JP6486588B2 - 外設パネルの構築構造、及びそれに用いる外装材 - Google Patents
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Description
また、上記のような金具の取り付けにあっては、屋根或いは屋根の下地に対して直接ビス等で直止めする方法や、屋根材に前記金具を嵌合や係合、締着によって取り付ける方法が採られている。
また、後者の場合は、ビス等による「穴」が形成されないため、屋根の雨仕舞いを損なうことは少ない反面、部材の増加による部材管理やコストの上昇が避けられなかった。さらに、係合等によって取り付けられるため、対象となる屋根材に(製品、施工)精度が求められ、施工誤差や変形等があった場合には所要の強度が得られないことや取り付けが不可能になるという問題もあった。
特に折曲部の下端が他方の外装材の載置部に当接するので、閉鎖状の筺状部分が形成されるため、上方からの正荷重に対する耐力がより高いものとなり、例えば作業者が当該箇所を足場として歩行することもできる。
また、被重合部、重合部を重合させて形成される上面部が、中空の略筺状部分の上方に形成されるため、略筺状部分周辺に雨水等がまわっても略筺状部分内に侵入する恐れが少なく雨仕舞性能に優れるものである。さらに、特殊環境下等により万が一略筺状部分内に雨水が侵入しても重合部分にまわることがなく、屋根構造における外設パネルの非設置箇所(例えば軒先側)においても雨仕舞性能が高いものとなる。
また、重合部ばかりでなく、被重合部にも折曲部を設け、しかもその下端が他方の外装材の載置部に当接する場合には、より一層強度が高い重合部分として、閉鎖状の筺状部分が形成されるものとなる。しかも、折曲部の下端が当接していることで、外装材上に吹き付けても空間内に雨水が廻りにくい構造となる。
以下に、この取付構造に用いられる(A)外装構造、(B)外設パネル、(C)固定部材の各構成について順に説明する。
本発明における外装構造は、外装材の両側縁に立ち上がり部と、各立ち上がり部の上端をそれぞれ外側に延出した載置部とを有し、一方には前記載置部から起立すると共に外側に延出した重合部を形成し、他方には前記載置部から起立すると共に内側に延出した被重合部を形成し、前記重合部、被重合部は、略平坦状に上面部が形成されて重合すると共に、重合部は、上面部の外側端から下方へ折り下げた折曲部を形成した構成である。
即ち本発明における外装材は、(1)立ち上がり部、(2)載置部、(3)重合部、(4)被重合部、(5)起立部、(6)上面部、(7)折曲部を備える構成であって、それ以外の構成については、特に限定するものではなく、該外装材を取り付けるための保持部材等に嵌合、係合するものでも、ビス止めするものであってもよく、その併用であってもよい。
外装材の両側縁に設ける立ち上がり部は、後述する図示実施例のように傾斜状に設けることが多く、またこの立ち上がり部には、保持部材に係合する係合部(嵌合部)を設けることが好ましい。
この載置部は、各立ち上がり部の上端をそれぞれ外側に延出して形成される構成であって、具体的には右側の立ち上がり部の上端を右側に延出して右側の載置部が形成され、左側の立ち上がり部の上端を左側に延出して左側の載置部が形成される。そして、この載置部は、外設パネルを支持する部位であるため、後述する図示実施例のようにこの載置部の裏面を保持部材の上面に載乗(受支)させることが好ましい。また、安定に載乗させるためには、後述する図示実施例のように保持部材の上面(支持部)及び配設状態における載置部は略水平状であることが望ましい。
この重合部は、一方の前記(2)載置部から起立すると共に外側に延出するものであり、上面が略平坦状に形成され、更にその(6)上面部の外側端から下方へ折曲する(7)折曲部を有する構成である。即ちこの重合部は、後述する(5)起立部と、(6)上面部と、(7)折曲部とからなる構成である。
この被重合部は、他方の前記(2)載置部から起立すると共に内側に延出するものであり、前記(3)重合部と同様に上面が略平坦状に形成される構成である。即ちこの被重合部は、後述する(5)起立部と、(6)上面部とを備える構成であるが、前記(3)重合部と同様に更に(7)折曲部を備えることが好ましい。
また、雨仕舞をより向上させるために、前記(3)重合部とこの(4)被重合部間にはブチルゴム等の弾性止水材を介在させることが好ましい構成である。
この起立部は、前記(3)重合部、前記(4)被重合部の一部であって、前記一方及び他方の前記(2)載置部から起立する部位を指し、特に限定するものではないが、後述する図示実施例のように略鉛直状に形成することが好ましい。
この上面部は、前記(3)重合部、前記(4)被重合部の一部であって、前記一方及び他方の前記(5)起立部から略平坦状に延出する部位を指し、一方の(5)起立部から外側へ、他方の(5)起立部から内側へ、それぞれ延出するものであって、組み付けた(重合させた)状態では一方から他方へ向かって延出するように形成される。
この折曲部は、前記(3)重合部の一部であって、前記(6)上面部の外側端から下方へ折り下げた部位を指し、その下端が他方の外装材の(2)載置部に当接することが望ましい。更にその場合、略鉛直状に折り下げられて(2)載置部に当接することがより望ましい。この折曲部は、前記(3)重合部ばかりでなく、前述のように(4)被重合部にも設けてもよく、その場合も、前述のようにその下端が他方の外装材の(2)載置部に当接すること、略鉛直状に折り下げられて当接することが望ましい。
この外設パネルとしては、太陽電池パネルや緑化パネル、新設の屋根パネルなどが想定されるが、これらに限定するものではなく、屋根に設置する外設パネルであれば特にその構成を特定するものではない。
この固定部材は、前記(2)載置部に側部を載乗した(B)外設パネルを、前記(6)上面部に固定することにより保持するものである。
また、保持部材は、外装材の載置部がパネルを支持する部位であることから保持部材の一部(後述する図示実施例では支持部)が載置部裏面に当接もしくは近接することが好ましい。後述する図示実施例では、保持部材の左右に、略水平状の支持部を設け、その左右の外側にそれぞれ外方へ突出する被係合部を設けたので、支持部に載置部が安定に載乗し、その外側に位置する被係合部に係合部が係合するものとなる。
そのため、外設パネルの側部を、裏面側に保持部材の支持部が受支する載置部に、安定に載乗することができ、その際に外装材が保持部材から外れることがなく、外設パネルの荷重を保持部材に負担させることができる。
この保持部材としては、前述のように外装材の載置部を支持する支持部、外装材の立ち上がり部(係合部)が係合する被係合部、下地に固定するための固定部を備える構成が望ましい。各部位についても、特にその形状等の構成を限定するものではなく、例えば被係合部としては、係合させる外装材の立ち上がり部(係合部)の形状に応じてどのように形成してもよく、後述する図示実施例に示すように外方へ突出して内方へ凹む形状でも、外方へ延出した横片とその下方の隅部であってもよい。また、前述のようにより安定な保持、並びに負圧に対する強い保持強度を求める場合には、その左右の外側に位置する上向きの係止突起である起立係止部を設けることが望ましい。この係止突起としては、略楔状でも、内側へ傾斜する先端が細径な形状でも、内側へ傾斜する先端が更に内側へ傾斜する形状であってもよい。
そして、この起立状部を太陽電池パネルの対向部分及び/又は太陽電池パネルの端部に設けることにより、起立状部に当たった風が上方に乱流を起こし、起立状部の上端を減圧状態とするため、太陽電池パネル3の裏面空間の空気が表面側へ吸い出す作用が果たされ、裏面空間の空気の流れを著しく速め、太陽電池セル自体が発生する温度を抑えることで発電効率の低下を防ぐことができる。
また、他方の載置部13'には、その外側端から略鉛直状に起立する起立部151と、該起立部151の上端から内側に略平坦状に延出させた上面部152とを含む被重合部15を形成した。
そして、この外装材1を図1(a)に示すように敷設した状態では、重合部14の起立部141及び上面部142が、隣接する外装材1の被重合部15の起立部151及び上面部152に重合すると共に、重合部14の膨出部145が被重合部15の上面部152の外端縁を包むように延在し、当接部144が載置部13'に当接する。
特にこの第1実施例では、折曲部143の下端(当接部144)が他方の外装材1の載置部13'に当接するので、上辺を形成する重合状の上面部142,152及び右側辺を形成する起立部141,151と閉鎖状の筺状部分を形成するため、上方からの正荷重に対する耐力がより高いものとなり、例えば作業者が当該箇所を足場として歩行することもできる。
さらに、この第1実施例における膨出部145は、被重合部15の上面部152の外端縁を包むように配置され、重合部14と被重合部15との隙間から雨水が浸入しようとするのを防止することができる。
そのため、この第3実施例の外装材1"の立ち上がり部16,16'は、前記第1,2実施例の立ち上がり部12,12'より縦長であり、保持部材2"の下方部材2dは、前記第1,2実施例の下方部材2aより縦長である。なお、外装材1"の載置部13、13'、重合部14(起立部141、上面部142、折曲部143)、被重合部15(起立部151、上面部152)については、それぞれ前記第1,2実施例に比べて幅広であるか、縦長であるが、同一符号を付している。
また、この第3実施例でも、前記第1,第2実施例と同様に、折曲部143の下端(当接部144)が他方の外装材1"の載置部13'に当接するので、閉鎖状の筺状部分が形成されるため、上方からの正荷重に対する耐力がより高いものとなり、例えば作業者が当該箇所を足場として歩行することもできる。
さらに、この第3実施例でも、載置部13,13'より内側に保持部材2"に係合する係合部161,161'を設けたので、外装材1の載置部13,13'が緑化パネル3を支持する部位であるから、緑化パネル3"を載置部13,13'に載乗させた際に外装材1"が保持部材2"から外れることがなく、緑化パネル3"の荷重を保持部材2"に負担させることができる。
そして、この第5実施例では、重合部14と被重合部15とで形成される筺状部分が上辺(上面部142",152")及び両側辺(起立部141,151及び折曲部143,153)とも重合片にて形成されるため、前記第1〜第4実施例よりも更に強度が高いものとなる。しかも、折曲部143,153の下端が当接していることで、外装材1上に吹き付けても空間内に雨水が廻りにくい構造となる。
この第6実施例の起立状部71は、略L字状材7の縦片部分であって、太陽電池パネル3の枠体31と外装材1の載置部13,13'との間に略L字状材7の横片部分72が挟着状に取り付けられている。
また、上記保持部材2Wは、下地材6に沿わせる水平片の略中央に中空の略矩形隆状部20wが形成され、該略矩形隆状部20wの頂部に略水平状の支持部23を有し、その端部に膨出状の被係合部22を有する。また、前記水平片の左右の端部には、上向きの係止突起である起立係止部24,24を有し、その内側には先端が更に内側へ傾斜する上向き片25,25を有し、これらの起立係止部24と上向き片25との間に上方が開放する溝状の係合空間26が形成されている構成である。なお、この保持部材2の固定部21は、前記水平片のうち、図示するように前記略矩形状隆状部20wの外側に位置する部分である。
そのため、係合部121と被係合部22との係合に加え、係合溝18と起立係止部24とが係合するため、外装材1Wをより安定に保持部材2Wに保持でき、負圧に対して強固な構造とできる。しかも、起立係止部24の上端内側には略楔状の係止部分241が設けられているので、係合溝18を強固に係止することができる。
また、この第8実施例における保持部材2Xは、水平片の略中央に形成される中空の略矩形隆状部20xが、前記図6の第7実施例における略矩形隆状部20wとほぼ同一の高さに形成され、その頂部には略水平状の支持部23が形成され、その端部に膨出状の被係合部22が形成される点では同様であるが、この略矩形隆状部20xは、前記第7実施例の略矩形隆状部20wに比べて下方部分が幅広(横長)に形成されている。さらに、前記水平片の左右の端部には、上向きの係止突起である起立係止部24x,24xが形成される点では同様であるが、各起立係止部24xの上端には、略楔状の係止部分(241)に代えて内側へ傾斜する先端が細径な係止部分242が設けられている。また、起立係止部24x,24xの内側には、上向き片(25)が形成されないので、係合空間(26)も形成されない。
そのため、前記図6の第7実施例と同様に係合部121と被係合部22との係合に加え、係合溝18と起立係止部24xとが係合するため、外装材1Xをより安定に保持部材2Xに保持でき、負圧に対して強固な構造とできる。
加えてこの第8実施例では、立ち上がり部12,12'を支持する傾斜側壁201xが前記第7実施例のもの(201)に比べて幅広であるためより安定に支持できる。
また、この第8実施例の保持部材2Xには、上向き片25を形成していないので、少なくともその分だけ安価に作成できる。
前記第7実施例の係止部分241は、略楔状に形成されているため、その下端が係合溝18の引っ掛けとなり、その上方への抜けを防止する抵抗となる。
それに対し、この第8実施例の係止部分242は、内側へ傾斜する先端が細径な形状であるため、その先端が係合溝18の奥深(上端)まで侵入して内側へ引っ張り、外装材1Xの面板部11を外方へ引っ張る作用を果たすので、負圧に対する大きな抵抗となる。
そして、これらの第9実施例や第10実施例は、前記図6の第7実施例や前記図7の第8実施例とほぼ同様に保持部材2Y,2Zに形成した上向きの係止突起である起立係止部24y、24zに外装材1Xに形成した下方が開放する係合溝18を係合させて取り付け、係合部121と被係合部22との係合と相俟って外装材1Xをより安定に保持でき、負圧に対して強固な構造とした。
前記第7実施例の係止部分241は、前述のように略楔状に形成され、その下端が係合溝18の引っ掛けとなるため、その上方への抜けを防止する抵抗となっている。
それに対し、この第9実施例の係止部分243は、内側へ傾斜する先端が更に内側へ傾斜する形状であるため、前記図7の第8実施例における係止部分242と同様にその先端が係合溝18の奥深(上端)まで侵入して内側へ引っ張り、外装材1Xの面板部11を外方へ引っ張る作用を果たすので、負圧に対する大きな抵抗となる。
この第10実施例では、前記第8実施例と同様の効果を果たし、立ち上がり部12,12'を支持する傾斜側壁201zが幅広であるためより安定に支持でき、上向き片25を形成していないので、少なくともその分だけ安価に作成できる。また、係止部分242は、内側へ傾斜する先端が細径な形状であるため、その先端が係合溝18の奥深(上端)まで侵入して内側へ引っ張り、外装材1Xの面板部11を外方へ引っ張る作用を果たすので、負圧に対する大きな抵抗となる。
なお、当該実施例における保持部材2Zに設けた被係合部22zは、外方へ延出した横片とその下方の隅部(空部)としたが、外装材1Wの係合部121が係合できる構成であればどのような形状でもよい。
11 面板部
12,12' 立ち上がり部
121,121' 係合部
13,13' 載置部
14 重合部
141 起立部
142 上面部
143 折曲部
15 被重合部
151 起立部
152 上面部
16,16' 立ち上がり部
17,17' 載置部
18 係合溝
19 溝状部
2,2W〜2Z 保持部材
2a 下方部材
2b 上方部材
21 固定部
22 被係合部
23 支持部
24 起立係止部
25 上向き片
26 係合空間
3 太陽電池パネル
30 パネル本体
31 枠体
3" 緑化パネル
4 固定部材
5 固定具
6,6" 下地材
7 略L字状材
71 起立状部
Claims (5)
- 下地に固定した保持部材と、該保持部材に係合させる左右の外装材とからなる外装構造に外設パネルを取り付けた構築構造であって、
前記外装材の両側縁に立ち上がり部を形成し、
一方には立ち上がり部上端を一方へ延出させた一側載置部と、該一側載置部から起立する一側起立部と、その上端を更に一方へ延出させた重合部を形成し、
他方には立ち上がり部上端を他方へ長く延出させた他側載置部と、該他側載置部から起立する他側起立部と、その上端を一方へ延出させた被重合部を形成し、
隣り合う外装材の一側載置部及び他側載置部が前記保持部材に支持され、前記一側起立部、前記他側起立部は、略重合状に起立され、前記重合部、被重合部は、略平坦状の上面部を形成するように重合されると共に、前記重合部には、前記上面部の外側端から下方へ折り下げた折曲部が形成され、該折曲部は、外側下方へ向けて延在し、その下端が他方の外装材の他側載置部に当接することで、前記保持部材上には、前記上面部が上辺で、前記他側載置部が下辺で、重合状の前記一側起立部と前記他側起立部、及び前記折曲部が左右の側辺である中空の略筺状部分が形成されている外装構造と、
前記外装構造の二つの載置部に隣り合う外設パネルの側部をそれぞれ載乗させ、前記上面部に前記外設パネルを保持する固定部材を固定したことを特徴とする外設パネルの構築構造。 - 外装材は、一側載置部の他方及び他側載置部の一方に保持部材に係合する係合部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の外設パネルの構築構造。
- 保持部材は、起立係止部を有し、外装材は、保持部材の起立係止部に係合する係合溝を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の外設パネルの構築構造。
- 外設パネルが太陽電池パネルであると共に、太陽電池パネルの対向部分及び/又は太陽電池パネルの端部に、裏面空間内の空気を排出する排出手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の外設パネルの構築構造。
- 請求項1〜4の何れか一項に記載の外設パネルの構築構造に用いられる外装材であって、一側載置部の他方及び他側載置部の一方に保持部材に係合する係合部を有し、折曲部は、外側下方へ向けて延在し、その下端が他方の外装材の他側載置部に当接することで、前記上面部が上辺で、前記他側載置部が下辺で、重合状の前記一側起立部と前記他側起立部、及び前記折曲部が左右の側辺である中空の略筺状部分が形成されることを特徴とする外装材。
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