JP2017040884A - 現像装置、もしくは画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナー担持体の表面に担持されたトナーを像担持体の表面に均一に現像する現像性能を向上させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像容器21と、トナー担持体22と、供給部材251と、回収部材23と、トナー担持体22に接触し、トナー担持体22に担持されたトナーを受け取る受容部材24と、を備え、非磁性トナー41の累計粒径分布における10%の粒径をrt10(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)としたとき、受容部材24の表面において、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たす現像装置20を構成した。
【選択図】 図6
【解決手段】現像容器21と、トナー担持体22と、供給部材251と、回収部材23と、トナー担持体22に接触し、トナー担持体22に担持されたトナーを受け取る受容部材24と、を備え、非磁性トナー41の累計粒径分布における10%の粒径をrt10(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)としたとき、受容部材24の表面において、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たす現像装置20を構成した。
【選択図】 図6
Description
本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に用いられる現像装置、及び、これを備える画像形成装置に関する。
図1(a)は、従来からある一成分現像方式の現像装置の断面図である。この現像装置20は現像容器21を有する。現像容器21の内部には、トナーを撹拌する撹拌部材35と、トナー担持体22にトナーを供給する供給部材30と、が配置される。また、現像容器21の内部には、トナーを担持して感光体ドラム1と対向する現像部まで搬送するトナー担持体22と、トナー担持体22のトナーの層厚を規制する規制部材32と、が配置される。
現像容器21の内部のトナーは、撹拌部材35により撹拌され、供給部材30へと搬送されてこれに充填され、トナー担持体22に受け渡される。トナー担持体22の表面のトナーは、規制部材32により規制されて、所定のトナー量及び帯電量に調整され、現像部まで搬送されて、感光体ドラム1の表面の静電像を現像する。
この場合に、供給部材30や規制部材32により、トナー担持体22の軸方向や周方向で、トナー担持体22の表面のトナーのコート量が均一にすることが難しい。これは、トナー担持体22の軸方向や周方向で、供給部材30がトナー担持体22に接触する接触量や規制部材32がトナー担持体22に侵入する侵入量が僅かにずれるために、そのコート量が変動するためである。そうなると、画像に濃淡ムラが発生し、画質の安定性が低下する。これを改善するための技術として、特許文献1には、トナー担持体の表面に凹凸構造を設けたトナー担持体を採用した現像装置が開示される。
図1(b)は、特許文献1の技術を適用したトナー担持体22の表面に凹凸構造が形成された現像装置20の断面図である。凹凸構造により、トナー担持体22上に均一かつ最適な量のトナーを担持することが可能になるため、濃淡ムラ等の無い均一な画像を安定して得ることができるとしている。
しかし、トナー担持体の表面に凹凸構造を設けたトナー担持体22を採用したとしても、現像後の画像に濃淡ムラが発生する場合がある。
上記要因について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、トナー担持体22から感光体ドラム1にトナー41が現像される様子を示す断面図である。図3は、トナー41がトナー担持体22に収容される様子を示す断面図及び平面図である。トナー担持体22の表面には、図3(a)のような凹凸構造が、図3(b)のようにトナー担持体22の回転方向nに対して規則的に形成されている。
感光体ドラム1とトナー担持体22が現像部において非接触である場合、トナー41は、現像部においてトナー担持体22から感光体ドラム1へと空間を飛翔する必要がある。この際、空間を飛翔するトナー間には、誘電分極による静電的な凝集力や同極電荷による静電的な反発力が働く。その結果、トナー41は、図2(a)のように、トナー担持体22上では均一にコートされ、図2(b)のように空間を飛翔している間に静電的な力によって凝集または反発し、図2(c)のように感光体ドラム1上に到達した時にはトナー分布に疎密が生じる。そのために、画像に濃淡ムラが発生する。
また、トナー41は、トナー担持体22の凹凸構造にて凹部の底面と側面の複数点で接触している。各接触部においてトナー41とトナー担持体22の間には鏡映力等による静電的な付着力とファンデルワールス力等による非静電的な付着力が働いている。そのため、接触点が複数になるとトナー41とトナー担持体22の付着力が大きくなり、トナー担持体22上からのトナー脱離が阻害される場合がある。そのため、トナー担持体22の表面のトナーには、トナー担持体22上から現像出来た部分と、付着力によってトナー担持体22上からトナーが脱離出来ず現像が出来なかった部分が発生する。その結果、感光体ドラム1上のトナー分布に疎密が生じ、画像の濃淡ムラが助長される。
また、感光体ドラム1とトナー担持体22が現像部において接触している場合でも、現像後の画像に濃淡ムラが発生する場合がある。上記要因について図4を用いて説明する。図4は、感光体ドラム1とトナー担持体22とが現像部で接触していて、トナー担持体22から感光体ドラム1にトナー41が現像される様子を示す断面図である。
感光体ドラム1とトナー担持体22を現像部において接触させようとした際、感光体ドラム1とトナー担持体22との間にはトナー41が介在する。トナー41は粒径分布を持つため、感光体ドラム1またはトナー担持体22が硬い材質で形成されていると、大粒径のトナー41がスペーサーとなり小粒径のトナー41は感光体ドラム1に接触できない。その結果、小粒径トナーはトナー担持体22から感光体ドラム1へと現像する際に空間を飛翔する必要がある。この際、空間を飛翔するトナー間には誘電分極による静電的な凝集力や同極電荷による静電的な反発力が働く。
そのため、トナー41は、図4(a)のようにトナー担持体22上では均一にコートされていても、図4(b)のように小粒径トナーが空間を飛翔している間に静電的な力によって凝集または反発する。そして、図4(c)のように感光体ドラム1上に到達した時にはトナー分布に疎密が生じる。その結果、画像に濃淡ムラが発生する。
また、大粒径トナーがスペーサーとなり小粒径トナーは感光体ドラム1に接触できないため、小粒径トナーには感光体ドラム1との接触による付着力が働かない。その結果、感光体ドラム1に接触できなかったトナー41の一部がトナー担持体22上から感光体ドラム1上へと移動出来ず、感光体ドラム1上のトナー分布に疎密が生じ、画像の濃淡ムラが助長される。
また、トナー41はトナー担持体22の表面凹部に対し、複数点で接触、拘束されているため、トナー担持体22上から現像出来た部分と、付着力によってトナー担持体22上からトナーが脱離出来ず現像が出来なかった部分が発生する。そして、感光体ドラム1上のトナー分布に疎密が生じ、画像の濃淡ムラがさらに助長される。
本発明は、上記実情に鑑み、トナーを担持するための凹凸が周期的に形成された凹凸部材を備え、該凹凸部材からトナーを接触させながら転移させて現像する現像装置において、トナー粒径に分布があっても、画像濃度ムラを抑制可能な現像装置、もしくは画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の現像装置は、非磁性トナー及び磁性キャリアを有する現像剤を収容する現像容器と、前記現像容器に回転可能に配置され、表面にトナーを担持するための凹凸を備え、内部に複数の磁極を有する磁場発生手段が配置された凹凸部材と、前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段と、前記凹凸部材から磁性キャリアを回収する回収手段と、前記凹凸部材の回転方向に関して、前記回収手段よりも下流側で前記凹凸部材に接触し、前記凹凸部材に担持されたトナーを受け取る受容部材と、を備えた現像装置であって、前記凹凸部材に形成された各溝の側面は、前記凹凸部材の周方向に関して、一方向に形成された第1側面の方が、他方向に形成された第2側面よりも傾斜角度が緩やかであり、前記凹凸部材の周方向において、前記第1側面を下る方向を正とした場合に、前記凹凸部材と前記受容部材が接触する位置において、前記受容部材の表面速度に対する前記凹凸部材の表面速度の相対速度が正に設定されており、前記非磁性トナーの累計粒径分布における10%の粒径をrt10(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)とした場合に、前記受容部材は、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たすことを特徴とする。
本発明の他の現像装置は、非磁性トナー及び磁性キャリアを有する現像剤を収容する現像容器と、前記現像容器に回転可能に配置され、表面にトナーを担持するための凹凸を備え、内部に複数の磁極を有する磁場発生手段が配置された凹凸部材であって、表面に潜像を担持する像担持体に対して接触するように設けられ、前記潜像を現像する凹凸部材と、前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段と、前記凹凸部材の回転方向に対して、前記像担持体よりも上流で、かつ、前記供給手段よりも下流で前記凹凸部材に接触し、前記凹凸部材から磁性キャリアを回収する回収手段と、を備えた現像装置であって、前記凹凸部材に形成された各溝の側面は、前記凹凸部材の周方向に関して、一方向に形成された第1側面の方が、他方向に形成された第2側面よりも傾斜角度が緩やかであり、前記凹凸部材の周方向において、前記第1側面を下る方向を正とした場合に、前記凹凸部材と前記像担持体が接触する位置において、前記像担持体の表面速度に対する前記凹凸部材の表面速度の相対速度が正に設定されており、前記非磁性トナーの累計粒径分布における10%の粒径をrt10(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)とした場合に、前記凹凸部材は、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たすことを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、非磁性トナー及び磁性キャリアを有する現像剤を収容する現像容器と、前記現像容器に回転可能に配置され、表面にトナーを担持するための凹凸を備え、内部に複数の磁極を有する磁場発生手段が配置された凹凸部材と、前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段と、前記凹凸部材から磁性キャリアを回収する回収手段と、前記凹凸部材の回転方向に関して、前記回収手段よりも下流側で前記凹凸部材に接触し、前記凹凸部材に担持されたトナーを受け取る受容部材と、を備え、表面に潜像を担持する像担持体に対して前記受容部材を接触させて、前記像担持体にトナー像を形成する画像形成装置であって、前記凹凸部材に形成された各溝の側面は、前記凹凸部材の周方向に関して、一方向に形成された第1側面の方が、他方向に形成された第2側面よりも傾斜角度が緩やかであり、 前記凹凸部材の周方向において、前記第1側面を下る方向を正とした場合に、前記凹凸部材と前記受容部材が接触する位置において、前記受容部材の表面速度に対する前記凹凸部材の表面速度の相対速度が正に設定されており、前記非磁性トナーの累計粒径分布における10%の粒径をrt10(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)とした場合に、少なくとも、前記受容部材、もしくは、前記凹凸部材と前記像担持体の両方は、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たすことを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、非磁性トナー及び磁性キャリアを有する現像剤を収容する現像容器と、前記現像容器に回転可能に配置され、表面にトナーを担持するための凹凸を備え、内部に複数の磁極を有する磁場発生手段が配置された凹凸部材と、前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段と、前記凹凸部材の回転方向に対して、前記像担持体よりも上流で、かつ、前記供給手段よりも下流で前記凹凸部材に接触し、前記凹凸部材から磁性キャリアを回収する回収手段と、を備え、表面に潜像を担持する像担持体に対して前記凹凸部材を接触させて、前記像担持体にトナー像を形成する画像形成装置であって、前記凹凸部材に形成された各溝の側面は、前記凹凸部材の周方向に関して、一方向に形成された第1側面の方が、他方向に形成された第2側面よりも傾斜角度が緩やかであり、前記凹凸部材の周方向において、前記第1側面を下る方向を正とした場合に、前記凹凸部材と前記像担持体が接触する位置において、前記像担持体の表面速度に対する前記凹凸部材の表面速度の相対速度が正に設定されており、前記非磁性トナーの累計粒径分布における10%の粒径をrt10(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)とした場合に、少なくとも前記凹凸部材もしくは前記像担持体は、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、トナーを担持するための凹凸が周期的に形成された凹凸部材を備え、該凹凸部材からトナーを接触させながら転移させて現像する現像装置において、トナー粒径に分布があっても、画像濃度ムラを抑制可能な現像装置、もしくは画像形成装置を提供できる。
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、後の実施例の構成に関して、前の実施例と同一の構成に関しては前の実施例と同一の符号を付して、前の実施例中の説明が援用されるものとする。
図5は、本発明の実施例1に係る画像形成装置100の断面図である。電子写真方式を用いた画像形成装置100は、装置本体100Aを有する。装置本体100Aの内部には、静電像を保持する像担持体として導電基板上に光導電層を塗布して構成されるドラム状の感光体ドラム1を回転自在に設けられる。そして、感光体ドラム1を帯電器2で一様に帯電し、次に例えばレーザーのような発光素子3によって情報信号を露光し、静電像を形成し、現像装置20で可視化する。次に、転写帯電器4で転写材5へ転写し、更に定着装置6により定着する。また、感光体ドラム1上の転写残トナーはクリーニング装置7によってクリーニングされる。
図6は、現像装置20の断面図である。現像装置20は、感光体ドラム1に対向して配置される。現像装置20は現像容器21を有する。現像容器21の内部には、非磁性トナー41及び磁性キャリア42を有する現像剤40を収容する(図9参照)。現像容器21の開口部に、受容部材24が配置されている。受容部材24は、『凹凸部材』としてのトナー担持体22に接触し、トナー担持体22に担持されたトナーが転移される。また、『像担持体』としての感光体ドラム1は、受容部材24に接触し、受容部材24の表面のトナーを受け取ってトナー像を形成する。
受容部材24は、金属材料を基層とする円筒状の部材に、弾性層を被覆した構造、もしくは弾性層のさらにその表面を柔軟なコート層で被覆した構造の部材で形成されている。弾性層は、適度な弾性を有するシリコーンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのゴム材料を基材とする。また、この弾性層は、これにカーボン、酸化チタン、金属微粒子などの導電性微粒子を添加して導電性を付与したものである。
受容部材24の表面は、後述するが、非磁性トナー41の累計粒径分布における10%の粒径をrt10(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)としたとき、受容部材24の表面において、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たすように形成されている。
受容部材24の表面について、表面ヤング率EITの測定方法については後ほど詳細に説明する。本実施例ではステンレス製の基層上にカーボンが分散されたシリコーンゴムから成る弾性層を2.5mm被覆し、更にその表面に導電性PFA樹脂を30μm被覆した受容部材24を用いた。受容部材24の表面から深さ2.8μmまでの表面ヤング率EITを測定したところ、150MPaであった。
[受容部材24と感光体ドラム1との関係]
受容部材24は、感光体ドラム1に接触するように配置され、感光体ドラム1の回転方向mに対して、現像部Tで同方向の回転方向jに移動するように回転可能に設けられ、且つ両速度は略同等になるように設定している。受容部材24と感光体ドラム1は接触するために、受容部材24と感光体ドラム1の少なくとも一方が弾性または可撓性を有する部材で構成される必要がある。本実施例では上記の通り、受容部材24が弾性を有する部材で構成されている。
受容部材24は、感光体ドラム1に接触するように配置され、感光体ドラム1の回転方向mに対して、現像部Tで同方向の回転方向jに移動するように回転可能に設けられ、且つ両速度は略同等になるように設定している。受容部材24と感光体ドラム1は接触するために、受容部材24と感光体ドラム1の少なくとも一方が弾性または可撓性を有する部材で構成される必要がある。本実施例では上記の通り、受容部材24が弾性を有する部材で構成されている。
受容部材24と感光体ドラム1の接触については、10μm以上500μm以下で侵入するのが好ましい。侵入量が過剰になると弾性または可撓性を有する部材の変形が過剰となり、安定性等に弊害が生じる。また侵入量が過少だと感光体ドラム1や受容部材24の回転軸のブレや径の誤差などの機械公差によって、受容部材24と感光体ドラム1が十分に接触出来ない可能性がある。本実施例では、感光体ドラム1に対する受容部材24の侵入量は100μmとした。また、感光体ドラム1に対する受容部材24の周速比は1倍以上1.1倍以下であることが好ましい。
感光体ドラム1に対する受容部材24の周速比が1倍以下だと、受容部材24上にコートされているトナー密度に比べ感光体ドラム1上に現像されるトナー密度が小さくなってしまう。その為ベタ黒部のような高濃度画像の際に、十分な画像濃度を確保することが困難となってしまう。一方、感光体ドラム1に対する受容部材24の周速比が1.1倍以上だとハキヨセと呼ばれる画像不良が発生する場合がある。
ハキヨセとは、感光体ドラム1の進行方向に対して、ベタ黒部のような高濃度部とベタ白部のような低濃度部が隣接する画像を出力した際に、ベタ黒部の後端の濃度が濃く出力される画像である。これは、上流部(ベタ白部)において現像されずに受容部材24の上に残存しているトナーが、感光体ドラム1上の後端部を追い抜いていく際に現像されてしまうことにより発生する。本実施例では感光体ドラム1に対する受容部材24の周速比は1.05倍とした。
[受容部材24とトナー担持体22との関係]
現像容器21の内部では、トナー担持体22は、受容部材24に接触するように配置され、受容部材24の回転方向に対して受け渡し部T′で同方向に移動するように回転可能に設けられている。トナー担持体22と受容部材24は接触するために、トナー担持体22と受容部材24の少なくとも一方が弾性または可撓性を有する部材で構成される必要がある。
現像容器21の内部では、トナー担持体22は、受容部材24に接触するように配置され、受容部材24の回転方向に対して受け渡し部T′で同方向に移動するように回転可能に設けられている。トナー担持体22と受容部材24は接触するために、トナー担持体22と受容部材24の少なくとも一方が弾性または可撓性を有する部材で構成される必要がある。
本実施例では上記の通り、受容部材24が弾性を有する部材で構成されている。トナー担持体22と受容部材24の接触については、10μm以上500μm以下で侵入するのが好ましい。侵入量が過剰になると弾性または可撓性を有する部材の変形が過剰となり、安定性等に弊害が生じる。また侵入量が過少だとトナー担持体22や受容部材24の回転軸のブレや径の誤差などの機械公差によって、受容部材24とトナー担持体22が十分に接触出来ない可能性がある。本実施例では、トナー担持体22に対する受容部材24の侵入量は150μmとした。受容部材24に対するトナー担持体22の周速比は1倍以上であることが好ましい。
受容部材24に対するトナー担持体22の周速比について、1倍以上が好ましい理由については後ほど詳しく説明する。本実施例では受容部材24に対するトナー担持体22の周速比は1倍とした。
トナー担持体22は、回転可能なスリーブ221と、その内部に回転不可に支持されて配置された複数の磁極を有する『磁場発生手段』としての永久磁石222と、を有する。図7(a)は、トナー担持体22の斜視図である。図7(b)は、スリーブ221の表面の凸部22Aを示す斜視図である。図7(c)は、スリーブ221の表面の凸部22Aを示す断面図である。図中の矢印方向hは、図中kを回転軸としたスリーブ221の回転方向を示し、凸部22Aは、回転軸kに対し平行に配置され、回転方向hに対し規則的に並んでいる。
スリーブ221は、金属材料からなる円筒状の部材である基層221a上に樹脂材料から成るコーティング層221bを設け、コーティング層221bにスリーブ221の回転方向hに対して規則的に複数の凸部22Aを規則的に形成している。基層221aとコーティング層221bの接着性を上げるために、両者の間にプライマー層を設けても構わない。また、本実施例では、基層221a上にコーティング層221bを形成したが、基層221aとコーティング層221bの間に弾性層を設けても構わない。
弾性層は、適度な弾性を有するシリコーンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのゴム材料を基材とする。また、この弾性層は、これにカーボン、酸化チタン、金属微粒子などの導電性微粒子を添加して導電性を付与したものである。このとき弾性層上にコート層を設けても構わない。また、基層221aに直接に凸部22Aを形成しても構わない。
また、基層221a上に弾性層を設けた場合、弾性層に凸部22Aを形成しても構わない。更に、凸部22Aを有するコート層や弾性層や基層上に、削れ防止や絶縁処理のために、高硬度材料や絶縁材料をコートしても構わない。このとき、凸部22Aが十分残る程度に薄いコート層にする必要がある。本実施例では、ステンレス製の基層221a上にPMMAで形成された凸部22Aを有するコーティング層221bから成る。
図8は、本実施例で凹部22Bが形成されたコーティング層221bの断面図である。図8に示されるように、トナー担持体22に形成された各々の凹部22B(各溝)の側面は、トナー担持体22(凹凸部材)の周方向に関して、頂点Pから右の底点YLまでの緩やかな緩傾斜角で形成される緩傾斜面SL(一方向に形成された第1側面)を有する。また、トナー担持体22に形成された各々の凹部22B(各溝)の側面は、トナー担持体22(凹凸部材)の周方向に関して、頂点Pから左の底点YRまでの急な急傾斜角で形成される急傾斜面SR(他方向に形成された第2側面)を有する。
複数の凸部22Aは、緩傾斜角|κL|<急傾斜角|κR|のように、角度が異なる傾斜を有する。したがって、緩傾斜面SLの方が、急傾斜面SRよりも傾斜角度が緩やかに設定されている。
ここで、トナー担持体22の周方向(矢印h方向)において、緩傾斜面SLを下る方向を正とする。この場合に、前述のトナー担持体22と受容部材24との速度関係に関しては、トナー担持体22と受容部材24が接触する位置において、受容部材24の表面速度に対するトナー担持体22の表面速度の相対速度が正に設定されている。
凸部22Aは、周期Lで規則的に並ぶ凹凸構造であることを特徴としている。以後、最大傾きの小さい緩傾斜面をSL、最大傾きの大きい急傾斜面をSRとする。
本実施例において、周期Lは6.5μm、緩傾斜面SLの幅xLは5.5μm、深さdは1.5μmであり、急傾斜面SRの最大傾きκRは1.5、緩傾斜面SLの最大傾きκLは0.27である。また、コーティング層221bの厚さDは7μmである。なお、本発明では、凸部22Aは回転軸kに対し平行に配置されているが、傾きを有していても構わない。また、本発明は、この構造に限定されるわけではなく、後述する凹凸構造の判定方法に該当する構造であればこれに含まれる。なお、本発明における凹凸構造の詳細な形成方法、判定方法に関しては後述する。
ここで、図6の説明に戻る。現像容器21の内部には、前述の受容部材24の下方にて、右側にトナー担持体22が、左側に回収部材23が、配置される。トナー担持体22は、現像容器21に回転可能に配置され、回転方向に関して複数の溝22Bが周期的に形成され、現像剤を担持可能である。トナー担持体22は、現像容器21に回転自在に支持されるスリーブ221と、スリーブ221の内部に回転不可に支持された複数の磁極を有する永久磁石222と、を有する。
『回収手段』としての回収部材23は、トナー担持体22に対向して設けられ、トナー担持体22から磁性キャリアを回収する。回収部材23は、現像容器21に回転自在に支持されるスリーブ231と、スリーブ231の内部に固定配置された複数の磁極を有する永久磁石232と、を有する。回収部材23は、トナー担持体22の回転方向hに対して、『受容部材24との対向位置』としての剥ぎ取り部Yよりも上流で、かつ、『供給部材251との対向位置』としての回収部Uよりも下流で、対向して設けられる。なお、このことから、受容部材24は、トナー担持体22の回転方向hに関して、回収部材23よりも下流側でトナー担持体22に接触し、トナー担持体22に担持されたトナーを受け取る。
また、トナー担持体22の下方にはトナー担持体22に対して間隙を有して対向する供給部材251が配置され、回収部材23の下方にはトナー担持体22に対して間隙を有して対向する供給部材252が配置される。『供給手段』としての供給部材251は、トナー担持体22に対向して設けられ、現像容器21の内部の現像剤を撹拌しつつトナー担持体22に現像剤を供給する。また、供給部材252が、回収部材23に間隙を有して対向して配置され、回収部材23から回収された現像剤を撹拌して再び供給部材251へと搬送する。
供給部材251、252は、後述する回収部材23により回収された現像剤を撹拌し、トナー担持体22と供給部材251が対向する供給部Wへ搬送し、永久磁石222により作用する磁気力により供給する。
一方、回収部材23は、回転可能なスリーブ231と内部に固定配置された永久磁石232から構成される。スリーブ231は、トナー担持体22と対向する回収部Uにおいて同方向に移動するように回転可能に設けられている。回収部Uにおいて、トナー担持体22の内部の永久磁石222と回収部材23の内部の永久磁石232とが協働して磁場を形成して、その磁場により作用する磁気力により、回収部材23が磁気力により現像剤を回収する。このため、回収部材23は、トナー担持体22の回転方向hに対して、受け渡し部T′より上流、且つ供給部Wより下流の位置に配置されることを特徴とする。
次に、本発明の特徴である現像装置20におけるトナー担持体22上へのトナーコート、トナー担持体22から受容部材24へのトナーの受け渡し、及び受容部材24から感光体ドラム1の静電像への現像について図9を用いて概略を説明する。なお、詳細な説明は後述する。
まず供給部Wにおいて、供給部材251により、表面に規則的に並ぶ凹凸構造を有したトナー担持体22に二成分現像剤40を供給する。二成分現像剤40がトナー担持体22に供給されて、後述する回収部材23により回収されるまでの搬送過程において、トナー担持体22のスリーブ221と接触した二成分現像剤40中のトナーが、凹凸構造に接触して、磁性キャリアから脱離する。そして、安定して薄層で均一コートされる。コートされたトナー以外の二成分現像剤40は、回収部Uにおいて回収部材23により、磁気力で回収され、矢印c方向の経路で搬送される。
回収されずにトナー担持体22に薄層均一コートされたトナー41は、受け渡し部T′において受容部材24と接触し、トナー担持体22と受容部材24との間の電位差により受容部材24上に受け渡される。受容部材24上に受け渡されたトナー41は受容部材24により現像部Tにおいて感光体ドラム1と接触し、受容部材24と感光体ドラム1との間の電位差により感光体ドラム1上に現像する。
一方、感光体ドラム1に現像しなかった非画像部のトナーは、受容部材24によってさらに搬送され、トナー剥ぎ取り部Yにおいて回収部Uにて回収部材23に回収された現像剤40と摺擦し、現像剤40によって受容部材24上から剥ぎ取られる。トナー剥ぎ取り部Yで受容部材24上からトナー41を回収した現像剤40は、回収部材23によって搬送され、現像剤剥ぎ取り部Zにおいて磁気力およびスクレーパ27によって回収部材23上から剥ぎ取られる。そして、供給部材252により撹拌、再び供給部材251へと供給され、以後これを繰り返す。
以下、本発明の特徴である現像装置20におけるトナー担持体22上へのトナーコート、トナー担持体22から受容部材24へのトナー受け渡し、及び受容部材24から感光体ドラム1の静電像への現像について詳細に説明する。現像容器21内の二成分現像剤40は、供給部材251、252により、供給部Wまで撹拌、搬送される。本実施例においては、重合法により製造された個数平均粒径(D50)rtが6.9μm、累計粒径分布における10%粒径(rt10)が5.5μm、90%粒径(rt90)が8.3μm、平均円形度が0.97の負帯電性トナーを用いた。
累計粒径分布における10%粒径とは、例えば、複数の粒子の粒径を計測して分布を導出して、その中の粒径が小さいものから10%の粒径をいう。また、累積粒径分布における90%粒径とは、同様に、その中の粒径が小さいものから90%の粒径をいう。
平均円形度は、トナーがスリーブ221上を回転移動するために、0.95以上であることが好ましい。磁性キャリアは、個数平均粒径rcが90μmの標準キャリアN−02(日本画像学会製)を用いた。磁性キャリアの粒径rcは、被覆するトナーが十分に接触し、帯電できる表面積が必要なことから、トナー粒径rtの2倍以上であることが好ましい。
なお、トナーおよび磁性キャリアの個数平均粒径、トナーの平均円形度の測定方法に関しては後述する。トナー及び磁性キャリアを、全体の質量に対するトナー質量比(TD比x)8%に混合し、二成分現像剤40とした。TD比xは、適切なトナー量をスリーブ221に供給するために、磁性キャリアの表面をトナーが被覆する割合として計算される被覆率S((式1)参照)が90%以上200%以下になるように調整されている。
ここで、ρc:キャリア真密度(4.8g/cm^3)、ρt:トナー真密度(1.1g/cm^3)である。なお、トナー及び磁性キャリアは、これに限定されず、一般に使用されている公知のトナー及び磁性キャリアを使用することができる。供給部Wまで搬送された二成分現像剤40は、トナー担持体22の内部に固定配置される複数の永久磁石222によって作られる磁界により、スリーブ221に供給される。供給された二成分現像剤40は、スリーブ221の回転および永久磁石222によって作られる磁界の影響を受けて磁気穂化し、スリーブ221の回転方向hに搬送される。
図10は、二成分現像剤40の搬送の様子を説明する模式図である。なお、図面上、スリーブ211の表面における凹凸構造は省略している。永久磁石222による磁界により、二成分現像剤40は磁気穂化する(図10(a))。そして、スリーブ221の回転に伴い、磁気穂は隣接する極の影響を受け始める(図10(b))。さらに回転すると磁気穂がスリーブ221上に倒れる(図10(c))。さらに回転すると磁気穂が隣接する極の影響を強く受けて立ち上がり(図10(d))、以後これを繰り返す。
このとき、スリーブ221による搬送力以外に、磁気力の影響を受けるため、スリーブ221の移動速度hに比べて、磁気穂の移動速度が速まり易い。つまり、搬送過程において、スリーブ221に対し速度差を有して二成分現像剤を搬送するためには、少なくともトナー担持体22の内部には2極以上の複数の永久磁石222が配置されることが必要である。
図11(a)は、スリーブ221における二成分現像剤40の搬送時のトナー挙動について説明する模式図である。なお、図ではスリーブ221の表面における凹凸構造(221b)近傍の磁性キャリア42のみ記載しているが、実際は磁気穂化し複数存在している。図のように、スリーブ221上には、回転方向hに沿う方向に規則的に並ぶ凹凸構造を有す。スリーブ221上の磁気穂、特に永久磁石222に近いスリーブ221に接触する磁性キャリア42には、強い磁気力が作用する。
さらに、スリーブ221の回転及び磁気力により、磁性キャリア42は、図中の矢印g方向にスリーブ221の移動速度hに比べて速く移動する。このため、磁性キャリア42がスリーブ221の表面上を移動する際に、磁性キャリア42に被覆されたトナー41が、磁性キャリア42と凹凸構造の緩傾斜面SL及び急傾斜面SRの間に挟まれ、摺擦され帯電する。そして、トナー41が凹凸構造の頂点Pnや緩傾斜面SL及び急傾斜面SRと多点接触することにより、凹凸構造に強く拘束される。その結果、非磁性トナー41は磁性キャリア42から脱離し、凹凸構造へ移行する。
図11(b)は、凹凸構造の比較例として、凹凸構造を有していないスリーブ221における二成分現像剤40の搬送時のトナー挙動について説明する模式図である。搬送過程において、スリーブ221上に接触するトナー41は、凹凸構造に比べ拘束力が弱く、スリーブ221上にコートされ難い。更に搬送過程において、スリーブ221上に一度付着したトナー41も、後続から搬送されてくる磁性キャリア42と絶えず接触する。
凹凸構造を有していない場合、スリーブ221上に付着したトナー41は、凹凸構造に比べ拘束力が弱いため、接触する磁性キャリア42に回収され易い。このため、二成分現像剤40の搬送方向、ここではスリーブ221の回転方向hと略平行に磁気穂によるかき取り跡が顕著となり、均一なコートができない。
図12は、後述する現像剤の回収後に、スリーブ221上にコートされたトナー像の模式図である。図12(a)のように凹凸構造を有するスリーブ221の場合には、トナー41が凹凸構造により拘束され、磁気穂によりかき取られ難いため、凹凸構造上に均一なトナー41を薄層コートすることができる。
一方、図12(b)のように凹凸構造を有していないスリーブ221の場合には、トナー41の拘束力が弱く、スリーブ221上に付着し難く、更にトナー41が磁気穂によりかき取られ易いため、凹凸構造上に均一なトナー41を薄層コートすることができない。
スリーブ221上にコートされるトナー量は、トナー41が磁性キャリア42からスリーブ221上に移行する確率Q1と、トナー41が磁気穂によりスリーブ221上から剥ぎ取られる確率Q2によって決定される。確率Q1が確率Q2よりも十分に大きければ、搬送過程におけるトナーの接触頻度の増加に伴い、スリーブ221上へ移行するトナー41が増加していく。その結果、回収部Uを通過後(図9参照)には、スリーブ221上の凹凸構造へ選択的に薄層且つ均一にトナー41がコートされる。
図13は、凹凸構造上に拘束されたトナー41が後続から搬送されてくる二成分現像剤中の磁性キャリア42と衝突した際の模式図である。トナー41は、磁性キャリア42の中心Oc(重心)からトナー41の中心Ot(重心)の方向に力Fを受ける。このとき、トナー41には、トナー41と凹凸構造の急傾斜面SR上の接点Pを回転軸として、力Fの垂直成分F⊥によりトルクがかかり、図中のmt方向に回転し、急傾斜面SRを乗り越え、磁性キャリア42にかき取られると考えられる。トナー41にトルクがかかるのは凹凸構造にコートする際も同様であり、トナー41がmt方向に回転することを抑制することにより、確率Q1を高め、確率Q2を低めることができると考えられる。
図14は、凹凸構造の断面図に対して、トナー41、磁性キャリア42に相当する円を下記条件で記載した模式図である。ここから、図14を用いてトナーの最大値Rxを算出する。なお、図15(b)を用いてトナーの最小値Rnを算出する。
図14の状態では、第2仮想線L2が一方の急傾斜面SRの頂点PLを通るが、このときの非磁性トナー41の粒径が最大値となり、これを最大値Rxとする。ここで、第2仮想線L2は、非磁性トナー41(円t)のトナー中心(Ot)、及び、磁性キャリア42(円c)のキャリア中心(Oc)を結ぶ線である。トナー(円t)は、凹部22Bを形成する2つの傾斜面のうちの一方の急傾斜面SRの頂点PLと接する。また、トナー(円t)は、他方の緩傾斜面SLと接する。
磁性キャリア42(円c)は、トナー担持体22の表面の凸部22Aの頂点PL、PR同士(頂点同士)を結ぶ第1仮想線L1と非磁性トナー41とに接して所定の粒径rcを有する。このとき、円tには接点PLを回転軸として、mt方向に回転させるトルクを発生させる力が働かない。
一方、円tの粒径がRxを超えると、図13と同様に垂直成分F⊥が働き、トルクが発生し、図中のmt方向に回転してしまう。つまり、凹凸構造と磁性キャリアの粒径rcが決定されると、スリーブ221上にコートできるトナー粒径の上限は幾何学的にRxと決定される。本実施例で使用した凹凸構造(L6.5μm、xL5.5μm、d1.5μm、κR=1.5、κL=0.27)、磁性キャリアの粒径(rc90μm)から、幾何学的に求められる最大トナー粒径Rxは10μmである。なお、磁性キャリアの粒径rcが凹凸構造の周期L、深さdに比べて十分大きいため、磁性キャリアの接点を第1仮想線L1と近似している。
図15(a)は、トナーの製造条件(重合条件、分級条件)を可変して得られた負帯電性トナー(rt7.6μm、平均円形度0.97)と標準キャリアN−02を用いた結果である。すなわち、凹凸構造(L6.5μm、xL5.5μm、d1.5μm、κR=1.5、κL=0.27)にコートされるトナーの粒径分布を測定した結果である。
点線aは、現像容器21に入れたトナーの粒径分布であり、実線bはスリーブ221上を現像剤が搬送され、後述する現像剤の回収手段により、現像剤が回収後に、スリーブ221上にコートされたトナーの粒径分布である。図のように、幾何学的に決定される最大トナー粒径Rx(10μm)より大きいトナーは、スリーブ221上にコートされないことを確認した。
一方、スリーブ221上に薄層均一なコートをするためには、凹凸構造の急傾斜面SRに複数のトナー41が付着することは好ましくない。二個以上のトナー41が付着することを防止するためには、トナー41の粒径が凹凸構造に対して一定の大きさ以上であることが必要である。
図15(b)は、凹凸構造の断面図に対して、トナー41に相当する円を下記条件で記載した模式図である。図15(b)の状態で、頂点PL、PRを結んだ第1仮想線L1に接すると共に、隣り合う凸部22A同士の間に形成される2つの急傾斜面SR及び緩傾斜面SLと多点(2点)で接する非磁性トナー41(円t)の粒径をRnとする。図のように、トナー粒径がRn以上であれば、急傾斜面SRに複数のトナーが付着することを防止することができる。つまり、凹凸構造が決定されると、スリーブ221上に薄層均一にコートできるトナー粒径の下限は幾何学的にRnと決定される。
本実施例で使用した凹凸構造(L6.5μm、xL5.5μm、d1.5μm、κR=1.5、κL=0.27)から、幾何学的に求められる最小トナー粒径Rnは1.4μmである。
以上より、凹凸構造と磁性キャリアの粒径rcが決定されると、スリーブ221上に薄層均一にコートできるトナー粒径rtは幾何学的に求められるRxとRnより、Rn≦非磁性トナー41の粒径rt≦Rxの関係が成立する。非磁性トナー41に関しては、累積粒度分布における10%の粒径がRn以上であり、累積粒度分布における90%の粒径がRx以下であることが望ましい。
ここで、図9の説明に戻る。その後、トナー担持体22上の現像剤は回収部材23と対向する回収部Uまで搬送される。回収部材23は、内部に固定された永久磁石232と、円筒状の非磁性金属材料で形成され回転可能なスリーブ231から構成される。スリーブ231は、トナー担持体22と対向する回収部Uにおいて同方向に移動するように回転可能に設けられている。トナー担持体22と回収部材23は非接触であり、2mm以下に離間して配置されている。
トナー担持体22内の永久磁石222は、交互に配設された3個のN極と2個のS極を有している。一方、回収部材23内の永久磁石232は、交互に配設された3個のN極と4個のS極を有している。このとき、図9に示すように、トナー担持体22と回収部材23が対向する回収部Uにおいて、両者の磁極が異極となるように、トナー担持体22内に磁極N22、回収部材23内に磁極S23Uが対向するように配置する。
また、回収部材23内の磁極は磁極S23Uよりスリーブ231の回転方向の下流側に、現像剤40を搬送するために隣接する磁極が異極となるように交互に磁極を配置する。また、後述する現像剤剥ぎ取り部Zにおいて、現像剤40を回収部材23上から剥ぎ取るために磁極S23Uと同極となる磁極を配置する。
トナー担持体22上を搬送され回収部Uに到達した現像剤40は、トナー担持体22内の磁極N22と回収部材23内の磁極S23Uが形成する磁場によって、トナー担持体22上から回収部材23上へと移動する。回収部材23上に回収された現像剤40は、スリーブ231の回転及び回収部材23内の永久磁石232による磁気力によって矢印cの方向に搬送される。一方、回収を受けず、スリーブ221上に薄層均一にコートされたトナーは、受容部材24と対向する受け渡し部T′まで搬送される。
図16は、受け渡し部T′の拡大概略図である。受け渡し部T′で受容部材24がトナー担持体22のスリーブ221に150μmの侵入量(図中Co)で接触するように配置される。スリーブ221は、受容部材24の回転方向jに対して、受け渡し部T′で同方向の回転方向hに移動するように回転可能に設けられている。
図17(a)は、受け渡し部T′の中央部の拡大図である。受け渡し部T′の中央部では、トナー担持体22のスリーブ221に担持されたトナー41の表面へ受容部材24の表面が押圧されている。一方、トナー41には粒径分布が存在するため、中心粒径よりも大粒径のトナー41も存在すれば小粒径のトナー41も存在する。受容部材24の表面がトナー担持体22のスリーブ221に担持された全てのトナー41の表面に接触するためには、小粒径トナーと大粒径トナーの粒径差分だけ、大粒径トナーが受容部材24の表面に侵入する必要がある。そのため、受容部材24の表面はトナー41が侵入できる程度に十分に柔軟である必要がある。
図17(b)は、受容部材24の表面が硬い場合の、受け渡し部T′の中央部の拡大図である。受容部材24の表面が硬い場合、受容部材24の表面がトナー担持体22のスリーブ221に担持されたトナー41の表面に十分に追従出来ない。そのため大粒径トナー41Jがスペーサーとなってしまい、小粒径トナー41Kと受容部材24の表面の間に空間が生じてしまう。その結果、小粒径トナー41Kはトナー担持体22のスリーブ221から受容部材24へと受け渡される際に空間を飛翔する必要がある。
この際、空間を飛翔するトナー間には誘電分極による静電的な凝集力や同極電荷による静電的な反発力が働く。そのため、トナー担持体22上では均一にコートされていたトナー41でも、小粒径トナー41Kが空間を飛翔している間に静電的な力によって凝集または反発し、受容部材24上に到達した時にはトナー分布に疎密が生じてしまう。また、大粒径トナー41Jがスペーサーとなり小粒径トナー41Kは受容部材24に接触できないため、小粒径トナー41Kには受容部材24との接触による付着力が働かない。その結果、受容部材24に接触できなかったトナー41の一部がトナー担持体22上から受容部材24上へと移動出来ない場合が存在、トナー分布に疎密が生じてしまう。
表1は本実施例における現像装置20において、受容部材24の表面のコート層を変更し、表面から深さ2.8μmまでのヤング率EITを変更した際の、受容部材24上に受け渡されたトナーの面内均一性の評価結果である。ヤング率EITの測定方法、トナー均一性の評価方法については後述する。
また、表2における各σに対する、均一性が○の最大EITと均一性が×の最小EITを縦軸EIT、横軸σでプロットしたものを図18に示す。図18から、トナーの粒径分布がブロードになりσが大きくなる程、受容部材24の表面に均一にトナーを受け渡すのに必要な表面ヤング率EITが小さくなる必要、すなわち、より受容部材24の表面が柔軟になる必要があることがわかる。
σとEITの関係について図19を用いて説明する。トナー担持体22のスリーブ221上のトナー41の粒径分布が大きい場合(図19(a))、小粒径トナーに受容部材24が接するには図中σLだけ大粒径トナーが受容部材24に侵入する必要がある。一方、トナー担持体22のスリーブ221上のトナー41の粒径分布が小さい場合(図19(b))、小粒径トナーに受容部材24が接するには図中σSだけ大粒径トナーが受容部材24に侵入すれば良い。
すなわち、トナー粒径分布が広い程、受容部材24の表面はより大きく変形する必要があるため、受容部材24の表面はより柔軟である必要がある。トナーの累計粒径分布における90%の粒径rt90から10%の粒径rt10との差分σだけ受容部材24の表面が変形することが出来れば、全トナーの80%と受容部材24の表面が接触できることになる。そのため、トナー41を均一に受容部材24上へと受け渡すことが出来る。そのため、受容部材24の表面より深さσの範囲について、トナー41が侵入出来る程十分に柔軟である必要がある。
図18より、受容部材24の表面に均一にトナーを受け渡すのに必要な表面ヤング率EIT(MPa)とトナー粒径分布σ(μm)の関係は下記(式2)で表現できることがわかった。
この結果について、図20を用いて説明する。図20(a)は受容部材24のトナー担持体22への侵入量が小さい場合、図20(b)は受容部材24のトナー担持体22への侵入量が大きい場合を示す。受容部材24のトナー担持体22への押し付け圧を増加させ、侵入量を図20(a)から図20(b)に増加させると、受容部材24がトナー担持体22上のトナー41と接している範囲が図20(a)のT′Sから図20(b)のT′Lに増加する。
トナー担持体22上には密にトナーがコートされているため、受容部材24がトナー担持体22上のトナー41と接している範囲の増加と、受容部材24が接触するトナー担持体22上のトナー41の個数は比例する。トナー41の受容部材24への侵入量はトナーひとつに対する受容部材24の押し付け圧に依存する。
そのため、受容部材24のトナー担持体22への押し付け圧を増加させても、受容部材24に接触するトナー個数も増加するため、トナーひとつに対する受容部材24の押し付け圧は増加せず、トナーひとつの受容部材24への侵入量は変化しない。上記理由により、トナー担持体22上のトナーに受容部材24が十分に接触するためには、侵入量に依らず受容部材24の表面を十分に柔軟にする必要がある。
次に、トナー担持体22上から受容部材24上へとトナーが受け渡される過程について、図21(a)を用いてさらに詳細に説明する。図21(a)に受容部材24とトナー担持体22のスリーブ221の接触開始部から受け渡し部T′の中央部への概略図を示している。トナー担持体22のスリーブ221上のトナー41と受容部材24が接触を開始する。そうすると、トナー41はトナー担持体22のスリーブ221の回転に伴い、図21(a)の矢印eで示されるトナー担持体22のスリーブ221の回転方向で、受容部材24の表面へと侵入を開始する。
受容部材24の表面は弾性により、トナー41を矢印eの反対方向である矢印f方向へと押し返す。この矢印f方向に押し返す反発力によって、トナー41には緩傾斜面SL方向へ回転するトルクが発生する。このトルクによってトナー41は緩傾斜面SLを転がり上がり、急傾斜面SRからは離れるため、トナー41とトナー担持体22の接触点が減少し、トナー41をトナー担持体22のスリーブ221上へと拘束する付着力が減少する。
また、トナー担持体22と受容部材24の間には電圧印加手段によって電位差が生じている。本実施例では、トナー担持体22にV1=−700V、受容部材24にV3=−400Vを印加しており、トナー41にはトナー担持体22から受容部材24へと向かう静電気力が働く。この静電気力とトナー担持体22のスリーブ221との付着力減少によって、トナー41はトナー担持体22のスリーブ221から受容部材24へと確実に受け渡される。
トナー41を緩傾斜面SLに沿って登る方向へ回転させ、トナー41とトナー担持体22の付着力を低減する方法は、受容部材24に対するトナー担持体22の周速比を1倍より大きくする。このことで、トナー担持体22の表面を受容部材24の表面よりも速く動かすことによっても達成することが出来る。上記理由より、受容部材24に対するトナー担持体22の周速比は1倍以上であることが好ましい。
受容部材24に対するトナー担持体22の周速比を大きくすることで、トナー担持体22上でのトナー密度に対し、受容部材24上にコートされるトナー密度を周速比分だけ増加させることが可能である。すなわち、受容部材24に対するトナー担持体22の周速比を可変することで、受容部材24上にコートされるトナー量を可変することが出来る。
トナー担持体22から受容部材24へと均一に受け渡されたトナー41は、感光体ドラム1と対向する現像部Tまで搬送され、感光体ドラム1と受容部材24の周速が略等速の条件で現像される。このため、ハキヨセを抑えた高密度なトナー像を感光体ドラム1上に現像することができる。
また、現像部Tにおいても、受容部材24の表面が(式2)を満たす十分に柔軟な構成であるため、図21(b)に示す通りトナー41は受容部材24から感光体ドラム1へと、空間を飛翔せずに現像することが可能となる。そのため、静電的な力によるトナーの凝集または反発に起因するトナーの不均一性を抑制し、濃淡ムラ等の無い均一なトナー像を安定して得ることができる。本実施例では、感光体ドラム1上の画像部Imの電位Vlが−100V、感光体ドラム1上の非画像部の電位Vdが−600Vとしている。
本実施例では、受容部材24のみ表面が(式2)を満たす柔軟な構成としたが、トナー担持体22、感光体ドラム1についても表面が(式2)を満たす柔軟な構成としても良い。また、トナー担持体22と感光体ドラム1の両方について表面が(式2)を満たす柔軟な構成の場合、受け渡し部T′ではトナー担持体22の表面に、現像部Tでは感光体ドラム1の表面にトナーが侵入できる。そのため、受容部材24の表面が(式2)を満たさない構成でも良い。
このことから、以下のことが言える。受容部材24の表面において、非磁性トナー41の累計粒径分布における10%の粒径をrt10(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)としたとき、受容部材24の表面において、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たすように形成される。このように受容部材24がその関係を満たす場合には、トナー担持体22と感光体ドラム1の両方の表面において、前述のEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たさなくても良い。
また、受容部材24の表面ではなくて、トナー担持体22と感光体ドラム1の両方の表面において、前述のEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たす関係であっても良い。このようにトナー担持体22と感光体ドラム1がその関係を満たす場合には、受容部材24の表面において、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たさなくても良い。
さらに、受容部材24の表面ではなくて、受容部材24とトナー担持体22と感光体ドラム1の全部の表面において、前述のEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たす関係であっても良い。
本実施例の画像形成装置は、トナー担持体22と受容部材24の周速比によって受容部材24上にコートされるトナー量を可変出来る。これと共に、受容部材24と感光体ドラム1を略等速とすることで、ハキヨセを抑えた高密度かつ高安定なトナー像を感光体ドラム1上に現像することが出来る。
ここで、図9の説明に戻る。次に、現像されず受容部材24上に残留した残トナー41の回収について説明する。残トナー41は、受容部材24により回収部材23と対向する回収部Yまで搬送される。このとき、回収部材23に担持される現像剤40と接触する。現像剤40は、既にトナー担持体22にトナーをコートしているため、TD比が下がっている。
このため、現像剤としてトナーを回収する能力を有しているため、接触により、残トナー41は受容部材24から脱離し、回収部材23に担持される現像剤40に回収される。本実施例では回収部Yにおいて残トナー41を回収するために、回収部材23に電圧を印加している。この時、回収部Yにおいて残トナー41を回収するために、回収部材23に印加する電圧V2は、受容部材24に印加するDC電圧V3以上(正帯電性トナーを使用する場合はV3以下)にすることが好ましい。一方、回収部材23に電圧を印加すると、回収部Uにも電界が作用する。
このような条件下においても、スリーブ221上にコートされたトナーは、凹凸構造により電界の方向に対して垂直成分の拘束力が生じる。一方、それ以外の現像剤は回収部材23へ回収されるために、トナー担持体22上に安定して均一な薄層コートが可能になる。さらに好ましくは、回収部Yに対して配置される永久磁石232の磁極(S23Y極)と回収部Uに対して配置される永久磁石232の磁極(S23U極)が同極であることが好ましい。図22により、その理由を説明する。
図22は、回収部Uから回収部Yまでの磁気穂搬送の模式図である。回収部Uにおいて、電界E23が作用し、スリーブ221上にコートされるトナー以外のトナーは回収部材23方向に飛翔し、磁気穂上で回収部材23近傍のトナー量が増加する(図22(a))。スリーブ231の回転および永久磁石232により作られる磁界により磁気穂は搬送され(図22(b))、回収部Yまで搬送される磁気穂は、受容部材24近傍のトナー量が減少している(図22(c))。
このため、磁性キャリアが残トナー41をより回収し易くなるため、より低い電界E43でも回収可能になる。本実施例では、回収部材23に印加する電圧V2を−200Vとした。なお、回収部材23内の磁極構成は磁極構成に限定されることはなく、回収部Yに対して配置される永久磁石232の磁極と回収部Uに対して配置される永久磁石232の磁極が同極であればよい。
回収部Uおよび回収部Yにおいて、回収された現像剤40および残トナー41は、磁界およびスクレーパ27により現像容器21に戻され、再び供給部材251、252により撹拌搬送され、供給部Wにおいてトナー担持体22上へ供給される。
トナーが多層でコートされてしまうと受け渡し部T′において、多層トナーがスペーサーとなり、トナー担持体22上トナーと受容部材24の表面の接触を阻害する。そして、トナー41がトナー担持体22のスリーブ221から受容部材24へと受け渡される際に空間を飛翔する必要が生じる。空間を飛翔するトナー間には誘電分極による静電的な凝集力や同極電荷による静電的な反発力が働くため、受容部材24に到達するまでにトナー41が不均一となってしまう。
一方、構造Eではトナー(rt6.9μm)が幾何学的に求められる最大トナー粒径Rx(6.6μm)を上回っているため、スリーブ221上にトナー41を均一にコートすることができない。そのため、受容部材24上に受け渡されたトナー41の配置も不均一となってしまう。
上記の通り、トナー粒径rtは凹凸構造と磁性キャリアの粒径rcによって幾何学的に決定される範囲(Rn≦rt≦Rx)であることが望ましいが、トナー粒径がRn≦rt10≦rt90≦Rxであるとより好ましい。この条件により、トナー担持体22上でのトナー多層化をより抑制すると共に、現像剤40からトナー担持体22上にコートされるトナー粒径の選択性を低減し、現像剤中のトナーをより効率良く使用することが可能となる。また、回転方向hで隣接するトナー担持体22の表面の凹凸構造の凸部22A同士の間隔(周期L)は、トナーの粒径の3倍よりも小さく、更に好ましくは2倍より小さいと好ましい。
図23(a)は、周期Lがトナー粒径の3倍のスリーブ221の模式図である。図のように、急傾斜面SRと緩傾斜面SLに多点接触できるトナー41cはスリーブ221上に拘束されるが、その上方に位置するトナー41d、トナー41eは、上方にいくに従い磁性キャリアからかき取られ易い。このため、コート量の安定性が低下し、それに伴い現像量の安定性が低下してしまう。1周期に拘束されるトナー数を制限する、具体的には2個以下、更に好ましくは1個に制限することにより、周期間におけるコート量の変動が抑制され、コート量、現像量の安定性を改善することができる。
構造Gにおいてはスリーブ221上には十分なトナー量がコートされているが、スリーブ221上のトナーを受容部材24へ受け渡す際に、緩傾斜面SLの最大傾き|κL|が0.5より大きい。そのためにトナーが緩傾斜面SL上を回転移動できず、スリーブ221上から受容部材24へのトナー受け渡しが困難になっているためだと考えられる。
構造Iにおいては、急傾斜面SRの最大傾き|κR|が1.0より小さいことにより、トナーがトナー担持体22上に拘束され難いため、スリーブ221上で十分なトナー量がコートされていないと考えられる。以上より、凹凸構造の緩傾斜面SLにおける最大傾き|κL|は0.5以下、凹凸構造の急傾斜面SRにおける最大傾き|κR|は1.0以上であることが好ましい。
また、トナー41とスリーブ221の接触点における静電的付着力が大きければ、トナーはスリーブ221上に拘束され易くなり、コート量の安定性が改善する。更に現像剤の搬送過程において、スリーブ221とトナーの接触頻度や摩擦を過度に上げる必要がなくなり、現像剤の劣化を抑えることができる。
そのためには、トナー担持体22のスリーブ221の表面と、非磁性トナー41と、磁性キャリア42と、の帯電系列(帯電列)は、非磁性トナー41とトナー担持体22のスリーブ221の表面(コーティング層221b)との間に、磁性キャリア42が入るようが並ぶことが好ましい。この条件においては、トナー41とスリーブ221の表面材料の帯電系列差が、トナー41と磁性キャリア42の帯電系列差に比べて大きくなる。
このため、トナー41とスリーブ221が接触、摩擦し帯電した際に、トナー41と磁性キャリア42の静電的付着力に比べて、強い静電的付着力が発生し、トナー41が磁性キャリア42から脱離しスリーブ221に付着しやすくなる。なお、帯電系列の決定方法に関しては後述する。
<凹凸構造の形成方法>
スリーブ221上の凹凸構造は、光硬化性樹脂を用いた光インプリント法や熱可塑性樹脂を用いた熱インプリント法により形成することができる。また、レーザーを走査しエッジングを行うレーザーエッジング法やダイヤモンド刃により機械的に削るダイヤモンドエッジング法により形成することができる。更にそれらの成型から電鋳技術などによる複製などにより形成することができる。
スリーブ221上の凹凸構造は、光硬化性樹脂を用いた光インプリント法や熱可塑性樹脂を用いた熱インプリント法により形成することができる。また、レーザーを走査しエッジングを行うレーザーエッジング法やダイヤモンド刃により機械的に削るダイヤモンドエッジング法により形成することができる。更にそれらの成型から電鋳技術などによる複製などにより形成することができる。
図23(b)は、熱インプリント法による形成方法の概略図である。ハロゲンヒータ51を内包した転写用ローラ50上に、所望の凹凸構造とは逆形状の構造を有したフィルムモールド52を固定し、スリーブ221に接触、加圧する。転写用ローラ50とスリーブ221を等速で回転させながら、ハロゲンヒータ51により、ガラス転移温度から融点の範囲内に加熱し、スリーブ221上に凹凸構造を形成する。
このとき、スリーブ221上に塗工した熱可塑性樹脂から成るコーティング層221bに形成しても構わないし、弾性層221c上に直接形成しても構わない。本実施例で使用したスリーブ221は熱インプリント法で形成されており、ステンレス製の基層221a上に接着性を高めるために数nmのプライマー層を設け、その上に10μmのPMMA層221bを塗工し、熱インプリント法によりのこぎり形状を形成した。
図23(c)は、光インプリント法による形成方法の概略図である。光インプリント法は、光硬化性樹脂をスリーブ221の表面に塗工し、ハロゲンヒータの代わりに設置したUV光源53により、UV照射し、光硬化性樹脂を硬化させ凹凸構造を形成する。
図24(a)は、ダイヤモンドエッジング法による形成方法の概略図である。スリーブ221に対して、先端がのこぎり形状のダイヤモンド刃を有す針54を矢印f方向に走査し、スリーブ221の表面を機械的に削り凹凸構造を形成する。更にスリーブ221を矢印g方向にわずかに回転し、再び針54を矢印f方向に走査し、これを繰り返し、凹凸構造を形成する。
<凹凸構造の判定方法>
スリーブ221上における凹凸構造の判定はAFM(Pacific nanotechnology社製Nano−I)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。以下判定方法について説明する。
スリーブ221上における凹凸構造の判定はAFM(Pacific nanotechnology社製Nano−I)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。以下判定方法について説明する。
図24(b)は、サンプリングについて説明する模式図である。サンプリングはスリーブ221の中央部における表面をカッターやレーザーなどにより切り取り、平滑なシート状に加工する。AFMの測定は、スリーブ221の回転軸kの水平方向k″に対して垂直方向である図中矢印s方向に走査して行う。なお、AFMにより直接にスリーブ221上を測定し、円筒補正を行っても構わない。
図25は、AFMの測定で用いる2種類のカンチレバー(探針)の先端形状の模式図である。探針Aは先端がトナー粒径rt相当の半球状の探針(図25(a)参照)であり、探針Bは、先端がキャリア粒径rc相当の半球状の探針(図25(b)参照)である。
図25(c)は、後述する凹凸構造の測定方法で得られる構造形状の一例である。図26は、探針Aと探針BによりAFMで測定される形状のグラフである。図26中のグラフJ1は、探針AによりAFMで測定される凹凸構造の形状J1(黒丸のプロットが複数ある実線部分)である。図26(b)中のグラフJ2は、探針BによりAFMで測定される凹凸構造の形状J2(水平線に相当する点線部分)である。走査方向に対して探針A、Bの先端位置を計測する。なお、図26(c)中のグラフJ3は、図26(a)のトナー担持体22の凹凸構造を示す。
このとき、探針の先端径rtに対して、走査方向の解像度を十分に確保して測定を行う。具体的には、先端径rtの1/10以下であることが好ましい。得られる形状の差分(グラフJ2の位置−グラフJ1の位置)を取り、更にその微分を取り、頂点P″を決定し、頂点P″の左右に位置する底点YL″、YR″を決定する。YL″、YR″間の凸部22Aを単位構造としたとき、凸部22Aの頂点P″の左右に位置する緩傾斜面SL″(P″YL″)、急傾斜面SR″(P″YR″)の最大傾きκL″、κR″を算出する。
図27(a)は、凸部22Aが並んだ凹凸構造を前述の測定方法により測定した形状(J1、J2)の差分(J2−J1)を示す図である。構造が凹凸構造であるかは以下の判定基準により決定される。
条件(1)・・・ 頂点P″nと左右の底点から成る凸n構造のうち、隣接する10個の凸n構造(凸1〜凸10)の緩傾斜面SLn″、急傾斜面SRn″の最大傾きκLn″とκRn″が|κLn″|<|κRn″|を満たす。なお、回転方向hで隣接する所定数(例えば10個)の凸n構造の緩傾斜面SLn″、急傾斜面SRn″の最大傾きκLn″とκRn″の平均値がΣ(|κLn″|/n)<Σ(|κRn″|/n)を満たすという条件であっても良い。
条件(2)・・・隣り合う頂点間距離L″n(L″1〜L″10)が(式3)を満たし、且つ頂点間距離L″nに対する緩傾斜面SL″の幅xL″nの比(xL″1/L″1〜xL″10/L″10)が(式4)を満たす。
ここで、(式3)に関して解説する。例えば頂点間距離を5点で計測した場合を例示する。L”n1=7.8μm、L”n2=8.2μm、L”n3=7.5μm、L”n4=8.5μm、L”n5=8.0μmであったとする。右辺は、L”1〜L”5の平均値の10%であるから、0.8μmとなる。左辺は、例えば、L”1からL”1〜L”5の平均値を引くから絶対値は0.2μmとなる。こうしたことから、特定の頂点間距離のピッチ幅の誤差が、平均の頂点間距離のピッチ幅の誤差の範囲内にある。
また、頂点間距離を5点で計測した場合に、L”n1=9.0μm、L”n2=7.0μm、L”n3=10.0μm、L”n4=6.0μm、L”n5=8.0μmであったとする。右辺は、L”1〜L”5の平均値の10%であるから、0.8μmとなる。左辺は、例えば、L”1からL”1〜L”5の平均値を引くから絶対値は1.0μmとなる。こうしたことから、特定の頂点間距離のピッチ幅の誤差が、平均の頂点間距離のピッチ幅の誤差の範囲内にない。
こうしたことから、前述の(式3)や(式4)は、頂点間距離の誤差、及び、このような頂点間距離に対する緩傾斜面幅の誤差が、10%以内にあることを意味する。このように、凹凸構造は、回転方向hで所定の規則性を有して凹部22Bと凸部22Aを有する。
前述の条件(1)及び条件(2)を満たす構造は、角度が異なる傾斜を有す凸部22Aが規則的に並ぶ凹凸構造とし、本発明における凹凸構造と判定する。なお、探針Aが追従できない微小構造や周期の短い構造、探針Bが侵入できる周期の長い構造に関しては、本発明の課題に影響せず、スリーブ221の表面に構造が含まれていても構わない。
<凹凸構造の測定方法及びトナー粒径の規定方法>
凹凸構造の判定方法により、凹凸構造と判定された場合に、凹凸構造の測定方法及びトナー粒径の規定方法について説明する。測定は、判定方法で用いたサンプルに対して、非接触表面・層断面形状計測システムR5200(菱化システム社製)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。
凹凸構造の判定方法により、凹凸構造と判定された場合に、凹凸構造の測定方法及びトナー粒径の規定方法について説明する。測定は、判定方法で用いたサンプルに対して、非接触表面・層断面形状計測システムR5200(菱化システム社製)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。
図27(b)は、測定により得られる形状を示す図である。このとき、測定方向はAFM測定と同様に、スリーブ221の回転軸kの水平方向k″に対して垂直方向であり、測定範囲はAFM測定で得られる平均頂点間距離(1/nΣL″n)の10倍以上とする。このとき、測定範囲における最下点を原点Oとし、原点Oから平均頂点間距離までの最高点をP1、P1から平均頂点間距離までの最下点をY1、Y1から平均頂点間距離までの最高点をP2とし、以後これを繰り返し、P1からP11までを決定する。次に、隣接する頂点P間(P1〜P2、P2〜P3・・・P10〜P11)の平均形状を算出する。
図27(c)は、図27(b)の頂点P間の平均形状を示す図である。このとき、頂点間(PL、PR)を結ぶ第1仮想線L1と急傾斜面SR、緩傾斜面SLに接する円の直径を最小トナー粒径Rnとする。
図28では、平均形状に対して、粒径rcの磁性キャリアに相当する円cが、第1仮想線L1に接し、且つ、急傾斜面SR上の頂点PLと緩傾斜面SLと多点接触する直径Rxのトナー41に相当する円tに接する。このとき、円cの中心Ocと円tの中心Otを結ぶ第2仮想線L2が、頂点PLを通る際の模式図である。このとき得られる円tの直径を最大トナー粒径Rxとする。
<粒径の測定方法>
トナー粒径はコールターマルチサイザ−III(ベックマンコールター社製)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。具体的には、電解液100ml(ISOTON)に、分散剤として界面活性剤を0.1g加え、さらに測定試料(トナー)を5mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約2分間分散処理して測定サンプルとする。アパーチャ−は100μmのアパーチャ−とし、試料の個数を、チャンネルごとに測定して、メジアン径d50、累積分布の10%径d10、90%径d90を算出し、試料の個数平均粒径rt、rt10、rt90とする。
トナー粒径はコールターマルチサイザ−III(ベックマンコールター社製)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。具体的には、電解液100ml(ISOTON)に、分散剤として界面活性剤を0.1g加え、さらに測定試料(トナー)を5mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約2分間分散処理して測定サンプルとする。アパーチャ−は100μmのアパーチャ−とし、試料の個数を、チャンネルごとに測定して、メジアン径d50、累積分布の10%径d10、90%径d90を算出し、試料の個数平均粒径rt、rt10、rt90とする。
磁性キャリア粒径はレーザー回折式粒度分布測定器SALD−3000(島津製作所製)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。具体的には、磁性キャリア0.1gを装置に導入し測定を行い、試料の個数を、チャンネルごとに測定して、メジアン径d50を算出し、試料の個数平均粒径rcとする。
<円形度の測定方法>
トナーの円相当径、円形度及びそれらの頻度分布はFPIA−2100型(シスメックス社製)を用い測定を行い、下の(式5)、(式6)を用い算出する。
トナーの円相当径、円形度及びそれらの頻度分布はFPIA−2100型(シスメックス社製)を用い測定を行い、下の(式5)、(式6)を用い算出する。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.00を示し、表面形状が複雑になるほど、円形度は小さい値となる。また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、下の(式7)から算出される。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散器Tetora150型(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が40℃以上にならないように適宜冷却する。
トナー粒子の形状測定には、FPIA−2100型を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなるように分散液濃度を調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、トナー粒子の平均円形度を求める。
<表面ヤング率の算出方法>
受容部材24の表面のヤング率EITの測定方法について説明する。測定はISO14577−1に準拠した測定を行なうナノインデンター(エリオニクス社製ENT−1100a)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。サンプリングは受容部材24の中央部における、基層上に配置されている弾性層を、その上にコート層を塗膜した状態のまま1cm四方カッターやレーザーなどにより切り取り、平滑なシート状に加工する。
受容部材24の表面のヤング率EITの測定方法について説明する。測定はISO14577−1に準拠した測定を行なうナノインデンター(エリオニクス社製ENT−1100a)を用い、測定装置の操作マニュアルに従い測定を行う。サンプリングは受容部材24の中央部における、基層上に配置されている弾性層を、その上にコート層を塗膜した状態のまま1cm四方カッターやレーザーなどにより切り取り、平滑なシート状に加工する。
加工したサンプルを試料台上に接着剤を用いて固定し、サンプル上10点を下記測定条件で測定し、得られたヤング率EITの平均値を受容部材24の表面のヤング率EITとした。測定条件、解析条件は下記の通り。
試験モード:押込み深さ設定試験
測定点数:直線
除荷プロセス:直線
圧子形状:バーコビッチ
圧子先端補正方式:田中方式
除荷フィッテイング方式:直線(70−95%)
フレームコンプライアンスCf:0.48974
補正長さdhc:11.68
測定点数:直線
除荷プロセス:直線
圧子形状:バーコビッチ
圧子先端補正方式:田中方式
除荷フィッテイング方式:直線(70−95%)
フレームコンプライアンスCf:0.48974
補正長さdhc:11.68
圧子のヤング率:1140000N/mm^2
圧子のポアソン比:0.07
角錐の面と軸の成す角度:65.03
投影面積の係数Ap0:0
投影面積の係数Ap1:0
投影面積の係数Ap2:23.962
接触押込み深さ補正係数 ε:0.75
圧子のポアソン比:0.07
角錐の面と軸の成す角度:65.03
投影面積の係数Ap0:0
投影面積の係数Ap1:0
投影面積の係数Ap2:23.962
接触押込み深さ補正係数 ε:0.75
投影面積Apと係数Ap0〜2の関係は下記の通り
押圧開始荷重:0mN
押圧終了荷重:5mN
分割数:1000
ステップ間隔:10msec
最大荷重保持時間:10sec
<評価方法>
・トナー均一性評価
トナー担持体22よりトナーが受け渡された受容部材24上をマイクロスコープ(Keyence社製VHX−5000、レンズVH−Z100使用)で1000倍率で360μm×270μmの範囲を撮影する。撮影した画像を画像処理ソフト(アドビ社製photoshop)を用いて、45μm四方のエリアで48分割した上で各エリアにおけるトナー部のみの面積を求め、エリア内全面積に対するトナー部の面積比(%)を48のエリアそれぞれに対して求める。上記48エリアのトナー面積比(%)について標準偏差を求め、下記基準に従って判定を行なった。
・トナー均一性評価
トナー担持体22よりトナーが受け渡された受容部材24上をマイクロスコープ(Keyence社製VHX−5000、レンズVH−Z100使用)で1000倍率で360μm×270μmの範囲を撮影する。撮影した画像を画像処理ソフト(アドビ社製photoshop)を用いて、45μm四方のエリアで48分割した上で各エリアにおけるトナー部のみの面積を求め、エリア内全面積に対するトナー部の面積比(%)を48のエリアそれぞれに対して求める。上記48エリアのトナー面積比(%)について標準偏差を求め、下記基準に従って判定を行なった。
トナー均一(○):48エリアのトナー面積比(%)の標準偏差が7%未満
トナー不均一(×):48エリアのトナー面積比(%)の標準偏差が7%以上
トナー不均一(×):48エリアのトナー面積比(%)の標準偏差が7%以上
・定着後の濃度評価
現像、転写、定着を順次行い、コート紙上にトナー像を定着し、濃度評価を行う。濃度評価は、コート紙上の反射濃度Drを反射濃度計(エックスライト株式会社製500Series)により測定し、所望の反射濃度(CMY:Dr≧1.3、K:Dr≧1.5)に対し、未達の場合を×、到達の場合を○とした。
現像、転写、定着を順次行い、コート紙上にトナー像を定着し、濃度評価を行う。濃度評価は、コート紙上の反射濃度Drを反射濃度計(エックスライト株式会社製500Series)により測定し、所望の反射濃度(CMY:Dr≧1.3、K:Dr≧1.5)に対し、未達の場合を×、到達の場合を○とした。
<帯電系列の決定方法>
現像装置20の現像容器21内に磁性キャリアのみを入れて、1分程度通常の現像における回転動作を行う。このとき、電界印加部は取り外し、トナー担持体22と回収部材23は電気的にフロートの状態とする。また受容部材24を取り外し、受け渡し部T′の位置に、トナー担持体22に対向するように、表面電位計MODEL347(トレック社製)のプローブを設置し、トナー担持体22の表面電位を測定する。
現像装置20の現像容器21内に磁性キャリアのみを入れて、1分程度通常の現像における回転動作を行う。このとき、電界印加部は取り外し、トナー担持体22と回収部材23は電気的にフロートの状態とする。また受容部材24を取り外し、受け渡し部T′の位置に、トナー担持体22に対向するように、表面電位計MODEL347(トレック社製)のプローブを設置し、トナー担持体22の表面電位を測定する。
回転動作前後の電位差(動作後電位−動作前電位)を計測し、電位差がプラスであればトナー担持体22のスリーブ221は磁性キャリアに比べて帯電系列上ポジ側、マイナスであればネガ側と判断することができる。一方、上記磁性キャリアとトナーの摩擦帯電により、トナーが磁性キャリアに比べて帯電系列上ポジ側、ネガ側かを判断できるため、3者の相対的な帯電系列を決定することができる。
図29は、本発明における凹凸構造の一例である。実施例2では、トナー担持体22は、急傾斜面SRの上部から正の方向に広がる平坦部M1(第1平坦部)、及び、緩傾斜面SLの下部から正の方向に広がる平坦部M2(第2平坦部)の少なくともいずれか一方を有する点で、実施例1の構成と異なる。
図29(a)は、凹凸構造の緩傾斜面SLが複数の傾きの傾斜から成る。特に図29(a)に示すように、緩傾斜面SLに平坦部M2を設けることにより、微粉トナーが凹凸構造内に留まり、現像剤や感光体ドラム1の摺擦を受け続けることにより発生するトナー融着を改善することができる。このとき、平坦部の幅LFaは、トナー粒径rtの3倍より小さい、更に好ましくは2倍より小さいことが好ましい。
これにより、凹凸構造上に安定したトナー量をコートすることができる。当然、本構造においても、頂点Pの左右に位置する緩傾斜面SL(PYL)、急傾斜面SR(PYR)の最大傾きκL、κRは、|κL|<|κR|であり、更に好ましくは、|κL|は0.5以下、|κR|は1.0以上であることが好ましい。
図29(b)は、凹凸構造の急傾斜面SRが複数の傾きの傾斜から成る。特に図29(b)に示すように、急傾斜面SRに平坦部M1を設けることにより、凹凸構造が現像剤や感光体ドラム1との摺擦により、摩耗し、形状が変化することを抑制することができる。このとき、平坦部M1の幅LFbは、トナー粒径rtより小さいことが好ましい。
これにより、平坦部M1にコートされるトナーが限定され、凹凸構造上に安定したトナー量をコートすることができる。当然、本構造においても、頂点Pの左右に位置する緩傾斜面SL(PYL)、急傾斜面SR(PYR)の最大傾きκL、κRは、|κL|<|κR|であり、更に好ましくは、|κL|は0.5以下、|κR|は1.0以上であることが好ましい。
開口幅Z(図30参照)の寸法は、1μm以上、100μm以下に設定するのが好ましい。
スリーブ221上における前記平坦部M1(凸部における)の割合は45%以下とすることが好ましい。図30はスリーブ221上の領域S(破線)、前記領域Sにおける開口幅L−LFbの開口部St、前記領域Sにおける幅LFbの平坦部M1を示す。トナーは前記開口部Stにコートされている。前記の通り、感光体ドラム1上には少なくともスリーブ221上のトナー量以上のトナーが現像される。
一方、感光体ドラム1上に必要なトナー量は、定着後に隙間なくトナー同士が接着し、紙上をトナー像で覆うことができる程度である。具体的には、前記開口部Stにコートされるトナーの総体積が、領域Sの面積Saと定着後のトナー層厚dtの積で決定される立方体の体積以上である。
前記開口部Stにおけるトナー量κは、ほぼ最密に充填されるために、下式で近似することができる。
また、定着後のトナー層厚dtは、一般的な定着条件で、トナー粒径rtの1/3程度までつぶすことができることから、上記2式より、下式で近似することができる。
つまり、スリーブ221上における平坦部M1の割合が45%以下であれば、トナーにより隙間なく定着することが可能になる。
図29(c)は、図29(a)、図29(b)の特徴を兼ね備えた構造である。これによりトナー融着や構造の摩耗を抑制することができる。
図29(d)は、図29(c)の緩傾斜面SLの一部の表面粗さを急傾斜面SRに比べて大きくしている。すなわち、トナー担持体22は、緩傾斜面SL及び平坦部M1の少なくとも一部の表面粗さが急傾斜面SRよりも粗く形成される。なお、緩傾斜面SLが粗く形成されれば平坦部M1が粗く形成されなくてもその効果がある。その意味では、緩傾斜面SL、もしくは、平坦部M1を有する場合には、緩傾斜面SL及び平坦部M1の少なくとも一部の表面粗さが粗く形成されれば良いと言える。これにより緩傾斜面SLとトナー間の付着力が低下し、凹凸構造へのコート性を維持したままトナー担持体22を改善することができる。図29(c)以外の凹凸構造においても同様の効果を得ることができる。
図31(a)は、本発明の実施例3に係る画像形成装置における現像装置を示す概略構成図である。本実施例では、像担持体には実施例1と同様に感光体ドラム1を用いている。実施例3では、受容部材24が前述の(式2)を満たす点で、実施例1と同様である。この一方で、実施例3では、受容部材24から現像剤を回収する回収部材60と、トナー担持体22から現像剤を回収する回収部材23と、を有する点で、実施例1と異なる。
本実施例における現像装置20は、感光体ドラム1に対向して配置され、現像容器21の開口部に、受容部材24が配置されている。受容部材24は、金属材料を基層とする円筒状の部材に、弾性層を被覆した構造、もしくは弾性層のさらにその表面を柔軟なコート層で被覆した構造の部材で形成されている。
弾性層は、適度な弾性を有するシリコーンゴム、アクリルゴム、二トリルゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのゴム材料を基材とする。そして、これにカーボン、酸化チタン、金属微粒子などの導電性微粒子を添加して導電性を付与したものである。受容部材24の表面は、本実施例で使用する非磁性トナーの累計粒径分布における10%の粒径をrt(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)としたとき、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))を満たすように形成されている。
本実施例ではステンレス製の基層上にカーボンが分散されたシリコーンゴムから成る弾性層を2.5mm被覆し、更にその表面に導電性PFA樹脂を30μm被覆した受容部材24を用いた。受容部材24の表面から深さ2.8μmまでの表面ヤング率EITを測定したところ、150MPaであった。受容部材24は、感光体ドラム1に接触するように配置され、感光体ドラム1の回転方向に対して、現像部Tで同方向に移動するように回転可能に設けられ、且つ両速度は略同等になるように設定している。
本実施例では感光体ドラム1に対する受容部材24の周速比は1倍とした。また、感光体ドラム1と受容部材24の接触については、部材の変形や機械公差を考慮し10μm以上500μm以下の侵入量が好ましい。本実施例では、感光体ドラム1に対する受容部材24の侵入量を50μmとした。
トナー担持体22は、矢印方向hに回転可能なスリーブ221と内部に固定配置された永久磁石222から成る。スリーブ221には、その移動方向に対して、本発明における凹凸構造が形成され、且つ、トナー担持体22と受容部材24は受け渡し部T′で互いに接触するように配置されている。トナー担持体22と受容部材24の接触については、部材の変形や機械公差を考慮し10μm以上500μm以下の侵入量が好ましい。本実施例では、トナー担持体22に対する受容部材24の侵入量は100μmとした。また、本実施例では受容部材24に対するトナー担持体22の周速比は1.05倍とした。
本実施例において、スリーブ221は、ステンレス製の基層221aとその上部にカーボンが分散されたシリコーンゴムから成る厚み3mm程度の弾性層221c、さらにその表面にPMMAのコーティング層221bを7μm形成することにより構成される。凹凸構造は、熱インプリント方式を用いてコーティング層221bに形成されている。
本実施例で用いる凹凸構造も、実施例1と同様、図8のように頂点Pに対し緩傾斜面SLと急傾斜面SRを有す凸部22Aであり、凸部22Aが周期Lで規則的に並ぶ凹凸構造である。本実施例においては、周期Lは6.5μm、緩傾斜面SLの幅xLは5.5μm、深さdは1.5μmであり、急傾斜面SRの最大傾きκRは1.5、緩傾斜面SLの最大傾きκLは0.27の凹凸構造を用いた。
現像容器21の内部には、トナー担持体22に現像剤を供給する供給部材251と、トナー担持体22上の現像剤を回収する回収部材23が、トナー担持体22に間隙を有して対向している。また回収部材23から回収された現像剤を撹拌し供給部材253へと搬送する供給部材252が、回収部材23に間隙を有して対向している。供給部材251は、後述する回収部材23により回収された現像剤を撹拌し、トナー担持体22と供給部材251が対向する供給部Wへ搬送し、永久磁石222により作用する磁気力により供給する。
回収部材23は、回転可能なスリーブ231と、その内部に固定配置された永久磁石232から構成される。スリーブ231は、トナー担持体22と対向する回収部Uにおいて逆方向に移動するように回転可能に設けられている。供給部材251によりトナー担持体22に供給された現像剤の一部を、受け渡し部T’に搬送される前に、永久磁石222と、永久磁石232が協働で形成した磁場により作用する磁気力により回収する。このため、回収部材23は、トナー担持体22の回転方向hに対して、受け渡し部T’より上流、且つ供給部Wより下流の位置に配置されることを特徴とする。
回収部材60は、矢印方向nに回転可能なスリーブ601と、その内部に固定配置された永久磁石602と、を有する。スリーブ601は受容部材24と対向するトナー剥ぎ取り部Yにおいて逆方向に移動するように回転可能に設けられている。また現像容器21の内部には、回収部材60に現像剤を供給する供給部材253が、回収部材60に間隙を有して対向している。供給部材253は、供給部材252により回収された現像剤を撹拌、搬送し、回収部材60と供給部材253が対向する供給部W2へ搬送し、永久磁石602により作用する磁気力により供給する。
また、現像容器21の内部には、回収部材23と対向し、回収部Uよりも回収部材23回転方向の下流に、回収部材23に担持された現像剤を剥ぎ取るスクレーパ271が、回収部材23と接触するように配置されている。また、回収部材60と対向し、トナー剥ぎ取り部Yよりも回収部材60の回転方向の下流に、回収部材60に担持された現像剤を剥ぎ取るスクレーパ272が、回収部材60と接触するように配置されている。また現像容器21の開口部においては、現像容器21の外へトナーが飛散することを防ぐために、飛散防止シート28が備えられている。
また本実施例では、重合法により製造された個数平均粒径(D50)rtが6.9μm、累計粒径分布における10%粒径(rt10)が5.5μm、90%粒径(rt90)が8.3μm、平均円形度が0.97の負帯電性トナーを用いた。磁性キャリアは、個数平均粒径rcが90μmの標準キャリアN−02(日本画像学会製)を用いた。トナー及び磁性キャリアを、全体の質量に対するトナー質量比(TD比x)8%に混合し、二成分現像剤40とした。
本実施例ではトナー担持体22と回収部材23にはV1=−700V、受容部材24にはV2=−400V、回収部材60にはV4=−200Vの電圧が印加されている。本実施例において回収部材23にはトナー担持体22と等電位になるように電圧が印加されているが、フロートでも構わない。この電圧により、受け渡し部T′ではトナー担持体22から受容部材24に向かってトナーに静電力が働く。また現像部Tでは感光体ドラム1上の静電像Vl=−100Vに対し、受容部材24から感光体ドラム1上の静電像に向かったトナーに静電力が働く。また、トナー剥ぎ取り部Yでは受容部材24から回収部材60に向かってトナーに静電力が働く。
本実施例におけるトナー担持体22上へのトナーコート、トナー担持体22から受容部材24へのトナー受け渡し、及び受容部材24から感光体ドラム1の静電像への現像について説明する。まず供給部Wにおいて、供給部材251により、表面に規則的に並ぶ凹凸構造を有したトナー担持体22に二成分現像剤40を供給する。
二成分現像剤40がトナー担持体22に供給されて回収部材23により回収されるまでの搬送過程で、トナー担持体22のスリーブ221と接触した二成分現像剤40中のトナーが、凹凸構造に接触して、磁性キャリアから脱離し、安定して薄層均一コートされる。コートされたトナー以外の二成分現像剤40は、回収部Uにおいて回収部材23により、磁気力で回収され、矢印c1の経路で搬送される。
一方、搬送過程において、スリーブ221に接触し、コートされるトナーは、磁気力による拘束を受けない。トナーは、回収部Uを通過し、受け渡し部T′で受容部材24と接触する。そして、トナーは、トナー担持体22と受容部材24との間の電位差、及び受容部材24の表面からの弾性反発力によるトナー回転に起因する、トナーと受容部材24との付着力の低減により受容部材24上に受け渡される。
受容部材24上に受け渡されたトナー41は受容部材24により現像部Tにおいて感光体ドラム1と接触し、受容部材24と感光体ドラム1との間の電位差により感光体ドラム1上に現像する。一方、感光体ドラム1に現像しなかった非画像部のトナーは受容部材24によってさらにトナー剥ぎ取り部Yまで搬送される。
回収部材23によって回収された現像剤40は供給部材252によって回収された後に撹拌、搬送され、供給部材253によって回収部材60に供給される。回収部材60に供給された現像剤40は、回収部材60のスリーブ601の回転及び内部の磁極602が作用する磁気力によって矢印c2の経路で搬送され、トナー剥ぎ取り部Yにおいて、受容部材24上の現像残トナーと接触する。
このとき、回収部材60に担持される現像剤40は、既にトナー担持体22にトナーをコートしているため、TD比が下がっている。このため、現像剤としてトナーを回収する能力を有しているため、接触により、トナーは受容部材24から脱離し、回収部材60に担持される現像剤40に回収される。
本実施例では回収部Yにおいて残トナーを回収するために、回収部材60に電圧を印加している。この時、回収部Yにおいてトナーを回収するために、回収部材60に印加する電圧V4は、受容部材24に印加するDC電圧V3以上(正帯電性トナーを使用する場合はV3以下)にすることが好ましい。回収部Yにおいてトナーを回収した現像剤40は、磁界およびスクレーパ272により現像容器21に戻され、再び供給部材253により撹拌されて供給部材251へ再び搬送され、供給部Wにおいてトナー担持体22上へ供給される。
本実施例では回転可能なスリーブ601と内部に固定配置された永久磁石602から成る回収部材60を用いたが、回収部材60を受容部材24に接触するよう固定配置されたスクレーパとし、機械的に受容部材24上からトナーを回収しても良い。
図31(b)は、本発明の実施例4に係る画像形成装置における現像装置の概略構成図である。本実施例では、像担持体には実施例1と同様に感光体ドラム1を用いている。実施例4では、受容部材24が(式2)を満たす点で、実施例1と同様である。この一方で、実施例4では、回収部材23がローラではなく、磁性材料、又は、透磁率が所定量よりも高い金属材料で形成される点で、実施例1と異なる。
本実施例における現像装置20は、感光体ドラム1に対向して配置され、現像容器21の開口部に、受容部材24が配置されている。受容部材24は、金属材料を基層とする円筒状の部材に、弾性層を被覆した構造、もしくは弾性層のさらにその表面を柔軟なコート層で被覆した構造の部材で形成されている。弾性層の材質、受容部材24の表面のEITとσの関係、受容部材24と感光体ドラム1の回転方向の関係や速度差に関しては、実施例3と同様である。
本実施例では感光体ドラム1に対する受容部材24の周速比は1倍とした。また、感光体ドラム1と受容部材24の接触については、部材の変形や機械公差を考慮し10μm以上250μm以下で侵入するのが好ましい。本実施例では、感光体ドラム1に対する受容部材24の侵入量は150μmとした。
トナー担持体22は、矢印方向hに回転可能なスリーブ221と、その内部に固定配置された永久磁石222と、を有する。スリーブ221には、その移動方向に対して、本発明における凹凸構造が形成され、且つ、トナー担持体22と受容部材24は受け渡し部T′で互いに接触するように配置されている。トナー担持体22と受容部材24の接触については、500μm以下で侵入するのが好ましく、より好ましくは50μm以上250μm以下で侵入するのが好ましい。本実施例では、トナー担持体22に対する受容部材24の侵入量は150μmとした。また、本実施例では受容部材24に対するトナー担持体22の周速比は1倍とした。
本実施例において、スリーブ221は、ステンレス製の基層221aとその上部にカーボンが分散されたシリコーンゴムから成る厚み3mm程度の弾性層221c、さらにその表面にPMMAのコーティング層221bを7μm形成することにより構成される。凹凸構造は、熱インプリント方式を用いてコーティング層221bに形成されている。
本実施例で用いる凹凸構造も、実施例1と同様、図8のように頂点Pに対し緩傾斜面SLと急傾斜面SRを有する凸部22Aを有し、凸部22Aが周期Lで規則的に並ぶ凹凸構造である。本実施例においては、周期Lは6.5μm、緩傾斜面SLの幅xLは5.5μm、深さdは1.5μmであり、急傾斜面SRの最大傾きκRは1.5、緩傾斜面SLの最大傾きκLは0.27の凹凸構造を用いた。
また、現像容器21の内部には、トナー担持体22に現像剤を供給する供給部材25と、トナー担持体22上の現像剤を回収する回収部材23が、トナー担持体22に対向し、間隙を有して固定配置される。供給部材25は、後述する回収部材23により回収された現像剤を撹拌し、トナー担持体22と供給部材25が対向する供給部Wへ現像剤を搬送し、永久磁石222により作用する磁気力により現像剤を供給する。
一方、回収部材23は、磁性材料、又は、透磁率が所定量よりも高い金属材料で形成される。そして、トナー担持体22の内部の永久磁石222と回収部材23とが協働して磁場を形成して、その磁場により作用する磁気力により、回収部材23が磁気力により現像剤を回収する。回収部材23は、スリーブ221の回転方向hに対して、トナー担持体22上のトナーを受容部材24へ受け渡す受け渡し部T′より上流、且つ供給部Wより下流の位置に配置されることを特徴としている。
また、現像容器21の内部には、受容部材24と対向し、受け渡し部T′よりも受容部材24の回転方向jの上流、且つ、現像部Tよりも受容部材24の回転方向jの下流に、スクレーパ29が、受容部材24と接触するように配置されている。スクレーパ29は、現像部において現像しなかった残トナー41を受容部材24上から回収する。また現像容器21の開口部においては、現像容器21の外へトナーが飛散することを防ぐために、飛散防止シート28が備えられている。
また本実施例では、重合法により製造された個数平均粒径(D50)rtが6.9μm、累計粒径分布における10%粒径(rt10)が5.5μm、90%粒径(rt90)が8.3μm、平均円形度が0.97の負帯電性トナーを用いた。磁性キャリアは、個数平均粒径rcが90μmの標準キャリアN−02(日本画像学会製)を用いた。トナー及び磁性キャリアを、全体の質量に対するトナー質量比(TD比x)8%に混合し、二成分現像剤40とした。
本実施例ではトナー担持体22にはV1=−700V、受容部材24にはV2=−400Vの電圧が印加されている。この電圧により、受け渡し部T′ではトナー担持体22から受容部材24に向かってトナーに静電力が働く。また現像部Tでは感光体ドラム1上の静電像の電位Vl=−100Vに対し、受容部材24から感光体ドラム1上の静電像に向かったトナーに静電力が働く。
本実施例におけるトナー担持体22上へのトナーコート、トナー担持体22から受容部材24へのトナー受け渡し、及び、受容部材24から感光体ドラム1の静電像への現像について説明する。まず供給部Wにおいて、供給部材25により、表面に規則的に並ぶ凹凸構造を有したトナー担持体22に二成分現像剤40を供給する。
二成分現像剤40がトナー担持体22に供給され、回収部材23により回収されるまでの搬送過程で、トナー担持体22のスリーブ221と接触した二成分現像剤40中のトナーが、凹凸構造に接触して、磁性キャリアから脱離し、安定して薄層均一コートされる。コートされたトナー以外の二成分現像剤40は、回収部材23と永久磁石222により協働で形成された磁場により作用する磁気力により、回収部材23とトナー担持体22が対向する回収部Uにおいて拘束され、最終的に現像容器21内へ重力により落下する。
一方、搬送過程において、スリーブ221に接触し、コートされるトナーは、磁気力による拘束を受けない。そのために、トナーは、回収部Uを通過し、受け渡し部T′において受容部材24と接触する。そして、トナーは、トナー担持体22と受容部材24との間の電位差、及び受容部材24の表面からの弾性反発力によるトナー回転に起因する、トナーと受容部材24との付着力の低減により受容部材24上に受け渡される。
受容部材24上に受け渡されたトナー41は受容部材24により現像部Tにおいて感光体ドラム1と接触し、受容部材24と感光体ドラム1との間の電位差により感光体ドラム1上に現像する。一方、感光体ドラム1に現像しなかった非画像部のトナーは受容部材24によってさらに搬送され、スクレーパ29によって受容部材24上から回収され、現像容器21内へ重力により落下する。本実施例では受容部材24上からトナーを回収する手段としてスクレーパを用いたが、ファーブラシを用いてトナーを回収しても良い。
本実施例は回収部材23を固定配置された磁性材料とすること、及び受容部材24からトナーを回収する方法をスクレーパ29とすることで構成を簡易化、現像装置の小型化に対応することが出来る。
図32(a)は、本発明の実施例5に係る画像形成装置における現像装置の概略構成図である。本実施例では、像担持体には実施例1と同様に感光体ドラム1を用いている。実施例5では、受容部材24が(式2)を満たす点で、実施例1と同様である。この一方で、実施例5では、トナー担持体22がローラではなく、ベルト部材223を含む構成で形成される点で、実施例1と異なる。
本実施例における現像装置20は、感光体ドラム1に対向して配置され、現像容器21の開口部に、受容部材24が配置されている。受容部材24は、金属材料を基層とする円筒状の部材に、弾性層を被覆した構造、もしくは弾性層のさらにその表面を柔軟なコート層で被覆した構造の部材で形成されている。弾性層の材質、受容部材24の表面のEITとσの関係、受容部材24と感光体ドラム1の回転方向の関係や速度差に関しては、実施例3と同様である。
本実施例では感光体ドラム1に対する受容部材24の周速比は1.05倍とした。また、感光体ドラム1と受容部材24の接触については、部材の変形や機械公差を考慮し10μm以上250μm以下で侵入するのが好ましい。本実施例では、感光体ドラム1に対する受容部材24の侵入量は150μmとした。
トナー担持体22は、現像容器21に回転自在に支持される表面に凹凸構造が形成されるベルト部材223(ベルト)と、ベルトの内部に回転不可に支持された複数の磁極を有する永久磁石222と、を有する。また、トナー担持体22は、ベルトを懸架する『複数のローラ』としてのベルト駆動用ローラ224と、押圧ローラ225と、を有する。本実施例において、ベルト部材223として、ポリイミド製の基材上に直接熱インプリント法により、本発明における凹凸構造を形成している。
この他にベルト部材としては、基材上に熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂から成るコーティング層を設け、コーティング層に対してインプリント法により凹凸構造を形成しても構わない。また、SUSの基材上にNi−Pなどの透磁率の低い金属層を電鋳などにより設け、金属層に対してダイヤモンドエッジング法により凹凸構造を形成しても構わない。
ベルト部材223は基材上に弾性部材を設け、その上に直接に凹凸構造を形成しても構わないし、弾性部材上にコート層を設け、コート層に凹凸構造を設けても構わない。更に削れ防止や絶縁処理のために、凹凸構造上に高硬度材料や絶縁材料をコートしても構ない。このとき、構造が十分残る程度に薄いコート層にする必要がある。本実施例で用いる凹凸構造も、実施例1と同様、図8のように頂点Pに対し緩傾斜面SLと急傾斜面SRを有す凸部22Aであり、凸部22Aが周期Lで規則的に並ぶ凹凸構造である。
本実施例においては、周期Lは6.5μm、緩傾斜面SLの幅xLは5.5μm、深さdは1.5μmであり、急傾斜面SRの最大傾きκRは1.5、緩傾斜面SLの最大傾きκLは0.27の凹凸構造を用いた。供給部Wでは、永久磁石222が隣り合う磁極と異極になるように配置されており、ベルト部材223の駆動と共に永久磁石222が形成する磁界によって現像剤がトナー担持体22上を回収部Uへと搬送されるように構成されている。
また、本実施例では、ローラ225にV1=−700V,受容部材24にV3=−400Vの電圧を印加している。本実施例においては、ベルト部材223の内部に配置するローラ225に給電しているが、ベルト部材223の基材に直接給電しても構わない。本実施例はローラ225はステンレスで作成した金属ローラを用いているが、ローラ225は弾性ローラでも構わない。本実施例ではローラ225に対して受容部材24がベルト部材223を介して150μm侵入している。またベルト部材223は受け渡し部T′において受容部材24と同方向に進行しており、本実施例では受容部材24に対するベルト223の周速比は1倍とした。
回収部材23は、内部に固定された永久磁石232と、円筒状の非磁性金属材料で形成され回転可能なスリーブ231から構成される。スリーブ231は、トナー担持体22と対向する回収部Uにおいて同方向に移動するように回転可能に設けられている。トナー担持体22と回収部材23は非接触であり、2mm以下に離間して配置されている。
回収部材23内の永久磁石232は、4個のN極と2個のS極を有している。回収部材23内の磁極は回収部Uにおいてトナー担持体22中の回収部に配置された磁極S22と異極となるように、回収部Uに磁極N23を配置する。また、回収部に配置された磁極N23よりスリーブ231の回転方向の下流側に、現像剤40を搬送するために隣接する磁極が異極となるように交互に磁極を配置する。現像剤の剥ぎ取り部Zにおいて、現像剤40を回収部材23上から剥ぎ取るために同極の磁石が隣接するように配置する。
また、現像容器21の内部には、回収部材23と対向し、剥ぎ取り部Zにおいて回収部材23上から現像剤を回収するスクレーパ27が、回収部材23と接触するように配置されている。また現像容器21の開口部においては、現像容器21の外へトナーが飛散することを防ぐために、飛散防止シート28が備えられている。
本実施例では、重合法により製造された個数平均粒径(D50)rtが6.9μm、累計粒径分布における10%粒径(rt10)が5.5μm、90%粒径(rt90)が8.3μm、平均円形度が0.97の負帯電性トナーを用いた。磁性キャリアは、個数平均粒径rcが90μmの標準キャリアN−02(日本画像学会製)を用いた。トナー及び磁性キャリアを、全体の質量に対するトナー質量比(TD比x)8%に混合し、二成分現像剤40とした。
本実施例におけるトナー担持体22上へのトナーコート、トナー担持体22から受容部材24へのトナー受け渡し、及び受容部材24から感光体ドラム1の静電像への現像について説明する。まず供給部Wにおいて、供給部材25により、表面に規則的に並ぶ凹凸構造を有したトナー担持体22に二成分現像剤40を供給する。
二成分現像剤40がトナー担持体22に供給されて、回収部材23により回収されるまでの搬送過程で、トナー担持体22のベルト223と接触した二成分現像剤40中のトナーが、凹凸構造に接触して、磁性キャリアから脱離し、安定して薄層均一コートされる。コートされたトナー以外の二成分現像剤40は、トナー担持体22内の磁極N22と回収部材23内の磁極S23Uが形成する磁場によって、トナー担持体22上から回収部材23上へと移動する。
回収部材23上に回収された現像剤40は、スリーブ231の回転及び回収部材23内の永久磁石232による磁気力によって回収部材23の回転方向の下流に搬送される。一方、搬送過程において、ベルト223に接触し、コートされるトナーは、磁気力による拘束を受けない。そのために、トナーは、回収部Uを通過し、受け渡し部T′において受容部材24と接触する。そして、トナーは、トナー担持体22と受容部材24との間の電位差、及び受容部材24の表面からの弾性反発力によるトナー回転に起因する、トナーと受容部材24との付着力低減により受容部材24上に受け渡される。
受容部材24上に受け渡されたトナー41は受容部材24により現像部Tにおいて感光体ドラム1と接触し、受容部材24と感光体ドラム1との間の電位差により感光体ドラム1上に現像する。現像されず受容部材24上に残留したトナーは、受容部材24により回収部材23と対向する回収部Yまで搬送される。このとき、回収部材23に担持される現像剤40と接触する。現像剤40は、既にトナー担持体22にトナーをコートしているため、TD比が下がっている。
このため、現像剤としてトナーを回収する能力を有しているため、接触により、トナーは受容部材24から脱離し、回収部材23に担持される現像剤40に回収される。本実施例では回収部Yにおいて残トナーを回収するために、回収部材23に電圧を印加している。この時、回収部Yにおいてトナーを回収するために、回収部材23に印加する電圧V2は、受容部材24に印加するDC電圧V3以上(正帯電性トナーを使用する場合はV3以下)にすることが好ましい。
本実施例ではV2=−200Vを印加している。回収部Uおよび回収部Yにおいて、回収された現像剤及び残トナーは、磁界およびスクレーパ27により現像容器21に戻され、再び供給部材25により撹拌搬送され、供給部Wにおいてトナー担持体22上へ供給される。
本実施例における現像装置は、ベルト部材223を用いることにより、供給部Wから回収部Uまでの搬送距離を任意に可変することができるため、空間の制約を受けづらく、搬送距離を確保し易い。
図32(b)は、本発明の実施例6に係る画像形成装置における現像装置の概略構成図である。本実施例では、像担持体には実施例1と同様に感光体ドラム1を用いている。実施例6では、受容部材24が(式2)を満たす点で、実施例1と同様である。この一方で、実施例6では、トナー担持体22がローラではなく、ベルト部材223で形成される点で、実施例1と異なる。
本実施例における現像装置20は、感光体ドラム1に対向して配置され、現像容器21の開口部に、受容部材24が配されている。受容部材24は、金属材料を基層とする円筒状の部材に、弾性層を被覆した構造、もしくは弾性層のさらにその表面を柔軟なコート層で被覆した構造の部材で形成されている。弾性層の材質、受容部材24の表面のEITとσの関係、受容部材24と感光体ドラム1の回転方向の関係や速度差に関しては、実施例3と同様である。
本実施例では感光体ドラム1に対する受容部材24の周速比は1.05倍とした。また、感光体ドラム1と受容部材24の接触については、部材の変形や機械公差を考慮し10μm以上250μm以下で侵入するのが好ましい。本実施例では、感光体ドラム1に対する受容部材24の侵入量は150μmとした。
トナー担持体22は、現像容器21に回転自在に支持される表面に凹凸構造が形成されるベルト部材223(ベルト)と、ベルト部材223の内部に回転自在に支持される複数の磁極を有する永久磁石222と、を有する。トナー担持体22は、ベルト部材223を懸架する『複数のローラ』としてのベルト駆動用ローラ224と押圧ローラ225を有する。本実施例において、ベルト部材223として、ポリイミド製の基材上に直接熱インプリント法により、本発明における凹凸構造を形成している。
この他にベルト部材223の構成や凹凸構造に関しては実施例5と同様である。供給部Wでは、ベルト部材223内部の永久磁石222が回転することにより、現像剤がベルト部材223上を回収部Uへと搬送されるように構成されている。
ベルト部材223は基材上に弾性部材を設け、その上に直接凹凸構造を形成しても構わないし、弾性部材上にコート層を設け、コート層に凹凸構造を設けても構わない。更に削れ防止や絶縁処理のために、凹凸構造上に高硬度材料や絶縁材料をコートしても構ない。このとき、構造が十分残る程度に薄いコート層にする必要がある。
本実施例で用いる凹凸構造も、実施例1と同様、図8のように頂点Pに対し緩傾斜面SLと急傾斜面SRを有する凸部22Aであり、凸部22Aが周期Lで規則的に並ぶ凹凸構造である。本実施例においては、周期Lは6.5μm、緩傾斜面SLの幅xLは5.5μm、深さdは1.5μmであり、急傾斜面SRの最大傾きκRは1.5、緩傾斜面SLの最大傾きκLは0.27の凹凸構造を用いた。供給部Wでは、ベルト部材223内部の磁石222が回転することにより、現像剤がトナー担持体ベルト223上を回収部Uへと搬送されるように構成されている。
回収部Uにおいて永久磁石222と対向する位置に固定配置される回収部材23は、永久磁石222と協働で形成された磁場により作用する磁気力により現像剤を回収するため、鉄などの透磁率が高い金属材料から成ることが好ましい。押圧ローラ225は金属材料の基層に弾性層を被覆した構造で形成されている。本実施例ではステンレス製の基層上にカーボンが分散されたシリコーンゴムから成る弾性層を3mm被覆した構造とした。
本実施例では、ローラ225にV1=−700V、受容部材24にV3=−400Vの電圧を印加している。本実施例においては、ベルト部材223内部に配するローラ225に給電しているが、ベルト部材223の基材に直接給電しても構わない。また、ローラ225の代わりに、ベルト部材223に弾性層を設けても構わない。
受け渡し部T′において、ベルト部材223は押圧ローラ225によって受容部材24に接触するように配置され、受容部材24の回転方向に対して、受け渡し部T′で同方向に移動するように回転可能に設けられ、且つ両速度は略同等になるように設定している。本実施例では受容部材24に対するベルト部材223の周速比は1.05倍とした。また、本実施例では受容部材24に対して押圧ローラ225がベルト部材223を介して150μm侵入している。また現像容器21の開口部においては、現像容器21の外へトナーが飛散することを防ぐために、飛散防止シート28が備えられている。
本実施例では、重合法により製造された個数平均粒径(D50)rtが6.9μm、累計粒径分布における10%粒径(rt10)が5.5μm、90%粒径(rt90)が8.3μm、平均円形度が0.97の負帯電性トナーを用いた。磁性キャリアは、個数平均粒径rcが90μmの標準キャリアN−02(日本画像学会製)を用いた。トナー及び磁性キャリアを、全体の質量に対するトナー質量比(TD比x)8%に混合し、二成分現像剤40とした。
本実施例におけるトナー担持体22上へのトナーコート、トナー担持体22から受容部材24へのトナー受け渡し、及び受容部材24から感光体ドラム1の静電像への現像について説明する。まず供給部Wにおいて、供給部材25により、表面に規則的に並ぶ凹凸構造を有したトナー担持体22に二成分現像剤40を供給する。
二成分現像剤40がトナー担持体22に供給されて、回収部材23により回収されるまでの搬送過程において、永久磁石222が回転することにより、ベルト部材223上を現像剤40で形成された磁気ブラシが回転しながら搬送される。
搬送過程でトナー担持体22のベルト部材223と接触した二成分現像剤40中のトナーが、凹凸構造に接触して、磁性キャリアから脱離し、安定して薄層均一コートされる。コートされたトナー以外の二成分現像剤40は、回収部材23と永久磁石222により協働で形成された磁場により作用する磁気力により、回収部材23とトナー担持体22が対向する回収部Uにおいて拘束され、最終的に現像容器21内へ重力により落下する。
一方、搬送過程において、ベルト223に接触し、コートされるトナーは、磁気力による拘束を受けない。そのために、回収部Uを通過し、受け渡し部T′において受容部材24と接触し、トナー担持体22と受容部材24との間の電位差、及び受容部材24の表面からの弾性反発力によるトナー回転に起因する、トナーと受容部材24との付着力の低減により受容部材24上に受け渡される。
受容部材24上に受け渡されたトナー41は受容部材24により現像部Tにおいて感光体ドラム1と接触し、受容部材24と感光体間の電位差により感光体ドラム1上に現像する。現像されず受容部材24上に残留したトナーは、スクレーパ29によって受容部材24上から機械的に剥ぎ取られ、現像容器21に戻され、再び供給部材25により現像剤40と撹拌搬送され、供給部Wにおいてトナー担持体22上へ供給される。本実施例では受容部材24上からトナーを回収する手段としてスクレーパを用いたが、ファーブラシを用いてトナーを回収しても良い。
本実施例では、ベルト部材223内部に配置される永久磁石が回転することにより、磁気ブラシがベルト部材223上を回転しながら搬送される。このために、短い搬送距離、搬送時間でベルト部材223とトナーの接触頻度を上げることできる。また、永久磁石222の回転速度を制御することにより、他の構成に影響を与えずにコート量の変動を抑えることができる。
実施例7では、電極ドラム61が(式2)を満たす点で、実施例1と異なる。図33(a)の電子写真方式を用いた画像形成装置は、静電像を保持する像担持体として絶絶縁基板上に導電電極を配線し、電極への電圧印加によって静電像を形成するドラム状の電子写真方式の電極ドラム61を回転自在に設ける。そして、電極ドラムの導電電極への電圧印加により静電像を形成し、現像装置20で可視化する。次に、転写帯電器4で転写材5へ転写し、更に定着装置6により定着する。また、電極ドラム61上の転写残トナーはクリーニング装置7によってクリーニングされる。
電極ドラム61は基板上または導電電極上を、柔軟なコート層によって被覆されている。コート層に必要は条件は実施例1における受容部材24表面のコート層と同じであり、後述する非磁性トナーの累計粒径分布における10%の粒径をrt(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)としたとき、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))を満たすように形成されている。本実施例では電極ドラム表面に40μmの絶縁性PFA樹脂をコーティングしており、電極ドラム表面から深さ3.2μmまでのヤング率EITが150MPaとなっている。
本実施例では電極ドラムを用いているが、例えば透明樹脂基材上にITO等の導電透明材料を塗布し、その表面に光導電層を塗布、更にその表面に柔軟なコート層を形成して構成されるドラム状の電子写真感光体62でも良い。この場合、画像形成装置は図33(b)に示す通り電子写真感光体62の露光を電子写真感光体62内部から行なうことで静電像を作成する。
図34(a)は、本発明の現像装置の一実施例を示す概略構成図である。本実施例における現像装置20は、電極ドラム61に対向して配置され、現像容器21の開口部に、トナー担持体22が配置されている。トナー担持体22は電極ドラム61に接触するように配置され、電極ドラム61の回転方向に対して、現像部Tで同方向に移動するように回転可能に設けられている。トナー担持体22は回転可能なスリーブ221と内部に固定配置された永久磁石222から構成される。
スリーブ221は、金属材料からなる円筒状の部材である基層221a上に弾性材料から成る弾性層221cが被覆され、さらに弾性層の上に樹脂材料から成るコーティング層221bを設ける。コート層にスリーブ221の回転方向hに対して規則的に複数の凸部22Aを規則的に形成している。弾性層221cとコーティング層221bの接着性を上げるために、両者の間にプライマー層を設けても構わない。
弾性層は、適度な弾性を有するシリコーンゴム、アクリルゴム、二トリルゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのゴム材料を基材とする。そして、これにカーボン、酸化チタン、金属微粒子などの導電性微粒子を添加して導電性を付与したものである。また、弾性層に凸部22Aを形成しても構わない。更に、凸部22Aを有するコート層や弾性層や基層上に、削れ防止や絶縁処理のために、高硬度材料や絶縁材料をコートしても構わない。このとき、凸部22Aが十分残る程度に薄いコート層にする必要がある。
本実施例では、ステンレス製の基層221a上にカーボンが分散されたシリコーンゴムから成る弾性層221cを配し、さらにその表面にフッ素系光硬化性樹脂により形成された凸部22Aを有すコーティング層221bから成る。電極ドラム61とトナー担持体22の接触については、部材の変形や機械公差を考慮し10μm以上250μm以下で侵入するのが好ましい。
本実施例では、電極ドラム61に対するトナー担持体22の侵入量は150μmとした。トナー担持体22上のトナー41をトナー担持体22と電極ドラム61の周速差または電極ドラム61表面の弾性反発によって回転、トナー担持体22とトナーとの付着力を低減させる。そのために、電極ドラム61に対するトナー担持体22の周速比は1倍以上であることが好ましい。本実施例では電極ドラム61に対するトナー担持体22の周速比は1.05倍とした。
本実施例の凸部22Aも実施例1と同様、図8のように頂点Pに対し緩傾斜面SLと急傾斜面SRを有する凸部22Aであり、凸部22Aが周期Lで規則的に並ぶ凹凸構造である。本実施例において、周期Lは8μm、緩傾斜面SLの幅xLは7.3μm、深さdは1.9μmであり、急傾斜面SRの最大傾きκRは2.7、緩傾斜面SLの最大傾きκLは0.26である。また、コーティング層221bの厚さDは7μmである。
現像容器21の内部には、トナー担持体22に現像剤を供給する供給部材25と、トナー担持体22上の磁性キャリアを回収する回収部材23が、トナー担持体22に間隙を有して対向している。供給部材25は、後述する回収部材23により回収された現像剤を撹拌し、トナー担持体22と供給部材25が対向する供給部Wへ搬送し、永久磁石222により作用する磁気力により供給する。
回収部材23は、回転可能なスリーブ231と内部に固定配置された永久磁石232から構成される。スリーブ231は、トナー担持体22と対向する回収部Uにおいて逆方向に移動するように回転可能に設けられている。供給部材25によりトナー担持体22に供給された現像剤の一部を、現像部Tに搬送される前に、永久磁石222と、永久磁石232が協働で形成した磁場により作用する磁気力により回収する。
回収部材23はトナー担持体22の回転方向hで、現像部Tより上流、且つ供給部Wより下流の位置に配置されることを特徴とする。回収部材23はトナー担持体22の回転方向hに対して電極ドラム61よりも上流で供給部材25よりも下流でトナー担持体22に接触しトナー担持体22から磁性キャリアを回収する。
ここでは、重合法により製造された個数平均粒径(D50)rtが7.8μm、累計粒径分布における10%粒径(rt10)が6.2μm、90%粒径(rt90)が9.4μm、平均円形度が0.97、真密度が1.1g/cm^3の正帯電性トナーを用いた。磁性キャリアは、個数平均粒径rcが90μm、真密度が4.8g/cm^3の標準キャリアP−01(日本画像学会製)を用いた。トナー及び磁性キャリアを、全体の質量に対するトナー質量比(TD比x)8%に混合し、二成分現像剤40とした。
次に、現像装置20におけるトナー担持体22上へのトナーコート、トナー担持体22から電極ドラム61の静電像への現像について図34(b)を用いて概略を説明する。まず供給部Wにおいて、供給部材25により、表面に規則的に並ぶ凹凸構造を有したトナー担持体22に二成分現像剤40を供給する。
二成分現像剤40がトナー担持体22に供給される。そして、後述する回収部材23により回収されるまでの搬送過程で、トナー担持体22のスリーブ221と接触した二成分現像剤40中のトナーが、凹凸構造に接触して、磁性キャリアから脱離し、安定して薄層均一コートされる。コートされたトナー以外の二成分現像剤40は、回収部Uにおいて回収部材23により、磁気力で回収され、矢印cの経路で搬送される。
回収されずにトナー担持体22に薄層均一コートされたトナー41は、現像部Tにおいて電極ドラム61と接触し、トナー担持体22と電極ドラム61の電位差により電極ドラム61上に現像する。一方、電極ドラム61に現像しなかった非画像部のトナーはトナー担持体22によってさらに搬送され、供給部Wにおいてトナー担持体22上に新しい二成分現像剤40が供給される。そして回収部Uに搬送される過程において二成分現像剤40中のトナーが、凹凸構造に接触して、磁性キャリアから脱離し、また非画像部トナーも新規トナーと入れ替わり、安定して薄層均一コートされる。以後これを繰り返す。
本実施例におけるトナー担持体22から回収部材23への現像剤の回収について詳細に説明する。回収部材23は、内部に固定された永久磁石232と、円筒状の非磁性金属材料で形成され回転可能なスリーブ231から構成される。スリーブ231は、トナー担持体22と対向する回収部Uにおいて逆方向に移動するように回転可能に設けられている。トナー担持体22と回収部材23は非接触であり、2mm以下に離間して配置されている。本実施例において回収部材23には電圧印加部26により、トナー担持体22と等電位になるように電圧が印加されているが、フロートでも構わない。
トナー担持体22内の永久磁石222は、それぞれ2個ずつ交互に配設されたN極とS極を有している。一方、回収部材23内の永久磁石232は、2個のN極と1個のS極を有している。このとき、図34(a)に示すように、トナー担持体22と回収部材23が対向する回収部Uにおいて、両者の磁極が異極となるように、トナー担持体22内に磁極N22、回収部材23内に磁極S23が対向するように配置される。更に回収部材23の回転方向の下流側にN極を並べて配置する。
磁極N22及び磁極S23の大きさは、磁極S23の幅が磁極N22の幅よりも狭くなるように設定され、これにより磁極S23と磁極N22との間で形成される磁場の磁束密度はトナー担持体22から回収部材23側にいくほど高くなるように変化する。このため、回収部Uにおいて磁性キャリアにはトナー担持体22から回収部材23側への磁気力が働き、磁極N22から磁極S23間の磁界に沿って磁気穂が形成される。
更に、回収部材23のスリーブ231は、トナー担持体22のスリーブ221の回転方向hと、回収部Uにおいて逆方向のi方向に回転する。そのため、回収部材23の表面に磁気力によって保持された現像剤には、前述の磁気力と回収部材23の表面との摩擦力により、回収部材23から現像容器21の内部方向に向かう搬送力が加わる。
回収部材23の表面に担持された現像剤は、永久磁石232のN極が並んで配置された位置付近において現像容器21に一端を保持されたスクレーパ27によりかき落とされ、現像容器21内に戻される。現像容器21内に戻された現像剤は、新たに補給される現像剤などと供給部材25により撹拌され、再び供給部Wにおいてトナー担持体22に供給される。即ち、磁性キャリアを含む現像剤の現像容器21内の循環経路は図34(b)中における矢印cに示すようになる。
本実施例におけるトナー担持体22から電極ドラム61へのトナー現像について詳細に説明する。図35(a)は現像部Tの拡大概略図である。現像部Tでトナー担持体22が電極ドラム61に150μmの侵入量(図中Co)で接触するように配置され、電極ドラム61の回転方向に対して、現像部Tで同方向に移動するように回転可能に設けられている。図35(b)に現像部Tの中央部の拡大図を示す。
現像部Tの中央部では、トナー担持体22のスリーブ221に担持されたトナー41の表面が電極ドラム61の表面へ押圧されている。一方、トナー41には粒径分布が存在するため、中心粒径よりも大粒径のトナーも存在すれば小粒径のトナーも存在する。電極ドラム61の表面がトナー担持体22のスリーブ221に担持された全てのトナーの表面に接触するためには、小粒径トナーと大粒径トナーの粒径差分だけ、大粒径トナーが電極ドラム61の表面に侵入する必要がある。そのため、電極ドラム61表面はトナーが侵入できる程度に十分に柔軟である必要がある。
現像部Tで電極ドラム61表面がトナーが侵入できる程度に十分に柔軟であるための条件は、実施例1において受容部材24上にトナーが侵入できる条件と同一である。すなわち、電極ドラム61表面に均一にトナーを現像するのに必要な、電極ドラム61表面のヤング率EIT(MPa)と、トナー担持体22のスリーブ221にコートされたトナーの粒径分布σ(μm)の関係は(式2)で表現できることがわかる。
(式2)を満たすことで、電極ドラム61の表面に均一にトナーを現像することが可能になる。また、本実施例では電極ドラム61に対するトナー担持体22の周速比を1.05倍とする。このことで、現像部Tでトナー担持体22のスリーブ221に担持されているトナー41に回転トルクを与え、トナー41を緩傾斜面SLの方向へ回転させ、トナー41とトナー担持体22のスリーブ221の付着力を低減させている。
更に、電極ドラム61の導電電極に電圧を印加することで形成している電極ドラム61表面の静電像(Vl=100V)に対し、トナー担持体22に電圧V=500Vを印加する。このことで、トナー41にはトナー担持体22から電極ドラム61上の静電像へと向かう静電気力が働く。この静電気力とトナー担持体22のスリーブ221との付着力の減少によって、トナー41はトナー担持体22のスリーブ221から電極ドラム61上の静電像へと現像される。
本実施例では電極ドラム61表面を(式2)を満たす柔軟な構成としたが、トナー担持体22の表面を(式2)を満たす柔軟な構成としても良い。トナー担持体22の表面が(式2)を満たす柔軟な構成の場合、トナーが現像部Tにおいてトナー担持体22の表面に侵入できるため、電極ドラム61表面は(式2)を満たさなくても良い。
本実施例の画像形成装置は電極ドラムであるため、感光体に必要な帯電器や露光用の発光素子を使用せず、またトナー担持体22から直接に電極ドラム61へと現像するため、受容部材24を使用しない。そのため簡易な構成となり現像装置の小型化に対応することが出来る。一方、実施例1等と違いトナー担持体22から受容部材24を介さず直接に像担持体である電極ドラム61に現像する。このため、電極ドラム61上のトナー量を増加させようと、電極ドラム61に対するトナー担持体22の周速比を過剰に上げるとハキヨセ等の課題が生じる。
実施例8では、トナー担持体22が(式2)を満たす点で、実施例1と異なる。また、実施例8では、トナー担持体22が、実施例1の受容部材24の機能を兼用する点で、実施例1と異なる。図36は、本発明の実施例8に係る画像形成装置における現像装置の概略構成図である。本実施例では、像担持体には表面に10μmのPFA樹脂をコーティングしている電極ドラム61を用いており、電極ドラム61の表面から深さ0.5μmまでのヤング率EITが150MPaとなっている。トナー担持体22は、矢印方向hに回転可能なスリーブ221と、その内部に固定配置された永久磁石222と、を有する。
スリーブ221には、その移動方向に対して、本発明における凹凸構造が形成され、且つ、トナー担持体11と電極ドラム61は互いに接触するように配置されている。電極ドラム61とトナー担持体22の接触については、部材の変形や機械公差を考慮し10μm以上250μm以下で侵入するのが好ましい。本実施例では、電極ドラム61に対するトナー担持体22の侵入量は150μmとした。また、本実施例では電極ドラム61に対するトナー担持体22の周速比は1.1倍とした。
本実施例において、スリーブ221は、ステンレス製の基層221aとその上部にカーボンが分散されたシリコーンゴムから成る厚み3mm程度の弾性層221c、さらにその表面にPMMAのコーティング層221bを7μm形成することにより構成される。凹凸構造は、熱ナノインプリント方式を用いてコーティング層221bに形成されている。
本実施例で用いる凹凸構造も、実施例1と同様、図7のように頂点Pに対し緩傾斜面SLと急傾斜面SRを有する凸部22Aであり、凸部22Aが周期Lで規則的に並ぶ凹凸構造である。本実施例において、周期Lは5.0μm、緩傾斜面SLの幅xLは4.0μm、深さdは1.3μmであり、急傾斜面SRの最大傾きκRは1.3、緩傾斜面SLの最大傾きκLは0.33である。
ここでは、重合法により製造された個数平均粒径(D50)rtが5μm、累計粒径分布における10%粒径(rt10)が4.7μm、90%粒径(rt90)が5.2μm、平均円形度が0.97、真密度が1.1g/cm^3の負帯電性トナーを用いた。磁性キャリアは、個数平均粒径rcが90μm、真密度が4.8g/cm^3の標準キャリアN−02(日本画像学会製)を用いた。トナー及び磁性キャリアを、全体の質量に対するトナー質量比(TD比x)6%に混合し、二成分現像剤40とした。
現像容器21の内部には、トナー担持体22に現像剤を供給する供給部材25と、トナー担持体22上の磁性キャリアを回収する回収部材23が、トナー担持体22に対向し、間隙を有して固定配置される。供給部材25は、後述する回収部材23により回収された現像剤を撹拌し、トナー担持体22と供給部材25が対向する供給部Wへ現像剤を搬送し、永久磁石222により作用する磁気力により現像剤を供給する。
一方、回収部材23は、磁性材料、あるいは透磁率が高い金属材料から成り、永久磁石222と協働で形成した磁場により作用する磁気力により、現像剤を回収する。回収部材23は、スリーブ221の回転方向hに対して、トナー担持体22上のトナーを電極ドラム61へ現像する現像部Tより上流、且つ供給部Wより下流の位置に対向して配置されることを特徴としている。回収部材23は、トナー担持体22の回転方向hに対して、電極ドラム61よりも上流で供給部材25よりも下流でトナー担持体22に接触しトナー担持体22から磁性キャリアを回収する。現像容器21の開口部においては、現像容器21の外へトナーが飛散することを防ぐために、飛散防止シート28が備えられている。
本実施例におけるトナー担持体22上へのトナーコート及び電極ドラム61への現像について説明する。供給部Wにおいて、供給部材25により、トナー担持体22へ供給される現像剤は、スリーブ221の回転(図中h方向)、及び、永久磁石222が作り出す磁場により作用する磁気力により、図中h方向に搬送される。搬送される現像剤は、回収部材23と永久磁石222により協働で形成された磁場により作用する磁気力により、回収部材23とトナー担持体22が対向する回収部Uにおいて拘束され、最終的に現像容器21内へ重力により落下する。
一方、搬送過程において、スリーブ221に接触し、コートされるトナーは、磁気力による拘束を受けないために、回収部Uを通過し、電極ドラム61と対向する現像部Tまで搬送される。トナー担持体22には、電圧印加部26によって電圧が印加され、トナー担持体22と電極ドラム61の間には電位差が発生している。
本実施例では、電極ドラム61上の静電像の電位Vl=−100Vに対し、トナー担持体22にV=−500Vを印加している。また、本実施例では電極ドラム61に対するトナー担持体22の周速比は1.1倍とする。現像部Tにおいてトナー担持体22のスリーブ221に担持されているトナー41に回転トルクを与え、トナー41を緩傾斜面SL方向へ回転させ、トナー41とトナー担持体22のスリーブ221の付着力を低減させている。この静電気力とトナー担持体22のスリーブ221との付着力減少によって、トナー41はトナー担持体22のスリーブ221から電極ドラム61上の静電像へと現像される。
本実施例では、回収部材23を固定配置の磁性材料、あるいは透磁率が高い金属材料とすることで更に簡易な構成となり現像装置の小型化に対応することが出来る。なお、本実施例でも、トナー担持体22の表面が(式2)を満たす構成の他、電極ドラム61の表面が(式2)を満たす構成や、トナー担持体22と電極ドラム61の両方の表面が(式2)を満たす構成も可能である。
実施例1乃至8のいずれかの構成によれば、トナー担持体22の表面に担持されたトナーを、感光体ドラム1の表面に均一に現像する現像性能を向上させることができる。ひいては、安定して高画質画像を出力可能となる。
1 感光体ドラム(像担持体)
21 現像容器
22 トナー担持体(凹凸部材)
22B 溝
23 回収部材(回収手段)
24 受容部材(受容部材)
41 非磁性トナー
42 磁性キャリア
100 画像形成装置
222 永久磁石(磁場発生手段)
251 供給部材(供給手段)
j 回転方向
Y 剥ぎ取り部(受容部材との対向位置)
U 回収部(供給部材との対向位置)
SL 緩傾斜面(第1側面)
SR 急傾斜面(第2側面)
21 現像容器
22 トナー担持体(凹凸部材)
22B 溝
23 回収部材(回収手段)
24 受容部材(受容部材)
41 非磁性トナー
42 磁性キャリア
100 画像形成装置
222 永久磁石(磁場発生手段)
251 供給部材(供給手段)
j 回転方向
Y 剥ぎ取り部(受容部材との対向位置)
U 回収部(供給部材との対向位置)
SL 緩傾斜面(第1側面)
SR 急傾斜面(第2側面)
Claims (27)
- 非磁性トナー及び磁性キャリアを有する現像剤を収容する現像容器と、
前記現像容器に回転可能に配置され、表面にトナーを担持するための凹凸を備え、内部に複数の磁極を有する磁場発生手段が配置された凹凸部材と、
前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段と、
前記凹凸部材から磁性キャリアを回収する回収手段と、
前記凹凸部材の回転方向に関して、前記回収手段よりも下流側で前記凹凸部材に接触し、前記凹凸部材に担持されたトナーを受け取る受容部材と、
を備えた現像装置であって、
前記凹凸部材に形成された各溝の側面は、前記凹凸部材の周方向に関して、一方向に形成された第1側面の方が、他方向に形成された第2側面よりも傾斜角度が緩やかであり、
前記凹凸部材の周方向において、前記第1側面を下る方向を正とした場合に、前記凹凸部材と前記受容部材が接触する位置において、前記受容部材の表面速度に対する前記凹凸部材の表面速度の相対速度が正に設定されており、
前記非磁性トナーの累計粒径分布における10%の粒径をrt10(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)とした場合に、前記受容部材は、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たすことを特徴とする現像装置。 - 非磁性トナー及び磁性キャリアを有する現像剤を収容する現像容器と、
前記現像容器に回転可能に配置され、表面にトナーを担持するための凹凸を備え、内部に複数の磁極を有する磁場発生手段が配置された凹凸部材であって、表面に潜像を担持する像担持体に対して接触するように設けられ、前記潜像を現像する凹凸部材と、
前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段と、
前記凹凸部材の回転方向に対して、前記像担持体よりも上流で、かつ、前記供給手段よりも下流で前記凹凸部材に接触し、前記凹凸部材から磁性キャリアを回収する回収手段と、
を備えた現像装置であって、
前記凹凸部材に形成された各溝の側面は、前記凹凸部材の周方向に関して、一方向に形成された第1側面の方が、他方向に形成された第2側面よりも傾斜角度が緩やかであり、
前記凹凸部材の周方向において、前記第1側面を下る方向を正とした場合に、前記凹凸部材と前記像担持体が接触する位置において、前記像担持体の表面速度に対する前記凹凸部材の表面速度の相対速度が正に設定されており、
前記非磁性トナーの累計粒径分布における10%の粒径をrt10(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)とした場合に、前記凹凸部材は、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たすことを特徴とする現像装置。 - 前記凹凸部材の表面の凸部の頂点同士を結ぶ第1仮想線に接すると共に、隣り合う前記凸部同士の間に形成される2つの傾斜面と接する非磁性トナーの粒径をRnとし、
前記2つの傾斜面のうちの一方の傾斜面の頂点と他方の傾斜面とに接する非磁性トナーのトナー中心、及び、前記第1仮想線と前記非磁性トナーとに接する所定の粒径を有する磁性キャリアのキャリア中心を結ぶ第2仮想線が前記一方の傾斜面の頂点を通るときの非磁性トナーの粒径をRxとした場合に、
Rn≦非磁性トナーの粒径≦Rxの関係が成立することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。 - 前記非磁性トナーに関しては、累積粒度分布における10%の粒径がRn以上であり、累積粒度分布における90%の粒径がRx以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の現像装置。
- 回転方向で隣接する前記凹凸部材の表面の凸部同士の間隔は、トナーの粒径の3倍よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記凸部の前記第1側面の最大傾斜角度|κL|は0.5以下であり、前記凸部の前記第2側面の最大傾斜角度|κR|は1.0以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記凹凸部材の表面と、前記非磁性トナーと、前記磁性キャリアと、の帯電系列は、前記非磁性トナーと前記凹凸部材の表面との間に、前記磁性キャリアが並ぶことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記凹凸部材は、前記第2側面の上部から前記正の方向に広がる第1平坦部、及び、前記第1側面の下部から前記正の方向に広がる第2平坦部の少なくともいずれか一方を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記凹凸部材は、前記第1側面、もしくは前記第1平坦部を有する場合には、前記第1側面及び前記第1平坦部の少なくとも一部の表面粗さが前記第2側面よりも粗く形成されることを特徴とする請求項8に記載の現像装置。
- 前記凹凸部材は、
前記現像容器に回転自在に支持されるスリーブと、
前記スリーブの内部に回転不可に支持された複数の磁極を有する永久磁石と、
を有し、
前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段は、
前記現像容器の内部の現像剤を撹拌しつつ前記凹凸部材に供給し、
前記回収手段は、
前記現像容器に回転自在に支持されるスリーブと、
前記スリーブの内部に回転不可に支持された複数の磁極を有する永久磁石と、
を有し、
前記凹凸部材の内部の前記永久磁石と前記回収手段の内部の前記永久磁石とが協働して磁場を形成して、前記回収手段が磁気力により現像剤を回収することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記凹凸部材は、
前記現像容器に回転自在に支持されるスリーブと、
前記スリーブの内部に回転不可に支持された複数の磁極を有する永久磁石と、
を有し、
前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段は、
前記現像容器の内部の現像剤を撹拌しつつ前記凹凸部材に供給し、
前記回収手段は、磁性材料、又は、透磁率が所定量よりも高い金属材料で形成され、
前記凹凸部材の内部の前記永久磁石と前記回収手段とが協働して磁場を形成して、前記回収手段が磁気力により現像剤を回収することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記凹凸部材は、
前記現像容器に回転自在に支持されるベルトと、
前記ベルトの内部に回転不可に支持された複数の磁極を有する永久磁石と、
前記ベルトを懸架する複数のローラと、
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記凹凸部材は、
前記現像容器に回転自在に支持されるベルトと、
前記ベルトの内部に回転自在に支持される複数の磁極を有する永久磁石と、
前記ベルトを懸架する複数のローラと、
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の現像装置。 - 像担持体と、
請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の現像装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、
非磁性トナー及び磁性キャリアを有する現像剤を収容する現像容器と、
前記現像容器に回転可能に配置され、表面にトナーを担持するための凹凸を備え、内部に複数の磁極を有する磁場発生手段が配置された凹凸部材と、
前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段と、
前記凹凸部材から磁性キャリアを回収する回収手段と、
前記凹凸部材の回転方向に関して、前記回収手段よりも下流側で前記凹凸部材に接触し、前記凹凸部材に担持されたトナーを受け取る受容部材と、
を備え、
表面に潜像を担持する像担持体に対して前記受容部材を接触させて、前記像担持体にトナー像を形成する画像形成装置であって、
前記凹凸部材に形成された各溝の側面は、前記凹凸部材の周方向に関して、一方向に形成された第1側面の方が、他方向に形成された第2側面よりも傾斜角度が緩やかであり、
前記凹凸部材の周方向において、前記第1側面を下る方向を正とした場合に、前記凹凸部材と前記受容部材が接触する位置において、前記受容部材の表面速度に対する前記凹凸部材の表面速度の相対速度が正に設定されており、
前記非磁性トナーの累計粒径分布における10%の粒径をrt10(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)とした場合に、少なくとも、前記受容部材、もしくは、前記凹凸部材と前記像担持体の両方は、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、
非磁性トナー及び磁性キャリアを有する現像剤を収容する現像容器と、
前記現像容器に回転可能に配置され、表面にトナーを担持するための凹凸を備え、内部に複数の磁極を有する磁場発生手段が配置された凹凸部材と、
前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段と、
前記凹凸部材の回転方向に対して、前記像担持体よりも上流で、かつ、前記供給手段よりも下流で前記凹凸部材に接触し、前記凹凸部材から磁性キャリアを回収する回収手段と、
を備え、
表面に潜像を担持する像担持体に対して前記凹凸部材を接触させて、前記像担持体にトナー像を形成する画像形成装置であって、
前記凹凸部材に形成された各溝の側面は、前記凹凸部材の周方向に関して、一方向に形成された第1側面の方が、他方向に形成された第2側面よりも傾斜角度が緩やかであり、
前記凹凸部材の周方向において、前記第1側面を下る方向を正とした場合に、前記凹凸部材と前記像担持体が接触する位置において、前記像担持体の表面速度に対する前記凹凸部材の表面速度の相対速度が正に設定されており、
前記非磁性トナーの累計粒径分布における10%の粒径をrt10(μm)、90%の粒径をrt90(μm)、(rt90−rt10)をσ(μm)とした場合に、少なくとも前記凹凸部材もしくは前記像担持体は、表面から深さσまでのヤング率EIT(MPa)がEIT < 1000/(σ^(3/2))の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 前記凹凸部材の表面の凸部の頂点同士を結ぶ第1仮想線に接すると共に、隣り合う前記凸部同士の間に形成される2つの傾斜面と接する非磁性トナーの粒径をRnとし、
前記2つの傾斜面のうちの一方の傾斜面の頂点と他方の傾斜面とに接する非磁性トナーのトナー中心、及び、前記第1仮想線と前記非磁性トナーとに接する所定の粒径を有する磁性キャリアのキャリア中心を結ぶ第2仮想線が前記一方の傾斜面の頂点を通るときの非磁性トナーの粒径をRxとした場合に、
Rn≦非磁性トナーの粒径≦Rxの関係が成立することを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の画像形成装置。 - 前記非磁性トナーに関しては、累積粒度分布における10%の粒径がRn以上であり、累積粒度分布における90%の粒径がRx以下であることを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 回転方向で隣接する前記凹凸部材の表面の凸部同士の間隔は、トナーの粒径の3倍よりも小さいことを特徴とする請求項15乃至請求項18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記凸部の前記第1側面の最大傾斜角度|κL|は0.5以下であり、前記凸部の前記第2側面の最大傾斜角度|κR|は1.0以上であることを特徴とする請求項15乃至請求項19のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記凹凸部材の表面と、前記非磁性トナーと、前記磁性キャリアと、の帯電系列は、前記非磁性トナーと前記凹凸部材の表面との間に、前記磁性キャリアが並ぶことを特徴とする請求項15乃至請求項20のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記凹凸部材は、前記第2側面の上部から前記正の方向に広がる第1平坦部、及び、前記第1側面の下部から前記正の方向に広がる第2平坦部の少なくともいずれか一方を有することを特徴とする請求項15乃至請求項21のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記凹凸部材は、前記第1側面、もしくは前記第1平坦部を有する場合には、前記第1側面及び前記第1平坦部の少なくとも一部の表面粗さが前記第2側面よりも粗く形成されることを特徴とする請求項22に記載の画像形成装置。
- 前記凹凸部材は、
前記現像容器に回転自在に支持されるスリーブと、
前記スリーブの内部に回転不可に支持された複数の磁極を有する永久磁石と、
を有し、
前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段は、
前記現像容器の内部の現像剤を撹拌しつつ前記凹凸部材に供給し、
前記回収手段は、
前記現像容器に回転自在に支持されるスリーブと、
前記スリーブの内部に回転不可に支持された複数の磁極を有する永久磁石と、
を有し、
前記凹凸部材の内部の前記永久磁石と前記回収手段の内部の前記永久磁石とが協働して磁場を形成して、前記回収手段が磁気力により現像剤を回収することを特徴とする請求項15乃至請求項23のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記凹凸部材は、
前記現像容器に回転自在に支持されるスリーブと、
前記スリーブの内部に回転不可に支持された複数の磁極を有する永久磁石と、
を有し、
前記凹凸部材に現像剤を供給する供給手段は、
前記現像容器の内部の現像剤を撹拌しつつ前記凹凸部材に供給し、
前記回収手段は、磁性材料、又は、透磁率が所定量よりも高い金属材料で形成され、
前記凹凸部材の内部の前記永久磁石と前記回収手段とが協働して磁場を形成して、前記回収手段が磁気力により現像剤を回収することを特徴とする請求項15乃至請求項23のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記凹凸部材は、
前記現像容器に回転自在に支持されるベルトと、
前記ベルトの内部に回転不可に支持された複数の磁極を有する永久磁石と、
前記ベルトを懸架する複数のローラと、
を有することを特徴とする請求項15乃至請求項23のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記凹凸部材は、
前記現像容器に回転自在に支持されるベルトと、
前記ベルトの内部に回転自在に支持される複数の磁極を有する永久磁石と、
前記ベルトを懸架する複数のローラと、
を有することを特徴とする請求項15乃至請求項23のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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