JP6482459B2 - 細胞サンプル中の生存細胞を検出する方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、それぞれ参照により全開示内容が本明細書に組み込まれる、2012年5月2日出願の同時係属の米国仮特許出願第61/641,809号明細書および2013年3月14日出願の同時係属の米国仮特許出願第61/784,789号の優先権および恩典を請求するものである。
本発明は、概して、液体サンプル中の生存細胞の存在および/または量を検出するシステムおよび方法に関する。
例えば、グラム陽性菌、グラム陰性菌、および真菌、例えば、酵母やカビによる微生物汚染は、重症疾患を引き起こすことがあり、場合によっては、ヒトおよび動物患者に死さえももたらす。特定の業界、例えば、食品、水、化粧品、製薬、および医療機器産業の製造者は、製品が、消費者または受益者の健康を通常なら損ない得るレベルの微生物汚染を含まないことを立証するために厳格な基準を満たさなければならない。これらの産業は、一定の基準、例えば、食品医薬品局または米国環境保護庁によって課せられた基準を満たすように、微生物汚染の存在について頻繁に正確な高感度試験を行う必要がある。
状況によっては、生存細胞と非生存細胞とを区別する能力も重要であり得る。例えば、薬剤および生物製剤の製造中に、製造プロセスで使用される水が無菌で汚染されていないことが重要である。さらに、医薬に含まれる水(例えば、液剤および生物学的剤形(biological dosage form)、例えば、注入可能な剤形)および、例えば、非経口経路によって対象に投与される液体(例えば、生理食塩水)も無菌で汚染されていないことが重要である。他方、飲料水中の一部の生存微生物の存在は、ある点まで許容され得る。飲用に適するようにするために、飲料水は、厳格な基準を満たさなければならない。水道水にたとえ微生物が存在し得るとしても、水道水はヒトの消費に許容可能であり得る。しかしながら、細胞数が閾値レベルを超えると、水道水は、もはやヒトの消費に安全であると見なすことができない。さらに、特定の食品(例えば、生鮮食品)および飲料(例えば、牛乳)中の所定レベルの微生物の存在は許容可能であり得る。しかしながら、これらのレベルを超えると、食品または飲料は、悪くなり、もはやヒトの消費に安全でないと見なされ得る。
微生物汚染の存在および/または微生物汚染の程度を評価する従来の細胞培養法は、実施に数日かかることがあり、この期間は検査する微生物によって異なり得る。この期間中に、該当する製品(例えば、食品、飲料、または医薬品)は、結果が分かるまで隔離され、その後に製品が自由になり得る。結果として、サンプル中の微生物汚染、特に生存微生物汚染の存在および/または程度を迅速(例えば、数時間以内)に検出するシステムおよび方法が要望されている。
本発明は、液体サンプル中の生存細胞(例えば、原核細胞または真核細胞)の存在および/または量を検出する方法の発見に一部基づいている。この方法は、細胞サンプル中の生存細胞の存在を検出するために細胞収集システムおよび/または光検出システムと組み合わせて使用することができる。この方法は、目的の特定のサンプルのバイオバーデン(例えば、生存細胞(例えば、生存微生物、例えば、細菌、酵母、および真菌)の数および/またはパーセンテージおよび/または画分)を測定する方法に使用することができる。
一態様では、本発明は、液体サンプル中の生存細胞の存在および/または量を検出する方法を提供する。この方法は:(a)試験される液体サンプルが実質的に平面の多孔質膜の少なくとも一部を通過した後に、この実質的に平面の多孔質膜の一部に保持された全ての生存細胞を蛍光標識で標識するステップ;(b)検出システムに対して多孔質膜を回転させることによって多孔質膜の一部をスキャンするステップであって、検出システムが、(i)蛍光標識を励起して発光事象を生じさせるのに適した波長の光ビームを放射する光源、および(ii)発光事象を検出することができる少なくとも1つの検出器を含み、前記スキャンにより、平面の多孔質膜の複数の領域を調べ、全ての生存細胞に関連した蛍光標識の励起によって生じる発光事象を検出する、ステップ;ならびに(c)ステップ(b)で検出された発光事象に基づいて膜によって収集された生存細胞の存在および/または量を決定するステップを含む。
スキャンするステップは、多孔質膜上の入れ子状円形パターンおよび螺旋パターンの少なくとも1つを光ビームでトレースするステップを含み得る。スキャンするステップの際に、検出システムが静止したままで、多孔質膜を(例えば、線形移動および/または回転軸を中心とする回転によって)移動させることができることを理解されたい。あるいは、多孔質膜が1点を中心に回転している(例えば、多孔質膜が1つの位置で回転軸を中心に回転している)ときに、検出システムを(例えば、線形移動によって)移動させることができる。あるいは、多孔質膜と検出システムの両方が移動することができ、これらの相対位置を互いに対して測定できるようにすることが可能である。
特定の実施形態では、ステップ(a)で、細胞を、以下により詳細に説明される生死判別染色剤および/または生死判別染色システムを用いて標識する。
検出方法は、単一細胞、細胞クラスター、または細胞のコロニーに対して行うことができる。例えば、アッセイの感度を高める特定の状況下では、細胞を蛍光染料および蛍光消光剤に曝露する前および/または最中および/または後で細胞増殖ができる条件下で細胞を培養することが望ましいであろう。増殖培地、温度、および培養期間の選択を含む培養条件は、サンプル中の少なくとも1つの細胞が1回以上細胞分裂できるように選択することができる。
特定の態様では、蛍光染料または蛍光消光剤を励起するために使用される光ビームは、約350nm〜約1000nm、約350nm〜約900nm、約350nm〜約800nm、約350nm〜約700nm、または約350nm〜約600nmの範囲の波長を有する。例えば、励起光の波長は、約350nm〜約500nm、約350nm〜約500nm、約350nm〜約600nm、約400nm〜約550nm、約400nm〜約600nm、約400nm〜約650nm、約450nm〜約600nm、約450nm〜約650nm、約450nm〜約700nm、約500nm〜約650nm、約500nm〜約700nm、約500nm〜約750nm、約550nm〜約700nm、約550nm〜約750nm、約550nm〜約800nm、約600nm〜約750nm、約600nm〜約800nm、約600nm〜約850nm、約650nm〜約800nm、約650nm〜約850nm、約650nm〜約900nm、約700nm〜約850nm、約700nm〜約900nm、約700nm〜約950nm、約750〜約900nm、約750〜約950nm、または約750〜約1000nmの少なくとも1つの範囲である。特定の範囲は、約350nm〜約600nmおよび約600nm〜約750nmを含む。
利用される1つまたは複数の蛍光標識によって、光検出器は、350nm〜約1000nm、約350nm〜約900nm、約350nm〜約800nm、約350nm〜約700nm、または約350nm〜約600nmの範囲の放射光を検出することができる。例えば、蛍光発光は、約350nm〜550nm、約450nm〜約650nm、約550nm〜約750nm、約650nm〜約850nm、または約750nm〜約950nm、約350nm〜約450nm、約450nm〜約550nm、約550nm〜約650nm、約650nm〜約750nm、約750nm〜約850nm、約850nm〜約950nm、約350nm〜約400nm、約400nm〜約450nm、約450nm〜約500nm、約500nm〜約550nm、約550nm〜約600nm、約600nm〜約650nm、約650nm〜700nm、約700nm〜約750nm、約750nm〜約800nm、約800nm〜約850nm、約850nm〜約900nm、約900nm〜約950nm、または約950nm〜約1000nmの範囲内で検出することができる。特定の実施形態では、放射光は、約660nm〜約690nm、約690nm〜約720nm、および/または約720nm〜約850nmの範囲で検出される。
膜は、任意の様々な形状、例えば、円形、環状、卵形、正方形、長方形、楕円形などとすることができ、かつ細胞の保持のために一側の一部または全てを露出させることができる。さらに、膜に、マスクを収容する1つ以上の開口を形成することができ、この膜は、マスクまたは他の構造要素と共に組み立てられるいくつかの別個の膜から形成することができる。一実施形態では、膜は、ディスク、例えば、実質的に平面のディスクの形状とすることができる。利用される検出システムによっては、多孔質膜は、約350nm〜約1000nmの範囲の波長を有する光に曝露されたときに実質的に非自家蛍光性である。さらに、多孔質膜は、最大約100μmの平面度公差を有し得る。さらに、多孔質膜は、この多孔質膜を流体は通過するが細胞はこの多孔質膜に保持されるように約1μm未満の平均直径を有する複数の孔を画定することができる。多孔質膜は、1μm〜3,000μm、10μm〜2,000μm、および100μm〜1,000μmからなる群から選択される範囲の厚さを有し得る。
特定の実施形態では、細胞収集システムは、膜の第2の反対の面の少なくとも一部に隣接した流体透過性支持部材をさらに含む。この流体透過性支持部材は、例えば、多孔質プラスチックフリットの形態であり、この透過性支持部材に隣接して配置された多孔質膜の水分を維持するために十分な流体を保持し、この水分の維持は、特定の実施形態では、多孔質膜によって保持された細胞の生存を維持するために重要であり得る。この支持部材は、0.1mm〜10mm、0.5mm〜5mm、および1mm〜3mmからなる群から選択される範囲の厚さを有し得る。
加えて、検出システム用に正の対照を含むことが可能である。結果として、この方法は、サンプル中の細胞を、約350nm〜約1000nmの範囲の波長を有する光によって活性化されると蛍光信号を放射する複数の蛍光粒子に結合させるステップをさらに含み得る。その後、1つ以上の蛍光粒子によって生じた蛍光信号を、検出システムによって、生存細胞を検出すると同時に検出することができる。
この方法を使用して、液体サンプルの少なくとも一部における生存細胞の量を検出することができる。さらに、検出システムを使用して、透過性膜上の生存細胞の位置を決定することができる。細胞の位置を決定するために、細胞収集システムは、この膜に関連した基準部(register)(例えば、線、点、または他のマーク、印、もしくは機能構造)を任意選択でさらに含み、これにより、平面膜の少なくとも一部に保持された細胞の位置を決定することができる。ディスク型の膜の場合、極座標(即ち、ラジアル「r」および角度「θ」座標位置)が適切であり得る。
検出ステップの後に、生存細胞を、多孔質膜によって収集された生存細胞が成長および/または増殖できる条件下で培養することができる。生存微生物の属および/または種を、標準的な手法、例えば、微生物学的染色および可視化法、または分子生物学的手法、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応、およびローリングサークル複製などの増幅法、ならびに核酸の配列決定によって決定することができる。
これらおよび他の目的、ならびに本明細書に開示される本発明の実施形態の利点および特徴は、以下の説明、添付の図面、および特許請求の範囲の参照により、より明らかになるであろう。さらに、本明細書に説明される様々な実施形態の特徴は、相互に排他的ではなく、様々な組み合わせおよび順序で存在し得ることを理解されたい。
図面において、同様の参照符号は一般に、異なる図面でも同じ要素を指す。また、図面は、必ずしも正確な縮尺ではなく、むしろ本発明の原理の例示は、一般に強調される。以下の説明では、本発明の様々な実施形態が、以下の図面を参照して説明される。
図1Aは、細胞サンプル中の生存細胞の存在および/または量を決定するために使用することができる例示的な検出システムの概略図である。 図1Bは、ドアが閉じられた位置にある例示的な検出システムの概略斜視図である。 図1Cは、ドアが開いた位置にある図1Bの例示的な検出システムの概略斜視図である。 図1Dは、タッチスクリーンが持ち上げられた位置にある図1Bの例示的な検出システムの概略斜視図である。 図2Aは、例示的な膜アセンブリの概略上面図である。図2Bは、図2Aの膜アセンブリの概略的な組立分解側面図である。 図3Aおよび図3Bは、例示的な膜アセンブリの概略図である。 図4Aは、透過性膜および流体透過性支持部材を有する例示的な膜アセンブリの概略的な組立分解側面図である。図4Bは、図4Aの例示的な透過性膜アセンブリの概略側面図である。 図5Aは、例示的な細胞収集カップおよび対応するベースの概略斜視図である。図5Bは、膜アセンブリを示す図5Aのカップおよびベースの概略部分破断図である。図5Cは、組み立てられていない状態の図5Bのカップ、ベース、および膜アセンブリの概略斜視図である。 図5Dは、図5Aのベースの概略斜視図である。図5Eは、異なる膜ホルダーアセンブリおよび別個のホルダーのポストを備えた図5Bのカップおよびベースの概略的な部分断面図である。 図6A〜図6Bはそれぞれ、蓋、カップ、膜、およびベースを有するカップアセンブリの概略斜視図、概略側面図、概略上面図、および概略底面図である。 図6C〜図6Dはそれぞれ、蓋、カップ、膜、およびベースを有するカップアセンブリの概略斜視図、概略側面図、概略上面図、および概略底面図である。図6Eは、図6Aの蓋の概略的な底面斜視図である。図6Fは、図6Aの蓋の概略側面図である。 図7A〜図7Bはそれぞれ、図6Aのカップアセンブリに示されているカップ部材の概略斜視図、概略側面図、概略上面図、および概略底面図である。 図7C〜図7Dはそれぞれ、図6Aのカップアセンブリに示されているカップ部材の概略斜視図、概略側面図、概略上面図、および概略底面図である。 図8A〜図8Bはそれぞれ、図6Aのカップアセンブリのベースの概略斜視図、概略上面図、概略底面図、および概略側面図である。 図8C〜図8Dはそれぞれ、図6Aのカップアセンブリのベースの概略斜視図、概略上面図、概略底面図、および概略側面図である。 図9Aは、膜および下側の透過性支持部材の部分破断図を示す図8Aのベースの概略斜視図である。図9Bは、図9Aのベース(完成した膜および下側の透過性支持部材)の概略上面図、概略底面図、および概略側面図である。 図9C〜図9Dは、図9Aのベース(完成した膜および下側の透過性支持部材)の概略上面図、概略底面図、および概略側面図である。 図10Aは、図6Aのカップアセンブリの概略的な組立分解斜視図である。 図10Bは、膜および透過性支持部材を備えていない図6Aのカップアセンブリの概略断面図である。 図10Cは、膜、透過性支持部材、およびベース蓋を備えた図9Aのベースの概略断面図である。 図11Aは、透過性膜上に細胞を収集するプロセスを示している。 図11Bは、チャック、ステージ、ベース、支持部材、膜、およびベース蓋の構成要素の概略的な組立分解斜視図を示している。 図12Aは、例示的な蛍光染料の発光(破線、蛍光強度の単位(I))と例示的な消光剤の吸光スペクトル(実線、吸光度または光学濃度(O.D.))との間のスペクトルの重複の概略図である。 図12Bは、本明細書で説明される細胞生死判別アッセイに使用される染料と消光剤の対を選択する2つのアプローチを立証する、例示的な蛍光染料の発光スペクトルと例示的な消光剤との間のスペクトルの重複を示す概略図である。 図12Cは、本明細書で説明される細胞生死判別アッセイに使用される染料と消光剤の対を選択する2つのアプローチを立証する、例示的な蛍光染料の発光スペクトルと例示的な消光剤との間のスペクトルの重複を示す概略図である。 図13Aは、図1Aのシステムと共に使用される例示的な膜ホルダーの概略的な組立分解断面側面図である。図13Bは、図13Aの膜ホルダー(ステージ)と共に使用される磁石の構成の概略図である。 図13Cは、膜アセンブリおよびチャックを備えた図13Aの膜ホルダー(ステージ)の概略的な組立分解斜視図である。 図13Dは、組み立てられた構造にある図13Cの膜ホルダー、膜アセンブリ、およびチャックの概略斜視図である。 図14A〜図14Cはそれぞれ、例示的なステージの概略斜視図、概略上面図、および概略底面図である。 図15A〜図15Bは、例示的なチャックの概略斜視図、概略上面図、概略底面図、および概略側面図である。 図15C〜図15Dは、例示的なチャックの概略斜視図、概略上面図、概略底面図、および概略側面図である。 図16Aは、ベースを収容する例示的な膜ホルダー(ステージ)の概略斜視図である。図16Bは、図16Aの膜ホルダーと共に使用される例示的なベースの概略斜視図である。図16Cは、組み立てられていない構造にある図16Aの例示的な膜ホルダーおよび図16Bのベースの概略斜視図である。図16Dは、膜ホルダーから延びて、ベースによって画定された機能部(operative)を通過しているポストを示す、組み立てられた構造にある図16Aの例示的な膜ホルダーおよび図16Bのベースの概略斜視図である。 図17Aは、生存細胞および非生存細胞の両方に浸透する膜透過性蛍光染料ならびに選択的に非生存細胞に浸透する膜不透過性消光剤で染色された後の生存(生)細胞および非生存(死)細胞の概略図である。 図17Bは、生存細胞および非生存細胞の両方に浸透する膜透過性核酸結合蛍光染料ならびに選択的に非生存細胞に浸透する膜不透過性核酸結合消光剤で染色された後の生存(生)細胞および非生存(死)細胞の概略図である。 図18は、図17Aまたは図17Bに示されている例示的な生死判別染色システムで染色された生存細胞および非生存細胞を示す透過性膜の一部分の概略図である。 図19A〜図19Bはそれぞれ、正の対照ビーズが示されている生存細胞および非生存細胞の写真である。 図20A〜図20Bはそれぞれ、例示的な生死判別染色システムを用いた生存細胞および非生存細胞の位相コントラスト画像および蛍光画像を示している。 図21A〜図21Bは、例示的な生死判別染色システムを用いた生存細胞および非生存細胞の位相コントラスト画像および蛍光画像である。 図22は、透過性膜に収集され、例示的な生死判別染色システムを用いて染色され、図1Aに示されている検出システムを用いて回転ディスク上で蛍光事象として検出された生存細胞(大腸菌(E.coli)およびカンジダアルビカンス(Candida albicans))の画像である。 図23A〜図23Dは、核酸結合蛍光染料と核酸結合蛍光消光剤の例示的な対で染色された生存微生物および非生存微生物の混合集団の位相コントラスト画像および蛍光画像である。 図23E〜図23Hは、核酸結合蛍光染料と核酸結合蛍光消光剤の例示的な対で染色された生存微生物および非生存微生物の混合集団の位相コントラスト画像および蛍光画像である。 図23I〜図23Jは、核酸結合蛍光染料と核酸結合蛍光消光剤の例示的な対で染色された生存微生物および非生存微生物の混合集団の位相コントラスト画像および蛍光画像である。 図24A〜図24Dは、核酸結合蛍光染料と核酸結合蛍光消光剤の例示的な対で染色された生存微生物および非生存微生物の混合集団の位相コントラスト画像および蛍光画像であり、細胞が、落射蛍光顕微鏡を用いて(図24A〜図24Dにおいて、位相コントラスト画像が図24Aおよび図24Cに示され、対応する蛍光画像がそれぞれ、図24Bおよび図24Dに示されている)、または図1Aに示されている検出システムを用いて画像化されている。 図24Eは、核酸結合蛍光染料と核酸結合蛍光消光剤の例示的な対で染色された生存微生物および非生存微生物の混合集団の位相コントラスト画像および蛍光画像であり、細胞が、落射蛍光顕微鏡を用いて(図24A〜図24Dにおいて、位相コントラスト画像が図24Aおよび図24Cに示され、対応する蛍光画像がそれぞれ、図24Bおよび図24Dに示されている)、または図1Aに示されている検出システムを用いて画像化されている。
本発明は、細胞収集システム、細胞収集システムで細胞を収集する方法、生存細胞(例えば、細胞収集システムで収集される生存細胞)を選択的に染色する方法、および細胞サンプル(例えば、液体サンプル)中の生存細胞の存在および/または量を決定する方法に関する。細胞収集システムおよび/または様々な方法は、単独または組み合わせて使用して、細胞を含むサンプル中の生存細胞の存在および/または量を決定することができ、特に、目的の特定のサンプルのバイオバーデン(例えば、サンプル中の生存細胞の数および/またはパーセンテージおよび/または画分)を決定することができる。細胞収集システムおよび様々な方法を使用して、液体サンプル(例えば、水サンプル)、飲料液(例えば、ワイン、ビール、牛乳、または粉ミルクなど)、体液(例えば、血液、リンパ液、尿、または脳脊髄液など)、増殖培地、ならびに目的の供給源から細胞を(例えば、綿棒によって)収集して、細胞が存在する場合に、この収集した細胞を液体(例えば、緩衝液または増殖培地)に分散および/または懸濁することによって調製された液体サンプルにおける細胞のバイオバーデンを測定することができる。
本明細書で説明される装置および方法を使用することにより、サンプル中の生存細胞の存在および/または量を、生存細胞が細胞収集システムの多孔質膜に収集されてから約2時間未満、約1時間未満、さらには約30分未満で決定することが可能であると考えられる。しかしながら、所望の感度によっては、細胞増殖するように多孔質膜に収集された細胞を(例えば、15分から数時間)培養することが可能であると考えられる。とは言え、本明細書で説明される装置および方法を使用することにより、たとえ培養ステップを含む場合でも、サンプル中の生存細胞の存在および/または量を、当分野で利用可能な他の技術よりも遥かに迅速に決定することが可能である。
本発明の様々な態様および特定の実施形態のそれぞれを以下に詳細に説明する。
(1)細胞収集システム
本明細書で説明される細胞収集システムは、生存細胞の存在を検出する光検出システムと共に使用することができる。この結果を使用して、目的の特定のサンプルのバイオバーデン(例えば、サンプル中の生存細胞の数および/またはパーセンテージおよび/または画分)を測定することができる。検出システムの例が、例えば、2010年11月3日出願の国際出願PCT/IB2010/054965号明細書、2011年2月24日出願の米国特許出願第13/034,402号明細書、2010年11月3日出願の国際出願PCT/IB2010/054966号明細書、2011年2月24日出願の米国特許出願第13/034,380号明細書、2010年11月3日出願の国際出願PCT/IB2010/054967号明細書、および2011年2月24日出願の米国特許出願第13/034,515号明細書に記載されている。図1Aに概略的に示されている例示的なシステム100の一実施形態は、(i)細胞が配置される多孔質膜が回転軸140を中心に回転する回転プラットフォーム130および(ii)光源180(例えば、白色光源またはレーザー光源(例えば、近赤外線レーザー))を備える検出システム170に対して線形に(経路160を参照)に移動する可動プラットフォーム150含むサンプルアセンブリ120、ならびに少なくとも1つの検出器190、例えば、蛍光検出器を備えている。光源180からの光ビーム(励起光)が、回転プラットフォーム130およびその上に配置された平面膜に衝当し、放射光が検出器190によって検出される。光源180および検出器190は、光ビームが衝突し、実質的に同じ角度でプラットフォーム130から離れるように、プラットフォーム130に対して同様の角度で配置することができる。特定の状況では、検出システムは、1つの波長範囲(図12Bを参照)または複数の波長範囲を検出する1つの検出器からなる。あるいは、検出システムは、それぞれが異なる波長範囲を検出する複数の検出器からなる。
図1B〜図1Dは、エンクロージャー110およびディスプレイ(例えば、タッチスクリーン)112を備える例示的な細胞検出器システム100を示している。エンクロージャー110は、回転プラットフォーム130を収容する大きさであり、この回転プラットフォーム130には、このエンクロージャー110のドア114からアクセスすることができる。エンクロージャー110は、概ね10インチ×10インチ×12インチ(長さ×幅×高さ)である図示されている底辺が長方形の角柱を含む様々な形状およびサイズで製造することができる。他の形状として、特に、立方体、円柱、球体、または他の角柱を挙げることができる。寸法は、形状によって異なり得るが、エンクロージャー110は、数インチから数フィートの範囲の大きさとすることができ、適用例によっては、これよりも大きくすることも、小さくすることも可能である。図1Bは、ドア114が閉じた構造にある細胞検出システムを示し、図1Cは、回転プラットフォーム130を示すためにドア114が開いた構造にある同じシステムを示している。タッチスクリーン112は、システム100の動作を制御するユーザーインターフェイスとなり、システム100の現在の動作パラメータに関する情報を表示することができる。タッチスクリーン112は、操作をより容易にするために、より直立した位置(図1Dに示されている)に調整することができる。特定の実施形態では、タッチスクリーン112は、直立位置にある場合にのみ機能する。他の実施形態では、タッチスクリーン112は、常に機能するか、または選択時(例えば、使用者が操作するとき)のみ機能する。
このような検出システムは、細胞が、固体支持体上に配置される場合、または他の方法で厳密な平面交差(例えば、最大約100μm(±50μm)、例えば、最大約10μm(±5μm)、最大約20μm(±10μm)、最大約30μm(±15μm)、最大約40μm(±20μm)、最大約50μm(±25μm)、最大約60μm(±30μm)、最大約70μm(±35μm)、最大約80μm(±40μm)、最大約90μm(±45μm)の平面度公差の範囲内)で平面の向きに維持される場合に最適に動作し、これにより、検出システムによって細胞を狭い焦点面内で容易に可視化できることを理解されたい。動的集束システムが利用される場合は、100μmを超える平面度公差を許容できると考えられる。従って、膜および収集された全ての細胞を、適切で厳密な平面度公差の範囲内で実質的に平面の向きに維持して信頼性の高い検出を可能にする支持システムを使用することが好ましいであろう。検出システムおよび検出後の要件によって、支持システムは、細胞を含む溶液が支持固体に設けられた細孔を通って支持固体を通過し、細胞がこの支持体に収集された後に、乾燥した状態および/または濡れたもしくは湿った状態で膜を平面にする、および/またはこの平面性を維持するように構成することができる。
本発明は、少なくとも一部分が細胞を保持するように構成された第1の露出表面を備える流体透過性の平面膜を含む細胞収集システムを提供する。この一部分は、(i)細胞を膜上に保持すると共に流体がこの部分を通過できるように約1μm未満の平均直径を有する複数の細孔を画定することができ;(ii)約350nm〜約1000nmの範囲の波長を有する光に曝露されたときに実質的に非自家蛍光性とすることができ;かつ(iii)最大でも約100μmの平面度公差を有することができる。細胞収集システム100は、平面膜の少なくとも一部に保持された細胞(例えば、生存細胞)の位置を決定できるように、この膜に関連した基準部(register)(例えば、線、点、または他のマーク、印、もしくは機能構造)を任意選択でさらに含み得る。ディスク型の膜の場合、極座標(即ち、ラジアル「r」および角度「θ」座標位置)が適切であろう。
膜は、任意の様々な形状、例えば、円形、環状、卵形、正方形、長方形、楕円形などとすることができ、かつ細胞の保持のために1つの側の一部または全てを露出させることができる。さらに、膜に、マスクを収容する1つ以上の開口を形成することができ、この膜は、マスクまたは他の構造要素と共に組み立てられるいくつかの別個の膜から形成することができる。一実施形態では、膜は、ディスク、例えば、実質的に平面のディスクの形状とすることができる。特定の実施形態では、細胞および/または粒子を収集する多孔質膜の部分は、400mm、500mm、600mm、700mm、800mm、900mm、または1,000mmよりも広い。膜(例えば、ディスクの形態)は、概ね1μm〜3,000μm、10μm〜2,000μm、および100μm〜1,000μmからなる群から選択される範囲の厚さを有し得る。
特定の実施形態では、細胞収集システム100は、膜の第2の反対の面の少なくとも一部に隣接した流体透過性支持部材をさらに含む。この流体透過性支持部材は、例えば、平滑な平面多孔質プラスチックフリットの形態であり、この透過性支持部材に隣接して配置された多孔質膜の水分を維持するために十分な流体を保持し、この水分の維持は、特定の実施形態では、多孔質膜に保持された細胞の生存を維持するために重要であり得る。この支持部材は、概ね0.1mm〜10mm、0.5mm〜5mm、および1mm〜3mmからなる群から選択される範囲の厚さを有し得る。
特定の実施形態では、細胞収集システム100は、膜の第1の表面の少なくとも別の部分に近接したマスクをさらに含む。デザインの構成によっては(例えば、多孔質膜がディスクである場合)、マスクは、円形または環状、任意選択で放射状スポークまたは支持体とすることができる。
多孔質膜は、細胞がこの膜に保持されたまま流体がこの膜を通過できるように約1μm未満の平均直径を有する複数の細孔を画定している。特定の実施形態では、平均細孔径は、約0.9μm、約0.8μm、約0.7μm、約0.6μm、約0.5μm、約0.4μm、約0.3μm、約0.2μm、約0.1μm、もしくは約0.05μm、または約0.9μm未満、約0.8μm未満、約0.7μm未満、約0.6μm未満、約0.5μm未満、約0.4μm未満、約0.3μm未満、約0.2μm未満、約0.1μm未満、もしくは約0.05μm未満である。特定の実施形態では、平均細孔径は約0.2μmであり、他の実施形態では、平均細孔径は約0.4μmである。適切な膜は、ナイロン、ニトロセルロース、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリエステル、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、および酸化アルミニウムから形成することができる。
加えて、多孔質膜は、約350nm〜約1,000nmの範囲の波長を有する光に曝露されたときに実質的に非自家蛍光性である。多孔質膜に関して本明細書で使用される「約350nm〜約1,000nmの範囲の波長を有する光ビームに曝露されたときに実質的に非自家蛍光性」という語は、膜に配置された蛍光標識細胞または蛍光粒子が蛍光発光するのに十分な波長、フルエンス、および放射照度を有する光ビームで照射されたときに、多孔質膜が、これらの蛍光標識細胞または蛍光粒子よりも弱い蛍光を発光することを意味することを理解されたい。使用者および/または検出器が、蛍光粒子または蛍光標識細胞から生じる蛍光事象を多孔質膜から生じるバックグラウンド蛍光と容易かつ確実に区別できるべきであることを理解されたい。多孔質膜は、このような多孔質膜に配置された蛍光粒子または蛍光標識細胞を検出または可視化することが可能となるように選択される。特定の実施形態では、光ビームが照射された多孔質膜の領域(例えば、可視化される細胞、細胞コロニー、または粒子とほぼ同じ表面積を有する領域)から放射される蛍光は、同じ条件下で測定すると、例えば、同じ波長、フルエンス、および/または放射照度を有する光ビームを用いて蛍光粒子または蛍光標識細胞から放射される蛍光の約30%以下(例えば、30%未満、27.5%未満、25%未満、22.5%未満、20%未満、17.5%未満、15%未満、12.5%未満、10%未満、7.5%未満、5%未満、または2.5%未満)であり得る。
非自家蛍光性である適切な膜は、膜、例えば、カーボンブラックが含浸された、または不活性金属、例えば、限定されるものではないが、金、スズ、またはチタンでスパッタリングされたナイロン、ニトロセルロース、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリエステル、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはポリエチレンの膜から形成することができる。実質的に非自家蛍光性である適切な細孔径を有する膜として、例えば、Isopore膜(Merck Millipore)、Nucleopore Track−Etch膜(Whatman)、ipBLACK Track Etched膜(AR Brown,Pittsburgh,PAが販売)、およびポリカーボネート(PCTE)膜(Sterlitech)が挙げられる。
収集された細胞の正確な検出および数の推定を容易にするためには、細胞の検出中に膜が実質的に平面である(例えば、実質的にシワにならない)ことが有利である(場合によっては必須であり、検出システムの構成および能力によって決まる)。本明細書で使用される「実質的に平面」という語は、物品が概ね100μm未満の平面度公差を有する意味であることを理解されたい。これは、高さの不完全性(例えば、シワ)が、光検出/測定システムを妨害し、誤った結果を導くことがあるためである。結果として、多孔質膜が、乾燥および/または湿潤状態である場合、および検出条件によっては)、検出システムの検出能力の範囲内で比較的厳密な平面度公差を維持することが重要であろう。以下に説明する様々なアプローチにより、サンプル液の細胞が多孔質膜に収集された後も、この多孔質膜が実質的に平らを維持することができ、他のアプローチは、本明細書の説明から当業者には明白であろう。
特定の実施形態では、細胞収集システムは、複数の検出可能な粒子、例えば、蛍光粒子をさらに含む。蛍光粒子は、少なくとも約350nm〜約1000nmの範囲の波長、約350nm〜約600nmの範囲の波長、約600nm〜約750nmの範囲の波長、または上述の波長範囲のいずれかを有する光ビームによって励起されるように構成することができる。細胞収集システム、細胞収集法、検出システム、および生存細胞を検出する方法の1つ以上が正確に機能するように、これらの粒子を陽性対照の一部として使用することができる。
細胞収集システムのデザインによっては、粒子(例えば、蛍光粒子)は、多孔質膜の少なくとも一部の上に予め設けても良いし、またはマスクに形成されたウェル内に設けても良い。あるいは、粒子(例えば、蛍光粒子)は、液体サンプルを多孔質膜を通す前にこの液体サンプルと混合しても良い。このようなアプローチでは、蛍光粒子は、目的のサンプルが加えられる容器内で乾燥させることができる。その後、粒子を液体サンプル中に再懸濁および/または分散させることができる。あるいは、蛍光粒子は、目的の液体サンプルと混合される第2の溶液中に含めることができる。その後、粒子を液体サンプル中に分散させることができる。
図2Aは、多孔質平面膜202およびフレーム(またはマスク)204を含む例示的な膜アセンブリ200を示し、このフレーム204は、多孔質膜202を実質的に平らに保持する、即ち、著しいシワが発生しないようにする。図示されているように、フレーム204は、複数のスポーク(例えば、張力スポーク)204cによって外周部分または外側リム204bに接続された中心部分204aを備えている。204c’として示されている1つのスポークは、他のスポーク204cよりも太くすることができ、膜に配置された細胞の座標(例えば、r値、θ値)を測定することができる基準部を表し、rは、回転軸から測定される径方向距離であり、θは、(i)回転点と細胞を通る径方向の線と(ii)基準部204c’との間の夾角である。
膜202は、約1μまたは約1μm未満、例えば、約0.9μm、約0.8μm、約0.7μm、約0.6μm、約0.5μm、約0.4μm、約0.3μm、約0.2μm、約0.1μm、もしくは約0.05μm、または約0.9μm未満、約0.8μm未満、約0.7μm未満、約0.6μm未満、約0.5μm未満、約0.4μm未満、約0.3μm未満、約0.2μm未満、約0.1μm未満、もしくは約0.05μm未満の平均直径を有する複数の細孔を備えている。従って、細胞および/または粒子を含む液状流体が膜202に接触すると、この流体は、細孔を介して膜を通過するが、細胞および/または粒子は、膜202の表面に保持される。膜202は、約350nm〜約1000nmの範囲の波長を有する光に曝露された場合、実質的に非自家蛍光性である。さらに、膜202は、関連する検出システムによって検出のために拘束または構成されると、約100μm以下の平面度公差を有する平滑な表面を有する。
図2Bに示されているように、膜202は、第1の表面214およびこの第1の面の反対側の第2の表面216を有する。第1の表面214は、例えば、接着層218によってフレーム204に固定することができる。中心部分204aは、膜202の中心部分に固定することができる。図示されている実施形態では、膜202の直径は、外側リム204bの直径とほぼ同じであり、結果として、外側リム204bが、膜202の外周部に固定される。スポーク204cが、中心部分204aから放射状に延び、このスポーク204cを膜202に取り付けることができる。この構成は、膜202を実質的に平らに保持して、シワの発生を防止または最小限にすることができる。さらに、シワの発生を、中心部分204aに対して下方の圧力を加えて、膜202の表面の張力を増大させることによって軽減する、または無くすこともできる。
別のアプローチでは、図3Aに示されているように、円形膜アセンブリ300は、上面304を有する多孔質膜202を含む。表面304の中心部分に取り付けられた中心マスク306は、膜202を実質的に平らに保持する。膜アセンブリ300では、流体サンプル中に細胞が僅かでも存在する場合は、細胞は、マスク306によって覆われていない表面304の露出部分で収集される。膜アセンブリ300は、以下に説明されるように、検出中に膜の所望の平面度を維持することができる流体透過性多孔質支持部材に配設することができる。あるいは、またはこれに加えて、膜202を実質的に平らに維持するために、マスク306に対して下方の圧力を加えることができる。マスク306に適した材料として、プラスチック、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、および撥水性を有する他の材料が挙げられる。
図3Bは、図3Aに示されている膜アセンブリ300に類似した膜アセンブリ310を示している。マスク316は、マスク306に類似しているが、マスク316は、突出部またはニップル318を有し、これにより、使用者が、アセンブリ310(膜202を含む)を指または鉗子で持ち上げて、このアセンブリ310を別の位置、例えば、膜ホルダーに移動させることができる。また、マスク316の上面が、基準部として機能し得るウェル320を画定し、これにより、膜202の表面304で検出される粒子または細胞の位置を、ウェル320を基準に表すことができる。あるいは、またはこれに加えて、検出されるべき対照粒子を、最初にウェル320に配設することができる。特定の他の実施形態では、マスクは、突出部とウェルの両方ではなく、いずれか一方を備えても良い。
別のアプローチでは、図4Aおよび図4Bに示されているように、フレーム204またはマスク306もしくは316を用いずに、多孔質膜202を流体透過性の固体支持部材404に配置することによって多孔質膜202を膜アセンブリ400に配設して多孔質膜202を実質的に平らな構造に維持することができる。一実施形態では、多孔質膜202が濡れている場合、この膜202と固体支持部材404との間の表面の張力により、膜202の底面が支持部材404の合わせ上面406にぴったり合う。例えば、一実施形態では、支持部材404は、例えば、膜202が濡れている場合にこの膜を実質的に平らな構造に維持する、流体透過性で固体の実質的に平面の要素とすることができる。支持部材404は、多孔質であり、合わせ上面406は、実質的に平らで平滑である。別の実施形態では、固体支持部材404は、非毒性接着剤、例えば、ポリイソブチレン、ポリブテン、ブチルゴム、スチレンブロックコポリマー、シリコーンゴム、アクリルコポリマー、またはこれらの一部の組み合わせでコーティングされる。下方の圧力が加えられる、例えば、真空がかけられると、多孔質膜202は、固体支持部材404に軽く付着し、これにより、多孔質膜が、固体支持部材404の表面406に適合する。支持部材404は、多孔質であり、合わせ上面406は、実質的に平らで平滑である。例えば、一実施形態では、表面406は、最大約100μm未満の平面度公差を有する。支持部材404の直径は、膜202の直径とほぼ同じであり、好ましくは、支持部材404は、実質的に均一の厚さを有する。支持部材は、概ね0.1mm〜10mm、0.5mm〜5mm、および1mm〜3mmからなる群から選択される範囲の厚さを有し得る。多孔質支持部材404を形成するのに適した材料として、プラスチック、ポリカーボネート、高密度ポリエチレン(HDPE)、ガラス、および金属が挙げられる。一実施形態では、支持部材404は、粒子の融点に近い温度および粒子の焼結が起きて粒子が互いに融合して均一な構造になる十分な圧力に維持して、0.15〜0.2mmの平均直径を有するポリ(メチルメタクリレート)から形成されたプラスチック粒子を焼結することによって製造することができる。
膜202および支持部材404は、円形として示されているが、これは単なる例示である。他の実施形態では、膜202および/または支持部材404は、正方形、長方形、および卵形などの形状にすることができる。一般に、支持部材が使用される場合は、その形状および表面積は、支持部材の表面が、そこに配設される膜とほぼ同じサイズまたはやや小さくなるように選択される。
膜202は、サンプル流体がこの膜202に注がれる前に支持部材404の実質的に平らで平滑な表面406に接触して配設される。全体的に平らな表面406は、サンプル流体が排出された後に膜202を実質的に平らに維持するのに役立つ。流体透過性固体支持体404は、膜202およびこの流体透過性固体支持体404を通過した流体の容器としても機能して、この膜202およびその上にある生存細胞が検出プロセス中に乾燥するのを防止するというさらなる利点も提供することができる。乾燥は、膜202に保持された細胞の生存にとって有害であり得る。
図5A〜図5Eを参照されたい。カップ502およびベース504を有するカップ/ベースアセンブリ500は、ベース504内に配設された膜(例えば、膜202)上の液体サンプル中に存在する細胞の収集を容易にするために使用される。ベース504は、表面506(図5Dを参照)、外壁508、およびリップ510を有する。表面506は、膜202を通過する液体の排出を容易にするために少なくとも1つの開口512、ならびに任意選択で円形および放射状の突出部または溝514を画定している。壁508は、リップ510の下に円周溝516を有する。特定の実施形態(図5Dを参照)では、カップ502は、ベース溝516に結合してカップ502をベース504に取り外し可能にインターロックするように構成された円周突出部522を有する壁520を備えている。壁520のリップ部分524、即ち、突出部522の下の部分は、内側に傾斜して、多孔質膜202の上面に接触するように構成された円周密封リップを形成している。リップ部分524はまた、カップ520とベース504との間に多孔質膜202(特定の実施形態では、フレーム200および/または支持部材404)を保持している。
より一般的には、膜および膜を全体的に平らに保持する全ての構成要素、例えば、スポークを有するホルダー(図2Aおよび図2Bを参照して説明された)、マスク(図3Aおよび図3Bを参照して説明された)、および/または支持部材(図4Aおよび図4Bを参照して説明された)は、カップ/ベースアセンブリ500内に収容してベース504の表面506上に配設することができる。次いで、カップ502を膜アセンブリ上に配設して、図5Eに示されているように、壁突出部522がベース504の溝516内に適合するようにする。この適合により、カップ502とベース504との間、特にこれらの間に収容された膜202に対する適切な位置合わせが保障される。リップ部分524の寸法(例えば、長さ、傾斜角度など)は、このリップ部分524が、ベース504内に配設された膜アセンブリ400を押圧して流体シールを形成し、平らな膜202となるように選択される。
図6A〜図6Dは、カップ/ベースアセンブリ550の別の実施形態を示している。カップ/ベースアセンブリ550は、多くの点でカップ502およびベース504と同様の機能を果たすカップ552およびベース554を有する。カップ/ベースアセンブリ550は、任意選択で、使用前も使用後もカップ552の内部が汚染されないようにする蓋556も備えることができる。支持部材558(例えば、支持体404)が、膜202を支持するためにベース554内に配設されている(図9Aおよび図9Bに示されている)。図示されている実施形態では、蓋556は、カップ552に適合するように実質的に円形であるが、任意の相補的な形状も適し得る。蓋556は、図6Eおよび図6Fに詳細に示され、カップ552の上部と蓋556の底面との間に小さいオフセットが生じるようにリッジ560を備えている。
図7A〜図7Dは、カップ552を詳細に示している。カップ552は、実質的に中空である上部562を備え、この上部562は、流体を注ぐことができる大きい断面積が得られるように上部に向かってテーパになっている。さらに、このテーパは、ベース554内に収容されるように構成された底部564に向かって流体を案内する。垂直セグメント566は、リップ部分568(リップ部分524に類似)が一定の角度で延びているベース554内にカップ552が配設されたときの安定性を高めることができる。さらに、膜202に接触する垂直部分570を設けることもできる。
図8A〜図8Dはベース554を示している。ベース554は、外部からの流体を収集することができる上部574を画定する外壁572を備えている。下部576は、ステージ(以下に詳細に説明される)内に収容されるように構成され、かつこのステージに取り付けられるときにぴったりと適合するようにテーパとすることができる。内壁578は、カップ552、より詳細には垂直セグメント566を収容する中心凹部580を画定している。垂直セグメント566と内壁578との間のぴったりとした適合および重なりは、カップ552がベース554に取り付けられているときに安定した適合を保障するのに役立つ。膜202を収容するレッジ582が、内壁578の底部に位置し、このレッジ582は、支持部材558を収容する凹部584を中央に画定している。ベース554と膜202と支持部材558との関係が、任意選択の蓋588(図9Aでは透明に示されている)と共に図9A〜図9Dに示されている。開口586を、開口512と同様にベース554の底部に設けることができる。
特定の実施形態では、細胞収集システム、特に多孔質膜は、10−6、10−7、10−8、または10−9未満の滅菌保障レベルを有する。これは、例えば、当分野で公知の技術、例えば、オートクレーブによる細胞収集システムの滅菌、電離放射線、例えば、γ放射線への曝露、または滅菌液もしくは気体、例えば、エチレンオキシドもしくは気化過酸化水素への曝露によって達成することができる。細胞収集システムは、滅菌の前、最中、または後で容器(例えば、バッグ)内に封入することができる。細胞収集システムは、容器(例えば、バッグ)内に配置して、最終滅菌(例えば、電離放射線への曝露による)の前に密封(例えば、気密封止)することができる。
別の実施形態では、本発明は、上述の態様および実施形態のいずれか1つの細胞収集システムを構成するベースと結合するように構成された環状シールおよび開口した円柱部分を備える細胞収集カップを提供する。細胞収集カップおよびベースは、本明細書に記載されるアプローチのいずれか1つまたは全てを使用して達成することができる、10−6、10−7、10−8、または10−9未満の滅菌保障レベルを有し得る。
(II)細胞収集法
図10Aは、例示的なカップ/ベースアセンブリ550の構成要素を示している。多孔質支持部材558および膜202が、ベース554の中心に配設される。次いで、カップ552が、膜202の上部に取り付けられ、これにより、この膜202が平らな位置に容易に維持される。カップ552の内部が汚染されないようにするためにカップ552の上部に蓋556を設けることができる。図10Bは、構成要素の取り付けを示している(膜202および支持部材558は示されていない。
使用の際に、サンプル流体がカップ552の中に注がれる。カップ552のテーパにより、流体が、膜アセンブリを濡らしてこの膜202を通過する。流体は、典型的には、ベース554に向かって膜アセンブリを(例えば、膜202、および多孔質支持部材558が使用される場合はこの多孔質支持部材558を通って)通過する。陰圧、例えば、真空を有利に利用して、流体を膜202を介して(例えば、図5Eの実施形態では、溝514を介して)開口586に吸引し、膜を実質的に平らに維持するのを容易にすることができる。流体が吸引されてカップ/ベースアセンブリ550を通過すると、膜202を通過できない流体中の全ての粒子および/または細胞が膜202の上側露出面に保持される。流体をカップアセンブリに注いだら、図10Cに示されているように、カップ552をベース554から分離して、蓋558をベース554の上部に載せることができる。ベースがステージ802(図11B)に移されるとき、または膜を202を含むベースが、収集した生存細胞の増殖のために、例えば、15分〜8時間インキュベートするときに、湿潤した膜202および支持部材558が汚染されないように、蓋588をベース554の上部に配置することができる。
細胞収集システムの組立、液体サンプルの細胞収集システムの通過、および例示的な光検出システムに使用される膜ホルダーの組立を示す例示的なフローチャートが図11Aに示されている。
図11Aを参照すると、ステップ601で、カップ/ベースアセンブリ550が用意される。ステップ603で、カップ/ベースアセンブリ550が真空システム(例えば、真空マニホールド606)に接続され、陰圧が、カップ/ベースアセンブリ550の下側にかけられる。ステップ605で、液体サンプルがカップ/ベースアセンブリ550の中に注がれ、この液体サンプル中に存在する全ての細胞が、多孔質膜202の上側露出面に保持される。この注ぐステップは、ステップ603の前、同時、または後で行うことができる。実質的に非自家蛍光性の膜は、約約5トル〜約10トルの真空で少なくとも5mL/cmまたは少なくとも10mL/cmの流量の通過を可能にすると考えられる。次いで、細胞を、例えば、セクションIIIで説明されるように、生死判別染色剤または生死判別染色システムで染色することができ、これにより、生存細胞を選択的に検出して、生存細胞と非生存細胞を区別することが可能である。任意選択で、細胞を生理学的に許容され得る塩および/または緩衝液で洗浄して、非特異的に結合した残存蛍光染料および/または消光剤を除去することができる。
ステップ607で、膜アセンブリが、典型的にはベース554と共にカップ552から取り外されるが、ベース554とは別個に取り外すことも可能であり得る。ステップ609で、ベース554が(従って膜202も)、ステージ802に配設される。ステップ611で、ステージ802がチャック804に配設される。ステージ802およびチャック804は、以下に詳細に説明される。ステップ609および611は、逆の順序で行っても良いし、または同時に行っても良い。ステージ802およびチャック804は、膜202の表面に収集された全ての細胞(生存細胞および/または非生存細胞)および/または粒子を検出するために、プロセスの開始時に図1Aの例示的な検出システム100に配置することができる。他の実施形態では、ステージ802および/またはチャック804は、検出システム100から離れた場所でベース554に取り付けることができる。
(III)細胞染色
細胞が透過性膜に収集されたら、細胞を、生死判別染色剤または生死判別染色システムを用いて染色して、生存細胞を検出する、または生存細胞と非生存細胞を区別することができる。特定の染色プロトコルは、様々な因子、例えば、検出される細胞、利用される染色剤または染色システム、ならびに細胞が迅速に染色されて検出されるか否か、または細胞が、一定期間、例えば、30分〜数時間培養されて細胞が増殖し、これにより1つの細胞ではなく複数の細胞が特定の位置で検出されるか否かによって決まる。例示的な染色、および必要な場合は培養プロトコルも、以下のセクションで説明される。
様々な染色剤および染色システムを使用して、生存細胞を非生存細胞に対して選択的に染色することができることを理解されたい。本明細書で使用される「非生存細胞」という語は、既に死んでいる細胞または細胞死の途中にある細胞を意味することを理解されたい。一部のアプローチは、生存細胞が、特定の試薬、例えば、トリパンブルー、アルシアンブルー、エオシンY、ニグロシン、プロピジウムヨウ素、臭化エチジウム、およびエチジウムモノアジドを排除する原理に基づいている。例えば、トリパンブルーを使用する場合、非生存細胞は青色に染色されるが、生存細胞は染色されない。他のアプローチは、生存細胞が、特定の試薬(例えば、蛍光染料)を取り込み、かつ/または修飾するが、非生存細胞はそうではないことに基づいている。生存細胞または非生存細胞のいずれかを選択的に標識する染料は、米国特許第5,534,416号明細書および国際公開第92/02632号パンフレットに記載されており、エステラーゼ依存性染料、核酸結合染料、染料依存性細胞内酸化、および膜電位感受性染料が挙げられる。
生存細胞を選択的に標識する生死判別染色剤および生死判別染色システムは様々な原理を利用できることを理解されたい。例えば、蛍光染料は、生存細胞および非生存細胞の両方に浸透することができるが、蛍光染料は、この蛍光染料が生存細胞内で活性化されるように生存細胞中で修飾され得る(例えば、活性化された染料は、細胞基質もしくは細胞器官などに結合し得る、または励起光に照射されると蛍光を発することができるようになり得る)、または生存細胞内で不溶性にされ得る。この修飾は、例えば、細胞内の酵素活性による細胞内の代謝活性の結果として生じ得る。例として、蛍光染料は、任意選択でエストラーゼ酵素の基質を含む。他のシステムは、蛍光染料と、励起時に蛍光染料による発光を消光する1種類の消光剤または2種類以上の異なる消光剤との組み合わせを使用することができる。他のシステムは、複数の蛍光染料または染料と消光剤との組み合わせを使用することができ、発光プロファイル(例えば、発光波長)は、第2の蛍光染料または消光剤の存在によって調節される。前述の各システムでは、複数の異なる蛍光染料、例えば、異なる細胞または細胞型、細胞小器官、構造、タンパク質、糖タンパク質、脂質、糖脂質、核酸、炭水化物などを標的とし、かつ/または染色する2種類、3種類、4種類、または5種類の異なる蛍光染料を利用して、非特異的無細胞事象ではなく、蛍光事象が実際に細胞によって引き起こされるという信頼性を高めることができることを理解されたい。
例として、例えば、細胞内の代謝活性(例えば、エステラーゼ酵素活性)によって生存細胞内で活性化され得る生死判別染色剤が、米国特許第5,314,805号明細書および同第5,534,416号明細書、米国特許出願公開第US2008/0305514号明細書、ならびに国際公開第92/02632号パンフレットに記載されている。一実施形態では、蛍光染料は、エステラーゼ基質を含み得る。エステラーゼ基質膜透過性染料は、修飾蛍光染料を無傷の生存細胞内に閉じ込めるカルボキシル基を生成する生存細胞中のエステラーゼ酵素によって化学修飾される。このような場合、膜不透過性消光剤を用いることによって、または中性洗剤を用いて細胞外領域もしくは非生存細胞からの全ての蛍光を除去することによってバックグラウンド蛍光を低減することができる。このようなアプローチでは、生存細胞のみが検出される。限定されるものではないが、カルセインブルーAM(Calcein Blue AM)、カルボキシカルセインブルーAM(Carboxycalcein Blue AM)、フルオレセインジアセテート、カルボキシフルオレセインジアセテート、5−カルボキシフルオレセインジアセテートAM、スルホフルオレセインジアセテート、BCECF−AM、およびカルセインAM(Calcein AM)を含む例示的なエステラーゼ基質をベースとした膜透過性染料が、米国特許第5,534,416号明細書で論じられている。
生存細胞ではなく非生存細胞を優先的に標識する(例えば、生存細胞ではなく非生存細胞の膜を通過する)蛍光染料として、例えば、PO−PRO−1、BO−PRO−1、YO−PRO−1、TO−PRO−1、PO−PRO−3、BO−PRO−3、YO−PRO−3、TO−PRO−3、POPO−1、BOBO−1、YOYO−1、POPO−3、BOBO−3、YOYO−3、および臭化エチジウムが挙げられる(米国特許第5,534,416号明細書)。
加えて、本発明の実施に有用な蛍光染料は、細胞内の核酸に結合する染料を含むものと達成される。染料は、生存細胞に浸透して生存細胞内の核酸に結合する、非生存細胞に浸透して非生存細胞内の核酸に結合する、または生存細胞および非生存細胞に浸透してこれらの細胞内の核酸に結合することができる。染料の選択は、利用される検出プロトコルによって決まる。
様々な生死判別染色システムが開発され、例えば、米国特許出願第2008/0305514号明細書、米国特許第5,314,805号明細書および同第5,534,416号明細書、カナダ特許出願第02236687号明細書、ならびに国際出願第2011/124927号明細書に記載されており、このようなシステムでは、生存細胞が1つの蛍光染料で標識され、非生存細胞が、第2の異なる蛍光染料で標識される。言い換えれば、非生存細胞がなお蛍光していても、死細胞からの蛍光発光を、生存細胞からの蛍光発光と区別することができる。
カナダ特許出願第02236687号明細書は、2種類の異なる蛍光染料を利用するシステムを説明し、第1の染料は、選択膜を非特異的に通過することができ、全ての細胞を標識し、第2の染料は、選択膜を通過することができず、損傷した膜を有する細胞のみに進入することができる。この場合、生存細胞は、第1の染料で標識され、非生存細胞は、第1および第2の染料で標識される。生存細胞の発光スペクトルと非生存細胞の発光スペクトルとの間に差異があると、生存細胞と非生存細胞を区別すること可能である。しかしながら、非生存細胞はなお、適切な波長の光が照射されると蛍光信号を生成する。
米国特許出願第2008/0305514号明細書は、第1の蛍光染料、例えば、エステラーゼ基質を含む蛍光染料が、生存細胞に浸透して選択的に標識し、第2の異なる核酸結合蛍光染料が、生存細胞および非生存細胞の両方に浸透して、両方の細胞に存在する核酸を染色するシステムを説明している。このアプローチでは、蛍光染料は、例えば、生存細胞中のエステラーゼが、細胞膜を通過できない形態に染料を変換するため、高い細胞内貯留を有するエステラーゼ基質とすることができる。このアプローチは、生存細胞および非生存細胞の両方を標識する核酸染色剤(例えば、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール染料)を利用することもできる。適切な波長の光で励起されると、生存細胞は、第1および第2の蛍光染料の両方が発光し(即ち、2つの異なる蛍光事象が存在する)、一方、非生存細胞は、第2の蛍光染料のみが発光する。生死判別染色剤(例えば、エステラーゼ基質)および核酸染色剤の両方の使用により、蛍光事象が細胞によって実際に引き起こされ、非特異的事象によるものではないという信頼性を高めることができる。非生存細胞はなお、適切な波長の光が照射されると蛍光信号を生成した。
米国特許第5,314,805号明細書は、2種類の異なる蛍光染料を利用する異なるシステムを説明している。第1の蛍光染料、例えば、カルセインAM(エステラーゼ基質)は、生存細胞に浸透して選択的に標識する。生存細胞は、カルセインAMの酵素加水分解時に生じる緑色蛍光信号によって検出可能である。非生存細胞は、第2の異なる蛍光染料、例えば、エチジウムホモ二量体で検出される。非生存細胞は、エチジウムホモ二量体(ethidium homdimer)で染色された核酸から生じる赤色蛍光によって検出可能である。結果として、各細胞の発光プロファイルに基づいて生存細胞と非生存細胞とを区別することが可能である。非生存細胞はなお、適切な波長の光が照射されると蛍光信号を生成する。
米国特許第5,534,416号明細書は、2種類の異なる蛍光染料を利用する異なるシステムを説明している。第1の蛍光染料、環式置換非対称シアニン染料は、全ての細胞(生存細胞および非生存細胞の両方)を染色する。第2の蛍光染料は、生存細胞または非生存細胞のいずれかを選択的に標識して、第1の蛍光染料とは異なる蛍光応答をする染料である。第2の蛍光染料が、生存細胞を選択的に染色する染料である場合は、生存細胞は、第1および第2の染料で染色され、非生存細胞は、第1の染料で染色される。対照的に、第2の蛍光染料が、非生存細胞を選択的に染色する染料である場合は、生存細胞は、第1の染料で染色され、非生存細胞は、第1および第2の染料で標識される。いずれかのアプローチの際に、生存細胞の発光スペクトルと非生存細胞の発光スペクトルとの間に差異があると、生存細胞と非生存細胞を区別することが可能である。しかしながら、非生存細胞はなお、適切な波長の光が照射されると蛍光信号を生成する。
特定の染色システムでは、蛍光染料は、生存細胞の無傷の膜を通過するが、細胞内の代謝活性の結果として生存細胞内で不溶性となる、または生存細胞内に閉じ込められる。さらに、蛍光染料を、非生存細胞に選択的に進入する1つ以上の消光剤と共に使用することができ、従って、生存細胞から生じる発光事象の選択性が高まる。他の状況では、蛍光染料は、生存細胞および非生存細胞の両方に浸透することができる。このシナリオでは、蛍光染料を、非生存細胞に選択的に浸透する1つ以上の消光剤と共に使用することができ、従って、生存細胞から生じる発光事象の選択性が高まる。
代替のアプローチでは、米国特許出願公開第2006/0040400号明細書および欧州特許第1624071号明細書が、蛍光染料および消光剤の使用を説明している。蛍光染料(例えば、カルボキシフルオレセインジアセテート)が、生存細胞および非生存細胞の両方に浸透する。次いで、消光剤が、蛍光染色された細胞に添加され、この消光剤は、生存細胞の膜を通過することができ、生存細胞のpHでは蛍光染料の蛍光を消光しないが、生存細胞のpHとは実質的に異なるpHでは蛍光を消光する。このアプローチでは、消光剤は、生存細胞のpH値とは実質的に異なるpHで細胞に添加される。このアプローチでは、消光剤は、生存細胞のpHでは蛍光を消光しないが、非生存細胞のpHで蛍光を消光する働きをする。
細胞の生死判別染色剤および生死判別染色システムが、本明細書で説明される方法およびシステムの実施に利用可能であり、かつ有用であるにもかかわらず、特に、生存細胞および/または細胞を含むもしくは支持するシステム(例えば、膜、固体支持体、光学セル、またはフローセル)を刺激するために使用される条件下(例えば、励起光を使用する)、非生存細胞から生じるバックグラウンド蛍光が殆どまたは全くない、生存細胞(単一細胞および細胞クラスターの両方)を選択的に検出するために使用できる単純で強固な染色プロトコルの開発が要望されている。加えて、この染色システムは、検出される細胞の生存能力を損なうべきではない。さらに、以下に説明されるように、所望に応じて、この染色システムは、細胞サンプル中の生存細胞の増殖と染色を同時に可能にするべきである。
本発明は、細胞を含むサンプル中の生存細胞(例えば、原核細胞または真核細胞)を選択的に標識する方法を提供する。この染色法は、細胞サンプル中の生存細胞の存在を検出するために細胞収集システムおよび/または光検出システムと組み合わせて使用することができる。この染色法を使用して、固体支持体、例えば、顕微鏡スライドおよび/または培養プレートのウェルに配置された生存細胞、または液体サンプル中、例えば、光学セルもしくはフローセル内の生存細胞を染色することができる。染色プロトコルは、目的の特定のサンプルのバイオバーデンの測定(例えば、生存細胞(例えば、生存微生物、例えば、細菌、酵母、および真菌)の数および/またはパーセンテージおよび/または画分の測定)に使用することができる。
本発明は、細胞サンプル中の生存細胞を検出する方法を提供する。この方法は、細胞サンプル中の細胞を(i)膜透過性蛍光染料が生存細胞および非生存細胞の両方に浸透できる条件下で膜透過性蛍光染料、および(ii)膜不透過性蛍光消光剤が非生存細胞に選択的に浸透できるが、生存細胞には浸透できない条件下で蛍光染料によって生じる蛍光を消光できる膜不透過性蛍光消光剤に曝露するステップを含む。次いで、この方法は、蛍光染料を励起して蛍光発光を生じさせることができる波長を有する光ビームに細胞を暴露するステップ、および検出器(例えば、1つの波長範囲または複数の波長範囲を検出する1つの検出器)または複数の検出器(例えば、それぞれが異なる波長範囲を検出することができる異なる検出器)を用いて、細胞からの蛍光発光が存在する場合に、この蛍光発光を検出し、これにより、細胞サンプル中の生存細胞を検出するステップを含む。非生存細胞内の蛍光染料は、非生存細胞内の蛍光染料よりも実質的に弱い蛍光を発光する。結果として、非生存細胞は、生存細胞よりも実質的に弱い蛍光を発光する。
特定の状況下、例えば、消光剤が蛍光発光し得る場合は、この消光剤を光励起しない、または実質的に光励起しないように励起光の波長を選択することができる。あるいは、検出器を、消光剤からの発光事象ではなく染料からの発光事象を優先的に検出するように選択および/または構成することができる。
加えて、本発明は、細胞サンプル中の生存細胞を検出する方法を提供する。この方法は、細胞サンプル中の細胞を、(i)膜透過性染料が生存細胞および非生存細胞の両方に浸透できる条件下で膜透過性蛍光染料、および(ii)膜不透過性蛍光消光剤が非生存細胞に選択的に浸透できるが、生存細胞には浸透できない条件下で蛍光染料によって生じる蛍光を消光できる膜不透過性蛍光消光剤に曝露するステップを含む。次いで、細胞を、蛍光染料を励起して蛍光発光を生じさせることができる波長を有する光に暴露する。細胞からの蛍光発光が存在する場合は、この蛍光発光を、消光剤からの検出可能な発光(生成される場合)が蛍光染料からの検出可能な発光の50%以下(例えば、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下)であるように、消光剤からの検出可能な発光ではなく蛍光染料からの検出可能な発光を優先的に検出するように構成された1つ以上の検出器で検出する。結果として、利用される検出条件下で、非生存細胞は、検出器によって検出される、生存細胞よりも実質的に弱い蛍光を発光する。結果として、この方法を、細胞サンプル中の生存細胞を検出するために使用することができる。
特定の実施形態では、非生存細胞は、光に曝露されたときに検出器によって検出可能な蛍光を発光しない、または実質的に発光しない。特定の他の実施形態では、非生存細胞は、光ビームに曝露されたときに発光しない、または実質的に発光しない。
適切な染料と消光剤の対の選択は、染料の発光スペクトル、消光剤の吸光度スペクトル、消光剤が発光スペクトルを有する場合の消光剤の発光スペクトル、および所与の検出器における検出のバンド幅の1つ以上を含む多数の因子によって決まることを理解されたい。これらの特徴をそれぞれ、以下に説明する。
一般に、この方法の実施に有用な例示的な膜透過性蛍光染料は、次の特徴の1つ以上を有する:約350nm〜約1000nmの範囲の最大の波長を有する光ビームに曝露されたときの蛍光性、界面活性剤、例えば、中性洗剤またはシクロデキストリンキャリア剤(cyclodextrin carrier agent)を用いた、または用いない水溶性、検出可能な染色に必要な濃度での非毒性、および生存細胞膜を通る受動拡散を可能にする疎水性。特定の実施形態では、膜透過性蛍光染料は、少なくとも1つの荷電基(例えば、第4級窒素基)を含むとして特徴付けることもできる。特定の実施形態では、蛍光染料は、赤色レーザー、例えば、620nm〜640nmの範囲の波長を有する光を放射する赤色レーザーからの照射によって励起されて蛍光発光することができる。
加えて、この方法の実施に有用な例示的な膜不透過性蛍光消光剤は、次の特徴の1つ以上を有する:蛍光染料からの信号を消失させるのに十分な濃度での非毒性、水溶性、疎水性、ならびに高電荷基、例えば、限定されるものではないが、カルボキシル基、アミノ基、フェノキシド基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、またはスルホン酸塩部分を含み、かつ/または極性リガンド、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、もしくはポリビニルアルコールで置換され、これにより、消光剤の極性が生存細胞の膜を通る受動拡散を防止し、かつ/または生存細胞から能動的に放出される極性。特定の実施形態では、膜不透過性蛍光消光剤は、任意選択で、少なくとも2つの荷電基(例えば、少なくとも1つの第4級窒素基)を含む。別の実施形態では、消光剤は、生存細胞の存在の検出に使用される光源によって励起されたときに膜透過性蛍光染料から放射される、ある波長、ある波長範囲、または複数の波長範囲を有する光に曝露されたときに蛍光発光しない。
例示的な蛍光染料と蛍光消光剤の対を、本明細書で説明される本発明の実施に使用するために選択することができ、例えば、以下の表Iおよび表IIに示されている蛍光染料および蛍光消光剤から選択することができる。
例示的な蛍光染料(e受容体)は、アスコルビン酸ナトリウム、5’グアノシン一リン酸、L−トリプトファン、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ジフェニルアラニン−2−スルホン酸、銅フタロシアニン−3,4’,4’’,4’’’−テトラスルホン酸(tetrsulfonic acid)四ナトリウム塩、およびフミン酸から選択される例示的な消光剤(e供与体)と組み合わせて使用することができるオキサジン1、オキサジン170、オキサジン4、ローダミン800、クレシルバイオレット、ナイルブルー、メチレンブルー、アズールA、アズールB、およびアズールCから選択することができる。
例示的な蛍光染料(e供与体)は、ビピリジニウム誘導体(例えば、N,N’−ジメチル−4,4’−二塩化ビピリジニウム、1,1’−エチレン−2,2’−二臭化ビピリジルジエニウム(1,1’−ethylene−2,2’−bipyridyyldiylium dibromide)、およびアントラキノン(例えば、ビスアルキルアミノアントラキノン))から選択される消光剤(e受容体)と組み合わせて使用することができる金属化フタロシアニンもしくはポルフィリン(porhyrin)、Hoeschst33342、および他のHoeschst染料、Ru(phen_dppz2+およびRh(phi)bpy3+から選択することができる。
Figure 0006482459
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本明細書で説明される本発明の実施に使用される膜不透過性消光剤は、典型的には、静的消光と呼ばれることもある光誘起電子移動(PET)もしくは蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のいずれか、またはこれらの一部の組み合わせによって蛍光染料からの蛍光発光を抑制する。これらの消光機構の効率は、距離依存性である、即ち、蛍光染料分子と消光剤分子が、蛍光発光を抑制するためには十分に近接しなければならないということである。効率的な消光を達成できる確率を最大にするために条件を選択することが可能である。蛍光染料と消光剤との間の例示的なスペクトルの重複が、図12Aに概略的に示されている。このようなシステムでは、蛍光染料の蛍光発光は、FRET機構を介して消光剤によって抑制される。このような原理を使用すると、本発明の実施に有用な蛍光染料と消光剤の対を形成することが可能である。
1つのアプローチでは、蛍光染料と消光剤の対は、例えば、静電気および/または疎水性相互作用によって互いに対して結合親和性を有し、結合すると実質的に非蛍光性の基底状態複合体となるように選択することができる。言い換えれば、蛍光染料と蛍光消光剤は、細胞内に互いに結合することができる。
このようなアプローチに有用な蛍光染料と蛍光消光剤の例示的な組み合わせが表IIIに示されている。
Figure 0006482459
別のアプローチでは、蛍光染料および/または消光剤は、特定の細胞成分、細胞小器官、または構造、例えば、核酸に対する結合親和性を有するように選択することができる。例えば、蛍光染料、蛍光消光剤、またはこれらの両方は、細胞内の核酸に結合する。蛍光染料および消光剤が、特定の標的、例えば、核酸に共に結合すると、染料と消光剤の接近により、実質的に非蛍光性の複合体が形成される。いずれのアプローチでも、膜不透過性消光剤が、無傷の膜を介して生存細胞に進入できないため、生存細胞内での非蛍光複合体の形成が防止される。本発明の一実施形態では、蛍光染料と蛍光消光剤の対は、蛍光染料と蛍光消光剤が共に特定の細胞成分、例えば、核酸に結合するように選択される。このアプローチは、蛍光染料と蛍光消光剤が特定の標的に結合するため、非特異的な蛍光染色が減少するという利点を有する。結果として、このアプローチは、非特異的蛍光染色を減少させ、これにより、生存細胞同士を識別する際のSN比を最適化することができる。核酸結合蛍光染料および核酸結合蛍光消光剤は、例えば、図12Aに概略的に示されているように、蛍光染料のスペクトルと消光剤の吸光度スペクトルとの間にスペクトル重複が存在するように選択される。
核酸(例えば、DNAまたはRNA)に選択的に結合する蛍光染料と蛍光消光剤の例示的な組み合わせが表IVに示されている。蛍光染料の発光スペクトルと消光剤の吸光度スペクトルとの間のスペクトル重複の特徴を使用して、特定の消光剤と共に使用される特定の蛍光染料の選択をガイドすることができる。このアプローチは、染料および消光剤の両方が、細胞器官または細胞成分、例えば、タンパク質、糖タンパク質、炭水化物、脂質、もしくは核酸に結合する、例えば、選択的に結合する場合に特に有効であり得る。
Figure 0006482459
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染料および消光剤は、例えば、図12Aに実証されているように、染料の発光スペクトルと消光剤の吸光度スペクトルとのスペクトル重複が可能となり、必要なレベルの消光が起きるように選択することができる。これらの条件下では、蛍光染料の蛍光発光は、FRETを介して消光剤によって抑制することができる。
染料と消光剤の対は、染料の発光スペクトルが消光剤の発光スペクトル(存在する場合)に重複する程度によってさらに特徴付けることができる。特定の条件下では、消光剤の発光スペクトルが蛍光染料の発光スペクトル、特に、細胞の生死判別アッセイ中に検出器(例えば、蛍光検出器)によって検出される染料の発光スペクトルの部分と重複する程度を最小限にすることが望ましいであろう。従って、特定の実施形態では、消光剤は、蛍光染料を励起するために使用される光源(励起光)によって励起されると、光子を放出することができ、かつ、好ましくは1つ以上の次の特性を有するように選択される:(i)消光剤が、染料の発光スペクトルの範囲内で電磁放射線を実質的に放射しない、または全く放射しない(細胞の生死判別アッセイ中に測定される蛍光染料の発光スペクトルの部分、即ち、検出器における検出のバンド幅の範囲内の蛍光染料の発光スペクトルの部分(図12Bの波長範囲λ〜λを参照))、および(ii)消光剤が蛍光染料の量子収率よりも低い量子収率を有する。結果として、消光剤は、細胞の生死判別アッセイ中に測定される波長の範囲に対して非蛍光性または実質的に非蛍光性を維持する。従って、検出器の検出チャネルが、蛍光染料から優先的に放射される発光信号を検出するように設定されると、消光剤から(例えば、自家蛍光または励起源によって生成される蛍光によって)放射される実質的に弱い蛍光(例えば、蛍光の40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、または5%未満)が検出器の検出チャネルで検出されるか、または全く検出されない(図12Bの波長範囲λ−λを参照)。
図12Bに概略的に示されているように、適切な染料と消光剤の対を選択する1つのアプローチでは、蛍光染料(例えば、膜透過性染料)の発光スペクトルは斜線で示され、消光剤(例えば、膜不透過性消光剤)の発光スペクトルは実線で示されている。検出のバンド幅(BD、例えば、波長値λと波長値λとの間の波長範囲として表される)を有する検出器は、蛍光染料の発光スペクトルの部分(領域Xとして示されている領域)を検出することができる。領域Xは、蛍光染料の検出可能な発光である。消光剤がそれ自体の発光スペクトルを有する(特定の消光剤は蛍光性ではなく、発光スペクトルを生成しない)または消光剤の発光スペクトルが染料の発光スペクトルの少なくとも一部と重複すると仮定し、検出のバンド幅を考えると、検出器は、時には、消光剤の発光スペクトルの一部(領域Yとして示されている領域)を検出することもできる。領域Yは、消光剤の検出可能な発光である。消光剤が発光スペクトルを生成する場合は、消光剤の検出可能な発光(領域Y)は、生存細胞の検出に適切なS/N比を得るためには、染料の検出可能な発光(領域X)の50%以下(例えば、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下)である。好ましい一実施形態では、消光剤の検出可能な発光(領域Y)は、染料の検出可能な発光(領域X)の30%以下である。
このアプローチは、染料および消光剤の蛍光発光スペクトルを考慮し、そして提案される検出器のバンド幅の範囲内の各スペクトルの下側の部分(曲線の下側の領域)を特定することによって行うことができる(図12Bを参照)。次いで、これらの値の比率を使用して、消光剤の検出可能な発光が、染料の検出可能な発光の50%以下であるかを決定することができる。染料と消光剤の対の選択は、検出器での検出の適切なバンド幅の選択、蛍光染料、および消光剤によって決まる。
適切な染料と消光剤の対の選択のために代替のアプローチを使用することができる。例えば、別の実施形態では、蛍光染料の発光スペクトルと消光剤の発光スペクトル(存在する場合)との分離を、蛍光染料の臨界発光波長範囲と消光剤の臨界発光波長範囲の非重複によって特徴付けることができる。蛍光染料の臨界発光波長範囲の消光剤と臨界発光波長範囲との分離は図12Cに例示されている。用語「臨界発光波長範囲」またはCERλは、フルオロフォアがその発光スペクトルのλmaxでの最大発光強度の少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、または90%である発光強度を有する発光プロファイルの波長範囲を意味する。従って、蛍光染料の臨界発光波長範囲は、蛍光染料がその発光スペクトルのλmaxでの最大発光強度の少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、または90%である発光強度を有する蛍光染料の発光プロファイルの波長範囲である。消光剤の臨界発光波長範囲は、消光剤がその発光スペクトルのλmaxでの最大発光強度の少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、または90%である発光強度を有する消光剤の発光プロファイル(存在する場合)の波長範囲である。
さらに例示するために、例示的な蛍光染料の発光強度および例示的な消光剤の発光強度が図12Cに例示されている。蛍光染料の臨界発光波長範囲は、CERλ染料として示され、蛍光染料の発光強度が蛍光染料のλmaxでのその最大発光強度の少なくとも50%であるこれらの波長に一致する。消光剤の臨界発光波長範囲は、CERλ消光剤として示され、消光剤の発光強度が消光剤のλmaxでのその最大発光強度の少なくとも50%であるこれらの波長に一致する。図12Cに示されているように、蛍光染料の臨界発光波長範囲と消光剤の臨界発光波長範囲との重複が存在しない。波長間の差(即ち、λ−λ)は、図12Cの参照符号「d」によって示され、このdは、好ましくは、少なくとも5nm(または少なくとも10nm、少なくとも20nm、少なくとも30nm、少なくとも40nm、少なくとも50nm、少なくとも60nm、少なくとも70nm、少なくとも80nm、少なくとも90nm、または少なくとも100nm)である。
蛍光染料および消光剤の発光スペクトルによっては、閾値強度(例えば、染料のλmaxでのその最大発光強度の50%)を超える波長が連続していないこともあることを理解されたい。例えば、染料および/または消光剤の発光スペクトルは、閾値強度(例えば、染料または消光剤のλmaxでのそれぞれの最大発光強度の50%)を超える2つ以上の波長範囲を含み得る。好ましくは、蛍光染料の臨界発光波長範囲と消光剤の臨界発光波長範囲との間の重複が殆ど、または全く存在しない。これらの基準を使用すると、本明細書で説明される細胞の生死判別アッセイに有用な染料と消光剤の組み合わせを選択することが可能である。
特定の膜透過性蛍光染料および膜不透過性蛍光消光剤の濃度は、(i)生存細胞中の蛍光染料が十分な蛍光強度を提供する、(ii)非生存細胞中の蛍光染料の蛍光を実質的に消光する、かつ(iii)染料および/または消光剤の全ての毒性を最小限にするように選択される。特定の実施形態では、膜透過性蛍光染料は、細胞に添加される場合、約0.1μM〜約50μM、約0.5μM〜約30μM、または約1μM〜約10μMの範囲の濃度で使用される。特定の実施形態では、細胞に添加される膜不透過性蛍光消光剤の量は、蛍光染料とほぼ同等以上のモル濃度である。特定の実施形態では、細胞に添加される膜不透過性蛍光消光剤の量は、細胞に添加される場合は、0.1μM〜約200mM、約0.5μM〜約100mM、約0.5μM〜約1mM、約0.5μM〜約500μM、約1μM〜約500μM、または約1μM〜約100μMの濃度である。他の実施形態では、消光剤は、例えば、蛍光染料の濃度に対して2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、40倍、60倍、80倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、1000倍、または2,000倍、5,000倍、10,000倍、20,000倍、50,000倍、または100,000倍を超えるモル濃度で添加される。消光剤の量は、この消光剤が所与のサンプル中で検出される細胞に対して非毒性または実質的に非毒性であるように選択されるべきである。特定の実施形態では、細胞に添加される膜不透過性蛍光消光剤の量は、細胞に添加される膜透過性蛍光染料の量に対して約5倍モル過剰〜約20倍モル過剰、または約5倍モル過剰〜約10倍モル過剰の範囲である。
検出される細胞および所望の感度によっては、複数の異なる蛍光染料および/または複数の異なる蛍光消光剤に細胞を曝露することが可能である。さらに、使用済みへの染料および消光剤ならびに検出される細胞によっては、細胞を蛍光染料に曝露し、次いで蛍光消光剤に曝露することができる。あるいは、細胞は、蛍光染料および蛍光消光剤に同時に曝露することができる。特定の方法では、例えば、生理学的に許容され得る塩および/または緩衝液を使用する洗浄ステップを使用して、検出の前に残存染料または残存消光剤を除去することができる。特定の方法では、続く洗浄ステップは、必ずしも必要ではなく、この洗浄ステップは、使用される場合、蛍光染料が、例えば、洗浄ステップ中に細胞からの拡散により生存細胞から除去または取り出され、望ましくない場合さえもある。
検出方法は、単一細胞、細胞クラスター、または細胞コロニーに対して行うことができる。例えば、アッセイの感度を高めるための特定の状況下では、細胞を蛍光染料および蛍光消光剤に曝露する前および/または最中および/または後で、細胞増殖ができる条件下で細胞を培養することが望ましいであろう。増殖培地、温度、培養期間の選択を含む培養条件は、サンプル中の少なくとも1つの細胞が1回以上細胞分裂できるように選択することができる。
例えば、必要な感度によっては、細胞が膜に収集されたら、この細胞を、増殖培地および/または胞子発芽開始剤に接触させ、次いで1回以上の倍加時間に亘って増殖させて膜の特定の位置にある細胞の数を増加させることができる。一実施形態では、細胞が膜202に収集され、蛍光染料および蛍光消光剤を含む溶液および増殖培地(例えば、PML Microbiologicals,Wisonville,ORのNutrient Broth T7 105)をカップアセンブリの中に注ぎ入れ、真空吸引によって膜202を通過させる。次いで、蓋588をベース554に配置し(図10Cを参照)、得られたユニットを、予め設定された温度(例えば、37℃)のインキュベーター内に配置し、微生物の倍加時間によって決まる所望の期間(例えば、15分〜8時間または30分〜4時間)インキュベートすることができる。この期間中、膜202は、固体支持体558内に存在する増殖培地および染料を考慮して湿った状態に維持される。このアプローチは、蛍光染料および消光剤が細胞に浸透して細胞を染色するための時間も提供する。インキュベーション後、ベース554を、検出装置に挿入するためにステージ802に移して配置することができる。
特定の実施形態では、蛍光染料および/または蛍光消光剤は細胞内の核酸に結合する。他の実施形態では、蛍光染料と蛍光消光剤は細胞内で互いに結合する。
特定の実施形態では、1つまたは複数の蛍光染料を励起するために使用される光ビームは、約350nm〜約1000nm、約350nm〜約900nm、約350nm〜約800nm、約350nm〜約700nm、または約350nm〜約600nmの範囲の波長を有する。例えば、励起光の波長は、約350nm〜約500nm、約350nm〜約500nm、約350nm〜約600nm、約400nm〜約550nm、約400nm〜約600nm、約400nm〜約650nm、約450nm〜約600nm、約450nm〜約650nm、約450nm〜約700nm、約500nm〜約650nm、約500nm〜約700nm、約500nm〜約750nm、約550nm〜約700nm、約550nm〜約750nm、約550nm〜約800nm、約600nm〜約750nm、約600nm〜約800nm、約600nm〜約850nm、約650nm〜約800nm、約650nm〜約850nm、約650nm〜約900nm、約700nm〜約850nm、約700nm〜約900nm、約700nm〜約950nm、約750〜約900nm、約750〜約950nm、または約750〜約1000nmの少なくとも1つの範囲である。特定の範囲は、約350nm〜約600nmおよび約600nm〜約750nmを含む。
蛍光発光は、約350nm〜約1000nm、約350nm〜約900nm、約350nm〜約800nm、約350nm〜約700nm、または約350nm〜約600nmの範囲内で検出することができる。例えば、蛍光発光は、約350nm〜550nm、約450nm〜約650nm、約550nm〜約750nm、約650nm〜約850nm、または約750nm〜約950nm、約350nm〜約450nm、約450nm〜約550nm、約550nm〜約650nm、約650nm〜約750nm、約750nm〜約850nm、約850nm〜約950nm、約350nm〜約400nm、約400nm〜約450nm、約450nm〜約500nm、約500nm〜約550nm、約550nm〜約600nm、約600nm〜約650nm、約650nm〜700nm、約700nm〜約750nm、約750nm〜約800nm、約800nm〜約850nm、約850nm〜約900nm、約900nm〜約950nm、または約950nm〜約1000nmの範囲内で検出することができる。特定の実施形態では、放射光は、約660nm〜約690nm、約690nm〜約720nm、および/または約720nm〜約850nmの範囲内で検出される。
上記のそれぞれでは、この方法は、生存細胞、非生存細胞、または生存細胞と非生存細胞の組み合わせを標識する第2の異なる膜透過性蛍光染料に細胞を曝露するステップをさらに含み得る。
(IV)細胞の検出
細胞収集システムを使用して、流体サンプル中に元々存在した細胞を収集したら、膜または膜アセンブリを、適切な検出システムの中に挿入するために膜ホルダー(例えば、ホルダー802)の中に挿入することができる。例示的な検出システムは、例えば、2010年11月3日出願の国際出願PCT/IB2010/054965号明細書、2011年2月24日出願の米国特許出願第13/034,402号明細書、2010年11月3日出願の国際出願PCT/IB2010/054966号明細書、2011年2月24日出願の米国特許出願第13/034,380号明細書、2010年11月3日出願の国際出願PCT/IB2010/054967号明細書、および2011年2月24日出願の米国特許出願第13/034,515号明細書に記載されている。上述の検出システムでは、励起光ビームが膜の表面に照射されるときに、膜が回転させられる。放射された光は、少なくとも1つの光検出器で検出される。
透過性膜の回転を容易にするために、膜を膜ホルダーに配設することができる。一実施形態では、例えば、膜および任意選択のスポークを含む膜アセンブリでは、この膜アセンブリを、図1Aのサンプルアセンブリ120内に配置することができる膜ホルダーの中に挿入することができる。特に、膜アセンブリは、回転プラットフォーム130上に配置することができる。
図13Aおよび図13Bは、このような検出システムに使用することができる例示的な膜ホルダーを示している。膜ホルダー700は、中心円柱凹部704およびオフセット駆動開口またはノッチ706を画定している容器702(例えば、アルミニウムから形成された金属容器)を備えている。容器702は、回転軸が凹部704内に収容される、結合される、または他の方法で係合するように、この回転軸に配設することができる。回転軸は、ホルダー700を支持するディスクを形成することができ、かつ突出部、例えば、駆動ノッチ706に結合する駆動ピンを備えることができる。結果として、ディスクのその回転軸を中心とする回転により、膜ホルダー700が滑ることなくディスクと共に回転する。
容器702は、膜およびこの膜を全体的に平らに保持するためのあらゆる構成要素を収容するチャンバー708も画定している。これらの構成要素は、スポークを有するホルダー(図2Aおよび図2Bを参照して説明された)、マスク(図3Aおよび図3Bを参照して説明された)、および/または多孔質支持部材(図4A〜図4Bを参照して説明された)を含む。複数の磁石712を、チャンバー708の下の容器702内に配設することができる。例示的な磁石の構造710が、図13Bに示されている。この構造710は、容器702の回転軸またはその近傍に中心を有するほぼ円形パターンに配置された3つの磁石712を含む。磁石712の円の平面が、チャンバー708の表面に対して実質的に平行である。容器702は、磁気リング716に包囲された窓714、例えば、ガラス、ポリカーボネート、またはパースペクスの窓をさらに備える。特定の実施形態では、磁石712は、ディスク型磁石であり、回転中に要素を(例えば、磁気リング716の引力によって)チャンバー708内に維持するために使用される。構造710は単なる例示目的であること、ならびに他の構造、例えば、3つの磁石よりも少ない、または多い構造が、円形パターン以外のパターンおよび他の保持機構を有することができ、これらの構造が本発明の範囲内であると見なされることを理解されたい。
窓714は、下側の細胞保持膜および細胞を保護し、かつ後に膜が除去されて生存細胞の増殖を容易にする条件下(例えば、温度、水分、および栄養)でインキュベートされる場合に膜の無菌性を維持することができる。磁気リング716は、磁気ステンレス鋼リング720を形成する延長部718を有し得る。延長部718の中心は、容器702の回転軸またはその近傍に位置する。従って、窓714が、チャンバー708に収容された膜アセンブリ上に配設されると、リング720は、磁石712の構造710上に実質的に直接配設される。磁気リング720、従って窓714が、磁石712に向かって移動するときに、チャンバー708に収容された膜が、容器702がその回転軸を中心に回転するため全体的に所定の位置に維持される。また延長部718が、膜に対して(例えば、中心マスクなどを介して)下方の圧力を加えることができ、これが、チャンバー708に収容された膜を平面に維持するのに役立つ。
図13Cは、容器(カートリッジホルダーとも呼ばれる)702内に配設された光検出システムアセンブリに使用される膜ホルダーアセンブリを示している。本明細書で説明されるものを含む他の膜アセンブリも、容器/ホルダー702に収容することができる。窓714は、膜アセンブリ200上に配設される。磁石712は、容器702の底面772にある凹部770に配設される。上記説明されているように、膜アセンブリ200がチャンバー708に収容されると、磁石712が、窓714のリング720を容器/カートリッジホルダー702の表面772に向かって引き寄せ、これにより、膜アセンブリ200が、図13Dに示されているように所定の位置に保持される。
次いで、容器/ホルダー702を、この容器/ホルダー702のベースに画定されている凹部に係合する駆動機構784および軸782を有するディスクまたはチャック780上に配置することができる。軸782は、ノッチ704に係合する。ディスク/チャック780は、検出システムの電動機軸に取り付けられる。電動機軸の回転により、膜アセンブリ200が回転する。軸782および駆動機構784は、容器/ホルダー702がディスク780の表面に対して滑る、またはスライドするのを防止する。加えて、磁石786は、容器/ホルダー702をディスク780の表面の所定の位置に整合させ、これにより、膜アセンブリ200の最初の方位の位置合わせが容易になる。このような位置合わせは、あらゆる蛍光事象(例えば、生存細胞、非生存細胞、または粒子によって放射される光)の位置をマッピングする際に有利であり得る。
膜ホルダーの多くの他の実施形態も考えられる。例えば、容器のリムに配設された3つの磁石ならびに3つのノッチおよび3つの脚を備えた一体または別個の磁石リムを有する窓を備えた膜ホルダーが考えられる。このような実施形態では、膜ホルダーのリブは3つのストッパーを有し得る。磁石リムが容器に配設されると、脚が、ストッパーと接触するまでリムの外面に沿ってスライドすることができる。磁石がリムに配設され、ノッチが磁石リムに位置しているため、脚がストッパーに接触すると、各ノッチが、1つの磁石の真上に位置する。この位置では、磁石リムおよび窓を膜ホルダーから容易に分離することができ、膜アセンブリを、容器のチャンバーに対して着脱することができる。その後、窓を元に戻すことができる。窓を回転させて、ノッチが磁石に整合しないようにし、これにより、磁石リムおよび窓が、磁石によって実質的に所定の位置に保持される。結果的に、チャンバーに収容された膜アセンブリも、実質的に所定の位置に保持される。
多孔質膜アセンブリ200の汚染のリスクを高め得る、この膜アセンブリ200を膜ホルダーに移す多数の操作ステップを最小限にするために、膜ホルダーを、カップのベース(例えば、ベース554)と共に膜アセンブリに係合するように構成することができる。図14A〜図14Cは、ベース554を収容するように構成されたステージ802を示している。ステージ802は、複数の凹部810を備えることができ、各凹部は、別個のベース554を収容するように構成されている。凹部の壁812は、ベース554のテーパ状の下部576を収容するように同様にテーパ状であり、これが、回転中の安定性を保つ確実な取り付けに役立つ。ステージ802は、実質的に円形の形態で示されているが、任意の形状にすることができる。ステージ802は、エンクロージャー110内に永久または一時的に適合する大きさにすることができる。ステージの下面810は、チャック804に取り付けるための嵌め合い凹部814を備えている(図15A〜図15Dに示されている)。チャック804は、ステージ802を支持するベースであり、かつこのステージ802を回転させる手段でもある。チャック804は、エンクロージャー110内に永久に設置しても良いし、または取り外し可能としても良い。ステージ802およびチャック804がエンクロージャー110内に既に配設されている一実施形態では、運転を開始する際に、飽和膜202を備えたベース554をエンクロージャー110の中に移すだけで良く、操作ステップの数が最小限になる。チャック804は、運転中の安定性を高めるためにステージ802の大部分を支持する大きさにすることができる上面820を有する。上面820の突出部822は、図15Aに破線で示されているステージ802の嵌め合い凹部814に嵌合するように構成されている。突出部822は、ステージ802をチャック804にさらに固定するための締め具(例えば、止めねじ)を受容する開口824を有し得る。チャック804の底面826は、チャック804を回転させる駆動装置に嵌合する突出部828を有する。
上述のように、細胞および/または粒子の正確な検出および/または推定のために、多孔質膜202は、平らにし、実質的に水平にし、そしてこの膜202に衝当する光の源から一定の距離またはほぼ一定の距離にするべきである。任意選択で、膜202は、検出システム170の焦点距離またはその近傍に配置する。ベース554の厚さおよびベース554の表面の平面度は、膜202の高さおよび平面に影響を及ぼし得る。
距離および平面性は、種々のアプローチで維持することができる。一実施形態では、図16A〜図16Dに示されているように、図1のシステムに使用されるアセンブリを使用すると、図示されているポスト790が、ベース504の開口512を通過して、このベース504内に配設された多孔質部材404の底面に接触することができる。多孔質部材404は、図16Dに示されているようにベース504から持ち上げられている。多孔質部材404の上面および底面の両方を非常に平ら、かつ平行にし、そして検出システム170の焦点面に配設することができる。ポスト790の高さは、ポスト790がベース504を用いずに膜支持部材404を直接支持するように、検出システム170の所定の高さに水平面を画定するように正確に機械加工されている。従って、支持部材404の厚さと平面度のみを正確に制御することにより、膜202の露出面を、検出システム170の焦点面に確実かつ繰り返し可能にほぼ正確に配置することができる。従って、ベース504の寸法のばらつきは、検出システム170の精度に影響を及ぼさない。言い換えれば、多孔質部材404の上面に配設される膜202は、一貫して、検出システム170の焦点面に実質的に位置し得る。ベース504に関して説明したが、ベース554は、ポスト790と共に使用することができる同様の開口586を有する。
別の実施形態では、ポストは、容器/ホルダーの底面に配設され、この底面から延びている。カップのベースは、ポストがベースに形成された対応する孔を通過するようにこのポストの上に配設される。ポストの高さは、膜が、実質的に水平面に位置し、かつ容器/ホルダーの底面から指定許容範囲内の特定の高さとなるように調整することができる。従って、膜は、検出システムの焦点面またはその近傍に位置し得る。
本明細書で説明されるシステムおよび方法を使用して、液体サンプル中の生存細胞(例えば、真核細胞または原核細胞)の存在および/または量を検出することができる。この方法は、細胞収集システムおよび/または細胞サンプル中の生存細胞の存在を検出する光検出システムと組み合わせて使用することができる。この方法は、目的の特定のサンプルのバイオバーデン(例えば、生存細胞(例えば、生存微生物、例えば、細菌、酵母、および真菌)の数および/またはパーセンテージおよび/または画分)を測定する方法に使用することができる。
本発明は、液体サンプル中の細胞の存在および/または量を決定する方法を提供する。この方法は、次のステップを含む:(a)本明細書で上記開示された細胞収集システムおよび/または細胞収集カップのいずれか1つにおけるサンプル中に存在する細胞、例えば、生存細胞を収集するステップ;および(b)ステップ(a)で収集された細胞の存在または量を決定するステップ。この方法は、収集された細胞を検出可能な部分、例えば、蛍光標識(蛍光部分)を用いて標識する、例えば、選択的に標識するステップをさらに含み得る。決定するステップは、光検出器、例えば、蛍光検出器を利用することができる。本発明は、液体サンプル中の生存細胞の存在を検出し、かつ/または細胞の生存率を測定する方法も提供する。この方法は、次のステップを含む:(a)サンプル中および/または上記開示された細胞収集カップ中に存在する細胞を収集するステップ;(b)収集した生存細胞を選択的に標識するステップ;およびステップ(b)で標識された細胞の存在を検出するステップおよび/またはステップ(b)で標識された細胞の生存率を測定するステップ。細胞は、それぞれ蛍光部分を含み得る生死判別染色剤および生死判別染色システムの少なくとも1つを用いて標識することができる。標識された生存細胞は、光検出器、例えば、蛍光検出器を用いて検出することができる。
本発明は、液体サンプル中の生存細胞の存在および/または量を検出する方法も提供する。この方法は、(a)蛍光標識を備えた実質的に平面の多孔質膜の少なくとも一部を液体サンプルが通過した後に、この実質的に平面の多孔質膜の一部に保持された全ての生存細胞を蛍光標識で標識するステップ;(b)多孔質膜を回転させることによって多孔質膜の一部をスキャンするステップであって、(i)蛍光標識を励起して発光事象を生じさせるのに適した波長の光ビームを放射する光源、および(ii)発光事象を検出することができる少なくとも1つの検出器を含み、前記スキャンにより、平面の多孔質膜の複数の領域を調べ、全ての生存細胞に関連した蛍光標識の励起によって生じる発光事象を検出する、ステップ;および(c)ステップ(b)で検出された発光事象に基づいて膜によって収集された生存細胞の存在および/または量を決定するステップを含む。
スキャンするステップは、多孔質膜上の入れ子状円形パターンおよび螺旋パターンの少なくとも1つを光ビームでトレースするステップを含み得る。スキャンするステップの際に、検出システムが静止したままで、多孔質膜を(例えば、線形移動によって)移動させることができることを理解されたい。あるいは、多孔質膜が1点を中心に回転している(即ち、多孔質膜が1つの回転軸を中心に回転している)ときに、検出システムを(例えば、線形移動によって)移動させることができる。あるいは、多孔質膜と検出システムの両方が移動することができ、これらの相対位置を互いに対して測定することが可能である。
運転中、膜ホルダー700および膜は、一定の速度で回転し、この回転速度は、約1rpm〜約5,000rpm、約1rpm〜約1,000rpm、約1rpm〜約750rpm、約1rpm〜約500rpm、約1rpm〜約400rpm、約1rpm〜約300rpm、約1rpm〜約200rpm、約1rpm〜約100rpm、約1rpm〜約50rpm、20rpm〜約5,000rpm、約20rpm〜約1,000rpm、約20rpm〜約750rpm、約20rpm〜約500rpm、約20rpm〜約400rpm、約20rpm〜約300rpm、約20rpm〜約200rpm、約20rpm〜約100rpm、約20rpm〜約50rpm、30rpm〜約5,000rpm、約30rpm〜約1,000rpm、約30rpm〜約750rpm、約30rpm〜約500rpm、約30rpm〜約400rpm、約30rpm〜約300rpm、約30rpm〜約200rpm、約30rpm〜約100rpm、または約30rpm〜約50rpmの範囲とすることができる。
同様に、この回転する膜は、この回転速度に依存しても依存しなくても良い一定の直線速度で検出システムに対して移動させることができる。この直線速度は、約0.01mm/分〜約20mm/分、約0.01mm/分〜約10mm/分、約0.01mm/分〜約5mm/分、約0.01mm/分〜約2mm/分、約0.01mm/分〜約1mm/分、約0.01mm/分〜約0.5mm/分、約0.06mm/分〜約20mm/分、約0.06mm/分〜約10mm/分、約0.06mm/分〜約5mm/分、約0.06mm/分〜約2mm/分、約0.06mm/分〜約1mm/分、約0.06mm/分〜約0.5mm/分、約0.1mm/分〜約20mm/分、約0.1mm/分〜約10mm/分、約0.1mm/分〜約5mm/分、約0.1mm/分〜約2mm/分、約0.1mm/分〜約1mm/分、約0.1mm/分〜約0.5mm/分、約0.6mm/分〜約20mm/分、約0.6mm/分〜約10mm/分、約0.6mm/分〜約5mm/分、約0.6mm/分〜約2mm/分、または約0.6mm/分〜約1mm/分と様々にすることができる。
図17Aは、本明細書で説明される生死判別染色法で染色された細胞の概略図である。これらの細胞は、生存(生)細胞と非生存(死)細胞の両方に浸透する膜透過性蛍光染料に曝露される。膜不透過性消光剤に曝露されると、この消光剤のみが非生存細胞に浸透してその内部に滞留して、非蛍光性の染料と消光剤の複合体を形成し、非生存細胞中の蛍光染料は、消光され、検出システムによって検出できる実質的な発光事象を生成しない。対照的に、生存細胞中の蛍光染料は、消光されず、検出システムによって検出できる実質的な発光事象を生成し得る。この図面では、蛍光染料と蛍光消光剤が互いに結合して複合体を形成している。この手法では、生存細胞は、死細胞によって生成される発光事象よりも遥かに強い(明るい)発光事象を生成する。
図17Bは、図17Aに示されている生死判別染色法で染色された細胞の概略図である。しかしながら、この実施形態では、蛍光染料と蛍光消光剤は共に、細胞内で核酸、例えば、DNAまたはRNA(例えば、mRNAまたはtRNA)に結合している。膜透過性蛍光染料は、生存(生)細胞および非生存(死)細胞の両方に浸透し、膜不透過性消光剤は、非生存細胞のみに浸透してその内部に滞留して、核酸が結合した非蛍光性の染料と消光剤の複合体を形成する。結果として、非生存細胞内の蛍光染料は、消光され、検出システムによって検出できる実質的な発光事象を生成しない。対照的に、生存細胞中の蛍光染料は、消光されず、検出システムによって検出できる実質的な発光事象を生成し得る。結果として、生存細胞は、死細胞によって生成される発光事象よりも遥かに強い(明るい)発光事象を生成する。
本明細書で説明される方法(例えば、図17Aおよび図17Bに概略的に示されている)によって染色された細胞の例示的な図が図18に示されている。検出システムによって調べられる領域1110は、明るい生存細胞1120および暗い非生存細胞1130を含む。蛍光事象の数、大きさ、および位置をデジタルで収集して、操作者がサンプル中の生存細胞を定量する(例えば、生存細胞の数またはパーセンテージを決定する)ことができ、かつ/または他の方法で特定のサンプルのバイオバーデンを決定できる形態で表すことができる。
上述のように、特定の実施形態では、細胞収集システム、染色法、および検出ステップは、複数の検出可能な粒子、例えば、蛍光粒子を含む、または使用することができる。これらの粒子は、細胞収集システム、細胞収集法、検出システム、および生存細胞を検出する方法の1つ以上が正確に機能するように正の対照系の一部として使用することができる。これらの蛍光粒子は、少なくとも約350nm〜約1000nmの範囲の波長を有する光によって励起されるように構成することができる。例えば、この波長は、約350nm〜約600nm、約400nm〜約650nm、約450nm〜約700nm、約500nm〜約750nm、約550nm〜約800nm、約600nm〜約850nm、約650nm〜約900nm、約700nm〜約950nm、約750〜約1000nmの少なくとも1つの範囲である。特定の範囲は、約350nm〜約600nmおよび600nm〜約750nmを含む。
細胞収集システムのデザインによっては、粒子を、多孔質膜の少なくとも一部の上に予め配設する、またはこの膜に関連したマスクに形成されたウェル内に配設することができる。あるいは、サンプルを多孔質膜に通す前に、粒子(例えば、蛍光粒子)を液体サンプルと混合することができる。このようなアプローチでは、蛍光粒子を、目的のサンプルが添加される容器で乾燥させることができる。その後、粒子を、液体サンプルに再懸濁および/または分散させることができる。あるいは、目的のサンプルと混合する第2の溶液に蛍光粒子を含めることができる。その後、粒子を、液体サンプル中に分散させることができる。次いで、粒子、例えば、複数の粒子を、細胞サンプル中の細胞と共に多孔質膜上で収集することができ、この粒子が、細胞収集システムの正の対照として機能する。粒子、例えば、蛍光粒子は、光源からの光によって励起されて蛍光事象を生成したときに検出することができる。
本明細書で説明される染色プロトコルを使用すると、細胞サンプル、例えば、液体サンプルの少なくとも一部における生存細胞の数を決定することが可能である。液体サンプルは、例えば、水サンプル、飲料液(例えば、ワイン、ビール、牛乳、または粉ミルクなど)、体液(例えば、血液、リンパ液、尿、または脳脊髄液など)、増殖培地、ならびに目的の供給源から細胞を(例えば、綿棒によって)収集して、細胞が存在する場合に、この収集した細胞を液体サンプル、例えば、緩衝液または増殖培地に分散および/または懸濁することによって調製される液体サンプルとすることができる。さらに、検出システムを使用して、上記説明されているように透過性膜上の生存細胞の位置を決定することができる。
検出ステップの後に、生存細胞を、多孔質膜によって収集された生存細胞(例えば、微生物)が成長および/または増殖できる条件下で培養することができる。生存微生物の属および/または種を、標準的な手法、例えば、微生物学的染色および可視化法、または分子生物学的手法、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応、およびローリングサークル複製法などの増幅法、ならびに核酸の配列決定によって決定することができる。
ここで一般的に説明されている本発明は、以下の詳細な実施例を参照すればより良く理解することができ、これらの実施例は、本発明の特定の態様および実施形態を単に例示することが目的であり、本発明の範囲を限定することを全く意図するものではない。
実施例1−蛍光プローブおよび消光剤洗浄を用いた固体支持体上の生存大腸菌(E.coli)および非生存大腸菌(E.coli)の画像化
この実施例は、蛍光プローブおよび1回の消光剤洗浄を用いて固体支持体上の生菌(大腸菌(E.coli))を選択的に染色して画像化することが可能であることを実証する。
生存大腸菌(E.coli)細胞画分および非生存大腸菌(E.coli)細胞画分を、従来の培地プレートで培養したコロニーを採集して、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に導入して調製した。次いで、細胞を、ボルテックスすることによって懸濁し、そしてPBSでさらに希釈して1.0のマックファーランド標準に等しい濁度にした。このストック溶液は、生細胞画分の機能を果たした。生細胞画分のアリコートをガラス管に移し、このガラス管を沸騰水槽に約15分間浸漬して、大腸菌(E.coli)を加熱死させた。ガラス管を沸騰水槽から取り出し、室温まで冷却した。この加熱死懸濁液は、死細胞画分の機能を果たした。
蛍光染色溶液を、1:100,000希釈の10%w/v 0.8μmのSky Blueラテックス蛍光粒子(Spherotech,Lake Forest,IL)を含むPBS中、0.005mMのオキサジン170パークロレート(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)溶液として調製した。別個の消光剤洗浄液を、PBS中、10mMのアスコルビン酸ナトリウム(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)溶液として調製した。
生細胞画分および死細胞画分をそれぞれ、10mLのPBSで1:1000に希釈し、真空システムを用いて別個の0.2μmの黒色Cyclopore膜(Whatman,Sanford,ME)に通して細胞を各膜上に収集した。次いで、両方の膜を、5mLの染色溶液で約3分間染色し、次いで、膜でろ過した。次いで、各膜を10mLの量の消光剤洗浄液で洗浄した。
次いで、細胞を、575nm〜625nmの励起および660nm〜710nmの測定発光の蛍光顕微鏡(Carl Zeiss,LLC−Thornwood,NY)で画像化した。図19Aは、生細胞集団を示す蛍光画像である。生存細胞では、不透過性消光剤(アスコルビン酸ナトリウム)が生存細胞から排除されていた。結果として、生存細胞は、明るく染色され、正の対照として機能する蛍光ラテックス粒子と同様であった。図19Bは、加熱死細胞を用いて生成した画像を示している。加熱死細胞にはアスコルビン酸消光剤が浸透し、結果として、蛍光信号が消光され、蛍光していない。正の対照のラテックス粒子が図19Bに見られ、これは、膜が粒子を収集する機能を果たし、膜の表面に焦点が合っており、そして画像が等しい照射条件下およびパラメータで収集されたことを立証している。
実施例2−蛍光プローブおよび2つの光誘起電子移動(PET)消光剤を用いた生存大腸菌(E.coli)細胞および非生存大腸菌(E.coli)細胞の判別
この実施例は、蛍光プローブおよび2つのPET消光剤を用いて溶液中の生菌(大腸菌(E.coli))を選択的に染色して画像化することが可能であることを実証する。
生存大腸菌(E.coli)調製物および加熱死大腸菌(E.coli)調製物を、実施例1で説明されているように調製した。次いで、加熱死大腸菌(E.coli)懸濁液を生存細胞懸濁液に混ぜ、ボルテックスによって良く混合した。得られた細胞懸濁液は、生存大腸菌(E.coli)溶液および非生存大腸菌(E.coli)溶液の機能を果たした。
蛍光プローブ−消光剤染色剤を、PBS中、0.005mMのオキサジン170パークロレート(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、0.4mMのp−スルホン酸カリックス[6]アレーン(TCI America,Portland,OR)、100mMのアスコルビン酸ナトリウム(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)からなる溶液として調製した。
次いで、生存腸菌(E.coli)および非生存大腸菌(E.coli)懸濁液を、細胞を染色するために蛍光プローブ−消光剤溶液で1:1000に希釈した。約5分のインキュベーション後、染色細胞溶液の液滴を顕微鏡スライドに添加し、蛍光顕微鏡(Carl Zeiss,LLC,Thornwood,NY)で画像化した。
図20Aおよび図20Bは、位相コントラスト条件下(図20A)および蛍光条件下(励起575〜625nm、発光660〜710nm)(図20B)で収集された生存染色大腸菌(E.coli)と非生存染色大腸菌(E.coli)の組み合わせ画像を示している。生存細胞および非生存細胞は、位相コントラスト条件下では識別できなかったが、蛍光条件下では、生存細胞は明るく蛍光し、非生存細胞は蛍光しなかった。膜不透過性消光剤、p−スルホン酸カリックス[6]アレーン、およびアスコルビン酸ナトリウムが、非生存細胞膜に通過して蛍光の効果的な消光をもたらした。
実施例3−蛍光プローブ、光誘起電子移動(PET)消光剤、および蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)消光剤を用いた生存大腸菌(E.coli)と非生存大腸菌(E.coli)との区別
この実施例は、蛍光プローブおよびPET消光剤とFRET消光剤との組み合わせを用いて溶液中の生菌(大腸菌(E.coli))を選択的に染色して画像化することが可能であることを実証する。
生存大腸菌(E.coli)細胞および非生存大腸菌(E.coli)細胞の両方を含む細胞懸濁液を、実施例2で説明されているように調製した。蛍光プローブ−消光剤染色剤を、PBS中、0.005mMのオキサジン170パークロレート(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、0.2mMのIR−783(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、100mMの5’グアノシン一リン酸(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)からなる溶液として調製した。
次いで、生存大腸菌(E.coli)および非生存大腸菌(E.coli)懸濁液を、細胞を染色するために蛍光プローブ−消光剤溶液で1:1000に希釈した。約5分のインキュベーション後、染色細胞溶液の液滴を顕微鏡スライドに添加し、蛍光顕微鏡(Carl Zeiss,LLC,Thornwood,NY)で画像化した。
図21Aおよび図21Bは、位相コントラスト条件下(図21A)および蛍光条件下(励起575〜625nm、発光660〜710nm)(図21B)で収集された生存染色大腸菌(E.coli)と非生存染色大腸菌(E.coli)の組み合わせ画像を示している。生存細胞および非生存細胞は、位相コントラスト条件下では識別できなかったが、蛍光条件下では、生存細胞は明るく蛍光し、非生存細胞は蛍光しなかった。膜不透過性消光剤が、非生存細胞膜を透過して蛍光の効果的な消光をもたらした。
実施例4−蛍光プローブおよび消光剤洗浄を用いた、回転する膜上の生存微生物(大腸菌(E.coli)およびカンジダアルビカンス(Candida albicans))の画像化
この実施例は、図1Aに概略的に示されている検出システムを用いて、蛍光プローブおよび消光剤洗浄により生存微生物を選択的に染色して画像化することが可能であることを実証する。
PBS溶液中、550CFUの大腸菌(E.coli)のBioballと550CFUのカンジダアルビカンス(Candida albicans)のBioballとを混合することによって生存微生物の溶液を調製した。この溶液を短時間ボルテックスして細胞を懸濁した。次いで、懸濁液を、真空システムを用いて0.2μmの黒色Cyclopore膜(Whatman,Sanford,ME)に通して細胞を膜上に収集した。この溶液を多孔質膜および多孔質支持部材を通過させることによって、細胞を、例えば、図4Aおよび図4Bに示されているように多孔質支持部材に配設された多孔質膜上に収集した。
蛍光染色液を、PBS中、0.005mMのオキサジン170パークロレート(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)溶液として調製した。別個の消光剤洗浄液を、PBS中、50mMのアスコルビン酸ナトリウム(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)溶液として調製した。次いで、収集した細胞を、5mLの染色溶液と共に約5分間インキュベートした。この染色溶液を膜でろ過し、続いて20mLの消光剤洗浄液で洗浄した。
次いで、得られた膜を、図1に概略的に示されている検出システムのプラットフォームに移した。この膜を、5回転/秒で回転させ、検出システムによって蛍光事象を検出した。図22は、大腸菌(E.coli)の生存集団およびカンジダアルビカンス(C.albicans)の生存集団が明るい蛍光事象としてはっきり見えるスキャン表面のごく一部を示している。
実施例5−核酸結合蛍光プローブおよび核酸結合消光剤を用いた生存微生物と非生存微生物との区別
この実施例は、核酸結合膜不透過性消光剤と組み合わせられた核酸結合膜透過性蛍光染料を用いて生存微生物(大腸菌(E.coli)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、カンジダアルビカンス(C.albicans))を選択的に染色して画像化することが可能であることを実証する。
生存大腸菌(E.coli)、生存黄色ブドウ球菌(S.aureus)、生存カンジダアルビカンス(C.albicans)、非生存大腸菌(E.coli)、非生存黄色ブドウ球菌(S.aureus)、および非生存カンジダアルビカンス(C.albicans)の細胞懸濁液を、従来の培養培地プレートからそれぞれの微生物のコロニーを採取して、これらの細胞を0.9%(w/v)のNaClを含む別個のガラス管に導入して用意した。次いで、細胞をボルテックスすることによって懸濁し、そして生理食塩水でさらに希釈して2.0のマックファーランド標準に等しい濁度にした。これらの懸濁液は、生細胞画分の機能を果たした。各生細胞画分のアリコートを別個のガラス管に移し、次いで、このガラス管を、加熱ブロックに入れて80℃で2時間放置した。ガラス管を水槽から取り出し、室温まで冷却した。これらの加熱死細胞懸濁液は、死細胞画分の機能を果たした。
消光剤Q16を、Beletskayaら(2005)Eur.J.Org.Chem.2005,381−305の変更された方法に従ってすることができる。簡単に述べると、1ミリモルの1,4,5,8,−テトラクロロアントラキノン(Pure Chemistry Scientific,Sugarland,TX)、0.08ミリモルのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、0.16ミリモルの2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO、5ミリモルの3−(ジメチルアミノ)−1−プロピルアミン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、および5ミリモルの炭酸セシウム(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)を5mLのジオキサン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)に混合する。この混合物を、密封容器内で、窒素下、100℃で24時間撹拌する。得られた懸濁液をろ過し、ろ液を100mLの5%(w/v)の炭酸カリウム水溶液で希釈した。得られた沈殿物を、遠心分離によって収集することができる。次いで、得られたペレットを、5mLの1−メチル−2−ピロリジノン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)に溶解し、そしてアルキルアミンを、過剰モル量のメチルp−トルエンスルホン酸塩(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)中で混合して60℃で6時間撹拌することによって四級化することができる。この溶液を、100mLのアセトン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)で希釈し、粗生成物が、青色固体として沈殿し、これをそのまま使用することができる。
消光剤Q17を、米国特許第5,342,974号明細書に記載されている合成法の変更されたバージョンに基づいて調製することができる。簡単に述べると、1ミリモルの1,4,5,8,−テトラクロロアントラキノン(Pure Chemistry Scientific,Sugarland,TX)、0.10ミリモルの硫酸銅(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、5ミリモルのベンジルアルコール(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、5ミリモルの酢酸カリウム(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、および5ミリモルの3−(ジメチルアミノ)−1−プロピルアミン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)を10mLの2−エトキシエタノール(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)に混合する。次いで、撹拌した混合物を、密封容器内で、窒素下、130℃で10時間加熱する。得られた懸濁液をろ過し、得られたろ液を100mLの5%(w/v)の炭酸カリウム水溶液で希釈することができる。得られた沈殿物を、遠心分離によって収集することができる。このペレットを、5mLの1−メチル−2−ピロリジノン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)に溶解し、そしてアルキルアミンを、過剰モル量のメチルp−トルエンスルホン酸塩(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)中で混合して60℃で6時間撹拌することによって四級化することができる。この溶液を、100mLのアセトン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)で希釈し、粗生成物が、青緑色固体として沈殿した。
消光剤Q18を、F.Y.Kwongら(2002)Org.Lett.,Vol.4,No.4,581−584およびGriffithsら(1999)Dyes and Pigments,42,29−34)による組み合わせ法に従って調製することができる。簡単に述べると、1ミリモルのヨードベンゼン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、1.1ミリモルのN,N,N’−トリメチル−1,3−プロパンジアミン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、2ミリモルのエチレングリコール(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、0.10ミリモルのヨウ化銅(I)(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、および2ミリモルのリン酸三カリウム(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)を5mLのイソプロパノール(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)に混合する。この反応混合物を、24時間還流させ、室温に冷却し、ろ過する。溶媒を、減圧下で蒸発させる。粗生成物の半分を、冷却された氷槽中の濃縮HCl(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)に溶解する。この溶液に、化学量論量の亜硝酸ナトリウム(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)に添加し、5℃未満の温度に維持する。次いで、この混合物を1時間撹拌し、飽和量の塩化ナトリウム(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)を添加する。沈殿したニトロシル化生成物をろ過によって収集することができる。
化学量論量のニトロシル化画分を無水酢酸中の非ニトロシル化画分と混合して、T.L.C.分析によって完全であると判断されるまで室温で撹拌する。生成物を、ジエチルエーテル(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)で沈殿させて収集する。次いで、沈殿物を、1−メチル−2−ピロリジノン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)に再懸濁し、そしてアルキルアミンを、過剰モル量のメチルp−トルエンスルホン酸塩に混合して四級化することができる。この混合物を、室温で8時間反応させ、次いで、生成物をジエチルエーテル(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)で暗緑色固体として沈殿させて収集する。
蛍光染料−消光剤溶液(表Vを参照、それぞれ表Iおよび表IIに染料および消光剤として示されている)を、0.9%(w/v)NaCl中、5μmの蛍光染料と50μMの消光剤の濃度に調製した。ある種の生細胞画分のアリコートおよび別の種の死細胞画分のアリコートを、各画分が、それぞれのストック濃度から1:100に希釈されるように蛍光染料−消光剤溶液に混合した。次いで、得られた混合細胞懸濁液を、細胞を染色するために約5分間室温でインキュベートした。次いで、染色細胞溶液の液滴を、顕微鏡スライドに添加し、各蛍光染料に適した励起/発光フィルターを利用して蛍光顕微鏡(Carl Zeiss,LLC−Thornwood,NY)で画像化した。蛍光染料と消光剤の対、使用した励起/発光フィルター、および各実験で試験される微生物を表Vに要約した。
Figure 0006482459
表Vに示されている各蛍光染料と消光剤の対についての、位相コントラストおよび蛍光の両方で得られた画像が、図23A〜図23Jに示され、図23Aおよび図23Bはそれぞれ、実施例1の位相コントラスト画像および蛍光画像に一致し、図23Cおよび図23Dはそれぞれ、実施例2の位相コントラスト画像および蛍光画像に一致し、図23Eおよび図23Fはそれぞれ、実施例3の位相コントラスト画像および蛍光画像に一致し、図23Gおよび図23Hはそれぞれ、実施例4の位相コントラスト画像および蛍光画像に一致し、図23Iおよび図23Jはそれぞれ、実施例5の位相コントラスト画像および蛍光画像に一致している。各実験では、膜不透過性核酸結合消光剤は、生存細胞の無傷の細胞膜によって排除され、明るい蛍光となり、生存細胞の集団を容易に区別することができた。しかしながら、死細胞は、核酸結合消光剤が浸透し、従って、蛍光染料と消光剤が共に死細胞中の核酸に結合し、結果として暗い非蛍光複合体となった。
実施例6−核酸結合蛍光プローブおよび核酸結合消光剤を用いた生存微生物の画像化
この実施例は、核酸結合膜不透過性消光剤と組み合わせて核酸結合膜透過性蛍光染料を用いて生存微生物(大腸菌(E.coli)および黄色ブドウ球菌(S.aureus))を選択的に染色して画像化し、次いで、生存細胞が回転膜上で検出される本明細書で説明された検出システムまたは落射蛍光顕微鏡のいずれかを用いて生存細胞を画像化することが可能であることを実証する。
生存大腸菌(E.coli)、生存黄色ブドウ球菌(S.aureus)、非生存大腸菌(E.coli)、および非生存黄色ブドウ球菌(S.aureus)の細胞懸濁液を、従来の培養培地プレートからそれぞれの微生物のコロニーを採取して、これらの細胞を0.9%(w/v)のNaClを含む別個のガラス管に導入して用意した。次いで、細胞をボルテックスすることによって懸濁し、そして生理食塩水でさらに希釈して2.0のマックファーランド標準に等しい濁度にした。これらの懸濁液は、生細胞画分の機能を果たした。各生細胞画分のアリコートを別個のガラス管に導入し、次いで、このガラス管を、加熱ブロックに入れて80℃で2時間放置した。ガラス管を水槽から取り出し、室温まで冷却した。これらの加熱死細胞懸濁液は、死細胞画分の機能を果たした。
蛍光染料−消光剤溶液(表VIを参照、それぞれ表Iおよび表IIに染料および消光剤として示されている)を、pH7.4、10μMのトリス、0.9%(w/v)NaCl中、5μMの蛍光染料と50μMの消光剤の濃度に調製した。表VIの実験番号1および2では、ある種の生細胞画分のアリコートおよび別の種の死細胞画分のアリコートを、各画分が、それぞれのストック濃度から1:100に希釈されるように蛍光染料−消光剤溶液に混合した。次いで、得られた混合細胞懸濁液を、細胞を染色するために約15分間室温でインキュベートした。次いで、染色細胞溶液の液滴を、顕微鏡スライドに添加し、各蛍光染料に適した励起/発光フィルターを利用して蛍光顕微鏡(Carl Zeiss,LLC−Thornwood,NY)で画像化した。
回転膜上の生存微生物を画像化するために、大腸菌(E.coli)の生細胞画分のアリコートおよび黄色ブドウ球菌(S.aureus)の死細胞画分のアリコートを10μMのトリス、0.9%(w/v)NaCl、pH7.4の溶液に懸濁し、次いで、金スパッタPETの0.45μmの膜を含む図10Aに示されているアセンブリに通してろ過した。次いで、膜に収集された細胞を、2mLの量の蛍光染料および消光剤溶液(表VIの実験番号3を参照)に曝露して、細胞を染色するために室温で15分間インキュベートした。染色溶液を、真空ろ過によって排出し、図10Cに示されているアセンブリを、図14Aに示されているホルダーの中に配設し、次いで、膜が約5回転/秒(300rpm)の速度で回転する図1Aに示されている検出システムで画像化した。蛍光染料と消光剤の対、使用した励起/発光フィルター、および各実験で試験される微生物を表VIに要約する。
Figure 0006482459
表VIに示されている各蛍光染料と消光剤の対についての、位相コントラストおよび蛍光の両方で得られた画像が、図24に示され、図24Aおよび図24Bはそれぞれ、実施例1の位相コントラスト画像および蛍光画像に一致し、図24Cおよび図24Dはそれぞれ、実施例2の位相コントラスト画像および蛍光画像に一致し、図24Eは、実施例3の蛍光画像に一致している。各実験では、イメージング技術にかかわらず(落射蛍光顕微鏡または図1Aに示されているシステムによる検出によって)、膜不透過性核酸結合消光剤は、生存細胞の無傷の細胞膜によって排除され、明るい蛍光となり、生存細胞の集団を容易に区別することができた。しかしながら、死細胞は、核酸結合消光剤が浸透して、暗い非蛍光複合体となった。
参照による組み込み
本明細書で言及した特許文献および科学論文のそれぞれの全開示は、あらゆる目的のために参照により組み込まれる。米国仮特許出願第61/641,805号明細書;同第61/641,809号明細書;同第61/641,812号明細書;同第61/784,759号明細書;同第61/784,789号明細書;および同第61/784,807号明細書の全ての開示内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
均等物
本発明は、本発明の概念または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施することができる。従って、上述の実施形態は、本明細書で説明される本発明を限定するのではなく、全ての点で例示であると見なされるべきである。様々な実施形態の様々な構造要素および開示される様々な方法のステップは、様々な組み合わせおよび順で利用することができ、このような全ての変更形態が、本発明の形態と見なされる。従って、本発明の範囲は、上述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、請求項と均等の意味および範囲に含まれる全ての変更が、本発明に包含されるものとする。

Claims (21)

  1. 液体サンプル中の生存細胞の存在および/または量を検出する方法であって、前記方法が、
    (a)液体サンプルを、実質的に平面の多孔質膜の少なくとも一部分を通過させ、その結果、生存細胞が存在する場合、生存細胞が多孔質膜の一部分に保持されるステップ、ここで、前記多孔質膜は、最大でも100μmの平面度公差を有し、最大でも100μmの平面度公差を有する膜接触表面を含む流体透過性支持部材の上に維持される;
    (b)前記液体サンプルが多孔質膜を通過した後に、多孔質膜の一部分に保持された生存細胞が存在する場合は、生存細胞を蛍光標識で標識するステップ;
    (c)前記多孔質膜を検出システムに対して回転させることによって、最大でも100μmの平面度公差を有する前記多孔質膜の一部分をスキャンするステップ、ここで、前記検出システムが、
    (i)前記蛍光標識を励起して発光事象を生じさせるのに適した波長の光ビームを放射する光源、および
    (ii)前記発光事象を検出することができる少なくとも1つの検出器
    を含み、前記スキャンにより、前記平面の多孔質膜の複数の領域を調べ、全ての生存細胞に関連した蛍光標識の励起によって生じる発光事象を検出する;ならびに
    (d)ステップ(c)で検出された発光事象に基づいて、前記膜によって収集された生存細胞の存在および/または量を決定するステップ、
    を含み、前記生存細胞が微生物である、方法。
  2. ステップ(b)で、前記細胞が、生死判別染色剤および生死判別染色システムの少なくとも1つを用いて標識される、請求項1に記載の方法。
  3. 光源のビームが、350nm〜1000nmの範囲の波長を有する光を放射する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記波長が、350nm〜600nmおよび600nm〜750nmの少なくとも1つの範囲である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記検出器が、350nm〜1000nmの範囲の放射光を検出する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記光検出器が、350nm〜450nm、450nm〜550nm、550nm〜650nm、650nm〜750nm、750nm〜850nm、および850nm〜950nmから選択される少なくとも1つの範囲の放射光を検出する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記多孔質膜がディスクを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記多孔質膜が、350nm〜1000nmの範囲の波長を有する光に曝露されたときに実質的に非自家蛍光性である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記多孔質膜が、前記多孔質膜を流体は通過するが細胞は前記多孔質膜に保持されるように1μm未満の平均直径を有する複数の孔を画定している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記多孔質膜が、1μm〜3,000μm;10μm〜2,000μm;および100μm〜1,000μmからなる群から選択される範囲の厚さを有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記流体透過性支持部材が、0.1mm〜10mm;0.5mm〜5mm;および1mm〜3mmからなる群から選択される範囲の厚さを有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記光源からの光によって活性化されると蛍光事象を生成する複数の蛍光粒子を前記多孔質膜上に収集するステップをさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記液体サンプルの少なくとも一部における生存細胞の量を決定するステップをさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記生存細胞の前記多孔質膜における位置を決定するステップをさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. ステップ(d)の後に、前記多孔質膜によって収集された前記生存細胞が成長および/または増殖できる条件下で前記多孔質膜を培養するステップをさらに含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記生存細胞の属および/または種を特定するステップをさらに含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記スキャンするステップ(c)が、前記多孔質膜上の入れ子状円形パターンおよび螺旋パターンの少なくとも1つを光ビームでトレースするステップを含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. ステップ(b)の前、ステップ(b)の最中、またはステップ(b)の前および最中に、細胞増殖できる条件下で前記生存細胞が培養される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記多孔質膜上に配置された前記生存細胞が、細胞増殖ができる条件下で培養される、請求項18に記載の方法。
  20. ステップ(b)の後であるが、ステップ(c)の前に、細胞増殖ができる条件下で前記生存細胞が培養される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. ステップ(c)において、前記多孔質膜を、30rpm〜1000rpmの速度で回転する、請求項1記載の方法。
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