以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
<パチンコ遊技機の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ遊技機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。もちろん、本実施の形態に係るパチンコ遊技機は、島設備を必要とし、遊技媒体を封入しないパチンコ遊技機であってもよく、スロットマシンなどの他の遊技機でもよい。スロットマシンの場合、メダルを必要とするスロットマシンであっても、メダル不要なスロットマシンであってもよい。また、遊技機(P台2,S台2S等)や、遊技用装置(カードユニット,CU3等)などを総称して遊技機器という。なお、本実施の形態では、遊技用装置としてカードユニットの例を以下に説明するが、これに限られず、P台2と接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行なう呼出しランプ装置などの情報表示装置も遊技用装置に含めてもよい。
P台2は、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉(遊技玉)を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータ18(図4参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
パチンコ玉の発射強度(以下、単に発射強度Tともいう)は、打球操作ハンドル25の回動操作量(以下、単にハンドル操作量ともいう)に応じて調整可能であり、ハンドル操作量を大きくするにしたがって発射強度Tが大きくなる。したがって、遊技者は、ハンドル操作量を調節することによって、自らが狙う領域をパチンコ玉が通過するように発射強度Tを調整することができる。
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ遊技機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154に回収されたパチンコ玉は再度P台2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
P台2は、CU3を側方位置に設置することでCU3から伸びる表示器54をP台2の前面に設けた接続面54aに嵌合させる。そのため、P台2における遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、あるいは可変表示装置278の表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。また、表示器54は、裏面に設けた接続端子(図示せず)をP台2の接続面54aに設けた接続端子54bに接続することでP台2に嵌合させている。このように、CU3の表示器54をP台2の接続面54aに嵌合させる構成であれば、CU3とP台2とをより強く連結することができ、不正を防止することができる。さらに、表示器54との連結係止を、ガラス扉6または打球操作ハンドル25が設けられた下扉を開かないと解除することができないようにすることで、不正をさらに防止することができる。なお、表示器54は、図1に示すようにCU3と一体に形成されP台2の接続面54aに嵌合させる構成だけに限定されず、CU3から独立して形成されP台2の前面に取付けられる構成でもよい。
また、P台2の接続面54aの上方位置に遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器が設けられている。遊技玉数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、払出制御部171によって制御される。この遊技玉数表示器29により、遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。なお、遊技玉数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台2における遊技玉数表示器29の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行なう場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28をP台2側に設けているため、計数ボタン28をCU3側に設ける場合に比較して、P台2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2は、遊技領域27の右上位置および左上位置に、可変表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けてある。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
本実施の形態に係るP台2は、遊技盤26とそれ以外の前枠(遊技機枠)5とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、前枠5は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図1を参照して、本実施の形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。P台2では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な玉の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
CU3の前面側には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードID、C-IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319とが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残額(カード残額または単に残額とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2による遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319とは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉となる。また、持玉数は、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉である。遊技玉数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持玉、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801に記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行なわれる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバ801に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのCU3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320と、玉貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と、カード返却ボタン322とが設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320である。玉貸ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
次に、図2を参照して、P台2は、額縁状の外枠4に対して、前枠(以下、セルとも言う)5とガラス扉6とがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
前枠5における揺動中心とは反対側の端縁付近(遊端側)には、上下1対の係合突起6a、6bが設けられている。この係合突起6a、6bは、図示しないバネによって下方向に押圧されている。一方、外枠4の係合突起6a、6bに対向する位置に、係合受け片7a、7bが設けられている。開放状態の前枠5を外枠4に押付けることにより係合突起6a、6bが係合受け片7a、7bを乗越え、乗越えた状態でバネの付勢力により係合突起6a、6bが下方に移動し、ロック状態となる。
そして、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより、バネの付勢力に抗して上下1対の係合突起6a、6bが上方に押上げられ、その結果係合受け片7a、7bに対する係合突起6a、6bの係合が解除されてロック解除状態となり、前枠5が開放される。
さらに、前枠5にはガラス扉6用の係合突起8も設けられており、その係合突起8に対向するガラス扉6部分には、係合穴9が設けられている。係合突起8は、図示しないバネによって下方に押圧されており、開放状態のガラス扉6を前枠5に押付けることにより係合穴9の下縁部分によって係合突起8が押上げられて乗越えることにより、バネの付勢力により係合突起8が押下げられ、係合突起8と係合穴9とが係合されてロック状態となる。この状態で、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば反時計回り回転)することにより、バネの付勢力に抗して係合突起8が引上げられ、係合突起8と係合穴9との係合が解除されてロック解除状態となり、ガラス扉6が開放される。
前枠5の下方部分における外枠4と接触する箇所に前枠開放検出スイッチ13が設けられており、前枠5が開放されたことが検出される。また、前枠5の上方部分におけるガラス扉6との接触部分にガラス扉開放検出スイッチ12が設けられており、ガラス扉6が開放されたことがこのガラス扉開放検出スイッチ12により検出される。
ガラス扉開放検出スイッチ12および前枠開放検出スイッチ13の開放回数は、夜間監視装置53(図4参照)に内蔵された計数カウンタ120により計数される。計数カウンタ120は、CPU,ROM,RAM等が搭載され、P台2の電源供給が途切れたときでもバックアップ電源として夜間監視装置53内に設けた内蔵電池172(図4参照)により動作可能である。例えば、夜間等でP台2の電源OFF時、内蔵電池172から供給される電圧に基づきガラス扉6や前枠5の開放検出回数を計数してその計数値を払出制御部171へ送信することができる。もちろん、P台2の電源ON時は、内蔵電池172からではなくP台2の電源から供給される電圧に基づきガラス扉6や前枠5の開放検出回数を計数してその計数値を払出制御部171へ送信することもできる。ここで、内蔵電池172は、たとえば、夜間監視装置53内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
遊技盤26の裏面(ガラス扉6と対向する面とは反対側の面)に、主制御基板16が設けられている。外枠4の裏面は閉じられているため、まず前枠5を開放して前枠5から遊技盤26を取外すことで、主制御基板16が遊技盤26から着脱可能な状態になる。つまり、遊技盤26より主制御基板16を取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを交換する作業を行なうためには、前枠5を開放する必要があるため前枠開放検出スイッチ13で当該作業が行われた可能性があることを検出することができる。よって、遊技盤26より主制御基板16を不正に取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを不正に交換すれば、前枠開放検出スイッチ13で当該作業が行われた可能性があることを検出することができる。
さらに、前枠5の裏面に、払出制御基板17が設けられている。払出制御基板17も、まず前枠5を開放してから、前枠5の裏面より取外す必要がある。よって、前枠5の裏面より払出制御基板17を不正に取外す、または払出制御基板17に設けた半導体チップを不正に交換すれば、前枠開放検出スイッチ13で当該作業が行われた可能性があることを検出することができる。
次に、遊技盤26を前枠5に設置する構成について説明する。図3は、遊技盤26が前枠5に取付けられる前と取付けられた後の様子を示す図である。図3に示すように前枠5の裏面には、取付機構34a、34bがそれぞれヒンジ35a、35bを中心に開閉自在に設けられている。取付機構34a、34bは、コの時型をしており、遊技盤26に対応した幅の底を持つ。遊技盤26を前枠5に対して図3(b)の矢印方向に押し込むことで、図3(a)に示すように遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定される。遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定されるときに、遊技盤26側に設けた凸型ドロアコネクタ32が前枠5側に設けた凹型ドロアコネクタ33と結合する。ここで、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33は、位置ずれに対してフレキシブル性を有するフローティングコネクタである。
また、遊技盤26を前枠5に設置する際に、凸型ドロアコネクタ32が凹型ドロアコネクタ33と結合することで、遊技盤26側の主制御基板16と、前枠5側の払出制御基板17とが接続されることになる。さらに、遊技盤26は決まった位置に固定されるとともに、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33はある程度の位置ずれに対してフレキシブル性を有しているので、凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。なお、取付機構34a、34bを設けず、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33のみで、遊技盤26を前枠5に設置する構成であっても、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33自体がフレキシブル性を有するフローティングコネクタであるため、遊技盤26と前枠5との位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。ここで、凸型ドロアコネクタ32は、遊技盤26の内部配線(図示せず)を介して主制御基板16に接続され、凹型ドロアコネクタ33は、信号ケーブル36を介して、図2に示す払出制御基板17に接続されている。
<カードユニットとパチンコ遊技機との構成>
図4は、CU3とP台2との構成を示すブロック図である。図4を参照して、CU3とP台2との制御回路の概略を説明する。
CU3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801(図5参照)と通信を行なうための外部通信部(図示省略)が設けられている。CU制御部323には、P台2の払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板(SC基板)325が接続される。セキュリティ基板325は、CU3のセキュリティ監視機能部である。なお、セキュリティ基板325上にCU制御部323を設けてもよく、あるいは、セキュリティ基板325とは別の基板にCU制御部323を設けてもよい。CU3にはP台2側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。なお、CU3とP台2との接続は、コネクタを介して電気的に配線で接続される実施例について説明するが、CU3とP台2との間で必要な情報(例えば、識別情報や加算玉数の情報など)が通信可能であれば、有線、無線などの接続方式は問わない。
CU3側のセキュリティ基板325とP台2側の払出制御基板17とは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、P台2のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。さらに、SC325bは、不正検知部1325を備え、不正検知部1325がCU制御部323からP台2に通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800(図5参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800から基板制御情報として通知される。
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記録情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU3の前面に設けられる表示器312および図1に示すようにP台2の前面に配置されている表示器54に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。なお、表示器54に送信される表示用データは、まず中継基板14に入力される。表示器312および表示器54には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が玉貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、玉貸ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17と、払出制御基板17の指令に基づいて発射モータ18を駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けてある。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163と接続してある。
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に玉が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、「4」である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行なうとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278を表示制御する。
演出制御基板15は、CU3の中継基板14を介して、表示器54とも接続されている。演出制御部151は、可変表示装置278に対して可変表示等のための表示制御信号を送信するとともに、可変表示装置278の表示と連動する表示を行なうための表示制御信号を表示器54へ送信可能である。なお、中継基板14および表示器54は、P台2側に設けるようにしてもよい。この場合、P台2側の演出制御基板15は、CU3を介さずに直接P台2側の中継基板14と接続される。また、遊技盤26には、図示していないが電飾LEDが設けられており、演出制御基板15が当該電飾LEDの点灯を制御している。
払出制御基板17は、前枠5に設けてある。払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171は、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
また、払出制御基板17に対し、発射玉検出スイッチ903、アウト玉検出スイッチ701、ファール玉検出スイッチ33A、計数ボタン28、電波センサ173が電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173は、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が払出制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して払出制御部171へ入力される。玉上げスイッチ(上)41aは、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
主制御基板16から払出制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台2の主制御基板16に記録されているチップIDのことであり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16と払出制御基板17とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16から払出制御基板17へ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17がその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17が動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17は、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17から主制御基板16へ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16が正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701から払出制御基板17へアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17は、遊技中玉数(遊技領域27に浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ33Aからファール玉検出信号が入力された払出制御基板17では、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチ903から払出制御基板17へ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17は、遊技中玉数を減算更新する。
CU3のセキュリティ基板325とP台2の払出制御基板17とが電気的に接続されており、セキュリティ基板325から払出制御基板17へ、各種コマンドが送信される。逆に、払出制御基板17からセキュリティ基板325へ、各種レスポンスが送信される。
前枠5には、払出制御基板17の他、発射制御基板31、発射モータ18、遊技玉数表示器29が設けられている。なお、遊技玉数表示器29は前枠5に直接取り付けてもよいが、玉が払い出される通常のパチンコ遊技機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、前枠5に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。払出制御基板17の払出制御部171は遊技玉数表示器29に遊技者が現在所有している遊技玉数を表示する。
払出制御基板17から発射制御基板31へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射装置の発射モータ18を励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射モータ励磁出力を発し、発射モータ18を駆動させる。
発射強度センサ19は、発射モータ18によるパチンコ玉の発射強度Tを検出する。たとえば、発射強度センサ19は、ハンドル操作量に応じて電気抵抗値が変化するように構成された可変抵抗から出力されるアナログ値をデジタル値に変換した値を発射強度Tとして検出する。以下では、例示的に、ハンドル操作量に応じて発射強度Tが0(最小値)から99(最大値)まで変化するものとして説明する。発射強度センサ19の検出結果は、発射制御基板31経由で払出制御基板17およびCU3に出力される。
前枠6には、ガラス扉6の開放検出、主制御基板16の交換主基板の取外しなどを監視する夜間監視装置53が設けられている。夜間監視装置53は、ガラス扉開放検出スイッチ12および前枠開放検出スイッチ13などの開放検出スイッチと接続されるとともに、当該装置内の電源装置から当該装置内の不正検出器(夜間監視装置53のCPUを内蔵している部分)に至るループ状の電力線に前枠6に設けた払出制御基板17や遊技盤26に設けた主制御基板16などを直列に接続している。そのため、夜間監視装置53は、開放検出スイッチからの信号に基づきガラス扉6などの開放回数をカウントすることができるとともに、ループ状の電力線の電圧値の変化に基づいて、主制御基板16の交換主基板の取外しなどを検出することができる。夜間監視装置53には、バックアップ電源として内蔵電池172が設けられており、内蔵電池172がP台2の電源OFF時に電力を必要とする機器(例えば、ループ状の電力線や計数カウンタなど)に対して電力を供給している。
P台2の前面には、CU3から伸びた表示器54および中継基板14が設けられている。表示器54は、中継基板14を介してCU3の表示制御部350からの表示データ(表示制御信号)を受信する。さらに、表示器54は、中継基板14を介して演出制御基板15からの表示データ(表示制御信号)を受信する。
中継基板14には演出制御基板15および表示制御部350のうち一方からの表示制御信号を表示器54へ出力して表示器54に演出制御基板15または表示制御部350からの表示制御信号に基づく画像を表示するための切換回路141が搭載されている。
なお、本実施の形態では、P台2の前面に設けられるCU3から伸びた表示器54をCU3側で制御できるように構成されているが、これに代えて、P台2側に表示器54を設けCU3側から表示制御できるように構成しても、P台2側に表示器54を設けP台2側で表示制御できるようにP台2側に表示制御用基板を設ける構成でもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171の指令に基づいて表示器54を表示制御する。
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技機情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
<パチンコ玉の循環経路>
ここでは、図1および図4を参照して、P台2におけるパチンコ玉の循環経路を概説する。
遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射モータ18が駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個のパチンコ玉が打球ハンマーにより弾発されてそのパチンコ玉が遊技領域27に打込まれる。
遊技玉の発射検出は、玉上げスイッチ(上)41aがオンからオフに変化したことにより検出される。この検出は、払出制御部171が設けられている払出制御基板17(図4参照)でのポート入力により検知され、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
遊技領域27に打込まれた玉のうち、アウト口154(図1参照)に進入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト玉検出スイッチ701によって検出される。ファール玉は、ファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチ33Aによって検出される。
入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞玉は、遊技機背面で集められて回収玉通過経路に誘導される。同様に、アウト玉およびファール玉も回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には発射玉検出スイッチ903が設けられている。このため、入賞玉、アウト玉、およびファール玉のすべてが発射玉検出スイッチ903によって検出される。つまり、発射玉検出スイッチ903は、弾発されたパチンコ玉のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射モータ18により弾発されたパチンコ玉の弾発数とが等しくなったときに、打込まれたパチンコ玉がすべて回収されたと判定できる。
そこで、本実施の形態では、発射玉検出スイッチ903の検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27に打込まれた玉の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27を転動中であるか、遊技領域の釘等の間に引っ掛かって落下していないような浮遊玉が存在していないかどうかを判断できる。
<カードユニットおよびパチンコ遊技機に発生した異常の通知処理>
図5は、相互認証の結果、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。
図5を参照して、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16において異常が発生した場合には、図5の矢印で示す方向に対して通知が行なわれる。ここで言う異常には、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16を、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズ等により誤作動したり故障したりした場合や、断線等によるオフライン状態などが含まれる。図5に示される鍵管理サーバ800は、CU3内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800は、主制御基板16と互いに通信可能なサーバである。
まず、CU3のセキュリティ基板325により異常が発生した場合には、前述したCU制御部323とセキュリティ基板325との間で行なわれる相互認証の結果、CU制御部323が異常を検知する。この相互認証では、シリアルID認証と機器認証の他に、セッション鍵による機器認証も含まれている。
シリアルIDは、セキュリティ基板325のシリアルID(基板シリアルID)であり、セキュリティ基板325のセキュリティチップ325bを製造する段階において、該セキュリティチップ325bのROMに記憶されている。また、CU3が遊技場に搬入された後、ホールサーバ801に接続されたときに、鍵管理センタの鍵管理サーバ800からホールサーバ801経由で基板シリアルIDがダウンロードされてCU制御部323に記憶される。
CU制御部323がセキュリティ基板325の異常を検知した場合、CU制御部323はホールサーバ801にその旨を通知するとともに、CU3の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行なう制御を表示制御部350に行なわせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行なう。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
CU3のCU制御部323により異常が発生した場合には、前述した相互認証によりセキュリティ基板325が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)を払出制御部171に通知する。なお、セキュリティ基板325は、パラレルインタフェイス回路であるPIF回路326を介してパラレル信号で払出制御部171に通知する。払出制御部171はそれを受けて異常発生した旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16は、前述と同様に、異常報知ランプを作動させる制御を行なうとともにホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
セキュリティ基板325が払出制御部171の異常を検知した場合には、その旨をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。
このように、セキュリティ基板325は、CU制御部323の異常を検知したときPIF回路326を介して当該異常を払出制御部171へ通知する一方、払出制御部171の異常を検知したときには、当該異常をCU制御部323へ通知するものであり、セキュリティ基板325による異常発生の通知先がそれぞれ異なる。その理由は、異常が発生した制御部に対して異常が発生した旨を通知しても、何ら異常報知のための制御が行なわれず、異常防止対策にはならないためである。しかも、セキュリティ基板325は、通信制御の機能は有しているものの異常報知制御の機能は有していない。よって、自ら異常報知の制御が行なえず、そのために必ず異常が発生した制御部とは反対側の制御部の方向に異常発生した旨の通知を行なうのである。なお、PIF回路326を介してセキュリティ基板325からの異常発生の通知を受けた払出制御部171は、その旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16はその通知を受けて、前述と同様の異常報知のための制御を行なう。
払出制御部171に異常が発生した場合には、その旨がセキュリティ基板325により検知され、異常が発生した旨がCU制御部323へ通知され、CU制御部323は前述した異常報知制御を行なうとともにホールサーバ801へ異常が発生した旨を通知する。また、払出制御部171に異常が発生した場合には、主制御基板16が異常発生した旨を検知し、その通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行なう。
払出制御基板17は、前述したように、セキュリティ基板325に異常が発生した場合にはそれを検知して主制御基板16へ通知する一方、主制御基板16に異常が発生した場合にはそれを検知してセキュリティ基板325へ異常が発生した旨を通知する。この払出制御基板17も、前述したセキュリティ基板325と同様に、異常が発生した旨を検知した場合にはその異常が発生した制御部に対して通知を行なっても異常報知用の制御が行なわれないために、異常が発生した制御部とは反対側の制御部あるいは制御基板に通知を行なう。なお、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、相互認証の結果、異常を検知した場合に異常を報知するための異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していない。もちろん、セキュリティ基板325および払出制御基板17であっても、相互認証の結果、異常を検知した場合に異常を報知する以外については、必要に応じて報知ランプや表示器等で報知を行うことは言うまでもない。なお、上記の説明では、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していないこととして説明したが、セキュリティ基板325と払出制御基板17とに異常報知の機能を設け、直接異常を発生した旨を通知させてもよい。
<カードユニット側とパチンコ遊技機側との送受信態様>
次に、図6は、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図6を参照して、CU(カードユニット)3側とP台(パチンコ遊技機)2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
図6では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の払出制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台(パチンコ遊技機)2とCU(カードユニット)3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の払出制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、払出制御基板17自体が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU3側へ送信する。なお、CU3とP台2との通信は、図5に示すようにセキュリティ基板325(通信制御IC325aおよびSC325b)およびPIF回路326を介して行われており、以下に説明するCU3とP台2との間で通信されるデータ、通信コマンドなどがセキュリティ基板325(通信制御IC325aおよびSC325b)およびPIF回路326で中継される。そのため、例えば通信制御IC325aとSC325bとの間で通信断が生じてCU3とP台2との通信が行なえない場合、CU3においてCU制御部323が状態情報要求のコマンドをSC325bに対して送信してもP台2に到達しない。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3側とP台2側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3側からP台2側へ送信され、P台2側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3側とP台2側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3側からP台2側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2側において記憶することとなる。
CUおよびP台の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CUおよびP台の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「通常通番」、「加算通番」および「計数通番」の3種類がある。「通常通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通常通番」は、CU3側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通常通番」をカウントアップしない。P台2側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「加算通番」はCU3がP台2に対して遊技玉の加算を要求する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台2がCU3に対して遊技玉の計数を要求する際に用いられる通番である。
通常通番の更新権はCU3のみが有する。CU3は、送信した通常通番と同じ通常通番が返信されてきたときに、通常通番をバックアップ記憶した上で、更新した通常通番を送信する。加算通番の加算更新権はCU3のみが有する。CU3は、加算要求をする場合には、それまで通信に用いていた加算通番に+1した加算通番をP台2へ送信する。P台2は、要求を承諾するときには、同じ加算通番を返信する。要求を拒否するときには、前回、受信した加算通番(今回受信した加算通番−1)を返信する。計数通番の加算更新権はP台2のみが有する。P台2は、計数要求をする場合には、それまで通信に用いていた計数通番に+1した計数通番をCU3へ送信する。CU3は、要求を承諾するときには、同じ計数通番を返信する。要求を拒否するときには、受信した計数通番(今回受信した計数通番−1)を返信する。
以下では、「通常通番」について、CU3が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、P台2およびCU3のそれぞれが、またはP台2が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、他方は受信した通番をそのまま送信する構成であってもよい。
また、「加算通番」および「計数通番」は、それぞれ、加算要求の処理および計数要求の処理においてカウントアップされる特別な通番である。以下では、この「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際、「通常通番」もカウントアップする構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際に「通常通番」のカウントアップを停止する構成であってもよい。なお、以下では、「通常通番」を単に「通番」と称する。また、「加算通番」および「計数通番」を併せて「要求通番」とも称する。
P台2側からCU3側へは、最新遊技機情報(カウント中の遊技機情報)が送信される。この最新遊技機情報は、P台2側の払出制御部171(図4参照)のRAMの最新遊技機情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技機情報に含まれず、遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技玉数カウンタに加えて、遊技玉数も最新遊技機情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。ここで、「賞球玉」は、入賞口へ玉が入賞することにより払出される玉であり、セーフ玉である。「発射玉」は、遊技機が発射した玉であり、バック玉がある場合はバック玉を減算した玉数が発射玉数となる。「バック玉」は、発射玉が盤面上に跳出せずに戻ってきた玉である。「アウト口通過玉」は、アウト口154を通過した玉であり、アウト玉とセーフ玉の合計玉数がアウト口通過玉数を意味する。
たとえば、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16から入賞情報が払出制御基板17へ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
あるいは、払出制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技機情報記憶領域(払出制御部171のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技機情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技機情報(直前に送信した遊技機情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した遊技機情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ最新遊技機情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技機情報に、直前に送信した遊技玉数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、払出制御基板17は、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残額、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新遊技機情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技玉数カウンタのカウント値(遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行なわれ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技玉数をP台2側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技玉数と、P台2側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技玉数がCU3側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバ801またはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技玉数とP台2側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図6に示すように、CU3は、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残額を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323(図4参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図4参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323(図4参照)は、カード残額の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321の押圧入力)に応じてカード残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残額、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落として遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落としてドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式パチンコ遊技機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2側からCU3側へ送信される。CU3側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係るCU3とP台2との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行なわない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通常通番、加算通番、計数通番、コマンド、データ部を含む。「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「コマンド」は、電文のコマンドコードである。「データ部」は、電文のデータである。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図7を参照して、CU(カードユニット)3とP台(パチンコ遊技機)2との間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図7には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
<CUとP台との通信における主なシーケンス>
<<コマンド、レスポンスの送信>>
まず、CU3とP台2との間でのコマンドおよびレスポンスの送信について説明する。CU3(1次局)からP台2(2次局)に対してコマンドが送信され、P台2はそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。つまり、業務電文の送信は、CU3を1次局、P台2を2次局としたコマンド/レスポンス方式である。
CU3からP台2への最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台2からCU3へのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CU3とP台2との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
それゆえ、P台2からCU3へは、遊技玉数の変化量を通知するためのレスポンスが玉の発射時間間隔よりも短い間隔で次々と送信されることになる。その結果、P台2は、遊技玉数の変化量を細やかにCU3に対して通知可能となる。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をP台2の発射時間間隔と一致させることも考えられる。
<<CU側の通信回線断検知>>
次に、CU3側で通信断が検知された場合の処理について説明する。CU3がP台2に対してコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかった場合、再度同じコマンドをP台2に送信する。さらにその200ms後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをP台2に送信するという2回目の再送を行なう。同じコマンドを最大14回までP台2に再送する。14回目の再送を行なってもP台2からレスポンスを受信できなかった場合、CU3は3秒後に通信異常と判断して「通信断」とする。この通信異常は、CU3のコネクタとP台2のコネクタとが離脱している場合あるいは接続配線の断線さらにはP台2の電源断などの原因が考えられる。CU3は、コマンドの再送時に通番のカウントアップを行なわない。
<<P台側の通信回線断検知>>
P台2側で通信断を検知した場合の処理について説明する。CU3からP台2へコマンドが送信され、P台2ではそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。その後CU3からのコマンドがP台2に送信されてこない状態が3秒間継続した場合、P台2は通信断と判断し、発射モータ18の駆動を停止させて遊技を停止する。この通信断の発生原因も、CU3のコネクタとP台2のコネクタとの離脱、接続配線の断線、あるいはCU3の電源断などが考えられる。
なお、P台2側で通信断を検知するコマンド、レスポンスには、リカバリ要求/リカバリ応答、リカバリ要求2/リカバリ応答2、通信開始要求/通信開始応答、通知終了要求/通信終了応答、および通信テスト要求/通信テスト応答のコマンド、レスポンスを含まない。
<<電源投入>>
次に、電源投入時の接続シーケンスの処理について説明する。図8に示すシーケンス処理は、CU3とP台2との通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3の電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2では発射モータ18を停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=255を含む計数履歴要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2は、通番=255、履歴の有無を示す計数履歴結果、記憶している計数履歴1および計数履歴2のデータを含む計数履歴応答のレスポンスをCU3に返信する。次に、CU3は、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をP台2へ送信し、P台2に対してリカバリ情報を要求する。P台2は、CU3より通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、P台2は、前回最終送信計数通番を参照して、CU3が計数処理を実施していなかった場合、計数要求をなかったものとし、CU3が計数処理を実施済の場合、計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。
計数リカバリ処理の実行後、P台2は、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技機情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技機情報を使用してCU3の加算リカバリ処理を実施する。CU3は、加算玉リカバリ処理を実施する場合、P台2に対して、リカバリ要求2をP台2へ送信し、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答2)。なお、P台2が加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3は、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2は、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3がコマンドを再送したと判断する。CU3はコマンドの送信し、同じ通番のレスポンスがP台2から通知された時に通番をバックアップする。P台2は、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままCU3に通知する。P台2はレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3は、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドをP台2に送信する。P台2は、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてCU3に返信する。さらに、CU3は、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドをP台2に送信する。P台2は、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、CU3は、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3は、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、状態情報要求のコマンドには、玉単価の情報が含まれる。当該玉単価がP台2に送信されることで、P台2はCU3で設定されている玉単価が1玉4円なのか、1玉1円なのかを認識することができる。また、状態情報要求のコマンドは、前述したように200ms周期で送信されるため、遊技玉が発射させる600msの周期の間に最大3回玉単価の情報をP台2に送信することが可能である。そのため、P台2で遊技する遊技玉の1玉ごとに玉単価を変更することが可能となる。玉単価を少数単位(たとえば1玉単位)の遊技玉ごとに管理することが可能となれば、遊技者の要望(たとえば、小額でゆっくり遊技を行ないたい要望や、短時間に残りの遊技玉数を消費したい要望など)にあわせた多彩な遊技を提供することが可能となる。以降に説明するCU3からP台2に送信される状態情報要求のコマンドにも玉単価の情報が含まれるが、説明するシーケンスの内容に当該玉単価の情報が直接関係ない場合は特に明記しない。
P台2は、それを受けて、遊技機情報、遊技情報および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、P台2は、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、状態情報応答のレスポンスには、玉単価の情報が含まれない。これは、現在P台2で遊技している玉単価の情報を不正に変更してCU3に送信し、CU3で管理している遊技玉の玉単価に対して不正を行なうことを防止している。これにより、遊技用システムのセキュリティ性を向上させることができる。
CU3は、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、CU3は、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<鍵管理サーバから通信制御ICまでの間の通信に使用される暗号鍵>
次に、鍵管理サーバから通信制御ICまでの間の通信に使用される暗号鍵について説明する。図9は、鍵管理サーバから通信制御IC325aまでの間の通信に使用される暗号鍵を説明するための図である。まず、鍵管理サーバから通信制御IC325aまでの間の通信に使用される暗号鍵には、主に基板出荷鍵、基板初期鍵、基板認証鍵、本認証鍵、仮認証鍵、有効鍵(商用)、通信鍵1(セッション鍵)および通信鍵2(セッション鍵)がある。基板出荷鍵は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、出荷以前での通信テスト電文の暗号にのみ使用される。基板初期鍵は、CU制御部−SCの通信に利用され、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323が受信し、CU制御部323のRAMに記憶される。SC325bは、製造時の埋め込み情報から基板初期鍵を生成してRAMに記憶する。基板初期鍵を用いた認証用通信(基板初期鍵モード)は限られた期間のみ許容(時限的運用)される。ここで、基板初期鍵モードは、前述したように、ホールサーバと少なくとも1回は正常に通信して、基板初期鍵を取得する必要があるため、セキュリティ性は担保されている。
ここで、「限られた期間」とは、たとえば、2日間という限定的期間である。このように、時限的運用を可能にすることによって、ホールにシステムを導入した段階ですぐに鍵管理サーバとの鍵交換ができない場合であっても、システムの導入直後からホールは営業を開始することが可能となる。なお、限定的期間としては、たとえば、毎朝9時〜17時までの間という具合に、1日の中での定めた期間を設定してもよい。
なお、前述の基板初期鍵モードは、基板初期鍵を用いた認証用通信を限られた期間可能にする制限を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、使用できる金額(カード残額、あるいは現金)を制限してもよい。あるいは、可変表示装置における図柄の変動回数が一定回数に達した場合にゲームを強制終了させて遊技機を不能動化状態に制御してもよい。または、大当たりの累積回数が一定回数に達した場合にゲームを強制終了させて遊技機を不能動化状態に制御してもよい。その他、現金を投入することによる遊技のみを許容してカード残額を使用した遊技ができないようにしてもよく、持玉を使用した遊技のみに制限するようにしてもよい。
基板認証鍵は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、鍵管理サーバより基板セキュリティ情報の一部として受信する暗号鍵である。基板認証鍵を用いた認証用通信を行なうことで、基板初期鍵を用いた時限的運用から恒久的運用(通常運用)に通信モード(基板認証鍵モード)が切換わる。この基板認証鍵は、CU制御部のRAMとSCのRAMとに記憶される。
基板初期鍵を用いた時限的運用および基板認証鍵を用いた恒久的運用のいずれについても、ホールサーバに記憶された有効鍵をCU制御部323が受信し、SC325bがその有効鍵を通信制御IC325aに対して設定することによりP台とCUとの間の通信が可能となることで実現される。
本認証鍵は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、鍵管理サーバから受信した更新情報から、SC325bにより生成されてSC325bのRAMに記憶されるとともに、通信制御IC325aにおいてもSC325bと同様に更新情報から生成されて通信制御IC325aのRAMに記憶される。なお、この本認証鍵は、鍵管理サーバなどから本認証鍵そのものを取得するようにしてもよい。また、鍵管理サーバなどから更新情報を受信することなくCU制御部323と通信制御IC325aとが自ら生成してもよい。さらに、鍵管理サーバなどから所定の第1データを取得するとともにCU制御部323と通信制御IC325aとが自ら所定の第2データを生成し、それら第1データと第2データとから本認証鍵を生成するようにしてもよい。
仮認証鍵は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、本認証鍵が生成されるまでの間(又は設定された許容時間(たとえば2日)が経過するまでの間)、SC325bと通信制御IC325aとの間での暗号通信に使用される。この仮認証鍵による暗号通信(仮認証鍵モード)は限られた期間(たとえば2日)のみ許容(時限的運用)される。SC325bおよび通信制御IC325aは、製造段階から仮認証鍵をそれぞれのROMに記憶している。有効鍵(商用)は、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323経由でSC325bが受信し、通信制御IC325aに対して送信(設定)する鍵である。有効鍵が設定されることによってP台との通信が可能になる。なお、有効鍵は、通信制御IC325a活性化用のデータである。換言すると、有効鍵は、CUとP台との間の通信を許可するための許可情報である。
通信鍵1(セッション鍵)は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、対遊技機用の業務電文通信に用いられ、SC325bが何らかの変数を用いて、毎営業日作成している。該変数として、たとえば、カウンタ値(乱数)や日時情報などを用いてもよい。通信鍵2(セッション鍵)は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、対遊技機用の業務電文通信に用いられる。
なお、前述に説明した鍵は、鍵のデータがそれぞれの部分にそのまま埋込まれている構成であっても、鍵のデータを生成するための情報がそれぞれの部分に記憶されていて、該情報を利用いて鍵のデータを生成する構成であってもよい。
次に、暗号鍵の取得方法と、取得した暗号鍵を用いて暗号通信を行なう方法について説明する。まず、SC325bは、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323経由で有効鍵を取得する。SC325bは、取得した有効鍵を通信制御IC325aに対して送信(設定)することで、P台との通信が可能になる。CU制御部323はホールサーバとの最初の通信時に基板初期鍵を受信し、CU制御部323のRAMに記憶される。SC325bは、製造時の埋め込み情報から基板初期鍵を生成してRAMに記憶する。SC325bは、取得した基板初期鍵を用いてCU制御部323と暗号認証を行ない、該基板初期鍵を用いて時限的にCU制御部323と暗号通信を行なう。また、電源投入時にCU制御部323から送られてきた接続要求を受信したホールサーバは、当該ホールサーバが設置されている遊技場を識別するための統一店舗コードをCU制御部323へ返信する。具体的には、ホールサーバのCPUの制御にしたがってホールサーバの入出力インターフェイスからCU制御部323へ統一店舗コードが送信される。
一方、CU制御部323とSC325bとの間では、両者に初期情報として記憶されている基板メーカコードを用いた認証が行なわれる。基板メーカコードとは、セキュリティ基板325を製造したメーカを特定するコードのことである。基板メーカコードを用いた認証に成功したことを条件として、基板接続要求と基板接続応答とのやり取りが行なわれる。CU制御部323からSC325bへ送信される基板接続要求の中に上記統一店舗コードが含まれており、基板接続要求を受信することによりSC325bが統一店舗コードを取得する。
次に、CU制御部323は、鍵管理サーバに対して基板セキュリティ情報を要求し、鍵管理サーバがホールサーバを介して送信してきた基板セキュリティ情報を受信することで、該基板セキュリティ情報に含まれる基板認証鍵を取得する。CU制御部は、取得した基板認証鍵を用いてSCと暗号認証を行ない、該基板認証鍵を用いてSCと暗号通信を行なう。なお、CU制御部323は、基板認証鍵を取得後すぐに基板初期鍵から基板認証鍵に鍵を変更するのではなく、遊技機が非稼動状態になっていることを条件にして鍵を変更する。
この基板認証鍵は、鍵管理サーバなどから取得する代わりに、CU制御部323が自ら生成してもよく、また、鍵管理サーバなどから所定の第1データを取得するとともにCU制御部323が自ら所定の第2データを生成し、それら第1データと第2データとから基板認証鍵を生成するようにしてもよい。
次に、SC325bは、記憶してある仮認証鍵を用いて通信制御IC325aと暗号通信を行なう。そして、SCは、基板認証鍵を用いてCU制御部と暗号通信を行なうことで鍵管理サーバから取得した更新情報を仮認証鍵で復号し、基板問合せ番号を照会する。SCは、照会した基板問合せ番号が一致した場合、更新情報から本認証鍵を生成し、生成した本認証鍵を用いて通信制御IC325aと暗号通信を行なう。なお、本認証鍵は、通信制御IC325aにおいても出荷時から記憶されているものではなく、SC325bと同様に更新情報から生成される。
次に、SCは、CU制御部に対して通信鍵1を通知し、以降のCU制御部との間の通信を、通信鍵1を用いて行なうことで、遊技機との業務電文通信が可能となる。また、SCは、通信制御ICに対して有効鍵を設定することで、通信制御ICから通信鍵2の通知を受け、以降の通信制御ICとの間の通信を、通信鍵2を用いて行なうことで、遊技機との業務電文通信が可能となる。
<夜間監視装置の構成>
本実施形態に係るパチンコ遊技機(P台2)では、ガラス扉6や前枠5の開放回数の検出、遊技盤26の交換、主制御基板16の交換、払出制御基板17の交換、および夜間監視装置53の取外しなどの不正を検出することができる夜間監視装置を有している。図10は、本実施形態に係るパチンコ遊技機(P台2)の夜間監視装置53の構成を説明するためのブロック図である。図10(a)に、夜間監視装置53を含む前枠5と遊技盤26との接続構成を示す。前枠5は、夜間監視装置53、前枠中継基板52、払出制御基板17および凹型ドロアコネクタ33を有している。一方、遊技盤26は、凸型ドロアコネクタ32と、主制御基板16とを有している。前枠5と遊技盤26とは、前枠5側に設けた凹型ドロアコネクタ33と遊技盤26側に設けた凸型ドロアコネクタ32とにより電気的に接続されている。前枠5と遊技盤26とは、ドロアコネクタなどコネクタで接続されていていなくてもよく、例えば、直接はんだ付けされて接続されていてもよい。
夜間監視装置53は、前枠中継基板52、払出制御基板17、および主制御基板16と、ループ状の電力線500で直列に接続されている。なお、遊技盤26は、凸型ドロアコネクタ32を凹型ドロアコネクタ33に接続することで、主制御基板16も電力線500に直列接続させている。電力線500は、図10(b)に示す電源装置12cから前枠中継基板52、払出制御基板17、および主制御基板16を介して不正検出器12bに至るループ状になっている。そのため、夜間監視装置53では、夜間監視装置53自体を取外したり、払出制御基板17を交換したり、主制御基板16を交換したり、ドロアコネクタを外して遊技盤26を交換したりした場合、ループ状の電力線500の接続が切れ(例えば、断線やコネクタ外れなど)、当該電力線500の電圧値が低下する(例えば、電圧値が2.2V以下に低下)ので不正を検出することができる。
電源装置12cは、ループ状の電力線500にメイン電源から電力を供給するのか、内蔵電池172から電力を供給するのかを切替える。具体的に、電源装置12cは、P台2の電源がOFF状態(例えば、夜間など)となりメイン電源から供給される電力が低下すると、内蔵電池172からの電力供給に切替わる。P台2の電源がOFF状態の間、内蔵電池172の電力が、遊技盤26を経由してP台2内をループバックさせて不正検出器12b(図示していないが、夜間監視装置53のCPUが設けられている部分)に供給される。なお、メイン電源から供給される電力の電圧値は5Vであるが、内蔵電池172から供給される電力の電圧値は3.3Vである。
遊技盤26や夜間監視装置53や主制御基板16などを取外すと、ループ状の電力線500が断線されるため、不正検出器12b(夜間監視装置53のCPU)が唯一電源断状態になる。不正検出器12bは、電源断状態になると退避処理を開始し、当が退避処理時に電断になった事(電断情報)を記憶する。そのため、遊技盤26および夜間監視装置53を再接続した後、P台2の電源が再びON状態となり、払出制御基板17から規定の信号を受信した場合、不正検出器12b(夜間監視装置53のCPU)に記憶した電断情報に基づき特定ビットのフラグを設定した信号を払出制御基板17に返信することで、遊技盤26や夜間監視装置53などを取外したことの不正を検出することができる。なお、夜間監視装置53自体が取外されたままの場合、払出制御基板17が、規定の信号を夜間監視装置53に送信しても一定の期間に返信が戻ってこないので夜間監視装置断線検知(エラーコード「F74」:図15参照)として処理する。
もちろん、夜間監視装置53は、ループ状の電力線500と直列接続されるとともに、不正検出の示す断線トリガ信号などを払出制御基板17に出力するための信号配線が払出制御基板17に接続されている。そして、夜間監視装置53自体を前枠6から取外された場合、信号配線に比べてループ状の電力線500との接続の方が外れやすくすることで、電力線500の接続が外れた後、まだ接続されている信号配線を介して不正検出の示す断線トリガ信号を払出制御基板17に出力してもよい。
電力線500は、前枠5と遊技盤26との間で信号を送受信する信号ケーブル内の配線に含まれている。そして、前枠5の信号ケーブルと遊技盤26の信号ケーブルとは、26ピンまたは32ピンの凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33により接続される。なお、図10(a)には、信号ケーブルは図示しておらず、ループ状の電力線500のみ図示してある。また、払出制御基板17と夜間監視装置53とは、図示していない通信配線で接続され、互いに信号を送受信している。
図10(b)は、夜間監視装置53の構成を説明するためのブロック図である。夜間監視装置53は、不正検出器12b、電源装置12c、内蔵電池172および計数カウンタ120を有している。不正検出器12bは、夜間監視装置53の取外し、主制御基板16の交換などの不正を検出する検出器であるとともに、図示していないが制御中枢としてCPU、そのCPUの動作プログラムや制御データを記憶しているROM、ワークエリアとして機能するRAM、I/Oポートなどが設けられてもよい。
図11は、本実施形態に係るパチンコ機の不正検出器12bの構成を説明するためのブロック図である。図11に示す不正検出器12bは、モード切替IC12A、電池減検出IC12B、および断線検知IC12Cを有している。モード切替IC12Aは、VSIN端子に接続されている電源の電圧値を監視し、当該電圧値が例えば4V以上であればメイン電源(例えば5V)から電力が供給されているとしてP台2の電源がON状態と判定し、4V未満であればバックアップ電源である内蔵電池172(例えば3.3V)から電力が供給されているとしてP台2の電源がOFF状態と判定する。モード切替IC12Aは、P台2の電源がON状態と判定した場合、通常運転モードに切替えるモード切替トリガ信号を、P台2の電源がOFF状態と判定した場合、夜間監視モードに切替えるモード切替トリガ信号をそれぞれVOUT端子から電源装置12cや払出制御基板17などに出力する。払出制御基板17は、モード切替トリガ信号に基づき夜間監視装置53などの運転モード(通常運転モード、夜間監視モード)を切替える。なお、モード切替トリガ信号を払出制御基板17に出力せずに、夜間監視装置53内で運転モードの切替えを行ってもよい。
電池減検出IC12Bは、VSIN端子に接続されているループ状の電力線500の電圧値を検出して、夜間監視モード中の内蔵電池172の蓄電残量を監視している。内蔵電池172は、蓄電残量に応じて電圧値が低下する特性を有している。例えば、内蔵電池172は、蓄電残量が90%のとき出力する電圧値は3.3Vであるが、蓄電残量が10%になると出力する電圧値が2.5V以下に低下する。蓄電残量が10%になると、夜間監視装置53の運用を残り2,3か月しか行うことができないため、内蔵電池172の交換が必要となる。そのため、電池減検出IC12Bは、夜間監視モード中のループ状の電力線500の電圧値を検出し、所定の電圧値(例えば、2.5V)以下になったことを検出した場合、内蔵電池172の蓄電残量が所定量以下になったと判定する。なお、電池減検出IC12Bは、ループ状の電力線500の電圧値で内蔵電池172を検出したが、内蔵電池172の電圧値を直接検出してもよい。また、電池減検出IC12Bは、内蔵電池172の電圧値で内蔵電池172の蓄電残量を検出しているが、内蔵電池172の電流値、電力値、内蔵電池172の使用時間などで内蔵電池172の蓄電残量を検出してもよい。
電池減検出IC12Bは、内蔵電池172の蓄電残量が所定量(例えば、蓄電残量が10%(夜間監視装置53を2,3か月運用することが可能な蓄電量))以下と判定した場合、電池残量減の示す電池減トリガ信号をVOUT端子から払出制御基板17に出力する。払出制御基板17は、電池減トリガ信号に基づき内蔵電池172の蓄電残量が低下していることを報知する。具体的に、払出制御基板17は、電池減トリガ信号に基づき、払出制御基板17に設けた7セグメント式のLEDディスプレイにエラーコード(例えば、図15に示すエラーコード「F73」)を表示して報知を行う。もちろん、払出制御基板17は、電池減トリガ信号をさらにCU3やホールサーバ801などに出力し、CU3やホールサーバ801などで内蔵電池172の蓄電残量が低下していることを報知してもよい。なお、電池減検出IC12Bが、電池減トリガ信号をCU3やホールサーバ801などに直接出力してもよい。
断線検知IC12Cは、VSIN端子に接続されているループ状の電力線500の電圧値を検出して、夜間監視装置53の取外し、主制御基板16の交換などの不正を監視している。ループ状の電力線500に直列に接続されている夜間監視装置53、主制御基板16などを取外したり交換したりした場合、ループ状の電力線500が断線するのでループ状の電力線500の電圧値は低下する。例えば、断線検知IC12Cは、ループ状の電力線500の電圧値が2.2V以下になった場合、ループ状の電力線500が断線されたとして夜間監視装置53の取外し、主制御基板16の交換などの不正が発生したと判定する。なお、断線検知IC12Cは、遊技盤26の交換、および払出制御基板17の交換などの不正であっても、同様にループ状の電力線500が断線されるので不正を検出することができる。
断線検知IC12Cは、夜間監視装置53の取外し、主制御基板16の交換などの不正が発生したと判定した場合、不正検出器12b(夜間監視装置53のCPU)が唯一電源断状態になり、不正検出器12bの退避処理時に電断になった事(電断情報)を断線検知IC12Cで記憶する。そして、P台2の電源がON状態となり、払出制御基板17から規定の信号を不正検出器12bが受信した場合、断線検知IC12Cに記憶した電断情報に基づき不正検出の示す断線トリガ信号(特定ビットのフラグを設定した信号)をVOUT端子から払出制御基板17に出力する。払出制御基板17は、断線トリガ信号に基づき不正を検出したことを報知する。具体的に、払出制御基板17は、断線トリガ信号に基づき、払出制御基板17に設けた7セグメント式のLEDディスプレイにエラーコード(例えば、図15に示すエラーコード「F72」)を表示したり、遊技盤26の電飾LEDを特定のパターン(例えば、遊技盤26の左右に設けられた電飾LEDを交互に点灯させるなど)で点灯させたりして報知を行う。もちろん、払出制御基板17は、断線トリガ信号をさらにCU3やホールサーバ801などに出力し、CU3やホールサーバ801などで不正が発生したことを報知してもよい。なお、断線検知IC12Cが、断線トリガ信号をCU3やホールサーバ801などに直接出力してもよい。
また、断線検知IC12Cは、蓄電残量がさらに低下してループ状の電力線500の電圧値が2.2V以下になった場合も不正が発生したと判定する。しかし、この場合、蓄電残量が短期間に2.2V以下にならないので、事前に電池減検出IC12Bにより蓄電残量が低下していることの報知を受けていれば、ループ状の電力線500が断線された不定なのか、蓄電残量がさらに低下したことによるものなのか区別することが可能である。
さらに、ループ状の電力線500が断線された場合、ループ状の電力線500の電圧値の低下が急激に起こるため、電池減検出IC12Bによる電池減トリガ信号と断線検知IC12Cによる断線トリガ信号とがほぼ同じタイミングに出力される。一方、内蔵電池172の蓄電残量が低下する場合、電圧値が2.5V以下になってから2.2V以下に至るまでに2,3か月かかるため、電池減検出IC12Bによる電池減トリガ信号が出力され続けられている期間に、断線検知IC12Cによる断線トリガ信号が後から出力される。そのため、払出制御基板17は、電池減検出IC12Bによる電池減トリガ信号と、断線検知IC12Cによる断線トリガ信号との出力パターンを解析することで、内蔵電池172の蓄電残量がさらに低下したのか、夜間監視装置53の取外し、主制御基板16の交換などの不正が発生したのかを区別することかできる。
夜間監視装置53は、断線検知IC12Cで夜間監視装置53の取外し、主制御基板16の交換などの不正が発生したこと検出するとともに、電池減検出IC12Bで内蔵電池172の蓄電残量が所定量以下になったことを検出するので、蓄電残量が低下したなどの内蔵電池172に関する電圧値の低下を別に検出でき、内蔵電池172の電池切れ(2.2V以下)と、不正による検出とを区別することが可能である。また、電池減検出IC12Bと断線検知IC12Cとは、ともにループ状の電力線500の電圧値に基づいて判定を行うが、内蔵電池172の蓄電残量が低下したことを判定する基準値を個別に設定することで、蓄電残量が低下したなどの内蔵電池172に関する検出と、不正による検出とを区別して判定することが可能になる。具体的には、断線検知IC12Cが不正の発生を判定するループ状の電力線500の電圧値(例えば、2.2V)は、電池減検出IC12Bが内蔵電池172の蓄電残量が所定量以下になったと判定するループ状の電力線500の電圧値(例えば、2.5V)より低い値に設定してある。つまり、ループ状の電力線500の電圧値が、2.2Vより高く2.5V以下の場合、内蔵電池172の蓄電残量が所定量以下になったと一旦判定することで、2.2V以下なった場合に内蔵電池172の蓄電残量が所定量以下になったのか不正が発生したのかを区別することができる。なお、不正検出器12b(特に、電池減検出IC12B)に供給される電圧値は、通常運転モード時(メイン電源からの電力供給時)であって夜間監視モード時(内蔵電池172からの電力供給時)であっても、ループ状の電力線500の電圧値が2.2V以下なら不正が発生したと判定することができる。しかし、電池減検出IC12Bは、夜間監視モード時に内蔵電池172で駆動している場合のみ、内蔵電池172の蓄電残量を判定することができる。電池減検出IC12Bは、モード切替IC12Aからのモード切替トリガ信号に基づき夜間監視モードであるか否かを判定している。
断線検知IC12Cは、ループ状の電力線500の電圧値で、夜間監視装置53の取外し、主制御基板16の交換などの不正を検出する場合について説明したが、ループ状の電力線500の電流値、電力値などの電力に関する値で当該不正を検出してもよい。また、断線検知IC12Cが、電池減検出IC12Bとして機能し、所定の電圧値(例えば、2.5V)以下になったことを検出した場合、内蔵電池172の蓄電残量が所定量以下になったと判定してもよい。
計数カウンタ120は、開放検出スイッチからの開放信号に基づき、ガラス扉6の開放、前枠5の開放などの開放回数を計数する。開放検出スイッチは、具体的には、ガラス扉6の開放を検出するガラス扉開放検出スイッチ12および前枠5の開放を検出する前枠開放検出スイッチ13である。ガラス扉6または前枠5が開放されるとガラス扉開放検出スイッチ12または前枠開放検出スイッチ13から開放信号が計数カウンタ120に送信される。図12は、図11(b)に示した計数カウンタ120の制御回路を示すブロック図である。図12を参照して、計数カウンタ120は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)10aと、そのCPU10aの動作プログラムや制御データを記憶しているROM(Read Only Memory)10bと、CPU10aのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)10cと、I/Oポート(Input/Output Port)10dとが設けられている。
計数カウンタ120は、P台2の電源回路からメイン電源の電力が供給されるとともに、そのメイン電源がOFF(たとえば、夜間)になったとしても動作可能となるようにするために内蔵電池172の電力が供給されている。また図4に示した払出制御基板17からクロック信号(CLK信号)とチップセレクト信号(CS信号)とが入力されるとともに、計数カウンタ120で計数した検出回数の値を示すデータ信号が払出制御部171へ出力される。
また、計数カウンタ120は、ガラス扉6の開放、前枠5の開放などの開放回数を合計して合計開放回数の値を示すデータ信号を払出制御部171に出力する。払出制御部171は、計数カウンタ120で計数した開放回数の値や合計開放回数の値を、例えば遊技玉数表示器29に表示する。なお、計数カウンタ120は、ガラス扉6の開放、前枠5の開放などの開放回数を個別に検出して、計数できるように構成してもよい。
次に、夜間監視装置53の取外し、および主制御基板16の交換の不正について、図を参照して具体的に説明する。図13は、夜間監視装置53の取外し、および主制御基板16の交換の不正が発生を説明するための図である。図13(a)に示すP台2では、夜間監視装置53がP台2から取外れ、夜間監視装置53と前枠中継基板52とが電気的に切断されている様子が示されている。夜間監視装置53と前枠中継基板52とが電気的に切断されることでループ状の電力線500の電圧が2.2V(第2値)以下に低下するので、夜間監視装置53が取外された不正を検出することができる。なお、夜間監視装置53がP台2から取外れる場合、夜間監視装置53と前枠中継基板52とが電気的に切断された段階では、夜間監視装置53と払出制御基板17との通信配線はまだ断線していないのであれば、断線検知IC12Cの断線トリガ信号を払出制御基板17に出力することが可能である。
また、図13(b)に示すP台2では、別の主制御基板16と交換される場合、ループ状の電力線500に接続されている主制御基板16が取外されて電気的に切断されている様子が示されている。主制御基板16が取外されることでループ状の電力線500の電圧が2.2V(第2値)以下に低下するので、主制御基板16が取外された不正を検出することができる。図13に示したように、夜間監視装置53と、主制御基板16とがループ状の電力線500により直列に接続されている。そのため、夜間監視装置53は、夜間監視装置53が取外されたのか主制御基板16が交換されたのかを区別はできないが、いずれかの不正が行われたことを検出することができる。
以上のように、本実施の形態に係るP台2では、内蔵電池172の蓄電量が減少した場合、ループ状の電力線500に接続されている不正検出器12bに供給される電圧値が2.5V(第1値)または2.2V(第2値)となり、夜間監視装置53および主制御基板16の少なくとも一方がP台2から取外された場合、不正検出器12bに供給される電圧値が2.2V(第2値)となる。そのため、夜間監視装置53は、不正検出器12b(特に、電池減検出IC12B)に供給される電圧値が2.5V(第1値)となった場合に、内蔵電池172の蓄電量が所定量以下に低下していることを報知する(第1報知)。また、夜間監視装置53は、不正検出器12b(特に、断線検知IC12C)に供給される電圧値が2.2V(第2値)となった場合に、内蔵電池172の蓄電量がさらに低下した、または夜間監視装置53および主制御基板16のうち少なくとも一方がP台2から取外されたことを報知する(第2報知)。そのため、本実施の形態に係るP台2では、蓄電残量が低下したなどの内蔵電池172に関する検出と、夜間監視装置53の取外し、主制御基板16の交換などの不正による検出とを区別することが可能となり、セキュリティ性が向上する。
ここで、P台2は、封入循環式パチンコ機であるため、裏面において遊技島の装置と接続する必要がない。また、P台2は、裏面側から主制御基板16などが不正に交換されないように防止する必要もある。そのため、P台2では、図示していないが裏面カバーなどの開閉可能な裏面部材が設けられている。そこで、夜間監視装置53では、前述したようにガラス扉6や前枠5などの開閉可能に設けられた前面部材の開放を検出するだけでなく、開閉可能に設けられた裏面部材の開放を検出する。図14は、本実施形態に係るパチンコ機の夜間監視装置53で裏面部材52aの開放を検出する構成を説明するためのブロック図である。
図14に示す夜間監視装置53は、ループ状の電力線500に接続された断線検知IC12C(図11参照)とは別に、ループ状の電力線500aで裏面部材52aと電気的に接続されている断線検知IC(図示せず)を有している。ループ状の電力線500aに対しても、通常運転モード時にはメイン電源から電力が供給され、夜間監視モード時には内蔵電池172から電力が供給される。そのため、ループ状の電力線500aに接続された断線検知ICは、裏面部材52aが開放されループ状の電力線500aが切断されると、ループ状の電力線500aの電圧が低下するので、裏面部材52aを開放したことを検出することができる。具体的に、ループ状の電力線500aに接続された断線検知ICは、ループ状の電力線500aの電圧値が例えば2.2V以下になった場合に裏面部材52aの開放を検出したと判定する。
ループ状の電力線500aに接続された断線検知ICは、夜間において裏面部材52aが開放される不正が発生したと判定した場合、不正検出の示す裏面断線トリガ信号を払出制御基板17に出力する。払出制御基板17は、裏面断線トリガ信号に基づき裏面部材52aの開放の不正を検出したことを報知する。具体的に、払出制御基板17は、裏面断線トリガ信号に基づき、払出制御基板17に設けた7セグメント式のLEDディスプレイにエラーコード(例えば、図15に示すエラーコード「F61」)を表示したり、遊技盤26の電飾LEDを特定のパターン(例えば、遊技盤26の上側に設けられた電飾LEDを点滅させるなど)で点灯させたりして報知を行う。もちろん、払出制御基板17は、裏面断線トリガ信号をさらにCU3やホールサーバ801などに出力し、CU3やホールサーバ801などで裏面部材52aの開放の不正が発生したことを報知してもよい。なお、ループ状の電力線500aに接続された断線検知ICが、裏面断線トリガ信号をCU3やホールサーバ801などに直接出力してもよい。
なお、ループ状の電力線500aに接続された断線検知ICは、前面部材と接続するループ状の電力線500に接続された断線検知IC12Cとを別にすることで、夜間監視装置53の取外し、および主制御基板16の交換の不正検出と、裏面部材52aの開放検出とを区別して検出することができる。もちろん、区別する必要がなければ、ループ状の電力線500aを断線検知IC12Cに接続してもよい。つまり、断線検知IC12Cで、夜間監視装置53の取外し、および主制御基板16の交換の不正検出を行うとともに、裏面部材52aの開放検出も行う。また、裏面部材52aの開放を検出した検出信号を、計数カウンタでカウントしてもよい。
以上のように、本実施の形態に係るP台2では、主制御基板16を覆い、開閉可能に設けられた裏面部材52aの開放を検出するループ状の電力線500aに接続された断線検知ICを有し、当該断線検知ICが裏面部材52aの開放を検出した場合、払出制御基板17が、裏面断線トリガ信号に基づき裏面部材52aの開放の不正を検出したことを報知する。そのため、本実施の形態に係るP台2では、主制御基板16を覆う裏面部材52aが開放されたことを認識することができるので、主制御基板16に対する不正を防ぐことができセキュリティ性が向上する。
<エラー報知>
次に、本実施の形態に係る遊技システムにおいて報知されるエラーについてまとめて説明する。図15は、遊技システムにおいて報知可能なエラーの種類を説明するための図である。図15には、36種類のエラーが記載されており、それぞれのエラーの「優先度」、「エラーコード」、「エラー名称」、「エラー検知内容」、「報知手段」、「エラー解除方法」が記載されている。なお、P台2では、電源投入以降、数十ms周期でエラー確認を行っている。
例えば、番号29のエラーは、「優先度」が「8」、「エラーコード」が「F61」、「エラー名称」が「夜間裏機構部開放検知」、「エラー検知内容」が「電源OFF中に裏機構部開放を検知した」、「報知手段」が「遊技機枠(払出制御7セグ)、遊技機遊技盤(電飾点灯)」、「エラー解除方法」が「電源OFF/ON」である。ここで、遊技機枠(前枠5)で報知する場合、遊技者が視認できる遊技玉数表示器29などの表示装置(例えば、可変表示装置278など)に「エラーコード」を表示せず、前枠5の開放を行うなどして確認する必要がある払出制御基板17に設けた7セグメント式のLEDディスプレイに「エラーコード」を表示する。「夜間裏機構部開放検知」のエラー表示は、図14に示した裏面部材52aが夜間(電源OFF状態)に開放されたことを夜間監視装置53が検出したことによるエラー表示であるため遊技者に視認させる必要がなく店員が視認できればよい。逆に、当該エラー表示を遊技者に視認させないことで、遊技者が不審に思うことを防止できる。ただし、当該エラーについては、前枠5を開放しなくても店員にはエラーが発生していることを視認させるために、遊技盤26の電飾LEDを特定のパターンで点灯させている。また、「エラーコード」を表示するのではなく、エラーの情報を外部に出力してもよい。「エラー解除方法」は、電源を一旦OFFにして、ON状態にすることでエラー状態がリセットされる「電源OFF/ON」の方法である。
番号31のエラーは、「優先度」が「10」、「エラーコード」が「F72」、「エラー名称」が「遊技機遊技盤交換検知」、「エラー検知内容」が「電源OFF中に遊技機遊技盤または夜間監視装置交換を検知した」、「報知手段」が「遊技機枠(払出制御7セグ)、遊技機遊技盤(電飾点灯)」、「エラー解除方法」が「電源OFF/ON」である。「遊技機遊技盤交換検知」のエラー表示も、図13に示した夜間監視装置53の取外し、主制御基板16の交換などの不正を、電源OFF中に夜間監視装置53が検出したことによるエラー表示であるため遊技者に視認させる必要がない。また、「エラーコード」を表示するのではなく、エラーの情報を外部に出力してもよい。
番号32のエラーは、「優先度」が「11」、「エラーコード」が「F73」、「エラー名称」が「夜間監視装置電池残量不足検知」、「エラー検知内容」が「夜間監視装置の電池残量少(残10%)を検知した」、「報知手段」が「遊技機枠(払出制御7セグ)」、「エラー解除方法」が「電源OFF/ON」である。「夜間監視装置電池残量不足検知」のエラー表示も、内蔵電池172の蓄電残量が所定量以下になったことを、夜間監視装置53が検出したことによるエラー表示であるため遊技者に視認させる必要がない。さらに、当該エラー表示に対して店員が直ぐに対応を行う必要もないため、エラー報知として遊技盤26の電飾LEDも点灯させない。また、「エラーコード」を表示するのではなく、エラーの情報を外部に出力してもよい。
番号33のエラーは、「優先度」が「12」、「エラーコード」が「F74」、「エラー名称」が「夜間監視装置断線検知」、「エラー検知内容」が「夜間監視装置の断線を検知した」、「報知手段」が「遊技機枠(遊技球数等表示器、払出制御7セグ)、遊技機遊技盤(電飾点灯)、ユニット、情報出力2」、「エラー解除方法」が「電源OFF/ON」である。「夜間監視装置断線検知」は、夜間監視装置53と払出制御基板17との通信配線が断線したことによるエラー表示である。このエラー表示では、払出制御基板17に設けた7セグメント式のLEDディスプレイだけでなく、遊技玉数表示器29にも表示される。また、当該エラーの情報は、CU3に出力されるとともに、不正情報(情報出力2)としてホールコンなどの上位装置に出力される。なお、「夜間監視装置断線検知」のエラーは、払出制御基板17からの問い合わせに対して夜間監視装置53が所定時間内に応答しない場合に払出制御基板17によって検出される。つまり、払出制御基板17は、通信相手である夜間監視装置53からの応答が所定時間内にない場合、通信配線が断線したと判定する。払出制御基板17は、通信配線が断線したと判定した場合、「夜間監視装置断線検知」のエラーを報知する。
図15に示したエラーを報知する報知手段は、エラーの種類によって遊技盤において音声出力したり電飾LEDを特定のパターンで点灯させたりすることでエラーの報知を行ってもよい。また、当該報知手段は、エラーの種類によってホールコンなどの上位装置に対して情報出力1、情報出力2を出力することでエラーを報知してもよい。「エラー解除方法」は「電源OFF/ON」以外に、電源を一旦OFFにして、ON状態にしてエラーをリセットせずとも自動的に復帰するの「自動復帰」方法や、解除スイッチを押下する「解除スイッチ」がある。
「自動復帰」は、報知手段がエラー報知を行なった後、一定時間経過すると自動的に処理がエラー状態から復帰するエラー解除方法である。「電源OFF/ON」は、文字通りP台2の電源を一旦OFFにして、ON状態にすることでエラー状態から復帰するエラー解除方法である。「解除スイッチ」は、例えば払出制御基板17に設けられたエラー解除スイッチ(図示せず)を押下することでエラー状態から復帰するエラー解除方法である。エラー解除スイッチを押下することで、払出制御基板17に記憶されている減算センサ等の異常フラグがリセットされて、エラー状態から復帰することができる。つまり、「解除スイッチ」によりエラー解除方法が必要なエラーは、何らかのデータが払出制御基板17に記憶されており、当該データのリセットが必要なエラーを主に対象としている。「電源OFF/ON」によりエラー解除方法が必要なエラーは、払出制御基板17に記憶されているデータだけでなく、主制御基板16等に記憶されているデータも含めてリセットが必要なエラーを主に対象としている。「自動復帰」は、データのリセットが必要のないエラーを主に対象としている。
また、夜間監視装置53が検出したことに伴うエラーには、エラーコード「F61」の「夜間裏機構部開放検知」のエラーと、エラーコード「F72」の「遊技機遊技盤交換検知」のエラーと、エラーコード「F73」の「夜間監視装置電池残量不足検知」のエラーとがあるが、同時に発生した場合は優先度の高い方のエラーを報知する。具体的に、図15に示すようにエラーコード「F61」の優先度は「8」で、エラーコード「F72」の優先度は「10」で、エラーコード「F73」の優先度は「11」であるので、優先度の高いエラーコード「F61」が払出制御基板17に設けた7セグメント式のLEDディスプレイに表示される。なお、複数のエラーを表示することができる表示装置であれば、優先度順に複数のエラーを表示してもよい。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図16は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。これまでの説明において、パチンコ遊技機を“P台”と略称したこととの関係上、スロットマシンを以下では、“S台”とも略称する。
遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図16を参照して、スロットマシン(以下、遊技機、またはS台と略称することもある)2Sは、本体枠2aSに対して前面扉2bSがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図16では図示を省略しているが、S台2Sの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
S台2Sでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、S台2Sにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、S台2Sには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
S台2Sの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSに設けられた透視窓から見えるように配置されている。リール2L、2C、2Rの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSの各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510が設けられている。この表示器510は、P台の表示器54に相当する表示器であり、表示器54と同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510は、図4の表示器54と同様にCUの表示制御部350に接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510は、各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図16に示されるスタートスイッチ7Sよりも下方の位置の、従来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
また、前面扉2bSには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5S、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6S、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7S、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rがそれぞれ設けられている。
S台2Sにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残額、持点、あるいは遊技場に預け入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引落とすことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5S、またはMAXBETスイッチ6Sを操作すればよい。本実施の形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510の遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7Sの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7Sを操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510の遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図1に示すとおり、S台2Sには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28Sが設けられている。なお、玉貸ボタン、カード返却ボタン、および再プレイボタンは、CU側に設けられている(図4参照)。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510に行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510に表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側およびS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号がCU3へ直接入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2やS台(スロットマシン)2Sを経由して状態情報応答としてCU3へ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、S台2Sを制御する主制御部(S台の主制御部161に相当)によって決定される。この決定は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウェア上で生成される乱数を抽選することによって決定される。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
S台2Sの払出制御部は払出制御基板(図示省略)に搭載されている。この払出制御基板は、枠メーカによって本体枠2aSに取り付けられた状態で枠メーカからホールに納品される。
一方、S台2Sのメイン制御基板(図示省略)は、配線を接続するための基板取付盤に取り付けられた状態で、本体枠2aSとは別にスロットマシンメーカからホールに納品される。基板取付盤は、図3に示した遊技盤26に対応する盤であり、遊技盤26に設けられた凸型ドロアコネクタ32と同様のコネクタを備えている。
S台2Sの本体枠2aS内の所定位置(たとえば、リール2L、2C、2Rの下方)には、基板取付盤を取り付けるための取付機構と、基板取付盤側の凸型ドロアコネクタを接続するためのコネクタが設けられている。この取付機構およびコネクタは図3に示した取付機構34a、34bおよび凹型ドロアコネクタ33と同様の構造であって、基板取付盤を容易に取付機構に固定できるように工夫されている。凹型ドロアコネクタから延びる配線は、リール2L、2C、2Rや各種操作スイッチ(ボタン)などに接続されている。
S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
図17、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図17に示した送受信態様は、P台の構成として説明した図6の用語をS台用に置き換えたものであり、その態様は、図6を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 本実施の形態では、加算通番と計数通番とはそれぞれ別のデータとして電文フォーマットに規定されているが、これらを要求通番として共通化してもよい。特に、遊技玉の加算と遊技玉の計数とは逆の処理であるため、両処理が同時に発生することは考えにくく、その観点からも両通番を共通化して電文データ量を削減することは可能である。
また、本実施の形態では、要求通番は、予め定めた上限値に達するまで、新たな要求が発生した場合には、先に更新済みの値を元にして通番更新が行なわれる。しかながら、このような制御に代えて、1つの要求に対応する処理がすべて終了した場合には、要求通番を予め定めた初期値に初期化するようにしてもよい。
また、加算通番や計数通番といった要求通番、さらには通常の通番は、1ずつカウントアップされるのではなく、P台2およびCU3の双方が記憶している所定の規則に従って更新(加算更新、減算更新、その他の演算式による更新)するものであってもよい。この場合、通番は、1,2,3といった“連続する番号”ではなく、A、B、Cなどといった概念で更新されるデータとなる。
(2) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の前枠に対応する。ただし、S台には、図4に示した前枠の各種検出スイッチ41a、701、33、発射制御基板31、および発射モータ18は、不要である。
従来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施の形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、従来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施の形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施の形態では、上記のとおりドル箱表示する機能が設けられているため、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510あるいは表示器29Sには、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残額、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引き落とされて、遊技点に変換される。
遊技点は、従来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510あるいは表示器29Sには遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5Sの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6Sの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、従来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510あるいは表示器29Sにはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、“カード持玉数”とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点をドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(3) 本実施の形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(4) 本実施の形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(5) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CUに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施の形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(6) 本実施の形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(7) 本実施の形態では、ループ状の電力線500aに接続された断線検知ICと、前面部材と接続するループ状の電力線500に接続された断線検知IC12Cとを別にして、夜間監視装置53の取外し、および主制御基板16の交換の不正検出と、裏面部材52aの開放検出とを区別して検出する構成を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、夜間監視装置53の取外し、および主制御基板16の交換の不正検出と、裏面部材52aの開放検出とを区別して検出する必要がなければ、裏面部材52aもループ状の電力線500に直列に接続してもよい。
(8) 本実施の形態では、エラーが同時に複数発生した場合は優先度の高い方のエラーを報知すると説明したが、優先度の低い方のエラーについては払出制御基板17に設けた7セグメント式のLEDディスプレイに表示せずに、ホールコンなどの上位装置に報知するのみでもよい。また、優先度の低い方のエラーについては、優先度の高い方のエラー報知が解除された場合に、払出制御基板17に設けた7セグメント式のLEDディスプレイに表示してもよい。
(9) 本実施の形態では、電池減検出IC12Bが電池減トリガ信号を、断線検知IC12Cが断線トリガ信号をそれぞれ払出制御基板17に出力すると説明したが、これに限定されるものではない。例えば、夜間監視装置53が、電池減検出IC12Bおよび断線検知IC12Cの出力に応じてフラグを設定し、当該フラグに基づき払出制御基板17が報知するエラーの種類と手段(遊技玉数表示器29や払出制御基板17に設けた7セグメント式のLEDディスプレイなど)を決定してもよい。
(10) 本実施の形態では、ループ状の電力線500の電圧値が、2.2Vより高く2.5V以下の場合、内蔵電池172の蓄電残量が所定量以下になったと一旦判定することで、2.2V以下なった場合に内蔵電池172の蓄電残量が所定量以下になったのか不正が発生したのかを区別することができると説明したが、ループ状の電力線500の電圧値が、2.5Vから2.2V以下へと徐々に変化することを検出可能にしておき、払出制御基板17は、当該変化を検出した場合は断線トリガ信号を受信しても不正が発生したと判定せずに「夜間監視装置電池残量不足検知」のエラー報知のまま維持してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。