JP6482980B2 - アルミニウムと炭素粒子との複合体及び絶縁基板 - Google Patents

アルミニウムと炭素粒子との複合体及び絶縁基板 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウムと炭素粒子との複合体、電子素子等の発熱性素子が搭載される絶縁基板、及び、絶縁基板の製造方法に関する。
なお本明細書及び特許請求の範囲では、「アルミニウム」の語は、特に明示する場合を除き、純アルミニウムとアルミニウム合金との双方を含む意味で用いられ、また「板」の語は、特に明示する場合を除き、「箔」をも含む意味で用いられる。
また、本発明に係る絶縁基板の上下方向は限定されるものではないが、本明細書及び特許請求の範囲では、絶縁基板の構成を理解し易くするため、発熱性素子が搭載される絶縁基板の搭載面側を絶縁基板の上側、及び、その反対側を絶縁基板の下側とそれぞれ定義する。
金属と炭素粒子との複合材として、例えば特許文献1(特許第5150905号公報)や特許文献2(特許第5145591号公報)に記載されているように、アルミニウム層等の金属層と炭素粒子層としての炭素繊維層とが交互に複数積層されて接合一体化された複合材が知られている。この複合材は、高い熱伝導特性が必要な部材用の材料としての利用が期待されている。
特許第5150905号公報 特許第5145591号公報
ところで、電子素子等の発熱性素子が搭載される絶縁基板は、一般に高い熱伝導特性を要求される。そこで、絶縁基板を構成する複数の構成層のうち少なくとも一つの構成層の材料として、上述の複合材を用いることが考えられる。
上述の複合材において、熱伝導率を高くするためには、炭素繊維層等の炭素粒子層をなるべく薄くするとともに炭素粒子の含有量をなるべく多くすることが望ましい。こうするためには、金属層と炭素粒子層をそれぞれ薄くして交互に複数積層させるのが良い。
ところが、金属層と炭素粒子層をこのように積層すると次のような問題が発生する虞があった。
すなわち、金属層と炭素粒子層を、各層の端部を揃えて交互に積層することが困難であり、また層の端部には層同士を接合するための加圧力が加わりにくいので、各層の端部が接合不良になり、この部分から炭素粒子が脱落し易いという問題があった。なお、もし炭素粒子が脱落すると、脱落した炭素粒子で電気的短絡が生じる虞がある。
上述の問題は、複合材が上述したような金属層と炭素粒子層との複合材である場合に限定されず、外周側面に炭素粒子が露出している、金属と炭素粒子との複合材に共通の問題である。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、絶縁基板の構成層として用いられるとともに外周側面からの炭素粒子の脱落が抑制されたアルミニウムと炭素粒子との複合体、絶縁基板及び絶縁基板の製造方法を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] 絶縁基板を構成するとともに互いに積層状に接合一体化される複数の構成層のうち少なくとも一つの構成層として用いられ、
アルミニウム系ろう材を用いたろう付けにより他の構成層と積層状に接合される、アルミニウムと炭素粒子との複合体であって、
複合体の外周側面に、複合体と前記他の構成層との接合界面からの前記ろう材の滲出部を複合体の前記外周側面の周方向に誘導する誘導経路が設けられているアルミニウムと炭素粒子との複合体。
[2] 複合体は、アルミニウム層と炭素粒子層が交互に複数積層された状態で焼結複合化されたものであり、
前記誘導経路は、複合体の前記外周側面における前記アルミニウム層の外周面部からなる前項1記載のアルミニウムと炭素粒子との複合体。
[3] 前記誘導経路は、複合体の前記外周側面にその周方向に延びて形成された誘導溝からなる前項1又は2記載のアルミニウムと炭素粒子との複合体。
[4] 前記誘導溝の幅が20μm以上200μm以下に設定されている前項3記載のアルミニウムと炭素粒子との複合体。
[5] 互いに積層状に接合一体化された複数の絶縁基板構成層を備え、
前記複数の構成層は、前項1〜4のいずれかに記載のアルミニウムと炭素粒子との複合体で形成された第1構成層と、前記第1構成層に対して積層状に配置される第2構成層とを含み、
前記第1構成層と前記第2構成層は、前記第1構成層と前記第2構成層との接合界面に介在されたアルミニウム系ろう材で互いに積層状に接合されたものであるとともに、
前記第1構成層の外周側面に前記ろう材の滲出部が固着している絶縁基板。
[6] 前項1〜4のいずれかに記載のアルミニウムと炭素粒子との複合体で形成された第1構成層と、前記第1構成層に対して積層状に配置される第2構成層とを、前記第1構成層と前記第2構成層との間にアルミニウム系ろう材を介在させた状態でろう付けにより互いに接合するろう付け工程を備えている、絶縁基板の製造方法。
本発明は以下の効果を奏する。
前項[1]では、複合体の外周側面に誘導経路が設けられていることにより、複合体と他の構成層とをろう付けにより接合する際に、複合体と他の構成層との接合界面から複合体の外周側面に滲出したろう材の滲出部が誘導経路によって複合体の外周側面の周方向に誘導されて複合体の外周側面に固着する。これにより、複合体の外周側面からの炭素粒子の脱落を抑制することができる。
前項[2]では、誘導経路が、複合体の外周側面におけるアルミニウム層の外周面部からなることにより、複合体の外周側面に誘導経路を容易に付与することができる。
前記[3]では、誘導経路が誘導溝からなることにより、ろう材の滲出部を確実に誘導することができる。
前項[4]では、誘導溝の幅が所定範囲に設定されることにより、ろう材の滲出部を更に確実に誘導することができる。
前項[5]では、第1構成層が前項[1]〜[4]のいずれかに記載の複合体で形成されているので、第1構成層において前項[1]〜[4]のいずれかの効果を奏する。さらに、第1構成層は高い熱伝導特性(高い熱伝導率)を有しているので、絶縁基板の熱伝導特性を向上させることができる。
前項[6]では、前項[5]に記載の絶縁基板を確実に製造することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る絶縁基板の概略正面図である。 図2は、同絶縁基板における配線層の端部及びその近傍の概略拡大断面図である。 図3は、図2中のZ1部分の概略拡大図である。 図4は、同配線層を製造する途中の状態の概略断面図である。 図5は、同絶縁基板の配線層、絶縁層、緩衝層及び冷却層をろう付けにより接合一体化する途中の状態の概略正面図である。 図6は、ろう付け開始後におけるろう材の滲出方向を説明する同配線層及び同絶縁層の概略平面図である。 図7は、ろう付け開始後におけるろう材の滲出方向を説明する同配線層の概略拡大正面図である。 図8は、図7に示した状態の時からろう材が更に滲出した状態及びその滲出方向を説明する同配線層の概略拡大正面図である。 図9は、図8に示した状態の時からろうが更に滲出した状態及びその滲出方向を説明する同配線層の概略拡大正面図である。 図10は、本発明の第2実施形態に係る絶縁基板における配線層の端部及びその近傍の概略拡大断面図である。 図11は、図10中のZ2部分の概略拡大図である。
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1〜9は、本発明の第1実施形態を説明するための図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る絶縁基板1Aは、電子モジュール用基板(例:パワーモジュール用基板)等として用いられるものであり、複数の絶縁基板構成層が上下方向に積層された状態で接合一体化されて形成されたものである。
複数の構成層は、配線層2、絶縁層4、緩衝層5及び冷却層6を含む。そして、上から下へ順に、配線層2、絶縁層4、緩衝層5及び冷却層6が水平に且つ積層状に配置されるとともに、この積層状態でこれらの層2、4、5、6が所定の接合手段により接合一体化されている。接合手段としてはろう付けが用いられている。
なお本第1実施形態では、絶縁基板1Aを構成する複数の構成層は冷却層6を含んでいるので、絶縁基板1Aは冷却基板とも呼ばれている。
配線層2は、回路層とも呼ばれているものであり、その平坦な上面からなる搭載面1aを有している。配線層2の形状は例えば平面視で略方形状である。配線層2の一辺長さは例えば10〜100mmである。
本第1実施形態の絶縁基板1Aでは、配線層2が本発明の第1実施形態に係るアルミニウムと炭素粒子との複合体10で形成されている。配線層2(複合体10)の詳細な構成については後述する。
配線層2の搭載面1aには、発熱性素子(二点鎖線で示す)9がはんだ付けにより接合されて搭載される。発熱性素子9は半導体素子等の電子素子(例:IGBT素子)を含む。
搭載面1aにおける発熱性素子9とのはんだ付け性を高めるため、搭載面1aに発熱性素子9がはんだ付けにより接合される前に、搭載面1aにはニッケル−リンめっき膜等のニッケルめっき膜(図示せず)が常法(例:電気ニッケルめっき法、無電解ニッケルめっき法)により搭載面1aの全体に亘って略均一な厚さで形成される。
絶縁層4は、電気絶縁性を有しており、具体的には、AlN(窒化アルミニウム)、Si(窒化ケイ素)、Al(アルミナ)等のセラミック製である。絶縁層4の形状は例えば平面視で略方形状である。絶縁層4の一辺長さは配線層2の一辺長さよりも若干大きく設定されており、具体的には例えば10.5〜100.5mmである。絶縁層4の厚さは例えば0.2〜1.5mmである。
緩衝層5は、絶縁基板1Aに発生する熱応力等の応力を緩和するための層である。さらに、緩衝層5はアルミニウム等の金属製であり、例えば、厚さ方向に貫通した複数の貫通孔(図示せず)を有するパンチングメタルで形成されている。緩衝層5の形状は平面視で略方形状であり、緩衝層5の一辺長さは例えば10〜100mmである。緩衝層5の厚さは例えば0.2〜3mmである。
冷却層6は、発熱性素子9の動作に伴い発熱した発熱性素子9を冷却するものである。本第1実施形態では、冷却層6として板状の冷却部材が用いられており、具体的には、発熱性素子9の熱を放散することで発熱性素子9を冷却する放熱部材(例:ヒートシンク)が用いられている。放熱部材はアルミニウム等の金属製であり、複数の放熱フィン6aを有している。
なお本発明では、冷却層6は放熱部材であることに限定されるものではなく、その他に例えば、冷却液が流通する流通路を有する冷却部材であっても良い。
上述の絶縁基板1Aでは、搭載面1aに搭載された発熱性素子9で発生した熱は、発熱性素子9から配線層2、絶縁層4、緩衝層5及び冷却層6に順次伝導する。その結果、発熱性素子9が冷却されてその温度が低下する。
配線層2と絶縁層4は、図2及び3に示すようにアルミニウム系ろう材(ドットハッチングで示す)8を用いたろう付けにより積層状に接合されている。すなわち、図3に示すように、配線層2と絶縁層4との接合界面7には両層2、4を接合した薄い層状のろう材8が介在されている。さらに、図2に示すように、配線層2の外周側面3には両層2、4の接合界面7から配線層2の外周側面3に滲出したろう材8の滲出部8aが配線層2の外周側面3の略全体を覆う状態にして配線層2の外周側面3に固着している。したがって、配線層2の外周側面3の略全体はろう材8の滲出部8aで覆われている。
次に、本第1実施形態の絶縁基板1Aの配線層2として用いられる複合体10について以下に説明する。
複合体10は、図2に示すように、アルミニウムと炭素粒子12aとが所定の焼結法により焼結複合化されたものである。複合体10の形状は上述したように平面視で略方形状であり、その全体形状は板状(詳述すると平板状)である。複合体10の厚さ(即ち配線層2の厚さ)は限定されるものではないが、特に0.2〜2mmに設定されるのが望ましい。
焼結法は限定されるものではないが、放電プラズマ焼結法、ホットプレス法等の加熱加圧焼結法を用いることが望ましい。本第1実施形態では、焼結法として加熱加圧焼結法が用いられている。
本第1実施形態の複合体10は、アルミニウム層11と炭素粒子層12が交互に複数積層された状態で一体に焼結複合化されたものである。なお、炭素粒子層12は炭素粒子12aで形成された層である。
アルミニウム層11のアルミニウムは限定されるものではなく、純アルミニウム系合金や高純度アルミニウム等が好適に用いられる。
次に、複合体10をその望ましい製造方法に基づいて図4を参照して以下に説明する。
複合体10の製造方法は、複合体10のプリフォームを形成するプリフォーム形成工程と、複合体10のプリフォームを焼結する焼結工程とを具備している。
本第1実施形態では、プリフォームを形成する方法として、アルミニウム層11と炭素粒子層12が交互に複数積層された状態のプリフォーム(これを説明の便宜上「積層プリフォーム」という)を形成する工程(この工程を「積層プリフォーム形成工程」という)が用いられる。
複合体10の製造に用いられる炭素粒子12aの種類は限定されるものではないが、なるべく高い熱伝導率を有するもの、即ち高熱伝導性のものであることが望ましい。特に、炭素粒子12aは、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、天然黒鉛粒子及び人造黒鉛粒子からなる群より選択される少なくとも一種であることが望ましく、更に、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン及び天然黒鉛粒子からなる群より選択される少なくとも一種であることがより望ましい。その理由は、複合体10の熱伝導率を確実に向上させることができるし、アルミニウムと炭素粒子12aとの複合化を確実に行えるからである。
炭素繊維としては、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維などが用いられる。
カーボンナノチューブとしては、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維(VGCF(登録商標))等が用いられる。
天然黒鉛粒子としては、鱗片状黒鉛粒子等が用いられる。
人造黒鉛粒子としては、等方性黒鉛粒子、異方性黒鉛粒子、熱分解黒鉛粒子等が用いられる。
炭素粒子12aの大きさは限定されるものではない。しかるに、炭素粒子12aが炭素繊維である場合、平均繊維長が10μm以上2mm以下の短炭素繊維が特に好適に用いられる。炭素粒子12aがカーボンナノチューブである場合、平均長さが1μm以上10μm以下のカーボンナノチューブが特に好適に用いられる。炭素粒子12aが天然黒鉛粒子及び人造黒鉛粒子である場合、平均粒子径が10μm以上3mm以下の天然黒鉛粒子及び人造黒鉛粒子が特に好適に用いられる。
本第1実施形態では、炭素粒子12aとして炭素繊維(詳述すると短炭素繊維)が用いられている。
この場合において、望ましい積層プリフォーム形成工程は以下のとおりである。
すなわち、図4に示すように、アルミニウム板からなるアルミニウム層11の片面又は両面上に炭素粒子層(詳述すると炭素繊維層)12を塗工し、これにより塗工アルミニウム層13を得る。次いで、塗工アルミニウム層13を複数積層し、これにより積層プリフォームを形成する。塗工アルミニウム層13の積層枚数は限定されるものではないが、5〜500枚であることが特に望ましい。
本第1実施形態では、各塗工アルミニウム層13において、炭素粒子層12は、アルミニウム層11の片面(詳述すると上面)上に、炭素粒子層12中の炭素粒子(炭素繊維)12aの長さ方向が一方向に揃う状態になるように塗工されている。そして、互いに重なり合う二つの塗工アルミニウム層13、13において一方の塗工アルミニウム層13の炭素粒子層12中の炭素粒子(炭素繊維)12aの長さ方向と他方の塗工アルミニウム層13の炭素粒子層12中の炭素粒子(炭素繊維)12aの長さ方向とが平面視で約90°の角度をなす態様にして、複数の塗工アルミニウム層13が上下方向に積層されている。
アルミニウム層11の厚さは限定されるものではないが、5〜200μmであることが特に望ましい。
炭素粒子層12の厚さは限定されるものではないが、1〜100μmであることが特に望ましい。
また、炭素粒子層12中に含まれる炭素粒子(詳述すると炭素繊維)12aの塗工量は限定されるものではないが、1g/m以上40g/m以下であることが特に望ましい。塗工量が1g/m以上であることにより、複合体10の熱伝導率を確実に向上させることができる。塗工量が40g/m以下であることにより、複合体10内での層間剥離を確実に抑制することができる。
さらに、炭素粒子層12は、複合体10に対する炭素粒子12aの体積含有率が2体積%以上70体積%以下になるように塗工されることが望ましい。炭素粒子12aの体積含有率が2体積%以上であることにより、複合体10の熱伝導率を確実に向上させることができる。炭素粒子12aの体積含有率が70体積%以下であることにより、積層状に配置された複数の塗工アルミニウム層13を確実に一体に焼結することができる。炭素粒子12aの体積含有率の特に望ましい下限値は3体積%であり、その特に望ましい上限値は50体積%である。
炭素粒子層12の塗工方法は限定されるものではないが、特に、炭素粒子12aとバインダーとバインダー用溶剤とが混合されてなる塗工液をロールコータ等の塗工装置(図示せず)によりアルミニウム層11上に連続的に塗工する方法であることが望ましい。この塗工方法の場合、アルミニウム層11上に塗工された炭素粒子層12を塗工後に乾燥及び加熱処理し、これにより炭素粒子層12中に含まれる溶剤及びバインダーを除去することが望ましい。
望ましい焼結工程は以下のとおりである。
焼結工程では、加熱加圧焼結法によって、所定の焼結金型(図示せず)内で積層プリフォームをその厚さ方向(即ち塗工アルミニウム層13の積層方向)に加圧及び加熱しながら焼結する。これにより、本第1実施形態の複合体10が製造される。
複合体10において、焼結時に積層プリフォームが加圧及び加熱されることにより、各アルミニウム層11の一部が積層プリフォーム内に存在する微細な空隙(例:炭素粒子層12中の炭素粒子12a間の隙間)に塑性流動して当該空隙(隙間)に充填される。これにより当該空隙(隙間)が略消滅する。
加熱加圧焼結法としては限定されるものではないが、焼結金型として密閉金型を用いた加熱加圧焼結法であることが望ましい。
そのような加熱加圧焼結法として放電プラズマ焼結法を用いる場合における望ましい焼結条件は以下のとおりである。
焼結温度は450〜640℃、焼結時間(即ち焼結温度の保持時間)は10〜300min、積層プリフォームへの加圧力は5〜40MPaである。
以上の製造方法により得られた複合体10は、上述したように絶縁基板1Aの配線層2として用いられる。換言すると、絶縁基板1Aの配線層2は複合体10で形成される。
図2に示すように、配線層2(複合体10)の外周側面3には、アルミニウム層11の外周面部3aと炭素粒子層12の外周面部3bとが配線層2の厚さ方向(即ちアルミニウム層11と炭素粒子層12との積層方法)に交互に複数配置されている。さらに、アルミニウム層11の外周面部3aと炭素粒子層12の外周面部3bとはそれぞれ配線層2の外周側面3の周方向に連続して延びた状態(詳述すると、配線層2の外周側面3の全周に亘って連続して延びた状態)にして配線層2の外周側面3に配置されている。
配線層2の外周側面3における各アルミニウム層11の外周面部3aにはアルミニウムが露出しており、また、配線層2の外周側面3における各炭素粒子層12の外周面部3bには多数の炭素粒子12aが露出している。
本第1実施形態では、配線層2の外周側面3における各アルミニウム層11の外周面部3aが、配線層2と絶縁層4との接合界面7から配線層2の外周側面3に滲出したろう材8の滲出部8aを配線層2の外周側面3の周方向に誘導する誘導経路15を構成している。
次に、上述の複合体10で形成された配線層2を用いた絶縁基板1Aの望ましい製造方法について以下に説明する。
図5に示すように、載置台17上に配線層2と絶縁層4と緩衝層5と冷却層6を水平に且つ積層状に配置する。この際に互いに重なり合う二つの層間にそれぞれ層状のろう材を介在させる。すなわち、配線層2と絶縁層4との間に層状のろう材8を挟み、且つ、絶縁層4と緩衝層5との間に層状のろう材20を挟み、且つ、緩衝層5と冷却層6との間に層状のろう材21を挟む。そして、配線層2と絶縁層4と緩衝層5と冷却層6をこれらの積層方向にろう付け荷重18を加えた状態で所定のろう付け雰囲気中にて加熱することにより、配線層2と絶縁層4と緩衝層5と冷却層6をろう付けにより一括して接合一体化する。この工程をろう付け工程という。
各ろう材8、20、21として例えばろう材板(詳述するとろう材箔)が用いられる。ただし本発明では、ろう材としてろう材板が用いられることに限定されるものではなく、その他に例えばブレージングシートが用いられても良い。さらに、ろう材は、こららの層2、4、5、6における互いに重なり合う二つの層のうち少なくとも一方の層の接合面に予め焼結又はクラッドされていても良い。
配線層2と絶縁層4との間に介在されるろう材8としては、上述したようにアルミニウム系ろう材が用いられる。
絶縁層4と緩衝層5との間に介在されるろう材20は、絶縁層4と緩衝層5とを接合するためのものであり、例えば、配線層2と絶縁層4との間に介在されるろう材8と同じアルミニウム系ろう材が用いられる。
緩衝層5と冷却層6との間に介在されるろう材21は、緩衝層5と冷却層6とを接合するためのものであり、例えば、配線層2と絶縁層4との間に介在されるろう材8と同じアルミニウム系ろう材が用いられる。
配線層2と絶縁層4との間に介在されるろう材8は、アルミニウム系ろう材であれば限定されるものではないが、Al−Si系ろう材であることが望ましい。その理由は、ろう材8の滲出部8aが配線層2の外周側面3における各アルミニウム層11の外周面部3a(即ち誘導経路15)で確実に周方向に誘導されるようになるからである。
さらに、ろう材8は、Mg、Bi及びSrからなる群より選択される少なくとも一つの元素が添加されたAl−Si系ろう材であることが特に望ましい。その理由は次のとおりである。
すなわち、Al−Si系ろう材にMgが添加されることにより、ろう付けを例えば真空ろう付けで行う場合でも、配線層2と絶縁層4を確実に強固に接合することができる。さらに、Al−Si系ろう材にBiやSrが添加されることにより、ろう材8の流動性が向上し、その結果、ろう材8の滲出部8aが各アルミニウム層11の外周面部3a(誘導経路15)で更に確実に周方向に誘導されるようになる。
Mgの添加量は限定されるものではないが、Mgの特に望ましい添加量は、ろう材全体に対して0.1質量%以上3質量%以下である。
Biの添加量は限定されるものではないが、Biの特に望ましい添加量は、ろう材全体に対して0.01質量以上2質量%以下である。
Srの添加量は限定されるものではないが、Srの特に望ましい添加量は、ろう材全体に対して0.0001質量%以上0.3質量%以下である。
ろう付け工程で適用されるろう付け手段は、配線層2と絶縁層4と緩衝層5と冷却層6を一括して接合可能なろう付け手段であれば限定されるものではないが、特に真空ろう付けが好適に適用される。その理由は、これらの層2、4、5、6を確実に良好に接合一体化することができるし、更に、炭素粒子層12の塗工方法として、炭素粒子12aとバインダーとバインダー用溶剤とが混合されてなる塗工液をロールコータ等の塗工装置によりアルミニウム層11上に塗工する上述の塗工方法が用いられている場合において、炭素粒子層12中に含有されるバインダーをろう付け時に蒸発除去できるからである。
ろう付け工程で適用されるろう付け条件は、配線層2と絶縁層4と緩衝層5と冷却層6を一括して接合可能なろう付け条件であれば限定されるものではない。しかるに、配線層2と絶縁層4との間に介在されたろう材8を両層2、4間から滲出させ易くするため、ろう付け温度はなるべく高い方が望ましく、更に、ろう付け温度の保持時間はなるべく長い方が望ましい。具体的には、ろう付け温度は590℃以上620℃以下であることが望ましく、ろう付け温度の保持時間は10min以上60min以下であることが望ましい。
また、ろう付け温度からの冷却速度は限定されるものではないが、なるべく速い方が望ましく、具体的には、ろう付け温度から200℃までの間の冷却速度が30℃/min以上100℃/min以下であることが望ましい。
ろう付け荷重18は限定されるものではないが、特に0.01〜2N/mmであることが望ましい。その理由は、配線層2と絶縁層4との間に介在されたろう材8を両層2、4間から確実に滲出させることができるからである。
ろう付け工程のろう付け開始直後では、配線層2と絶縁層4との間に介在されたろう材8は、ろう付け温度に加熱されることにより溶融するとともに、溶融したろう材8の一部が図6及び7に示すように配線層2と絶縁層4との間(即ち両層2、4の接合界面7)から配線層2の外周縁の複数箇所(詳述すると多数箇所)にて配線層2の外周側面3へ滲出する。これらの図において、符号「16」(矢印)は、この際のろう材8の滲出方向を示している。そして、ろう材8の滲出部8aが配線層2の外周側面3上を両層2、4の接合界面7から離れる方向(即ち配線層2の搭載面1aへ向かう方向)に徐々に移動し、つまりろう材8の滲出部8aが配線層2の外周側面3上を徐々に滲み上がる。
ここで、配線層2の外周側面3において、アルミニウム層11の外周面部3aの、溶融したろう材8に対する濡れ性は、炭素粒子層12の外周面部3bのそれよりも良好である。したがって、図7〜9に示すように、ろう材8の滲出部8aが配線層2の外周側面3における各アルミニウム層11の外周面部3aに到達したとき、ろう材8の滲出部8aは各アルミニウム層11の外周面部3aに沿って配線層2の外周側面3の周方向に誘導されて周方向に広がる。このように、ろう材8の滲出部8aは、各アルミニウム層11の外周面部3aで配線層2の外周側面3の周方向に誘導されて周方向に広がりながら配線層2の外周側面3上を滲み上がる。
そして、ろう付け工程のろう付け終了時において、溶融したろう材8がろう付け温度から冷却されて凝固することにより、配線層2と絶縁層4とが両層2、4の接合界面7に介在されたろう材8で積層状に接合されるとともに、ろう材8の滲出部8aが配線層2の外周側面3の略全体を覆う状態にして配線層2の外周側面3に固着する。
さらに、このろう付け工程では、配線層2と絶縁層4とが上述のように接合されると同時に、絶縁層4と緩衝層5とが両層4、5の接合界面に介在されたろう材20で接合されるとともに、緩衝層5と冷却層6とが両層5、6の接合界面に介在されたろう材21で接合される。その結果、配線層2と絶縁層4と緩衝層5と冷却層6が一括して接合一体化されて第1実施形態の絶縁基板1Aが得られる。
上記第1実施形態の絶縁基板1Aは次の利点を有している。
配線層2(複合体10)の外周側面3に誘導経路15として各アルミニウム層11の外周面部3aが配置されているので、配線層2と絶縁層4とをろう付けにより接合する際に、配線層2と絶縁層4との接合界面7から配線層2の外周側面3に滲出したろう材8の滲出部8aが各アルミニウム層11の外周面部3aで配線層2の外周側面3の周方向に誘導されて外周側面3に固着する。これにより、配線層2の外周側面3の機械的強度を向上させることができるとともに、配線層2の外周側面3からの炭素粒子12aの脱落を抑制することができる。
さらに、配線層2の外周側面3に誘導経路15を容易に付与することができる。
図10及び11は本発明の第2実施形態を説明するための図である。これらの図では、上記第1実施形態の絶縁基板1Aと同じ要素に同一の符号が付されている。
図10に示すように、本発明の第2実施形態に係る絶縁基板1Bでは、配線層2はアルミニウムと炭素粒子との複合体10で形成されている。そして、配線層2と絶縁層4が両層2、4の接合界面7に介在されたろう材8で接合されるとともに、接合界面7から配線層2の外周側面3に滲出したろう材8の滲出部8aが配線層2の外周側面3の略全体を覆う状態にして配線層2の外周側面3に固着している。
配線層2(複合体10)の外周側面3には、配線層2の外周側面3の周方向に延びた複数の溝3c(当該溝を「誘導溝3c」という)が誘導経路15として並列状に所定ピッチで形成されている。本第2実施形態では、各誘導溝3cは詳述すると配線層2の外周側面3にその周方向の全周に亘って延びて形成されている。
誘導溝3cの断面形状は限定されるものではないが、特に略V字状に形成されるのが望ましい。誘導溝3cの幅は限定されるものではないが、特に20μm以上200μm以下に設定されることが望ましい。その理由は、ろう材8の滲出部8aを配線層2の外周側面3の周方向に確実に誘導することができるからである。
誘導溝3cの深さは限定されるものではないが、5μm以上100μm以下に設定されることが望ましい。また、誘導溝3cのピッチは限定されるものではないが、20μm以上300μm以下に設定されることが望ましい。これらの理由は、ろう材8の滲出部8aを配線層2の外周側面3の周方向に確実に誘導することができるからである。
本第2実施形態の配線層2を形成する複合体10は、上記第1実施形態と同じように、アルミニウム層11と炭素粒子層12が交互に複数積層された状態で焼結複合化されたものであっても良いし(図2参照)、その他の複合形態の複合体であっても良い。
その他の複合形態の複合体としては限定されるものではないが、特に、アルミニウム粉末と炭素粒子(例:炭素粉末)とが混合状態で一体に焼結複合化された複合体が好適に用いられる。
アルミニウム粉末の粒子径は限定されるものではないが、アルミニウム粉末の平均粒子径が20〜500μmであることが特に望ましい。
さらに、アルミニウム粉末及び/又は炭素粒子は表面処理が施されたものであっても良い。表面処理としては、複合化を良好にするためNiめっき処理又はCuめっき処理を採用することが望ましい。
本第2実施形態の絶縁基板1Bは、上述の第1実施形態の絶縁基板1Aの製造方法と同じ方法で製造可能である。
本第2実施形態では、ろう付け工程のろう付け開始直後において、配線層2と絶縁層4との接合界面7から配線層2の外周側面3に滲出したろう材8の滲出部8aは、配線層2の外周側面3の各誘導溝3cに到達したとき、各誘導溝3cに沿って配線層2の外周側面3の周方向に誘導されて周方向に広がる。このように、ろう材8の滲出部8aは、各誘導溝3cで配線層2の外周側面3の周方向に誘導されて周方向に広がりながら配線層2の外周側面3上を滲み上がる。
そして、ろう付け工程のろう付け終了時において、溶融したろう材8がろう付け温度から冷却されて凝固することにより、配線層2と絶縁層4とが両層2、4の接合界面7に介在されたろう材8で積層状に接合されるとともに、ろう材8の滲出部8aが配線層2の外周側面3の略全体を覆う状態にして配線層2の外周側面3に固着する。
以上で本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能である。
また、本発明に係るアルミニウムと炭素粒子との複合体は、絶縁基板の配線層として用いられるものに限定されるものではなく、その他に例えば絶縁基板の緩衝層として用いられるものであっても良い。したがって、本発明に係る絶縁基板は、例えば、配線層が本発明の複合体で形成されていても良いし、緩衝層が本発明の複合体で形成されていても良いし、配線層と緩衝層がそれぞれ本発明の複合体で形成されていても良い。
また、上記実施形態のろう付け工程では、配線層2と絶縁層4と緩衝層5と冷却層6を一括して接合一体化しており、これにより絶縁基板1Aの製造工程数を削減できるという利点がある。しかるに本発明では、上記実施形態のようにこれらの層2、4、5、6を一括して接合一体化することに限定されるものではなく、その他に例えば、配線層2と絶縁層4との二層だけを接合しても良いし、配線層2と絶縁層4と緩衝層5との三層だけを接合しても良い。
次に、本発明の具体的な実施例及び比較例について以下に示す。ただし本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、実施例を理解し易くするため、実施例の複合体の要素に上記第1実施形態で用いた符号を付して実施例を説明する。
<実施例1>
本実施例1では、図1〜9に示した上記第1実施形態のアルミニウムと炭素粒子12aとの複合体10を以下の製造方法で製造した。
長尺なアルミニウム板からなるアルミニウム層11の上面上に炭素粒子層12を塗工し、これを平面視で正方形状に複数切断することで複数の塗工アルミニウム層13を得た。
アルミニウム層11を形成するアルミニウム板の材質は、JIS(日本工業規格)で規定されたアルミニウム合金記号A1N30であり、その厚さは20μmであった。塗工アルミニウム層13の寸法は縦25mm及び横25mmであった。
炭素粒子層12中に含まれる炭素粒子12aとしては、平均繊維長150μm及び平均繊維径10μmのピッチ系炭素繊維(詳述するとピッチ系短炭素繊維)を使用した。アルミニウム層11上への炭素粒子12a(ピッチ系短炭素繊維)の塗工量は21g/mであった。
次いで、塗工アルミニウム層13を上下方向に30枚積層して積層プリフォームを形成した。そして、放電プラズマ焼結装置を用いて積層プリフォームを放電プラズマ焼結法により焼結し、これによりアルミニウムと炭素粒子12a(ピッチ系短炭素繊維)との複合体10を製造した。
この焼結に適用した焼結条件は以下のとおりであった。
焼結温度は620℃、焼結時間は1h、積層プリフォームへの加圧力は15MPa、真空度は10Paであった。
次いで、複合体10からなる配線層2と絶縁層4と緩衝層5と冷却層6を真空ろう付けにより一括して接合一体化し、これにより絶縁基板1Aを製造した。
このろう付けに適用したろう付け条件は以下のとおりであった。
ろう付け温度は600℃、ろう付け温度の保持時間は20min、真空度は10-3Pa、ろう付け荷重は0.1N/mm、ろう付け温度から200℃までの間の冷却速度は50℃/minであった。
また、配線層2と絶縁層4を接合したアルミニウム系ろう材8は、Al−Si−Mg系ろう材であり、厚さ25μm、縦25mm及び横25mmの板状のろう材(即ちろう材板)を用いた。
製造された絶縁基板1Aにおいて、配線層2と絶縁層4との接合界面7から配線層2の外周側面3に滲出したろう材8の滲出部8aは、配線層2の外周側面3の略全体を覆う状態にして配線層2の外周側面3に固着しており、配線層2の外周側面3からの炭素粒子12aの脱落は確認できなかった。
<実施例2>
本実施例2では、上記実施例1と同じ製造方法及び条件でアルミニウムと炭素粒子12aとの複合体10を製造した。次いで、複合体10の外周側面3にその周方向の全周に亘って延びた複数の誘導溝3cを誘導経路15として並列状に所定ピッチで形成した。誘導溝3cの断面形状はV字状であり、誘導溝3cの幅は50μmであり、誘導溝3cのピッチは50μmであった。
次いで、複合体10からなる配線層2と絶縁層4と緩衝層5と冷却層6とを真空ろう付けにより一括して接合一体化し、これにより絶縁基板1Bを製造した。このろう付けに適用したろう付け条件は上記実施例1と同じである。
製造された絶縁基板1Bにおいて、配線層2と絶縁層4との接合界面7から配線層2の外周側面3に滲出したろう材8の滲出部8aは、配線層2の外周側面3の略全体を覆う状態にして配線層2の外周側面3に固着しており、配線層2の外周側面3からの炭素粒子12aの脱落は確認できなかった。
<比較例>
本比較例では、アルミニウムと炭素粒子との複合として、アルミニウム粉末と炭素粒子とを混合した状態で一体に焼結複合化することにより複合体を製造した。炭素粒子としては、平均繊維長150μm及び平均繊維径10μmのピッチ系炭素繊維(詳述するとピッチ系短炭素繊維)を使用した。
次いで、複合体からなる配線層と絶縁層と緩衝層と冷却層とを真空ろう付けにより一括して接合一体化し、これにより絶縁基板を製造した。このろう付けに適用したろう付け条件は上記実施例1と同じである。
製造された絶縁基板において、配線層と絶縁層との接合界面から配線層の外周側面に滲出したろう材の滲出部は、配線層の外周側面の周方向にあまり広がっておらず、配線層の外周側面からの炭素粒子の脱落が確認された。
本発明は、アルミニウムと炭素粒子との複合体、電子素子等の発熱性素子が搭載される絶縁基板、及び、絶縁基板の製造方法に利用可能である。
1A、1B:絶縁基板
2:配線層
3:配線層の外周側面
3a:アルミニウム層の外周面部
3b:炭素粒子層の外周面部
4:絶縁層
5:緩衝層
6:冷却層
7:配線層と絶縁層との接合界面
8:ろう材
8a:ろう材の滲出部
10:アルミニウムと炭素粒子との複合体
11:アルミニウム層
12:炭素粒子層
15:誘導経路

Claims (11)

  1. 絶縁基板を構成するとともに互いに積層状に接合一体化される複数の構成層のうち少なくとも一つの構成層として用いられ、
    アルミニウム系ろう材を用いたろう付けにより他の構成層と積層状に接合される、アルミニウムと炭素粒子との複合体であって、
    複合体の外周側面に、複合体と前記他の構成層との接合界面からの前記ろう材の滲出部を複合体の前記外周側面の周方向に誘導する誘導経路が設けられており、
    前記誘導経路は、複合体の前記外周側面にその周方向に延びて形成された誘導溝からなるアルミニウムと炭素粒子との複合体。
  2. 複合体は、アルミニウム層と炭素粒子層が交互に複数積層された状態で焼結複合化されたものであり、
    前記誘導経路は、複合体の前記外周側面における前記アルミニウム層の外周面部からなる請求項1記載のアルミニウムと炭素粒子との複合体。
  3. 前記誘導溝の幅が20μm以上200μm以下に設定されている請求項1又は2記載のアルミニウムと炭素粒子との複合体。
  4. 互いに積層状に接合一体化された複数の絶縁基板構成層を備え、
    前記複数の構成層は、アルミニウムと炭素粒子との複合体で形成された第1構成層と、前記第1構成層に対して積層状に配置される第2構成層とを含み、
    前記第1構成層と前記第2構成層は、前記第1構成層と前記第2構成層との接合界面に介在されたアルミニウム系ろう材で互いに積層状に接合されており、
    前記第1構成層の外周側面に、前記第1構成層と前記第2構成層との接合界面からの前記ろう材の滲出部を前記第1構成層の前記外周側面の周方向に誘導する誘導経路が設けられるとともに、
    前記第1構成層の前記外周側面に前記ろう材の滲出部が固着している絶縁基板。
  5. 前記複合体は、アルミニウム層と炭素粒子層が交互に複数積層された状態で焼結複合化されたものであり、
    前記誘導経路は、前記第1構成層の前記外周側面における前記アルミニウム層の外周面部からなる請求項4記載の絶縁基板。
  6. 前記誘導経路は、前記第1構成層の前記外周側面にその周方向に延びて形成された誘導溝からなる請求項4又は5記載の絶縁基板。
  7. 前記誘導溝の幅が20μm以上200μm以下に設定されている請求項6記載の絶縁基板。
  8. ルミニウムと炭素粒子との複合体で形成された第1構成層と、前記第1構成層に対して積層状に配置される第2構成層とを、前記第1構成層と前記第2構成層との間にアルミニウム系ろう材を介在させた状態でろう付けにより互いに接合するろう付け工程を備えており、
    前記第1構成層の外周側面に、前記第1構成層と前記第2構成層との接合界面からの前記ろう材の滲出部を前記第1構成層の前記外周側面の周方向に誘導する誘導経路が設けられている、絶縁基板の製造方法。
  9. 前記複合体は、アルミニウム層と炭素粒子層が交互に複数積層された状態で焼結複合化されたものであり、
    前記誘導経路は、前記第1構成層の前記外周側面における前記アルミニウム層の外周面部からなる請求項8記載の絶縁基板の製造方法。
  10. 前記誘導経路は、前記第1構成層の前記外周側面にその周方向に延びて形成された誘導溝からなる請求項8又は9記載の絶縁基板の製造方法。
  11. 前記誘導溝の幅が20μm以上200μm以下に設定されている請求項10記載の絶縁基板の製造方法。
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