２０は、８０ｍｍ以上２００ｍｍ以下である。上述の上下方向の長さＨ１１０，Ｈ１２０は、それぞれ、図２に示すような平坦な状態の第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の上下方向の長さである。

　本実施形態において、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々は、幅方向Ｗにかけて上下方向Ｈの長さが一定であるが、一定でなくてもよい。第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々について、幅方向にかけて上下方向Ｈの長さが一定でない場合は、第１壁部１１０および第２壁部１２０の上下方向Ｈの最大長さが、８０ｍｍ以上２００ｍｍ以下であればよい。

　本実施形態においては、第１壁部１１０の上下方向の長さＨ１１０と、第２壁部１２０の上下方向長さＨ１２０とは、互いに同一である。これらの長さＨ１１０，Ｈ１２０は、いずれも、図１に示すような、第１壁部１１０、第２壁部１２０および山折の底襠部５０が互いに密着している状態のパウチ容器１における、胴部１０の上下方向Ｈの長さＨ１０も、８０ｍｍ以上２００ｍｍ以下である。

　胴部１０は、胴部フィルムで構成されている。すなわち、第１壁部１１０および第２壁部１２０は、いずれも胴部フィルムで構成されている。本実施形態において、胴部フィルムは、複数の層からなる積層フィルムである。

　胴部フィルムの構成は特に限定されないが、胴部フィルムの一例としては、パウチ容器１の外側から内部空間に向かって順に、外側基材層、バリア層、内側基材層およびシーラント層で構成される、積層フィルムが挙げられる。外側基材層の厚さは、たとえば１２μｍ以上７０μｍ以下である。バリア層の厚さは、たとえば７μｍ以上１２μｍ以下である。内側基材層の厚さは、たとえば１２μｍ以上１５μｍ以下である。シーラント層の厚さは、たとえば４０μｍ以上１１９μｍ以下である。これらの各層は、厚くなるほど、後述するパウチ容器１の首折れ現象を抑制することができ、薄くなるほど、パウチ容器１全体を薄型にすることができる。

　外側基材層は、たとえば、ポリエチレンテレフタラート(ＰＥＴ)で構成される。バリア層は、たとえばアルミニウム(Ａｌ)で構成される。内側基材層は、たとえばＰＥＴまたは延伸ナイロン(ＯＮＹ)で構成される。シーラント層は、たとえば直鎖状低密度ポリエチレン(ＬＬＰＤＥ)で構成される。なお、バリア層がＡｌで構成され、内側基材層がＰＥＴで構成される場合には、バリア層および内側基材層は、アルミ蒸着ポリエチレンテレフタラートで構成されていてもよい。

　胴部フィルムの厚さは、６４μｍ以上１５０μｍ以下である。胴部フィルムの厚さが６４μｍ未満である場合には、胴部フィルムの厚さが薄すぎるため、パウチ容器１において後述する首折れ現象を抑制することが困難になる。胴部フィルムが１５０μｍ超である場合は、胴部１０が硬くなりすぎて、パウチ容器１の取扱いやすさが低下する。

　底襠部５０は、胴部１０の下端１０Ｄにおいて、第１壁部１１０と第２壁部１２０との間に設けられている。具体的には、底襠部５０は、胴部１０の下端１０Ｄから第１壁部１１０と第２壁部１２０との間に折り込まれている。底襠部５０は、山折状に形成されている。図１においては、第１壁部１１０と底襠部５０とが互いに密接し、第２壁部１２０と底襠部５０とが互いに密接し、山折の底襠部５０の第１壁部１１０側の部分と第２壁部１２０側の部分とが互いに密接している状態のパウチ容器１を示している。図２においては、底襠部５０が第１壁部１１０と第２壁部１２０との間に折り込まれる前の状態であって、底襠部５０が山折状に形成されつつ、第１壁部１１０側の部分と、第２壁部１２０側の部分とが、互いに離間している状態の底襠部５０を示している。

　山折の底襠部５０は、第１壁部１１０と第２壁部１２０とが対向する方向に並ぶ一対の下端５０Ｄと、山折部５０Ｕとを有している。一対の下端５０Ｄの各々は、幅方向Ｗに沿って延びている。本実施形態において、山折の底襠部５０の一対の下端５０Ｄの各々の幅方向Ｗの長さは、上下方向Ｈにかけて胴部１０の幅方向Ｗの長さＷ１０と同一である。底襠部５０が折り畳まれている状態において、パウチ容器１を第１壁部１１０と第２壁部１２０とが互いに対向する方向から見たときに、一対の下端５０Ｄは、互いに同じ位置に位置している。

　山折部５０Ｕは、図１に示すように底襠部５０が折り畳まれている状態においては、幅方向Ｗに沿って延びている。本実施形態において、山折部５０Ｕの幅方向Ｗの長さは、一対の下端５０Ｄの各々の幅方向Ｗの長さと同一である。

　図１に示すように底襠部５０が山折に折り畳まれている状態において、山折の底襠部５０の上下方向長さＨ５０、すなわち底襠部５０の折り込み深さは、１０ｍｍ以上２０ｍｍ以下であることが好ましい。山折の底襠部５０の上下方向長さが１０ｍｍ以上であれば、上述の大きさの胴部１０を備えるパウチ容器１に、内容物が充填されて山折の底襠部５０が開くことで、パウチ容器１の起立性が向上し、山折の底襠部５０の上下方向長さが２０ｍｍ以下であれば、上述の大きさの胴部１０を備えるパウチ容器１に、内容物が充填されて山折の底襠部５０が開きすぎることが抑制されて、第１壁部１１０と第２壁部１２０とが内容物を介して離間したときの距離が小さくなり、パウチ容器１の起立性が向上する。

　底襠部５０を構成する底襠部フィルムの各々の厚さは、６４μｍ以上１５０μｍ以下である。底襠部フィルムの厚さが６４μｍ未満である場合は、フィルムが薄すぎて、パウチ容器１を載置したときに、パウチ容器１が自立しにくくなる。本実施形態において、底襠部フィルムは、複数の層からなる積層フィルムである。底襠部フィルムは、胴部フィルムを構成可能な積層フィルムで構成することができる。本実施形態において、底襠部フィルムは、胴部フィルムを構成する積層フィルムと同一の積層フィルムで構成されている。

　また、本実施形態において、底襠部５０を構成する底襠部フィルムは、胴部１０を構成する胴部フィルムとは異なる別の部材として互いに接合されているが、底襠部フィルムと胴部フィルムとは互いに連続した単一のフィルムであってもよい。

　次に、第１壁部１１０、第２壁部１２０および底襠部５０が互いに接合されることで構成される各接合部について説明する。なお、図２においては、第１壁部１１０、第２壁部１２０および底襠部５０が互いに接合される前の状態を示しているが、便宜上、パウチ容器１の各接合部に相当する部分を、各接合部と同様の符号で示している。

　図１および図２に示すように、第１壁部１１０の幅方向Ｗにおける一対の側部１１１の各々の下端１１０Ｄ側の部分と、第２壁部１２０の幅方向Ｗにおける一対の側部１２１の各々の下端１２０Ｄ側の部分と、山折の底襠部５０とが互いに重なっている、一対の領域Ｒの各々において、山折の底襠部５０の幅方向Ｗにおける一対の側部５１の各々に形成された切欠部５２を介して第１壁部１１０と第２壁部１２０とが互いに接合することで、一対の下端側側部接合部１１が形成されている。

　一対の下端側側部接合部１１の各々の、幅方向Ｗの長さＷ１１は、２．５ｍｍ以上５．０ｍｍ以下であることが好ましい。一対の下端側側部接合部１１の幅方向Ｗの長さＷ１１が２．５ｍｍ以上であれば、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の幅方向Ｗの長さＷ１１０，Ｗ１２０が３５ｍｍ以上１００ｍｍ以下、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の上下方向Ｈの長さＨ１１０，Ｈ１２０が８０ｍｍ以上２００ｍｍ以下であるパウチ容器１において、パウチ容器１を載置したときのパウチ容器１の起立性が向上する。一対の下端側側部接合部１１の幅方向Ｗの長さＷ１１が５．０ｍｍ以下であれば、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の幅方向Ｗの長さＷ１１０，Ｗ１２０が３５ｍｍ以上１００ｍｍ以下、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の上下方向Ｈの長さＨ１１０，Ｈ１２０が８０ｍｍ以上２００ｍｍ以下であるパウチ容器１において、パウチ容器１の美観が向上する。

　一対の下端側側部接合部１１の各々の、幅方向Ｗの長さＷ１１は、山折の底襠部５０の上述の上下方向長さＨ５０の、１２．５％以上２６．７％以下であることが好ましい。下端側側部接合部１１の幅方向長さＷ１１が、山折の底襠部５０の上述の上下方向長さＨ５０の１２．５％以上であれば、胴部１０の下端１０Ｄ側において第１壁部１１０と第２壁部１２０とが互いに強固に接合され、パウチ容器１の起立性が向上し、２６．７％以下であれば、下端側側部接合部１１の大きさが相対的に小さくなり、パウチ容器１の美観が向上する。

　山折の底襠部５０より上方においては、第１壁部１１０の幅方向Ｗにおける一対の側部１１１の各々の上端１１０Ｕ側の部分と、第２壁部１２０の幅方向Ｗにおける一対の側部１２１の各々の上端１２０Ｕ側の部分とが互いに接合することで、一対の上端側側部接合部１２が形成されている。

　一対の上端側側部接合部１２の各々の、幅方向Ｗの長さＷ１２は、５．０ｍｍ以上１０．０ｍｍ以下であることが好ましい。上端側側部接合部１２の各々の幅方向長さＷ１２が５．０ｍｍ以上であればパウチ容器１の起立性が向上し、幅方向Ｗの長さＷ１２が１０．０ｍｍ以下であればパウチ容器１に充填可能な内容物の容量を増やすことができる。

　一対の領域Ｒの各々においては、山折の底襠部５０の一対の側部５１の各々の第１壁部１１０側の部分が第１壁部１１０に接合され、山折の底襠部５０の一対の側部５１の各々の第２壁部１２０側の部分が第２壁部１２０に接合されることで、一対の底襠部側部接合部５３が形成されている。一対の上端側側部接合部１２の各々の幅方向Ｗにおける長さＷ１１は、一対の底襠部側部接合部５３の各々の幅方向Ｗにおける長さＷ５３と、同一であることが好ましい。これにより、上端側側部接合部１２と底襠部側部接合部５３とを同時に形成することが容易となる。

　本実施形態において、一対の底襠部側部接合部５３の各々の幅方向Ｗの長さＷ５３は、５．０ｍｍ以上１０．０ｍｍ以下であることが好ましい。一対の底襠部側部接合部５３の各々の幅方向Ｗの長さＷ５３が５．０ｍｍ以上であれば、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の幅方向Ｗの長さＷ１１０，Ｗ１２０が３５ｍｍ以上１００ｍｍ以下、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の上下方向Ｈの長さＨ１１０，Ｈ１２０が８０ｍｍ以上２００ｍｍ以下であるパウチ容器１において、パウチ容器１を載置したときのパウチ容器１の起立性が向上する。一対の底襠部側部接合部５３の各々の幅方向Ｗの長さＷ５３が１０．０ｍｍ以下であれば、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の幅方向Ｗの長さＷ１１０，Ｗ１２０が３５ｍｍ以上１００ｍｍ以下、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の上下方向Ｈの長さＨ１１０，Ｈ１２０が８０ｍｍ以上２００ｍｍ以下であるパウチ容器１において、パウチ容器１の美観が向上する。

　一対の下端側側部接合部１１の各々の幅方向Ｗの長さＷ１１は、一対の底襠部側部接合部５３の各々の幅方向Ｗの長さＷ５３の、１２．５％以上６６．７％以下であることが好ましい。下端側側部接合部１１の各々の幅方向Ｗにおける長さＷ１１が、底襠部側部接合部５３の幅方向Ｗの長さＷ５３の１２．５％以上であれば、胴部１０の下端１０Ｄ側において第１壁部１１０と第２壁部１２０とが互いに強固に接合され、パウチ容器１の起立性が向上し、６６．７％以下であれば、下端側側部接合部１１の大きさが相対的に小さくなり、パウチ容器１の美観が向上する。下端側側部接合部１１の各々の幅方向Ｗの長さＷ１１は、底襠部側部接合部５３の幅方向Ｗの長さＷ５３の５０％であることが最も好ましい。

　一対の底襠部側部接合部５３の各々の幅方向Ｗの長さＷ５３は、山折の底襠部５０の上下方向長さＨ５０の、２５．０％以上６６．７％以下であることが好ましい。底襠部側部接合部５３の各々の幅方向Ｗの長さＷ５３が、山折の底襠部５０の上述の上下方向長さＨ５０の、２５．０％以上であれば、底襠部側部接合部５３が硬くなり、パウチ容器１を載置したときのパウチ容器１の起立性が向上し、６６．７％以下であれば、パウチ容器１に充填可能な内容物の容量を増やすことができる。

　山折の底襠部５０の第１壁部１１０側における下端５０Ｄ側の部分が第１壁部１１０に接合され、山折の底襠部５０の第２壁部１２０側における下端５０Ｄ側の部分が第２壁部１２０に接合されることにより、下端部接合部５４が形成されている。

　ここで、一対の上端側側部接合部１２についてさらに説明する。一対の上端側側部接合部１２のうち、左側の上端側側部接合部１２には、第１左側側部溶着部１３Ｌと、第２左側側部溶着部１４Ｌとが形成されている。一対の上端側側部接合部１２のうち、右側の上端側側部接合部１２は、第１右側側部溶着部１３Ｒと、第２右側側部溶着部１４Ｒとが形成されている。

　第１左側側部溶着部１３Ｌは、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の左側の側端縁１１０Ｌ，１２０Ｌから、右側の側端縁１１０Ｒ，１２０Ｒに向かって離れた位置において、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の左側側部１１１Ｌ，１２１Ｌを互いに溶着することで形成されている。第１左側側部溶着部１３Ｌは、上下方向に延びている。第１左側側部溶着部１３Ｌの幅方向Ｗの長さは、たとえば１ｍｍ以上２ｍｍ以下である。

　第２左側側部溶着部１４Ｌは、第１左側側部溶着部１３Ｌに重なるように第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の左側側部１１１Ｌ，１２１Ｌを互いに溶着することで形成されている。第２左側側部溶着部１４Ｌは、第１左側側部溶着部１３Ｌより幅広である。

　第１右側側部溶着部１３Ｒは、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の右側の側端縁１１０Ｒ，１２０Ｒから左側の側端縁１１０Ｌ，１２０Ｌに向かって離れて第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の右側側部１１１Ｒ，１２１Ｒを互いに溶着することで形成されている。第１右側側部溶着部１３Ｒは、上下方向に延びている。第１右側側部溶着部１３Ｒの幅方向Ｗの長さは、たとえば１ｍｍ以上２ｍｍ以下である。

　第２右側側部溶着部１４Ｒは、第１右側側部溶着部１３Ｒに重なるように第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の右側側部１１１Ｒ，１２１Ｒを互いに溶着することで形成されている。第２右側側部溶着部１４Ｒは、第１右側側部溶着部１３Ｒより幅広である。

　図１および図２に示すように、注出部９０は、胴部１０の上端１０Ｕに設けられている。本実施形態において、注出部９０は、スパウト９１と、キャップ９２とを有している。キャップ９２は、スパウト９１に設けられた注出口９３を覆うように設けられている。注出部９０は、注出口９３が少なくとも上方Ｕを向くように配置されている。ただし、キャップ９２とスパウト９１の形状は特に限定されない。注出部９０は、キャップ９２とスパウト９１とが互いに一体となっている、いわゆる折り取りキャップスパウトでもよい。

　注出部９０の長さは、たとえば２５．０ｍｍ以下であることが好ましい。本実施形態において、注出部９０の長さとは、スパウト９１において、パウチ容器１の内部空間から注出口９３に向かう方向における注出部９０の全体の長さである。また、注出口９３は円形状の外形を有しており、その直径は６．０ｍｍ以下であることが好ましい。注出口９３の直径は、たとえば５．５ｍｍ程度である。なお、注出口の外形形状および大きさは、特に限定されない。

　注出部９０の質量は、０．９ｇ以上１．５ｇ以下である。注出部９０の質量が１．５ｇ以下であることにより、本発明の一実施形態に係るパウチ容器１において、胴部１０の上端１０Ｕ側の部分が下方Ｄに折れ曲がる、いわゆる首折れ現象の発生を抑制できる。

　なお、本実施形態に係るパウチ容器１において、注出部９０は、さらに天襠部を有していてもよい。天襠部は、胴部１０の上端１０Ｕに設けられる。天襠部は、たとえば、一方側で第１壁部１１０の上端１１０Ｕと接合または連接され、他方側で第２壁部１２０の上端１２０Ｕと接合または連接される。天襠部は、たとえば天襠部フィルムからなる。天襠部フィルムは、たとえば、胴部フィルムおよび底襠部フィルムを構成可能な積層フィルムで構成することができる。注出部９０が天襠部を有している場合には、スパウト９１は、たとえば、天襠部フィルムを貫通するように天襠部に設けられていてもよいし、天襠部と第１壁部１１０の上端１１０Ｕとの間、または、天襠部と第２壁部１２０の上端１２０Ｕとの間に設けられていてもよい。

　図１に示すように、本実施形態に係るパウチ容器１には、たとえば液体状または粘性状の内容物Ｃを封入することができる。内容物Ｃは液体状または粘性状であるため、パウチ容器１を載置したときに、内容物Ｃは、パウチ容器１の内部空間のうち底襠部５０側に偏在する。これにより、パウチ容器１の内部空間のうち底襠部５０側とは反対側の部分は、内容物Ｃが充填されていない非充填領域ＮＦとなる。ただし、内容物Ｃは、液体状または粘性状に限らず、粉体または顆粒などの他の性状を有してもよい。たとえば、内容物Ｃが粉体または顆粒などの場合、非充填領域ＮＦは、パウチ容器１の内部空間のうち、パウチ容器１を載置したときに内容物Ｃの底襠部５０側とは反対側に位置する部分によって形成される仮想平面から見て、内容物Ｃ側とは反対側の領域として規定される。

　なお、図１においては、内容物Ｃの位置を模式的に示しており、実際に内容物Ｃがパウチ容器１に封入された場合には、底襠部５０の第１壁部１１０側の部分と第２壁部１２０側の部分とが互いに離間するとともに、底襠部５０の山折部５０Ｕは下方に移動する。そして、内容物Ｃを介して第１壁部１１０と第２壁部１２０とは互いに離間する。これにより、底襠部５０の下端５０Ｄ、第１壁部１１０の下端１１０Ｄおよび第２壁部１２０の下端１２０Ｄが、仮想の載置面を構成する。

　本実施形態において、非充填領域ＮＦの上下方向Ｈの長さは、たとえば１０ｍｍ以上７０ｍｍ以下である。非充填領域ＮＦの上下方向の長さが１０ｍｍ以上であれば、胴部１０の上端１０Ｕを封止する前に、予め内容物Ｃを容易に充填できる。非充填領域ＮＦの上下方向の長さが７０ｍｍ以下であれば、胴部１０の上端１０Ｕ側の部分が下方Ｄに折れ曲がることをさらに抑制できる。

　以下、本発明の一実施形態に係るパウチ容器１の製造方法について説明する。図３は、本発明の一実施形態に係るパウチ容器の製造方法を示すフローチャートである。図３に示すように、本発明の一実施形態に係るパウチ容器１の製造方法は、配置工程Ｓ１と、下端側側部接合部形成工程Ｓ２と、上端側側部接合部形成工程Ｓ３と、内容物充填工程Ｓ４と、胴部上端封止工程Ｓ５とを備えている。

　配置工程Ｓ１においては、底襠部５０を、山折状にして第１壁部１１０と第２壁部１２０との間に折り込んだ状態に配置する。

　下端側側部接合部形成工程Ｓ２においては、第１壁部１１０と第２壁部１２０とを互いに溶着により接合することで一対の下端側側部接合部１１を形成する。また、これと同時に、底襠部５０と第１壁部１１０とを互いに溶着により接合し、かつ、底襠部５０と第２壁部１２０とを互いに溶着により接合することで、一対の底襠部側部接合部５３を形成する。さらに、下端側側部接合部形成工程においては、第１壁部１１０の下端１１０Ｄの部分と底襠部５０の下端５０Ｄ側の部分とを互いに溶着により接合し、かつ、第２壁部１２０の下端１２０Ｄ側の部分と底襠部５０の下端５０Ｄ側の部分とを互いに溶着により接合して、下端部接合部５４を形成してもよい。なお、下端側側部接合部１１の形成および底襠部側部接合部５３の形成は、上端側側部接合部形成工程Ｓ３と共に実施してもよい。この場合、下端部接合部５４の形成は、下端側側部接合部形成工程Ｓ２とは異なる工程により実施してもよい。

　上端側側部接合部形成工程Ｓ３においては、第１壁部１１０の幅方向Ｗにおける一対の側部１１１の上端１１０Ｕ側の部分と、第２壁部１２０の幅方向における一対の側部１２１の上端１２０Ｕ側の部分とを互いに接合することで、一対の上端側側部接合部１２を形成する。

　上端側側部接合部形成工程Ｓ３は、第１溶着工程Ｓ３１と、第２溶着工程Ｓ３２とをこの順で含んでいる。

　第１溶着工程Ｓ３１は、第１左側側部溶着部形成工程Ｓ３１１と、第１右側側部溶着部形成工程Ｓ３１２とを有している。第１左側側部溶着部形成工程Ｓ３１１においては、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の左側側部１１１Ｌ，１２１Ｌを上述した位置において互いに溶着することで、上下方向に延びる第１左側側部溶着部１３Ｌを形成する。第１右側側部溶着部形成工程Ｓ３１２においては、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の右側側部１１１Ｒ，１２１Ｒを上述した位置において互いに溶着することで、上下方向に延びる第１右側側部溶着部１３Ｒを形成する。

　第２溶着工程Ｓ３２は、第２左側側部溶着部形成工程Ｓ３２１と、第２右側側部溶着部形成工程Ｓ３２２とを有している。第２左側側部溶着部形成工程Ｓ３２１においては、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の左側側部１１１Ｌ，１２１Ｌを上述した位置において互いに溶着することで、第２左側側部溶着部１４Ｌを形成する。第２右側側部溶着部形成工程Ｓ３２２においては、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の右側側部１１１Ｒ，１２１Ｒを上述した位置において互いに溶着することで、第１右側側部溶着部１３Ｒより幅広の第２右側側部溶着部１４Ｒを形成する。

　内容物充填工程Ｓ４においては、液体状または粘性状の内容物Ｃを、胴部１０の封止される前の上端１０Ｕ側から、胴部１０と底襠部５０とからなるパウチ容器１の内部空間に充填する。内容物充填工程Ｓ４を胴部上端封止工程Ｓ５の前に実施する場合は、注出部９０を設けるために、パウチ容器１の内部に内容物Ｃが充填されない非充填領域ＮＦを設けておくことが好ましい。

　胴部上端封止工程Ｓ５においては、注出部９０を胴部１０の上端１０Ｕに設けつつ、胴部１０の上端１０Ｕを封止する。具体的には、まず、第１壁部１１０の上端１１０Ｕ側の部分と、第２壁部１２０の上端１２０Ｕ側の部分との間に注出部９０を挟み込む。次に、注出部９０を上述のように挟み込んだ状態で、第１壁部１１０の上端１１０Ｕ側の部分と、第２壁部１２０の上端１２０Ｕ側の部分と、注出部９０とを、互いに溶着させる。上記の工程により、本発明の一実施形態に係るパウチ容器１が製造される。

　なお、注出部９０が天襠部を含むパウチ容器１を製造する場合には、スパウト９１が予め設けられた天襠部フィルムを、胴部１０の上端１０Ｕに設けることで、胴部１０の上端１０Ｕを封止してもよい。また、天襠部フィルムと、胴部フィルムの上端を溶着により接合するときに、スパウト９１を天襠部フィルムおよび胴部フィルムに溶着により接合することで、胴部１０の上端１０Ｕを封止してもよい。

　(実験例)
　以下、本発明の一実施形態についての実験例について説明する。本実験例においては、まず、実施例１から９に係るパウチ容器、および、比較例１から比較例６に係るパウチ容器を製造した。各実施例および各比較例の構成について、下記表１から表４に示す。

　各実施例および各比較例に係るパウチ容器は、いずれも、胴部フィルムと底襠部フィルムとが互いに同一の種類のフィルムを用いている。各実施例および各比較例において胴部フィルムおよび底襠部フィルムに使用したフィルムとして、上記表１から表４にフィルムの種類ＡからＤを示している。

　フィルムの種類Ａは、パウチ容器の外側から内部空間に向かって順に、１２μｍの厚さのポリＰＥＴからなる層、７μｍの厚さのＡｌからなる層、１２μｍの厚さのＰＥＴからなる層、７０μｍ以下の厚さのＬＬＰＤＥからなる層で構成された積層フィルムである。

　フィルムの種類Ｂは、フィルムの種類ＡにおけるＬＬＰＤＥからなる層の厚さを４０μｍに変更したこと以外は、種類Ａと同様である。

　フィルムの種類Ｃは、フィルムの種類ＢにおけるＡｌからなる層とＰＥＴからなる層に代えて、１２μｍの厚さのアルミ蒸着ＰＥＴからなる層で構成したこと以外は、フィルムの種類Ｂと同様である。

　フィルムの種類Ｄは、フィルムの種類ＡにおけるＬＬＰＤＥからなる層の厚さを１１９μｍに変更したこと以外は、種類Ａと同様である。

　そして、上記表１および表２に示す各実施例および各比較例について、非充填領域ＮＦの上下方向Ｈの長さが７０ｍｍ以上となるように液体状の内容物を充填したパウチ容器を、パウチ容器の仮想の載置面である、底襠部５０の下端５０Ｄ、第１壁部１１０の下端１１０Ｄおよび第２壁部１２０の下端１２０Ｄ側が載置台を向くようにして、平坦な載置台に載置した。このように載置した各実施例および各比較例に係るパウチ容器ついて、内容物Ｃより上方Ｕにおいて胴部１０が屈曲するいわゆる首折れ現象が発生するか否かについて確認した。

　当該首折れ現状の発生の有無について、上記表１から表４に示す。上記表１から表４に示すように、比較例１～８，１０～１３に係るパウチ容器は、注出部９０の質量が１．５ｇ超であるため、注出部９０の質量が重すぎて首折れ現象が発生した。また、比較例９～１１に係るパウチ容器は、胴部１０の上下方向長さＨ１０が２００ｍｍ超、すなわち、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の上下方向長さＨ１１０，Ｈ１２０が２００ｍｍ超である。比較例９～１１においては、上下方向長さＨ１１０，Ｈ１２０が長すぎて第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々が上下方向に屈曲しやすい形状となっていたため、首折れ現象が発生した。

　他方、実施例１から１７に係るパウチ容器は、胴部１０の幅方向Ｗの長さＷ１０が３５ｍｍ以上１００ｍｍ以下、胴部１０の上下方向Ｈの長さＨ１０が８０ｍｍ以上２００ｍｍ以下、胴部フィルムおよび底襠部フィルムを構成するフィルムの厚さが６４μｍ以上１５０μｍ以下、注出部９０の質量が０．９ｇ以上１．５ｇ以下であり、首折れ現象は発生しなかった。

　上記のように、本発明の一実施形態に係るパウチ容器１は、胴部１０と、底襠部５０と、注出部９０とを備えている。胴部１０は、第１壁部１１０と、第１壁部１１０に対向する第２壁部１２０とにより構成されている。底襠部５０は、胴部１０の下端１０Ｄにおいて、第１壁部１１０と第２壁部１２０との間に設けられている。注出部９０は、胴部１０の上端１０Ｕに設けられ、注出口９３が少なくとも上方Ｕを向くように配置されている。第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の幅方向の長さＷ１１０，Ｗ１２０は、３５ｍｍ以上１００ｍｍ以下である。第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の上下方向長さＨ１１０，Ｈ１２０は、８０ｍｍ以上２００ｍｍ以下である。胴部１０を構成する胴部フィルムおよび底襠部５０を構成する底襠部フィルムの各々の厚さは、６４μｍ以上１５０μｍ以下である。注出部９０の質量は、０．９ｇ以上１．５ｇ以下である。

　これにより、注出部９０を備えた小容量向けのパウチ容器１を載置したときに、胴部１０の上端１０Ｕ側の部分が下方Ｄに折れ曲がることを抑制できる。

　本発明の一実施形態においては、底襠部５０は、胴部１０の下端１０Ｄから第１壁部１１０と第２壁部１２０との間に折り込まれている。第１壁部１１０の幅方向Ｗにおける一対の側部１１１の下端１１０Ｄ側の部分と、第２壁部１２０の幅方向Ｗにおける一対の側部１２１の下端１２０Ｄ側の部分と、山折の底襠部５０とが互いに重なっている、一対の領域Ｒの各々において、山折の底襠部５０の幅方向Ｗにおける一対の側部５１の各々に形成された切欠部５２を介して第１壁部１１０と第２壁部１２０とが互いに接合することで、一対の下端側側部接合部１１が形成されている。山折の底襠部５０より上方においては、第１壁部１１０の幅方向Ｗにおける一対の側部１１１の各々の上端１１０Ｕ側の部分と、第２壁部１２０の幅方向Ｗにおける一対の側部１２１の各々の上端１２０Ｕ側の部分とが互いに接合することで、一対の上端側側部接合部１２が形成されている。一対の領域Ｒの各々においては、山折の底襠部５０の一対の側部５１の各々の第１壁部１１０側の部分が第１壁部１１０に接合され、山折の底襠部５０の一対の側部５１の各々の第２壁部１２０側の部分が第２壁部１２０に接合されることで、一対の底襠部側部接合部５３が形成されている。一対の上端側側部接合部１２の各々の幅方向Ｗにおける長さＷ１２は、一対の底襠部側部接合部５３の各々の幅方向Ｗにおける長さＷ５３と、同一である。一対の下端側側部接合部１１の各々の幅方向Ｗの長さＷ１１は２．５ｍｍ以上５．０ｍｍ以下である。一対の底襠部側部接合部５３の各々の幅方向Ｗの長さＷ５３は５．０ｍｍ以上１０．０ｍｍ以下である。

　これにより、パウチ容器１を載置したときのパウチ容器１の自立性が向上するとともに、パウチ容器１の美観を向上させることができる。

　本発明の一実施形態においては、パウチ容器１の製造方法が、底襠部５０を、第１壁部１１０と第２壁部１２０との間に折り込んだ状態に配置する工程Ｓ１と、第１壁部１１０の幅方向における一対の側部１１１の上端１１０Ｕ側の部分と、第２壁部１２０の幅方向Ｗにおける一対の側部１２１の上端１２０Ｕ側の部分とを互いに接合することで、一対の上端側側部接合部１２を形成する工程Ｓ３と、注出部９０を胴部１０の上端１０Ｕに設けつつ、胴部１０の上端１０Ｕを封止する工程Ｓ４とを備えている。上端側側部接合部１２を形成する工程Ｓ３は、第１溶着工程Ｓ３１と、第２溶着工程Ｓ３２とをこの順で含んでいる。第１溶着工程Ｓ３１は、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の左側の側端縁１１０Ｌ，１２０Ｌから、右側の側端縁１１０Ｒ，１２０Ｒに向かって離れた位置において、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の左側側部１１１Ｌ，１２１Ｌを互いに溶着することで、上下方向に延びる第１左側側部溶着部１３Ｌを形成する工程Ｓ３１１と、第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の右側の側端縁１１０Ｒ，１２０Ｒから左側の側端縁１１０Ｌ，１２０Ｌに向かって離れて第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の右側側部１１１Ｒ，１２１Ｒを互いに溶着することで、上下方向に延びる第１右側側部溶着部１３Ｒを形成する工程Ｓ３１２と、を有している。第２溶着工程Ｓ３２は、第１左側側部溶着部１３Ｌに重なるように第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の左側側部１１１Ｌ，１２１Ｌを互いに溶着することで、第１左側側部溶着部１３Ｌより幅広の第２左側側部溶着部１４Ｌを形成する工程Ｓ３２１と、第１右側側部溶着部１３Ｒに重なるように第１壁部１１０および第２壁部１２０の各々の右側側部１１１Ｒ，１２１Ｒを互いに溶着することで、第１右側側部溶着部１３Ｒより幅広の第２右側側部溶着部１４Ｒを形成する工程Ｓ３２２と、を有している。

　これにより、パウチ容器１について、胴部１０の上端１０Ｕ側の部分が下方Ｄに折れ曲がることをさらに抑制することができる。

　今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

　１　パウチ容器、１０　胴部、１１　下端側側部接合部、１２　上端側側部接合部、１３Ｌ　第１左側側部溶着部、１３Ｒ　第１右側側部溶着部、１４Ｌ　第２左側側部溶着部、１４Ｒ　第２右側側部溶着部、５０　底襠部、５０Ｕ　山折部、５２　切欠部、５３　底襠部側部接合部、５４　下端部接合部、９０　注出部、９１　スパウト、９２　キャップ、９３　注出口、１１０　第１壁部、１１１Ｌ，１２１Ｌ　左側側部、１１１Ｒ，１２１Ｒ　右側側部、１２０　第２壁部。

Claims

　第１壁部と、該第１壁部に対向する第２壁部とにより構成される胴部と、
　前記胴部の下端において前記第１壁部と前記第２壁部との間に配設された底襠部と、
　前記胴部の上端に設けられ、注出口が少なくとも上方を向くように配置された注出部とを備え、
　前記第１壁部および前記第２壁部の各々の幅方向の長さが、３５ｍｍ以上１００ｍｍ以下であり、
　前記第１壁部および前記第２壁部の各々の上下方向長さが、８０ｍｍ以上２００ｍｍ以下であり、
　前記胴部を構成する胴部フィルムおよび前記底襠部を構成する底襠部フィルムの各々の厚さが、６４μｍ以上１５０μｍ以下であり、
　前記注出部の質量が、０．９ｇ以上１．５ｇ以下である、パウチ容器。
　前記底襠部は、前記胴部の下端から前記第１壁部と前記第２壁部との間に折り込まれており、
　前記第１壁部の幅方向における一対の側部の各々の下端側の部分と、前記第２壁部の幅方向における一対の側部の各々の下端側の部分と、山折の前記底襠部とが互いに重なっている、一対の領域の各々において、山折の前記底襠部の幅方向における一対の側部の各々に形成された切欠部を介して前記第１壁部と前記第２壁部とが互いに接合することで、一対の下端側側部接合部が形成され、
　山折の前記底襠部より上方において、前記第１壁部の幅方向における一対の側部の各々の上端側の部分と、前記第２壁部の幅方向における一対の側部の各々の上端側の部分とが互いに接合することで、一対の上端側側部接合部が形成され、
　前記一対の領域の各々において、山折の前記底襠部の一対の側部の各々の第１壁部側の部分が前記第１壁部に接合され、山折の前記底襠部の一対の側部の各々の第２壁部側の部分が前記第２壁部に接合されることで、一対の底襠部側部接合部が形成され、
　前記一対の上端側側部接合部の各々の幅方向の長さは、前記一対の底襠部側部接合部の各々の幅方向の長さと同一であり、
　前記一対の下端側側部接合部の各々の幅方向の長さは２．５ｍｍ以上５．０ｍｍ以下であり、
　前記一対の底襠部側部接合部の各々の幅方向の長さは５．０ｍｍ以上１０．０ｍｍ以下である、請求項１に記載のパウチ容器。
　請求項１または請求項２に記載のパウチ容器の製造方法であって、
　前記底襠部を、前記第１壁部と前記第２壁部との間に折り込んだ状態に配置する工程と、
　前記第１壁部の幅方向における一対の側部の上端側の部分と、前記第２壁部の幅方向における一対の側部の上端側の部分とを互いに接合することで、一対の上端側側部接合部を形成する工程と、
　前記注出部を前記胴部の上端に設けつつ、前記胴部の上端を封止する工程とを備え、
　前記上端側側部接合部を形成する工程は、第１溶着工程と、第２溶着工程とをこの順で含み、
　前記第１溶着工程は、
　前記第１壁部および前記第２壁部の各々の左側の側端縁から、右側の側端縁に向かって離れた位置において、前記第１壁部および前記第２壁部の各々の左側側部を互いに溶着することで、上下方向に延びる第１左側側部溶着部を形成する工程と、
　前記第１壁部および前記第２壁部の各々の右側の側端縁から左側の側端縁に向かって離れて前記第１壁部および前記第２壁部の各々の右側側部を互いに溶着することで、上下方向に延びる第１右側側部溶着部を形成する工程と、を有し、
　前記第２溶着工程は、
　前記第１左側側部溶着部に重なるように前記第１壁部および前記第２壁部の各々の左側側部を互いに溶着することで、前記第１左側側部溶着部より幅広の第２左側側部溶着部を形成する工程と、
　前記第１右側側部溶着部に重なるように前記第１壁部および前記第２壁部の各々の右側側部を互いに溶着することで、前記第１右側側部溶着部より幅広の第２右側側部溶着部を形成する工程と、を有する、パウチ容器の製造方法。