JP6478671B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関する。
ハイブリッド現像方式(以下、HV現像方式)に関する従来技術として特許文献1に記載の画像形成装置が知られる。特許文献1には、感光体ドラムに対向してトナーを担持する現像ローラと、現像ローラに対向してトナーと磁性キャリアが含まれる二成分現像剤を担持する搬送ローラと、を備える画像形成装置が開示される。この画像形成装置では、現像ローラと搬送ローラとの間に電界を作用させて現像ローラの表面にトナー層を形成し、感光体ドラムの静電像を現像する。
このHV現像方式では、二成分現像剤の撹拌によってトナーの帯電が行われるために十分な帯電量を得やすく、また、搬送ローラから現像ローラへのトナーの供給が静電気力によって行われるため、現像ローラに逆極性に帯電したトナーが供給されることもない。従って、感光体ドラム1の非画像領域へのトナー付着がなく、かぶりの発生が防止される。更に、現像ローラにはトナーのみしか供給されないため、磁性キャリアの感光体ドラム1への付着も防止されるなどの利点がある。
図1は、HV現像方式を採用した特許文献1の構成を有する現像装置20(以下、HV現像装置)の概略図である。現像容器21内の二成分現像剤は、供給部材30により、内部にマグネットを固定配置した現像剤担持体31に供給される。供給された二成分現像剤は、規制部材32により規制を受けながら、トナー担持体27との対向部まで搬送される。
対向部には、電圧印加部26により電位差△Vが印加される。△Vにより、対向部における現像剤中のトナーが、静電的に付着する磁性キャリアから脱離し、トナー担持体27方向へ飛翔しコートされる。このとき、△Vとコートされるトナーの単位面積における電荷量Q/Sは、式(1)の通り比例関係にある。
△V ∝ Q/S=M/S×Q/M ・・・(1)
このときQ/S(μC/cm)は、単位面積におけるトナー量M/S(g/cm)、トナーの単位質量における電荷量Q/M(μC/g)の積である。
トナー担持体27上にコートされたトナーは、感光体ドラム1との対向部まで搬送され、感光体ドラム1上の静電像を現像する。
特開平9−211970号公報
一方、消費エネルギー低減のために、少ないトナー量で高画質画像を出力可能な現像装置が求められている。このため、トナーについて言えば、トナー内部に含有される顔料量増加や顔料の分散性向上により、トナーの1個当たりの濃度を改善する試みがなされている。しかし、HV現像装置において、改善されたトナーを用いても、トナー量を抑える効果が限定的であることがわかった。
図2(a)はHV現像装置により、感光体ドラム1上に現像されたトナー11(粒径:7.6μm、比重:1.1g/cm、M/S:0.47mg/cm)を示す模式図である。図2(b)は、同じトナー量を感光体ドラム1の表面に対して高密度に現像した際の模式図である。
感光体ドラム1の表面に占めるトナーの密度が高いトナー像(図2(b))に比べて、密度が低いトナー像(図2(a))は、同じトナー量において、トナーが感光体ドラム1の表面を被覆し切れず、部分的に露出してしまう。このため、紙上に転写した際に、トナーが存在しない白地部の影響により、画像濃度が著しく減少してしまう。また、トナー量が多い部分と極端に少ない部分の濃度ムラが顕著になってしまうことがわかった。
図2(c)は、HV現像装置の電位差△Vを上げて、画像濃度を改善した際のトナー像(粒径:7.6μm、比重:1.1g/cm、M/S:0.65mg/cm)を示す模式図である。図のように、画像濃度を改善するためには、必要以上に多くのトナー量を現像し、感光体ドラム1の表面を被覆する必要があり、トナー量を抑える効果が限定されてしまうことがわかった。
図3は、メディア上のトナー量M/S(mg/cm)に対するオーブンによる定着後の同メディア上の濃度の結果である。メディアは温度条件により粘着力のスイッチングが可能なインテリマーシート(ニッタ株式会社製)を用いている。
図3のグラフaは、温度条件によりインテリマーシートの粘着力をオフし、メディアに対しHV現像装置を有する画像形成装置により、通常の画像出力を行い定着した結果である。
一方、図3のグラフbは、温度条件によりインテリマーシートの粘着力をオンし、メディア上にトナーを敷き詰め、余剰なトナーをエアーで除去することにより、メディア上に図2(b)のような高密度なトナー像を実現して定着した結果である。HV現像装置は多くのトナー量を現像し、感光体ドラム1の表面を被覆しなければ、飽和濃度まで達しないのに対し、高密度なトナー像を実現すると、少ないトナー量で感光体ドラム1の表面を被覆し、飽和濃度に達することができる。
以上のように、HV現像装置を用いて、少ないトナー量で所望の濃度を得て、且つ濃度ムラを改善することが難しい。そこで、HV現像方式において感光体ドラム1上に現像されるトナー像の密度が低い原因を調べた。その結果、HV現像装置のように、磁性キャリアに被覆したトナーに対し、両ローラ間の電位差を利用してコートする方式は、主に以下の2つの理由によりトナー像の密度が低下し易いことが分かった。
(1)図1に示す現像剤担持体31とトナー担持体27との電位差により、トナー担持体27の表面にトナーをコートする場合、電場が作用する空間内に存在するトナーに力が作用し、一斉に運動を行うため、トナーを表面上に均一に配置することが困難であり、表面上で多層化し、図2(a)に示すようにトナー担持体27の表面に占めるトナーの密度が低下し易い。
(2)更に、トナー担持体27上に担持されたトナーを感光体ドラム1へトナーを飛翔させる際に、図2(a)や図2(c)のように多層化し不均一なトナー層の場合、各トナーの付着量が大きく異なるため、現像残が発生し易く、感光体ドラム1上に現像されるトナー像の密度が更に低下してしまう。
本発明は、上記実情に鑑み、より少ないトナー量で高密度の画像が得られる画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、非磁性トナー及び磁性キャリアを有する現像剤を収容する現像容器と、前記現像容器内に回転可能に配置され、回転方向に関して複数の溝が周期的に形成され、現像剤を担持可能な凹凸部材と、前記凹凸部材に対向して設けられ、前記凹凸部材に担持された磁性キャリアを回収する回収手段と、前記凹凸部材の回転方向に関して、前記回収手段よりも下流側で前記凹凸部材に接触し、前記凹凸部材に担持されたトナーが現像される回転可能な像担持体と、を有する画像形成装置であって、前記凹凸部材に形成された各溝は、前記凹凸部材の回転軸線と直交する断面において、前記凹凸部材の周方向に関して、一方向に形成された第1側面と、他方向に形成され、前記第1側面よりも傾斜角度が緩やかである第2側面とを有し、隣り合う溝の前記第1側面と前記第2側面とからなる頂点の高さは、前記溝の前記第1側面と前記第2側面の両方に平均粒径のトナーが接触しているときのトナーの最大高さよりも小さく前記凹凸部材の回転方向は前記像担持体の回転方向に対して逆回転で、前記凹凸部材の表面速度は前記像担持体の表面速度よりも大きく、前記凹凸部材の回転方向において一つの溝の前記第1側面が前記一つの溝の前記第2側面よりも下流側となる方向に前記凹凸部材は回転することを特徴とする。
本発明によれば、より少ないトナー量で高密度の画像が得られる。
HV現像方式を採用した現像装置の概略図である。 HV現像装置により、感光体ドラム上に現像されたトナーを示す模式図である。 メディア上のトナー量M/S(mg/cm)に対する定着後の同メディア上の濃度の結果である。 電子写真方式を用いた画像形成装置の断面図である。 実施例1に係る現像装置の断面図である。 凹凸回転体の斜視図等である。 凸部が形成されたコーティング層の断面図である。 現像装置の内部に二成分現像剤が収容されて二成分現像剤の移動状況を示す断面図である。 二成分現像剤の搬送の様子を説明する模式図である。 スリーブにおける二成分現像剤の搬送時のトナー挙動について説明する模式図等である。 後述する現像剤の回収後に、スリーブ上にコートされたトナー像の模式図である。 構造a、b、cを有するスリーブにおける二成分現像剤の供給量に対するコート量を示すグラフ等である。 凹凸構造上に拘束されたトナーが後続から搬送されてくる二成分現像剤中の磁性キャリアと衝突した際の模式図等である。 トナーの製造条件(重合条件、分級条件)を可変して得られた正帯電性トナー(rt=9.7μm、平均円形度0.97)と標準キャリアP−01を用いて、凹凸構造にコートされるトナーの粒度分布を測定した結果である。 最小トナー粒径を考察する断面図等である。 現像部の後端における模式図である。 傾斜周期Lがトナーの粒径rtの2倍以上の場合における現像部の後端における模式図である。 傾斜周期がトナーの粒径より小さい場合における現像部の後端における模式図である。 粒径=6μmのトナーを用いた際(表2、表4)における、紙上のトナー量M/S(mg/cm)に対する定着後の濃度の結果である。 傾斜周期がトナーの粒径の3倍のスリーブの模式図等である。 熱ナノインプリント法による形成方法の概略図等である。 サンプリングについて説明する模式図である。 AFMの測定で用いる2種類のカンチレバー(探針)の先端形状の模式図である。 後述する凹凸構造の測定方法で得られる構造形状の一例を示す図等である。 凸部が並んだ構造を測定方法により測定した形状(a、b)の差分(b−a)を示す図等である。 図25(b)の頂点P間の平均形状を示す図等である。 本発明の変形例に係るコーティング層の凹凸構造の断面図である。 ハキヨセを説明する模式図である。 本発明における凹凸構造を利用した現像装置の構成例を示す図等である。 回収部Uから回収部Yまでの磁気穂搬送の模式図等である。 実施例4に係る現像装置の断面図である。 ハキヨセを抑制するために、凹凸回転体と感光体ドラム間に本構成におけるトナーを受け取るトナー担持体を配する現像器構成である。 実施例5に係る現像装置の断面図等である。 実施例6に係る現像装置の断面図等である。 実施例7に係る現像装置の断面図等である。 スリーブ表面を示す平面図である。
以下、本発明を実施するに係る現像装置の形態を、図面に則して詳しく説明する。本発明は、例えば図4に示されるような電子写真方式を用いた画像形成装置に具現化されるものとして説明するが、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その他の相対配置などは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、前の実施例で用いられる符号が次の実施例でも用いられる場合があるが、基本的に同一の構成のものであり、説明は前の実施例のものが援用されるものとする。
図4は、電子写真方式を用いた画像形成装置100の断面図である。画像形成装置100は、装置本体100Aの内部に、静電像を保持する導電基板上に光導電層を塗布して構成されるドラム状の『像担持体』としての感光体ドラム1が回転自在に設けられる。
感光体ドラム1は、帯電器2で一様に帯電され、次に例えばレーザ露光装置3によって情報信号を露光され、静電像を形成し、現像装置20で可視化される。次に、感光体ドラム1の表面のトナー像は、転写帯電器4で転写紙5へ転写され、更に定着装置6により定着される。また、感光体ドラム1上の転写残トナーはクリーニング装置7によってクリーニングされる。
図5は、実施例1に係る現像装置20の断面図である。現像装置20は感光体ドラム1に対向して配置される。現像装置20は、現像容器21を有する。現像容器21の内部には、トナー(非磁性トナー)及びキャリア(磁性キャリア)を有する二成分現像剤10(図8参照)が収容される。また、現像装置20は、凹凸回転体22と、供給部材24と、回収ローラ23と、を備える。
『凹凸部材』としての凹凸回転体22は、現像容器21の開口21Aに(現像容器内)回転可能に配置され、回転軸方向から見た断面視で表面に所定高さの複数の凸部22A及び所定深さの凹部22Bが形成されている。凹凸回転体22は、回転方向hに関して複数の『溝』としての凹部22Bが周期的に形成された凹凸構造を有する。凹凸回転体22は、凹部22Bにてトナー11を担持可能である。凹凸回転体22は、現像容器21に回転自在に支持されるスリーブ221と、スリーブ221の内部に回転不可に支持される複数の磁極を有する永久磁石222と、を有する。
『供給手段』としての供給部材24は、凹凸回転体22に二成分現像剤10を供給する。供給部材24は、現像容器21の内部の二成分現像剤10を撹拌しつつ供給するスクリューである。
『回収手段』としての回収ローラ23は、凹凸回転体22に対向して設けられ、凹凸回転体22から凹部22Bの中に担持されていない二成分現像剤10(特に凹凸回転体22に担持された磁性キャリア12)を回収する。回収ローラ23は、現像容器21の回転自在に支持されるスリーブ231と、スリーブ231の内部に回転不可で支持される複数の磁極を有する永久磁石232と、を有する。
『受取部材』としての感光体ドラム1は、静電像を担持する部材である。また、感光体ドラム1は、凹凸回転体22の回転方向に関して、回収ローラ23よりも下流側で凹凸回転体22と接触し、凹凸回転体22の表面の凹部22Bの中に担持されているトナー11を受け取る(トナーが転移される)。その他、凹凸回転体22の表面に対向する位置には、凹凸回転体22の回転方向で上流側から順に、供給部材24、回収ローラ23、感光体ドラム1が配置される。
なお、ここでは、感光体ドラム1が回転方向mに回転し、凹凸回転体22が回転方向hに回転し、回収ローラ23が矢印i方向に回転する。凹凸回転体22と回収ローラ23には、電圧印加部26から電圧が印可される。
図6(a)は、凹凸回転体22の斜視図である。図6(a)に示されるように、凹凸回転体22は、軸jを中心として、回転方向hに回転する。
図6(b)は、凹凸回転体22のスリーブ221の一部拡大斜視図である。図6(b)に示されるように、スリーブ221の表面の凸部22Aは、軸jの方向に沿う面(軸jの方向に平行な面)を有し、回転方向hで規則的に凹凸に並ぶように形成される。凸部22Aの間に凹部22Bが形成されることになる。
図6(c)は、図6(b)の矢印X方向から見た断面図である。スリーブ221は、金属材料からなる円筒状の部材である基層221a上に、弾性層221bを被覆した構造の部材で形成されている。弾性層221bの上に、コーティング層221cが形成される。
基層221aは、導電性と剛性のある素材なら何でもよく、SUS、鉄、アルミなどで形成できる。
弾性層221bは、適度な弾性を有するシリコーンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのゴム材料を基材とする。弾性層221bは、これにカーボン、酸化チタン、金属微粒子などの導電性微粒子を添加して導電性を付与したものである。また、導電性微粒子以外にも、表面粗さを調整するために球形状樹脂を分散させても構わない。本実施例においては、ステンレス製の基層221a上にカーボンが分散されたシリコーンゴム及びウレタンゴムから成る弾性層221bから成る。
コーティング層221cは樹脂材料で形成される。このコーティング層221cに凸部22Aが形成される。複数の凸部22Aは、スリーブ221の回転方向hに対して規則的に並んでいる。各々の凸部22Aは、回転方向hの寸法である傾斜周期Lで形成され、高さdで形成される。
なお、弾性層221bとコーティング層221cの接着性を上げるために、両者の間にプライマー層221cを設けても構わない。また、本実施例においては、弾性層221b上のコーティング層に凸部22Aを形成したが、弾性層221bに凸部22Aを形成しても構わない。このとき弾性層上にコーティング層があってもなくても構わない。
また、本実施例においては、感光体ドラム1はローラ状の基層221a上に感光層を有しているが、ベルト状の感光体ベルトでも構わない。このとき、スリーブ221には、弾性層221bがあってもなくても構わない。具体的には、基層221a上に樹脂や金属から成るコーティング層221cを設け、コーティング層221cに凸部22Aを形成したり、基層221aに直接に凸部22Aを形成したりしても構わない。
更に、凸部22Aを有すコーティング層や弾性層や基層上に、削れ防止や絶縁処理のために、高硬度材料や絶縁材料をコートしても構わない。このとき、凸部22Aが十分残る程度に薄いコート層にする必要がある。
図7は、凹部22Bが形成されたコーティング層221cの断面図である。図7に示されるように、各々の凹部22B(各溝)は、凹凸回転体22(凹凸部材)の周方向に関して、頂点Pから左の底点YLまでの緩やかな緩傾斜角で形成される緩傾斜面SL(一方向に形成された第1側面)と、頂点Pから右の底点YRまでの急な急傾斜角で形成される急傾斜面SRと(他方向に形成された第2側面)、を有する。複数の凸部22Aは、緩傾斜角|κL|<急傾斜角|κR|のように、角度が異なる傾斜を有する。したがって、緩傾斜面SLの方が、急傾斜面SRよりも傾斜角度が緩やかとなる。
また、複数の凸部22A同士(凸部同士)の間に形成される傾斜角度が急な急傾斜面SRを登って傾斜角度が緩い緩傾斜面SLを降りる方向(凹凸部材の周方向において、第1側面を下る方向)を、スリーブ221の面に沿う方向で正方向とする。凸部22Aは、回転方向hで急傾斜角|κR|から緩傾斜角|κL|までの傾斜周期Lで並ぶ凹凸構造で形成される。このとき、前記凹凸構造で形成される溝の内面にトナー接触可能となるように前記溝の周期Lが形成される。つまり、トナーが溝の内面に接触不可能であるような場合は含まれない。即ち、トナー粒径に対して溝の周期Lが小さい凹凸構造は含まれない。
本実施例では、傾斜周期Lは8μm、緩傾斜面SLの幅xLは7.3μm、深さdは1.9μmであり、急傾斜面SRの最大傾きκRは2.7、緩傾斜面SLの最大傾きκLは0.26である。また、コーティング層221cの厚さDは7μmである。なお、ここでは、緩傾斜面SLと急傾斜面SRは、軸j(図6(a)参照)に平行に延びるように形成されるが、軸jに対して傾斜するように形成されても良い。
また、本発明は構造に限定されるわけではなく、後述する凹凸構造の判定方法に該当する構造であればこれに含まれる。なお、本発明における凹凸構造の詳細な形成方法、判定方法に関しては後述する。
図8は、現像装置20の内部に二成分現像剤10が収容されて二成分現像剤10の移動状況を示す断面図である。凹凸回転体22は、感光体ドラム1に接触するように配され、感光体ドラム1の回転方向mに対して、トナーが感光体ドラム1に移動する現像部Tにおいて回転方向hに回転可能に設けられている。この凹凸回転体22に対向して、供給部材24と回収ローラ23が配置されている。ここで、凹凸回転体22における感光体ドラム1側の領域を現像部Tといい、凹凸回転体22における供給部材24側の領域を供給部Wという。
供給部材24は、後述する回収ローラ23により回収された現像剤10を撹拌し、凹凸回転体22と供給部材24が対向する供給部Wへ搬送し、永久磁石222により作用する磁気力により供給する。
一方、回収ローラ23のスリーブ231は、凹凸回転体22と対向する回収部Uにおいて逆方向に移動するように回転可能に設けられている。供給部材24により感光体ドラム1に供給された二成分現像剤10の一部を、現像部Tに搬送される前に、永久磁石222と、永久磁石232が協働で形成した磁場により作用する磁気力により回収する。このため、回収ローラ23は、凹凸回転体22の回転方向hに対して、現像部Tより上流、且つ供給部Wより下流の位置に配されることを特徴とする。
次に、現像装置20における凹凸回転体22上へのトナーコート、及び感光体ドラム1の静電像への現像について説明する。なお、詳細な説明は後述する。供給部Wにおいて、供給部材24により、表面に規則的に並ぶ凹凸構造を有した凹凸回転体22に二成分現像剤10を供給する。
二成分現像剤10が凹凸回転体22に供給され、回収ローラ23により回収されるまでの搬送過程に、凹凸回転体22のスリーブ221と接触した二成分現像剤10中のトナーが、凹凸構造に接触して磁性キャリアから脱離し、安定して薄層均一コートされる。コートされたトナー以外の二成分現像剤10は、回収部Uにおいて回収ローラ23により、磁気力で回収され、矢印kの経路で再び供給部材24により撹拌供給され、以後これを繰り返す。
一方回収されずに凹凸回転体22に薄層均一コートされたトナーは、現像部Tにおいて感光体ドラム1と接触し、凹凸回転体22と感光体ドラム1間の電位差により感光体ドラム1上に現像される。このとき、凹凸回転体22のコートが規則的に均一であるために、スリーブ221の移動速度vhと感光体ドラム1の移動速度vmより決定される速度比vh/vmを適正に設定することにより、感光体ドラム1上に均一且つ高密度なトナー像が現像可能になる。
従来技術であるHV現像方式に対する優位性として、均一且つ高密度なトナー像が得られること以外にも、現像量の安定性が挙げられる。HV現像方式の場合、電位差△Vが決定されると、コート量はQ/Mに依存する(次式(1))。
つまり、環境変動や耐久により現像剤のQ/Mが変動すると、コート量が変動し、それに伴い現像量が大きく変動する。このため、HV現像方式ではコート量やQ/Mをセンシングして複雑な電位制御を必要とする。これに対し、本発明においては、トナーが凹凸回転体22上の凹凸構造の傾斜面と多点接触するため、平面と点接触する場合に比べて小さな静電的付着力でもコートすることができる。つまり、トナーの電荷量が変動し、静電的付着力が変動しても、凹凸構造にコートされるトナー量は変動し難く、安定したコート量を実現できるため、複雑な制御に頼ることなく安定した現像量を実現することできる。
以下、現像装置20における凹凸回転体22上へのトナーコート、及び感光体ドラム1の静電像への現像について詳細に説明する。現像容器21内の二成分現像剤10は、供給部材24により、供給部Wまで撹拌、搬送される。本実施例においては、重合法により製造された個数平均粒径(D50)rが7.6μm、平均円形度が0.97の正帯電性トナーを用いた。平均円形度は、トナーがスリーブ221上を回転移動するために、0.95以上であることが好ましい。
磁性キャリアは、個数平均の粒径rが90μmの標準キャリアP−01(日本画像学会製)を用いた。磁性キャリアの粒径rcは、被覆するトナーが十分に接触し、帯電できる表面積が必要なことから、トナーの粒径rtの2倍以上であることが好ましい。なお、トナーおよび磁性キャリアの個数平均粒径、トナーの平均円形度の測定方法に関しては後述する。
トナー及び磁性キャリアを、全体の質量に対するトナー質量比(TD比x)7%に混合し、二成分現像剤10とした。TD比xは、十分なトナー量をスリーブ221に供給するために、磁性キャリア表面をトナーが被覆する割合として計算される被覆率Sが次式(2)から50%以上になるように調整されている。
ここで、ρc:キャリア真密度(4.8g/cm)、ρt:トナー真密度(1.05g/cm)である。なお、トナー及び磁性キャリアは、に限定されず、一般に使用されている公知のトナー及び磁性キャリアを使用することができる。供給部Wまで搬送された二成分現像剤10は、凹凸回転体22内部に固定配置される複数の永久磁石222によって作られる磁界により、スリーブ221に供給される。供給された二成分現像剤10は、スリーブ221の回転および永久磁石222によって作られる磁界の影響を受けて磁気穂化し、スリーブ221の回転方向hに搬送される。
図9は、二成分現像剤10の搬送の様子を説明する模式図である。なお、図面上、スリーブ221の表面における凹凸構造は省略している。永久磁石222の磁界により、二成分現像剤10は磁気穂化する(図9(a)参照)。スリーブ221の移動(vh)に伴い、磁気穂は隣接する極の影響を受け始める(図9(b)参照)。さらに移動すると隣接する極に拘束される(図9(c)参照)。以後これを繰り返す。このため、二成分現像剤10の平均移動速度v10はスリーブ221の移動速度vhに対して、速度差(v10>vh)を有する。
図10(a)は、スリーブ221における二成分現像剤10の搬送時のトナー挙動について説明する模式図である。なお、図では、スリーブ221のコーティング層221cの表面に形成される凸部22Aの近傍に存在する磁性キャリア12のみ記載しているが、実際は磁気穂化して複数存在している。図のように、スリーブ221は、回転方向hに対して規則的に並ぶ垂直方向に凹凸となる凹凸構造を有す。
二成分現像剤10がスリーブ221上を搬送される過程において、磁性キャリア12に被覆されたトナーの中で、凹凸構造に接触するトナー11が緩傾斜面SL及び急傾斜面SRと多点接触する。このことにより、凹凸構造上に拘束され、磁性キャリア12から脱離し、凹凸構造上にコートされる。このとき、凹凸構造に接触するトナー11のみに拘束力が働くため、規則的な構造上に均一なトナー11を薄層コートすることができる。
図10(b)は、比較例に係る凹凸構造を有しないスリーブ221における二成分現像剤10の搬送時のトナー挙動について説明する模式図である。搬送過程において、スリーブ221上に接触するトナー11は、凹凸構造に比べ拘束力が弱く、スリーブ221上にコートされ難い。
更に、搬送過程において、スリーブ221上に一度付着したトナー11も、後続から搬送されてくる磁性キャリア12と絶えず接触する。凹凸構造を有していない場合、スリーブ221上に付着したトナーは、凹凸構造に比べ拘束力が弱いため、接触する磁性キャリア12に回収され易い。このため、二成分現像剤10の搬送方向、ここではスリーブ221の回転方向hと略平行に磁気穂によるかき取り跡が顕著となり、均一なコートができない。
図11は、後述する現像剤の回収後に、スリーブ221上にコートされたトナー像の模式図である。凹凸構造を有するスリーブ221の場合(図11(a)参照)、トナー11が凹凸構造により拘束され、磁気穂によりかき取られ難いため、構造上に均一なトナー11を薄層コートすることができる。すなわち、図11(a)に示されるように、軸jの方向に並ぶトナー11の密度が上昇するとともに、回転方向hに配置されるトナー11の密度が上昇する。
一方、凹凸構造を有していないスリーブ221の場合(図11(b)参照)、トナー11の拘束力が弱く、スリーブ221上に付着し難く、更にトナー11が磁気穂によりかき取られ易いため、表面に均一なトナーを薄層コートすることができない。
図12(a)は、構造a、b、cを有するスリーブ221における二成分現像剤10の供給量に対するコート量を示すグラフである。図12(b)は、図12(a)のグラフaに対応するコーティング層221cの断面図、図12(c)は、図12(a)のグラフbに対応するコーティング層221cの断面図である。図12(d)は、図12(a)のグラフcに対応するコーティング層の断面図である。
図12(b)の構造aは、コーティング層221cの凸部22Aの高さが高いことで凹部22Bの深さが深い構成であり、図12(c)の構造bは、コーティング層221cの凸部22Aの高さが低いことで凹部22Bの深さが浅い構成であり、図12(d)の構造cは、コーティング層に凸部や凹部がない構成である。
構造aは、凹凸構造で、凸部22Aの高さが高くて凹部22Bの深さが深いため、拘束力が上がり、スリーブ221の表面に接触するトナーが磁性キャリアから脱離し、構造表面に付着する付着確率Q1が高い。更に、後続の磁気穂によってかき取られる掻き取り確率Q2は低い。このため、凹凸構造に対し、少ない供給量でコートが完了する。このことに関しては図12(a)のグラフa参照。
構造bは、構造aに比べて、凸部22Aの高さが高くて凹部22Bの深さが浅いため、付着確率Q1は低く、掻き取り確率Q2は高くなる。このため、構造aに比べて、コートが完了するために必要な供給量は増加する。このことに関しては図12(a)のグラフb参照。
一方、構造cは、構造a、bに比べてトナーの拘束力が著しく弱まるために、付着確率Q1は極めて小さく、掻き取り確率Q2は極めて大きくなる。このため、供給量を増加しても、スリーブ221の表面に十分なトナーをコートすることができない。このことに関しては図12(a)のグラフc参照。
図13(a)は、凹凸構造上に拘束されたトナー11が後続から搬送されてくる二成分現像剤中の磁性キャリア12と衝突した際の模式図である。トナー11は、磁性キャリア12の中心Oc(重心)からトナー11の中心Ot(重心)へと向かう方向に力Fを受ける。このとき、トナー11には、トナー11と凹凸構造の急傾斜面SR上の頂点Pを中心として、力Fの垂直成分F⊥によりトルクがかかり、図中の矢印mt方向に回転し、急傾斜面SRを乗り越え、磁性キャリアにかき取られると考えられる。
凹凸回転体22に凹凸構造が形成されることで、トナー11が軸jの方向に並んで回転方向hで周期的に凹部22Bに断面視で2点接触で担持される(図6参照)。ただ、前述のように、凹凸構造、磁性キャリア12の径、トナー11の径が設定されることで、磁性キャリア12がトナー11を掻き取る確率が低減されるのである。
そして、そのように磁性キャリア12で掻き取られなかったトナー11が感光体ドラム1に効率良く転移するには、急傾斜面SRを登って緩傾斜面SLを降りる方向と、感光体ドラム1に対する凹凸回転体22の相対速度と、が関わってくる。このことを図10を参照しつつ説明する。
例えば、図10にて、急傾斜面SRを登って緩傾斜面SLを降りる左方向を正として、感光体ドラム1の移動速度v10に対するスリーブ221の相対的な移動速度vhを正に設定する。すなわち、凹凸構造の傾斜面の急緩順が左方向であり、スリーブ221が感光体ドラム1よりも左方向に速く回転する。この場合には、トナー11は緩傾斜面SLを伝って感光体ドラム1に移動し易い。そのために、現像効率が上昇する。
反対に、例えば、図10にて、急傾斜面SRを登って緩傾斜面SLを降りる左方向を正として、感光体ドラム1の移動速度v10に対するスリーブ221の相対的な移動速度Vhを負に設定する。すなわち、凹凸構造の傾斜面の急緩順が左方向であり、スリーブ221が感光体ドラム1よりも右方向に速く回転する。この場合には、トナー11は急傾斜面SRの頂点Pに引っ掛かって感光体ドラム1に移動し難い。そのために、現像効率が激減して、NGと言える。
トナー11にトルクがかかるのは凹凸構造にコートする際も同様であり、トナー11が矢印mt方向に回転することを抑制することにより、付着確率Q1を高め、掻き取り確率Q2を低めることができると考えられる。
図13(b)は、凹凸構造の断面図に対して、トナー11、磁性キャリア12に相当する円を下記条件で記載した模式図である。ここから図13(b)を用いてトナーの最大値Rxを算出する。なお、図15(a)を用いてトナーの最小値Rnを算出する。
図13(b)の状態では、第2仮想線L2が傾斜面の頂点PLを通るが、このときのトナーの粒径の最大値となり、これを最大値Rxとする。ここで、第2仮想線L2は、トナー11(円t)のトナー中心(Ot)、キャリア12(円c)のキャリア中心(Oc)を結ぶ線である。トナー(円t)は、隣り合う凸部22A同士の間に形成される凹部22Bの2つの傾斜面のうちの一方の急傾斜面SRの頂点PLと他方の緩傾斜面SLとに複数点で接する。
キャリア(円c)は、凹凸回転体22の表面の凸部22Aの頂点PL、PR同士(頂点同士)を結ぶ第1仮想線L1とトナー11とに接して所定の粒径rcを有する。このとき、円tには頂点PLを中心として、矢印mt方向に回転させるトルクを発生させる力が働かない。
一方、円tの粒径がRxを超えると、第2仮想線L2が傾斜面の頂点PLからズレてしまい、図13(a)のように垂直成分F⊥が働き、トルクが発生し、矢印mt方向に回転してしまう。つまり、凹凸構造と磁性キャリア12の粒径rcが決定されると、スリーブ221上にコートできるトナー11の粒径の上限は幾何学的にRxと決定される。また、凹凸回転体22(凹凸部材)に形成された各々の凹部22Bは、凹部22Bの内面に少なくとも平均粒径のトナー11が接触可能であるとともに、接触したトナー11の頂点よりも凹部22Bの頂点が低く設定される。
本実施例で使用した凹凸構造(L=8μm、xL=7.3μm、d=1.9μm、κR=2.7、κL=0.26)、磁性キャリア12の粒径(rc=90μm)から、幾何学的に求められる最大トナーの粒径11であるRxは12μmである。なお、磁性キャリア12の粒径rcが傾斜周期L、深さdに比べて十分大きいため、磁性キャリア12の接点を第1仮想線L1と近似している。
図14は、トナーの製造条件(重合条件、分級条件)を可変して得られた正帯電性トナー(rt=9.7μm、平均円形度0.97)と標準キャリアP−01を用いて、凹凸構造にコートされるトナーの粒度分布を測定した結果である。凹凸構造の条件は、L=8μm、xL=7.3μm、d=1.9μm、κR=2.7、κL=0.26とした。
点線のグラフ(a)は、現像容器21に入れたトナー11の粒度分布であり、実線のグラフ(b)はスリーブ221上を現像剤が搬送され、後述する現像剤の回収手段により、二成分現像剤10が回収後に、スリーブ221上にコートされたトナー11の粒度分布である。図のように、幾何学的に決定される最大トナーの粒径であるRxが12μmより大きいトナーは、スリーブ221上にコートされないことを確認した。
一方、スリーブ221上に薄層均一なコートをするためには、凹凸構造の急傾斜面SRに複数のトナー11が付着することは好ましくない。二個以上のトナー11が付着することを防止するためには、トナー11の粒径が凹凸構造に対して一定の大きさ以上であることが必要である。このことを次の図15(a)を用いて考える。
図15(a)は、凹凸構造の断面図に対して、トナー11に相当する円を下記条件で記載した模式図である。図15(a)の状態で、頂点PL、PRを結んだ第1仮想線L1に接すると共に、隣り合う凸部22A同士の間に形成される2つの急傾斜面SR及び緩傾斜面SLと多点(2点)で接するトナー11(円t)の粒径をRnとする。
図のように、トナーの粒径がこのRn以上であれば、急傾斜面SRと緩傾斜面SLとの間に複数のトナーが付着することを防止することができる。つまり、凹凸構造が決定されると、スリーブ221上に薄層均一にコートできるトナー11の粒径の下限(最小値)は幾何学的にRnと決定される。
本実施例で使用した凹凸構造(L=8μm、xL=7.3μm、d=1.9μm、κR=2.7、κL=0.26)から、幾何学的に求められる最小トナーの粒径であるRnは1.7μmである。
以上より、凹凸構造と磁性キャリア12の粒径rcが決定されると、スリーブ221上に薄層均一にコートできるトナー11の粒径rtは図13(b)と図15(a)から幾何学的に求められるRxとRnより、Rn≦トナーの粒径rt≦Rxの関係が成立する。
ここで、図8に戻って説明する。その後、凹凸回転体22上の現像剤10は回収ローラ23と対向する回収部Uまで搬送される。回収ローラ23は、内部に固定された永久磁石232と、円筒状の非磁性の金属材料で形成されて回転可能なスリーブ231と、を有する。
スリーブ231は、凹凸回転体22と対向する回収部Uにおいて逆方向に移動するように回転可能に設けられている。凹凸回転体22と回収ローラ23は非接触であり、2mm以下に離間して配置されている。本実施例において回収ローラ23には電圧印加部26により、凹凸回転体22と等電位になるように電圧が印加されているが、フロートでも構わない。
凹凸回転体22内の永久磁石222は、それぞれ2個ずつ交互に配設されたN極とS極を有している。一方、回収ローラ23内の永久磁石232は、2個のN極と1個のS極を有している。このとき、図8に示すように、凹凸回転体22と回収ローラ23が対向する回収部Uにおいて、両者の磁極が異極となるように、凹凸回転体22内に磁極N22、回収ローラ23内に磁極S23が対向するように配置される。更に回収ローラ23の回転方向iの下流側にN極を並べて配置する。
磁極N22及び磁極S23の大きさは、磁極S23の幅が磁極N22の幅よりも狭くなるように設定され、これにより磁極S23と磁極N22との間で形成される磁場の磁束密度は凹凸回転体22から回収ローラ23側にいくほど高くなるように変化する。このため、回収部Uにおいて磁性キャリア12には凹凸回転体22から回収ローラ23側への磁気力が働き、磁極N22から磁極S23間の磁界に沿って磁気穂が形成される。
更に、回収ローラ23のスリーブ231は、凹凸構造のスリーブ221の回転方向hと、回収部Uにおいて逆方向のi方向に回転する。そのため、回収ローラ23の表面に磁気力によって保持された現像剤には、その磁気力と回収ローラ23表面との摩擦力により、回収ローラ23から現像容器21の内部の方向に向かう搬送力が加わる。
回収ローラ23の表面に担持された現像剤は、永久磁石232のN極が並んで配置された位置付近において現像容器21に一端を保持されたスクレーパー25によりかき落とされ、現像容器21内に戻される。現像容器21内に戻された現像剤は、新たに補給される現像剤などと供給部材24により撹拌され、再び供給部Wにおいて凹凸回転体22に供給される。即ち、磁性キャリア12を含む二成分現像剤10の現像容器21内の循環経路は図8中における矢印kに示すようになる。一方、回収を受けず、スリーブ221上に薄層均一にコートされたトナーは、感光体ドラム1と対向する現像部Tまで搬送される。
図15(b)は、現像部Tにおける模式図である。スリーブ221と感光体ドラム1は互いに接触するように配され、スリーブ221表面における凹凸構造の頂点Pに対し、急傾斜面SRを登って緩傾斜面SLを降りる矢印z方向を正とした。このとき、感光体ドラム1の移動速度vm(表面速度)に対するスリーブ221の移動速度vh(表面速度)の相対速度が正に設定される。
更に、凹凸回転体22と感光体ドラム1間には、電圧印加部26により電位差が生じており、トナー11は感光体ドラム1の方向に力が働いている。本実施例においては、スリーブ221と感光体ドラム1は、侵入量が50μm程度になるように接触されており、スリーブ221の移動速度vhは感光体ドラム1の移動速度vmに比べて周速比が1.05倍になるように調整されている。
更に、感光体ドラム1の潜像電位(VL=100V)に対し、電圧印加部26により、凹凸回転体22に+400VのDC電圧が印加されている。周速比により、凹凸構造上に拘束されたトナー11にはトルクが作用し、矢印nt方向に回転し、スリーブ221とトナー11の接触点が減少することにより、拘束力が下がる。このため、スリーブ221上に拘束されたトナー11を確実に感光体ドラム1上の画像部Im(図8参照)に移動させることができる。本実施例においては、スリーブ221の回転方向hと急傾斜面SRを登って緩傾斜面SLを降りる矢印z方向とが同方向であるが、逆方向でも同様である。
図15(c)は、回転方向hと矢印z方向が逆方向の際の現像部Tにおける模式図である。急傾斜面SRを登って緩傾斜面SLを降りる方向(図中の矢印z方向)を正としたとき、感光体ドラム1の移動速度vmに対するスリーブ221の移動速度vhの相対速度が正のときを想定する。このときは、スリーブ221の移動速度vhは、感光体ドラム1の移動速度vmよりも遅いことになる。このときにのみ、凹凸構造上に拘束されたトナーに図中矢印nt方向に回転させるトルクが作用し、スリーブ221上に拘束されたトナーを感光体ドラム1上の画像部Imに移動させることができる。
尚、図15(c)のように、感光ドラム1の方がスリーブ221よりも速度が速くなる場合は、感光ドラム1がスリーブ221を現像位置で追い越すため、感光ドラム1に転移されるトナー密度は、スリーブ221上のトナー密度よりも低くなる関係となっている。しかしながら、感光ドラム1の速度がスリーブ221の速度に十分近い関係であれば、スリーブ221上に高密度にコートされたトナー密度を維持した状態で転移することができる。このため、上記構成でも本発明の効果を得ることができる。
図16は、現像部Tの後端における模式図である。図中の先頭のトナー11aが現像部Tの後端を通過した様子(図16(a)参照)、およびそのt秒後に隣のトナー11bが現像部Tの後端を通過する様子(図16(b)参照)を表している。印加した電位差により、トナーはスリーブ221から感光体ドラム1の方向へ力を受け、且つ、現像部Tにおける感光体ドラム1の移動速度vmに対するスリーブ221の移動速度vhの相対速度を正にした。このことにより、トナーにトルクが作用し、回転し易くなる。
これにより、スリーブ221との付着力が低減し、感光体ドラム1へ現像される。このとき、感光体ドラム1上にトナーを高密度で現像する条件は、t秒後に感光体ドラム1上に現像されるトナー11a、11bの中心間の距離Rがr以下である。
トナー11aが距離R進むのにかかる時間tは
時間tでトナー11bは傾斜周期Lの距離進む必要があるため、
式(3)(4)より、感光体ドラム1の移動速度vmに対するスリーブ221の速度比vh/vmは、
つまり、本実施例(rt=7.6μm、L=8μm)において感光体ドラム1上にトナーを高密度で現像するために必要な速度比vh/vmは1.05倍以上である。
表1は、現像装置20において、速度比vh/vmを可変した際の現像量、感光体ドラム1上のトナーカバー率、定着後の濃度評価の結果である。なお、各評価方法に関しては後述する。
感光体ドラム1の移動速度vmに対するスリーブ221の移動速度vhの相対速度が負(vh/vm=0.95、vm=300mm/s、vh=286mm/s)の場合には、スリーブ221から感光体ドラム1へトナーを現像できない。
一方、感光体ドラム1の移動速度vmに対するスリーブ221の移動速度vhの相対速度が正であり、式(5)を満たす速度比vh/vm(1.05倍)に設定する。そうすると、少ないトナー量においても感光体ドラム1上にトナー11を高密度で現像可能になり、所望の濃度を達成することができる。更に、多層のトナー11を現像する場合には、周速比(1.05倍)に所望のトナー層数を掛けた周速比に設定すればよい。
また、この感光体ドラム1の移動速度vmやスリーブ221の移動速度vhの相対速度に関して説明を補充する。もしも、図16中で、感光体ドラム1の移動速度の方がスリーブ221の移動速度よりも速い場合には、スリーブ221から感光体ドラム1の方に移動するトナー同士は、感光体ドラム1の表面で隙間を生じやすい。
しかしながら、図16中で、スリーブ221の移動速度の方が感光体ドラム1の移動速度よりも速い場合には、スリーブ221から感光体ドラム1の方に移動するトナー同士は、スリーブ221からトナーが後から後からトナーが送られてくるので、感光体ドラム1の表面で密に現像される。
表2は、粒径rtの異なるトナーを用いて、速度比vh/vmを可変した際の現像量、感光体ドラム1上のトナーカバー率、定着後の濃度評価の結果である。
式(5)を満たす速度比vh/vm(1.33倍)に設定すると、少ないトナー量においても感光体ドラム1上にトナー11を高密度で現像可能になり、所望の濃度を達成することができる。更に、多層のトナー11を現像する場合には、周速比(1.33倍)に所望のトナー層数を掛けた周速比に設定すればよい。
なお、トナーを高密度で現像するために必要な速度比vh/vmの関係式は、傾斜周期Lとトナーの粒径rtによって、以下のように場合分けされる。なお、凹凸回転体22の表面の移動速度vhと感光体ドラム1の表面の移動速度vmとの速度比vh/vmは、トナーの粒径r、凸部22A同士の間隔L、感光体ドラム1の表面に担持されるトナー11の中心間の距離R、自然数n、mと設定してn+1<(L/rt)≦n+2、m−1<(rt/L)≦mとした場合で導出する。
(A)r≦L<2r
(B)2r≦L
(C)r>L
図17は、傾斜周期Lがトナーの粒径rtの2倍以上の場合(すなわち前述の(B)の場合)における現像部Tの後端における模式図である。図面上、感光体ドラム1と接触していないトナーもあるが、実際は十分な侵入量(50μm)で接触しているため、ほぼ全てのトナーが接触していると考えられる。
図中のトナー11aが接触部の後端を通過した様子(図17(a)参照)、およびそのt秒後に隣のトナー11bが接触部の後端を通過する様子(図17(b)参照)を表している。感光体ドラム1上にトナーが高密度で現像される条件は、トナー11aがt秒後に距離R進む間に、トナー11bが距離(L−nr)進むことであり、式(7)が得られる。
ここで、自然数nは式(9)のように決定される。
図18は、傾斜周期Lがトナーの粒径rtより小さい場合(すなわち前述の(C)の場合)における現像部Tの後端における模式図である。図中のトナー11aが接触部の後端を通過した様子(図18(a)参照)、およびそのt秒後に隣のトナー11bが接触部の後端を通過する様子(図18(b)参照)を表している。感光体ドラム1上にトナーが高密度で現像される条件は、トナー11aがt秒後に距離R進む間に、トナー11bが距離mL進むことであり、式(8)が得られる。
ここで、自然数mは式(10)のように決定される。
表3、表4は、本実施例の現像装置20及び比較例のHV現像装置により、感光体ドラム1上にトナー11を現像した際の現像量、感光体ドラム1上のトナーカバー率、定着後の濃度評価、画像均一性の評価結果である。
本実施例における現像装置20は、少ないトナー量においても感光体ドラム1上に高密度のトナー像を現像できるのに対し、HV現像装置は、現像装置20と同現像量になるように調整しても、トナー密度が低く、2層目のトナーが複数存在する。
図19は、粒径=6μmのトナーを用いた際(表2、表4)における、紙上のトナー量M/S(mg/cm)に対する定着後の濃度の結果である。HV現像装置(図19のグラフ(a)参照)は、トナーが存在しない白地部の影響により、画像濃度が著しく減少し、少ないトナー量で所望の濃度を達成することができない。
一方、本現像装置(図19のグラフ(b)参照)は高密度なトナー像を現像できるため、少ないトナー量で所望の画像濃度を達成できる。また、本現像装置はトナー像の高さ方向のムラが小さいために、画像均一性が許容レベルであるのに対し、HV現像装置は、トナー像の高さ方向のムラが大きく、画像均一性が許容レベルに達しない。
表5は、本実施例における現像装置において、トナーの製造条件(重合条件、分級条件)を可変して得られた正帯電性トナーと標準キャリアP−01を用いた際の現像量、感光体ドラム1上のトナーカバー率、定着後の濃度評価の結果である。
トナーA、B、Dは、所望の画像を得られるのに対し、トナーC、Eは得られなかった。トナーCは幾何学的に求められる最大トナーの粒径であるRxが12μmを上回っているため、スリーブ221上にトナーを均一にコートすることができない。このため、トナーが感光体ドラム1の表面を被覆し切れず、部分的に大きく露出してしまい、紙上に転写した際に、トナーが存在しない白地部の影響により、画像濃度が著しく減少してしまう。また、濃度ムラにより画像均一性が悪化してしまう。
トナーEは幾何学的に求められる最小トナーの粒径であるRn(1.7μm)を下回っているため、スリーブ221上にトナーが多層でコートされてしまう。更に、現像時に感光体ドラム1とトナーの接触性が低下し、現像できないトナーが発生してしまう。このため、感光体ドラム1のトナー高さにムラが生じ、画像均一性が悪化してしまう。
実施例1の構成によれば、本発明の目的を達成できる。更に、トナーの粒径rtが凹凸構造と磁性キャリアの粒径rcによって幾何学的に決定される範囲(Rn≦rt≦Rx)であることが望ましい。更に好ましくは非磁性トナーに関しては、累積粒度分布における10%の粒径がRn以上であり、累積粒度分布における90%の粒径がRx以下であることが好ましい。
すなわち、トナーの粒径がRn≦rt10≦rt90≦Rxであることが好ましい。これにより、感光体ドラム1に現像されない微粉や租粉が現像容器21内にたまり、帯電安定性を低下させるなどの弊害を軽減することができる。ここで、rt10は累積分布における10%の粒径、rt90は累積分布における90%の粒径である。
図20(a)は、傾斜周期Lがトナー11の粒径の3倍のスリーブ221の模式図である。図のように、急傾斜面SRと緩傾斜面SLに多点接触できるトナー11cはスリーブ221上に拘束される。その一方で、トナー11aの上方に位置するトナー11d、トナー11eは、一点接触であり、上方にいくに従い磁性キャリアからかき取られ易い。このため、コート量の安定性が低下し、それに伴い現像量の安定性が低下してしまう。これを回避するために、1周期に拘束されるトナー数を制限する。
凹凸構造の傾斜周期Lは、回転方向hで隣接する複数の凸部22A同士の間隔に相当し、トナーの粒径rtの3倍よりも小さく、更に好ましくはトナーの粒径rtの2倍よりも小さいと好ましい。具体的には2個以下、更に好ましくは1個に制限することにより、周期間におけるコート量の変動が抑制され、コート量、現像量の安定性を改善することができる。
図20(b)は、凹凸構造の寸法を示す断面図である。この凹凸構造において、深さd及び幅xLを可変することにより、傾きκR、κLを調整している。
表6は、本実施例における現像装置において、スリーブ221上の構造形状を可変した際の評価結果である。また、凹凸構造の凸部22Aの緩傾斜面SLの最大傾斜角度|κL|は0.5以下であり、凸部22Aの急傾斜面SRの最大傾斜角度|κR|は1.0以上である。ことが好ましい。
構造A、B、Cにおいて、構造Cのみが所望の濃度に未達であった。構造Cのスリーブ221上には十分なトナー量がコートされているが、スリーブ221上のトナーが感光体ドラム1へ現像し難いことによる。これは、構造Cでは、緩傾斜面SLにおける最大傾き|κL|が0.5より大きいことにより、スリーブ221上のトナーが規定の周速比を与えても、緩傾斜面SL上を回転移動できずに、感光体ドラム1へ現像し難いためと考えられる。以上より、凹凸構造の緩傾斜面SLにおける最大傾き|κL|は0.5以下であることが好ましい。
一方、構造D、Eにおいて、構造Eのみが所望の濃度に未達であった。構造D、Eの|κL|は0.5以下であり、スリーブ221上のほぼ全てのトナーが感光体ドラム1へ現像できているが、構造Eのスリーブ221上に十分なトナー量がコートされないことによる。これは、急傾斜面SRにおける最大傾き|κR|が1.0より小さいことにより、トナーがスリーブ221上に拘束され難いためと考えられる。
以上より、凹凸構造の急傾斜面SRにおける最大傾き|κR|は1.0以上であることが好ましい。また、トナー11とスリーブ221の接触点における静電的付着力が大きければ、トナーはスリーブ221上に拘束され易くなり、コート量の安定性が改善する。更に現像剤の搬送過程において、スリーブ221とトナーの接触頻度や摩擦を過度に上げる必要がなくなり、現像剤の劣化を抑えることができる。
そのためには、凹凸回転体22のスリーブ221の表面と、磁性キャリア12と、非磁性のトナー11と、の帯電系列(帯電列)は、トナー11と凹凸回転体22のスリーブ221の表面(コーティング層221c)との間に、磁性キャリア12が並ぶことが好ましい。この条件においては、トナー11とスリーブ221の表面材料の帯電系列差が、トナー11と磁性キャリア12の帯電系列差に比べて大きくなる。
このため、トナー11とスリーブ221が接触、摩擦し帯電した際に、トナー11と磁性キャリア12の静電的付着力に比べて、強い静電的付着力が発生し、トナー11が磁性キャリア12から脱離しスリーブ221に付着しやすくなる。なお、帯電系列の決定方法に関しては後述する。
<凹凸構造の形成方法>
スリーブ221上の凹凸構造は、光硬化性樹脂を用いた光ナノインプリント法、熱可塑性樹脂を用いた熱ナノインプリント法、レーザを走査しエッジングを行うレーザエッジング法等により形成される。または、スリーブ221上の凹凸構造は、ダイヤモンド刃により機械的に削るダイヤモンドエッジング法、更にそれらの成型から電鋳技術などによる複製等によっても形成することができる。
図21(a)は、熱ナノインプリント法による形成方法の概略図である。ハロゲンヒータ41を内包した転写用ローラ40上に、所望の凹凸構造とは逆形状の構造を有したフィルムモールド42を固定し、スリーブ221に接触、加圧する。転写用ローラ40とスリーブ221を等速で回転させながら、ハロゲンヒータにより、ガラス転移温度から融点の範囲内に加熱し、スリーブ221上に凹凸構造を形成する。
このときのようにスリーブ221の弾性層221bに直接形成しても構わないし、あらかじめ弾性層221b上に熱可塑性樹脂から成るコーティング層221cを塗工し、コーティング層221cに形成しても構わない。光ナノインプリント法は、光硬化性樹脂をスリーブ221の表面に塗工し、ハロゲンヒータの代わりに設置したUV光源により、UV照射し、凹凸構造を形成する。
本実施例のスリーブ221は、光ナノインプリント法により形成されており、2mmの弾性層221b上に接着性を上げるために数nmのプライマー層を設け、その上方に数μmのフッ素系光硬化性樹脂を塗工し、光ナノインプリント法により凹凸構造を形成した。
図21(b)は、ダイヤモンドエッジング法による形成方法の概略図である。スリーブ221に対して、先端がのこぎり形状のダイヤモンド刃を有す針43を矢印f方向に走査し、スリーブ221の表面を機械的に削り凹凸構造を形成する。更にスリーブ221を矢印g方向にわずかに回転し、再び針43をf方向に走査し、これを繰り返し、凹凸構造を形成する。
<凹凸構造の判定方法>
スリーブ221上における凹凸構造の判定はAFM(Atomic Force Microscope、原子間力顕微鏡)(Pacific nanotechnology社製Nano−I)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。以下判定方法について説明する。
図22は、サンプリングについて説明する模式図である。サンプリングはスリーブ221の中央部における表面をカッターやレーザなどにより切り取り、平滑なシート状に加工する。AFMの測定は、スリーブ221の軸jの水平方向j″に対して垂直方向である図中矢印s方向に走査して行う。なお、AFMにより直接にスリーブ221上を測定し、円筒補正を行っても構わない。
図23は、AFMの測定で用いる2種類のカンチレバー(探針)の先端形状の模式図である。探針Aは先端がトナーの粒径r相当の半球状の探針(図23(a)参照)であり、探針Bは先端がキャリアの粒径rに相当の半球状の探針(図23(b)参照)である。
図24(a)は、後述する凹凸構造の測定方法で得られる構造形状の一例である。図24(b)は、探針Aと探針Bにより測定される形状のグラフである。図24(b)中のグラフJ1は、探針AによりAFMで測定される凹凸構造の形状J1(黒丸のプロットが複数ある実線部分)である。図24(b)中のグラフJ2は、探針BによりAFMで測定される凹凸構造の形状J2(水平線に相当する点線部分)である。走査方向に対して、探針A、Bの先端位置を計測する。なお、図24(b)中のグラフJ3は、図24(a)の凹凸回転体22の凹凸構造を示す。
このとき、探針の先端径rに対して、走査方向の解像度を十分に確保して測定を行う。具体的には、先端径rの1/10以下であることが好ましい。得られる形状の差分(グラフJ2の位置−グラフJ1の位置)を取り、更にその微分を取り、頂点P″を決定し、頂点P″の左右に位置する底点YL″、YR″を決定する。YL″、YR″間の凸部22Aを単位構造としたとき、凸部22Aの頂点P″の左右に位置する緩傾斜面SL″(P″YL″)、急傾斜面SR″(P″YR″)の最大傾きκL″、κR″を算出する。
図25(a)は、凸部22Aが並んだ構造を測定方法により測定した形状(J1、J2)の差分(J2−J1)を示す図である。構造が凹凸構造であるかは以下の判定基準により決定される。
条件(1)・・・頂点P″nと左右の底点から成る凸n構造のうち、隣接する10個の凸n構造(凸1〜凸10)の緩傾斜面SLn″、急傾斜面SRn″の最大傾きκLn″とκRn″が|κLn″|<|κRn″|を満たす。なお、回転方向hで隣接する所定数(例えば10個)の凸n構造の緩傾斜面SLn″、急傾斜面SRn″の最大傾きκLn″とκRn″の平均値がΣ(|κLn″|/n)<Σ(|κRn″|/n)を満たすという条件であっても良い。
条件(2)・・・隣り合う頂点間距離のL″n(L″1〜L″10)が式(11)を満たし、且つ頂点間距離のL″nに対する緩傾斜面SL″の幅xL″nの比(xL″1/L″1〜xL″10/L″10)が式(12)を満たす。
ここで、式(11)に関して解説する。例えば頂点間距離を5点で計測した場合を例示する。L”n1=7.8μm、L”n2=8.2μm、L”n3=7.5μm、L”n4=8.5μm、L”n5=8.0μmであったとする。右辺は、L”1〜L”5の平均値の10%であるから、0.8μmとなる。左辺は、例えば、L”1からL”1〜L”5の平均値を引くから絶対値は0.2μmとなる。こうしたことから、特定の頂点間距離のピッチ幅の誤差が、平均の頂点間距離のピッチ幅の誤差の範囲内にある。
また、頂点間距離を5点で計測した場合に、L”n1=9.0μm、L”n2=7.0μm、L”n3=10.0μm、L”n4=6.0μm、L”n5=8.0μmであったとする。右辺は、L”1〜L”5の平均値の10%であるから、0.8μmとなる。左辺は、例えば、L”1からL”1〜L”5の平均値を引くから絶対値は1.0μmとなる。こうしたことから、特定の頂点間距離のピッチ幅の誤差が、平均の頂点間距離のピッチ幅の誤差の範囲内にない。
こうしたことから、前述の式(11)や式(12)は、頂点間距離の誤差、及び、このような頂点間距離に対する緩傾斜面幅の誤差が、10%以内にあることを意味する。このように、凹凸構造は、回転方向hで所定の規則性を有して凹部22Bと凸部22Aを有する。
前述の条件(1)及び条件(2)を満たす構造は、角度が異なる傾斜を有す凸部22Aが規則的に並ぶ凹凸構造とし、本発明における凹凸構造と判定する。なお、探針Aが追従できない微小構造や周期の短い構造、探針Bが侵入できる周期の長い構造に関しては、そのような構造が含まれていたとしても、本発明における凹凸構造が存在しさえすれば本発明の効果を得ることができる。従って、スリーブ221表面に上記構造が含まれていても構わない。
<凹凸構造の測定方法及びトナーの粒径の規定方法>
凹凸構造の判定方法により、凹凸構造と判定された場合に、凹凸構造の測定方法及びトナーの粒径の規定方法について説明する。測定は、判定方法で用いたサンプルに対して、非接触表面・層断面形状計測システムR5200(菱化システム社製)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。
図25(b)は、測定により得られる形状を示す図である。このとき、測定方向はAFM測定と同様に、スリーブ221の軸jの水平方向j″に対して垂直方向であり、測定範囲はAFM測定で得られる平均頂点間距離(1/nΣL″n)の10倍以上とする。このとき、測定範囲における最下点を原点Oとし、原点Oから平均頂点間距離までの最高点をP1、P1から平均頂点間距離までの最下点をY1、Y1から平均頂点間距離までの最高点をP2とし、以後これを繰り返し、P1からP11までを決定する。次に、隣接する頂点P間(P1〜P2、P2〜P3・・・P10〜P11)の平均形状を算出する。
図26(a)は、図25(b)の頂点P間の平均形状を示す図である。このとき、頂点間(PL、PR)を結ぶ第1仮想線L1と急傾斜面SR、SLに接する円の直径を最小トナーの粒径であるRnとする。
図26(b)では、平均形状に対して、粒径rcの磁性キャリア12に相当する円cが、第1仮想線L1に接し、且つ、急傾斜面SR上の頂点PLと緩傾斜面SLと多点接触する直径がRxのトナー11に相当する円tに接する。このとき、円cの中心Ocと円tの中心Otを結ぶ第2仮想線L2が、頂点PLを通る際の模式図である。このとき得られる円tの直径を最大トナーの粒径であるRxとする。
<粒径の測定方法>
トナーの粒径はコールターマルチサイザ−I I I(ベックマンコールター社製)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。
具体的には、電解液100ml(ISOTON)に、分散剤として界面活性剤を0.1g加え、さらに測定試料(トナー)を5mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約2分間分散処理して測定サンプルとする。アパーチャーは100μmのアパーチャーとし、試料の個数を、チャンネルごとに測定して、メジアン径d50、累積分布の10%径d10、90%径d90を算出し、試料の個数平均粒径r、rt10、rt90とする。
磁性キャリア粒径はレーザ回折式粒度分布測定器SALD−3000(島津製作所製)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。具体的には、0.1gの磁性キャリアを装置に導入し測定を行い、試料の個数を、チャンネルごとに測定して、メジアン径d50を算出し、試料の個数平均粒径rとする。
<円形度の測定方法>
トナーの円相当径、円形度及びそれらの頻度分布はFPIA−2100型(シスメックス社製)を用い測定を行い、式(13)(14)を用い算出する。
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とはトナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.00を示し、表面形状が複雑になるほど、円形度は小さい値となる。また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、式(15)から算出される。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散器Tetora150型(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が40℃以上にならないように適宜冷却する。
トナー粒子の形状測定には、FPIA−2100型を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなるように分散液濃度を調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、トナー粒子の平均円形度を求める。
<評価方法>
現像量に関しては、感光体ドラム1上に現像されたトナーを吸引し、その重さ(mg)、および吸引部の面積(cm)を計測し、その商である単位面積における重さ(mg/cm)を算出する。
トナーカバー率に関しては、トナーを現像した感光体ドラム1上をマイクロスコープ(Keyence社製VHX−5000)で撮影し、その画像から画像処理ソフト(アドビ社製photoshop)を用いる。そして、トナー部の面積(px)のみを抽出し、全体の面積に対する比率を算出する。
定着後の濃度評価に関しては、現像、転写、定着を順次行い、コート紙上にトナー像を定着し、濃度評価を行う。濃度評価は、コート紙上の反射濃度Drを反射濃度計(エックスライト株式会社製500Series)により測定し、所望の反射濃度(CMY:Dr≧1.3、K:Dr≧1.5)に対し、未達の場合を×、到達の場合を○とする。
定着度の画像均一性の評価に関しては、濃度ムラが目立ちやすいハーフトーン画像(明度L*≒70)に対して、以下評価基準に従って行う。
レベル良好(○):斑点状の濃度ムラが目立ち難い(0〜3点/cm)。
レベル不良(×):斑点状の濃度ムラが目立って見える(4点〜/cm)。
<帯電系列の決定方法>
現像装置20の現像容器21内に磁性キャリアのみを入れて、1分程度通常の現像における回転動作を行う。このとき、電界印加手段は取り外し、凹凸回転体22と回収ローラ23は電気的にフロートの状態とする。
現像部Tの位置に、凹凸回転体22に対向するように、表面電位計MODEL347(トレック社製)のプローブを設置し、凹凸回転体22の表面電位を測定する。回転動作前後の電位差(動作後電位−動作前電位)を計測し、電位差がプラスであれば凹凸回転体22のスリーブ221は磁性キャリアに比べて帯電系列上ポジ側、マイナスであればネガ側と判断することができる。
一方、上記磁性キャリアとトナーの摩擦帯電により、トナーが磁性キャリアに比べて帯電系列上ポジ側、ネガ側かを判断できるため、3者の相対的な帯電系列を決定することができる。
[変形例]
実施例1における現像装置20により、下記条件1、2で画像評価を行った結果を表7、8に示す。本実施例で使用したスリーブ221は、熱ナノインプリント法により形成されている。スリーブ221には、2mmの弾性層221b上に接着性を上げるために数nmのプライマー層を設け、その上方に数μmのアミド系熱可塑性樹脂を塗工し、熱ナノインプリント法により凹凸構造を形成した。磁性キャリアはフェライトの焼結条件を可変して、コア粒径を調整し、フェライトコアにシリコーン樹脂をコートし製造された。なお、条件1、2で使用する現像剤を用いたHV現像装置を比較例とした。
<条件1>
トナー(負帯電性):rt=1.7μm、平均円形度=0.96。
磁性キャリア:rc=35μm。
TD比:4%。
凹凸構造(図20(b)):L=2μm、xL=1.8μm、d=0.45μm、κR=2.3、κL=0.25。
速度比vh/vm=1.2。
<条件2>
トナー(負帯電性):rt=45μm、平均円形度=0.95。
磁性キャリア:rc=500μm。
TD比:7%。
凹凸構造(図20(b)):L=50μm、xL=45μm、d=12μm、κR=2.4、κL=0.27。
速度比vh/vm=1.1
トナーの粒径や帯電極性に依らず、本現像装置の効果を確認した。つまり、トナーの粒径や帯電極性に依らず、少ないトナー量においても、高密度のトナー像を現像可能なため、所望の濃度を得て、且つ濃度ムラを改善することができる。
図27は、本発明の実施例2に係るコーティング層221cの凹凸構造の断面図である。図27(a)は、凹凸構造の谷部に平坦部M2が形成される断面図である。図27(a)に示されるように、凹凸構造の緩傾斜面SLが複数の傾きの傾斜面で形成される。特に、緩傾斜面SLの底部に平坦部M2が形成される。この構成によれば、微粉トナーが構造内に留まり、現像剤や感光体ドラム1の摺擦を受け続けることにより発生するトナー融着を改善することができる。
このとき、平坦部M2の幅LFaは、トナーの粒径rtの3倍より小さい、更に好ましくは2倍より小さいことが好ましい。これにより、凹凸構造上に安定したトナー量をコートすることができる。当然、本構造においても、頂点Pの左右に位置する緩傾斜面SL(PYL)、急傾斜面SR(PYR)の最大傾きκL、κRは、|κL|<|κR|であり、更に好ましくは、|κL|は0.5以下、|κR|は1.0以上であることが好ましい。また、図示はしないが緩傾斜面SLや急傾斜面SRの傾きが連続的に変化するU字形状で構わない。
図27(b)は、凹凸構造の山部に平坦部M1が形成される断面図である。図27(b)に示されるように、凹凸構造の急傾斜面SRが複数の傾きの傾斜面で形成される。特に、急傾斜面SRの頂部に平坦部M1が形成される。この構成によれば、凹凸構造が現像剤や感光体ドラム1との摺擦により、摩耗し、形状が変化することを抑制することができる。
このとき、平坦部M1の幅LFbは、トナーの粒径rtより小さいことが好ましい。これにより、平坦部M1にコートされるトナーが限定され、凹凸構造上に安定したトナー量をコートすることができる。当然、本構造においても、頂点Pの左右に位置する緩傾斜面SL(PYL)、急傾斜面SR(PYR)の最大傾きκL、κRは、|κL|<|κR|であり、更に好ましくは、|κL|は0.5以下、|κR|は1.0以上であることが好ましい。
開口幅Zの寸法は、1μm以上、100μm以下に設定するのが好ましい。
スリーブ221上における前記平坦部M1(凸部における)の割合は45%以下とすることが好ましい。図36はスリーブ221上の領域S(破線)、前記領域Sにおける開口幅L−LFbの開口部St、前記領域Sにおける幅LFbの平坦部M1を示す。トナーは前記開口部Stにコートされている。前記の通り、感光体1上には少なくともスリーブ221上のトナー量以上のトナーが現像される。
一方、感光体1上に必要なトナー量は、定着後に隙間なくトナー同士が接着し、紙上をトナー像で覆うことができる程度である。具体的には、前記開口部Stにコートされるトナーの総体積が、領域Sの面積Saと定着後のトナー層厚dtの積で決定される立方体の体積以上である。
(Sta:開口部Stの面積cm2、Sa:領域Sの面積cm2、ρ:トナー真比重g/cm3、dt:定着後のトナー層厚cm、κ:開口部Stにおけるトナー量g/cm2)
前記開口部Stにおけるトナー量κは、ほぼ最密に充填されるために、下式で近似することができる。
また、定着後のトナー層厚dtは、一般的な定着条件で、トナー粒径rtの1/3程度までつぶすことができることから、上記2式より、下式で近似することができる。
つまり、スリーブ221上における平坦部M1の割合が45%以下であれば、トナーにより隙間なく定着することが可能になる。
図27(c)は、凹凸構造の山部と谷部に平坦部M1、M2が形成される断面図である。図27(c)に示されるように、図27(a)(b)の特徴を兼ね備えた構造であり、トナー融着や構造の摩耗を抑制することができる。平坦部M1の幅LFc1と平坦部M2の幅LFc2を設定している(後述の図27(d)も同様)
図27(d)は、図27(c)の緩傾斜面SLの一部の表面粗さを急傾斜面SRに比べて大きくしている。これにより、緩傾斜面SLとトナー間の付着力が低下し、凹凸構造へのコート性を維持したまま、感光体ドラム1への現像性を改善することができる。図27(c)以外の凹凸構造においても同様の効果を得ることができる。
実施例1及び2の現像器構成の場合、感光体ドラム1上に多層のトナー像を現像する際には、式(6)〜(8)の条件で求められる値に、所望のトナー層数を掛けた周速比に設定すればよい。しかし、周速比を上げることにより、ハキヨセと呼ばれる画像不良を発生する場合がある。
図28は、ハキヨセを説明する模式図である。ハキヨセとは、感光体ドラム1の進行方向mに対して、ベタ黒部VLのような高濃度部とベタ白部VDのような低濃度部が隣接する画像を出力した際に、ベタ黒部VLの後端の濃度が濃く出力される画像である。ハキヨセが発生する理由は、周速比を上げることにより、上流部(ベタ白部)において現像されずにトナー担持体上にコートされたままのトナーが感光体ドラム1上の後端部を追い抜いていく際に現像されてしまうことにより発生する。
図29(a)は、凹凸構造を利用した現像装置20の構成例であり、画像不良を改善することができる。現像装置20は、感光体ドラム1に対向して配置され、現像容器21の開口部に、本構成におけるトナーを受け取る『受取部材』であるトナー担持体27が配設されている。トナー担持体27は、金属材料を基層とする円筒状の部材に、弾性層を被覆した構造の部材で形成されている。トナー担持体27は、トナーを担持する。
基層は、導電性と剛性のある素材なら何でもよく、SUS、鉄、アルミなどで形成できる。弾性層は、適度な弾性を有するシリコーンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのゴム材料を基材とする。弾性層は、その基材にカーボン、酸化チタン、金属微粒子などの導電性微粒子を添加して導電性を付与したものである。
また、導電性微粒子以外にも、表面粗さを調整するために球形状樹脂を分散させても構わない。本実施例では、ステンレス製の基層上にカーボンが分散されたシリコーンゴム及びウレタンゴムから成る弾性層を形成したトナー担持体27を用いている。トナー担持体27は、感光体ドラム1に接触するように配され、感光体ドラム1の回転方向に対して、現像部T″で同方向に移動するように回転可能に設けられ、且つ両速度は略同等になるように設定している。ここで、両速度の周速比は1倍以上で1.1倍以下であることが好ましい。
なお、本実施例ではトナー担持体27と感光体ドラム1を接触させる、所謂接触現像のため、トナー担持体27は弾性乃至は可撓性を有する部材から成るが、非接触現像時は、導電性と剛性のある素材、例えばSUS、鉄、アルミなどで形成しても構わない。現像容器21内部には、凹凸回転体22がトナー担持体27に対向し、接触するように配置されている。
このため、トナー担持体27、及び凹凸回転体22の少なくとも一方が弾性乃至は可撓性を有する部材で構成される必要がある。凹凸回転体22は、トナー担持体27と対向する現像部T″へトナーを搬送するスリーブ221とその内部に固定配置される複数の永久磁石222から成る。さらに、スリーブ221の表面には、本発明における凹凸構造が形成されている。
本実施例においては、スリーブ221表面のNi−P層に対して、ダイヤモンドエッジング法により構造を形成している。スリーブ221は、現像部T″において、トナー担持体27と同方向に移動するように回転可能に設けられ、且つ両速度はトナーの粒径rtと凹凸構造により、式(6)〜(8)で決定される周速比を有するように設定している。
本実施例においては、トナーの粒径=7.6μm、キャリアの粒径rc=90μmである。また、凹凸構造(図20(b))は、L=8μm、xL=7.3μm、d=1.9μm、κR=2.7、κL=0.26である。周速比は式(6)より求められる値(1.05)に、トナー総数の2を掛けた2.1倍に設定している。
なお、本実施例においては、トナー担持体27と凹凸回転体22とは、同方向に移動するように回転しているが、逆方向でも構わない。回収ローラ23は、スリーブ221の回転方向に対して、現像部Tより上流、かつ、供給部材24により現像剤を凹凸構造へ供給する供給部Wより下流の位置にて、凹凸回転体22とトナー担持体27と対向して間隙を有して配置されている。
回収ローラ23は、凹凸回転体22と対向する回収部Uにおいて、磁気力により現像剤を回収し、回収した現像剤をスクレーパー25との対向部まで搬送するスリーブ231とその内部に固定配置される複数の永久磁石232から成る。次に、本発明の特徴である現像装置20におけるトナー担持体27上へのトナーコート及び感光体ドラム1への現像について図29(b)を用いて説明する。
供給部材24により、表面に凹凸構造を有す凹凸回転体22に二成分現像剤10を供給する。二成分現像剤10がスリーブ221に供給されて、後述する回収ローラ23により回収されるまでの搬送過程において、スリーブ221と接触する二成分現像剤10中の負帯電性のトナーが、凹凸構造に安定して薄層均一コートされる。
コートされるトナー以外の二成分現像剤10は、回収部Uにおいて回収ローラ23により、磁気力で回収される。一方回収されずに凹凸回転体22に薄層均一コートされたトナーは、現像部Tにおいてトナー担持体27と接触し、電圧印加部26により発生する電位差によりトナー担持体27上にコートされる。
本実施例においては、電圧印加部26SによりDC−700V、電圧印加部26BによりDC−400Vを印加している。このとき、凹凸構造の急傾斜面を降りて緩傾斜面を登る方向を正としたとき、トナー担持体27の表面速度vmに対する凹凸回転体22の移動速度vhの相対速度が正である。トナー担持体27に対する凹凸回転体22の速度比vh/vmを適正に設定することにより、トナー担持体27上に多層且つ高密度なトナーコートが可能になる。
その後、トナー担持体27上に担持されたトナー11は、感光体ドラム1と対向する現像部T″まで搬送され、感光体ドラム1とトナー担持体27の周速が略等速の条件で現像される。このため、ハキヨセを抑えた高密度なトナー像を感光体ドラム1上に現像することができる。
次に、現像されずトナー担持体27上に残留した残トナー11″の回収について説明する。残トナー11″は、トナー担持体27により回収ローラ23と対向する回収部Yまで搬送される。このとき、回収ローラ23に担持される二成分現像剤10と接触する。二成分現像剤10は、既に凹凸回転体22にトナーをコートしているため、TD比が下がっている。
このため、現像剤としてトナーを回収する能力を有しているため、接触により、残トナー11″はトナー担持体27から脱離し、回収ローラ23に担持される二成分現像剤10に回収される。本実施例においては、回収ローラ23には電圧を印加せずに、電気的にフロートな状態にしているが、電圧を印加しても構わない。
この場合、回収部Yにおいて残トナー10を回収するために、回収ローラ23に印加する電圧は、トナー担持体27に印加するDC電圧VB以上(正帯電性トナーを使用する場合はVB以下)にすることが好ましい。一方、回収ローラ23に電圧を印加すると、回収部Uにも電界が作用する。このような条件下においても、スリーブ221上にコートされたトナーは、凹凸構造により電界の方向に対して垂直成分の拘束力が生じる。
一方、それ以外の現像剤は回収ローラ23へ回収されるために、凹凸回転体22上にさらに安定して均一な薄層コートが可能になる。さらに好ましくは、回収部Yに対して配置される永久磁石232の磁極(S23y極)と回収部Uに対して配置される永久磁石232の磁極(S23u極)が同極であることが好ましい。図30により、その理由を説明する。
図30(a)、(b)、(c)は、回収部Uから回収部Yまでの磁気穂搬送の模式図である。回収部Uにおいて、電界E23が作用し、スリーブ221上コートされるトナー以外のトナーは回収ローラ23方向に飛翔し、回収ローラ23近傍のトナー量が増加する(図30(a)参照)。スリーブ231の回転および永久磁石232により作られる磁界により磁気穂は搬送され(図30(b)参照)、回収部Yまで搬送される磁気穂は、トナー担持体27近傍のトナー量が減少している(図30(c)参照)。
このため、磁性キャリアが残トナー10をより回収し易くなるため、より低い電界E73でも回収可能になる。なお、磁極構成に限定されることはなく、回収部Yに対して配置される永久磁石232の磁極と回収部Uに対して配置される永久磁石232の磁極が同極であればよい。回収部Uおよび回収部Yにおいて、回収された現像剤および残トナー11″は、磁界およびスクレーパー25により現像容器21に戻され、再び供給部材24により撹拌搬送され、供給部Wにおいて凹凸回転体22へ供給される。
図30(d)は、スクレーパー25により残トナーを回収する構成である。図のように残トナーを独立した回収部材により回収する構成でも構わない。本実施例では回収部材としてスクレーパーを用いたが、例えばスポンジローラや磁性キャリアを担持するスリーブのような回転部材でも構わない。
図31は、実施例4に係る現像装置の断面図である。凹凸回転体22は、現像容器21に回転自在に支持される回転方向hに回転可能なスリーブ221と、スリーブ221の内部に回転不可に支持される複数の磁極を有する永久磁石222と、を有する。スリーブ221には、その移動方向に並ぶ凹凸構造が形成され、且つ、凹凸構造と本構成におけるトナーを受け取る『受取部材』である感光体ドラム1は互いに接触するように配される。
『トナー担持体』としての感光体ドラム1は、トナーを担持する。また、凹凸構造の急傾斜面を登って緩傾斜方向を降りる方向を正としたとき、感光体ドラム1の表面速度に対する凹凸回転体22の表面速度の相対速度が正であることを特徴としている。
本実施例において、スリーブ221は、ステンレス製の基層221aとその上部にカーボンが分散されたシリコーンゴムから成る厚み3mm程度の弾性層221b、更にその上部に厚み7μm程度のコーティング層221cにより構成される。コーティング層221cにおける凹凸構造は、フッ素系光硬化樹脂を光ナノインプリント法により硬化させて形成している。
現像容器21の内部には、凹凸回転体22に現像剤を供給する供給部材24と、凹凸回転体22上の現像剤を回収する回収部材23Jとが、凹凸回転体22に対向し、間隙を有して固定配置される。
供給部材24は、現像容器21の内部の後述する回収部材23Jにより回収された現像剤10を撹拌しつつ凹凸回転体22と供給部材24が対向する供給部Wに搬送し、永久磁石222により作用する磁気力により凹凸回転体22に供給する。
一方、『回収手段』としての回収部材23Jは、磁性材料、又は、透磁率が所定量よりも高い金属材料で形成される。そして、回収部材23Jは、永久磁石222と協働で形成した磁場により作用する磁気力により、現像剤を回収する。回収部材23Jは、スリーブ221の回転方向hに対して、凹凸構造上のトナーを感光体ドラム1へ移動する現像部Tより上流、且つ供給部Wより下流の位置に配されることを特徴としている。現像容器21の開口部においては、現像容器21の外へトナー11が飛散することを防ぐために、飛散防止シート28が備えられている。
現像装置20における凹凸回転体22上へのトナーコート、及び感光体ドラム1の静電像への現像について説明する。供給部Wにおいて、供給部材24により、凹凸回転体22へ供給される現像剤は、スリーブ221の回転(図中h方向)、及び永久磁石222が作り出す磁場により作用する磁気力により、図中h方向に搬送される。搬送される現像剤10は、回収部材23Jと永久磁石222により協働で形成された磁場により作用する磁気力により、回収部材23Jと凹凸回転体22が対向する回収部Uにおいて拘束され、最終的に現像容器21内へ重力により落下する。
一方、搬送過程において、スリーブ221に接触し、コートされるトナーは、磁気力による拘束を受けないために、回収部Uを通過し、感光体ドラム1と対向する現像部Tまで搬送される。凹凸回転体22には、電圧印加部26によって電圧が印加され、凹凸回転体22と感光体ドラム1間には電位差が発生している。また、感光体ドラム1の移動速度vmに対する凹凸回転体22の速度比vh/vmは、式(6)〜(8)で決定される周速比を有するように設定されている。
図32は、ハキヨセを抑制するために、凹凸回転体22と感光体ドラム1間に本構成におけるトナーを受け取る『受取部材』であるトナー担持体27を配置する現像装置の断面図である。現像部T″において、感光体ドラム1とトナー担持体27は略等速で回転するため、ハキヨセを抑えた高密度なトナー像を感光体ドラム1上に現像することができる。
以上のように、本発明における現像装置においても、少ないトナー量で感光体ドラム1上に安定して高密度な現像が可能になり、所望の濃度、且つ画像均一性を改善することができる。更に本発明における現像装置は、回収部材が簡易な構成であるために、現像装置の小型化に対応することができる。
図33(a)は、実施例5に係る現像装置20の断面図である。図33(b)は、変形例に係る現像装置20の断面図である。凹凸回転体22は、現像容器21に回転自在に支持される表面に凹凸構造が形成されるベルト223と、ベルトの内部に回転不可に支持される複数の磁極を有する永久磁石222と、ベルトを懸架する『複数のローラ』としての駆動ローラ224、弾性ローラ225と、を有する。また、図33(a)中では、ベルト223の対向位置に、回収ローラ23が配置され、図33(b)中では、ベルト223の対向位置に回収部材23Jが配置される。
本実施例において、ベルト223として、ポリイミド製の基材上に直接熱ナノインプリント法により、本発明における凹凸構造を形成している。この他にベルト部材としては、基材上に熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂から成るコーティング層を設け、コーティング層に対してナノインプリント法により凹凸構造を形成しても構わない。また、SUSの基材上にNi−Pなどの透磁率の低い金属層を電鋳などにより設け、金属層に対してダイヤモンドエッジング法により凹凸構造を形成しても構わない。
更に削れ防止や絶縁処理のために、凹凸構造上に高硬度材料や絶縁材料をコートしても構ない。このとき、構造が十分残る程度に薄いコート層にする必要がある。また、本実施例においては、ベルト223の内部に配する弾性ローラ225に給電しているが、ベルト部材の基材に直接給電しても構わない。また、弾性ローラ225の代わりに、ベルト223に弾性層を設けても構わない。本発明における現像装置は、ベルト223を用いることにより、供給部Wから回収部Uまでの搬送距離を任意に可変することができるため、空間の制約を受けづらく、搬送距離を確保し易い。
図34(a)は、実施例6に係る現像装置20の断面図である。凹凸回転体22は、現像容器21に回転自在に支持される表面に凹凸構造が形成されるベルト223と、ベルト223の内部に回転自在に支持される複数の磁極を有する永久磁石222と、を有する。また、凹凸回転体22は、ベルト223を懸架する『複数のローラ』としての駆動ローラ224、弾性ローラ225と、を有する。
本実施例において、ベルト223として、ポリイミド製の基材上に直接熱ナノインプリント法により、凹凸構造を形成している。永久磁石222と対向する位置に固定配置される回収部材23Jは、鉄などの透磁率が高い金属材料から成ることが好ましい。本実施例において、回収部材23Jは、固定配置されているが、金属ローラのように回転可能に設けても構わない。
図34(b)は、変形例に係る現像装置20の断面図である。図34(b)に示されるように、ハキヨセを抑制するために、凹凸回転体22と感光体ドラム1の間に本構成におけるトナーを受け取る『受取部材』であるトナー担持体27を配置する現像装置を構成した。トナー担持体27は、トナーを担持する。現像部T″において、感光体ドラム1とトナー担持体27は略等速で回転するため、ハキヨセを抑えた高密度なトナー像を感光体ドラム1上に現像することができる。
本発明における現像装置は、ベルト223内部に配置される永久磁石222が回転することにより、磁気ブラシがベルト223上を回転しながら搬送される。このために、短い搬送距離、搬送時間でベルト223とトナーの接触頻度を上げることできる。また、永久磁石222の回転速度を制御することにより、他の構成に影響を与えずにコート量の変動を抑えることができる。
図35(a)は、実施例7に係る現像装置20の断面図である。凹凸回転体22は、現像容器21に回転方向hに回転自在に支持されるスリーブ221である。本実施例において、スリーブ221は、ステンレス製の基層221aと、その上部にカーボンが分散されたシリコーンゴムから成る厚み3mm程度の弾性層221bと、更にその上部に厚み7μm程度のコーティング層221cと、を有する。
コーティング層221cには、フッ素系光硬化樹脂を光ナノインプリント法により硬化させて凹凸構造を形成している。本実施例では、供給回収部材29は、供給部材と回収部材を兼ねる。供給回収部材29は、現像容器21に回転自在に支持されるスリーブ291と、スリーブ221の内部に回転不可に支持される複数の磁極を有する永久磁石292と、を有する。供給回収部材29は、担持する現像剤が、凹凸回転体22に接触するように配されることを特徴としている。
凹凸回転体22上にトナーがコートされる工程について説明する。供給部材30により、供給回収部材29に供給される現像剤は、スリーブ291の回転、及び永久磁石292が作り出す磁場により作用する磁気力により、図中の矢印q方向に搬送される。搬送される現像剤は、供給部Wにおいて凹凸回転体22と接触し、永久磁石292により形成された磁場により作用する磁気力により、回収部Uにおいて供給回収部材29に回収される。
一方、スリーブ221に接触し、コートされるトナーは、磁気力による拘束を受けないために、回収部Uを通過し、感光体ドラム1と対向する現像部Tまで搬送される。凹凸回転体22と感光体ドラム1の間には、電圧印加部26によって、電位差が発生している。また、感光体ドラム1の移動速度vmに対する凹凸回転体22の速度比vh/vmは、式(6)〜(8)で決定される周速比を有するように設定されている。
図35(b)は、変形例に係る現像装置20の断面図である。図35(b)に示されるように、ハキヨセを抑制するために、凹凸回転体22と感光体ドラム1間に本構成におけるトナーを受け取る『受取部材』であるトナー担持体27を配置する現像装置を構成した。トナー担持体27は、トナーを担持する。
現像部T″において、感光体ドラム1とトナー担持体27は略等速で回転するため、ハキヨセを抑えた高密度なトナー像を感光体ドラム1上に現像することができる。トナー担持体27上の残トナーの回収について説明する。回収部Uにおいて、供給回収部材29に回収される現像剤は、既に凹凸回転体22上にトナーをコートしているために、TD比が下がっている。
このため、現像剤としては、トナーを回収する能力を有しており、現像されない残トナーと接触することにより、残トナーを回収することができる。本実施例においては、供給回収部材29には電圧を印加せずに、電気的にフロートな状態にしているが、電圧を印加しても構わない。この場合、回収部Yにおいて残トナーを回収するために、供給回収部材29に印加する電圧は、トナー担持体27に印加するDC電圧VBより小さく(負帯電性トナーを使用する場合はVBより大きく)することが好ましい。
さらに好ましくは、回収部Yに対して配置される永久磁石292の磁極と供給部Wに対して配置される永久磁石292の磁極が同極であることが好ましい。また、実施例3のように独立した回収部材により残トナーを回収する構成でも構わない。本発明における現像装置は、供給回収部材により、現像剤供給部材と回収部材の役割を兼ねている。このため、現像剤を異なる部材間で搬送させる必要がなく、搬送中に不動層ができるなどの搬送不良が起こり難い。このため、現像剤にシェアがかかり難く、耐久性を改善することができる。
実施例1〜7の構成によれば、凹凸回転体22の表面の複数の凸部22Aに二成分現像剤10が供給されて搬送される過程で、トナーが均一にコートされる。つまり、非磁性トナーを担持する部材が現像剤のうちの非磁性トナーを均一に担持することができる。更に、そのような均一にコートされたトナー以外の二成分現像剤10を回収した後に複数の凸部22Aの間のトナーを受取部材に移動させる。
特に、複数の凸部22A同士の間に形成される傾斜角度が急な急傾斜面SRを登って傾斜角度が緩い緩傾斜面SLを降りる方向を正とした場合に、受取部材の表面速度に対する凹凸回転体22の表面速度の相対速度が正に設定される。このために、複数の凸部22Aの間に担持されたトナーが確実に受取部材に移動する。また、感光体ドラム1の表面に単層から多層に至るまで、高密度のトナー像が現像される。
10 現像剤
11 トナー(非磁性トナー)
12 磁性キャリア
21 現像容器
21A 開口
22 凹凸回転体(凹凸部材)
22A 凸部
22B 凹部
h 回転方向
SR 急傾斜面
SL 緩傾斜面
100 画像形成装置

Claims (12)

  1. 非磁性トナー及び磁性キャリアを有する現像剤を収容する現像容器と、
    前記現像容器内に回転可能に配置され、回転方向に関して複数の溝が周期的に形成され、現像剤を担持可能な凹凸部材と、
    前記凹凸部材に対向して設けられ、前記凹凸部材に担持された磁性キャリアを回収する回収手段と、
    前記凹凸部材の回転方向に関して、前記回収手段よりも下流側で前記凹凸部材に接触し、前記凹凸部材に担持されたトナーが現像される回転可能な像担持体と、
    を有する画像形成装置であって、
    前記凹凸部材に形成された各溝は、前記凹凸部材の回転軸線と直交する断面において、前記凹凸部材の周方向に関して、一方向に形成された第1側面と、他方向に形成され、前記第1側面よりも傾斜角度が緩やかである第2側面とを有し、隣り合う溝の前記第1側面と前記第2側面とからなる頂点の高さは、前記溝の前記第1側面と前記第2側面の両方に平均粒径のトナーが接触しているときのトナーの最大高さよりも小さく
    前記凹凸部材の回転方向は前記像担持体の回転方向に対して逆回転で、前記凹凸部材の表面速度は前記像担持体の表面速度よりも大きく、前記凹凸部材の回転方向において一つの溝の前記第1側面が前記一つの溝の前記第2側面よりも下流側となる方向に前記凹凸部材は回転することを特徴とする画像形成装置。
  2. 非磁性トナー及び磁性キャリアを有する現像剤を収容する現像容器と、
    前記現像容器内に回転可能に配置され、回転方向に関して複数の溝が周期的に形成され、現像剤を担持可能な凹凸部材と、
    前記凹凸部材に対向して設けられ、前記凹凸部材に担持された磁性キャリアを回収する回収手段と、
    前記凹凸部材の回転方向に関して、前記回収手段よりも下流側で前記凹凸部材に接触し、前記凹凸部材に担持されたトナーが現像される回転可能な像担持体と、
    を有する画像形成装置であって、
    前記凹凸部材に形成された各溝は、前記凹凸部材の回転軸線と直交する断面において、前記凹凸部材の周方向に関して、一方向に形成された第1側面と、他方向に形成され、前記第1側面よりも傾斜角度が緩やかである第2側面とを有し、隣り合う溝の前記第1側面と前記第2側面とからなる頂点の高さは、前記溝の前記第1側面と前記第2側面の両方に平均粒径のトナーが接触しているときのトナーの最大高さよりも小さく、
    前記凹凸部材の回転方向は前記像担持体の回転方向に対して逆回転で、前記凹凸部材の表面速度は前記像担持体の表面速度よりも小さく、前記凹凸部材の回転方向において一つの溝の前記第2側面が前記一つの溝の前記第1側面よりも下流側となる方向に前記凹凸部材は回転することを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記凹凸部材の表面の凸部の頂点同士を結ぶ第1仮想線に接すると共に、隣り合う前記凸部同士の間に形成される2つの傾斜面と接する非磁性トナーの粒径をRnとし、
    前記2つの傾斜面のうちの一方の傾斜面の頂点と他方の傾斜面とに接する非磁性トナーのトナー中心、及び、前記第1仮想線と前記非磁性トナーとに接する所定の粒径を有する磁性キャリアのキャリア中心を結ぶ第2仮想線が前記一方の傾斜面の頂点を通るときの非磁性トナーの粒径をRxとした場合に、
    Rn≦非磁性トナーの粒径≦Rxの関係が成立することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記非磁性トナーに関しては、累積粒度分布における10%の粒径がRn以上であり、累積粒度分布における90%の粒径がRx以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 回転方向で隣接する前記凹凸部材の表面の凸部同士の間隔は、トナーの粒径の3倍よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1側面の最大傾き|κL|は0.5以下であり、前記第2側面の最大傾き|κR|は1.0以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記凹凸部材の表面と、前記非磁性トナーと、前記磁性キャリアと、の帯電系列は、前記非磁性トナーと前記凹凸部材の表面との間に、前記磁性キャリアが並ぶことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記凹凸部材は、
    前記現像容器に回転自在に支持されるスリーブと、
    前記スリーブの内部に回転不可に支持される複数の磁極を有する永久磁石と、
    を有し、
    前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段は、
    前記現像容器の内部の現像剤を撹拌しつつ前記凹凸部材に供給し、
    前記回収手段は、
    前記現像容器の回転自在に支持されるスリーブと、
    前記スリーブの内部に回転不可で支持される複数の磁極を有する永久磁石と、
    を有し、
    前記凹凸部材の内部の前記永久磁石と前記回収手段の内部の前記永久磁石とが協働して磁場を形成して、前記回収手段が磁気力により現像剤を回収することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記凹凸部材は、
    前記現像容器に回転自在に支持されるスリーブと、
    前記スリーブの内部に回転不可に支持される複数の磁極を有する永久磁石と、
    を有し、
    前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段は、
    前記現像容器の内部の現像剤を撹拌しつつ前記凹凸部材に供給し、
    前記回収手段は、
    磁性材料、又は、透磁率が所定よりも高い金属材料で形成され、
    前記凹凸部材の内部の前記永久磁石と前記回収手段とが協働で磁場を形成して、前記回収手段が磁気力により現像剤を回収することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記凹凸部材は、
    前記現像容器に回転自在に支持されるベルトと、
    前記ベルトの内部に回転不可に支持される複数の磁極を有する永久磁石と、
    前記ベルトを懸架する複数のローラと、
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記凹凸部材は、
    前記現像容器に回転自在に支持されるベルトと、
    前記ベルトの内部に回転自在に支持される複数の磁極を有する永久磁石と、
    前記ベルトを懸架する複数のローラと、
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記凹凸部材は、
    前記現像容器に回転自在に支持されるスリーブであり、
    前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段と前記回収手段を兼ねる供給回収部材は、
    前記現像容器に回転自在に支持されるスリーブと、
    前記スリーブの内部に回転不可に支持される複数の磁極を有する永久磁石と、
    を有し、
    前記供給回収部材は、担持する現像剤が前記凹凸部材に接触する位置に配置され、前記永久磁石が磁場を形成し、磁気力により現像剤を供給及び回収することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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