以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
<パチンコ遊技機の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の構成を説明する。図1は、カードユニットおよびパチンコ遊技機を示す正面図である。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ遊技機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。なお、本実施の形態に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台2と接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行なう呼出しランプ装置などであってもよい。
P台2は、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータ18(図2参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ遊技機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154に回収されたパチンコ玉は再度P台2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
P台2は、CU3を側方位置に設置することでCU3から伸びる表示器54をP台2の前面に設けた接続面54aに嵌合させる。そのため、P台2における遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、あるいは可変表示装置278の表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。また、表示器54は、裏面に設けた接続端子(図示せず)をP台2の接続面54aに設けた接続端子54bに接続することでP台2に嵌合させている。このように、CU3の表示器54をP台2の接続面54aに嵌合させる構成であれば、CU3とP台2とをより強く連結することができ、不正を防止することができる。さらに、表示器54との連結係止を、ガラス扉6または打球操作ハンドル25が設けられた下扉を開かないと解除することができないようにすることで、不正をさらに防止することができる。なお、表示器54は、図1に示すようにCU3と一体に形成されP台2の接続面54aに嵌合させる構成だけに限定されず、CU3から独立して形成されP台2の前面に取付けられる構成でもよい。
また、P台2の接続面54aの上方位置に遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器が設けられている。遊技玉数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、後述の払出制御部171によって制御される。この遊技玉数表示器29により、後述する遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。なお、遊技玉数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台2における遊技玉数表示器29の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行なう場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28をP台2側に設けているため、計数ボタン28をCU3側に設ける場合に比較して、P台2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2は、遊技領域27の右上位置および左上位置に、可変表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けてある。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
本実施の形態に係るP台2は、遊技盤26とそれ以外の前枠(遊技枠)5とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、前枠5は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図1を参照して、本実施の形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。P台2では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な玉の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
CU3の前面側には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードID、C−IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319とが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残額(カード残額または単に残額とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2による遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319とは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉となる。また、持玉数は、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉である。遊技玉数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持玉、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801に記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行なわれる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバ801に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのCU3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320と、玉貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と、カード返却ボタン322とが設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320である。玉貸ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
<カードユニットとパチンコ遊技機との構成>
図2は、CU3とP台2との構成を示すブロック図である。図2を参照して、CU3とP台2との制御回路の概略を説明する。
CU3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801(図3参照)と通信を行なうための外部通信部(図示省略)が設けられている。CU制御部323には、P台2の払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板(SC基板)325が接続される。セキュリティ基板325は、CU3のセキュリティ監視機能部である。なお、セキュリティ基板325上にCU制御部323を設けてもよく、あるいは、セキュリティ基板325とは別の基板にCU制御部323を設けてもよい。CU3にはP台2側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU3側のセキュリティ基板325とP台2側の払出制御基板17とは、このコネクタと接続配線(後述する通信ケーブル)とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、P台2のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。さらに、SC325bは、不正検知部1325を備え、不正検知部1325がCU制御部323からP台2に通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800(図3参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800から基板制御情報として通知される。
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記録情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU3の前面に設けられる表示器312および図1に示すようにP台2の前面に配置されている表示器54に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。なお、表示器54に送信される表示用データは、まず中継基板14に入力される。表示器312および表示器54には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が玉貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、玉貸ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17と、払出制御基板17の指令に基づいて発射モータ18を駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けてある。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163と接続してある。
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に玉が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、「4」である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行なうとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278を表示制御する。
演出制御基板15は、CU3の中継基板14を介して、表示器54とも接続されている。演出制御部151は、可変表示装置278に対して可変表示等のための表示制御信号を送信するとともに、可変表示装置278の表示と連動する表示を行なうための表示制御信号を表示器54へ送信可能である。なお、中継基板14および表示器54は、P台2側に設けるようにしてもよい。この場合、P台2側の演出制御基板15は、CU3を介さずに直接P台2側の中継基板14と接続される。
払出制御基板17は、前枠5に設けてある。払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171は、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
また、払出制御基板17に対し、発射玉検出スイッチ903、アウト玉検出スイッチ701、ファール玉検出スイッチ33A、計数ボタン28、電波センサ173が電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173は、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が払出制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して払出制御部171へ入力される。玉上げスイッチ(上)41aは、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
アウト玉検出スイッチ701から払出制御基板17へアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17は、後述するように遊技中玉数(遊技領域27に浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ33Aからファール玉検出信号が入力された払出制御基板17では、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチ903から払出制御基板17へ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17は、遊技中玉数を減算更新する。
CU3のセキュリティ基板325とP台2の払出制御基板17とが電気的に接続されており、セキュリティ基板325から払出制御基板17へ、後述するように各種コマンドが送信される。逆に、払出制御基板17からセキュリティ基板325へ、後述するように各種レスポンスが送信される。
前枠5には、払出制御基板17の他、発射制御基板31、発射モータ18、遊技玉数表示器29が設けられている。なお、遊技玉数表示器29は前枠5に直接取り付けてもよいが、玉が払い出される通常のパチンコ遊技機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、前枠5に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。払出制御基板17の払出制御部171は遊技玉数表示器29に遊技者が現在所有している遊技玉数を表示する。
払出制御基板17から発射制御基板31へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射装置の発射モータ18を励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射モータ励磁出力を発し、発射モータ18を駆動させる。
発射強度センサ19は、発射モータ18によるパチンコ玉の発射強度Tを検出する。たとえば、発射強度センサ19は、ハンドル操作量に応じて電気抵抗値が変化するように構成された可変抵抗から出力されるアナログ値をデジタル値に変換した値を発射強度Tとして検出する。以下では、例示的に、ハンドル操作量に応じて発射強度Tが0(最小値)から99(最大値)まで変化するものとして説明する。発射強度センサ19の検出結果は、発射制御基板31経由で払出制御基板17およびCU3に出力される。
P台2の前面には、CU3から伸びた表示器54および中継基板14が設けられている。表示器54は、中継基板14を介してCU3の表示制御部350からの表示データ(表示制御信号)を受信する。さらに、表示器54は、中継基板14を介して演出制御基板15からの表示データ(表示制御信号)を受信する。
中継基板14には演出制御基板15および表示制御部350のうち一方からの表示制御信号を表示器54へ出力して表示器54に演出制御基板15または表示制御部350からの表示制御信号に基づく画像を表示するための切換回路141が搭載されている。
なお、本実施の形態では、P台2の前面に設けられるCU3から伸びた表示器54をCU3側で制御できるように構成されているが、これに代えて、P台2側に表示器54を設けCU3側から表示制御できるように構成しても、P台2側に表示器54を設けP台2側で表示制御できるようにP台2側に表示制御用基板を設ける構成でもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171の指令に基づいて表示器54を表示制御する。
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技台情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
<カードユニットおよびパチンコ遊技機に発生した異常の通知処理>
図3は、相互認証の結果、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。
図3を参照して、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16において異常が発生した場合には、図3の矢印で示す方向に対して通知が行なわれる。ここで言う異常には、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16を、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズ等により誤作動したり故障したりした場合や、断線等によるオフライン状態などが含まれる。図3に示される鍵管理サーバ800は、CU3内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800は、主制御基板16と互いに通信可能なサーバである。
まず、CU3のセキュリティ基板325により異常が発生した場合には、前述したCU制御部323とセキュリティ基板325との間で行なわれる相互認証の結果、CU制御部323が異常を検知する。この相互認証では、後述するシリアルID認証と機器認証の他に、セッション鍵による機器認証も含まれている。
シリアルIDは、セキュリティ基板325のシリアルID(基板シリアルID)であり、セキュリティ基板325のセキュリティチップ325bを製造する段階において、該セキュリティチップ325bのROMに記憶されている。また、CU3が遊技場に搬入された後、ホールサーバ801に接続されたときに、鍵管理センタの鍵管理サーバ800からホールサーバ801経由で基板シリアルIDがダウンロードされてCU制御部323に記憶される。
CU制御部323がセキュリティ基板325の異常を検知した場合、CU制御部323はホールサーバ801にその旨を通知するとともに、CU3の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行なう制御を表示制御部350に行なわせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行なう。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
CU3のCU制御部323により異常が発生した場合には、前述した相互認証によりセキュリティ基板325が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)を払出制御部171に通知する。なお、セキュリティ基板325は、パラレルインタフェイス回路であるPIF回路326を介してパラレル信号で払出制御部171に通知する。払出制御部171はそれを受けて異常発生した旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16は、前述と同様に、異常報知ランプを作動させる制御を行なうとともにホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
セキュリティ基板325が払出制御部171の異常を検知した場合には、その旨をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。
このように、セキュリティ基板325は、CU制御部323の異常を検知したときにはその旨を、PIF回路326を介して払出制御部171へ通知する一方、払出制御部171の異常を検知したときには、その旨をCU制御部323へ通知するものであり、セキュリティ基板325による異常発生の通知先がそれぞれ異なる。その理由は、異常が発生した制御部に対して異常が発生した旨を通知しても、何ら異常報知のための制御が行なわれず、異常防止対策にはならないためである。しかも、セキュリティ基板325は、通信制御の機能は有しているものの異常報知制御の機能は有していない。よって、自ら異常報知の制御が行なえず、そのために必ず異常が発生した制御部とは反対側の制御部の方向に異常発生した旨の通知を行なうのである。なお、PIF回路326を介してセキュリティ基板325からの異常発生の通知を受けた払出制御部171は、その旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16はその通知を受けて、前述と同様の異常報知のための制御を行なう。
払出制御部171に異常が発生した場合には、その旨がセキュリティ基板325により検知され、異常が発生した旨がCU制御部323へ通知され、CU制御部323は前述した異常報知制御を行なうとともにホールサーバ801へ異常が発生した旨を通知する。また、払出制御部171に異常が発生した場合には、主制御基板16が異常発生した旨を検知し、その通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行なう。
払出制御基板17は、前述したように、セキュリティ基板325に異常が発生した場合にはそれを検知して主制御基板16へ通知する一方、主制御基板16に異常が発生した場合にはそれを検知してセキュリティ基板325へ異常が発生した旨を通知する。この払出制御基板17も、前述したセキュリティ基板325と同様に、異常が発生した旨を検知した場合にはその異常が発生した制御部に対して通知を行なっても異常報知用の制御が行なわれないために、異常が発生した制御部とは反対側の制御部あるいは制御基板に通知を行なう。なお、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していない。なお、上記の説明では、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していないこととして説明したが、セキュリティ基板325と払出制御基板17とに異常報知の機能を設け、直接異常を発生した旨を通知させてもよい。
<カードユニット側とパチンコ遊技機側との送受信態様>
次に、図4は、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図4を参照して、CU(カードユニット)3側とP台(パチンコ遊技機)2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
図4では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の払出制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台(パチンコ遊技機)2とCU(カードユニット)3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の払出制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、払出制御基板17自体が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3側とP台2側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3側からP台2側へ送信され、P台2側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3側とP台2側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3側からP台2側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2側において記憶することとなる。
CUおよびP台の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CUおよびP台の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「通常通番」、「加算通番」および「計数通番」の3種類がある。「通常通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通常通番」は、CU3側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通常通番」をカウントアップしない。P台2側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「加算通番」はCU3がP台2に対して遊技玉の加算を要求する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台2がCU3に対して遊技玉の計数を要求する際に用いられる通番である。
通常通番の更新権はCU3のみが有する。CU3は、送信した通常通番と同じ通常通番が返信されてきたときに、通常通番をバックアップ記憶した上で、更新した通常通番を送信する。加算通番の加算更新権はCU3のみが有する。CU3は、加算要求をする場合には、それまで通信に用いていた加算通番に+1した加算通番をP台2へ送信する。P台2は、要求を承諾するときには、同じ加算通番を返信する。要求を拒否するときには、前回、受信した加算通番(今回受信した加算通番−1)を返信する。計数通番の加算更新権はP台2のみが有する。P台2は、計数要求をする場合には、それまで通信に用いていた計数通番に+1した計数通番をCU3へ送信する。CU3は、要求を承諾するときには、同じ計数通番を返信する。要求を拒否するときには、受信した計数通番(今回受信した計数通番−1)を返信する。
以下では、「通常通番」について、CU3が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、P台2およびCU3のそれぞれが、またはP台2が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、他方は受信した通番をそのまま送信する構成であってもよい。
また、「加算通番」および「計数通番」は、それぞれ、加算要求の処理および計数要求の処理においてカウントアップされる特別な通番である。以下では、この「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際、「通常通番」もカウントアップする構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際に「通常通番」のカウントアップを停止する構成であってもよい。なお、以下では、「通常通番」を単に「通番」と称する。また、「加算通番」および「計数通番」を併せて「要求通番」とも称する。
P台2側からCU3側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2側の払出制御部171(図2参照)のRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技玉数カウンタに加えて、遊技玉数も最新遊技台情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。ここで、「賞球玉」は、入賞口へ玉が入賞することにより払出される玉であり、セーフ玉である。「発射玉」は、遊技機が発射した玉であり、バック玉がある場合はバック玉を減算した玉数が発射玉数となる。「バック玉」は、発射玉が盤面上に跳出せずに戻ってきた玉である。「アウト口通過玉」は、アウト口154を通過した玉であり、アウト玉とセーフ玉の合計玉数がアウト口通過玉数を意味する。
たとえば、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16から入賞情報が払出制御基板17へ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
あるいは、払出制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技台情報に、直前に送信した遊技玉数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、払出制御基板17は、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残額、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技玉数カウンタのカウント値(遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行なわれ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技玉数をP台2側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技玉数と、P台2側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技玉数がCU3側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバ801またはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技玉数とP台2側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図4に示すように、CU3は、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残額を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323(図4参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図2参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323(図2参照)は、カード残額の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321の押圧入力)に応じてカード残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残額、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落として遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
<通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係るCU3とP台2との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行なわない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通常通番、加算通番、計数通番、コマンド、データ部を含む。「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「コマンド」は、電文のコマンドコードである。「データ部」は、電文のデータである。
まず、CU3(1次局)からP台2(2次局)に対してコマンドが送信され、P台2はそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。つまり、業務電文の送信は、CU3を1次局、P台2を2次局としたコマンド/レスポンス方式である。
CU3からP台2への最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台2からCU3へのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CU3とP台2との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
それゆえ、P台2からCU3へは、遊技玉数の変化量を通知するためのレスポンスが玉の発射時間間隔よりも短い間隔で次々と送信されることになる。その結果、P台2は、遊技玉数の変化量を細やかにCU3に対して通知可能となる。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をP台2の発射時間間隔と一致させることも考えられる。
<通信ケーブル>
CU3とP台2との間での通信は、CU3側のセキュリティ基板325とP台2側の払出制御基板17とを接続する通信ケーブルを介して行われる。以下、この通信ケーブルについてさらに詳しく説明する。まず、図5は、本実施の形態に係るカードユニット3とパチンコ遊技機2とを通信可能に接続する通信ケーブル500の斜視図である。図6は、本実施の形態に係るカードユニット3とパチンコ遊技機2とを通信可能に接続する通信ケーブル500の正面図である。図7は、本実施の形態に係るカードユニット3とパチンコ遊技機2とを通信可能に接続する通信ケーブル500の平面図である。図8は、本実施の形態に係るカードユニット3とパチンコ遊技機2とを通信可能に接続する通信ケーブル500の左側面図である。なお、通信ケーブルの背面図は、図6に示す正面図と同じ図となるため省略する。また、通信ケーブルの底面図は、図7に示す平面図と同じ図となるため省略する。さらに、通信ケーブルの右側面図は、図8に示す左側面図と同じ図となるため省略する。また、図5〜図8に示した通信ケーブル500において、意匠的特徴部分については実線で、非特徴部分については破線で外形線を描いている。
通信ケーブル500は、パチンコ遊技機2の接続端子(図示省略)およびカードユニット3の接続端子(図示省略)のそれぞれに接続するコネクタ510と、2つのコネクタ510の間を接続する配線520とを備えている。コネクタ510は、D−sub(D-subminiature)の9ピンコネクタで、ピン511、ハウジング512、およびシェル513を備えている。図9は、通信ケーブル500のコネクタ510の構成を説明するための概略図である。
ピン511は、配線520と電気的に接続され、並列に設けられた複数の接触部材である。そして、ピン511は、導電性の金属材料からなる直線状に延びた部材で、ハウジング512から突き出た部分が相手コネクタと接触する丸棒状の部分である。さらに、ピン511は、丸棒状の部分の反対側に、配線520の導線521を半田接続、圧接または圧着によって接続するための導線接続部(図示省略)を有している。
ハウジング512は、接触部材であるピン511の位置を固定する固定部材(例えば、セラミック、PBT(ポリブチレンテフタラート)、液晶ポリマ(LCP)など)である。ハウジング512は、ピン511を保持する部材であり、ハウジング512からピン511の一部(丸棒状の部分)が突出した状態でピン511保持している。
シェル513は、固定部材であるハウジング512の側面に沿って設けられ、並列に設けられた複数のピン511を囲う金属製の筒部材である。シェル513は、ハウジング512を取り巻いた金属製の部材で、電磁シールドの機能を有する。シェル513は、コネクタ510の筺体515に収容されている保持部513a、コネクタ510の筺体515から突き出た案内部513b、相手コネクタと嵌合を固定するためのプレート513cを有している。シェル513の保持部513aは、ハウジング512を取り巻いた筒状部分であり、配線520を覆うシールド線と電気的に接続されている。シェル513の案内部513bは、ピン511の丸棒状の部分を取り囲んだ筒状部分であり、相手コネクタと嵌合する部分である。プレート513cは、相手コネクタの掛け金(図示省略)を引掛ける切込み部を有し、当該切込み部に相手コネクタの掛け金を引掛けることでコネクタ間の嵌合を固定する。相手コネクタの掛け金とプレート513cとが接触することで、シェル513はフレーム・グランド(FG)に接続される。シェル513は配線520のシールド線と接続しているため、P台2とCU3と基板間でフレーム・グランドが接続される構造になっている。なお、プレート513cは、切込み部ではなくねじ穴を設けてもよく、相手コネクタ側のねじと組み合わせることでコネクタ間の嵌合を固定する構成でもよい。
さらに、シェル513は、案内部513bを囲う樹脂製の帯部514を有している。帯部514は、PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)などの樹脂部材であり、シェル513の案内部513bを囲うことでシェル513からシールド線を介して配線520にノイズが乗るのを防止する。前述したようにシェル513を介して配線520にノイズが乗ると、P台2およびCU3の基板のフレーム・グランドに影響を与えることになる。帯部514は、図9に示すように相手コネクタと接触する側の案内部513bの一部を除いて、案内部513bとプレート513cとが接続される位置まで案内部513bを囲っている。もちろん、帯部514は、案内部513bの全部を囲ってもよい。また、帯部514は、シェル513を連続して囲う帯状部材でも、シェル513を複数の帯状部材に分けて囲ってもよい。さらに、シェル513を複数の帯状部材で囲う場合、それぞれの帯状部材の間に隙間を設けてもよい。
また、コネクタ510の筺体515は、シェル513および導線521とピン511との接続部分を覆うモールド部材(例えば、熱可塑性樹脂)で形成されている。モールド部材は、シェル513および導線521とピン511との接続部分を直接覆うインナーモールド部材515aと、インナーモールド部材515aを覆うアウターモールド部材515bとで構成されている。筺体515をインナーモールド部材515aとアウターモールド部材515bとの2回に分けて形成することで、製造上、導線521とピン511との接続部分に負荷をかけずに筺体515を形成することができる。つまり、1つのモールド部材で筺体515を形成すると、形成時のモールド部材の収縮率等が大きく、導線521とピン511との接続部分に負荷をかけ断線が生じる可能性があったが、筺体515を2回に分けて形成することで断線を防止することができる。なお、インナーモールド部材515aとアウターモールド部材515bとは同じ材料(例えば、熱可塑性樹脂)であっても、異なる材料であってもよい。
次に、配線520について説明する。配線520の長さは、約770mmであるが、特に長さは限定されるものではなく、他の長さであってもよい。図10は、通信ケーブル500の配線の構成を説明するための断面図である。配線520は、中心に配置された1本の導線521aと、導線521aの周囲に配置された8本の導線521bとを有している。それぞれの導線521(導線521aおよび導線521b)は、錫めっき軟銅線などの導体を樹脂(例えばPVC)などの絶縁体で被覆してある。配線520は、9本の導線521はテープ522で束ねられるとともに編組線であるシールド線523(例えば錫めっき軟銅線)および外装の樹脂膜524(例えばPVC)の順で被覆してある。
さらに、配線520は、8本の導線521bのうち、隣り合う2本の前記配線をツイストさせるツイスト線組521cと、隣り合う2本の前記配線を平行に設けるストレート線組521dと分けられる。なお、導線521bのツイスト間隔は、例えば約18mmとする。ツイスト線組521cは、導線521bを2本対で撚り合わせたケーブルであるため、平衡接続による通信を行う場合にケーブルの乗ったノイズを受信側で差動信号を取り込む際にキャンセルすることができる。配線520では、2組のツイスト線組521cが導線521aに対して対向する位置に配置され、ツイスト線組521cの間でノイズの影響が低減されるようにしてある。一方のツイスト線組521cでは、P台2から送信されCU3で受信される受信データ(差動信号+,差動信号−)が通信されている。この受信データには、図4に示すように加算玉数、減算玉数、計数玉数および遊技玉数などの遊技に関する重要なデータが含まれている。他方のツイスト線組521cでは、CU3からP台2に送信される送信データ(差動信号+,差動信号−)が通信されている。この送信データには、図4に示すように加算玉数などの遊技者の遊技価値に関する重要なデータが含まれている。
ストレート線組521dでは、接続確認信号、GND信号など遊技に関するデータおよび遊技価値に関するデータ以外の信号やデータが通信されている。また、導線521aは、GND信号線である。
前述したようにCU3とP台2との間では、200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。また、図4で説明したようにCU3とP台2との間では、遊技玉数などの遊技に関する重要なデータが通信されている。そのため、CU3とP台2との間を接続する通信ケーブル500は、データを高速かつ正確に通信する必要があり、ノイズ対策が重要となる。そこで、本実施の形態に係る通信ケーブル500では、前述したように案内部513bを囲う樹脂製の帯部514を設けることで配線520にノイズが乗るのを防止して、従来の通信ケーブルに比べノイズを低減している。
さらに、本実施の形態に係る通信ケーブル500では、遊技玉数などの遊技に関する重要なデータを通信する導線にツイスト線組521cを用いることで、ノイズの影響を低減している。また、本実施の形態に係る通信ケーブル500では、P台2から送信されCU3で受信される受信データを通信するツイスト線組521cと、CU3からP台2に送信される送信データを通信するツイスト線組521cとが導線521aに対して対向する位置に配置されることで、ノイズの影響を低減している。
(変形例)
(1)本実施の形態では、コネクタ510がピン511を有するピンインサート側(オス側)のコネクタであると説明したが、コネクタ510は、これに限定されるものではなく、ピン511に代えてピンと嵌合するソケットをハウジング512で保持したソケットインサート側(メス側)のコネクタであってもよい。
(2)本実施の形態では、コネクタ510がD−subの9ピンコネクタであると説明したが、コネクタ510は、これに限定されるものではなく、例えばD−subの15ピンコネクタなどでもよく、少なくとも帯部514を設けることが可能な筒部材を有するコネクタであればよい。
(3)本実施の形態では、配線520が9本の導線521を有すると説明したが、配線520は、これに限定されるものではなく、例えばD−subの15ピンコネクタのピン数にあわせて15本の導線521を有してもよい。
(4)本実施の形態では、通信ケーブル500の両端に設けたコネクタ510がともにピンインサート側(オス側)のコネクタであると説明したが、通信ケーブル500は、これに限定されるものではなく、両端に設けたコネクタ510がともにソケットインサート側(メス側)のコネクタであっても、一方のコネクタ510がピンインサート側(オス側)のコネクタで、他方のコネクタ510がソケットインサート側(メス側)のコネクタであってもよい。
(5)本実施の形態では、コネクタ510の筺体515が、シェル513および導線521とピン511との接続部分を覆うモールド部材であると説明したが、筺体515は、これに限定されるものではなく、例えばシェル513および導線521とピン511との接続部分を覆うケース部材であってもよい。ケース部材の材質は、例えば樹脂、金属などでよい。
(6)遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、スロットマシン(S台)にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。S台の左隣には、P台と同様にCUが接続される。S台では、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、S台において遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、S台には、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
(7)本実施の形態では、通信ケーブル500を図3に示すパチンコ遊技機2とカードユニット3との接続に利用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、通信ケーブル500をホールサーバ801とカードユニット3との接続に利用してもよい。
(8)なお、図5〜図8に示した通信ケーブル500において、意匠的特徴部分については実線で、非特徴部分については破線で外形線を示しており、本願を意匠登録出願に変更する場合には、図面において実線で示した部分の部分意匠を「意匠登録を受けようとする意匠」とすることができる。また、外形線を破線で描いた部分のうちの任意の意匠部分、あるいはその任意の部分と外形線を実線で描いた部分とを併せた意匠部分を「意匠登録を受けようとする意匠」とすることができる。さらには、通信ケーブル500またはコネクタ510の全体形状の意匠を「意匠登録を受けようとする意匠」として意匠登録出願に変更してもよい。すなわち、図5〜図8には、それらの図面から特定できるあらゆる態様の意匠が記載されている。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。