以下、本発明の運賃箱の実施形態について図を参照して説明する。まず、本実施形態の運賃箱10の構成概要を図1および図2に基づいて説明する。図1には、運賃箱10を操作パネル16側から見た斜視図が図示されている。また図2には、運賃箱10を紙幣および硬貨の受入部側から見た斜視図が図示されている。なお、これらの図に表されている座標系のうち、X軸方向は運賃箱10の幅方向、Y軸方向は運賃箱10の奥行き方向、Z軸方向は運賃箱10の高さ方向、をそれぞれ示す。以下、これらを、単に、幅方向、奥行き方向および高さ方向と表現する場合がある。
図1および図2に示すように、運賃箱10は、ほぼ全体が縦長の箱形状を有しており、例えば、乗合車両の床面に固定されている。本実施形態では、運賃箱10の筐体11は、その上部が家屋の三角屋根のように形成されている上蓋部12と、縦長の矩形箱状に形成されている本体部13と、により構成されている。これらは、例えば、ステンレスや鉄からなる板厚が3mm〜6mm程度の鋼板により構成されている。
上蓋部12は、紙幣もしくは硬貨を投入または挿入する乗客側に向く一方の傾斜面と、乗務員側に向く他方の傾斜面と、を備えている。この一方の傾斜面には、紙幣受入部14、硬貨受入部15および乗客用表示ユニット19が設けられている。これに対して、他方の斜面には、乗務員用表示ユニット17およびキースイッチ18が配置された操作パネル16と、確認窓12aが設けられている。なお、以下、投入または挿入を「投入等」と表現する。
紙幣受入部14は、乗客により投入等される紙幣を受け入れる部分であり、この部分には、搬送機構30の受入口が露出している。後述するように、搬送機構30は、本体部13に取り付けられている。また、硬貨受入部15は、乗客により投入等される硬貨を受け入れる部分であり、この部分には、硬貨通路とこれに繋がる硬貨識別ユニットが接続されている。この硬貨識別ユニットも本体部13に取り付けられている。なお、図1および図2には、硬貨通路と硬貨識別ユニットは図示していない。
操作パネル16は、運賃箱10に投入等された硬貨の種類および枚数を確認したり、運賃を支払った乗客の属性情報等を入力したりするために設けられている。属性情報は、例えば、乗客の性別や年齢層(大人、子供、老人等)の情報である。本実施形態では、操作パネル16は、乗務員用表示ユニット17とキースイッチ18により構成されている。乗客用表示ユニット19は、運賃を支払う乗客に対して受付可能な硬貨の種類(金種)を表示したり、運賃を支払った乗客に対して投入金額を表示したりするものである。
確認窓12aは、乗客が紙幣受入部14に投入等した紙幣110を搬送路の所定範囲内において目視可能にするものである。本実施形態では、確認窓12aは、無色透明の樹脂またはガラス板からなる透明カバー12bにより覆われている。図1および図2から明らかなように、確認窓12aは、乗務員および乗客のいずれからも搬送機構30に搬送される紙幣110が見え得るように、少なくとも、上蓋部12の乗務員側に向く他方の傾斜面に設けられている。なお、図2においては、図面表現上の便宜から、搬送機構30を省略していることに注意されたい。また、図1に示す符号34は、後述するように搬送機構30を構成する透明部材の上部プレートを指している。また、図1においては、紙幣110を灰色に着色して他の構成部分と視覚的に区別し易いように表現している。
このように本実施形態の運賃箱10では、筐体11の上蓋部12に確認窓12aを設けている。これにより、乗務員および乗客は、運賃箱10が受け入れた紙幣110を確認窓12aから目で見て確かめることが可能になる。なお、確認窓12aは、このような他方の傾斜面に加えて乗客側に向く一方の傾斜面にも設けられていても良い。これにより、乗客による視認性がさらに高められる。
上蓋部12は、本体部13に対してヒンジ20aにより接続されている。即ち、運賃箱10の幅方向に延びるヒンジ20aの軸を中心に本体部13に対して上蓋部12が回動し得るように構成されている。これにより、例えば、上蓋部12が上方(Z軸の矢先方向)に向けて回転し開くと、本体部13の内部に取り付けられている搬送機構30および硬貨識別ユニットのほかに、制御ユニット70や電源ユニット78が外部に露出する。そのため、これらのメンテナンス作業等が可能になる。制御ユニット70は、後述するように、搬送機構30の制御や硬貨識別ユニットからの識別データに基づく乗客の投入金額の算出処理や表示処理等、当該運賃箱10における各種の情報処理を行う。
本体部13には、これらのほかに金庫24が収容されている。本体部13には、ヒンジ20bにより回動自在に本体部13に接続されている金庫扉21が設けられている。この金庫扉21は、図略の施錠機構によって、通常、施錠されている。金庫扉21の上方に設けられている赤外線ポート23に対して所定のプローブがID認証を行うことによって、当該施錠機構が施錠アクチュエータにより解錠される。これにより金庫扉21を開くことが可能になる。金庫24は、紙幣が入る紙幣収納部25と、硬貨が入る硬貨収納部26の2つの収納部を備えている。赤外線ポート23の隣に返却口22が設けられている。乗客に対して返す必要のある硬貨等がこの返却口22に排出される。
次に、図3および図4を参照して、搬送機構30の構成を説明する。図3には、運賃箱10を構成する搬送機構30の斜視図が図示されている。また、図4には、図3に示す搬送機構30をYZ平面で切断した断面をX軸の根元方向に見た断面図が図示されている。なお、図3においては、サイドプレート31,32が想像線(二点鎖線)により表されていることに注意されたい。また、図3においては、紙幣110を灰色に着色して他の構成部分と視覚的に区別し易いように表現している。図4においては紙幣受入れセンサ75a等の各センサを灰色に着色して他の構成部分と視覚的に区別し易いように表現している。
図3および図4に示すように、搬送機構30は、乗客により紙幣受入部14に投入等された紙幣110を、受入口30aから下方の排出口30bに搬送して金庫24の紙幣収納部25に送り込んだり、受入口30aに逆送して紙幣受入部14に戻したりする機能を有するものである。搬送機構30は、主に、サイドプレート31,32、下部プレート33、上部プレート34、ガイドプレート35、搬送ベルト37,38、搬送ローラ41〜46、送りローラ47,48等により構成されている。
サイドプレート31,32は、例えば、アルファベットのT字形状に似た形に形成された鋼板である。本実施形態では、これらのサイドプレート31,32がほぼ平行に対向するその間に搬送ローラ41〜46および送りローラ47,48を配置可能にこれらのローラ41〜48をローラ軸51〜58により軸支可能に構成している。また、サイドプレート31,32は、搬送ローラ41〜44に掛けた搬送ベルト37と搬送ローラ45,46に掛けた搬送ベルト38とによって、紙幣110を排出口30bの方向に搬送可能に構成されている。
即ち、紙幣110が金庫24の紙幣収納部25に収納されるまでの経路途中に、紙幣110の短手方向長さよりも幅広かつ紙幣110の長手方向長さよりも長い、下部プレート33および上部プレート34が設けられており、またこれらによって形成される搬送路Taと、ガイドプレート35によって形成される搬送路Tbと、が設けられている。また、これらの搬送路Ta,Tbにおいて、搬送ローラ41〜44、搬送ベルト37により紙幣110を搬送する。また、搬送ベルト37と搬送ベルト38の間に紙幣110を挟み込んで、サイドプレート31の上方部31a,32aから下方部31b,32bに向けて当該紙幣110を搬送し、排出口30bから下方に排出する。
下部プレート33は、その先端部33aの長手方向断面形状が下方(Z軸の根元方向)に垂下するようなアルファベットのL字形状を上下逆にした形状に形成されている。また後端部33bの同断面形状が搬送ローラ44の外周形状に沿って下方(Z軸の根元方向)に搬送ローラ44よりも小径の円弧状に曲がる形状に形成されている。この先端部33aには搬送ローラ41の一部が突出可能な切欠部33cが形成されており、また後端部33bには搬送ローラ44の一部が突出可能な切欠部33dが形成されている。これにより、下部プレート33の下方において、ローラ軸51に軸支される搬送ローラ41の一部とローラ軸54に軸支される搬送ローラ44の一部とが搬送路Ta内に突出するため、これらの搬送ローラ41,44に掛けられる搬送ベルト37が搬送路Ta内に位置する。
上部プレート34は、その先端部34aの長手方向断面形状が上方(Z軸の矢先方向)に起き上がるようなアルファベットのL字形状に形成されている。また後端部34bの同断面形状が搬送ローラ44の外周形状に沿って下方(Z軸の根元方向)に搬送ローラ44よりも大径の円弧状に曲がる形状に形成されている。この先端部34aには、上部プレート34の上方でローラ軸57に軸支される搬送ローラ47の一部が搬送路Ta内に突出可能な切欠部34cが形成されている。また、後端部34bには、上部プレート34の上方でローラ軸58に軸支される搬送ローラ48の一部が突出可能な切欠部34dが形成されている。上部プレート34の後端部34bは、搬送ローラ44に掛けられる搬送ベルト37との間に形成される隙間30cにより搬送路Tbを形成する。
上部プレート34は、サイドプレート31,32に対してローラ軸57を中心に回動自在に軸支されているとともに、サイドプレート31,32に形成される凹部にローラ軸58の両端部が係止可能に構成されている。サイドプレート31,32に対する上部プレート34の係止位置は、例えば、搬送ローラ41に掛かる搬送ベルト37と送りローラ47とが当接し、かつ、搬送ローラ44に掛かる搬送ベルト37と送りローラ48とが当接する位置である。
これにより、上部プレート34がサイドプレート31,32に係止されている状態においては、送りローラ47,48が搬送ベルト37の移動に従動して回転する。そのため、受入口30aに挿入された紙幣110を搬送路Taにスムースに引き込んだり、搬送路Ta内を搬送ベルト37により搬送された紙幣110を搬送路Tbにスムースに引き込んだりする。またこのような係止から上部プレート34が解放されると、上部プレート34がローラ軸57を中心に跳ね上げ方向に開く。これにより、搬送路Ta内で紙幣110が詰まった場合には、上部プレート34を開けてそのような紙幣110を取り除くことが可能になる。
このように下部プレート33と上部プレート34を構成することによって、搬送路Taにおいて受入口30aに挿入された紙幣110は、搬送ベルト37と送りローラ47により搬送路Taに引き込まれると、搬送路Ta内を搬送ベルト37によって搬送ローラ44の方向に搬送され、さらに搬送ベルト37と搬送ローラ44により搬送路Tbに引き込まれる。
本実施形態では、下部プレート33およびガイドプレート35が、例えば、ステンレス板により構成されているのに対して、上部プレート34は、例えば、無色透明の樹脂により構成されている。そのため、下部プレート33の上方を通る搬送ベルト37が、上部プレート34を通して見える。また、受入口30aに挿入された紙幣110が、搬送路Ta内を搬送される様子を上部プレート34を通して目視することができる。
搬送ベルト37は、サイドプレート31の下方部31b,32bにおいて、搬送ベルト38とともに紙幣110を挟み込んで排出口30bの方向にも搬送する。そのため、搬送ベルト37は、ローラ軸52に軸支される搬送ローラ42により下方部31b,32bに沿うように下方に引き出されるとともに、排出口30bの近傍にローラ軸53に軸支される搬送ローラ43にも掛けられる。そして、搬送ベルト37は、下方部31b,32bにおいて、搬送ローラ45,46により上下方向に掛けられる搬送ベルト38に合わさるようにして、上方に戻るとともに搬送ローラ44に向けて搬送ローラ45により方向を変えて搬送ローラ44に至るように配置されている。これにより、下方部31b,32bにおいては、紙幣110は、搬送ベルト37と搬送ベルト38により挟み込まれて排出口30bに搬送されその下方に位置する金庫24に収納される。
搬送ローラ44,45の間においては、搬送ベルト37に沿って設けられるガイドプレート35との隙間に、前述した搬送路Tbを形成する。ガイドプレート35は、その先端部35aが搬送ローラ45まで延びている。搬送ローラ45は、ガイドプレート35の下方において、ローラ軸54に軸支されており、ガイドプレート35の先端部35aに形成される切欠部35cにより、搬送路Tb内に搬送ローラ45の一部を突出可能に構成している。これにより、搬送ベルト37と搬送ローラ44により搬送路Tbに引き込まれた紙幣110は、その後、紙幣110の先端が搬送ベルト38と搬送ベルト37に挟まれて引き込まれると、前述のように搬送ベルト37,38に挟み込まれて排出口30bの方向に搬送される。
ガイドプレート35の後端部35bは、上部プレート34の後端部34bと同様に、搬送ローラ44に掛けられた搬送ベルト37との間において搬送路Tbを形成可能に円弧形状に形成される。なお、上部プレート34がサイドプレート31,32に係止された状態においては、上部プレート34の後端部34bの先端と、ガイドプレート35の後端部35bの先端とが当接することによって、紙幣110が搬送路Tbを逸脱して外側に出ないようにしている。
なお、図3および図4においては、搬送ローラ41〜46を回転させる駆動モータが図示されていないが、例えば、図略の駆動モータから、ギヤ、プーリやベルト等の動力伝達機構により伝達される駆動力が、搬送ローラ44に伝わることによって、搬送ローラ44が反時計回り方向に回転する。これにより、搬送ローラ41と搬送ローラ44の間においては、搬送ベルト37がY軸の矢先方向に移動する。そのため、受入口30aに挿入された紙幣110は、搬送路Taを紙面右側から左側に向けて移動した後、搬送路Tb内の一点鎖線の矢印方向に搬送されて搬送ベルト37,38に挟み込まれて排出口30bに排出される。以下、搬送路Taにおいて、Y軸の矢先方向のことを「搬送方向」といい、この逆方向(Y軸の根元方向)のことを「逆送方向」という。
図4に示すように、本実施形態では、受入口30aに挿入する手前位置に紙幣受入れセンサ75aを設けており、また搬送路Taにおいて紙幣位置センサ75bおよび紙幣長さセンサ75dを設けている。さらに、排出口30bの近傍(搬送ローラ43,46の下方)にも、紙幣位置センサ75cを設けている。これらのセンサ75a〜75dは、いずれも図略の電気配線を介して制御ユニット70に電気的に接続されており、これらのセンサ75a〜75dにより検出されたデータが後述する紙幣搬送処理によって使用される。
紙幣受入れセンサ75aおよび紙幣位置センサ75b,75cは、これらのセンサが設けられた位置を紙幣110が通過したことを、例えば、フォトインタラプタ等により光学的に検出する。フォトインタラプタは、典型的には、一対の発光部と受光部により構成されており、発光部からの光を物体(紙幣110)が遮るのを受光部で検出することによって、物体(紙幣110)の有無や位置を検出するセンサである。
後述するように、これらのセンサのうち、紙幣位置センサ75bは、紙幣110の停留位置を検出する。そのため、上部プレート34を介して確認窓12aから、搬送路Taを搬送される紙幣110のほぼ全体を目視可能な範囲(所定範囲)に紙幣110が停留するように、紙幣位置センサ75bを設ける位置が設定されている。例えば、紙幣110が搬送ローラ44と搬送ベルト37に挟まれて搬送路Tb側に引き込まれる直前の位置で、紙幣110が停止(停留)するように、搬送路Ta内の搬送ローラ44の手前近傍に紙幣位置センサ75bが設けられる。上蓋部12の上方から確認窓12aを介して紙幣110のほぼ全体を目視可能な範囲が、特許請求の範囲に記載の「搬送路の所定範囲」に相当し得るものである。
また、紙幣長さセンサ75dは、搬送路Taを搬送される紙幣110の長手方向(搬送方向)の長さを検出する。例えば、予め設定されている搬送ベルト37による搬送速度とフォトインタラプタおよびタイマにより検出される紙幣110の通過時間とによって、紙幣110の長さを検出する。また、紙幣長さセンサ75d単体で紙幣110の長さを検出するのではなく、紙幣受入れセンサ75a等と同様に、フォトインタラプタを搬送路Taのうちの受入口30aの近傍に設けて、紙幣110がフォトインタラプタを通過する時間を制御ユニット70の計時処理により測定する。これにより計時された時間tと搬送ベルト37による単位時間当たりの搬送距離dとの積(t×d)によって、紙幣110のおおよその長さL(=t×d)を算出することが可能になる。この演算は、制御ユニット70により行う。
続いて、図5を参照して制御ユニット70の構成と制御ユニット70に電気的に接続される種々のセンサおよびユニット等について説明する。図5には、運賃箱10を構成する制御ユニット70と制御ユニット70に接続される各ユニット等の構成例を示すブロック図が図示されている。
図5に示すように、制御ユニット70は、例えば、MPU71、メモリ72、システムバス73および入出力インタフェース74により構成されているマイクロコンピュータユニットである。MPU71は中央演算処理装置であり、メモリ72は半導体記憶装置である。システムバス73は、MPU71、メモリ72および入出力インタフェース74を相互に接続する並列信号線であり、典型的には、アドレスバスとデータバスにより構成されている。入出力インタフェース74は、主に、シリアルインタフェース、パラレルインタフェースおよびドライバ回路で構成されている。ドライバ回路は、施錠アクチュエータ61や駆動モータ62を駆動制御するのに十分な電力を供給する。
制御ユニット70には、各種センサやユニット等が接続されている。具体的には、紙幣受入れセンサ75a、紙幣位置センサ75b,75c、紙幣長さセンサ75d、硬貨受入れセンサ76a、硬貨識別ユニット76b、乗務員用表示ユニット17、キースイッチ18、乗客用表示ユニット19、施錠アクチュエータ61、駆動モータ62、赤外線通信ポート79である。これらのうち、紙幣受入れセンサ75a、紙幣位置センサ75b,75cおよび紙幣長さセンサ75dは、前述したように搬送機構30に設けられて紙幣110の位置または存在を検出する。これらのセンサ75a,75b,75cは、紙幣110を検出すると、検出信号を制御ユニット70に出力する。
また、硬貨受入れセンサ76aは、硬貨受入部15に硬貨が投入等されたことを検出して制御ユニット70に検出信号を出力する。検出信号を受けた制御ユニット70は、硬貨識別ユニット76bに対して硬貨の識別処理を起動する。硬貨識別ユニット76bは、識別した硬貨の種類(金種)と枚数を検出しそのデータを制御ユニット70に出力する。制御ユニット70は、このデータに基づいて乗客が支払った金額を算出し、その表示データを乗務員用表示ユニット17および乗客用表示ユニット19に出力する。乗客は、乗客用表示ユニット19に表示される金額表示により、自分が硬貨受入部15に投入等した硬貨の合計金額を確認することができる。
なお、硬貨受入れセンサ76aを硬貨識別ユニット76bに含める構成を採用してもよい。また、硬貨の種類(金種)と枚数のデータを硬貨識別ユニット76bから、乗務員用表示ユニット17および乗客用表示ユニット19に直接出力し、これらのユニット17,19において硬貨の合計金額を算出して表示するように構成しても良い。これにより、制御ユニット70の処理負担を軽減することが可能になる。
施錠アクチュエータ61は、例えば、直流モータであり、前述した金庫扉21の施錠機構による施錠および解錠を制御する。本実施形態では、例えば、金庫扉21が閉められたことを検出するセンサ(図略)の信号に基づいて、制御ユニット70が施錠アクチュエータ61を制御して金庫扉21を施錠する。また、赤外線通信ポート79を介して所定のプローブから出力される解錠権限のあるIDデータに基づいて、制御ユニット70がID認証の後、施錠アクチュエータ61を制御して金庫扉21を解錠する。
駆動モータ62は、例えば、直流モータであり、本実施形態では、搬送機構30の搬送ローラ44を駆動する動力源として機能する。駆動モータ62と搬送ローラ44の間には、前述した図略のギヤ、プーリやベルト等の動力伝達機構が介在している。本実施形態では、搬送ローラ44を反時計回りや時計回りに回転させる。なお、以下、反時計回りの方向に搬送ローラ44を回転させる駆動モータ62の制御を「正転制御」といい、時計回りの方向に搬送ローラ44を回転させる駆動モータ62の制御を「逆転制御」という。
なお、制御ユニット70には、電源ユニット78から駆動電力が供給されており、またこれらのセンサ75a〜75d,76aには、電源ユニット78を介して駆動電力が供給されている。また、硬貨識別ユニット76b、乗務員用表示ユニット17、乗客用表示ユニット19、施錠アクチュエータ61、駆動モータ62および赤外線通信ポート79には、電源ユニット78から個別に駆動電力が供給される。
このように構成される運賃箱10は、乗客により投入等された紙幣110を受け入れると起動される紙幣搬送処理によって駆動モータ62を制御して搬送機構30による紙幣の搬送等を行う。ここで、制御ユニット70により実行される紙幣搬送処理の例を図6に基づいて説明する。図6には、制御ユニット70により実行される紙幣搬送処理の流れを示すフローチャートが図示されている。なお、この紙幣搬送処理は、制御ユニット70を構成するメモリ72に予め格納された制御プログラムを、MPU71が実行することにより実現される。
紙幣受入部14に乗客が紙幣110を投入等すると、受入口30aの紙幣受入れセンサ75aが当該紙幣110を検出して制御ユニット70に検出信号を出力する。例えば、この検出信号をトリガーにして、図6に示す紙幣搬送処理が開始される。紙幣搬送処理は処理を開始すると、まず最初に、ステップS101により搬送機構起動処理を行う。具体的には、搬送ローラ44を反時計回りの方向に回転させ得るように、制御ユニット70は、駆動モータ62に対して正転制御を行う。これにより、搬送機構30の搬送ベルト37が搬送路Taにおいて搬送方向に移動することによって、紙幣110が搬送ベルト37と送りローラ47の間に挟み込まれて搬送路Ta内に当該紙幣110を引き込む。
次のステップS103では、位置信号取得処理が行われる。搬送路Taにおいて紙幣110が搬送ベルト37により搬送方向に送られると、やがて紙幣110の先端が紙幣位置センサ75bにより検出される。そのため、このステップS103では、紙幣110の先端が搬送ローラ44または送りローラ48の手前に到達したことを示す信号として、紙幣位置センサ75bによる検出信号を取得する。検出信号の有無は、続くステップS105により判定される。
即ち、ステップS105の停留位置到達判定処理により、紙幣位置センサ75bからの検出信号の有無に基づいて、紙幣110が停留位置に到達しているか否かが判定される。検出信号が取得されている場合には(S105;Yes)、紙幣110が停留位置に到達しているので、次のステップS107により搬送機構30を停止させる搬送機構停止処理を行う。これに対して、検出信号が取得されていない場合には(S105;No)、紙幣110はまだ停留位置に到達していないため、再度、ステップS103に移行して位置信号取得処理を行う。
ステップS107の搬送機構停止処理では、制御ユニット70がそれまで駆動モータ62に対して行っていた正転制御を停止する。これにより、駆動モータ62による搬送ローラ44の回転が止まるため、それに伴って搬送ベルト37も停止して紙幣110の搬送方向の移動が止まる。つまり、上蓋部12の上方から確認窓12aを介して、紙幣110のほぼ全体を目視可能な範囲(所定範囲)に紙幣110が停留する。
乗務員は、停留している紙幣110を目視確認して、その種類(金種)および/または真偽を判断する。この目視確認が終わると、乗務員は、操作パネル16のキースイッチ18を操作して、紙幣110の停留を解除して搬送方向に送る指示(解除信号)、または紙幣110を逆送方向に送る指示(逆送信号)を運賃箱10に対して出力する。ステップS111の操作信号取得処理では、この指示による信号、即ち制御ユニット70に入力される解除信号または逆送信号を取得する。
そして、ステップS112の信号入力判定処理により入力された信号を判定し、解除信号が入力されていると判定された場合には(S112;Yes:解除信号)、ステップS113の搬送機構起動処理に移行し、逆送信号が入力されていると判定された場合には(S112;Yes:逆送信号)、ステップS117の逆送機構起動処理に移行する。これらの信号がまだ入力されていないと判定された場合には(S112;No)、再度、ステップS111に戻って操作信号取得処理を行う。
ステップS113の搬送機構起動処理では、ステップS101の搬送機構起動処理と同様に、制御ユニット70が駆動モータ62に対して正転制御を行う。これにより、搬送ベルト37の搬送方向への移動が再開されるため、搬送路Taに停留していた紙幣110は、搬送方向に移動する。そのため、紙幣110は、搬送ベルト37と送りローラ48の間に挟み込まれて次の搬送路Tb内に引き込まれ、さらに搬送ベルト37,38に挟まれて排出口30bの方向に搬送される。排出口30bに搬送されると、紙幣110の先端が紙幣位置センサ75cにより検出される。
続くステップS114の位置信号取得処理では、紙幣110の先端から後端までが搬送ローラ43,46を通過したことを示す信号として、紙幣位置センサ75cによる検出信号を取得する。この検出信号の有無は、次のステップS115により判定される。即ち、ステップS115の入庫位置到達判定処理により、紙幣位置センサ75cからの検出信号の有無に基づいて、紙幣110が入庫位置に到達しているか否かが判定される。より具体的には、紙幣110の先端が検出されてから後端が検出されるまでの間に連続して出力される所定時間継続した検出信号の有無に基づいて、紙幣110が排出口30bから金庫24に排出されたか否かが判定される。
このような所定時間継続した検出信号が取得されている場合には(S115;Yes)、紙幣110は、金庫24に収容された可能性が高いため、ステップS116により搬送機構30を停止させる搬送機構停止処理を行う。これにより、紙幣110の収受が完了するため、一連の紙幣搬送処理を終了する。所定時間継続した検出信号が取得されていない場合には(S115;No)、紙幣110の搬送途中である可能性が高いため、再度、ステップS114の位置信号取得処理に戻る。
一方、ステップS112の信号入力判定処理によって、逆送信号が入力されていると判定された場合には(S112;Yes:逆送信号)、ステップS117に処理を移行して逆送機構起動処理を行う。本実施形態では、搬送機構30が逆送機構を兼ねる。即ち、駆動モータ62に対して逆転制御を行うことによって、搬送ローラ44が時計回りの方向に回転する。そのため、搬送路Taにおいては搬送ベルト37が受入口30aの方向、つまり逆送方向に移動する紙幣110の逆送が可能になる。これにより、搬送路Taに停留していた紙幣110は、逆送方向に移動するため、紙幣110は、搬送ベルト37と送りローラ47の間に挟み込まれて受入口30aの方向に逆送される。受入口30aに逆送された紙幣110は、紙幣受入部14に排出される。
続くステップS118の位置信号取得処理では、紙幣110が受入口30aから排出されたことを示す信号として、紙幣受入れセンサ75aによる検出信号を取得する。この検出信号の有無は、次のステップS119により判定される。即ち、ステップS119の返金位置到達判定処理により、紙幣位置センサ75aからの検出信号の有無に基づいて、紙幣110が紙幣受入部14に排出されているか否かが判定される。より具体的には、紙幣110の先端が検出されてから後端が検出されるまでの間に連続して出力される所定時間継続した検出信号の有無に基づいて、紙幣110が受入口30aから紙幣受入部14に排出されたか否かが判定される。
このような所定時間継続した検出信号が取得されている場合には(S119;Yes)、紙幣110は、紙幣受入部14に排出された可能性が高いため、続くステップS120により搬送機構30を停止させる逆送機構停止処理を行う。これにより、紙幣110の返却(返金)が完了するため、一連の紙幣搬送処理を終了する。所定時間継続した検出信号が取得されていない場合には(S119;No)、紙幣110の逆送途中である可能性が高いため、再度、ステップS118の位置信号取得処理に戻る。
なお、上述した紙幣搬送処理は、図7〜図9に示す改変例1〜3に変更しても良い。図7〜図9には、紙幣搬送処理の、改変例1〜改変例3の流れを示すフローチャートがそれぞれ図示されている。なお、これらの図7〜図9においては、前述の図6に示す紙幣搬送処理の各ステップと実質的に同一の処理ステップについては同一符号を付して、説明を簡略化または省略する。
[改変例1]
図7に示すように、改変例1では、ステップS107の搬送機構停止処理とステップS111の操作信号取得処理との間に、紙幣110の長さに基づく処理ステップ(S201,S203)を追加している。本実施形態では、搬送路Taに紙幣長さセンサ75dを備えている。そのため、この紙幣長さセンサ75dにより検出される紙幣110の長さをステップS201の紙幣長データ取得処理により取得して、その取得したデータに基づいてステップS203の判定処理により、当該紙幣110の長さが紙幣の規定長未満であるか否かを判定する。
紙幣110の長さが規定長よりも短い場合には(S203;Yes)、当該紙幣110が半分に切断されている等、紙幣110の一部が切除されている疑いがあり得るため、ステップS117に処理を移行して当該紙幣110を受入口30aに逆送する。紙幣110の長さが規定長よりも短くない場合には(S203;No)、ステップS111の操作信号取得処理に移行して、それ以後については前述と同様の情報処理を行う。
改変例1のように、紙幣110の長さを判定する処理ステップを追加することにより、紙幣長さセンサ75dによる検出結果が規定値でないことを示す場合には(S203;Yes)、制御ユニット70は、搬送機構30を制御して受入口30aに当該紙幣110を逆送する(S117〜S120)。これにより、例えば、紙幣110の一部が切除されて当該紙幣110の規定長よりも短くなってしまった異常な紙幣を自動的に紙幣受入部14に返却することが可能になる。乗務員による目視確認をするまでもなく、このような異常な紙幣を自動的に乗客に戻すため、異常な紙幣の受け入れが原因になる収受処理の停滞を抑制することができる。
[改変例2]
図8に示すように、改変例2では、ステップS107の搬送機構停止処理とステップS113の搬送機構起動処理との間に、所定時間を経過すると操作信号の入力の有無に関係なく、搬送機構30による紙幣110の搬送を再開する処理ステップ(S301,S303,S305,S307)、つまり自動停留解除処理を追加している。
制御ユニット70のMPU71が経過時間を計測可能な時計機能を備えている場合は、この時計機能により所定時間(例えば5秒)の経過を報知する(満了情報の出力)タイマー動作を行わせる。例えば、ステップS107による搬送機構停止処理が完了した直後(搬送機構30による紙幣110の搬送が停止した時点)に、ステップS301のタイマー起動処理によりこのタイマーを始動させる。これにより、乗務員が紙幣110の目視確認可能になった状態における経過時間の計測が可能になる。続くステップS303の操作信号取得処理を行う。この例では、乗務員の操作は、操作パネル16のキースイッチ18により、紙幣110の停留を解除して搬送方向に送る指示(解除信号)を運賃箱10に出力することだけを可能にしている。
ステップS305の判定処理により、解除信号の入力の有無を判定する。乗務員がキースイッチ18を操作して紙幣110の停留解除を指示した場合には、制御ユニット70に解除信号が入力されるため(S305;あり)、ステップS113の搬送機構起動処理に移行する。これにより、前述したように、搬送ベルト37の搬送方向への移動が再開されるため、紙幣110が排出口30bの方向に搬送される。
これに対し、乗務員がキースイッチ18を操作していない場合には、制御ユニット70には解除信号が入力されないため(S305;なし)、ステップS307によるタイマーの満了判定処理に移行する。即ち、ステップS107による搬送機構停止処理が完了してから、所定時間が経過しているか否かをステップS307により行う。所定時間が経過している場合には(S307;Yes)、ステップS113に処理を移行して搬送機構起動処理を行う。
これにより、乗務員によるキースイッチ18の操作がなくても、紙幣110の停留を解除して当該紙幣110を自動的に排出口30bの方向に搬送する。所定時間が経過していない場合には(S307;No)、再度、ステップS303の操作信号取得処理を行う。
改変例2のように、所定時間を経過すると操作信号の入力の有無に関係なく、搬送機構30による紙幣110の搬送を再開する処理ステップを追加することによって、所定時間内に乗務員による停留の解除操作が行われない場合には(S307;Yes)、搬送機構30による紙幣110の搬送を再開する(S113〜S116)。つまり、「停留の解除操作」(解除信号の出力)と「所定時間の経過」(満了情報の出力)のうち、いずれか早い方のタイミングで紙幣110の搬送を再開する。なお、満了情報は、特許請求の範囲に記載の「解除信号」に相当し得るものである。これにより、紙幣110の停留解除の操作を乗務員が怠ったとしても、自動的に紙幣110を排出口30bに搬送することが可能になる。乗務員による停留解除の操作がなくても、停留した紙幣110を自動的に金庫24に収容するため、乗務員の操作忘れによる収受処理の停滞を抑制することができる。
[改変例3]
図9に示すように、改変例3では、ステップS107の搬送機構停止処理とステップS111の操作信号取得処理との間に、タイマーを起動させるタイマー起動処理(S501)を追加するとともに、このタイマーによる所定時間の計測が満了した場合に自動停留解除処理ではなく、紙幣110を自動的に受入口30aに逆送する自動逆送処理を行うように構成している(S503)。なお、このタイマーも所定時間(例えば5秒)の経過を報知する満了情報を出力する。
ステップS107の搬送機構停止処理の直後にステップS501のタイマー起動処理を追加することによって、搬送機構停止処理(S107)が完了した直後に、タイマーを始動させる。この処理は、改変例2のステップS301に相当する(図8参照)。そして、ステップS112の判定処理により、キースイッチ18からの信号入力の有無を判定し、信号入力がない場合において(S112;No)、ステップS503によるタイマーの満了判定処理を行う。
即ち、ステップS107による搬送機構停止処理が完了してから、所定時間が経過している場合には(S503;Yes)、ステップS117に処理を移行して逆送機構起動処理を行う。これにより、キースイッチ18による乗務員の操作がなくても、紙幣110の停留を解除して当該紙幣110を自動的に受入口30aの方向に逆送する。所定時間が経過していない場合には(S503;No)、再度、ステップS111の操作信号取得処理を行う。
これに対して、乗務員がキースイッチ18を操作して紙幣110の停留解除を指示した場合には、制御ユニット70に解除信号が入力されて(S112;Yes:解除信号)、ステップS113の搬送機構起動処理に移行する。また、乗務員がキースイッチ18を操作して紙幣110の逆送を指示した場合には、制御ユニット70に逆送信号が入力されて(S112;Yes:逆送信号)、ステップS117の逆送機構起動処理に移行する。
改変例3のように、所定時間を経過すると操作信号の入力の有無に関係なく、搬送機構30による紙幣110の逆送を行う処理ステップを追加することによって、所定時間内に乗務員がキースイッチ18を操作することなく、解除信号および逆送信号のいずれも制御ユニット70に入力されない場合においては(S503;Yes)、搬送機構30により紙幣110が逆送方向に逆送されて紙幣受入部14に戻される(S117〜S120)。これにより、例えば、紙幣110の逆送の操作を乗務員が怠ったとしても、自動的に紙幣110を受入口30aに逆送して乗客に返金することが可能になる。
また、改変例3において、タイマー満了判定処理(S503)で「Yes」の場合の処理の飛び先を、S117の逆送機構起動処理からS113の搬送機構起動処理に変更しても良い。これにより、図6に示す紙幣搬送処理にタイマーが満了した場合の自動停留解除処理を追加したアルゴリズム相当になる。紙幣110の停留解除の操作および逆送の操作を乗務員が怠ったとしても、自動的に紙幣110を排出口30bに搬送することが可能になる。つまり、改変例3では、「停留の解除操作」(解除信号の出力)、「逆送操作」(逆送信号の出力)および「所定時間の経過」(満了情報の出力)のうち、いずれか早い方のタイミングで紙幣110の搬送または逆送を再開する。
以上説明したように、本実施形態では、運賃箱10の筐体11は、紙幣受入部14に投入等された紙幣110が金庫24の紙幣収納部25に収納されるまでの経路途中に設けられる搬送路Ta,Tbの所定範囲を当該運賃箱10の外部上方から目視可能な確認窓12aを有する。当該所定範囲は、上部プレート34を介して確認窓12aから、搬送路Taを搬送される紙幣110のほぼ全体を目視可能な範囲である。そして、搬送機構30による紙幣110の搬送を制御する制御ユニット70は、搬送中の紙幣110が当該所定範囲に到達した場合に紙幣110の搬送を停止する。これにより、運賃箱10に投入されて搬送途中の紙幣110は、搬送路Taの所定範囲において一時的に停止するので、当該紙幣110が確認窓12aから見える。解除信号の入力があった場合には、紙幣110の搬送が再開されるため、当該紙幣110は滞りなく紙幣収納部25に収納される。したがって、乗務員および乗客は、いずれも搬送途中の紙幣110を確認窓12aを介して当該運賃箱10の外部上方から目視することが可能になり、乗客は、乗務員側に移動しなくても紙幣110を目視確認することが可能になる。
なお、上述した実施形態やその改変例1〜3においては、搬送機構として例示した搬送機構30を、また逆送機構の例示としても使用した。つまり、搬送機構と逆送機構を同じ搬送機構30により例示したが、搬送機構と逆送機構を別個の搬送機構30等により実現しても良い。また、搬送機構を制御するコントローラと、逆送機構を制御する逆送コントローラと、を同じ制御ユニット70により実現したが、これらのコントローラについてもそれぞれ別個の制御ユニット70等により実現しても良い。一つの制御ユニットで搬送機構と逆送機構を個別に制御しても良い。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、上述した具体例を様々に変形または変更したものが含まれる。また、上述した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。さらに、上述において例示した技術は、複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つ。