《第一実施形態》
以下、本発明に係る第一実施形態について図1から図3を参照して説明する。
図1に示すように、第一実施形態の料金所設備1は、有料道路の出口料金所に設置されている。料金所設備1では、走行レーンL上を通行する車両Cの搭乗者である利用者に対して料金所通行に関する処理が利用者や収受員によって行われる。
本実施形態における料金所設備1は、料金所通行の料金収受に関する操作を行う操作者である収受員のためのブース10と、車両Cの搭乗者が料金所通行に関する処理を行うために操作可能な第一操作部22を有する料金自動収受機20と、収受員がブース10内で料金所通行に関する処理を行うために操作可能な第二操作部31を有する料金処理機30と、第一操作部22を有する料金自動収受機20からの情報と第二操作部31を有する料金処理機30からの情報をそれぞれ受信可能な上位制御部40と、を備えている。
ブース10では、利用者から貨幣やカード等を受け取った収受員によって料金所通行の料金処理に関する処理を行う業務が行われる。ブース10は、二つの隣接する走行レーンLに挟まれたアイランドI上に設けられている。
アイランドIは、車両Cが通行する走行レーンLから段差を介して路面よりも1段高い島形状に形成されている。アイランドIを中心として、車両Cの進行方向の左側である一方の走行レーンLを第一走行レーンL1、車両Cの進行方向の右側である他方の走行レーンLを第二走行レーンL2とする。アイランドIは、第一走行レーンL1と第二走行レーンL2に挟まれており、第一走行レーンL1及び第二走行レーンL2の前後方向に沿って、幅方向よりも前後方向の方が長く形成されている。
第一走行レーンL1及び第二走行レーンL2は、本実施形態では、通行する車両Cを同じ方向に向かって進行させる。
本実施形態におけるブース10は、収受員が内部に待機可能な第一走行レーンL1の側部に設けられた小屋である。ブース10は、第一走行レーンL1及び第二走行レーンL2とアイランドIとの境界から建築限界として定められる所定の間隔だけ離れた位置に面して配置されている。即ち、ブース10は、アイランドIの幅よりも小さい幅で第一走行レーンL1の前後方向に沿って延びる直方箱型形状を有している。ブース10は、内部の収受員が第一走行レーンL1を通行する車両Cの利用者と貨幣等の受け渡し等を行うために開口されている開口部11と、開口部11よりも車両Cが進行してくる手前側である第一走行レーンL1の前後方向の後方側に形成されて料金自動収受機20を露出させて設置するための設置用凹部12とを有している。
開口部11は、第一走行レーンL1に面する側面の一部が矩形状に開口して形成されている。本実施形態における開口部11は、扉と一体に形成されており、収受員が内部に出入りする際にも使用される。
設置用凹部12は、開口部11に対して第一走行レーンL1の前後方向の後方側に形成されるスペースである。設置用凹部12は、ブース10の第一走行レーンL1に面する側面から開口してブース10の内部を露出させている。そして、設置用凹部12は、料金自動収受機20が収容可能なスペースとなっており、第一走行レーンL1を通行する車両Cに対して料金自動収受機20を露出させて設置可能となっている。
図2に示すように、料金自動収受機20は、ブース10の側面に面して、第一走行レーンL1とアイランドIとの境界から建築限界として定められる所定の間隔だけ離れた位置であるブース10の設置用凹部12に配置されている。そして、第一走行レーンL1上を通行する車両Cは料金自動収受機20と対面する位置で境界に幅寄せして停車される。料金自動収受機20は、当該車両Cに搭乗した利用者によって操作されることで、貨幣の収受等の料金所通行の料金収受に関する処理を無人で行うことが可能な料金機械である。料金自動収受機20は、料金自動収受機20の外装である筐体21と、利用者によって操作が行われる第一操作部22と、第一操作部22によって操作された情報に基づいて料金所通行の料金収受に関する制御処理を行う第一制御部23と、第一制御部23の制御処理に基づいて筐体21の内部で料金収受に関する処理を行う第一処理部24と、を備えている。
筐体21は、鉛直方向の上下方向に延びる直方状をなしており、第一走行レーンL1の幅方向に面するようアイランドI上に配置されている。筐体21は、第一走行レーンL1の幅方向を向いて鉛直方向に延びる面を前面21aとしている。ここでいう筐体21の前面21aは、第一走行レーンL1を通行する車両Cの進行方向の右側面に対向する面である。筐体21は、前面21aがアイランドIの幅方向の端部から建築限界として法律で定められた所定の間隔として、例えば、250mm以上を内側になるよう配置されている。
第一操作部22は、利用者が第一走行レーンL1上を通行する車両Cから料金収受に関する操作が可能とされている。本実施形態において第一操作部22によって行われる料金収受に関する操作とは、各処理口や各ボタンを通じて、料金所を通行するために料金自動収受機20に対して金銭の収受、通行券・領収書のやり取りや収受員の呼び出し等を行う操作である。即ち、第一操作部22は、第一走行レーンL1上を通行する車両Cに搭乗した運転手等の利用者が、料金自動収受機20を利用する際に操作する操作端末である。第一操作部22は、これらの利用者によって操作された情報を不図示のセンサによって検出して第一操作情報D1として、第一制御部23や上位制御部40に出力する。第一操作部22は、通行する車両Cの車高に応じて利用し易いように筐体21の前面21aの鉛直方向の上段操作部と下段操作部とに一部を除き同じ構成が設けられている。
上段操作部及び下段操作部に共通の構成として、第一操作部22は、料金自動収受機20に対して料金収受に関する投入物として金銭や通行券等が投入され、または料金収受に関する発行物として通行券や領収書や釣銭を発行する第一処理口220を有している。
本実施形態における第一処理口220は、紙幣が挿入または返却される紙幣挿入口220aと、通行券が挿入される通行券挿入口220cと、硬貨の投入を行う硬貨投入口220dと、硬貨の受け取りを行う釣銭返却口220eと、クレジットカード等を挿入するカード挿入口220fと、領収書を外方に送り出す領収書発行口220gと、を有している。
また、第一操作部22は、異常時等に収受員を呼び出す収受員呼び出しボタン222と、領収書の発行指示を受け付ける領収書発行ボタン223と、を有している。
なお、本実施形態における紙幣挿入口220aは、紙幣を挿入する処理口と返却する処理口とが一体に設けられているが、この構造に限定されるものではない。例えば、紙幣が挿入される紙幣挿入口と紙幣が返却される紙幣返却口とのように、別々の処理口として設けられていてもよい。
さらに、下段操作部のみの構成として、第一操作部22は、利用者が上肢の不自由な身体障害者である場合に、係員に支援を求めるための入力動作が可能な身障者レバー224と、身体障害者に対する割引が適用される資格を有することを示す証明書を遠隔地の監視員に提示する証明書カメラ225とを有している。
ここで、本実施形態における第一操作情報D1とは、第一操作部22が何らかの操作を行われたことを示す入力情報である。即ち、第一操作情報D1としては、例えば、第一処理口220である通行券挿入口220cに投入物である通行券が投入されたことを検出した情報や、領収書発行口220gから発行物である領収書が発行されたことを検出した情報を含んでいる。さらに、第一操作情報D1としては、異常時等に収受員を呼び出す等の各種ボタンが押された際に押されたボタンからの入力情報も含んでいる。
図3に示すように、第一制御部23は、第一操作部22の第一処理口220の不図示のセンサが投入される投入物や発行される発行物を検出することで、検出された第一処理口220に対応する第一処理部24に対して料金所通行の料金収受に関する制御処理を行う。第一制御部23は、制御処理した情報を第一制御処理情報D10として上位制御部40に出力する。本実施形態の第一制御部23は、挿入された通行券に基づいて制御処理を行う通行券制御部231と、投入された貨幣に基づいて制御処理を行う貨幣制御部232と、通行券制御部231や貨幣制御部232によって行われた制御情報や第一操作部22の第一操作情報D1が入力される第一出力部233とを有している。
通行券制御部231は、第一操作部22において通行券挿入口220cに通行券が挿入されたことを検出することで、料金収受に関する処理として通行券の磁気情報を読み取るように後述する第一処理部24の通行券処理部241に対して指示する信号を出力する。また、通行券制御部231は、通行券処理部241が通行券から読み取った磁気情報が入力されると、この磁気情報から車種情報や通行距離に関する情報を取得する。通行券制御部231は、取得したこれらの情報に基づいて利用者が料金所を通行するために支払うべき料金を料金情報として算出する。通行券制御部231は、取得した車種情報や算出した料金情報を制御情報として第一出力部233に対して出力する。
貨幣制御部232は、第一操作部22において紙幣挿入口220aに紙幣が挿入されたり、硬貨投入口220dに硬貨が投入されたりすることを検出することで、料金収受に関する処理として貨幣の種類に応じて枚数を計数するように後述する第一処理部24の貨幣処理部242に対して指示を送る。貨幣制御部232は、貨幣処理部242によって処理された貨幣の情報に基づいて、利用者によって投入された貨幣の金額を金額情報として算出する。貨幣制御部232は、この算出した金額情報と先の通行券制御部231において算出した料金情報との差額に基づき、釣銭がある場合に釣銭用の紙幣や硬貨を払い出すように再び貨幣処理部242に対して指示を送る。貨幣制御部232は、算出した金額情報を第一出力部233に対して出力する。
第一出力部233は、入力される各種情報を上位制御部40に出力するとともに、筐体21の前面21aに設けられた料金表示部25に信号を出力して利用者に対して料金所通行に関する料金等の情報を表示する。第一出力部233は、第一操作部22での操作によって料金自動収受機20において行われた料金収受に関する処理の処理情報である第一制御処理情報D10と、第一操作部22の第一操作情報D1とを上位制御部40に出力する。具体的には、本実施形態における第一出力部233は、入力される各種情報のうち、通行券制御部231において取得した車種情報や算出した料金情報と、貨幣制御部232において算出した貨幣の金額情報とを第一制御処理情報D10として上位制御部40に出力する。
第一処理部24は、第一制御部23からの制御処理に基づいて、料金収受に関する処理として第一処理口220から投入された投入物を処理する、または、第一処理口220に発行物を発行するための処理をする。本実施形態の第一処理部24は、通行券挿入口220cから挿入された通行券を処理する通行券処理部241と、予め貯留しておいた貨幣を用いて利用者に対して貨幣の収受処理を行う貨幣処理部242とを有している。
通行券処理部241は、第一走行レーンL1上を通行する車両Cに搭乗する利用者によって通行券挿入口220cに挿入される通行券を処理する。通行券処理部241は、通行券制御部231から信号を受けると不図示の搬送路を介して、通行券挿入口220cに挿入された通行券を内部まで搬送する。通行券処理部241は、磁気ヘッドを有しており、通行券から磁気情報を読み取る。通行券処理部241は、読み取った磁気情報を通行券制御部231に出力する。
貨幣処理部242は、利用者によって投入される貨幣である紙幣や硬貨を受け取り、釣銭が必要な場合には予め貯留しておいた紙幣や硬貨を用いて利用者に対して必要な種類の紙幣や硬貨を払い出す還流式の貨幣処理装置である。本実施形態における貨幣処理部242は、紙幣挿入口220aから挿入された紙幣を処理する紙幣処理部242aと、硬貨投入口220dから投入された硬貨を処理する硬貨処理部242bとを有している。
紙幣処理部242aは、第一走行レーンL1上を通行する車両Cに搭乗する利用者によって紙幣挿入口220aに挿入される紙幣を処理する。紙幣処理部242aは、貨幣制御部232からの信号を受けると不図示の搬送路を介して、紙幣挿入口220aに挿入された紙幣を内部まで搬送する。紙幣処理部242aは、挿入された紙幣の種類ごとの枚数を計数して、取得した枚数や種類である紙幣の情報を貨幣制御部232へ出力する。その後、貨幣制御部232からの信号に基づいて、紙幣挿入口220aに釣銭として必要な枚数及び種類の紙幣を払い出す。
硬貨処理部242bは、第一走行レーンL1上を通行する車両Cに搭乗する利用者によって硬貨投入口220dに投入される硬貨を処理する。硬貨処理部242bは、貨幣制御部232からの信号を受けると、投入された硬貨の種類ごとに枚数を計数して、取得した枚数や種類である硬貨の情報を貨幣制御部232へ出力する。その後、貨幣制御部232からの信号に基づいて、釣銭返却口220eに釣銭として必要な枚数及び種類の硬貨を払い出す。
なお、本実施形態では一例として、料金自動収受機20の第一制御部23や第一処理部24として通行券、紙幣、硬貨を処理するものとして挙げたが、これに限定されるものではない。即ち、料金自動収受機20が有する他の投入物や発行物を処理するものであってもよい。例えば、第一制御部23は、発行する領収書に関する制御処理を行う領収書制御部や、挿入されるクレジットカードに基づいて制御処理を行うカード制御部等の第一操作部22に対応する制御処理を行う構成を有していてもよい。また、第一処理部24は、カード挿入口220fから挿入されるクレジットカードを処理するカード処理機のようなカード処理部や、領収書発行口220gから発行される領収書を処理する領収書発行機のような領収書処理部等の第一操作部22に対応する処理を行う構成を有していてもよい。
料金処理機30は、操作者である収受員によって操作されることで、貨幣の収受等の料金収受に関する処理を利用者に対して行うことが可能なレジスター等の演算装置である。料金処理機30は、ブース10内において、第一走行レーンL1上を通行する車両Cに搭乗している利用者からは見え難い位置に配置されている。料金処理機30は、収受員によって操作が行われる第二操作部31と、第二操作部31における操作情報に基づいて料金所通行に関する制御処理を実施する第二制御部32と、第二制御部32の制御処理に基づいて料金収受に関する処理を行う第二処理部33とを備えている。
第二操作部31は、第一走行レーンL1上を通行する車両Cに搭乗している利用者ではなく、ブース10内で収受員によって操作可能とされている。本実施形態において第二操作部31で行われる料金収受に関する操作とは、料金処理機30に対して行う金銭の収受、通行券・領収書のやり取り等の操作である。具体的には、第二操作部31は、例えば、レジスターに設けられるタッチパネルや機械式ボタンのように手動操作する入力端末や、通行券やクレジットカード等を挿入する処理口等を有している。第二操作部31は、操作されることによって収受員が入力した入力情報を第二操作情報D2として、第二制御部32や上位制御部40に送る。
ここで、本実施形態における第二操作情報D2とは、第二操作部31が何らかの操作を行われたことを示す入力情報である。第二操作情報D2としては、例えば、収受員がタッチパネルや機械式ボタンを操作することで入力された入力情報や、通行券やクレジットカードが挿入されたことを処理口のセンサが検出した情報を含んでいる。
第二制御部32は、収受員によって操作された第二操作部31の第二操作情報D2に基づいて、第二処理部33に対して料金収受に関する制御処理を実施する。第二制御部32は、制御処理した情報を第二制御処理情報D20として、上位制御部40に出力する。第二制御部32は、料金収受に関する制御処理を行う料金制御部322と、料金制御部322で行われた制御情報や第二操作部31の第二操作情報D2が入力される第二出力部323とを有している。
料金制御部322は、第二操作部31の各種操作に基づく信号によって、対応する料金収受に関する処理を行うように後述する第二処理部33に対して指示する信号を出力する。具体的には、本実施形態における料金制御部322は、第二操作部31の不図示の処理口に通行券が挿入された場合には、第二処理部33に対して通行券の磁気情報を読み取るように指示を送る。そして、第二処理部33から読み取った磁気情報が入力されることで、磁気情報から車種情報や通行距離に関する情報を取得して、この取得した情報に基づいて利用者が料金所を通行するために支払うべき料金を料金情報として算出する。また、料金制御部322は、収受員がタッチパネルや機械式ボタンを操作することで入力した利用者から受け取った貨幣の金額の金額情報と先の算出した料金情報との差額に基づき、釣銭がある場合に釣銭額を算出する。料金制御部322は、これらの料金処理機30における料金収受に関する処理を行った制御情報を第二出力部323に対して出力する。
第二出力部323は、料金制御部322から出力される各種情報を上位制御部40に出力するとともに、不図示の表示装置に出力して収受員や利用者に対して料金所通行に関する料金等の情報を表示する。第二出力部323は、第二操作部31での操作を介して料金処理機30において行われた料金収受に関する処理情報である第二制御処理情報D20と、第二操作部31の第二操作情報D2とを上位制御部40に出力する。具体的には、本実施形態における第二出力部323は、入力される各種情報のうち、通行券から取得した車種情報や算出した料金情報と、第二操作部31で入力された貨幣の金額情報と、を第二制御処理情報D20として上位制御部40に送る。
第二処理部33は、第二制御部32から指示された制御処理の情報に基づいて、料金収受に関する処理として、利用者から収受員が受け取った貨幣を収納する引き出しを開放したり、挿入された通行券やクレジットカードを内部に引き込んで読み取り処理を行ったりする。第二処理部33は、通行券やクレジットカードの読み取り処理をする場合には、第二制御部32に対して読み取った情報を出力する。
なお、第二処理部33は、貨幣等を収納する引き出し等を有していることに限定されるものではない。即ち、単純に棚のような収納具を横に配置しておき、受け取った貨幣を収受員によって、ブース10内で棚の中に硬貨等を収容したり、釣銭として取りやすいように棚の上に並べたりしてもよい。
上位制御部40は、第一操作情報D1及び第一制御処理情報D10や、第二操作情報D2及び第二制御処理情報D20をそれぞれ受信可能となっている。本実施形態の上位制御部40は、ブース10から離れた遠隔地にある料金所事務所Oに設けられている。本実施形態における料金所事務所Oは、出口料金所からも遠く離れた場所に設けられている。上位制御部40は、受信した料金自動収受機20からの各種情報と料金処理機30からの各種情報とをまとめて管理している。具体的には、上位制御部40は、料金自動収受機20の第一出力部233から第一操作情報D1及び第一制御処理情報D10が入力される第一上位入力部41と、料金処理機30の第二出力部323から第二操作情報D2及び第二制御処理情報D20が入力される第二上位入力部42とを有している。上位制御部40は、第一上位入力部41から出力された情報を受け付けて取りまとめて管理する第一管理部43と、第二上位入力部42から出力された情報を受け付けて取りまとめて管理する第二管理部44とを有している。上位制御部40は、第一管理部43及び第二管理部44において管理された情報をまとめて管理する上位管理部45と、上位管理部45で管理されている情報を記憶する上位記憶部46と、上位記憶部46に記憶されている情報を料金所事務所Oの監視員等に表示する上位表示部47とを有している。
第一上位入力部41は、料金所事務所Oと離れたブース10内に設けられた料金自動収受機20の第一出力部233から送られた第一操作情報D1及び第一制御処理情報D10を受け付ける。第一上位入力部41は、受け付けた第一操作情報D1及び第一制御処理情報D10を第一管理部43に出力する。
第二上位入力部42は、料金所事務所Oと離れたブース10内に設けられた料金処理機30の第二出力部323から送られた第二操作情報D2及び第二制御処理情報D20を受け付ける。第二上位入力部42は、受け付けた第二操作情報D2及び第二制御処理情報D20を第二管理部44に出力する。
第一管理部43は、第一上位入力部41で受け付けた第一操作情報D1及び第一制御処理情報D10が入力される。第一管理部43は、入力された第一操作情報D1及び第一制御処理情報D10に基づいて演算を行い、料金自動収受機20によって処理された料金所通行の料金収受に関する処理情報を求めて管理する。具体的には、本実施形態における第一管理部43は、料金自動収受機20を利用した車両Cの車種情報、料金情報、通過台数情報を管理している。第一管理部43は、料金自動収受機20において行われた料金所通行の料金収受に関する処理情報を料金自動収受機処理情報D11として上位管理部45に出力する。
第二管理部44は、第一管理部43と同様に、第二上位入力部42に入力された第二操作情報D2及び第二制御処理情報D20に基づいて演算を行い、料金処理機30によって処理された料金所通行の料金収受に関する処理情報を求めて管理する。具体的には、本実施形態における第二管理部44は、料金処理機30を利用した車両Cの車種情報、料金情報、通過台数情報を管理している。第二管理部44は、料金処理機30において行われた料金所通行の料金収受に関する処理情報を料金処理機処理情報D21として上位管理部45に出力する。
上位管理部45は、第一管理部43から入力された料金自動収受機処理情報D11と、第二管理部44から入力された料金処理機処理情報D21とに基づいて演算し、料金所設備1として全体で処理された料金所通行に関する料金収受に関する処理情報を求めて管理する。具体的には、本実施形態における上位管理部45は、料金所設備1を利用した車両Cの車種情報、料金情報、通過台数情報をまとめて管理する。上位管理部45は、料金所設備1として全体で行われた料金所通行に関する料金収受に関する処理情報を全体処理情報D30として上位記憶部46に出力する。
上位記憶部46は、上位管理部45から入力された全体処理情報D30を記憶する。
上位表示部47は、上位記憶部46に記憶されている全体処理情報D30を料金所事務所Oの監視員等に表示する。
次に、第一実施形態の構成の料金所設備1の作用について説明する。
上記のような第一実施形態の料金所設備1は、料金自動収受機20が使用可能な状態の場合、第一走行レーンL1上を通行する車両Cが筐体21の前方に停車し、車両Cの運転手等の利用者により車両Cの車種に応じて筐体21の上段又は下段の通行券挿入口220cに通行券が挿入される。通行券挿入口220cに通行券が挿入されると、第一操作部22である通行券挿入口220cに設けられた不図示のセンサが通行券の挿入を検出し、第一制御部23の通行券制御部231及び第一出力部233にこの情報を送る。
情報を受け付けた通行券制御部231は、第一処理部24の通行券処理部241に対して通行券の情報を読み取るように指示を送る。指示を受けた通行券処理部241は、不図示の搬送路を介して通行券を筐体21の内部に引き込んで、通行券の磁気情報を読み取る。通行券処理部241は、読み取った磁気情報を通行券制御部231に出力する。磁気情報を受け付けた通行券制御部231は、磁気情報から利用者の車両Cの車種情報や利用者の車両Cが通行してきた通行距離に関する情報を取得する。
そして、通行券制御部231は、取得した車種情報や通行距離に関する情報に基づいて、利用者が料金所を通行するために支払うべき料金の料金情報を算出する。取得した車種情報や算出した料金情報は、通行券制御部231から第一出力部233に送られる。第一出力部233は、入力された料金情報を料金表示部25に送り、利用者に対して表示して通知する。
利用者に対して料金情報が料金表示部25を介して通知されると、利用者は、料金を支払うために料金自動収受機20の第一処理口220である紙幣挿入口220aに紙幣または硬貨投入口220dに硬貨を投入する。紙幣挿入口220aに紙幣が挿入されると、紙幣挿入口220aに設けられた不図示のセンサが紙幣の挿入を検出し、貨幣制御部232及び第一出力部233にこの情報を送る。同様に、硬貨投入口220dに硬貨が投入されると、硬貨投入口220dに設けられた不図示のセンサが硬貨の投入を検出し、貨幣制御部232及び第一出力部233にこの情報を送る。
情報を受け付けた貨幣制御部232は、紙幣処理部242aまたは硬貨処理部242bに対して貨幣の種類に応じて枚数を計数するように指示を送る。指示を受けた紙幣処理部242aは、不図示の搬送路を介して紙幣を筐体21の内部に引き込んで、紙幣の種類ごとの枚数を計数して、取得した枚数や種類である紙幣の情報を貨幣制御部232へ出力する。同様に、指示を受けた硬貨処理部242bは、投入された硬貨の種類ごとに枚数を計数して、取得した枚数や種類である硬貨の情報を貨幣制御部232へ出力する。紙幣の情報や硬貨の情報を受け付けた貨幣制御部232は、利用者によって投入された紙幣と硬貨の合計金額を金額情報として算出する。
そして、貨幣制御部232は、算出した金額情報と通行券の磁気情報より算出した料金情報とを比較して、差額が生じる場合には、釣銭用の紙幣や硬貨を払い出すように紙幣処理部242aや硬貨処理部242bに必要に応じて指示を送る。指示を受けた紙幣処理部242aや硬貨処理部242bは、利用者に対して釣銭として貨幣を返却する。また、算出した金額情報は、貨幣制御部232から第一出力部233にも送られる。第一出力部233は、入力された金額情報を料金表示部25に送り、利用者に対して表示して通知する。
利用者による料金自動収受機20の操作が終わると、第一出力部233は、第一操作部22から入力された第一操作情報D1及び通行券制御部231や貨幣制御部232から入力された情報である第一制御処理情報D10を料金所設備1から離れた料金所事務所Oにある上位制御部40の第一上位入力部41に送る。第一上位入力部41は、受け付けた第一操作情報D1及び第一制御処理情報D10を第一管理部43に入力する。第一管理部43は、第一操作情報D1や第一制御処理情報D10に基づいて、料金自動収受機20において行われた料金所通行の料金収受に関する処理情報を料金自動収受機処理情報D11として求める。第一管理部43は、求めた料金自動収受機20情報を上位管理部45に出力する。
一方、料金自動収受機20が故障等により使用できない場合、収受員は、遠隔地である料金所事務所Oから第二操作部31を有する料金処理機30で用いる紙幣や硬貨をブース10内に運び入れて、料金所通行に関する料金収受処理を料金自動収受機20に代わって利用者に対して行う。第一走行レーンL1上を通行する車両Cはブース10の開口部11の前方に停車して車両Cの運転手等の利用者により、通行券がブース10内の収受員に手渡される。収受員は、通行券を受け取ると、通行券を料金処理機30の対応する処理口に挿入して第二操作部31を操作する。第二操作部31が操作されると、第二制御部32の料金制御部322及び第二出力部323に通行券が挿入されたことを検出した情報である第二操作情報D2が入力される。第二操作情報D2が入力された第二制御部32は、第二処理部33に対して通行券の磁気情報を読み取るよう指示を送る。第二制御部32から指示を受けた第二処理部33は、通行券の磁気情報を読み取って料金制御部322に出力する。磁気情報を受け付けた料金制御部322は、磁気情報から利用者の車両Cの車種情報や利用者の車両Cが通行してきた通行距離に関する情報を取得する。
そして、料金制御部322は、取得した車種情報や通行距離に関する情報に基づいて、利用者が料金所を通行するために支払うべき料金の料金情報を算出する。取得した車種情報や算出した料金情報は、料金制御部322から第二出力部323に送られる。第二出力部323は、入力された料金情報を不図示に表示装置に送り、収受員や利用者に対して表示して通知する。
通知を確認した収受員は利用者に対して、料金情報を伝えて利用者から料金所を通行するための紙幣や硬貨を受け取る。紙幣や硬貨を受け取った収受員は、第二操作部31によって受け取った金額を入力する。第二操作部31によって入力された金額情報は料金制御部322に入力される。また、第二操作部31に入力された金額情報は、第二出力部323にも送られる。
そして、料金制御部322は、入力された金額情報と通行券の磁気情報より算出した料金情報とを比較して、差額が生じる場合には、差額を表示装置に表示して収受員に対して通知する。料金制御部322は、第二処理部33に信号を送って、硬貨や紙幣を収納する引き出しを開放する。開放された引き出しに収受員は受け取った貨幣を収納するとともに、利用者に返却する釣銭用の紙幣や硬貨を取り出す。
収受員による料金処理機30の操作が終わると、第二出力部323は、第二操作部31から入力された第二操作情報D2及び料金制御部322から入力された情報である第二制御処理情報D20を料金所設備1から離れた料金所事務所Oにある上位制御部40の第二上位入力部42に送る。第二上位入力部42は、受け付けた第二操作情報D2及び第二制御処理情報D20を第二管理部44に入力する。第二管理部44は、第二操作情報D2や第二制御処理情報D20に基づいて、料金処理機30において行われた料金所通行の料金収受に関する処理情報を料金処理機処理情報D21として求める。第二管理部44は、求めた料金処理機処理情報D21を上位管理部45に出力する。
上位管理部45は、第一管理部43から出力された料金自動収受機処理情報D11と、第二管理部44から出力された料金処理機処理情報D21とに基づいて、料金所設備1として全体で行われた料金所通行の料金収受に関する処理情報を求める。具体的には、上位管理部45は、料金自動収受機20で処理された車両Cの車種情報や料金情報や第一操作情報D1と、料金処理機30で処理された車両Cの車種情報や料金情報や第二操作情報D2とをまとめて演算して、料金所設備1として処理した処理情報を全体処理情報D30として求める。上位管理部45は、演算して求めた全体処理情報D30を上位記憶部46に入力して、上位記憶部46に記憶させる。上位記憶部46は、記憶した全体処理情報D30を上位表示部47に出力することで、料金所から離れた料金所事務所Oにいる監視員に対して料金所設備1で処理した処理情報を通知する。
上記のような料金所設備1によれば、料金自動収受機20の第一操作部22が操作された情報である第一操作情報D1と、料金処理機30の第二操作部31が操作された情報である第二操作情報D2とが、それぞれ第一出力部233及び第二出力部323を介して上位制御部40の第一上位入力部41及び第二上位入力部42に入力される。入力された第一操作情報D1及び第二操作情報D2が上位管理部45において料金所設備1として処理した処理情報として管理されることで、異なる操作部で操作された処理内容を上位制御部40によって一元管理することができる。例えば、料金自動収受機20によって処理した貨幣の金額と、その後1、収受員によって料金処理機30で処理した貨幣の金額との合計が料金所設備30全体として処理した金額と比較して正しいか否か等を確認する必要がある。一方、上記料金設備1によれば、第一操作部22と第二操作部31とで別々に操作した内容を、上位制御部40において料金所設備1全体として一括して容易に確認することができる。そのため、異なる操作部にて操作した内容をそれぞれ確認したうえで、全体として整合がとれているか否かの確認をとる作業が不要となり、交替時の管理者である収受員や監視者の負担を容易に低減することができる。
また、第一操作情報D1及び第二操作情報D2だけでなく、第一操作部22や第二操作部31による操作に基づいて、実際に料金自動収受機20や料金処理機30にて料金所通行に関する制御処理を行った処理情報を第一制御処理情報D10や第二制御処理情報D20として取得することで、料金所設備1を利用した車両Cの車種情報や料金情報、通過台数情報等のより多くの情報を取得することができる。したがって、料金所設備1全体として処理した処理情報について詳細に整合をとることができる。これにより、料金所設備1としての処理内容を容易に把握することができ、交替時の管理者である収受員や監視者の負担を容易により低減することができる。
さらに、料金機械である料金自動収受機20が第一操作部22を備えていることで、料金所設備1では無人による料金収受を行うことができる。そして、料金自動収受機20が故障した場合には、ブース10内で操作者である収受員によって料金処理機30の第二操作部31を操作することで、料金所設備1が設けられた第一走行レーンL1を閉鎖することなく継続して利用者に料金所を利用させることができる。したがって、料金自動収受機20を利用している間は、収受員が料金収受に関する処理業務を行う必要が無くなり、収受員の作業負担を軽減できる。加えて、料金自動収受機20が故障した場合であっても、利用者の利便性が低下してしまうことを軽減できる。
また、料金自動収受機20がブース10内にあることで、第二操作部31を有する料金処理機30を操作する収受員と近い位置に配置されることとなる。そのため、故障中に料金自動収受機20の第一操作部22の前方に利用者が車両Cを誤って止めてしまったとしても、再度車両Cを移動させることなく、収受員が利用者に対して料金収受を行うことができる。そのため、利用者の利便性を向上させることができる。加えて、料金機械である料金自動収受機20がブース10内に設けられつつも、第一操作部22が配置されている筐体21の前面21aが第一走行レーンL1に露出していることで、第一走行レーンL1を通行する車両Cに搭乗している利用者が料金自動収受機20を利用する場合に妨げとなることを防止できる。
《第二実施形態》
次に、図4から図5を参照して第二実施形態の料金所設備1について説明する。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第二実施形態の料金所設備1は、料金自動収受機20の側面21bから貨幣を入金または出金することが可能な点について第一実施形態と相違する。
即ち、第二実施形態の料金自動収受機20は、筐体21の側面21bに配置される入出金操作部51と、入出金操作部51を操作することによって入力されて入力情報に基づいて貨幣の入金または出金に関する制御処理を行う入出金制御部52と、第一走行レーンL1を通行する車両Cに対して第一操作部22を遮蔽することが可能な遮蔽部60とを備えている。
入出金操作部51は、図4に示すように、筐体21の第一走行レーンL1を通行する車両Cの進行方向に対して奥側の側面21bに配置されている。即ち、入出金操作部51は、料金自動収受機20において料金処理機30と対向する側であって、操作者である収受員と対向する側の側面21bに配置されている。入出金操作部51は、収受員が貨幣処理部242から任意の金額の貨幣を入金または出金する操作が可能となっている。入出金操作部51は、収受員によって操作される入出金操作部本体511と、収受員に対して入出金に関する情報を通知する入出金表示部512と、入出金操作部本体511での操作結果に基づいて、貨幣処理部242から貨幣が払い出される出金口513と、貨幣を貨幣処理部242に入金するための入金口514とを有している。
入出金操作部本体511は、筐体21の第一走行レーンL1の前後方向の前方側である有人収受時の操作者である収受員側の側面21bに設けられている。入出金操作部本体511は、料金自動収受機20から入金または出金する任意の貨幣の金額を収受員が入力するための入力部である。本実施形態における入出金操作部本体511は、例えば、テンキーのような数字入力用のキーボードであり、他にも硬貨や紙幣の種類を選択するキーを有している。入出金操作部本体511は、入力された金額や貨幣の種類の情報である入出金情報D4を入出金制御部52に出力する。
入出金表示部512は、収受員が入出金操作部51で入力した貨幣の金額等の入出金情報D4を確認するための表示画面である。入出金表示部512は、筐体21の側面21bに入出金操作部本体511に隣接して設けられる。
出金口513は、料金自動収受機20の貨幣処理部242から出金される貨幣を収受員が受け取るための処理口である。即ち、出金口513は、不図示の搬送路を介して筐体21の内部の貨幣処理部242に接続されている。本実施形態の出金口513は、筐体21の側面21bに入出金操作部本体511や入出金表示部512の下方に隣接して設けられる。
入金口514は、料金自動収受機20の貨幣処理部242に対して入金する貨幣を収受員が受け渡すための処理口である。即ち、入金口514は、不図示の搬送路を介して筐体21の内部の貨幣処理部242に接続されている。本実施形態の入金口514は、筐体21の側面21bに入出金操作部本体511や入出金表示部512の上方に隣接して設けられる。
入出金制御部52は、図5に示すように、入出金操作部51の入出金操作部本体511が操作されて入力された入力情報に基づいて、貨幣処理部242に対して入金または出金に関する制御処理を行う。入出金制御部52は、制御処理した情報を入出金制御処理情報D40として上位制御部40aに出力する。入出金制御部52は、入出金操作部本体511で収受員に入力された入出金情報D4に基づいて制御処理を行う入出金貨幣制御部521と、入出金情報D4や入出金制御部52で行われた制御情報が入力される入出金出力部522とを有している。
入出金貨幣制御部521は、入出金操作部本体511において収受員に入力された入出金情報D4に基づいて、入金または出金に関する制御処理として、入力された金額や種類に対応する硬貨や貨幣を受け取って収めたり払い出したりするように貨幣処理部242に対して指示を出す。入出金貨幣制御部521は、貨幣処理部242によって処理されて実際に受け取って収めた貨幣の情報や払い出された貨幣の情報を取得する。入出金貨幣制御部521は、取得した貨幣の情報を入出金出力部522に対して出力する。
入出金出力部522は、料金自動収受機20において行われた入金または出金に関する処理の処理情報として、実際に受け取って収めた貨幣の情報や払い出された貨幣の情報である入出金制御処理情報D40と、入出金操作部51の入出金情報D4とを上位制御部40aに出力する。
遮蔽部60は、筐体21の前面21aであって、第一操作部22の上段操作部及び下段操作部のそれぞれ上方に設けられている。遮蔽部60は、軸となるパイプに内蔵させたスプリングによって幕を巻き取らせることで、幕を上下に引き出すことが可能なロールスクリーン式のスクリーンである。遮蔽部60には、第一走行レーンL1上を通行する車両Cに搭乗する利用者に向かって、幕に「故障中」との文字が印刷されている。
また、料金自動収受機20の入出金操作部51や入出金制御部52に対応して、第二実施形態の料金所設備1の上位制御部40aは、料金自動収受機20の入出金出力部522から入出金情報D4及び入出金制御処理情報D40が入力される入出金上位入力部48と、入出金上位入力部48に入力された情報を取りまとめて管理する入出金管理部49と、を有している。さらに上位制御部40aの上位管理部45aは、第一管理部43及び第二管理部44において管理された情報だけでなく、入出金管理部49において管理された情報も入力されてまとめて管理する。
入出金上位入力部48は、料金所事務所Oと離れたブース10内に設けられた料金自動収受機20の入出金出力部522から送られた入出金情報D4及び入出金制御処理情報D40を受け付ける。入出金位入力部は、受け付けた入出金情報D4及び入出金制御処理情報D40を入出金管理部49に出力する。
入出金管理部49は、入出金上位入力部48が受け付けた入出金情報D4及び入出金制御処理情報D40が入力される。入出金管理部49は、入力された入出金情報D4及び入出金制御処理情報D40に基づいて演算を行い、料金自動収受機20において行われた入金または出金に関する処理情報を求めて管理する。具体的には、本実施形態における入出金管理部49は、入出金操作部51に入力された入出金情報D4と、実際に料金自動収受機20から収受員に払い出された貨幣や収受員から収納された貨幣の情報とを管理している。入出金管理部49は、料金自動収受機20において行われた入金または出金に関する処理情報を料金自動収受機入出金情報D41として上位管理部45aに出力する。ここでいう料金自動収受機入出金情報D41とは、料金自動収受機20を介して利用者との間でやり取りをした貨幣の情報ではなく、収受員との間でやり取りをした貨幣の情報である。
上位管理部45aは、料金自動収受機処理情報D11と、料金処理機処理情報D21とに加えて、入出金管理部49から入力された料金自動収受機入出金情報D41に基づいて演算し、料金所設備1として全体で行われた料金所通行に関する料金収受に関する処理情報を求めて管理する。
次に、第二実施形態の構成の料金所設備1の作用について説明する。
上記のような第二実施形態の料金所設備1では、料金自動収受機20が第一操作部22の下段操作部が故障等により使用できない場合、収受員は、遠隔地である料金所事務所Oから料金処理機30にて用いる紙幣や硬貨は持ち込まずに、ブース10内にやってくる。そして、収受員は、第一操作部22の下段操作部の上方に設けられた遮蔽部60を引き出して第一操作部22の下段操作部を遮蔽し、遮蔽部60に印刷された「故障中」との文字が第一走行レーンL1上を通行する利用者に見えるようにする。その後、ブース10内で収受員は料金自動収受機20の側面21bに設けられた入出金操作部51を操作して、料金自動収受機20から貨幣を引き出す。
具体的には、収受員は、第二操作部31を有する料金処理機30を使用して料金所通行の料金収受に関する処理を行うために必要な貨幣の金額と種類とを入出金操作部51の入出金操作部本体511に入力する。入出金操作部本体511に貨幣の金額と種類とが入力されると、出金する貨幣の情報が入出金貨幣制御部521と入出金出力部522とに入力される。出金する貨幣の情報が入力された入出金貨幣制御部521は、貨幣処理部242である紙幣処理部242aまたは硬貨処理部242bに対して、出金する貨幣の情報に対応する種類及び枚数の貨幣枚数を払い出すように指示を送る。指示を受けた紙幣処理部242a及び硬貨処理部242bでは、不図示の搬送路を介して出金口513に紙幣や硬貨を払い出す。入出金出力部522は、出金口513に紙幣や硬貨が払い出されると、入出金操作部本体511から入力された出金する貨幣の情報である入出金情報D4と、実際に貨幣処理部242を介して出金口513に払い出された貨幣の情報である入出金制御処理情報D40とを入出金上位入力部48に送る。収受員は、出金口513に払い出された貨幣を用いて、利用者に対してブース10内で料金処理機30の第二操作部31を操作して料金所通行の料金収受に関する処理を行う。
また、料金自動収受機20が修理されて再び使用できるようになり、収受員がブース10内から出て行く場合、収受員は料金処理機30で使用していた貨幣を料金自動収受機20に収める。
具体的には、収受員は、料金処理機30によって料金収受に関する処理を行った後で、料金処理機30に残っている貨幣を出金口513に収めて、貨幣の金額と種類とを入出金操作部本体511に入力する。入出金操作部本体511に貨幣の金額と種類とが入力されると、入金される貨幣の情報が入出金貨幣制御部521と入出金出力部522とに入力される。入金される貨幣の情報が入力された入出金貨幣制御部521は、貨幣処理部242である紙幣処理部242aまたは硬貨処理部242bに対して、入金される貨幣の情報に対応する種類及び枚数の貨幣枚数を収めるように指示を送る。指示を受けた紙幣処理部242a及び硬貨処理部242bでは、不図示の搬送路を介して出金口513に収められた紙幣や硬貨を収納する。入出金出力部522は、出金口513の紙幣や硬貨が収められると、入出金操作部本体511から入力された貨幣の情報である入出金情報D4と、実際に貨幣処理部242を介して出金口513から収納された貨幣の情報である入出金制御処理情報D40とを入出金上位入力部48に送る。
入出金上位入力部48は、入出金操作部51で入力された入金される貨幣の情報や出金する貨幣の情報である入出金情報D4と、実際に収められたまたは払い出された貨幣の情報である入出金制御処理情報D40とを入出金管理部49に入力する。
入出金管理部49は、入出金情報D4及び入出金制御処理情報D40に基づいて、料金自動収受機20において行われた入出金に関する処理情報を料金自動収受機入出金情報D41として求めて管理する。入出金管理部49は、求めた料金自動収受機20情報を上位管理部45aに出力する。
上位管理部45aは、料金自動収受機処理情報D11と、料金処理機処理情報D21と、入出金管理部49から出力された料金自動収受機入出金情報D41とに基づいて、第二操作情報D2が不正に操作されて入力された入力情報であるか否かを求めて判定する。
具体的には、上位管理部45aは、第一制御処理情報D10及び第一操作情報D1と第二制御処理情報D20及び第二操作情報D2とをまとめて演算して、料金所設備1として処理した処理情報を全体処理情報D31として求める。そして、上位管理部45aでは、この全体処理情報D31と、料金自動収受機入出金情報D41と比較する。より具体的には、上位管理部45aでは、収受員が料金処理機30の第二操作部31を操作して料金収受に関する処理を行う前に料金自動収受機20から引き出した金額と、料金処理機30によって料金収受に関する処理を行った後に料金自動収受機20に収めた金額とにずれが生じているか否かを判定することで、第二操作部31によって操作された第二操作情報D2に誤りがある否かを確認する。ずれが生じている場合には、第二操作情報D2に誤りがあるため、料金所事務所Oにいる監視員に対して収受員が第二操作部31で行った料金収受に関する処理を精査するよう上位管理部45aから上位表示部47に通知する。逆に、ずれが生じていない場合には、第二操作情報D2に誤りがないため、監視員に対して収受員が第二操作部31で行った料金収受に関する処理に問題ない旨を上位管理部45aから上位表示部47に通知する。
また、上位管理部45aは、演算して求めた全体処理情報D31及び料金自動収受機入出金情報D41を上位記憶部46に入力して、上位記憶部46に記憶させる。上位記憶部46は、記憶した全体処理情報D31を上位表示部47に出力することで、料金所から離れた料金所事務所Oにいる監視員に対して料金所設備1で処理した処理情報を通知する。
上記のような料金所設備1によれば、ブース10内で第二操作部31を有する料金処理機30を利用して収受員が料金所通行の料金収受に関する操作を行う場合、ブース10内にある料金自動収受機20から貨幣を引き出すことで、料金処理機30で使用する貨幣を確保することができる。そのため、収受員は、事前に料金所事務所Oなどのブース10から遠く離れた場所から料金処理機30で使用する貨幣を運びこむ必要がなくなる。ブース10にて処理を行う場合には、釣銭等の貨幣をブース10外へ収受員が持ち歩くことで紛失、盗難の危険性がある。しかしながら、上記料金所設備では、ブース10から遠く離れた料金所事務所Oからの移動中に貨幣を紛失してしまうリスクを低減することができる。これにより、交替時の管理者である収受員や監視者の負担をより容易に低減することができる。
また、入出金操作部51における入出金情報D4と、第一操作情報D1及び第二操作情報D2や第一制御処理情報D10及び第二制御処理情報D20をまとめて管理することで、料金所設備1として処理した内容が把握でき、収受員が操作する第二操作部31における操作内容に誤りや不正等の問題がなかったかを容易に検出することができる。
さらに、筐体21の前面21aに第一操作部22を遮蔽する遮蔽部60を有することで、料金自動収受機20が故障して使用できない場合に、第一走行レーンL1を走行する車両Cに搭乗している利用者に対して料金自動収受機20が使用できないことを容易に通知することができる。
また、ロールスクリーン式の遮蔽部60であるために、料金自動収受機20が使用可能な状態では、第一操作部22を遮蔽しない状態に容易にすることができる。これにより、利用者が料金自動収受機20を使用する場合に利便性を低下させることを防ぐことができる。
なお、第二実施形態では遮蔽部60を第一操作部22の上段操作部と下段操作部とにそれぞれ設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、第一操作部22として一つの遮蔽部60を有していて、料金自動収受機20の一部が故障した場合に、第一操作部22の全体を遮蔽して使用できないようにする構造としてもよい。
《第三実施形態》
次に、図6から図8を参照して第三実施形態の料金所設備1について説明する。
第三実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第三実施形態の料金所設備1は、第二操作部31が料金処理機30ではなく料金自動収受機20に一体に設けられている点について第一実施形態と相違する。
即ち、第三実施形態の料金所設備1は、料金処理機30に設けられた第二操作部31の代わりに、料金自動収受機20の側面21bに側面第二操作部71が設けられている。
第三実施形態の料金所設備1の料金自動収受機20は、筐体21の側面21bに配置されて料金収受に関する投入物が投入され、または、料金収受に関する発行物を発行するための第二処理口710を有する側面第二操作部71と、側面第二操作部71によって操作された情報に基づいて筐体21の内部で第一処理部24を利用して料金収受に関する処理を行う側面第二制御部72と、第二処理口710に接続されて、第一処理口220から投入物または発行物を搬送する第一搬送路81に合流される第二搬送路82と、を備えている。
側面第二操作部71は、図6に示すように、筐体21の第一走行レーンL1を通行する有人収受時の操作者である収受員側の側面21bに配置されている。即ち、側面第二操作部71は、料金自動収受機20において車両Cの進行方向に対して奥側であって、操作者である収受員と対向する側の側面21bに配置されている。側面第二操作部71は、これらの操作者によって操作された情報を不図示のセンサによって検出して側面第二操作情報D5として、側面第二制御部72や上位制御部40bに出力する。本実施形態における側面第二操作部71は、料金自動収受機20に対して料金収受に関する投入物として金銭や通行券等が投入され、または料金収受に関する発行物として通行券や領収書を発行する第二処理口710を有している。
第二処理口710は、第一操作部22の第一処理口220と同様に、紙幣が挿入または返却される側面紙幣挿入口711と、通行券が挿入される側面通行券挿入口713と、硬貨の投入を行う側面硬貨投入口714と、硬貨の受け取りを行う側面釣銭返却口715と、を有している。
側面硬貨投入口714は、筐体21の前面21aから突出する硬貨受皿を有していない点が第一操作部22の硬貨投入口220dと異なっている。
側面紙幣挿入口711や側面通行券挿入口713は、第一処理口220から投入物が投入または発行物が発行される方向に沿って、投入物を投入または発行物を発行可能となっている。具体的には、側面紙幣挿入口711を例に挙げて、説明する。
なお、本実施形態における側面紙幣挿入口711は、紙幣挿入口220aと同様に、紙幣を挿入する処理口と返却する処理口とが一体に設けられているが、この構造に限定されるものではない。例えば、前面21aに設けられる紙幣挿入口や紙幣返却口に対応させて、別々の処理口として設けられていてもよい。
図8に示すように、第一処理口220の紙幣挿入口220aは、紙幣を長方形状の短辺から挿入させて筐体21の内部に向かって紙幣処理部242aまで紙面左右方向に一直線に搬送する第一搬送路81に接続されている。
一方、第二処理口710の側面紙幣挿入口711は、第一処理口220の紙幣挿入口220aから挿入された紙幣が第一搬送路81を搬送される方向である図8の紙面左右方向に沿って、紙幣を挿入可能となっている。即ち、側面紙幣挿入口711は、紙幣を長方形状の長辺から挿入させて筐体21の内部に向かって第一搬送路81をまで合流させる第二搬送路82に接続されている。
第二搬送路82は、筐体21の内部で第一搬送路81と水平面上で交差するように形成されており、第二処理口710から挿入された紙幣等の投入物や発行物を第一搬送路81まで搬送する。第二搬送路82は、第一搬送路81に合流後に紙幣の向きを変更する必要が無いように、第一搬送路81を搬送される紙幣等の投入物または発行物に対して90度回転した向きで投入物や発行物を搬送する。
図7に示すように、側面第二制御部72は、側面第二操作部71の第二処理口710に設けられた不図示のセンサが投入される投入物や発行される発行物を検出することで、検出した第二処理口710に対応する第一処理部24に対して料金所通行の料金収受に関する制御処理を行う。側面第二制御部72は、制御処理した情報を側面第二制御処理情報D50として上位制御部40bに出力する。本実施形態の第二制御部32は、挿入された通行券に基づいて制御処理を行う側面通行券制御部721と、投入された貨幣に基づいて制御処理を行う側面貨幣制御部722と、側面通行券制御部721や側面貨幣制御部722によって行われた制御情報や側面第二操作部71の側面第二操作情報D5が入力される側面第二出力部723とを有している。
側面通行券制御部721は、第二操作部31において側面通行券挿入口713に通行券が挿入されたことを検出することで、料金収受に関する処理として通行券の磁気情報を読み取るように第一処理部24の通行券処理部241に対して指示する信号を出力する。また、側面通行券制御部721は、通行券処理部241が通行券から読み取った磁気情報が入力されると、この磁気情報から車種情報や通行距離に関する情報を取得する。側面通行券制御部721は、取得したこれらの情報に基づいて利用者が料金所を通行するために支払うべき料金を料金情報として算出する。側面通行券制御部721は、取得した車種情報や算出した料金情報を制御情報として側面第二出力部723に対して出力する。
側面貨幣制御部722は、第二操作部31において側面紙幣挿入口711に紙幣が挿入されたり、側面硬貨投入口714に硬貨が投入されたりすることを検出することで、料金収受に関する処理として貨幣の種類に応じて枚数を計数するように第一処理部24の貨幣処理部242に対して指示を送る。側面貨幣制御部722は、貨幣処理部242によって処理された貨幣の情報に基づいて、利用者によって投入された貨幣の金額を金額情報として算出する。側面貨幣制御部722は、この算出した金額情報と先の側面通行券制御部721において算出した料金との差額に基づき、釣銭がある場合に釣銭用の紙幣や硬貨を払い出すように再び貨幣処理部242に対して指示を送る。側面貨幣制御部722は、算出した金額情報を側面第二出力部723に対して出力する。
側面第二出力部723は、入力される各種情報を上位制御部40bに出力するとともに、筐体21の前面21aに設けられた側面料金表示部73に信号を出力して操作者に対して料金所通行に関する料金等の情報を表示する。側面第二出力部723は、側面第二操作部71での操作によって料金自動収受機20において行われた料金収受に関する処理の処理情報である側面第二制御処理情報D50と、側面第二操作部71の側面第二操作情報D5とを上位制御部40bに出力する。具体的には、本実施形態における側面第二出力部723は、入力される各種情報のうち、側面通行券制御部721で取得した車種情報や算出した料金情報と、側面貨幣制御部722で算出した貨幣の金額情報とを側面第二制御処理情報D50として上位制御部40bに出力する。
次に、第三実施形態の構成の料金所設備1の作用について説明する。
上記のような第三実施形態の料金所設備1は、料金自動収受機20が使用可能な状態の場合には、第一実施形態と同様処理が行われる。
一方、料金自動収受機20が故障等により使用できない場合、収受員は、遠隔地である料金所事務所Oから、紙幣や硬貨は持ち込まずにブース10内にやってくる。そして、収受員は第一操作部22の上段操作部及び下段操作部の使用できない側に設けられた遮蔽部60を引き出して遮蔽し、遮蔽部60に印刷された「故障中」との文字が第一走行レーンL1上を通行する車両Cの利用者に見えるようにする。その後、ブース10内で側面第二操作部71を利用して、料金所通行の料金収受に関する処理を利用者に対して行う。第一走行レーンL1上を通行する車両Cはブース10の開口部11の前方に停車し車両Cの運転手等の利用者により、通行券がブース10内の収受員に手渡される。収受員は、通行券を受け取ると、通行券を側面通行券挿入口713に挿入する。側面通行券挿入口713に通行券が挿入されると、側面第二操作部71である側面通行券挿入口713に設けられた不図示のセンサが通行券の挿入を検出する。側面第二操作部71は、通行券が挿入されたことを検出した情報である側面第二操作情報D5を側面第二制御部72の側面通行券制御部721及び側面第二出力部723に送る。
側面第二操作情報D5を受け付けた側面通行券制御部721は、第一処理部24の通行券処理部241に対して通行券の磁気情報を読み取るように指示を送る。指示を受けた通行券処理部241は、第二搬送路82を介して通行券を筐体21の内部に引き込む。そして、通行券は、筐体21の内部で第二搬送路82から合流する第一搬送路81に受け渡されて、通行券処理部241に通行券が搬送される。通行券処理部241は、通行券の磁気情報を読み取り、読み取った磁気情報を側面通行券制御部721に出力する。磁気情報を受け付けた側面通行券制御部721は、磁気情報から利用者の車両Cの車種情報や利用者の車両Cが通行してきた通行距離に関する情報を取得する。
そして、側面通行券制御部721は、取得した車種情報や通行距離に関する情報に基づいて、利用者が料金所を通行するために支払うべき料金の料金情報を算出する。取得した車種情報や算出した料金情報は、側面通行券制御部721から側面第二出力部723に送られる。側面第二出力部723は、入力された料金情報を側面料金表示部73に送り、収受員や利用者に対して表示して通知する。
通知を確認した収受員は利用者に対して、料金情報を伝えて利用者から料金所を通行するための紙幣や硬貨を受け取る。収受員は、側面紙幣挿入口711に紙幣または側面硬貨投入口714に硬貨を投入する。側面紙幣挿入口711に紙幣が挿入されると、側面紙幣挿入口711に設けられた不図示のセンサが紙幣の挿入を検出し、側面貨幣制御部722及び側面第二出力部723にこの情報を送る。同様に、側面硬貨投入口714に硬貨が投入されると、側面硬貨投入口714に設けられた不図示のセンサが硬貨の投入を検出する。側面第二操作部71は、紙幣または硬貨を検出した情報である側面第二操作情報D5を側面貨幣制御部722及び側面第二出力部723に送る。
側面第二操作情報D5を受け付けた側面貨幣制御部722は、第一処理部24の紙幣処理部242aまたは硬貨処理部242bに対して貨幣の種類に応じて枚数を計数するように指示を送る。指示を受けた紙幣処理部242aは、第二搬送路82を介して紙幣を筐体21の内部に引き込む。そして、筐体21の内部で第二搬送路82と合流する第一搬送路81に通行券が受け渡されて、紙幣処理部242aに紙幣が搬送される。紙幣処理部242aは、紙幣の種類ごとの枚数を計数して、取得した枚数や種類である紙幣の情報を側面貨幣制御部722へ出力する。同様に、指示を受けた硬貨処理部242bは、投入された硬貨の種類ごとに枚数を計数して、取得した枚数や種類である硬貨の情報を側面貨幣制御部722へ出力する。紙幣の情報や硬貨の情報を受け付けた側面貨幣制御部722は、利用者の代わりに収受員によって投入された紙幣と硬貨の合計金額を金額情報として算出する。
そして、側面貨幣制御部722は、算出した金額情報と通行券の磁気情報より算出した料金情報とを比較して、差額が生じる場合には、釣銭用の紙幣や硬貨を払い出すように紙幣処理部242aや硬貨処理部242bに必要に応じて指示を送る。指示を受けた紙幣処理部242aや硬貨処理部242bは、収受員に対して釣銭として貨幣を返却する。また、算出した金額情報は、側面貨幣制御部722から側面第二出力部723に送られる。側面第二出力部723は、入力された金額情報を側面料金表示部73に送り、収受員に対して表示して通知する。
収受員による料金自動収受機20の操作が終わると、側面第二出力部723は、側面第二操作部71から入力された側面第二操作情報D5及び通行券制御部231や貨幣制御部232から入力された料金情報や金額情報である側面第二制御処理情報D50を料金所設備1から離れた料金所事務所Oにある上位制御部40bの第二上位入力部42bに送る。第二上位入力部42bは、受け付けた側面第二操作情報D5及び側面第二制御処理情報D50を第二管理部44bに入力する。第二管理部44bは、側面第二操作情報D5や側面第二制御処理情報D50に基づいて、料金自動収受機20を用いて収受員により行われた料金所通行の料金収受に関する処理情報を側面料金自動収受機処理情報D51として求める。第二管理部44bは、求めた側面料金自動収受機処理情報D51を上位管理部45bに出力する。
上位管理部45bは、第一管理部43から出力された料金自動収受機処理情報D11と、第二管理部44bから出力された側面料金自動収受機処理情報D51とに基づいて、料金所設備1として全体で行われた料金所通行の料金収受に関する処理情報を求める。具体的には、上位管理部45bは、料金自動収受機20の前面21aの第一操作部22で処理された車両Cの車種情報や料金情報や第一操作情報D1と、料金自動収受機20の側面第二操作部71で処理された車両Cの車種情報や料金情報や第二操作情報D2とをまとめて演算して、料金自動収受機20全体として処理した処理情報を料金所設備1全体と処理した情報である全体処理情報D32として求める。上位管理部45bは、演算して求めた全体処理情報D32を上位記憶部46に入力して、上位記憶部46に記憶させる。上位記憶部46は、記憶した全体処理情報D32を上位表示部47に出力することで、料金所から離れた料金所事務所Oにいる監視員に対して料金所設備1で処理した処理情報を通知する。
上記のような料金所設備1によれば、第二操作部31が料金機械である料金自動収受機20の側面21bに配置されていることで、第一操作部22が設けられている料金自動収受機20を共用することができる。即ち、第二操作部31を有する別の機械を準備する必要が無くなり、料金自動収受機20を利用することができるため、収受員は事前に料金所事務所Oなどのブース10から遠く離れた場所から料金処理機30で使用する貨幣を運びこむ必要がなくなる。ブース10にて処理を行う場合には、釣銭等の貨幣をブース10外へ収受員が持ち歩くことで紛失、盗難の危険性がある。しかしながら、上記料金所設備では、ブース10から遠く離れた料金所事務所Oからの移動中に貨幣を紛失してしまうリスクを低減することができる。これにより、交替時の管理者である収受員や監視者の負担をより容易に低減することができる。
また、第二操作部31を設けるために、料金処理機30との別の装置を設置する必要がなくなり、設置費用の軽減や設置スペースの縮小を図ることができる。
また、料金自動収受機20の筐体21の側面21bに配置された第二操作部31を収受員は操作しているため、筐体21の前面21aに設けられている第一操作部22も手を伸ばすだけでブース10内から出ることなく収受員が利用することができる。したがって、クレジットカードや領収書等の利用頻度の低い投入物や発行物のための処理口を第二処理口710としてわざわざ設けなくとも、第一処理口220として設けられているカード挿入口220fや領収書発行口220gを利用することで、利用者に対して料金収受に関する処理を行うことができる。これにより、筐体21の側面21bに第二操作部31を設ける設置負担を低減することができる。
さらに、第二操作部31の第二処理口710から投入される投入物や発行される発行物の投入または発行される方向が、第一搬送路81を搬送される方向に沿っていることで、投入物や発行物を第一搬送路81に第二搬送路82を介して向きを変更させることなく容易に合流させることができる。例えば、本実施形態において紙幣を処理する場合、第二処理口710である側面紙幣挿入口711では、筐体21の前面21aに向けられた第一処理口220から挿入される向きに対して90度水平回転させて向きで紙幣が挿入される。そのため、第一搬送路81に合流する第二搬送路82を側面紙幣挿入口711に接続させることで、第一搬送路81を利用して紙幣処理部242aを容易に共通使用することができる。したがって、複雑な搬送経路を形成しなくとも、第一処理部24を容易に共用化することができる。これにより、筐体21の側面21bに第二操作部31を設ける設置負担をより一層低減することができる。
なお、第三実施形態では筐体21の前面21aから第一操作部22を介して処理された処理情報と筐体21の側面21bから側面第二操作部71を介して処理された処理情報とを上位制御部40bでまとめて管理したがこれに限定されるものではない。例えば、料金自動収受機20における処理情報として第一操作部22及び側面第二操作部71を介して処理された処理情報をまとめてから、上位制御部40bに出力してもよい。
また、第三実施形態では側面第二操作部71としてカード挿入口220fや領収書発行口220gに対応する第二処理口710を設けていないが、これに限定されるものではない。即ち、第二処理口710として側面21bカード処理口や側面21b領収書発行口220gを有していてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
なお、第一操作部22や第二操作部31の組み合わせは、第一実施形態から第三実施形態までの組み合わせに限定されるものではない。例えば、第二実施形態の入出金操作部51が第三実施形態の側面第二操作部71とともに設けられていてもよく、第三実施形態の側面第二操作部71が第一実施形態の第二操作部31を有する料金処理機30とともに設けられていてもよい。
さらに、入出金操作部51や側面第二操作部71は、一般的に料金自動収受機20に設けられており、収受員が利用者に呼び出された場合等に料金自動収受機20を操作するために用いられる簡易監視盤と一体とされていてもよく、別に設けられていてもよい。
また、第一制御処理情報D10や第二制御処理情報D20は、本実施形態のように、料金自動収受機20や料金処理機30などのブース10内での情報に限定されるものではない。即ち、車種判別装置等の外部の装置から入力される情報に基づいて処理した情報であってもよい。
さらに、料金機械として本実施形態では料金自動収受機20としたが、これに限定されるものではない。例えば、有料道路の入口料金所や駐車場に設けられる発券機であってもよい。