JP2023074258A - トナーカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナーカートリッジにおけるトナー排出口近傍でのトナーの凝集を解消する。【解決手段】トナーカートリッジ1は、トナー収容容器40内にトナー搬送スクリュー54を有する。トナー搬送スクリュー54は軸線方向に沿って移動可能に設けられ、一端部に付勢部材66を備え、他端部にトナー撹拌部材60を備えている。付勢部材66によってトナー搬送スクリュー54が前記他端部側に移動しているとき前記トナー撹拌部材60はトナー排出口52から離れて配置され、付勢力に抗してトナー搬送スクリュー54が前記一端部側に移動すると、トナー撹拌部材60はトナー排出口52に近接して配置される。【選択図】図2

Description

本発明は、トナーカートリッジおよびそのトナーカートリッジを備える画像形成装置に関する。
従来、二成分現像剤を用いるコピー機、プリンタ、ファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置は、その装置本体に装着されたトナーカートリッジから現像装置にトナーが供給されることによって、画像出力の連続運転が可能とされている。
図10に示すように、従来のトナーカートリッジ90として、例えばトナー排出口94を有するトナー収容用のカートリッジ本体92と、カートリッジ本体92内に回転可能に設けられてカートリッジ本体92内のトナー100をトナー排出口94へ搬送するための搬送スクリュー96と、カートリッジ本体92内に設けられる搬送スクリュー96の回転軸98とを備えたもの知られている。トナー排出口94は、カートリッジ本体92の長手方向の一端側に配置されている。
トナーカートリッジは、未使用の状態では、図10に示すようにトナー排出口94が設けられた長手方向の一端部を下側に向けて保管されることがある。特に、近年では、トナーの低温定着性を向上させていることから、長期間にわたって保管されることで、トナーが凝集しやすいといった傾向があった。
この種のトナーカートリッジと類似するものには、例えば特許文献1に記載のものがあり、螺旋状に設けられた搬送スパイラルの一部をカットして、トナーの圧力を低減することが提案されている。
特開2000-214667号公報
図10に示すように、トナーカートリッジ90のトナー排出口94側を下側に向けて立てた状態で保管されると、カートリッジ本体92内のトナー100が時間経過とともに自重で下がり、トナー排出口94近傍のトナー密度が高くなる。その結果、トナー排出口94近傍のトナー100が凝集して、トナー排出口94を塞いでしまうおそれがあった。また、図示するような状態で長期間保管されることでトナー100の流動性が失われ、画像形成装置の装置本体に装着したとき、トナー供給動作で搬送スクリュー96が回転してもトナーが排出されず、トナー100の凝集物または塊が搬送スクリュー96の圧力によって圧縮されて固まり、その結果、搬送スクリュー96がロックするという故障も起こりうる。
前記特許文献1に開示されたトナーカートリッジでは、螺旋状に設けられた搬送スパイラルの一部をカットして、トナー排出口近傍のトナーの凝集を防止することが意図されている。しかしながら、トナーカートリッジのトナー排出口から供給されるトナー量が不安定となるおそれがあり、トナーカートリッジに本来求められるトナーの供給性能そのものが低下しかねない。
本発明は、上記のような問題点にかんがみてなされたものであり、その目的とするところは、トナーカートリッジにおけるトナー排出口近傍のトナーの凝集を解消し得て、安定してトナーを供給することのできるトナーカートリッジおよび画像形成装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、トナー収容容器内に設けられたトナー搬送部材の回転動作により、トナーを搬送して前記トナー収容容器のトナー排出口から排出するトナーカートリッジであって、前記トナー搬送部材は、前記トナー収容容器内で軸線方向に沿って移動可能に設けられ、前記軸線方向の一端部に付勢部材を備えて前記軸線方向の他端部の方向に付勢されるとともに、前記軸線方向の他端部にトナー撹拌部材を備えており、前記付勢部材の付勢力により前記トナー搬送部材が前記他端部側に移動しているとき、前記トナー撹拌部材は前記トナー排出口から離れて配置され、前記付勢部材の付勢力に抗して前記トナー搬送部材が前記一端部側に移動すると、前記トナー撹拌部材は前記トナー排出口に近接して配置されることを特徴としている。
前記構成を有するトナーカートリッジにおいて、前記トナー搬送部材は、前記トナー搬送部材の周囲に凝集トナーが生じることで前記一端部側に押され、前記付勢部材の付勢力に抗して移動するように構成されることが好ましい。
また、前記構成を有するトナーカートリッジにおいて、トナー収容容器は、前記軸線方向の他端部に前記トナー撹拌部材の収納部を備え、前記付勢部材の付勢力により前記トナー搬送部材が前記他端部側に移動しているとき、前記トナー撹拌部材は前記収納部内に収納され、前記付勢力に抗して前記トナー搬送部材が前記一端部側に移動することで、前記トナー撹拌部材は前記収納部から引き出されるように構成されることが好ましい。
また、前記トナーカートリッジにおける、より具体的な構成として次のものが挙げられる。すなわち、前記構成を有するトナーカートリッジにおいて、前記トナー搬送部材は、回転軸と、前記回転軸まわりに螺旋状に設けられたスクリュー羽根とを有し、前記回転軸における前記軸線方向の他端部には、前記トナー撹拌部材として、可撓性を有する羽根部材が設けられることが好ましい。
また、前記構成を有するトナーカートリッジにおいて、前記羽根部材は、前記収納部の内面に摺接可能な大きさで設けられ、前記収納部から引き出された状態で前記スクリュー羽根の外径よりも大きい回転軌跡で回転可能とされることが好ましい。
また、前記構成を有するトナーカートリッジにおいて、前記羽根部材は、前記回転軸まわりに複数設けられてもよい。
また、前記の各解決手段に係るトナーカートリッジを用いる画像形成装置も本発明の技術的思想の範疇である。これにより、トナーカートリッジ内のトナーの凝集を解消して、安定してトナーを供給することが可能となる。
本発明によれば、トナーカートリッジにおけるトナー排出口の近傍で生じる凝集トナーをほぐすことが可能とされ、トナーカートリッジから安定してトナーを供給することが可能となる。
本発明の実施形態1に係る画像形成装置を正面から見て示す概略構成図である。 本発明の実施形態1に係るトナーカートリッジを示す断面図である。 前記トナーカートリッジにおけるトナー撹拌部材を示し、図2におけるA-A断面相当図である。 前記トナーカートリッジにおける付勢部材が伸張した状態を示す断面図である。 前記付勢部材が伸張した状態でのトナー撹拌部材の羽根部材を示し、図4におけるB-B断面相当図である。 本発明の実施形態2に係るトナーカートリッジにおけるトナー搬送スクリューを示す側面図である。 前記トナー搬送スクリューの軸線方向に直交する断面図である。 前記トナー搬送スクリューの他の形態を示す側面図である。 前記トナー搬送スクリューのさらに他の形態を示す側面図である。 前記トナー搬送スクリューのさらに他の形態を示す側面図である。 従来のトナーカートリッジが画像形成装置に装着される前の保管状態の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るトナーカートリッジおよび画像形成装置について、図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る画像形成装置10を正面から見て示す概略構成図である。
図1に示される画像形成装置10は、カラープリンタであって、電子写真方式によって用紙(記録媒体)に多色または単色の画像を形成する。画像形成装置10は、プリンタであるには限定されず、カラー印刷が可能なコピー機、ファクシミリ、またはこれらの機能を備えた複合機であってもよい。
画像形成装置10は、装置本体10a内に、感光体ドラム12、現像装置14、帯電器16、クリーニングユニット18、露光装置20、中間転写ユニット22、2次転写ローラ24および定着ユニット26等のコンポーネントを備え、給紙トレイ28から搬送される用紙上に画像を形成し、画像形成済みの用紙を排出トレイ30に排出する。
用紙上に画像を形成するための印刷画像データとしては、外部コンピュータから入力される画像データが利用される。ただし、画像形成装置10がスキャナ機能を備える場合には、印刷画像データとしては、外部から入力される画像データのみならず、スキャナによって原稿から読み取った画像データを利用することもできる。
画像形成装置10において扱われる画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のカラー画像に応じたものである。このため、感光体ドラム12、現像装置14、帯電器16およびクリーニングユニット18のそれぞれは、各色に応じた4種類の潜像を形成するように4個ずつ設けられ、これらによって4つの画像ステーションが構成される。例えば、4つの画像ステーションは、中間転写ベルト221の表面の走行方向(周回移動方向)に1列に並んで配置され、中間転写ベルト221の表面の走行方向における下流側から、つまり2次転写ローラ24に近い側から、ブラック用、シアン用、マゼンタ用およびイエロー用の順に配置される。ただし、各色の配置順は、適宜変更可能である。
各画像ステーションにおいて、感光体ドラム12の回転方向回り(図1では時計回り)に、帯電器16、現像装置14およびクリーニングユニット18がこの順序で配置される。現像装置14に含まれる現像ローラの回転軸および帯電器16の回転軸は、感光体ドラム12の回転軸と平行に並ぶように配置される。
感光体ドラム12は、導電性を有する基体の表面に感光層(光導電層)が形成された像担持体であって、図示しない駆動部によって軸線回りに回転可能に支持される。現像装置14は、感光体ドラム12の表面に形成された静電潜像をトナーによって顕像化する(トナー像を形成する)ものである。現像装置14には、トナー供給パイプ11を介して、トナーカートリッジ1が接続される。
トナーカートリッジ1は、未使用のトナーおよびキャリアを収容して、例えば現像装置14の上方に配置され、現像装置14にトナーを供給するとともにキャリアを補給する。トナー供給パイプ11は、トナーカートリッジ1と、現像装置14に設けられているトナー補給口とを接続する。
帯電器16は、感光体ドラム12の表面を所定の極性および電位に帯電させる装置である。帯電器16としては、ブラシ型帯電装置、ローラ型帯電装置、コロナ放電装置、イオン発生装置などを用いることができる。
クリーニングユニット18は、感光体ドラム12から中間転写ベルト221にトナー像が転写された後に、感光体ドラム12の表面に残存するトナーを除去するとともに回収し、感光体ドラム12の表面を浄化する。したがって、例えば、クリーニングユニット18は、トナーを掻き取るための板状部材であるクリーニング部材と、掻き取ったトナーを回収するための回収容器とを備える。
露光装置20は、現像装置14の下方に設けられる。露光装置20は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成され、帯電された感光体ドラム12の表面を露光することによって、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム12の表面に形成する。
中間転写ユニット22は、中間転写ベルト221、駆動ローラ222、従動ローラ223、4つの中間転写ローラ(1次転写ローラ)224、クリーニング装置225等を備え、感光体ドラム12の上方に配置される。中間転写ベルト221を挟んで駆動ローラ222と対向する位置には、2次転写ローラ24が配置される。
2次転写ローラ24には、図示しない転写電源によって電圧(2次転写電圧)が印加され、形成される転写電界の作用により中間転写ベルト221と2次転写ローラ24との間の2次転写ニップ域を用紙が通過する間に、中間転写ベルト221の外周面に形成されたトナー像が用紙に転写(2次転写)される。中間転写ベルト221の表面に残存したトナーは、クリーニング装置225によって除去される。
定着ユニット26は、ヒートローラおよび加圧ローラ等を備え、2次転写ローラ24の上方(用紙搬送方向下流側)に配置される。ヒートローラは、所定の定着温度となるように設定されており、ヒートローラと加圧ローラとの間の定着ニップ域を用紙が通過することによって、用紙に転写されたトナー像が溶融、混合および圧接されて、用紙に対してトナー像が熱定着される。
画像形成装置10の装置本体10a内には、給紙トレイ28に載置された用紙を2次転写ローラ24および定着ユニット26を経由させて排出トレイ30に送るための用紙搬送路が形成される。この用紙搬送路には、搬送ローラ等の用紙搬送手段が適宜配置される。
画像形成時には、給紙トレイ28に載置された用紙が図示しないピックアップローラによって1枚ずつ用紙搬送路に導かれ、搬送ローラによってレジストローラ32まで搬送される。そして、レジストローラ32によって、用紙の先端と中間転写ベルト221上のトナー像の先端とが整合するタイミングで2次転写ローラ24に用紙が搬送され、用紙上にトナー像が転写される。その後、定着ユニット26を通過することによって用紙上の未定着トナーが熱で溶融して固着され、搬送ローラを経て排出トレイ30上に用紙が排出される。
(トナーカートリッジ)
図2は、実施形態1に係る画像形成装置10に装着されるトナーカートリッジ1を示す断面図である。なお、図2では、画像形成装置10に装着される際のトナーカートリッジ1の向きを基準として示しており、図中のX方向は図1におけるX方向に相当する。
トナーカートリッジ1は、一方向に長い密封容器状に形成されたトナー収容容器40と、トナー搬送機構50とを備えて、トナー収容容器40内に設けられたトナー搬送スクリュー54の回転動作により、トナーを搬送してトナー排出口52から排出する。図2に示すように、例示の形態では、トナーカートリッジ1のトナー収容容器40は、図中X方向に長い容器とされ、図1に示す画像形成装置10の装置本体10aに対して、X方向の手前側から奥側に差し込まれて装着される。
トナー収容容器40には、トナーをトナー排出口52へと搬送するトナー搬送機構50として、トナー搬送スクリュー54が設けられている。トナー搬送スクリュー54は、トナー収容容器40内に長手方向(X方向)に延設された回転軸56と、回転軸56まわりに螺旋状に設けられたスクリュー羽根58とを有する。トナー搬送スクリュー54は、回転軸56まわりに回転可能に設けられており、その回転によってトナー収容容器40内のトナーをX1側からX2側へと導き、トナー排出口52へと搬送するように作用する。
トナー排出口52は、トナー収容容器40の長手方向をX方向に配置した際の下側部401に設けられている。例示の形態では、トナー排出口52は、トナー収容容器40のX2側の端部寄りに配設されている。画像形成装置10の装置本体10aにトナーカートリッジ1が装着されることで、トナー排出口52にはトナー供給パイプ11が接続される。また、トナー排出口52には、このトナー排出口52を開閉する図示しないシャッターが設けられており、トナー排出口52がトナー供給パイプ11と対向する位置に配置されるとシャッターが開放される。
トナー搬送スクリュー54の回転軸56は、両端部が、トナー収容容器40の長手方向の両端部に貫通して、外部に延出するように設けられている。回転軸56の一方の端部には、図示しない駆動ギアが接続されて、トナー搬送スクリュー54を回転駆動するように構成されている。
また、回転軸56は、トナー収容容器40の両端部に設けられた収納部(42、44)を貫通するように配設されている。トナー収容容器40のX1側の端部には第1収納部42が設けられ、X2側の端部には第2収納部44が設けられ、それぞれ外方に突出するように配設されている。トナー排出口52は第2収納部44の近傍であって、第2収納部44よりもX1側に設けられている。
トナー搬送スクリュー54は、回転軸56がこれらの第1収納部42および第2収納部44を貫通して外部に延出するように設けられるとともに、第1収納部42および第2収納部44に貫通した状態で軸線方向に移動可能とされている。第1収納部42および第2収納部44は、ともに、トナー収容容器40の内部空間に連通して設けられ、トナー搬送スクリュー54の端部を収納可能な程度の小容積の内部空間を有している。
トナー収容容器40内でX方向と平行な回転軸56の軸線方向に沿って移動可能なトナー搬送スクリュー54には、さらに、回転軸56の一端部に付勢部材66が備えられている。付勢部材66は、例示の形態では圧縮ばね(コイルばね)とされ、トナー収容容器40に設けられた第1収納部42の内部空間に嵌め込まれて保持されるとともに、回転軸56に巻装されている。
付勢部材66の一方の端部は第1収納部42の内壁に当接し、他方の端部はトナー搬送スクリュー54のスクリュー羽根58の端部に当接し、これらの間で伸縮可能とされている。このような付勢部材66により、トナー搬送スクリュー54は、軸線方向に沿ってトナー排出口52の方向(X2方向)に付勢されている。
なお、付勢部材66としては、前記のような圧縮ばねであるには限られない。例えば付勢部材66として、円弧状に湾曲した板ばね等の弾性部材が設けられてもよい。また、付勢部材66はトナー搬送スクリュー54と別体で設けられるに限らず、トナー搬送スクリュー54のスクリュー羽根58を樹脂製として、X1側の一部を回転軸56から切り離して設け、回転軸56に対して軸線方向に伸縮可能な螺旋ばねとして備えられてもよい。この場合、付勢部材66をスクリュー羽根58の端部に一体に設けることができ、使用後のトナーカートリッジ1の分別廃棄やリサイクルを容易に行うことができる。
トナー搬送スクリュー54には、さらにトナー撹拌部材60が備えられている。図2に示すように、トナー撹拌部材60は、トナー搬送スクリュー54の回転軸56における、付勢部材66が設けられた端部(X1側端部)と反対側の端部(X2側端部)に設けられている。トナー撹拌部材60として、例示の形態では、1つの羽根部材61が備えられている。
羽根部材61は、可撓性を有するシート状部材であって、適度な柔軟性と弾性とを併せ持つ樹脂シート(例えばPETフィルムまたはPETシート)やゴムシート等により形成されることが好ましい。図2に示す形態では、羽根部材61は略矩形状のシート状部材からなり、一辺が軸線方向に沿う向きで回転軸56の外周面に固定されている。
図3は、トナー撹拌部材60の羽根部材61を示し、図2におけるA-A断面相当図である。図4は、トナーカートリッジ1において付勢部材66が伸張した状態を示す断面図であり、図5は、付勢部材66が伸張した状態でのトナー撹拌部材60の羽根部材61を示し、図4におけるB-B断面相当図である。
図3に示すように、羽根部材61は、例えばトナー収容容器40の下側部401とは反対方向の上方に向けて配設されているときに、羽根部材61の自由端部(図3では上端部)が第2収納部44の上縁部より上方まで延設されている。図2を参照して、付勢部材66が収縮した状態では、羽根部材61はトナー排出口52の上方に配置され、トナー排出口52に近接した配置となっている。羽根部材61は、トナー搬送スクリュー54の回転によって、スクリュー羽根58の外径よりも大きい回転軌跡で回転可能とされている。
前記のとおり、トナー搬送スクリュー54は、トナー収容容器40内でX方向と平行な回転軸56の軸線方向に沿って移動可能とされている。図2に示す付勢部材66の収縮状態に対して、図4に示すように付勢部材66が伸張するとき、その付勢力でトナー搬送スクリュー54のスクリュー羽根58が軸線方向に沿ってX2側に移動する。また、付勢部材66によってトナー搬送スクリュー54がX2側に移動した状態にあるとき、トナー撹拌部材60は第2収納部44の内部空間に収納され、羽根部材61がトナー排出口52から離れて配置されている。
トナー撹拌部材60の羽根部材61は可撓性を有するので、回転軸56の回転の際に受ける外力で湾曲状に変形可能とされている。図3に示したように、第2収納部44より上方まで突出する大きさである羽根部材61は、図5に示すように、第2収納部44に収納されているときは、第2収納部44の内面に十分に摺接可能とされ、回転によって内面に摺接して湾曲状に変形する。
図4を参照して、トナー収容容器40内に収容されている図示しないトナーは、回転するトナー搬送スクリュー54によってX1側からX2側に搬送されて、トナー排出口52から排出され、トナー供給パイプを通じて現像装置14へと補給される。トナー撹拌部材60の羽根部材61は、第2収納部44の内部空間に配置されて、トナー搬送スクリュー54の回転動作とともに回転する。通常のトナー補給時は、このようにして順次トナーが排出される。
X2側を下方に向けて保管されていた未使用状態のトナーカートリッジ1を装置本体10aに装着した直後などは、トナー排出口52の近傍のトナー密度が高くなり、凝集することが起こりうる。このような凝集トナーが生じた場合、トナー排出口52から円滑にトナーが排出されにくくなり、トナー搬送スクリュー54の回転負荷が大きくなる。トナー搬送スクリュー54が、凝集トナーから受ける圧力は次第に大きくなり、付勢部材66のX2方向の付勢力を超えることとなる。
その場合、トナー搬送スクリュー54は付勢部材66の付勢力に抗して、凝集トナーに押されて、トナーの搬送方向とは反対側のX1方向に移動する。図2に示すように、トナー搬送スクリュー54がX1側に移動することで、付勢部材66は収縮し、第1収納部42に収納される。トナー撹拌部材60は第2収納部44から引き出されて、トナー排出口52の近傍に配置される。第2収納部44の内部空間で湾曲状になっていた羽根部材61は、X1側へ移動されて第2収納部44から引き出されることで、元の形状に拡張する。羽根部材61は、回転軸56の回転に伴って、トナー搬送スクリュー54とともに回転する。
羽根部材61が回転することで、トナー収容容器40内の凝集トナーをほぐし、トナーをトナー排出口52から円滑に排出するように作用する。回転する羽根部材61は、スクリュー羽根58の外径よりも大きい回転軌跡で回転するので、凝集トナーを十分にほぐし、あるいはトナーの塊を崩して分散させ、トナー排出口52へと導くことが可能となる。また、トナーカートリッジ1の装着後の通常使用時にそのような凝集トナーが発生したとしても、トナー撹拌部材60の羽根部材61の回転により凝集トナーをほぐして、トナーの排出を円滑に行うことが可能となる。
凝集トナーが解消されると、トナー搬送スクリュー54に作用する圧力は低減されるので、付勢部材66のX2方向の付勢力を受けてトナー搬送スクリュー54が軸線方向に移動する。トナー搬送スクリュー54は、図2に示した状態に戻る。トナー撹拌部材60は、第2収納部44に収納される。
このように、トナーカートリッジ1は、凝集トナーが生じると、図2に示すように、トナー搬送スクリュー54が軸線方向に沿ってX1側に移動するとともに、第2収納部44から引き出されたトナー撹拌部材60を回転させて、トナーの凝集を解消させることができる。また、凝集トナーを生じていないときには、図4に示すように、トナー撹拌部材60が第2収納部44に収納された状態で、トナー搬送スクリュー54が回転して、トナーをX1側からX2側へと搬送し、トナー排出口52から排出することができる。これにより、トナーの状態にかかわらず、トナーカートリッジ1から安定してトナー補給を行うことが可能となる。
なお、トナー搬送スクリュー54を軸線方向(X方向)に移動可能としつつ回転駆動させる機構として、回転軸56の一方の端部に接続される前記駆動ギアは、断面形状が一つの直線部と該直線部の両端部を結ぶ円弧部とからなる形状のいわゆるDカット形状とされたDカット軸と連結されるギアとすることが好ましい。前記駆動ギアは、画像形成装置10の駆動源(例えばモータ等)から伝達される動力によってトルクを発生し、このトルクによってDカット軸を回転させる。このように構成されることで、Dカット軸とトナー搬送スクリュー54とがともに回転し、かつトナー搬送スクリュー54がDカット軸上をX方向に移動可能とすることができる。
(実施形態2)
トナーカートリッジ1において、トナー搬送スクリュー54に設けられるトナー撹拌部材60は、前記実施形態1に示すように1つの略矩形状の羽根部材61を備える構成であるに限らず、回転軸56まわりに多様な構成により羽根部材を設けることができる。
図6Aおよび図6Bは、本発明の実施形態2に係るトナーカートリッジ1におけるトナー搬送スクリュー54を示し、図6Aは側面図であり、図6Bは軸線方向に直交する断面図である。なお、以下に説明する形態においてはトナー撹拌部材60の羽根部材に特徴があり、トナーカートリッジ1の他の構成部材および画像形成装置10の構成については前記実施形態1と共通するものとすることができるので、共通の参照符号により示して重複する説明を省略する。
トナーカートリッジ1は、図6Aに示すように、トナー撹拌部材60が、略三角形状のシート状部材からなる4つの羽根部材62を備えた構成とすることができる。図6Bに示すように、4つの羽根部材62は回転軸56まわりに均等間隔で備えられ、軸線方向に見ると略十字形状に配設されている。また、各羽根部材62は、略三角形状の一辺がスクリュー羽根58に向かって下り勾配となるように回転軸56に設けられている。
トナー撹拌部材60の羽根部材62がこのように構成されることで、トナー搬送スクリュー54の軸線方向に沿った移動の際、羽根部材62が第2収納部44から引き出されやすくなり、トナー搬送スクリュー54もX1側に移動しやすいものとすることができる。
図7~図9は、トナー搬送スクリュー54におけるさらに他の形態を示す側面図である。図7~図9に示す形態では、トナー撹拌部材60として、いずれも4つの羽根部材が、軸線方向に見て略十字形状に配設されている。
例えば、図7に示す形態では、羽根部材63は、1組の対辺が平行とされ、もう1組の対辺が平行ではない略台形状の形状を有する。羽根部材63は、長い方の底辺が回転軸56に固定されるとともに、平行でない1組のスクリュー羽根58側の一辺がスクリュー羽根58に向かって下り勾配となるように設けられている。
これにより、トナー搬送スクリュー54の軸線方向に沿った移動の際、4つの羽根部材63が第2収納部44から引き出されやすくなるとともに、羽根部材63の表面積を大きく確保できて、より撹拌性を高めることができる。
また、図8に示す形態では、羽根部材64は略三角形状に形成され、回転軸56に固定されていない二辺のうち、一辺がスクリュー羽根58に向かって下り勾配となるように設けられ、もう一辺がスクリュー羽根58と反対の方向に下り勾配となるように設けられている。羽根部材64は、略三角形状の頂部が外方に向くように回転軸56まわりに配設されている。
これにより、トナー搬送スクリュー54の軸線方向に沿った移動の際、4つの羽根部材64が第2収納部44から引き出されやすくなるとともに、付勢部材66の付勢力によって第2収納部44へ収納されやすくすることができる。この場合、例えば羽根部材64の略三角形状の頂部となる部分に、C面やR面などを設けることにより、軸線方向の移動時の第2収納部44への接触による羽根部材64の変形や損傷等を抑制することができる。
さらに、図9に示すように、トナー撹拌部材60として、4つの羽根部材65をそれぞれ略矩形状に形成し、回転軸56まわりに均等間隔で備えた構成とされてもよい。4つの羽根部材65は、第2収納部44の内部空間では湾曲状に収納され、トナー搬送スクリュー54の移動により第2収納部44から引き出されることで、元の略矩形状に大きく広がり、回転することでトナー収容容器40内の凝集トナーを十分にほぐすことが可能となる。
いずれの形態に係るトナー撹拌部材60の羽根部材62~65にあっても、配設数が4つであるに限らず、5つ以上とされてもよい。また、羽根部材62~65は、回転軸56まわりに均等間隔で設けられるに限らず、例えば2枚重ねで回転軸56に固定されていてもよい。
以上のように構成されることにより、画像形成装置10においてトナーカートリッジ1は、長期間の保管状態等により生じた凝集トナーをトナー撹拌部材60によってほぐし、トナー排出口52から円滑に排出されるようにすることができる。また、凝集トナーを生じていないときには、トナー撹拌部材60を第2収納部44に収納した状態とすることができる。したがって、トナーの凝集の有無にかかわらず、トナーカートリッジ1から安定してトナー補給を行うことが可能とされる。
なお、本発明に係るトナーカートリッジ1および画像形成装置10において、トナーカートリッジ1と現像装置14との配置形態や、装着されるトナーカートリッジ1の数等は図示した構成であるに限定されず、どのような構成とされてもよい。また、トナーカートリッジ1のトナー収容容器40には、トナー搬送スクリュー54の他に、トナー収容容器40内のトナー全体を回転により撹拌してトナー搬送スクリュー54へと導く別途の撹拌部材が設けられていてもよい。
したがって、前記実施形態に示す構成はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、前記実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 トナーカートリッジ
10 画像形成装置
11 トナー供給パイプ
12 感光体ドラム
14 現像装置
40 トナー収容容器
401 下側部
42 第1収納部
44 第2収納部(収納部)
50 トナー搬送機構
52 トナー排出口
54 トナー搬送スクリュー(トナー搬送部材)
56 回転軸
58 スクリュー羽根
60 トナー撹拌部材
61~65 羽根部材
66 付勢部材
100 トナー

Claims (7)

  1. トナー収容容器内に設けられたトナー搬送部材の回転動作により、トナーを搬送して前記トナー収容容器のトナー排出口から排出するトナーカートリッジであって、
    前記トナー搬送部材は、前記トナー収容容器内で軸線方向に沿って移動可能に設けられ、前記軸線方向の一端部に付勢部材を備えて前記軸線方向の他端部の方向に付勢されるとともに、前記軸線方向の他端部にトナー撹拌部材を備えており、
    前記付勢部材の付勢力により前記トナー搬送部材が前記他端部側に移動しているとき、前記トナー撹拌部材は、前記トナー排出口から離れて配置され、
    前記付勢部材の付勢力に抗して前記トナー搬送部材が前記一端部側に移動すると、前記トナー撹拌部材は前記トナー排出口に近接して配置されることを特徴とするトナーカートリッジ。
  2. 請求項1に記載のトナーカートリッジにおいて、
    前記トナー搬送部材は、前記トナー搬送部材の周囲に凝集トナーが生じることで前記一端部側に押され、前記付勢部材の付勢力に抗して移動することを特徴とするトナーカートリッジ。
  3. 請求項1または2に記載のトナーカートリッジにおいて、
    前記トナー収容容器は、前記軸線方向の他端部に前記トナー撹拌部材の収納部を備え、
    前記付勢部材の付勢力により前記トナー搬送部材が前記他端部側に移動しているとき、前記トナー撹拌部材は前記収納部内に収納され、
    前記付勢力に抗して前記トナー搬送部材が前記一端部側に移動することで、前記トナー撹拌部材は前記収納部から引き出されることを特徴とするトナーカートリッジ。
  4. 請求項1~3のいずれか1つの請求項に記載のトナーカートリッジにおいて、
    前記トナー搬送部材は、回転軸と、前記回転軸まわりに螺旋状に設けられたスクリュー羽根とを有し、
    前記回転軸における前記軸線方向の他端部には、前記トナー撹拌部材として、可撓性を有する羽根部材が設けられたことを特徴とするトナーカートリッジ。
  5. 請求項4に記載のトナーカートリッジにおいて、
    前記羽根部材は、前記収納部の内面に摺接可能な大きさで設けられ、前記収納部から引き出された状態で前記スクリュー羽根の外径よりも大きい回転軌跡で回転可能とされたことを特徴とするトナーカートリッジ。
  6. 請求項4または5に記載のトナーカートリッジにおいて、
    前記羽根部材は、前記回転軸まわりに複数設けられたことを特徴とするトナーカートリッジ。
  7. 請求項1~6のいずれか1つの請求項に記載のトナーカートリッジを備える画像形成装置。
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