JP2008145563A - 現像装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナーの帯電が高くなり過ぎ、現像ローラと感光体との間での飛翔性の低下や現像特性の変化などによる不具合の発生を防止することができる現像装置及びそれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像ローラ107の回転方向からみて先端側に形成された先端側切り込み角度θ1の先端側切り込み部1072と、現像ローラの回転方向からみて後端側に形成された後端側切り込み角度θ2の後端側切り込み部1073と、を有し、θ1>θ2の関係が成立する溝部1071が複数形成された現像ローラ107によって、非磁性一成分トナーを現像する。
【選択図】図5

Description

本発明は、非磁性一成分トナーを用いてトナーのジャンピング現象による現像を行う現像装置及びそれを用いた画像形成装置に関する。
特許文献1(特開2001−66876号公報)に記載されるような非磁性一成分トナーを用いた画像形成装置では、トナーは現像ローラ(スリーブ)上で摩擦帯電によって電荷が付与される。効率的に摩擦帯電を発生させるために、すなわち、トナーが現像ローラに良好に擦られる状態とするために、現像ローラにはブラスト処理を施すことで、ある所定の表面粗さRzを付与している。
ところが表面粗さRzは現像ローラの使用過程で削られてしまい、トナーとの摩擦状態が新品の現像ローラの状態に比べ良好でなくなり、これによって現像装置の寿命が決まってしまっていた。現像ローラの表面が削られる理由は、トナーに外添処理されるシリカの硬度が非常に高いためである。この寿命を長くするために、この発明ではメッキ処理を施して削られにくくしているが、寿命としては不十分である。
そこで、現像装置の寿命を長くするために、特許文献2(特開2000−56558号公報)のように現像ローラ上に規則的な溝を形成する方法が提案されている。このような溝が形成された現像ローラは、ブラスト処理のように不規則な表面状態が施された現像ローラより耐久性に優れ、現像装置の寿命が長くなることが確認されている。特許文献2に記載の従来技術のように溝を2方向に設けるのは、トナーが溝に沿って動きカートリッジの軸方向の片側にトナーが集まってしまうのを防止するためである。
特開2001−66876号公報 特開2000−56558号公報
ところが、特許文献2に記載のような規則的な溝形状をもった現像ローラでは、現像ローラ表面に搬送されたトナーが溝部で目詰まりを起こし、溝に入ったトナーがリセットされない、という新たなる課題が見出された。ここで、リセットとは、現像ローラ上のトナーが感光体を経て、現像されずに戻ってきたトナー(古いトナー)を、供給ローラで掻き落とすことをいう。供給ローラではこのようなリセットを行った後に、現像ローラに新しいトナーを供給する。このリセットが良好に働かないと常に同じトナーが現像ローラ上に残存するような状態となる。そして、このような残存トナーが何度も規制ブレードで擦られることで、トナーの帯電が高くなり過ぎ、現像ローラと感光体との間での飛翔性の低下や現像特性の変化などによる不具合の発生、といった問題があった。
本発明は上記課題を解決するためのもので、請求項1に係る発明は、現像ローラの回転方向からみて先端側に形成された先端側切り込み角度θ1の先端側切り込み部と、現像ローラの回転方向からみて後端側に形成された後端側切り込み角度θ2の後端側切り込み部と、を有し、θ1>θ2の関係が成立する溝部が複数形成された現像ローラと、ニップ部において、該現像ローラの回転方向に対してウイズ回転をしつつ該現像ローラにトナーを供給する供給ローラとによって、非磁性一成分トナーを現像することを特徴とする現像装置である。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の現像装置を用いた画像形成装置である。
本発明によれば、リセット性能が低下することによって、トナーの帯電が高くなり過ぎ、現像ローラと感光体との間での飛翔性の低下や現像特性の変化などによる不具合の発生を防止することができる現像装置及びそれを用いた画像形成装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る現像装置100の断面を示す図である。本発明の現像装置100は、非磁性一成分トナーを用いてトナーのジャンピング現象による現像を行う現像装置である。
現像装置100は、内部にほぼ円筒状のトナー収容部101が形成されたハウジング103を備え、ハウジング103に対して供給ローラ105および現像ローラ107が設けられている。現像装置100が画像形成ステーションにセットされた状態(図2参照)では、現像ローラ107は感光体23に対して僅かな間隔(例えば100〜300μm)を開けて隣接しており、感光体23の回転方向(図中の矢印参照)と反対方向へ回転駆動しながら、現像ローラ107の周面に供給されたトナーで感光体23上に形成された潜像を現像する機能を有する。このような現像作用は、現像ローラ107に現像バイアス電源(図示しない)から直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを印加させて、現像ローラと感光体との間に振動電圧を作用させ、感光体23に形成された静電潜像部分に現像ローラ107からトナーが供給されることにより行われる。
供給ローラ105は、表面がウレタンスポンジで形成されており、供給ローラ105の周面が現像ローラ107に接触した状態で現像ローラ107と同方向(図1では時計回り方向)に回転可能である。供給ローラ105にも現像ローラ107に印加される現像バイアス電圧と同等の電圧が印加されるようになっている。
現像ローラ107には、規制ブレード109が、板バネ部材111及びその下側に設けられる弾性部材112の作用により、常時現像ローラ107の周面の長手方向に亘って均一となるように圧接されており、現像ローラ107の周面に付着したトナーのうち余分な分を掻き落として、一定量のトナーが現像ローラ107の周面に担持されるようにしている。また規制ブレード109は、トナー113を適切に帯電させる機能をも有する。
掻き落とされたトナーは、自然落下してトナー収容部101内のトナー113に混入されるが、この点については後で詳述する。また現像ローラ107周面の上側には、ハウジング103に一端が固定されているシール部材115の他端側が圧接しており、これによりハウジング103内のトナー113が外部へ飛散することを防止している。
トナー収容部101内には、回転軸117を中心として図1において時計回り方向に回転するアジテータ119が設けられている。アジテータ119は、回転軸117を中心に互いに反対方向へ延びる2つのアーム部材121を備え、各アーム部材121はトナー収容部101の断面の円の直径よりも若干短い寸法に設定されている。各アーム部材121の先端からはアジテータ119の回転方向と反対方向へ撹拌フィン123が延びている。撹拌フィン123は、可撓性を有するシート部材から構成されており、その先端側は可撓性に起因する弾性力により円筒状のトナー収容部101の内周面に圧接している。このような構成によりアジテータ119が回転するとき、トナー収容部101の内周面と撹拌フィン123との間の領域125に存在するトナー113を撹拌フィン123で掻き上げるようにして、後述するトナーガイド部材上に搬送することができる。
トナー収容部101内に収容されるトナー113の上面114は、規制ブレード109が現像ローラ107の周面に当接している箇所127よりも低い位置となるように設定されている。これはトナー量が規制ブレード109を埋没させる程多いと、規制ブレード109によって掻き落とされたトナーが当該規制ブレードの近くに存在することになる結果、トナー収容部101内へ戻される循環経路が阻害され、また規制ブレード109が現像ローラ107から余分なトナーを掻き落として現像領域に搬送するトナー量を規制する機能およびトナーを適切に帯電させる機能が阻害されるからである。
トナー収容部101内に収容されるトナー113の上面114の位置は、より具体的には、規制ブレード109の下端より下方であって、板バネ部材111と弾性部材112との交点128の位置を上限として設定されている。トナー収容部101内のトナー113の上面114の位置が、前記交点128より上にまでくると板バネ部材111の動きを拘束する虞があり、これにより適正な規制圧が得られなくなる虞があり、その結果として、「一定量のトナーを現像ローラ107の周面に担持させる機能」や「トナーを適正に帯電させる機能」が阻害される虞がある。しかし、上記の如く、トナー113の上面114位置の上限を前記交点128の位置とすることにより、前記各機能が阻害される虞をなくすことができる。
規制ブレード109が現像ローラ107の周面に当接している箇所127と、トナー収容部101内に収容されるトナー113の上面114との間には、トナー113の安息角以上の傾斜角度でトナーの上面114側へ斜めに傾斜しているトナー案内面129がハウジング103の一部として形成されている。トナー案内面129は、規制ブレード109によって現像ローラ107の周面から掻き落とされたトナー113をトナー収容部101側へ案内する機能を有する。
規制ブレード109によって現像ローラ107の周面から掻き落とされたトナー113は、必ずしもトナー案内面129によってトナー収容部101に案内される必要はなく、掻き落とされたトナー113が直接、トナー収容部101に落下するような構成としてもよい。このように規制ブレード109が現像ローラ107の周面に当接している箇所127の下方には、規制ブレード109によって現像ローラ107の周面から掻き落とされたトナー113がトナー収容部101へ導かれるためのトナー案内空間部131が形成されている。
トナー収容部101の上方にはトナーガイド部材133が設けられている。トナーガイド部材133は、供給ローラ105から離れた側の端部134に設けられ、撹拌フィン123によって搬送されたトナー113を掻き取るための鋭角的に形成されたスクレーパ135と、該スクレーパ135よりも供給ローラ105側において上面側がトナー113の安息角以上の角度で傾斜し且つ平面的に形成された平坦搬送部137と、該平坦搬送部137の下流側に形成され、上面側が凹曲面を形成するように湾曲している湾曲部141と、該湾曲部141より下流側において供給ローラ105の周面に設定された適切な線圧で接触している当接部143とを備えて成る。前記平坦搬送部137、前記湾曲部141および前記当接部143を含むトナーガイド部材133の表面粗さは、トナー平均粒径未満に形成されている。
また、上記の当接部143の存在により、供給ローラ105の下面側に付着しているトナー113が重力により落下し、現像ローラへ供給できるトナーの量が減少することによる画像濃度低下を防止することができる。また湾曲部141と供給ローラ105の周面との間には、断面が楔形に狭まるようなトナーの一時貯留部139が形成されている。ここで断面が楔状とは、入口側が相対的に大きく、トナーの進行方向に向かって狭くなっていき、且つ楔の先端側においてトナーが自然滑落しない程度に十分狭くなっていることを意味する。
このような形状を有するトナーガイド部材133では、撹拌フィン123によって搬送されたトナー113をスクレーパ135で掻き取った後、トナー113は平坦搬送部137に沿って、その幅方向に亘って及びその傾斜方向の任意の地点において均一の速度で重力落下してゆき、一旦、トナーの一時貯留部139に貯留される。楔形に狭まるトナーの一時貯留部139では、トナー113が狭い領域に進行していくのに伴い、供給ローラ105の周面に対する圧接力が徐々に増加するため、供給ローラ105の周面にトナー113が押し付けられて、該周面にトナー113が担持され易くなる。尚、トナー113が当接部143を越えて押し出された場合には、トナー案内空間部131を落下して、直接にまたはトナー案内面129に案内されてトナー収容部101に戻される。
次に、本発明における現像装置を組み込んだカラー画像形成装置について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る現像装置を用いたタンデムタイプを例とした画像形成装置の全体構成を示す断面図であり、画像形成装置1は、ハウジング3と、ハウジング3の上部に形成された排紙トレイ5と、ハウジング前面に開閉可能に設けられた扉体7とを備え、ハウジング3内には、露光ユニット9、画像形成ユニット11、送風ファン13、転写ベルトユニット15及び給紙ユニット17が設けられ、扉体7内には用紙搬送ユニット19が設けられている。
画像形成ユニット11は、異なる色のトナーを収納する4つの現像装置をセットすることができる4つの画像形成ステーション21を備えている。4つの画像形成ステーション21は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各現像装置用であり、図中、符号21Y、21M、21C及び21Kで示している。各画像形成ステーション21Y、21M、21C及び21Kには、感光体23と、感光体23の周囲に設けられた、コロナ帯電手段25と、本発明の現像装置100とが配設されている。
転写ベルトユニット15は、図示しない駆動源に回転駆動される駆動ローラ27と、駆動ローラ27の斜め上方に設けられる従動ローラ29と、テンションローラ31と、これら各ローラ間に張架され、図3の反時計方向Xへ循環駆動される中間転写ベルト33と、中間転写ベルト33の表面に当接するクリーニング手段34とを備えている。従動ローラ29、テンションローラ31および中間転写ベルト33は、駆動ローラ27に対して傾斜するように並んで配設されており、これにより中間転写ベルト33が駆動されるとき、ベルト搬送方向Xが下向きになるベルト面35が下側に位置し、搬送方向が上向きとなるベルト面37が上側に位置するようになっている。
感光体23は、アーチ状のラインに沿ってベルト面35に圧接され、図3中、矢印で示す方向に回転駆動される。テンションローラ31の位置を調節することにより、中間転写ベルト33の張力、アーチの曲率等を制御することができる。
駆動ローラ27は、2次転写ローラ39のバックアップローラを兼ねている。
また駆動ローラ27の周面には、例えば厚さ3mm程度、体積抵抗率105Ω・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、2次転写ローラ39を介して供給される2次転写バイアスの導電経路を構成している。また駆動ローラ27の径は従動ローラ29及びテンションローラ31の径より小さく、これにより2次転写後の記録紙が記録紙自身の弾性力で剥離し易くすることができる。従動ローラ29はクリーニング手段34のバックアップローラとしても機能している。
クリーニング手段34は、搬送方向下向きのベルト面35側に設けられ、2次転写後に中間転写ベルト33の表面に残留しているトナーを除去するクリーニングブレード41と、回収したトナーを搬送するトナー搬送経路42とを備えている。クリーニングブレード41は、従動ローラ29に中間転写ベルト33が巻回している箇所に当接している。また中間転写ベルト33の裏面には、各画像形成ステーション21Y、21M、21C及び21Kの感光体23に対向する位置に1次転写部材43が当接し、1次転写部材43には転写バイアスが印加されるようになっている。
露光ユニット9は、画像形成ユニット11の斜め下方の空間に設けられており、その斜め上方には送風ファン13が設けられている。露光ユニット9の下方には給紙ユニット17が設けられている。露光ユニット9は、底部にポリゴンミラーモータ45及びポリゴンミラー47からなるスキャナ手段49を垂直に配設している。また光路Bには、単一のf−θレンズ51及び反射ミラー53が設けられ、反射ミラー53の上方には各色の走査光路が感光体23にそれぞれ非平行となって折り返すように複数の折り返しミラー55が設けられている。
露光ユニット9では、ポリゴンミラー47から各色に対応した画像信号が、共通のデータクロック周波数に基づいて変調形成されたレーザビームで射出され、f−θレンズ51、反射ミラー53、折り返しミラー55を経て、各画像形成ステーション21Y、21M、21C及び21Kの感光体23に照射され、潜像が形成される。各画像形成ユニット11に対する露光ユニット9のポリゴンミラー47から感光体23までの光路長がほぼ同一の長さになるように構成されており、そのため各光路で走査された光ビームの走査幅もほぼ同一になり、画像信号の形成にも特別な構成を必要としない。従ってレーザ光源は、それぞれ異なる画像信号によってそれぞれ異なる色の画像に対応して変調されるにも関わらず、共通のデータクロック周波数に基づいて変調形成可能であり、共通の反射面を用いるために副走査方向の相対差から生じる色ずれを防止し、構造が簡単で安価なカラー画像形成装置を構成することができる。
送風ファン13は、冷却手段として機能し、矢印の方向へ空気を導き、露光ユニット9やその他の発熱部からの熱を放出する機能を果たす。これによりポリゴンミラーモータ45の温度上昇を抑制し、画質劣化の防止とポリゴンミラーモータ45の寿命の長期化を図ることができる。
給紙ユニット17は、記録媒体Pが積層されている給紙カセット57と、給紙カセット57から記録媒体Pを1枚ずつ給送するピックアップローラ59とを備えている。用紙搬送ユニット19は、2次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するゲートローラ対61と、駆動ローラ27及び中間転写ベルト33に圧接される2次転写ローラ39と、定着手段63と、排紙ローラ対65と、両面プリント用搬送路67とを備えている。
定着手段63は、少なくとも一方にハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵した回転自在な定着ローラ対69と、定着ローラ対69の少なくとも一方側のローラを他方側へ押圧付勢してシート材に2次転写された2次画像を記録媒体Pに押圧する押圧手段とを有し、記録媒体に2次転写された2次画像は、定着ローラ対69の形成するニップ部において所定温度で記録媒体に定着される。
本発明で使用する現像装置100は、トナーを循環して使用するタイプのものであり、各画像形成ステーション21Y、21M、21C及び21Kにセットして使用する。これら現像装置の構成は基本的に同じである。
次に、本発明の実施の形態に係る現像装置100の現像ローラ107の表面に形成された溝形状について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る現像装置100の現像ローラ107近傍を抜き出して示した図である。
現像ローラ107と感光体23とは、コロによって僅かな間隔が設けられ、図示矢印で示すように互いに逆方向に回転駆動され、現像ローラ107と感光体23とが対向する現像領域において、それぞれの周面が下方から上方へ同方向に移動し、現像ローラ107に現像バイアス電源から直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを印加させて現像ローラ107と感光体23との間に振動電界を作用させ、感光体に形成された静電潜像部分に現像ローラ107からトナー113を供給して現像(ジャンピング現像)するように構成されている。
非磁性一成分トナーを用いた現像装置においては、このようなジャンピング現像を発生させるために、トナー113を適正に帯電しなくてはならない。このために、板バネ部材111の作用により弾性的に規制ブレード109を現像ローラ107に圧接するようにして、現像ローラ107の周面に付着したトナー113を帯電するようにしている。
図4は、本発明の実施の形態に係る現像装置100に用いる現像ローラ107の表面に形成される溝を模式的に示す図である。図4に示す現像ローラ107表面は、あくまで溝のイメージを把握しやすいように描かれたものであり、実際の溝間のピッチとは異なっている。このような現像ローラ107表面の溝は、特許文献2に記載されている製造方法などを用いて形成することができる。
図5は、図3のAにおける現像ローラ107表面の断面図を拡大して模式的に示した図である。図5に示すように現像ローラ107表面には、溝の切り込み角度が異なるものが適当なピッチで複数形成される。図5において、1070は現像ローラ107の表面部、1071は現像ローラ107の溝部、1074は溝底面部をそれぞれ示している。また、現像ローラ107の回転方向は図5中の矢印に示されており、この現像ローラ107の回転方向に対して、以下に示す「先端」、「後端」を定義している。すなわち、図5において、1072は溝部1071の先端側切り込み部、また、1073は後端側切り込み部をそれぞれ示すものとする。
溝部1071の先端側切り込み部1072の先端側切り込み角度θ1は、現像ローラ107の表面部1070と、先端側切り込み部1072を通るa−a’に示される線とによって図示するように定義される。また、溝部1071の後端側切り込み部1073の後端側切り込み角度θ2は、現像ローラ107の表面部1070と、後端側切り込み部1073を通るb−b’に示される線とによって図示するように定義される。
本実施形態に係る現像装置100に用いる現像ローラ107においては、(先端側切り込み角度θ1)>(後端側切り込み角度θ2)が成り立つように、溝部1071が形成されるものとする。なお、本発明においては、溝底面部1074は必須のものではなく、必ずしも構成しなくともよい。要は、先の(先端側切り込み角度θ1)>(後端側切り込み角度θ2)との関係が成立する溝が形成されていればよいものとする。
次に、以上のような関係の溝が現像ローラ107の表面に形成されることによる効果について説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係る現像装置100に用いる現像ローラ107と供給105との接触部(図3のCの部分)断面を模式的に示す図である。図において、Tは模式的に示されたトナー粒子を示している。図7を用いて、本発明の実施の形態に係る現像装置100におけるトナー粒子Tのセット性向上のメカニズムについて説明する。
本実施形態の現像ローラ107には、溝部1071に(先端側切り込み角度θ1)>(後端側切り込み角度θ2)の関係が成立する先端側切り込み部1072及び後端側切り込み部1073が設けられている。本実施形態においては、この先端側と後端側の角度の関係、供給ローラ105におけるトナー粒子Tの供給方式によって、トナー粒子Tのリセット性の向上を図る。
本実施形態においては、現像ローラ107へのトナー粒子Tの供給方式は、供給ローラ105のウイズ回転による。すなわち、現像ローラ107と供給ローラ105とのニップ部で、現像ローラ107と供給ローラ105とをウイズ回転として、トナー粒子Tを現像ローラ107に供給するような方式とする。そして、供給ローラ105の回転駆動速度は、現像ローラ107のそれより速く設定してある。
現像ローラ107の溝部1071は、θ1>θ2の関係を有する先端側切り込み部1072及び後端側切り込み部1073によって、図6のFに示すように、溝部1071に、新しいトナー粒子Tを供給しやすい形状となっている。また、供給ローラ105の回転駆動速度は、現像ローラ107の回転駆動速度より速いので、新しいトナー粒子Tは溝部1071に侵入しやすい。
図6のFに示すように、溝部1071に新しいトナー粒子が侵入すると、図6のGに示すように、古いトナー粒子Tを溝部1071から押し出すような効果を期待することができる。ここで、古いトナー粒子Tとは、現像ローラ107上のトナー粒子が感光体23を経て、現像されずに戻ってきたものをいう。
以上、本発明によれば、リセット性能が低下することによって、トナーの帯電が高くなり過ぎ、現像ローラと感光体との間での飛翔性の低下や現像特性の変化などによる不具合の発生を防止することができる現像装置及びそれを用いた画像形成装置を実現することができる。
(実施例)
本実施形態に係る現像装置100の現像ローラ107として、先端側切り込み角度θ1=60°、後端側切り込み角度θ2=30°のものを作製した。また、比較例に係る現像装置100の現像ローラとして、先端側切り込み角度θ1=45°、後端側切り込み角度θ2=45°のものを作製した。いずれの現像ローラも溝間の間隔は80μmとした。
以上のような現像ローラを用いて、本実施形態に係る現像装置100と、比較例に係る現像装置100を、図2に示す画像形成装置1に搭載し、以下に示す条件にて印刷実験を行った。
(駆動速度条件)
感光体:200mm/sec
現像ローラ:300mm/sec (感光体に対しニップ部で同方向に回転)
供給ローラ:225mm/sec (現像ローラに対しニップ部で同方向に回転)
(現像バイアス等条件)
Vdc(直流成分):−300V
Vpp(交流、ピーク間電圧):1400V
周波数:3KHz
Duty(プラス側成分の比率):60%
波形:矩形波
現像ギャップ:140μm
以上の条件によって、
本実施形態に係る現像装置100では、
べた濃度:OD値1.5、かすれなし
また、
比較例に係る現像装置100
べた濃度:OD値1.1、かすれ発生
という印刷実験結果が得られた。
以上の結果について考察する。本実施形態に係る現像装置では、べたの濃度が十分に得ることができた。これは新しいトナーと古いトナーの攪拌が良好でリセット性にすぐれたため、トナーの帯電が高くなることなく、飛翔性がよかったからであると推測できる。一方比較例に係る現像装置では、トナーの供給が十分でなかったため、べた印字にかすれが発生し、濃度不足となったと考えられる。
本発明の実施の形態に係る現像装置100の断面を示す図である。 本発明の実施の形態に係る現像装置を用いたタンデムタイプを例とした画像形成装置の全体構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る現像装置100の現像ローラ107近傍を抜き出して示した図である。 本発明の実施の形態に係る現像装置100に用いる現像ローラ107の表面に形成される溝を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態に係る現像装置100に用いる現像ローラ107表面の断面図を拡大して模式的に示した図である。 本発明の実施の形態に係る現像装置100に用いる現像ローラ107と供給105との接触部(図3のCの部分)断面を模式的に示す図である。
符号の説明
1・・・画像形成装置、3・・・ハウジング、5・・・排紙トレイ、7・・・扉体、9・・・露光ユニット、11・・・画像形成ユニット、13・・・送風ファン、15・・・転写ベルトユニット、17・・・給紙ユニット、19・・・用紙搬送ユニット、21Y、21M、21C、21K・・・画像形成ステーション、23・・・感光体、25・・・コロナ帯電手段、27・・・駆動ローラ、29・・・従動ローラ、31・・・テンションローラ、33・・・中間転写ベルト、34・・・クリーニング手段、39・・・2次転写ローラ、41・・・クリーニングブレード、45・・・ポリゴンミラーモータ、47・・・ポリゴンミラー、49・・・スキャナ手段、51・・・f−θレンズ、53・・・反射ミラー、55・・・折り返しミラー、57・・・給紙カセット、61・・・ゲートローラ対、63・・・定着手段、65・・・排紙ローラ対、67・・・両面プリント用搬送路、69・・・定着ローラ対、100・・・現像装置、101・・・トナー収容部、103・・・ハウジング、105・・・供給ローラ、107・・・現像ローラ、109・・・規制ブレード、111・・・板バネ部材、112・・・弾性部材、113・・・トナー、117・・・回転軸、119・・・アジテータ、121・・・アーム部材、123・・・撹拌フィン、129・・・トナー案内面、131・・・トナー案内空間部、133・・・トナーガイド部材、135・・・スクレーパ、137・・・平坦搬送部、139・・・一時貯留部、141・・・湾曲部、143・・・当接部

Claims (2)

  1. 現像ローラの回転方向からみて先端側に形成された先端側切り込み角度θ1の先端側切り込み部と、現像ローラの回転方向からみて後端側に形成された後端側切り込み角度θ2の後端側切り込み部と、を有し、θ1>θ2の関係が成立する溝部が複数形成された現像ローラと、ニップ部において、該現像ローラの回転方向に対してウイズ回転をしつつ該現像ローラにトナーを供給する供給ローラとによって、非磁性一成分トナーを現像することを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1に記載の現像装置を用いた画像形成装置。
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