JP6483416B2 - 包装シート - Google Patents

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Description

本発明は、食品を包装する包装シートに関する。
特許文献1には、ハンバーガー等の手づかみで食べる食品を包装するための包装袋(包装シート)の構成が開示されている。食品の油や汁等が包装シートに染みて外部へ漏れ出さないようにするため、特許文献1に記載の包装シートには、ポリエチレンでコートされた紙が使用されている。このような包装シートによって包装された食品を食べるときには、食品の一部を包装シートから露出させ、包装シートを介して食品を把持する。
実開平05−035666号公報
前述したような包装シートで食品を把持して食べる場合、包装シートから露出する部分が徐々に減少するため、包装シートを少しずつ折り返しながら食べたり、トレー等の上に食品を移して手で直接つまみながら食べたりしなくてはならず、煩わしさがある。
このような煩わしさを回避するための包装シートとして、切断部(例えば、ミシン目やハーフカット)が形成された包装シートが実用化されている。こうした包装シートでは、切断部に沿って包装シートの一部を切り離すことにより、包装シートによって全体が覆われていた食品の一部を露出させたり、食品の露出量を増やしたりすることで、食品を食べやすくすることができる。
切断部としては、ミシン目のように包装シートを貫通して形成されるものとハーフカットのように包装シートを貫通しないで形成されるものとがある。一般に、包装シートは使い捨ての用途で用いられるため、ハーフカットと比較して低コストで製造できるミシン目の切断部が望ましい。しかしながら、切断部がミシン目である場合、切断部を通じて食品の油や汁等が漏れ出すことがある。その結果、このような包装シートによって包装された食品を他の食品(例えば飲み物)等と同じ袋に入れて持ち運ぶ場合、漏れ出した食品の油や汁等により他の食品等が汚れてしまうことがある。また例えば、このような包装シートで食品を把持して食べる場合に、包装シートを把持している手が食品の油や汁等により汚れてしまうことがある。
本発明は、包装シートを貫通して形成された切断部を通じて食品の油や汁等が外部へ漏れ出し、外部の物が汚れてしまうことを抑制することを目的とする。
本発明の包装シートは、食品を包装するための包装シートであって、包装シートの一部を切り離すために包装シートを貫通して形成された切断部と、包装シートが折り返されることにより複数重なった重複部と、を備え、切断部は、重複部に形成されている。このような構成によれば、切断部を通じて食品の油や汁等が外部へ漏れ出し、外部の物が汚れてしまうことを抑制することができる。
上記構成において、切断部は、食品を包装シートで包装した状態において、重複部を形成する包装シートの一部により、包装シートの外側及び内側のうち少なくとも一方から覆われていてもよい。切断部が包装シートの外側(手が触れる側)から覆われている場合、例え切断部を通じて食品の油や汁等が漏れ出したとしても、外部の物が汚れてしまうことを抑制することができる。また、切断部が包装シートの内側(食品側)から覆われている場合、食品を包装シートで包装した状態において切断部と食品との間に包装シートの一部が介在するため、切断部を通じて食品の油や汁等が外部へ漏れ出してしまうことを抑制することができる。
上記構成において、重複部は、包装シートがN字状に折り返されて少なくとも3重に重なるように形成されていてもよい。このような構成によれば、包装シートにおける切断部の位置に関係なく、重複部を形成するために必要なシート材の量を抑えることができる。すなわち、重複部が、例えば包装シートを単にV字状に折り返して2重に重なるように形成されている場合、V字状に折り返された折り返し部の位置が包装シートの縁部(端部)になるため、切断部が縁部から離れているほど重複部を大きく形成する必要がある。これに対し、重複部が、包装シートをN字状に折り返して少なくとも3重に重なるように形成されている場合、包装シートにおける所望の位置に折り返し部(ひいては重複部)を形成することができる。したがって、包装シートにおける切断部の位置に関係なく、シート材を節約することができる。
上記構成において、包装シートは、第1の面と、第1の面の裏面である第2の面と、を有し、少なくとも2つの折り返し部により少なくとも3つのシート部に区分され、第1のシート部は、第1の折り返し部を介して第2のシート部と連続し、第2のシート部は、第2の折り返し部を介して第3のシート部と連続し、第2のシート部の第1の面は、第1のシート部の第1の面と対向し、第2のシート部の第2の面は、第3のシート部の第2の面と対向していてもよい。
上記構成において、第2のシート部の第2の面のうちの少なくとも一部が、第3のシート部の第2の面に接着されていてもよい。このような構成によれば、包装シートを切断部に沿ってきれいに切断しやすくすることが可能となる。すなわち、接着された部分は、シート部が2重になった状態で一体化しているため、接着されていない場合(シート部が1重の場合)と比較して破れにくくなっている。そのため、切断部以外の箇所が破れてしまうことを抑制することができる。
上記構成において、第1の面を構成する材質と第2の面を構成する材質とが相違し、第2の面が食品側となるように用いられ、第2のシート部の第2の面の縁部であって第1の折り返し部側の縁部を含む部分が、第3のシート部の第2の面に接着されていてもよい。このような構成によれば、食品を包装シートに出し入れする際に食品が第1の折り返し部に引っかかりにくくすることができる。
上記構成において、切断部は、第1の折り返し部及び第2の折り返し部のうち少なくとも一方に形成されていてもよい。このような構成によれば、切断部が折り返し部以外の部分に形成されている場合に比べて、包装シートの一部を切り離しやすくすることができる。
上記構成において、切断部は、第2のシート部に形成されていてもよい。このような構成によれば、切断部が包装シートの外側及び内側の両方から包装シートの一部(第1のシート部及び第3のシート部)により覆われる。そのため、切断部を通じて食品の油や汁等が漏れ出してしまうことを抑制することができ、例え切断部を通じて食品の油や汁等が漏れたとしても、外部の物が汚れてしまうことを抑制することができる。
上記構成において、第1の面を構成する材質と第2の面を構成する材質とが相違し、第2の面が食品側となるように用いられ、切断部は、第3のシート部に形成されていてもよい。このような構成によれば、切断部が包装シートの内側から第1のシート部及び第2のシート部により覆われるため、切断部を通じて食品の油や汁等が漏れ出し、外部の物が汚れてしまうことを抑制することができる。
上記構成において、包装シートは、包装シートの縁の一部をシールすることにより袋状に形成されていてもよい。このような構成によれば、包装シートから食品を落ちにくくすることができる。
第1実施形態の包装シートの正面図である。 第1実施形態の包装シートの模式的な側面図である。 第1実施形態の包装シートの模式的な断面図である。 第2実施形態の包装シートの模式的な斜視図である。 第3実施形態の包装シートの模式的な斜視図である。 第3実施形態の包装シートの模式的な断面図である。 切断部がシート部に形成された包装シートの模式的な斜視図である。 筒状のシート材の軸方向の端部を軸方向と交差する方向にヒートシールした袋状の包装シートの模式的な正面図である。 筒状のシート材の模式的な断面図である。
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1及び図2に示す包装シート1は、ハンバーガー等の手づかみで食べる食品を包装するためのシート材である。包装シート1は、後述する方法で中央部が折り返されており、その外観は長方形状である。また、包装シート1は、通常の薄紙と同程度の厚みを有するシート材である(図2では、包装シート1の形状を分かりやすくするため、厚みを実際よりも強調して示している)。包装シート1の使用者は、包装シート1によって包装された食品を食べるときには、食品の一部を包装シート1から露出させ、包装シート1を介して食品を把持する。
図3に示すように、包装シート1には、厚み方向に3つの層を積層することにより構成されたシート材が使用されている(図3では、包装シート1の層構造を分かりやすくするため、厚みを実際よりも強調して示している)。第1の層10は紙から構成され、第2の層11はポリエチレンから構成され、第3の層12は不織布から構成される。つまり、ポリエチレンの層が紙の層と不織布の層とに挟まれることにより3層構造が形成されている。なお、不織布としては、例えば、ポリエチレン繊維からなるもの、ポリプロピレン繊維からなるもの、ポリエステル繊維からなるもの、並びに、ポリエチレン及びポリエステルからできた芯鞘構造を持つ繊維からなるもの等が使用される。
第2の層11は、包装シート1により包装された食品の油や汁等が包装シート1に染みて外部へ漏れ出すことを抑制する。第1の層10は、食品を包装した際に外側(手が触れる側)の面となる第1の面10aを形成し、第3の層12は、食品を包装した際に内側(食品側)の面となる第2の面12a(第1の面10aの裏面)を形成する。なお、図1においては、手前の面が第1の面10aであり、奥の面が第2の面12aである。また、図2においては、向かって左側の面が第1の面10aであり、向かって右側の面が第2の面12aである。
包装シート1は、互いに平行な2つの折り返し部13,14で中央部にて折り返されている。本実施形態では、折り返し部13,14は、包装シート1の輪郭である長方形の一辺と平行に形成されている。包装シート1を第1の面10a側(手が触れる側)から見たときに、第2の折り返し部14は手前に位置し、第1の折り返し部13は奥(食品側)に位置する。
包装シート1は、2つの折り返し部13,14により3つの長方形状のシート部(第1のシート部15、第2のシート部16及び第3のシート部17)に区分される。第1のシート部15は、第1の折り返し部13を介して第2のシート部16に連続する。第2のシート部16は、第2の折り返し部14を介して第3のシート部17に連続する。
包装シート1が折り返し部13,14に沿って折り返されることにより、第1のシート部15、第2のシート部16及び第3のシート部17が重なった重複部18が包装シート1の中央部に形成されている。重複部18は、包装シート1がN字状に折り返されて3重になるように形成されている。ここでいうN字状に折り返されるとは、1つの折り返し部でいったん折り返されて、折り返された部分が、上記折り返し部で折り返された方向と逆方向に更に折り返されることを意味する。重複部18において、第2のシート部16の第1の面10aと第1のシート部15の第1の面10aとは対向し、互いに密着している。また、第2のシート部16の第2の面12aと第3のシート部17の第2の面12aとは対向し、互いに密着している。なお、図2では、重複部18の構成を分かりやすくするために、互いに対向する面同士が密着していない状態を示している。
切断部19は、包装シート1の一部を切り離すために包装シート1を貫通して形成されている。本実施形態の切断部19は、包装シート1を貫通した部分(貫通部分)と非貫通部分とが、第2の折り返し部14に沿って交互に配置されて形成されている。つまり、切断部19は、直線状のミシン目であり、第2の折り返し部14に形成されている。切断部19では、非貫通部分の長さは一定であり、また、貫通部分の長さは一定である(つまり、貫通部分が一定間隔で配置されている)。また、切断部19では、貫通部分の長さと非貫通部分の長さとは同一である。なお、切断部19は、食品を包装シート1で包装した状態において、包装シート1の内側(食品側)から第1のシート部15により覆われる。
[1−2.効果]
本実施形態の包装シート1によれば、切断部19に沿って包装シート1の一部を切り離すことにより、包装シート1によって全体が覆われていた食品の一部を露出させたり、食品の露出量を増やしたりすることで、食品を食べやすくすることができる。
また、切断部19が重複部18に形成されているため、包装シート1を把持している手が汚れてしまうことを抑制することができる。すなわち、仮に、重複部18以外の部分に切断部が形成されている場合、食品を包装シートで包装した状態において、切断部は包装シートの外側(手が触れる側)及び内側(食品側)のいずれからも包装シートの一部により覆われない。その結果、切断部を通じて食品の油や汁等が漏れ出し、食品を把持している手が汚れてしまう場合がある。それに対し、本実施形態のように重複部18(第2の折り返し部14)に切断部19が形成されている構成では、切断部19が第1のシート部15により覆われる。そのため、例えば、包装シート1によって包装された食品を他の食品(例えば飲み物)等と同じ袋に入れて持ち運ぶ場合であっても、食品の油や汁等により他の食品等が汚れてしまうことを抑制することができる。また例えば、包装シート1で食品を把持して食べる場合に、包装シート1を把持している手が食品の油や汁等により汚れてしまうことを抑制することができる。
また、重複部18は、包装シート1がN字状に折り返されて3重に重なるように形成されている。そのため、例えばV字状に折り返されて2重に重なるように重複部を形成する場合と比較して、重複部を形成するために必要なシート材を節約することができる。
また、切断部19は、第2の折り返し部14に形成されている。そのため、切断部が折り返し部13,14以外の部分に形成されている場合に比べて、包装シート1の一部を切り離しやすくすることができる。
[2.第2実施形態]
[2−1.第1実施形態との相違点]
図4に示す第2実施形態の包装シート2は、基本的な構成は第1実施形態の包装シート1と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。また、同一の符号を付した構成については、第1実施形態の対応する構成と同様な機能を有し、また、同様な位置に配置されているとする。
第2実施形態の包装シート2は、第1実施形態の包装シート1の縁の一部をシールして袋状にすることで構成された、長方形状の外観を持つシート材である。本実施形態では、包装シート2における縁の一部、具体的には、第1のシート部15の縁であって重複部18以外の部分が熱溶着(ヒートシール)されてシール部20が形成されている。なお、図4では、シール部20はハッチングで示されている。
[2−2.効果]
第2実施形態の包装シート2は、シールされることにより袋状に形成され、食品は包装シート2(袋)に入れられるため、第1実施形態の包装シート1に比べて包装シートから食品を落ちにくくすることができる。
[3.第3実施形態]
[3−1.第1実施形態との相違点]
図5及び図6に示す第3実施形態の包装シート3は、長方形状の外観を持つ、袋状に構成された包装シートである。包装シート3には、薄紙と同程度の厚みを有するシート材が使用されている。図6においては、包装シート3の形状を分かりやすくするため、シート材の厚みを実際よりも強調して示している。包装シート3には、厚み方向に少なくとも2つ以上の層を積層することにより構成されたシート材が使用されている。本実施形態では、食品が袋に入った状態において外側の面となる第1の面30aは紙の層により形成され、内側の面となる第2の面30bはポリエチレンの層により形成される。
包装シート3の袋構造は、包装シート3の縁をヒートシールすることにより構成される。具体的には、包装シート3の下端部で当該包装シート3がV字状に折り返されており、折り返されて2重に重なった部分の縁であって下端部と垂直である縁(つまり左右両側の縁)をヒートシールすることでシール部31が形成される(図5では、シール部31はハッチングで示されている)。ここで、包装シート3には2重に重なっていない領域(換言すれば袋構造を構成しない領域)が存在している。以下では、包装シート3の面のうち袋構造の開口部が外部から目視できない面を包装シート3の正面(図5においては手前の面。図6においては向かって左側の面。)といい、その反対の面を背面という。なお、2重に重なっている部分の縁であって下端部と平行である縁32はヒートシールされていないため、縁32から食品を出したり入れたりすることが可能になっている。
包装シート3の正面には、当該包装シート3の輪郭である長方形の短辺と平行に折り返し部33,34が形成される。そして、2つの折り返し部33,34により包装シート3の正面は3つのシート部(第1のシート部35、第2のシート部36及び第3のシート部37)に区分される。また、包装シート3の正面が折り返し部33,34に沿って折り返されることにより、第1のシート部35、第2のシート部36及び第3のシート部37が重なった重複部38が形成される。本実施形態の折り返し部33,34、シート部35,36,37及び重複部38は、第1実施形態の折り返し部13,14、シート部15,16,17及び重複部18にそれぞれ対応し、同様に構成される。なお、図5及び図6では、説明の便宜上、重複部38において、第1のシート部35の第1の面30aと第2のシート部36の第1の面30aとが密着していない状態を示している。
包装シート3では、第2のシート部36の第2の面30b(ポリエチレンの層からなる面)のうちの少なくとも一部が、ヒートシールにより第3のシート部37の第2の面30bに接着されている。このため、第2のシート部36及び第3のシート部37が部分的に一体化している。本実施形態では、第2のシート部36の第2の面30bの縁部であって第1の折り返し部33側の縁部(以下「第1の折り返し部33側の縁部」という。)を含む部分が第3のシート部37の第2の面30bに接着されている。ここで、第1の折り返し部33側の縁部とは、第2のシート部36と第3のシート部37とが隙間なく接した状態において、第2のシート部36の第2の面30bにおける第3のシート部37に接している部分の第1の折り返し部33側の端部を意味する。なお、本実施形態では、第2のシート部36の第2の折り返し部34近傍の領域と第3のシート部37の第2の折り返し部34近傍の領域とは互いに接着されていないが、これに限定されるものではなく、接着されていてもよい。
包装シート3では、第1の折り返し部33(食品側に位置する折り返し部)に、第1実施形態の切断部19と同様な切断部である切断部39(直線状のミシン目)が形成されている。そのため、例えば、第1のシート部35と第2のシート部36との間に指を入れ、第2のシート部36及び一体化した第3のシート部37の一部を上方へ引っ張ることで、包装シート3の一部が切断可能となっている。なお、本実施形態では、包装シート3の左右両側の縁がヒートシールされているため、切断部39で包装シート3が切断されてもその一部(第2のシート部36及び第3のシート部37)は完全に分離されず、包装シート3の背面に付着している。つまり、包装シート3の一部が切断部39で切り離される。
[3−2.効果]
第3実施形態の包装シート3では、第2のシート部36の第2の面30bのうちの少なくとも一部が第3のシート部37の第2の面30bに接着される。接着された部分においてシート部が2重になった状態で一体化しているため、接着された部分は、接着されていない場合(シート部が1重の場合)と比較して破れにくくなっている。そのため、切断部39以外の箇所が破れてしまうことを抑制することができる。
また、包装シート3では、第1の折り返し部33側の縁部を含む部分が、第3のシート部37の第2の面30bに接着されている。そのため、食品を包装シート3に出し入れする際に食品が第1の折り返し部33に引っかかることを抑制することができる。加えて、このような構成によれば、包装シート3を切断部39に沿ってきれいに切断することができる。すなわち、仮に、第1の折り返し部33が第3のシート部37に接着されていない場合、食品からの湯気等が第2のシート部36と第3のシート部37との間に入り込み、第2のシート部36及び第3のシート部37が軟化して破れやすくなることがある。これに対し、第1の折り返し部33側の縁部が第3のシート部37に接着された構成では、食品からの湯気等が第2のシート部36と第3のシート部37との間に入り込みにくくすることができ、ひいては、切断の途中で第2のシート部36及び第3のシート部37が破れることを抑制することができる。その結果、包装シート3を切断部39に沿ってきれいに切断することができる。
また、本実施形態では、切断部39は第1の折り返し部33に形成されている。つまり、重複部38における接着された部分(シート部が2重になって一体化している部分)とシート部が1重である部分との境目に切断部39が形成されている。そのため、包装シート3を切断部39に沿ってきれいに切断することができる。
また、本実施形態では、包装シート3の第1の面30aは紙の層により形成され、第2の面30bはポリエチレンの層により形成される。つまり、第1の面30aは熱融着性を有さない材質から構成され、第2の面30bは熱融着性を有する材質から構成される。そのため、包装シート3の製造工程において、ヒートシールしたい箇所のみヒートシールすることができる。すなわち、仮に、包装シートの第1の面及び第2の面がともに熱融着性を有する材質から構成されている場合、包装シートの製造工程において、第2の面同士をヒートシールしたい場合であっても第1の面同士がヒートシールされることがある。それに対し、本実施形態の構成では、ヒートシールしたい面である第2の面30b同士のみをヒートシールすることができる。
[4.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得る。
(4a)上記第1及び第2実施形態では、切断部19は第2の折り返し部14に形成され、上記第3実施形態では、切断部39は第1の折り返し部33に形成されていたが、切断部の位置はこれに限られない。例えば、上記第1又は第2実施形態において、切断部は、第1の折り返し部13に形成されてもよい。また、切断部は、重複部18における折り返し部13,14以外の位置(第1のシート部15のうちの重複部18に含まれる部分、第2のシート部16、及び、第3のシート部17のうちの重複部18に含まれる部分、のうち少なくとも1つ)に形成されてもよい。この場合、切断部は、折り返し部13,14に平行であってもよく、また、平行でなくてもよい。
例えば、図7に示す包装シート4のように、折り返し部13,14に平行になるように第3のシート部17に切断部40が形成されていてもよい。このように切断部が第3のシート部17(より一般的には第2のシート部16及び第3のシート部17のうち少なくとも一方)に形成される場合、食品を包装シートで包装した状態において切断部が食品側から少なくとも第1のシート部15により覆われる。そのため、切断部と食品との間には少なくとも第1のシート部15が介在し、切断部が第1のシート部15に形成されている場合に比べて油や汁等が漏れ出すことを更に抑制することができる。
同様に、上記第3実施形態において、切断部は、重複部38における折り返し部33,34以外の位置(第1のシート部35のうちの重複部38に含まれる部分、第2のシート部36、及び、第3のシート部37のうちの重複部38に含まれる部分、のうち少なくとも1つ)に形成されてもよい。この場合、切断部は、折り返し部33,34に平行であってもよく、また、平行でなくてもよい。
上記実施形態の切断部19,39では、非貫通部分の長さは一定であり、貫通部分の長さも一定であったが、これに限られず、非貫通部分の長さは一定でなくてもよく、貫通部分の長さも一定でなくてもよい。
また、貫通部分の長さと非貫通部分の長さとは同一であったが、これに限られない。また、貫通部分の長さ及び非貫通部分の長さ並びにこれらの組合せは特に限定されない。例えば、貫通部分の長さ及び非貫通部分の長さの組合せ(貫通部分の長さ/非貫通部分の長さ)は、1mm/1mm、2mm/1mm、3mm/1mm、3mm/2mm、4mm/1mm、4mm/2mm、5mm/1mm、5mm/2mm等、任意であってよい。また、例えば、貫通部分の長さは、非貫通部分の長さに比べて十分大きくてもよい。
また、上記実施形態では切断部19,39はミシン目であったが、切断部はミシン目に限られない。例えば、切断部は、貫通部分のみからなる(つまり非貫通部分を有しない)切れ目であってもよい。
切断部が切れ目である場合、切れ目により分離された2つの部分の一方における少なくとも一部を他方に接着してもよい。例えば、上記第3実施形態において切断部39が切れ目に置き換えられた場合、切れ目で包装シートが開くことになるが、第1のシート部35の第1の面30aにおける切れ目近傍の領域及び第2のシート部36の第1の面30aにおける切れ目近傍の領域を相互に接着してもよい。つまり、第2のシート部36の第2の面30bのうちの少なくとも一部が第3のシート部37の第2の面30bに接着され、かつ、第2のシート部36の第1の面30aのうちの少なくとも一部が第1のシート部35の第1の面30aに接着されてもよい。この場合において、第1の面30a(紙の層からなる面)同士をヒートシールにより接着することは困難であるため、弱めの接着力で接着する方法(例えばパートコート剤等の接着剤の塗布)等により接着してもよい。また、切断部は、連続した丸孔であってもよい。また、上記実施形態では切断部19,39は直線状に形成されていたが、切断部の形状はこれに限られない。例えば、切断部は曲線状に形成されていてもよい。
(4b)上記実施形態では、包装シート1,2,3の外観は長方形状であったが、包装シートの外観の形状はこれに限られない。例えば、包装シートの外観は、正方形状、ひし形状、楕円形状等であってもよい。外観がひし形状である場合、ひし形の対角線のうちの1つが折り返し部に直交し、他の対角線が上記折り返し部に平行であってもよい。
(4c)上記実施形態では、折り返し部13,14は互いに平行であり、折り返し部33,34は互いに平行であったが、折り返し部は互いに平行でなくてもよい。また、上記実施形態では、折り返し部13,14,33,34は包装シート1,2,3の輪郭である長方形の一辺と平行に形成されていたが、折り返し部は、上記長方形の一辺と平行に形成されていなくてもよい。また、上記実施形態では、包装シート1,2は長方形状であり、薄紙と同程度の厚みを有していたが、包装シートの形状及び厚みはこれに限られない。また、上記実施形態では、包装シート3に使用されたシート材は薄紙と同程度の厚みを有していたが、シート材の厚みはこれに限られない。
(4d)上記実施形態では、包装シート1,2として、紙から構成される第1の層10、ポリエチレンから構成される第2の層11及び不織布から構成される第3の層12を有するシート材が使用された。また、上記実施形態では、包装シート3として、紙の層により形成される第1の面30a及びポリエチレンの層により形成される第2の面30bを有するシート材が使用された。しかし、上記シート材以外のシート材が使用されてもよい。
例えば、上記第3実施形態において、紙の層、ポリエチレンの層及び不織布の層を有するシート材(つまり上記第1及び第2実施形態のシート材と同様なシート材)が使用されてもよい。また、上記各実施形態において、ポリプロピレンの層が紙の層と不織布の層とに挟まれているシート材や、紙の層がポリエチレンの層とポリエチレンの層とに挟まれているシート材が使用されてもよい。また、紙の層とポリエチレンの層とからなるシート材や紙の層とポリプロピレンの層とからなるシート材といった、2層構造を有する複合シート材が使用されてもよい。また、ポリエチレン等の材質に限られず、アイオノマー等の材質が使用されてもよい。
また、上記実施形態では、包装シート1,2,3の第1の面10a,30aを構成する材質と第2の面12a,30bを構成する材質とは互いに相違していたが、第1の面を構成する材質と第2の面を構成する材質とは同じであってもよい。また、上記各実施形態では、複数の層を有するシート材が使用されたが、1つの層のみを有するシート材が使用されてもよい。1つの層のみを有するシート材としては、例えば、フィルム等が挙げられる。
(4e)上記実施形態の包装シート1,2には、2つの折り返し部13,14が形成され、3つのシート部15,16,17が形成されていた。また、上記実施形態の包装シート3の正面には、2つの折り返し部33,34が形成され、3つのシート部35,36,37が形成されていた。しかし、折り返し部及びシート部の数はこれに限られない。例えば、包装シートには、1つの折り返し部が形成され、2つのシート部が形成されてもよい。この場合、切断部は、2重に重なった重複部に形成されてもよい。また、上記実施形態では、包装シート1,2に1つの切断部19が形成され、包装シート3に1つの切断部39が形成されていたが、包装シートには2つ以上の切断部が形成されていてもよい。また、上記実施形態では、包装シート1,2に1つの重複部18が形成され、包装シート3に1つの重複部38が形成されていたが、包装シートには2つ以上の重複部が形成されていてもよい。
(4f)上記第2実施形態では、包装シート2の第1のシート部15の縁であって重複部18以外の部分がシールされ、上記第3実施形態では、包装シート3の縁であって折り返されて2重に重なった部分における縁がシールされていた。しかし、シールされる部分はこれに限られない。例えば、第1実施形態の包装シート1において、包装シート1の輪郭を形成する長方形の辺のうち、折り返し部13,14に平行でない2辺と平行な辺のうちの1つをシールしてもよい。この場合、包装シートの一部を切り離すことができるように、シール部にも切断部が形成されていてもよい。
また、例えば、図8及び図9に示す包装シート5のようにシールがなされていてもよい。包装シート5には長方形状のシート材が使用され、シート材の端部をヒートシールすることで食品が包装シート5により包装される。具体的には、シート材の輪郭(長方形)の短辺の方向へシート材を丸めることで、シート材が筒状にされる。そして、シート材が丸められた際に付き合わされた端部のうちの一方が、その端部に平行に形成された折り返し部50で筒の外側に折り返されて、2重に重なった重複部51が形成される。折り返し部50で折り返された端部は、他方の端部とヒートシールされてシール部52が形成され、これによりシート材が筒状に固定される。また、筒の軸方向の端部を閉じるように軸方向と交差する方向に端部がヒートシールされてシール部53が形成される(図8では、シール部52,53はハッチングで示されている)。このようにして食品が包装シート5により包装される。
また、折り返し部50には切断部54が形成されており、折り返し部50で折り返された端部及び一体化した他方の端部を上方へ引っ張ることで、包装シート5が切断部54で切断され、包装された食品が露出するようになっている。
(4g)上記実施形態では、包装シート2,3の一部はヒートシールにより接着されたが、接着の方法はこれに限られない。例えば、のり等の接着剤を用いてその一部が接着されてもよい。
(4h)上記第3実施形態では、包装シート3の下端部で当該包装シート3がV字状に折り返されていたが、包装シート3の下端部の形状はこれに限られない。例えば、包装シートはその下端部でM字状に折り返されてガゼットが形成されてもよい。
(4i)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
1,2,3,4,5…包装シート、10…第1の層、11…第2の層、12…第3の層、10a,30a…第1の面、12a,30b…第2の面、13,33…第1の折り返し部、14,34…第2の折り返し部、15,35…第1のシート部、16,36…第2のシート部、17,37…第3のシート部、18,38,51…重複部、19,39,40,54…切断部、20,31,52,53…シール部、32…縁、50…折り返し部。

Claims (9)

  1. 食品を包装するための包装シートであって、
    当該包装シートの一部を切り離すために当該包装シートを貫通して形成された切断部と、
    当該包装シートが折り返されることにより複数重なった重複部と、
    を備え、
    前記切断部が、前記重複部に形成されており
    前記重複部は、当該包装シートがN字状に折り返されて少なくとも3重に重なるように形成されている、
    包装シート。
  2. 当該包装シートは、第1の面と、前記第1の面の裏面である第2の面と、を有し、少なくとも2つの折り返し部により少なくとも3つのシート部に区分され、
    第1のシート部は、第1の折り返し部を介して第2のシート部と連続し、
    前記第2のシート部は、第2の折り返し部を介して第3のシート部と連続し、
    前記第2のシート部の前記第1の面は、前記第1のシート部の前記第1の面と対向し、
    前記第2のシート部の前記第2の面は、前記第3のシート部の前記第2の面と対向する、請求項に記載の包装シート。
  3. 前記第2のシート部の前記第2の面のうちの少なくとも一部が、前記第3のシート部の前記第2の面に接着されている、請求項に記載の包装シート。
  4. 前記第1の面を構成する材質と前記第2の面を構成する材質とが相違し、前記第2の面が前記食品側となるように用いられ、
    前記第2のシート部の前記第2の面の縁部であって前記第1の折り返し部側の縁部を含む部分が、前記第3のシート部の前記第2の面に接着されている、請求項又は請求項に記載の包装シート。
  5. 前記切断部は、前記第1の折り返し部及び前記第2の折り返し部のうち少なくとも一方に形成されている、請求項から請求項までのいずれか1項に記載の包装シート。
  6. 前記切断部は、前記第2のシート部に形成されている、請求項から請求項までのいずれか1項に記載の包装シート。
  7. 前記第1の面を構成する材質と前記第2の面を構成する材質とが相違し、前記第2の面が前記食品側となるように用いられ、
    前記切断部は、前記第3のシート部に形成されている、請求項から請求項までのいずれか1項に記載の包装シート。
  8. 前記切断部は、前記食品を当該包装シートで包装した状態において、前記重複部を形成する当該包装シートの一部により、当該包装シートの外側及び内側のうち少なくとも一方から覆われる、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の包装シート。
  9. 当該包装シートの縁の一部をシールすることにより袋状に形成されている、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の包装シート。
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