JP6672650B2 - 注出口栓付き自立包装袋の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シャンプー、リンス、液体洗剤などのトイレタリー製品の詰め替え容器やそのトイレタリー製品を充填した一次容器、調味料を収容した一次容器、他の液体製品の一次容器や詰め替え容器などである自立包装袋であって、シーラント層を片面に有する積層構成の合成樹脂製シートを所要部分でヒートシールして上部隅に注出口栓を有する自立性が良好な自立包装袋の製造方法に関するものである。
合成樹脂製シートの所要部分をヒートシールして収容物、例えば液体などを収容することができる包装袋が従来から各種提案されている。そして、このような包装袋の内、広がりのある袋底部を袋胴部の下部として備えて自立できる包装袋がある。
例えば特許文献1に示されている包装袋ではピロータイプの製袋の応用からなるものであって、一枚の合成樹脂製シートを筒状にしてそのシートの縦方向の側辺同士を袋胴部での袋背面側で重ね合わせてヒートシールするとともに、袋胴部の下部でその袋胴部が扁平になるように重ね合わせて相対するシートの下辺同士をヒートシールしている。そして、袋胴部での袋正面と袋背面とを離間することで、下辺同士をヒートシールした部分が中心となるようにして袋正面側から袋底に回り込むシートと袋背面側から袋底に回り込むシートとで広がりのある袋底を形成している。
さらに下辺同士をヒートシールした部分に沿った方向で対向する部分それぞれでは、袋正面側と袋背面側とから回り込んだ上記シートと、袋側面での袋底側のシートとが重なり合って略三角形状に張り出る状態としている。そして、この三角形状となった部分の基端をヒートシールして余剰箇所を切除することで袋底を略矩形状にして自立できる状態としており、収容物を充填した後に袋胴部の上部を扁平にしてシートの上辺同士をヒートシールすることで封止している。
また、特許文献2に示されている収納袋では一枚のシートを扁平なスリーブ状にして縦シールのヒートシールを行なうとともに、一部分を内側に折り入れてマチとし、下辺を線状にヒートシールしてから充填により袋底が開いて自立性が付与され、上辺をヒートシールして封止するものである。
また、特許文献3では上記特許文献1と同じようにピロータイプの製袋の応用からなるものであって、袋底において側方に張り出る三角形状部分の基端をヒートシールして余剰部を切除して袋底を略矩形とした包装袋が示されているとともに、スリーブ状とした袋胴部での対向する袋側面となる箇所それぞれを内側に折り込んでマチを付けるガセット形態の包装袋が示されている。
また、特許文献4では袋の両側面となる部分それぞれにシートを折り込んでマチを構成するとともに、袋正面と袋側面との間及び袋背面と袋側面との間については縦方向にヒートシールを行なって自立性を向上させるようにしており、そして、片方の袋側面側のヒートシールされたサイドシールに取っ手を一体に形成した包装袋が示されている。
上述した従来の技術において特許文献3に示されている包装容器では注出口栓を袋上部に備えており、収容物を液体としたときにその液体を注出する時の注ぎ易さが向上するように図られていて、注出口栓の位置が袋上部の中央であることから収容物の充填は注出口栓を通して行なわれる。
また、注出口栓を有して液体や流動性のあるものを収容物として充填して得られる自立タイプの包装袋としてはスタンディングパウチタイプのものが従来から多く流通している。そして、このスタンディングパウチタイプの包装袋においては、特許文献5に示されているように収容物の充填を効率よく行えるようにするために、注出口栓を袋上部の端部側に位置させて残りの袋上部の部分を充填口としているものが提案されている。
この特許文献5では、注出口栓を袋上部の端部に偏倚させたスタンディングパウチタイプの上記包装袋を製造するに際し、袋上部の充填口とする未シール部分をバキュームキャップで開いてから収容物の充填を行なっている。スタンディングパウチタイプの包装袋自体は未充填の状態では扁平であるが、収容物が充填されることで袋胴部が膨らみ、また底マチが折り入れられている袋底部にあっても収容物が充填されることによって、袋底部での袋正面のシートと袋背面のシートの間が開きながら底マチが展開され、自立性のある袋形態となる。そして充填の後に充填口としていた未シール部分をヒートシールすることで、注出口栓を備えて充填済みとされたスタンディングパウチタイプの包装袋が製造される。
特開2001−328644号公報 特許第3364165号公報 特開2002−308289号公報 特開平08−026302号公報 特開平06−048401号公報
近年、合成樹脂製シートの所要部分をヒートシールして製袋される包装袋に関し、手で持って注出作業などができる重さの範囲でその収容量を大きくすることが望まれるようになってきている。
しかしながら、収容量の増大に応じて耐久性のある合成樹脂製シートを採用した場合、袋正面や袋背面に袋胴部を構成するシートを貼り合わせた縦のシール部分が位置するタイプの従来の包装袋では、このシール部分が袋底にも及ぶ構成となる。そして、この縦のシール部分の剛性が高いために曲がり難くなっていることから、収容物の充填に際して袋底に広がりが得られるように開いて充填を行なったとしても、前記シール部分があるシートとこれに連続する袋底とするシートとの間で適切な曲がりが生じないことから袋底が平面的に広がりのある形状とならずに自立し難い包装袋となる。
また、自立性を確保する方法としては袋底部に底マチを設け、袋側面のマチと底マチとを備える包装袋が検討されるが、合成樹脂製シートの貼り合わせによって得られる包装袋では底マチと袋側面のマチとが重なった部分から収容物の漏れが生じ易くなったり、重なった部分の落下衝撃性が極端に低くなって破袋してしまうという問題がある。
また、スタンディングパウチタイプの形態を採用した場合には自立性については良好になると考えられるが、展開される底マチが袋胴部の両側辺に向けて上り傾斜する曲面形状を呈していて収容量の増加をこの袋底部側の広がりでは図り難い。そのため、収容量を増やすには袋幅を広げるか、或いは袋の高さを高くするしかなく、このスタンディングパウチの形態では効率よく収容量を増やすことができないという問題があった。
そこで本発明は上記事情に鑑み、袋胴部にマチを設けることで袋底に平面的な広がりを形成し易くなる点を活かしつつ、袋胴部での袋正面中央や袋背面中央に設けられる縦シールが袋底に及ぶ構成とならない包装袋を製造することを課題とし、平面的な広がりを有する袋底を備えて自立性が良好な包装袋を提供することを目的とするものである。
(請求項1の発明)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、袋正面から一方の袋側面を経て袋背面に亘って位置した一枚の本体シートと他方の袋側面に位置して一方の袋側面側に折り込み可能に設けられた一枚のマチシートとで袋胴部が形成されていて、この袋胴部における本体シートの側辺とマチシートの側辺とをヒートシールしてなる側辺シール部分を備えるとともに、前記袋胴部の下部には折り込んだ前記マチシートを間にして二つ折りにより相対した本体シートの下辺に沿ってヒートシールしてなる下辺シール部分を備えた袋体に、注出口栓を取り付け、収容物の充填を行ない、袋胴部の上部をヒートシールして、注出口栓付き自立包装袋を製造するにあたり、
注出口栓取付前の袋体の前記下辺シール部分は、袋胴部の前記一方の袋側面側となる部分での高さ方向に対する傾斜角度を鋭角で袋胴部の前記一方の袋側面側に向けて下り傾斜にして設けられていて、
注出口栓取付前の袋体での注出口栓が取り付けられる側であって袋胴部における前記一方の袋側面となる側に袋底部形成手段を挿入して、この袋底部形成手段の袋胴部の下部への配置によって袋正面と袋背面との間を広げて一方の袋側面を展開するとともに、前記下辺シール部分を間にして袋正面下部と袋背面下部とを平面方向に展開した袋底部を形成し、
前記袋底部の形成で前記一方の袋側面下部が前記袋正面下部と前記袋背面下部とに重なってなる三角形状部分を、前記袋底部形成手段を袋底部に対応位置させた状態でヒートシールして、袋底部の一方の袋側面側に、前記ヒートシールされた三角形状部分の基端であって前記袋正面と袋背面との対向方向に沿うシール辺を形成し、
前記袋底部形成手段を袋胴部から退避させた後に、袋胴部の上部での前記一方の袋側面の上辺となる部分に上記注出口栓の取り付けを行なうことを特徴とする注出口栓付き自立包装袋の製造方法を提供して、上記課題を解消するものである。
(請求項2の発明)
そして、本発明では、ヒートシールした三角形状部分での上記基端の部分以外を切除して、上記シール辺を袋正面と袋背面との対向方向に沿う細幅の帯状にすることが良好である。
(請求項3の発明)
また、本発明では、上記三角形状部分を、該三角形状部分の上記基端に上記袋底部形成手段を対応位置させた状態で袋底部の下面側に折り重ねて、
前記三角形状部分とこの三角形状部分が重なる袋底部とを、袋胴部の内部に配置の前記袋底部形成手段と圧着手段とで挟み込んで、三角形状部分を袋底部の下面に圧着することが良好である。
(請求項4の発明)
また、本発明では、袋底部の上記下辺シール部分が位置している部分への上記三角形状部分の折り重ねにより、三角形状部分の下面に下辺シール部分を非表出にすることが良好である。
(請求項の発明)
また、本発明では、注出口栓取付前の袋体が扁平とされている状態での側辺シール部分に対して取っ手を設けることが良好である。
(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明によれば、袋胴部の下部に袋底部形成手段を挿入して袋底部を展開することで形成される袋側面下部側の三角形状部分をヒートシールして、その三角形状部分の基端をシール辺とし、そのシール辺を袋正面と袋背面との対向方向に沿うように形成していることから、一方の袋側面の下辺として前記シール辺を備えることとなるとともに、袋底部においても一方の袋側面側の辺に前記シール辺を備えることになる。
そしてシール辺やこのシール辺を含む三角形状部分は剛性が高くなっており、この部位が袋正面と袋背面とが対向する方向に沿って位置するので、袋底部側で収容物に対する収容空間の拡大が確実に行なえる。また、製造された包装袋の前記シール辺が脚としてテーブルなどの上面に接して収容物を充填した状態でも良好な自立性が保たれるという優れた効果を奏する。さらに袋底部を展開した後に注出口栓を取り付けるので、袋底部形成手段と注出口栓との干渉を考慮する必要がなく、袋胴部への袋底部形成手段の挿入が簡単に行なえるという効果を奏する。
また、一方の袋側面の上辺となる部分に注出口栓を取り付けられるので、この注出口栓を取り付けた後で収容物を充填する際に開く充填口を袋胴部の上部に間口を広くして形成できるという効果を奏する。
(請求項2の発明の効果)
請求項2の発明によれば、袋正面と袋背面との対向方向に沿うシール辺が帯状となっているため、側方へ大きく張り出すことがなく、取り扱いが容易な包装袋が得られる。
(請求項3の発明の効果)
請求項3の発明によれば、三角形状部分をヒートシールすることでこの三角形状部分が薄板状となり、薄板状とされた三角形状部分を袋底部の下に折り重ねて固定していることから、袋底部の一方の袋側面側の広い領域の形状が潰れたり変形したりせずに安定したものとなる。
(請求項4の発明の効果)
請求項4の発明によれば、袋底部の三角形状部分が重なっている部分では下辺シート部分を非表出にしており、三角形状部分の下面(包装袋の下方側)において前記下辺シール部分が存在することによる凸凹がなくなる。よって、袋の自立性が向上する。
(請求項の発明の効果)
請求項の発明によれば、注出口栓取付前の袋体が扁平とされている状態での側辺シール部分に対して取っ手を設けるので、その取っ手自体を扁平な袋体に対する切り込みや打ち抜きなどで簡単に形成できるという効果を奏する。
本発明の一例によりなる自立包装袋を一方の袋側面の斜め上方から見た状態で示す説明図である。 同じく自立包装袋を他方の袋側面の斜め上方から見た状態で示す説明図である。 同じく自立包装袋を袋底部側から見た状態で示す説明図である。 自立包装袋における三角形状部分を示す説明図である。 袋体の形態で傾倒抑止手段が形成された状態を概略的に示す説明図である。 本発明の製造方法の一例を示すもので、(a)は袋体を示す説明図、(b)は注出口栓を取り付ける部分をカットした状態を示す説明図、(c)は袋底部形成手段を挿入した状態を示す説明図である。 同じく製造方法の一例を示すもので、(d)は三角形状部分のヒートシールを示す説明図、(e)は接着剤の塗布を示す説明図、(f)は三角形状部分を折り重ねて圧着固定する状態を示す説明図である。 同じく製造方法の一例を示すもので、(g)は袋底部形成手段が退避した袋体を示す説明図、(h)は注出口栓を取り付けた状態を示す説明図、(i)は収容物の充填を示す説明図である。 袋上部におけるヒートシールを示す説明図である。 他の実施の例におけるシール辺の形成を示す説明図である。 他の実施の例におけるシール辺の形成を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
つぎに本発明を図1から図11に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図中1は自立包装袋で、該自立包装袋1は図1に示されているように袋胴部2の上部が袋幅方向に亘って扁平な状態にして閉じられていて、その一端側に注出口栓3が取り付けられているとともに、袋胴部2の下部は平面方向に広がりのある略矩形形状にして閉じられており、テーブルや棚などの上に置いたときに安定して自立できるようにしているものである。
そして、自立包装袋1は前記注出口栓3以外の部分が合成樹脂製シートからなるもので、この合成樹脂製シートは片面をシーラント層とした積層シートであって、所要部分をヒートシールして貼り合わせていて、この貼り合わせにて袋底部が形成され、上部も封止された袋状としている。なお、図1〜3においては説明を容易にするために収容物は図示していない。
(袋胴部)
上記袋胴部2は、袋正面4から一方の袋側面5を経て袋背面6に亘って位置する一枚の本体シート7と、前記一方の袋側面5と袋幅方向で相対する他方の袋側面8に位置してその一方の袋側面5側に折り込み可能とされた一枚のマチシート9とからなるものである。本体シート7とマチシート9とは共に同じ合成樹脂製シートであって、本体シート7とマチシート9との相対する辺部をヒートシールして袋胴部2が形成され、さらに本体シート7の側辺とこれにヒートシールにより貼り合わされているマチシート9の側辺との側辺シール部分10それぞれが外方に延設され、図2に示すようにこの側辺シール部分10それぞれに切り込みなどを行なって、手掛けできる取っ手11を形成している。
(袋上部)
袋胴部2の上部には上述したように扁平な状態として閉じられている袋上部12が形成されていて、二つ折りとした本体シート7の間にマチシート9を折り込んで配し、マチシート9を間にした状態で本体シート7の相対する上辺に沿ってヒートシールをして上辺シール部分13を備えるとともに、前記ヒートシールに際して事前に一方の袋側面5側となる部分に上記注出口栓3の取付部を本体シート7の上辺の間に挟み込みして溶着することで、注出口栓3が上辺シール部分13での一方の袋側面5側に有するようにして袋上部12が形成されている。なお、袋上部12での注出口栓3が取り付けられている部分以外の部分は、後述するように包装袋1に収容物を充填した後にヒートシールが行なわれる。
(袋底部)
袋胴部2の下部にはこの自立包装袋1をテーブルや棚などの平面に正置したときに自立することができるようにするために平面方向に広がった袋底部14を形成して、この袋底部14によって袋胴部2の下部が閉じられている。袋底部14は、図3に示すように折り込んだマチシート9を間にして二つ折りにより相対した本体シート7の下辺に沿ってヒートシールをし、そのヒートシールによりなる下辺シール部分15を備えている。この下辺シール部分15を得るためのヒートシールは、マチシート9の取付のためのヒートシールと同時に行なうことが可能である。
そして、袋底部14では、上記下辺シール部分15の位置を通る立平面を中心として袋胴部2での袋正面4と袋背面6との間が開くように袋胴部2の内側を広げ、袋胴部2での袋正面4と袋背面6とを離間させることで、本体シート7における袋正面4につながる袋胴部2の下部側のシート部分16(袋正面下部)と、袋背面6につながる袋胴部2の下部側のシート部分17(袋背面下部)とが下辺シール部分15側に向けて回り込むようになり、また、マチシート9における他方の袋側面8につながる袋胴部2の下部側のシート部分18も下辺シール部分側に向けて回り込むようになり、これによって袋底部14を、袋正面4と袋背面6とが離間した方向と袋幅方向とに広がってなる略矩形状に形成している。(図4参照)
袋底部14での一方の袋側面5側には、剛性が高められた三角形状部分19を上記袋正面4と袋背面6との離間方向に沿った方向に幅広にして備えていて、この三角形状部分19の基端を、一方の袋側面5側のシール辺22としている。そして、図1から図3に示すように自立包装袋1では一方の袋側面5が幅広の三角形状部分19の基部である前記シール辺22を下辺側として起立した状態となっていて、略矩形状とされた袋底部14の前記剛性が高い三角形状部分19を接地させて、また、上記シート部分16とシート部分17と他方の袋側面8側のシート部分18を接地させることで、充填済みの本自立包装袋1が安定して自立するものとなる。
また、一方の袋側面5の上方に注出口栓3が位置されていて、注出口栓3と一方の袋側面5とに対して袋幅方向で反対側に配置されている上記取っ手11に手を掛けて持ち上げ、注出口栓3が下となるように傾けることで、ブロー容器のようにして収容物を簡単に注出することができるものとなる。
(三角形状部分)
上記三角形状部分19は、袋底部14の形成に際して袋正面4と袋背面6との間を開くことで、一方の袋側面5における袋胴部2の下部側のシート部分20が、図4に示されているように、袋正面4と袋背面6とのそれぞれにおける袋胴部2の下部側の上記シート部分16、17に重なり、前記シート部分20をシート部分16、17に重ね合わせた状態でヒートシールして剛性を高めて薄板状にしたものであり、略三角形状にして上述のように袋正面4と袋背面6とが離間した方向で幅広としている。
そして、上記三角形状部分19がシール辺22の部分から袋底部14側に折り重ねられて、袋底部14の下面にホットメルトなどの接着剤を介して貼り合わされて圧着固定されており、この三角形状部分19を含む袋底部14の平面視形状を上述のように略矩形状とし、この袋底部14での一方の袋側面5側としたシール辺22を、袋正面4と袋背面6との対向方向に沿って連続する箇所として構成されている。
(下辺シール部分による傾倒抑止手段)
上記袋底部14には、一方の袋側面5を略起立状態にして袋幅方向での外方に向けて傾倒しないようにする傾倒抑止手段21が備えられている。前記傾倒抑止手段21は、袋底部14の袋幅方向であって袋底部14の中央を通って上記三角形状部分19にも及ぶ位置となる上記下辺シール部分15からなるものである。そして、図5において袋底部の形成前である扁平な袋体の形態で示されているように、折り込んだマチシート9を間にして二つ折りにより相対した本体シート7の下辺に沿ってヒートシールするときに、そのシール箇所の袋胴部2の高さ方向に対する傾斜角度θを鋭角にし一方の袋側面5側となる部分に向けて下り傾斜して前記下辺シール部分15が得られるようにしている。なお、図5において袋胴部2の高さ方向を矢印にて示した。
袋底部14が傾倒抑止手段21を備えて形成されることの有用な点はつぎの通りである。略矩形状となっている袋底部14に対し、袋上部12は注出口栓3が存在するものの、袋幅方向に沿って平たい扁平な形態となっていることから、一方の袋側面5は袋幅方向での外方に傾いた面として形成される。そして、収容物が充填されている時点では袋胴部2が胴膨れし易く、外方に傾いている一方の袋側面5が胴膨れして袋縦方向にも丸味を帯びた傾斜面となると、この一方の袋側面5の外方への傾きが大きくなって倒れる可能性がある。
そこで、袋胴部2の高さ方向に対する傾斜角度を鋭角にし一方の袋側面5側となる部分に向けて下り傾斜した下辺シール部分15からなる傾倒抑止手段21を備えていて、傾倒抑止手段21を、前記傾斜角度を鋭角にして形成した下辺シール部分15からなるものとすることで、一方の袋側面5が起立する度合の高い形態の自立包装袋が得られる。
さらに、下辺シール部分15が袋胴部2の下部をヒートシールしてなるものであることから、上述したように下辺シール部分15は三角形状部分19にも位置し、この三角形状部分19を袋底部14の下辺シール部分15が位置している部分に折り重ねて、袋底部14の下面に対して貼り合わせし圧着固定している。そのため、三角形状部分19の下面には下辺シール部分15が非表出されており、三角形状部分19の位置で下辺シール部分15が表出することでの凸凹が生じないようにしている。勿論、上記傾倒抑止手段21の作用がなくなるになるわけではない。
(製造方法)
図6から図9は上記自立包装袋1の製造の順序を示していて、収容物が充填された注出口栓付きの自立包装袋1の製造の一例を説明する。
(a)まず、ストッカーからバキューム機器などを用いて袋体23を一体ずつ取り出して次工程へと送り出す。このときの袋体23は扁平な形態であって、一枚の本体シート7が二つ折りされているとともに、その内側に上記他方の袋側面8のマチシート9が二つ折りの状態で配置され、本体シート7の側辺とマチシート9の側辺とをヒートシールした側辺シール部分10を備える。また、マチシート9を内側に配した状態で本体シート7の下辺に沿った部分がヒートシールされ、これによって本体シート7とマチシート9とからなる袋胴部2の下部に上記下辺シール部分15を備えている。(図6)
(b)つぎに袋体23での袋胴部2の上部における一方の袋側面となる側を斜めにカットし、この辺部を注出口栓の取り付け部分として形成する。(図6)
(c)注出口栓取付部分を形成した後に袋胴部2の内側に、一方の袋側面となる側にして袋底部形成手段24を挿入する(図4参照)。袋底部形成手段24は、袋胴部2の内側へ入り込むことで袋正面と袋背面とが対向方向に離間するようにこの袋胴部2の内側を広げ、この袋正面と袋背面とが離れるように開くことで上述のように下辺シール部分15の位置を中心として袋正面下部と袋背面下部とを平面方向に展開する。
上記袋正面と袋背面とが離れるように開くことで一方の袋側面が展開された状態でとなり、また、折り畳まれていたマチシート9も袋正面と袋背面との間の開きによって他方の袋側面として展開され、マチシート9の下部である他方の袋側面に繋がる袋胴部下部側のシート部分も平面方向に展開される状態となり、これによって袋底部14が形成される。(図6)
上記袋底部形成手段24は袋正面と袋背面とを離間させる距離に応じた寸法形状を有する一つの柱状の形状を呈するものとしたり、対となる部材であって袋胴部2の内部に進み入るときにその対となる部材が正面と袋背面とを離間させる距離に応じるように離れる機構を有するものであってもよいものである。また、袋胴部2の内側へ袋底部形成手段24を進み入れる際に空気を吹き入れるようにすることも良好である。
(d)上述したように袋底部形成手段24を挿入して袋底部14を展開させるとともに、袋胴部2での一方の袋側面側も展開させることで、袋正面下部と袋背面下部とに一方の袋側面下部とが重なった上記三角形状部分19が形成され、この三角形状部分19が袋底部14に連続した状態となる。そして、前記三角形状部分19をヒートシール25して薄板状にする。このヒートシールによって三角形状部分19の基端にシール辺22が形成され、このシール辺22が袋底部2の一方の袋側面側の一辺となり、またその一方の袋側面の下辺側となる。(図7)
(e)ヒートシール25にて薄板状にした三角形状部分19を冷却させた後、三角形状部分19やこの三角形状部分19を袋底部14に折り重ねときの対応箇所にホットメルトなどの接着剤を塗布26する。(図7)
(f)上記接着剤の塗布を行なった後に三角形状部分19を、該三角形状部分19と袋底部14との境界(即ち、シール辺22)に袋胴部2の内側から上記袋底辺形成手段24を対応位置させた状態で前記境界から袋底部14の下面に折り重ねる。そして、三角形状部分19と袋底部14とを袋底部形成手段24と圧着手段27とで挟み込みをする。
この挟み込みにより、接着剤を介在させた状態で三角形状部分19を袋底部14の下面に貼り合わせし圧着固定する。このようにして袋底部形成手段24をあてがった状態で三角形状部分19の折り重ねをすることで、袋底部14における一方の袋側面5側に袋正面と袋背面との対向方向に沿うシール辺22を有する三角形状部分19を、袋底部14に一体とする。(図7)
上記三角形状部分19は、袋底部14の下辺シール部分が位置している領域に重ねるようにして折り重ねており、三角形状部分19の下面については下辺シール部分を非表出となる。上記圧着手段27自体は三角形状部分19を押し付ける機構を有する機器としたり、或いは袋底部形成手段24からの圧力を受けて支える台座などとすることも可能である。
(g)上記三角形状部分19の圧着固定を行なった後に袋底部形成手段24を袋胴部2から抜く。なお、袋胴部2の下部を展開して袋底部14がよりスムーズに得られるようにするために、他方の袋側面側についても袋正面と袋背面との間を開くようにする手段を、袋底部形成手段24とともに挿入させるようにすることも可能である。(図8)
(h)袋底部形成手段24が退避した袋体23での注出口栓取付部分、即ち、袋胴部2の上部において傾斜してカットして得られた一方の袋側面での上辺の折り合わせとなる部分に注出口栓3をセットし溶着固定する。この注出口栓3の溶着固定を行なった後には、注出口栓3及び取付部分を冷却する。(図8)
(i)以上までの時点では袋胴部2の上部における注出口栓取付部分以外の箇所は未シールとなっており、この未シールの辺部を充填口にして開いて、収容物の充填28を行なう。(図8)
(j)充填後、袋胴部2の上部での注出口栓取付部分以外で充填口として未シールとされていた辺部をヒートシール29し、そのヒートシール箇所を冷却する。これによって収容物が充填された注出口栓付きの自立包装袋1が得られる。(図9)
袋胴部2の上部でのヒートシール29において、充填口としていた部分の貼り合わせと同時に袋側辺シール部分10の上辺同士(マチシートの上辺同士)の接合も行なうようにしてもよい。
以上のように注出口栓の取付側となる一方の袋側面に連続する三角形状部分19を袋底部に折り重ねて圧着しているので、収容袋の自立性が頗る良好になり、そして、三角形状部分の折り重ねにより袋正面と袋背面との対向方向に沿う上記シール辺22を袋底部14の一辺側としているので、袋底部14が平面方向に広く展開されることとなり、袋底部側で効率よく収容物を収める空間を備えた自立包装袋1が得られる。
(他の実施の例)
上記実施の例では、段階(d)において得られる三角形状部分19に対しては、段階(e)にて下方から接着剤を塗布し、段階(f)にて袋底部14の下面に向けて折り返してから袋底部14に圧着して三角形状部分19を一体としているが、本発明はこの実施の例に限定されるものではない。
この他の例は、段階(d′)として、ヒートシールした三角形状部分19での基端の部分以外を切除30し、これによってシール辺22を袋正面と袋背面との対向方向に沿う細幅の帯状にするものである。(図10、図11)
この場合、段階(d′)の後は、接着剤の塗布と袋底部下面への三角形状部分の一体化の段階を省き、段階(g)の袋底部形成手段の退避に工程が移行し、それ以降は上述の例と同じとすることで、袋底部の一方の袋側面側にシール辺22を配した自立包装袋1が得られるものとなる。
そして、この例においても注出口栓の取付側となる一方の袋側面に連続する上記シール辺22を袋底部14の一辺側としているので、自立性が良好であるとともに、袋底部14が平面方向に広く展開されることとなり、袋底部側で効率よく収容物を収める空間を備えた自立包装袋1が得られる。
1…自立包装袋
2…袋胴部
3…注出口栓
4…袋正面
5…一方の袋側面
6…袋背面
7…本体シート
8…他方の袋側面
9…マチシート
10…側辺シール部分
12…袋上部
13…上辺シール部分
14…袋底部
15…下辺シール部分
16…袋底部での袋正面につながる袋胴部の下部側のシート部分(袋正面下部)
17…袋底部での袋背面につながる袋胴部の下部側のシート部分(袋背面下部)
18…袋底部での他方の袋側面につながる袋胴部の下部側のシート部分
19…三角形状部分
20…一方の袋側面につながる袋胴部の下部側のシート部分(一方の袋素側面下部)
22…シール辺
23…袋体
24…袋底部形成手段
25…ヒートシール
26…接着剤の塗布
27…圧着手段
28…収容物の充填
29…ヒートシール
30…切除

Claims (5)

  1. 袋正面から一方の袋側面を経て袋背面に亘って位置した一枚の本体シートと他方の袋側面に位置して一方の袋側面側に折り込み可能に設けられた一枚のマチシートとで袋胴部が形成されていて、この袋胴部における本体シートの側辺とマチシートの側辺とをヒートシールしてなる側辺シール部分を備えるとともに、前記袋胴部の下部には折り込んだ前記マチシートを間にして二つ折りにより相対した本体シートの下辺に沿ってヒートシールしてなる下辺シール部分を備えた袋体に、注出口栓を取り付け、収容物の充填を行ない、袋胴部の上部をヒートシールして、注出口栓付き自立包装袋を製造するにあたり、
    注出口栓取付前の袋体の前記下辺シール部分は、袋胴部の前記一方の袋側面側となる部分での高さ方向に対する傾斜角度を鋭角で袋胴部の前記一方の袋側面側に向けて下り傾斜にして設けられていて、
    注出口栓取付前の袋体での注出口栓が取り付けられる側であって袋胴部における前記一方の袋側面となる側に袋底部形成手段を挿入して、この袋底部形成手段の袋胴部の下部への配置によって袋正面と袋背面との間を広げて一方の袋側面を展開するとともに、前記下辺シール部分を間にして袋正面下部と袋背面下部とを平面方向に展開した袋底部を形成し、
    前記袋底部の形成で前記一方の袋側面下部が前記袋正面下部と前記袋背面下部とに重なってなる三角形状部分を、前記袋底部形成手段を袋底部に対応位置させた状態でヒートシールして、袋底部の一方の袋側面側に、前記ヒートシールされた三角形状部分の基端であって前記袋正面と袋背面との対向方向に沿うシール辺を形成し、
    前記袋底部形成手段を袋胴部から退避させた後に、袋胴部の上部での前記一方の袋側面の上辺となる部分に上記注出口栓の取り付けを行なうことを特徴とする注出口栓付き自立包装袋の製造方法。
  2. ヒートシールした三角形状部分での上記基端の部分以外を切除して、上記シール辺を袋正面と袋背面との対向方向に沿う細幅の帯状にする請求項1に記載の注出口栓付き自立包装袋の製造方法。
  3. 上記三角形状部分を、該三角形状部分の上記基端に上記袋底部形成手段を対応位置させた状態で袋底部の下面側に折り重ねて、
    前記三角形状部分とこの三角形状部分が重なる袋底部とを、袋胴部の内部に配置の前記袋底部形成手段と圧着手段とで挟み込んで、三角形状部分を袋底部の下面に圧着する請求項1に記載の注出口付自立包装袋の製造方法。
  4. 袋底部の上記下辺シール部分が位置している部分への上記三角形状部分の折り重ねにより、三角形状部分の下面に下辺シール部分を非表出にする請求項3に記載の注出口栓付き自立包装袋の製造方法。
  5. 注出口栓取付前の袋体が扁平とされている状態での側辺シール部分に対して取っ手を設ける請求項1からの何れか一項に記載の注出口栓付き自立包装袋の製造方法。
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