JP6475948B2 - 接合体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は接合体に関する。また、本発明は接合体の製造方法に関する。
物品の接合に接着剤が多用されていることは周知であり、その用途は多岐に亘る。例えば、自動車、航空機等の車両関係、屋根、壁、床等の建造物関係、更には電気機器、事務機器、家庭用品等に用いられる接着剤に至るまで広範囲な用途が知られている。中でも構造用接着剤は産業上の利用分野が広がっている。
接着剤は異種材料の接合に利用されることも多いが、このときに問題となるが、材料間の線膨張係数の相違である。線膨張係数が異なる異種材料を接合すると、線膨張係数の違いによる応力のために、経時劣化によって接着力が低下し、接合面が剥がれやすくなる。このため、異種材料の接着において、各材料が持つ線膨張係数差に起因する応力を分散することは極めて重要な因子である。
特開2005−298638号公報(特許文献1)には、接着剤の硬化収縮による初期ずれを低減しつつ、硬化時に蓄積される内部応力を低減し、接着物の時間の経過によって生じる位置ずれを少なくすることができる接着方法として、エネルギー線を接着層の一部に照射し、当該照射部を走査して接着層全体を順次硬化する方法が開示されている。
特開2007−237680号公報(特許文献2)には、外部からの衝撃に対するエネルギー分散を考慮して、物性の異なる複数の接着剤を基材との接着表面において並列になるように塗布することにより、異なる領域で塗り分けることで、基材間の接着力を維持しつつ、耐衝撃性能を向上させる方法が開示されている。
特開2005−298638号公報 特開2007−237680号公報
特許文献1に記載の技術は接着剤の内部応力を低減することを狙っているが、エネルギー線を所定の走査経路に従って正確に照射する必要があり、装置構成が複雑でありコスト高となる。また、当該技術は接着剤の硬化収縮によって生じる内部応力を低減できるものの、異種材料間の線膨張係数の差に起因する応力を低減することを目的とするものではない。
特許文献2に記載の技術では、複数種類の接着剤を塗り分ける操作が必要である。また、異なる種類の接着剤の界面領域では不連続な樹脂物性により応力分布が不均一となり、異種材料間の線膨張係数の差に起因する応力を分散することには至らないと考えられる。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、基材同士の接着力が高く、且つ、基材間の線膨張係数差に起因する応力を分散して歪みの抑制された接合体を提供することを主たる課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討したところ、基材同士を接着剤を介して接合する場合、接合面に介在する接着剤の周縁部に応力が集中しやすいことに着目した。そして、応力の集中しやすい周縁部には弾性率の低い接着剤を使用する一方で、内部には弾性率の高い接着剤を使用することが課題の解決に対して有効であることを見出した。本発明は当該知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明は一側面において、第一の基材と、第二の基材と、第一の基材及び第二の基材を連結する接着剤層とを有する接合体であって、接着剤層の弾性率及び/又はマルテンス硬さが周縁部から中心部に向かって上昇しており、接着剤層は周縁部から中心部に向かって1mm毎に弾性率を測定したとき、弾性率が毎回10〜500MPa上昇する接合体である。
また、本発明は別の一側面において、第一の基材と、第二の基材と、第一の基材及び第二の基材を連結する接着剤層とを有する接合体であって、接着剤層の弾性率及び/又はマルテンス硬さが周縁部から中心部に向かって上昇しており、接着剤層は周縁部から中心部に向かって1cm毎にマルテンス硬さを測定したとき、マルテンス硬さが毎回1〜10N/mm 2 上昇する接合体である。
本発明に係る接合体の一実施形態においては、第一の基材と第二の基材が異種材料である。
本発明に係る接合体の別の一実施形態においては、接着剤層中で、弾性率の最も低い部位における弾性率に対する弾性率の最も高い部位における弾性率の比が2:1以上である。
本発明に係る接合体の更に別の一実施形態においては、接着剤層中で、弾性率の最も低い部位における23℃の弾性率が500MPa以下である。
本発明に係る接合体の更に別の一実施形態においては、接着剤層中で、弾性率の最も高い部位における23℃の弾性率が500MPa以上である。
本発明に係る接合体の更に別の一実施形態においては、接着剤層中で、マルテンス硬さの最も低い部位におけるマルテンス硬さに対するマルテンス硬さの最も高い部位におけるマルテンス硬さの比が3:1以上である。
本発明に係る接合体の更に別の一実施形態においては、接着剤層中で、マルテンス硬さの最も低い部位における23℃のマルテンス硬さが20N/mm2以下である。
本発明に係る接合体の更に別の一実施形態においては、接着剤層中で、マルテンス硬さの最も高い部位における23℃のマルテンス硬さが20N/mm2以上である。
本発明に係る接合体の更に別の一実施形態においては、接合体は車両部品である。
本発明は更に別の一側面において、第一の基材及び第二の基材を準備する工程1と、第一の基材及び/又は第二の基材上に接着剤層を積層する工程2と、第一の基材及び第二の基材を接着剤層を介して貼り合わせた後に接着剤層を硬化させる工程3とを含む接合体の製造方法であって、工程2は硬化後の接着剤層の弾性率が周縁部から中心部に向かって上昇するように接着剤層の組成を変化させて行うことを含み、接着剤層は周縁部から中心部に向かって1mm毎に弾性率を測定したとき、弾性率が毎回10〜500MPa上昇する方法である。
また、本発明は、更に別の一側面において、第一の基材及び第二の基材を準備する工程1と、第一の基材及び/又は第二の基材上に接着剤層を積層する工程2と、第一の基材及び第二の基材を接着剤層を介して貼り合わせた後に接着剤層を硬化させる工程3とを含む接合体の製造方法であって、工程2は硬化後の接着剤層の弾性率が周縁部から中心部に向かって上昇するように接着剤層の組成を変化させて行うことを含み、接着剤層は周縁部から中心部に向かって1cm毎にマルテンス硬さを測定したとき、マルテンス硬さが毎回1〜10N/mm 2 上昇する方法である。
本発明に係る接合体の製造方法の一実施形態においては、工程2は、第一液が硬化開始剤を含有し、第二液が硬化促進剤を含有し、硬化開始剤及び硬化促進剤以外の組成が、第一液と第二液で異なる二液型接着剤を第一の基材上に塗布することで行い、第一液と第二液の配合比率を変化させることで接着剤層の組成を変化させることを含む。
本発明に係る接合体の製造方法の別の一実施形態においては、工程1においては、第一の基材及び/又は第二の基材上に接着剤が渦巻き状又は入れ子状に塗布されることにより行われる。
本発明によれば、基材同士の接着力が高く、且つ、基材間の線膨張係数差に起因する応力が分散された歪みの少ない接合体を提供することができる。すなわち、接着強度が高く、かつ経時劣化の少ない接合体が得られるようになる。このため、本発明に係る接合体は線膨張係数差の大きな異種材料を接合するときに特に効果的である。
第一の基材と第二の基材を接着剤層を介して接合させた接合体の模式的な断面図である。 接着剤層の中心部を通る直線に沿って接着剤層の両周縁部から中心部までの弾性率を測定したときに、弾性率が段階的(ステップ状)に変化する場合と、連続的に変化して曲線を描く場合の例を模式的に示すグラフである。 二液型接着剤の塗布装置の構成例である。 三液型接着剤の塗布装置の構成例である。 四液型接着剤の塗布装置の構成例である。 接着剤の基材の接合面に対する塗布パターンの例である。 実施例及び比較例で作製した接合体の模式図である。 実施例1の接合体における接着距離と弾性率の関係である。 実施例2の接合体における接着距離と弾性率の関係である。 実施例3の接合体における接着距離と弾性率の関係である。 実施例4の接合体における接着距離と弾性率の関係である。 比較例1の接合体における接着距離と弾性率の関係である。 比較例2の接合体における接着距離と弾性率の関係である。 実施例1の接合体における接着距離とマルテンス硬さの関係である。 実施例2の接合体における接着距離とマルテンス硬さの関係である。 実施例3の接合体における接着距離とマルテンス硬さの関係である。 実施例4の接合体における接着距離とマルテンス硬さの関係である。 比較例1の接合体における接着距離とマルテンス硬さの関係である。 比較例2の接合体における接着距離とマルテンス硬さの関係である。
<基材>
本発明に係る接合体を構成する基材の材質としては、特に制限はないが、金属、樹脂、ガラス、セラミックス、木材及び紙が挙げられる。これらの材料の複数種類を組み合わせた複合材料やこれらの材料に別の材料を組み合わせた複合材料でもよい。
金属としては、鉄、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、及びこれらを含有する合金が挙げられる。接合体が車両関係に使用される場合には金属は冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板等の鉄合金板が典型的である。
樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、及びポリアミド樹脂が挙げられる。樹脂は例えば、不飽和ポリエステルGFRP、エポキシGFRP、ポリプロピレンGFRP、ポリアミドGFRP、不飽和ポリエステルCFRP、エポキシCFRP、ポリプロピレンCFRP、及びポリアミドCFRP等、強化繊維との複合材料として提供されることが構造用材料としては好ましい。
接着する基材の組合せは同一の材料同士でも良いが、異種材料同士とすることが、本発明の効果を発揮する上では好ましい。
<接着剤層>
接着剤層を構成する接着剤の種類としては、限定的ではないが、二液型以上の接着剤を使用することが、接着剤の組成に変化を与えながら基材上に塗布して、接着剤を塗布する場所によって硬化後の接着剤の弾性率を変化させることができるので好適である。二液型以上の接着剤としては、二液型アクリル系、三液型アクリル系、四液型アクリル系、二液型エポキシ系、三液型エポキシ系、四液型エポキシ系、二液型ウレタン系、三液型ウレタン系、四液型ウレタン系、二液型シリコーン系、三液型シリコーン系、四液型シリコーン系が挙げられる。これらの中でも、常温で、速やかに硬化することの理由によりアクリル系の二液型以上の接着剤が好ましい。
また、接着剤は硬化反応の種類によって熱硬化型と光硬化型に大別され、本発明には何れの硬化反応型の接着剤を使用することも可能である。ただし、光硬化型接着剤は光を透過しにくい基材同士を接合する場合には使用しにくいことから、熱硬化型が、汎用性が高いので好ましい。また、熱硬化型の接着剤のうち、加熱を必要とする接着剤の場合には、適用できない基材もある。そこで、熱硬化型の接着剤の中でも常温硬化型の接着剤を利用することが適用範囲が広く好ましい。
二液型接着剤の例としては、第一液が硬化開始剤を含有し、第二液が硬化促進剤を含有し、硬化開始剤及び硬化促進剤以外の組成(重合性モノマー及びエラストマー成分等)が、第一液と第二液で異なる二液型接着剤が挙げられる。このような接着剤を使用する場合、第一液と第二液の配合比率を変化させながら基材上に塗布することで、接着剤層の組成を変化させて、弾性率に変化を与えることができるようになる。
三液型接着剤の例としては、第一液は硬化開始剤であり、第二液及び第三液は同じ種類及び含有量の硬化促進剤を含有し、硬化促進剤以外の組成(重合性モノマー及びエラストマー成分等)が第二液と第三液で異なる三液型接着剤が挙げられる。このような接着剤を使用する場合、第二液と第三液の配合比率を変化させながら基材上に塗布することで、接着剤層の組成を変化させることができ、弾性率に変化を与えることができるようになる。また、硬化剤の種類及び含有量が同一であるため、硬化時間もほぼ一定となる。
四液型接着剤の例としては、第一液及び第三液は同じ種類及び含有量の硬化開始剤を含有し、第二液及び第四液は同じ種類及び含有量の硬化促進剤を含有し、硬化開始剤及び硬化促進剤以外の組成(重合性モノマー及びエラストマー成分等)は、第一液と第二液が同じ組成であり、第三液と第四液が同じ組成であるが第一液及び第三液とは異なる組成である四液型接着剤が挙げられる。このような接着剤を使用する場合、硬化開始剤を含有する第一液及び第三液の配合比を変化させること、並びに第二液及び第四液の配合比を変化させることで接着剤層の組成を変化させることができ、弾性率に変化を与えることができるようになる。また、第一液及び第三液の合計吐出流量と、第二液及び第四液の合計吐出流量をそれぞれ一定にしながら、第一液及び第三液の配合比、並びに、第二液及び第四液の配合比を変化させることとで、硬化時間を一定にしながら接着剤層の組成に変化を与えて弾性率を変化させることができる。
硬化開始剤としては、限定的ではないが、硬化促進剤と化学反応により、ラジカルを発生する有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。これらの中では、安定性の点で、クメンハイドロパーオキサイドが好ましい。
硬化促進剤としては、前記硬化開始剤と反応し、ラジカルを発生する公知の硬化促進剤であれば使用できる。代表的な硬化促進剤としては例えば、第3級アミン、チオ尿素誘導体及び遷移金属塩等が挙げられる。第3級アミンとしては例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。チオ尿素誘導体としては例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、メチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素及びエチレンチオ尿素等が挙げられる。遷移金属塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅及びバナジルアセチルアセトネート等が挙げられる。これらの中では、安定性の点で、バナジルアセチルアセトネートが好ましい。
本発明に係る接合体においては、接着剤層の弾性率が周縁部から中心部に向かって上昇するという特徴を有する。図1には、第一の基材11と第二の基材12を接着剤層13を介して接合させた接合体の断面図を模式的に示している。異種材料を接合する場合、最も応力が集中しやすいのは接着剤層13の周縁部14である。本発明においては、当該周縁部14における接着剤層13の弾性率を低くすることで異種材料間の線膨張係数差に起因する応力を分散させることを狙っている。これにより、接着力の経時劣化が生じにくくなるため、耐久性に優れた接合体10を得ることが可能となる。また、基材11、12が薄い場合は応力が周縁部14に集中すると接合体10が歪むという問題が生じるが、当該応力が分散することで、基材11、12の歪みが抑制されるという視覚的な効果も得られる。
従って、本発明に係る接合体においては、硬化後の接着剤層中で弾性率の最も低い部位は周縁部となる。当該周縁部における23℃での弾性率は応力分散効果を有意に発揮する観点から、好ましくは500MPa以下であり、より好ましくは100MPa以下であり、更により好ましくは20MPa以下である。このように低弾性率の接着剤を使用することは、低温耐衝撃性を確保する上でも好ましい。また、当該周縁部14における弾性率は端部の接着強度の観点から、好ましくは0.1MPa以上であり、より好ましくは5MPa以上であり、更により好ましくは10MPa以上である。
但し、接着剤層全体の弾性率が低いと接着剤層が全体的に柔らかくなり、初期の接着力が小さくなってしまう。また、接合体の形態安定性が低下する。そこで、本発明においては、接着剤層13の弾性率を中心部15に向かって上昇させている。接着剤層13の中心部15に向かって弾性率が高くなることで、周縁部14における弾性率の小さな接着剤による利点を活かしながら、初期の接着力を確保することが可能となる。
従って、本発明に係る接合体においては、硬化後の接着剤層中で弾性率の最も高い部位は中心部となる。当該中心部における23℃での弾性率は初期接着力を充分に発揮する観点から、好ましくは500MPa以上であり、より好ましくは1000MPa以上であり、更により好ましくは1500MPa以上である。また、当該中心部における弾性率は周縁部の弾性率比の観点から、好ましくは3000MPa以下であり、より好ましくは2000MPa以下であり、更により好ましくは1000MPa以下である。
また、硬化後の接着剤層中で、弾性率の最も低い部位(周縁部)における23℃での弾性率に対する弾性率の最も高い部位(中心部)における23℃での弾性率の比は、応力分散効果と初期接着力の確保の両立を図る観点からは、2:1以上とすることが好ましく、10:1以上とするのがより好ましく、100:1以上とするのが更により好ましく、例えば2:1〜200:1とすることができる。
接着剤層の弾性率が周縁部から中心部に向かって上昇するに当たって、弾性率の変化は連続的でも段階的でも構わないが、連続的に変化するほうが好ましい。また、段階的に変化する場合には一段毎の差が小さいことが好ましい。一段毎の変化が大きいと応力を充分に分散することができなくなるためである。図2に、接着剤層の中心部を通る直線に沿って接着剤層の両周縁部から中心部までの弾性率を測定したときに、弾性率が段階的(ステップ状)に変化する場合と、連続的に変化して曲線を描く場合の例を模式的に示す。連続的に変化する場合には、図示するように、上に凸な関数を描く曲線であることが好ましい。
具体的には、硬化後の接着剤層は周縁部から中心部に向かって1mm毎に弾性率を測定したとき、23℃での弾性率の毎回の上昇幅が500MPa以下であることが好ましく、100MPa以下であることがより好ましく、例えば10〜500MPaである。
自動車の車体などの構造体における接着剤に要求される特性として、低温耐衝撃性と高温強度という、相反する樹脂物性も必要となってきているが、本発明に係る接合体において、先述したように周縁部の弾性率を低くすることで低温耐衝撃性を有することができる。更に、接着剤層中で、弾性率の最も高い部位である中心部に使用する接着剤として高温下での弾性率が高い接着剤を使用すると、高温強度も確保することが可能となる。具体的には80℃での弾性率を500MPa以上とすることが好ましく、800MPa以上とすることがより好ましく、1000MPa以上とすることが更により好ましい。
硬化後の接着剤の弾性率は例えば以下の方法で制御することができる。弾性率はガラス転移温度と相関があるため、高弾性率の接着剤を得るには高いガラス転移温度(Tg)をもつ接着剤を使用するという方法が挙げられる。ガラス転移温度は重合性モノマーの種類を変えることで制御可能であり、高いガラス転移温度をもつ接着剤を望む場合はホモポリマーTgの高い重合性モノマーを使用し、低いガラス転移温度をもつ接着剤を望む場合はホモポリマーTgの低い重合性モノマーを使用すればよい。
接着剤層中の弾性率はマルテンス硬さと相関があることから、上述した本発明に係る接合体の特徴をマルテンス硬さによって規定することも可能である。硬化後の接着剤層中でマルテンス硬さの最も低い部位は、弾性率と同様に、周縁部となる。当該周縁部における23℃でのマルテンス硬さは応力分散効果を有意に発揮する観点から、好ましくは20N/mm2以下であり、より好ましくは10N/mm2以下であり、更により好ましくは5N/mm2以下である。このように低弾性率の接着剤を使用することは、低温耐衝撃性を確保する上でも好ましい。
但し、接着剤層全体のマルテンス硬さが低いと接着剤層が全体的に柔らかくなり、初期の接着力が小さくなってしまう。また、接合体の形態安定性が低下する。そこで、本発明においては、接着剤層13のマルテンス硬さを中心部15に向かって上昇させている。接着剤層13の中心部15に向かってマルテンス硬さが高くなることで、周縁部14におけるマルテンス硬さの小さな接着剤による利点を活かしながら、初期の接着力を確保することが可能となる。
従って、本発明に係る接合体においては、硬化後の接着剤層中でマルテンス硬さの最も高い部位は中心部となる。当該中心部における23℃でのマルテンス硬さは初期接着力を充分に発揮する観点から、好ましくは18N/mm2以上であり、より好ましくは30N/mm2以上であり、更により好ましくは40N/mm2以上である。
また、硬化後の接着剤層中で、マルテンス硬さの最も低い部位(周縁部)におけるマルテンス硬さに対するマルテンス硬さの最も高い部位(中心部)における23℃でのマルテンス硬さの比は、応力分散効果と初期接着力の確保の両立を図る観点からは、2:1以上とすることが好ましく、3:1以上とすることがより好ましく、5:1以上とするのがより好ましく、50:1以上とするのがより好ましく、100:1以上とするのが更により好ましく、例えば、2:1〜100:1とすることができる。
また、弾性率と同様の理由により、硬化後の接着剤層は周縁部から中心部に向かって1mm毎にマルテンス硬さを測定したとき、23℃でのマルテンス硬さの毎回の上昇幅が15N/mm2以下であることが好ましく、10N/mm2以下であることがより好ましく、例えば1〜10N/mm2である。
<接合体>
本発明に係る接合体は、限定的ではないが、自動車、鉄道、船舶及び航空機等の輸送機、屋根、壁、建具及び床等の建材、更には電気・電子機器、事務機器及び家庭用品に至るまで幅広い構造体に適用可能である。これらのうち、特に構造用接着剤が使用された接着箇所をもつ接合体に好適に適用可能である。従って、本発明に係る接合体は、自動車や鉄道の車体といった車両部品、船舶の船体部品、航空機の機体部品、建造物の部品、電気・電子機器の部品、事務機器の部品、又は家庭用品の部品として提供され得る。
<接合体の製造方法>
本発明に係る接合体の製造方法の一実施形態においては、第一の基材及び第二の基材を準備する工程1と、第一の基材及び/又は第二の基材上に接着剤層を積層する工程2と、第一の基材及び第二の基材を接着剤層を介して貼り合わせた後に接着剤層を硬化させる工程3とを含む。本発明に係る接合体を製造する上では、工程2において、硬化後の接着剤層の弾性率が周縁部から中心部に向かって上昇するように接着剤層の組成を変化させて行うことが肝要である。
接着剤層を積層するのは、第一の基材及び第二の基材の何れか一方の接合面でもよいし、両方の接合面でもよいが、接着膜厚の制御や塗布形状の維持の理由により、何れか一方の接合面とするのが好ましい。接着剤層の組成を変化させる方法としては、組成の異なる接着剤を複数種類準備し、接着剤を塗布する場所に応じて接着剤の種類を変化させる方法が挙げられる。また、接着剤の組成を連続的に変化させることができるように、図3に記載のような接着剤の混合機構をもつ接着剤の塗布装置30を使用してもよい。当該塗布装置30は、接着剤成分を収容するための二つのシリンジ31と、各シリンジ31からの吐出流量を制御するためのピストン34と、ピストン34の動作を制御するためのモータ35及びスピコン36と、二つのシリンジ31から吐出された接着剤成分を混合するためのスタティックミキサー32を備える。シリンジ31の数は図3においては二つであるが、必要に応じて三つ以上に増やすことも可能である。また、スタティックミキサー32とシリンダー31の間に逆止弁(図示せず)を適宜設置してもよい。
図3に示す塗布装置30の使用方法について、二液主剤型接着剤(例:アクリル系接着剤)を使用する場合を例にとって説明すると、当該二液主剤型接着剤は第一液が硬化開始剤、重合性モノマー(例:アクリルモノマー)、エラストマー及びその他安定剤等を含有し、第二液が硬化促進剤、重合性モノマー(例:アクリルモノマー)、エラストマー及びその他安定剤等を含有する。第一液及び第二液はそれぞれ独立のシリンジ31に封入されている。第一液と第二液の違いは、硬化開始剤及び硬化促進剤以外の組成が異なる点である。例えば、第一液は硬化後に高い弾性率を示す重合性モノマー及びエラストマーを含有し、第二液は硬化後に低い弾性率を示す重合性モノマー及びエラストマーを含有する。
上記の二液型接着剤を第一の基材及び/又は第二の基材上に塗布する際に、第一液と第二液の配合比率を変化させることで接着剤層の組成を変化させること、すなわち硬化後の弾性率を変化させることが可能となる。例えば、基材の周縁部には、硬化後に低い弾性率を示す重合性モノマー及びエラストマーを含有する第二液の配合比を高くして塗布し、基材の中心部には、硬化後に高い弾性率を示す重合性モノマー及びエラストマーを含有する第一液の配合比を高くして塗布する方法が挙げられる。これは、第一液用のシリンジのピストンの押し込み速度と第二液用のピストンの押し込み速度をそれぞれスピコンによって制御し、第一液及び第二液の吐出流量を制御することで可能である。この際、第一液と第二液の配合比を急激に変化させるのではなく、接着剤層の周縁部から中心部に近づくにつれて徐々に配合比を変化させることで、周縁部に集中しやすい応力を分散させる効果が高くなる。
但し、上記方法だと硬化開始剤を含有する第一液の配合比が高いときは硬化が早くなる一方で、第一液の配合比が低いときは硬化が遅くなるため、硬化時間が接着剤層の場所によって変化することで基材同士を接合できない場所が生じ得る。そこで、硬化時間を一定にするために、三液型接着剤を使用する方法がある。当該方法においては、第一液は硬化開始剤であり、第二液及び第三液は同じ硬化促進剤を含有し、硬化促進剤以外の組成(重合性モノマー及びエラストマー成分等)が第二液と第三液で異なる三液型接着剤を使用可能である。シリンジの数を三つに増やした場合の塗布装置の模式図を図4に示す。
当該塗布装置40は、接着剤成分を収容するための三つのシリンジ41と、各シリンジ41からの吐出量を制御するためのピストン44と、ピストン44の動作を制御するためのモータ45及びスピコン46と、三つのシリンジ41から吐出された接着剤成分を混合するためのスタティックミキサー42を備える。スタティックミキサー42とシリンジ41の間に逆止弁(図示せず)を適宜設置してもよい。
当該塗布装置40を使用して、上述した三液型接着剤を用いて、第一液を一定の吐出流量で吐出させながら、第二液と第三液を合計の吐出流量が一定となるように変化させながら吐出することで、接着剤の組成に変化を与えながら硬化時間を一定に制御することが可能である。
更に、図5に示すような塗布装置50を使用して、四液型接着剤を使用することも可能である。当該塗布装置50は、接着剤成分を収容するための複数のシリンジ51と、各シリンジ51からの吐出量を制御するためのピストン54と、ピストン54の動作を制御するためのモータ55及びスピコン56と、複数のシリンジ51から吐出された接着剤成分を混合するための第一スタティックミキサー52を備える。そして、第一スタティックミキサー52は複数存在し、それぞれの第一スタティックミキサー52から吐出された接着剤成分を混合するための第二スタティックミキサー53を更に備える。図5においては、シリンジ51の数は一つの第一スタティックミキサーに対して二つであるが、必要に応じて三つ以上に増やすことも可能である。図5においては、第一スタティックミキサー52の数は二つであるが、必要に応じて三つ以上に増やすことも可能である。また、第一スタティックミキサー52とシリンジ51の間、及び/又は、第二スタティックミキサー53と第一スタティックミキサー52の間に逆止弁(図示せず)を適宜設置してもよい。
図5に示す塗布装置を使用可能な四液型接着剤の例としては、第一液及び第三液は同じ硬化開始剤を含有し、第二液及び第四液は同じ硬化促進剤を含有し、硬化開始剤及び硬化促進剤以外の組成(重合性モノマー及びエラストマー成分等)は、第一液と第二液が同じ組成であり、第三液と第四液が同じ組成であるが第一液及び第三液とは異なる組成である四液型接着剤が挙げられる。このような接着剤を使用する場合、硬化開始剤を含有する第一液及び第三液の配合比を変化させること、並びに第二液及び第四液の配合比を変化させることで接着剤層の組成を変化させることができ、弾性率に変化を与えることができるようになる。また、第一液及び第三液の合計吐出流量と、第二液及び第四液の合計吐出流量をそれぞれ一定にしながら、第一液及び第三液の配合比、並びに、第二液及び第四液の配合比を変化させることとで、硬化時間を一定にしながら接着剤層の組成に変化を与えて弾性率を変化させることができる。
限定的ではないが、基材上へ接着剤を塗布して接着剤層を形成する際の塗布パターンの例を図6(a)及び(b)に示す。図6(a)には、基材62上に接着剤61を渦巻き状に塗布する場合の塗布パターンが描かれている。ここでは、接着剤層の周縁部において硬化後の弾性率が低くなる接着剤を塗布し、接着剤層の中心部に行くに従って硬化後の弾性率が高くなる接着剤を塗布する。渦巻き状の塗布パターンを採用することによって、連続的な塗布ラインを描くことができるので、接着剤の組成も連続的に変化させることが可能となり、また、塗布を中断せずに最後まで塗布することができるため、塗布時間も節約される。
図6(b)には、基材64上に接着剤63を入れ子状(又は重心が同一である複数の環状塗布ライン)に塗布する場合の塗布パターンが描かれている。ここでは、硬化後の弾性率が低くなる接着剤を基材の外周に沿って枠状に塗布し、次いで外周の塗布ラインに沿ってその内側に枠状に塗布し、これを繰り返すことで、接着剤層の中心部に行くに従って硬化後の弾性率が高くなる接着剤を入れ子状に塗布する。周縁部から中心部に向かって寸法が小さくなる入れ子状の塗布パターンを採用する場合、例えば枠毎に定められた接着剤を使用することができ、複雑な流量制御が不要となるという利点がある。
図6においては、塗布パターンは四角形状であるが、基材の接合面の形状に合わせて任意の塗布パターンとすることができる。例えば、他の多角形状(三角形、五角形、六角形等)、曲線状(円形状、楕円形状等)とすることも可能である。
第一の基材及び/又は第二の基材上に接着剤層を積層した後は、第一の基材と第二の基材を貼り合わせて、接着剤層を硬化させる。硬化手段は接着剤層を構成する接着剤の硬化反応型によって適宜条件設定すればよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、種々のバリエーションが可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
2液主剤型接着剤としては、以下のものを使用した。
(1)商品名「G-58K-15 A/B」(電気化学工業社製):
A剤はクメンハイドロパーオキサイド含有し、B剤はバナジルアセチルアセトナートを含有する。
硬化後の弾性率:1500〜2000MPa
(2)商品名「SC−8 A/B」(電気化学工業社製(試作品)):
A剤はクメンハイドロパーオキサイドを含有し、B剤はバナジルアセチルアセトナートを含有する。
硬化後の弾性率: 1〜50MPa
(接合体の作製)
JIS K−6850に準拠した。一枚の鉄製の基材(サイズ:100×25×1.6mm)の片面にG−58K−15のA剤とSC−8のB剤を混合した接着剤を塗布し、もう一方の鉄製の基材(サイズ:100×25×1.6mm)と図7のような態様で直ちに重ね合わせて100μm程度の接着剤の厚みで貼り合わせた後、室温で24時間養生して試験用の接合体を作製した。接合面の塗布パターンは図6(b)に示すような四角形の塗布ラインを入れ子状に複数形成するパターンとなるように塗布機を用いて塗布した。この際、G−58K−15のA剤とSC−8のB剤の混合比を調節して接着剤層中の組成に変化を与えた。
(引っ張り弾性率測定)
各接合体における接着剤層中の弾性率を、図7に記載の矢印A(引っ張り方向に平行な方向で接着剤層の中心を通る線分)に沿った接着剤層の一端から他端までの10mmの間の複数箇所における接着剤の組成に基づいて測定した。具体的には、接着剤層中の測定希望部位における接着剤の組成に対応する接着剤の硬化物を別途作製し(サイズ:50×5×1mm)、これについて引っ張り弾性率を測定した。引っ張り弾性率(単位:MPa)は温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度50mm/分でJIS K−7161:1994に準拠して測定した。結果を表1及び図8〜13に示す。
(単位:MPa)
(接着剤層の硬度測定)
また、接着剤層における弾性率の変化が接着剤層における硬度に相関があることを確認するため、各接合体を引張り剪断方向へ荷重をかけて剥離後に、接着剤のマルテンス硬さを、引っ張り弾性率を求めた箇所と同一の箇所の接着剤層表面について以下の装置及び方法を用いてISO14577:2002に準拠して測定した。結果を表2及び図14〜19に示す。
装置:東陽テクニカ社製 薄膜硬度計(ナノインデンター) Nano Indenter G200(XPヘッド)
押し込み荷重:10mN
方法:10mNまでの荷重を負荷して10秒間保持したのち除荷することによって、マルテンス硬さを測定した。

(単位:N/mm2
(引っ張り剪断接着強さ(剪断強度))
試験番号に応じた条件で上述した接合体を再度作製し、引っ張り剪断接着強さ測定用試料とした。引っ張り剪断接着強さ(単位:MPa)は、温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度10mm/分で図7の引っ張り方向にJIS K−6850:1999に準拠して測定した。結果を表3に示す。
評価は以下のように行った。
◎:20MPa以上強度が発現した場合
○:10MPa以上強度が発現した場合
×:10MPa未満の強度が発現した場合
(歪み評価)
下記示す各種材料(100×25×3mm)の試験片に接着剤を塗布し、鏡面SUS(100×25×0.8mm)と直ちに重ね合わせて貼り合わせ後(接合条件は先と同様)、室温で24時間養生し、これを歪み評価試験用試料とした。評価は目視で行い、鏡面SUSの歪みの有無により判断した。結果を表3に示す。
材料:SUS、アルミ、CFRP
評価は以下のように行った。
◎:鏡面SUSに歪みが発生しなかった場合
○:鏡面SUSの接着領域の外周部のみ歪みが発生した場合
×:鏡面SUSの接着領域全体に歪みが発生した場合
自動車の車体軽量化をはじめとして複合材料同士や複合材料と金属などの異種材接合の開発が活発化している中で、接着剤に要求される特性として、低温耐衝撃性と高温強度という、相反する樹脂物性が必要であり、それを接着剤のみで解決することは極めて困難であるが、本発明による接合体又は接合体の製造方法を活用することで、接着剤の特徴をうまく組み合わせることができ、部品や場所に合わせて多数の接着剤を用意すること無く、数少ない接着剤で接合できるようになることから、産業上の有益性は大きいと考えられる。
10 接合体
11 第一の基材
12 第二の基材
13 接着剤層
14 周縁部
15 中心部
30 塗布装置
31 シリンジ
32 スタティックミキサー
34 ピストン
35 モータ
36 スピコン
40 塗布装置
41 シリンジ
42 スタティックミキサー
44 ピストン
45 モータ
46 スピコン
50 塗布装置
51 シリンジ
52 第一スタティックミキサー
53 第二スタティックミキサー
54 ピストン
55 モータ
56 スピコン
61 接着剤
62 基材
63 接着剤
64 基材
71 基材
72 基材
73 接着剤

Claims (14)

  1. 第一の基材と、第二の基材と、第一の基材及び第二の基材を連結する接着剤層とを有する接合体であって、接着剤層の弾性率及び/又はマルテンス硬さが周縁部から中心部に向かって上昇しており、接着剤層は周縁部から中心部に向かって1mm毎に弾性率を測定したとき、弾性率が毎回10〜500MPa上昇する接合体。
  2. 第一の基材と、第二の基材と、第一の基材及び第二の基材を連結する接着剤層とを有する接合体であって、接着剤層の弾性率及び/又はマルテンス硬さが周縁部から中心部に向かって上昇しており、接着剤層は周縁部から中心部に向かって1cm毎にマルテンス硬さを測定したとき、マルテンス硬さが毎回1〜10N/mm 2 上昇する接合体。
  3. 第一の基材と第二の基材が異種材料である請求項1又は2に記載の接合体。
  4. 接着剤層中で、弾性率の最も低い部位における弾性率に対する弾性率の最も高い部位における弾性率の比が2:1以上である請求項1〜3の何れか一項に記載の接合体。
  5. 接着剤層中で、弾性率の最も低い部位における23℃の弾性率が500MPa以下である請求項1〜の何れか一項に記載の接合体。
  6. 接着剤層中で、弾性率の最も高い部位における23℃の弾性率が500MPa以上である請求項1〜の何れか一項に記載の接合体。
  7. 接着剤層中で、マルテンス硬さの最も低い部位におけるマルテンス硬さに対するマルテンス硬さの最も高い部位におけるマルテンス硬さの比が3:1以上である請求項1〜6の何れか一項に記載の接合体。
  8. 接着剤層中で、マルテンス硬さの最も低い部位における23℃のマルテンス硬さが20N/mm2以下である請求項1〜7の何れか一項に記載の接合体。
  9. 接着剤層中で、マルテンス硬さの最も高い部位における23℃のマルテンス硬さが20N/mm2以上である請求項1〜8の何れか一項に記載の接合体。
  10. 車両部品である請求項1〜の何れか一項に記載の接合体。
  11. 第一の基材及び第二の基材を準備する工程1と、第一の基材及び/又は第二の基材上に接着剤層を積層する工程2と、第一の基材及び第二の基材を接着剤層を介して貼り合わせた後に接着剤層を硬化させる工程3とを含む接合体の製造方法であって、工程2は硬化後の接着剤層の弾性率が周縁部から中心部に向かって上昇するように接着剤層の組成を変化させて行うことを含み、接着剤層は周縁部から中心部に向かって1mm毎に弾性率を測定したとき、弾性率が毎回10〜500MPa上昇する方法。
  12. 第一の基材及び第二の基材を準備する工程1と、第一の基材及び/又は第二の基材上に接着剤層を積層する工程2と、第一の基材及び第二の基材を接着剤層を介して貼り合わせた後に接着剤層を硬化させる工程3とを含む接合体の製造方法であって、工程2は硬化後の接着剤層の弾性率が周縁部から中心部に向かって上昇するように接着剤層の組成を変化させて行うことを含み、接着剤層は周縁部から中心部に向かって1cm毎にマルテンス硬さを測定したとき、マルテンス硬さが毎回1〜10N/mm 2 上昇する方法。
  13. 工程2は、第一液が硬化開始剤を含有し、第二液が硬化促進剤を含有し、硬化開始剤及び硬化促進剤以外の組成が、第一液と第二液で異なる二液型接着剤を第一の基材上に塗布することで行い、第一液と第二液の配合比率を変化させることで接着剤層の組成を変化させることを含む請求項11又は12に記載の接合体の製造方法。
  14. 工程1においては、第一の基材及び/又は第二の基材上に接着剤が渦巻き状又は入れ子状に塗布されることにより行われる請求項11〜13の何れか一項に記載の接合体の製造方法。
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