JP2006068698A - 2液型接着剤の混合塗布方法および混合塗布装置並びにその接着構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ワーク同士を変形させることなく接着可能な2液型接着剤の混合塗布方法および混合塗布装置並びにその接着構造体を提供する。
【解決手段】 主剤および硬化剤を混合して接着すべきワークWに接着ビードとして塗布してワークWを接合する2液型接着剤の混合塗布方法において、接着ビードに含まれる硬化剤を接着ビードの塗布位置に応じて間歇的に混入させるようにした。
【選択図】 図4
【解決手段】 主剤および硬化剤を混合して接着すべきワークWに接着ビードとして塗布してワークWを接合する2液型接着剤の混合塗布方法において、接着ビードに含まれる硬化剤を接着ビードの塗布位置に応じて間歇的に混入させるようにした。
【選択図】 図4
Description
本発明は、2液型接着剤を混合しつつ吐出する2液型接着剤の混合塗布方法および混合塗布装置並びにその接着構造体に関するものである。
従来から主剤と硬化剤とからなる2液型接着剤を混合しつつ吐出する2液型接着剤の混合塗布装置は知られている(特許文献1、2参照)。
これらは、主剤および硬化剤を収容した原液タンクから夫々規定の量を計量しつつミキサーに供給し、ミキサーでこれら2液を混合させてノズルから接着部位に吐出し、ワーク上に塗布開始から塗布終了まで一定の割合で主剤と硬化剤とが混合された接着ビードを形成するようにしている。また、特許文献1においては、原液タンクは主剤および硬化剤を収容した変形可能な容器を夫々カートリッジに受け入れ、モータによりピストンを移動させて変形可能な容器を夫々押圧して主剤および硬化剤を押出してミキサーに供給するようにしている。
特開平9−131558号公報
実公昭59−20343号公報
しかしながら、上記従来例では、塗布開始から塗布終了まで一定の割合で主剤と硬化剤とが混合された接着ビードであるため、長い接着ビードを必要とする場合や比較的短い接着ビードであっても硬化速度が速い場合には、接着剤の塗布終了後の接着ビードによりワーク同士を接合する時点で、塗布終了部位と塗布開始部位との間で接着ビードの硬化度が異なることとなる。このため、一定の力でワーク同士を圧着させたときに、接着剤の厚みが均一とならずワークを変形させる等の不具合が発生する。また、このような不具合を解消するために、硬化剤の混合割合を減少させると、充分な即硬化特性が得られないという不具合が生ずる。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ワーク同士を変形させることなく接着可能な2液型接着剤の混合塗布方法および混合塗布装置並びにその接着構造体を提供することを目的とする。
本発明は、主剤および硬化剤を混合して接着すべきワークに接着ビードとして塗布してワークを接合する2液型接着剤の混合塗布方法において、接着ビードに含まれる硬化剤の割合を接着ビードの塗布位置に応じて間歇的に混入させるか若しくは塗布開始位置から塗布終了位置まで連続的若しくは段階的にその混合割合を増加させるよう変化させるようにした。
したがって、本発明では、接着ビードに含まれる硬化剤の割合を接着ビードの塗布位置に応じて間歇的に混入させるか若しくは塗布開始位置から塗布終了位置まで連続的若しくは段階的にその混合割合を増加させるよう変化させるため、長い寸法の接着ビードにおいても、即硬化接着剤の使用が可能となり、緩やかな接着発現性を得ることができ、ワーク同士を接着ビードを挟んで圧着させても、ワークを変形させることなく両者を接着することができる。
以下、本発明の2液混合接着剤の混合塗布方法及びその接着構造体を各実施形態に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図9は、本発明を適用した2液型接着剤の混合塗布方法及びその接着構造体の第1実施形態を示し、図1は2液型接着剤の混合塗布装置の概略構成図、図2は2液型接着剤の混合塗布装置の回路構成図、図3は接着対象の一例を示すワークの断面図、図4は主剤および硬化剤の吐出量の制御パターンの第1実施例を示す特性図、図5は図4の制御パターンによる塗布状態の接着ビードの平面図、図6は第1実施例の改良例の主剤および硬化剤の吐出量の制御パターンを示す特性図、図7は主剤および硬化剤の吐出量の制御パターンの第2実施例を示す特性図、図8は図7の制御パターンによる塗布状態の接着ビードの平面図、図9は第2実施例の改良例の主剤および硬化剤の吐出量の制御パターンを示す特性図である。
図1〜図9は、本発明を適用した2液型接着剤の混合塗布方法及びその接着構造体の第1実施形態を示し、図1は2液型接着剤の混合塗布装置の概略構成図、図2は2液型接着剤の混合塗布装置の回路構成図、図3は接着対象の一例を示すワークの断面図、図4は主剤および硬化剤の吐出量の制御パターンの第1実施例を示す特性図、図5は図4の制御パターンによる塗布状態の接着ビードの平面図、図6は第1実施例の改良例の主剤および硬化剤の吐出量の制御パターンを示す特性図、図7は主剤および硬化剤の吐出量の制御パターンの第2実施例を示す特性図、図8は図7の制御パターンによる塗布状態の接着ビードの平面図、図9は第2実施例の改良例の主剤および硬化剤の吐出量の制御パターンを示す特性図である。
図1および図2において、2液混合接着剤の混合塗布装置は、主剤および硬化剤を夫々供給する2液供給ステージS1と、2液供給ステージS1より供給された主剤および硬化剤を夫々貯留し、要求に応じて計量しつつ圧送する圧送ステージS2と、圧送ステージS2より供給された主剤および硬化剤を混合させて吐出する混合ノズル(塗布ガン)S3と、これら各ステージS1〜S3の動作を制御する混合吐出コントローラC1と、を備える。
前記2液供給ステージS1は、主剤および硬化剤を夫々貯留したペール缶10A、10Bに嵌合するピストンを押下げることによりペール缶10A、10B内に収容されている主剤および硬化剤を配管11A、11Bを介して圧送ステージS2の塗布シリンダ15A、15Bに供給可能に構成している。前記各ピストンは混合吐出コントローラC1の指令により動作するアクチュエータ12A、12Bにより押下げ可能としている。配管11A、11Bには逆止弁13A、13Bが装備され、圧送ステージS2に供給された主剤および硬化剤の圧送ステージS2から供給ステージS1への逆流を阻止するようにしている。前記主剤および硬化剤は、ペール缶10で供給され、保管される。
前記圧送ステージS2は、ホース16A、16Bを介して混合ノズルS3に連通され、2液供給ステージS1より配管11および逆止弁13を介して供給された主剤および硬化剤を夫々一時的に貯留するシリンダ15A、15Bを備える。各シリンダ15A、15Bにはピストン17A、17Bが摺動自在に嵌合し、ピストンロッド18A、18Bを介してピストン17A、17Bを摺動させるアクチュエータ19A、19Bを夫々備える。各アクチュエータ19A、19Bは混合吐出コントローラC1の指令によりピストン17A、17Bを摺動させてシリンダ15A、15B内の容積を変化可能であり、容積を拡大させることで主剤および硬化剤を2液供給ステージS1より導入すると共に容積を縮小させることで導入した主剤および硬化剤を混合ノズルS3に圧送する。
混合ノズルS3は、ホース16A、16Bを介して圧送ステージS2から供給された主剤および硬化剤を導入するマニホールド20と、マニホールド20に連なり導入した主剤および硬化剤を混合させるスタティックミキサー21とを備える。スタティックミキサー21で混合した接着剤は混合ノズルS3の先端からワーク上に吐出して塗布される。
マニホールド20には、図示しないが、開閉弁が設けられ、この開閉弁は、マニホールド20とスタティックミキサー21を内蔵した混合ノズルS3が、ハンドガンとして手動で操作される場合には、手動で開閉される。バルブの開閉信号と接着剤の吐出速度の調整信号は混合吐出コントローラC1に送信され、混合吐出コントローラC1により圧送ステージS2のアクチュエータ19A、19Bを制御する。
また、図1に示すように、マニホールド20とスタティックミキサー21を内蔵した混合ノズルS3を塗布ロボット25により把持させて塗布作業を行う場合には、ロボットアーム26先端のロボットハンドに把持させ、塗布ロボット25の制御コントローラC2により前記開閉弁を開閉制御し、開閉信号と吐出速度の調整信号を塗布ロボット26の制御コントローラC2から前記混合吐出コントローラC1に送信して、混合吐出コントローラC1により圧送ステージS2のアクチュエータ19A、19Bを制御する。
図3は接着対象であるワークの一例を示し、樹脂パネルで形成したアウターパネルW1および樹脂で成形したインナートリムW2と、補強メンバーとしてのレインフォースメンバーW3とを備えるトランクリッドである。この一例では、レインフォースメンバーW3とインナートリムW2とがリベット等の機械的な固着手段により接合され、インナートリムW2の周縁部分をアウターパネルW1の周縁部分に接着剤Bによる接合が採用されている。このように、トランクリッドのパネル周縁部分同士を接着剤Bにより接合する場合には、インナートリムW2の周縁部分に主剤と硬化剤とを混合した接着剤の接着ビードを塗布し、接着ビードが硬化しない状態でアウターパネルW1を、その周縁部分を接着ビードを介在させて圧着するようにして接合させる必要がある。両パネルW1、W2を接合させた接着ビードは、硬化剤との反応によりそのまま硬化し、硬化剤が含まれておらず主剤のみが塗布されている部分においては、空気中の水分と反応して徐々に硬化する。
前記樹脂製のワークWを接着するための主剤および硬化剤としては、以下に限定されるものでないが、例えば、ウレタンポリマー(31Wt%)、カーボンブラック(40Wt%)、炭酸カルシウム(5Wt%)、アジピン酸系可塑剤(15Wt%)、フタル酸系可塑剤(7Wt%)を混合したポリウレタンシーリング材を主剤として使用し、ポリエーテルポリオール(32Wt%)、炭酸カルシウム(66Wt%)、非晶質二酸化珪素である微粉末シリカ(2Wt%)を混合したポリエーテルポリオールを硬化剤として使用することができる。
以上の構成の2液型接着剤の混合塗布装置による接着剤塗布動作について以下に説明する。接着剤の塗布においては、先ず、2液供給ステージS1から圧送ステージS2へ主剤および硬化剤の充填がなされる。混合吐出コントローラC1は、2液供給ステージS1のアクチュエータ12A、12Bに対してペール缶10A、10B内の主剤および硬化剤を配管11A、11Bを経由させて圧送ステージS2へ送出させる指令を出力する一方、圧送ステージS2のアクチュエータ19A、19Bに対してピストン17A、17Bを後退させて塗布シリンダ容積を増加させる指令を出力する。ペール缶10A、10B内の主剤および硬化剤は、配管11A、11Bおよび逆止弁13A、13Bを経由して塗布シリンダ15A、15B内に充填される。塗布シリンダ15A、15B内に主剤および硬化剤が規定量充填された段階で、この2液供給ステージS1および圧送ステージS2のアクチュエータ12A、12B、19A、19Bの作動が停止される。
上記充填工程においては、塗布ロボット25は混合ノズルS3を待機位置とし、ワークハンドリングロボット30により作業ステージの治具上にワークW2を位置決めしてセットし、接合すべきワークW1を搬送するために待機位置に移動する。
次いで、塗布ロボット25が混合ノズルS3を治具上にセットされたワークW2の接着剤塗布開始位置に位置決めする。塗布ロボット25のノズル位置信号は、制御コントローラC2より混合吐出コントローラC1に出力される。塗布ロボット25の制御コントローラC2により接着剤の塗布開始指令が出力されると、混合吐出コントローラC1は、圧送ステージS2のアクチュエータ19A、19Bに対して主剤および硬化剤の吐出指令を出力する。主剤および硬化剤の塗布シリンダ15A、15Bのピストン17A、17Bがシリンダ容積を縮小させて主剤および硬化剤をホース16A、16Bを介して混合ノズルS3に送出す。混合ノズルS3は、ホース16A、16Bを介して供給された主剤および硬化剤をマニホールド20で合流させ、スタティックミキサー21により両剤を混合させて混合ノズルS3から吐出させる。塗布ロボット25は混合ノズルS3を予め設定した塗布ラインに沿って移動させてワークW2上に接着ビードを形成して接着剤を塗布してゆく。塗布ロボット25のノズル移動速度は制御コントローラC2により制御され、混合吐出コントローラC1により圧送ステージS2のアクチュエータ19A、19Bにより塗布シリンダ15A、15Bから混合ノズルS3へ供給している主剤および硬化剤の供給量に対応して調整される。
塗布ロボット25による接着剤の塗布が完了すると、制御コントローラC2は塗布終了信号を混合吐出コントローラC1に出力し、混合吐出コントローラC1は圧送ステージS2のアクチュエータ19A、19Bの作動を停止させ、混合ノズルS3からの接着剤の吐出を停止させる。制御コントローラC2は塗布ロボット25により把持している混合ノズルS3を待機位置に退避させる。次いで、ワークハンドリングロボット30により接合すべきワークW1を把持して治具上の接着剤が塗布されたワークW2に対して位置決めし、両ワークW1、W2を圧着させる。両ワークW1、W2を接合させた接着ビードは、硬化剤との反応によりそのまま硬化し、硬化剤が含まれておらず主剤のみが塗布されている部分においては、空気中の水分と反応して徐々に硬化する。次いで、ワークハンドリングロボット30は、接合したワークWを搬出して、次工程に搬送させ、ワークWの接着作業を終了する。
以下、同様にして、ワークハンドリングロボット30により新たなワークW2を治具上に位置決めしてセットする。塗布ロボット25の混合ノズルS3を塗布開始位置に移動させ、塗布開始指令を出力し、混合吐出コントローラC1により圧送ステージS2のアクチュエータ19A、19Bを作動させ、混合ノズルS3より規定された接着剤を吐出させ、塗布ラインに沿って接着剤を塗布してゆく。このようにして、各工程を繰返すことで、ワークWを順次接着してゆくことができる。
上記塗布工程において、混合吐出コントローラC1は、塗布シリンダ15A、15Bによる主剤および硬化剤の圧送方法として、図4〜図9に示す第1および第2実施例の制御パターンで圧送ステージS2の各アクチュエータ19A、19Bを制御する。
図4〜図6に示す第1実施例の制御パターンにおいては、主剤は接着剤の塗布開始から塗布終了までの全吐出領域で一定の吐出流量により混合ノズルS3に圧送するようアクチュエータ19Aを連続させて動作させるも、硬化剤は所定間隔をあけて間歇的に混合ノズルS3に圧送するようアクチュエータ19Bを間歇的に動作させる。得られる接着ビードは、図5に示すように、主剤に硬化剤が増量されて主剤と硬化剤とを混合した2液混合ビード部分a〜dが所定間隔をおいて間歇的に存在し、2液混合ビードa〜d間の接着ビードは主剤のみを含む1液ビードeとなる。硬化剤の圧送タイミングとしては、混合吐出コントローラC1により定期的な時間間隔で作動させたり、塗布ロボット25の塗布ラインに沿った所定位置移動毎に作動させたりすることで、再現させることができる。また、硬化剤の混合比率は、接着ビードを塗布終了してワークW1、W2同士が圧着される時点で、2液混合ビード部分a〜dでほどよい接着状態が得られる硬度となるよう予め実験により設定する。
この接着ビードにおいては、2液混合ビード部分a〜dで硬化が促進された状態となる一方、1液ビード部分eでは硬化が進行していない状態となり、接合すべきワークW1、W2を接着ビート上に重ねて圧着させると、略均等間隔で配列された硬化が進行している2液ビード部分a〜dで圧着すべきワークW1、W2同士を即硬化により部分的に接着させ、1液ビード部分eはワークW1、W2同士の圧着により接着ビード幅を増加させるよう両ワークW1、W2間で展ばされ、空気中の水分と反応して徐々に硬化する。
以上のように、基本的には主剤のみからなる1液ビードeを塗布し、間歇的に硬化剤が増量された2液ビードa〜dを塗布するものであるため、長い寸法の接着ビードにおいても、即硬化接着剤の使用が可能となる。また、全体として1液ビードeにより緩やかな接着発現性を得るため、ワークW1に既にプライマーが塗布されている場合においても、プライマーに含まれる硬化成分により即硬化が促進されてプライマーを剥離させる等の不具合を生じることが少ない。さらに、接着ビードの硬度が増大した領域が間歇的に配置されているため、ワークW1、W2同士を接着ビードを挟んで圧着させても、ワークWを変形させることなく両者を接着することができる。
図6に示す第1実施例の改良された制御パターンにおいては、硬化剤の圧送に同期させて主剤の圧送量を減少させて、接着ビードの太さを一定幅とするようにしたものである。このように、一定幅の接着ビードとすることにより、前記実施例の効果を維持しつつ、ワーク圧着時に圧着部分から外部へ接着剤のはみ出しを防止することができる。また、圧送する主剤の吐出量を減少させることによりマニホールド20内での圧力降下を生じ、硬化剤を追加供給する上記例に比較してマニホールド20への供給を低い圧力で可能となり硬化剤の供給が容易とできる。
図7〜図9に示す第2実施例の制御パターンにおいては、硬化剤の混合比率を塗布開始時には少なく設定し、その混合比率を塗布終了までに徐々に増加させるようにしたものである。図7に示す実施例では、主剤は接着剤の塗布開始から塗布終了までの全吐出領域で一定の吐出流量により混合ノズルS3に圧送するようアクチュエータ19Aを連続させて動作させるも、硬化剤は塗布開始段階では少ない吐出流量により混合ノズルS3に圧送し、時間の経過と共に吐出流量を増加させて混合ノズルS3に圧送するようアクチュエータ19Bを動作させる。硬化剤の圧送量の増加タイミングとしては、混合吐出コントローラC1により圧送時間の経過に応じて増加させたり、塗布ロボット25の塗布ラインに沿った所定位置移動毎に連続増加させたり、段階的に増加させることで、制御することができる。なお、硬化剤の混合比率は、接着ビードを塗布終了してワークW同士が圧着される時点で、全領域の接着ビードで一様な硬化度合いとなり且つほどよい接着状態が得られる硬度となるよう予め実験により設定する。
得られる接着ビードは、図8に示すように、塗布開始位置では接着ビードに含まれる硬化剤の混合比率が低く硬化速度が遅い2液ビードであるが、塗装ロボット25の塗布ラインに沿った下流側に移動するに連れて接着ビードに含まれる硬化剤の混合比率が徐々に高まり、硬化速度が速くなる2液ビードとなる。このため、接着ビードの硬化度合いは、その全領域において一様な硬化度合いとすることができる。
このため、接合すべきワークWを接着ビート上に重ねて圧着させると、部分的に大きい反発力が生ずることなく、ワークWは接着ビードの一様な硬化度合いにより一様な反発力を受けるながら接着ビードをワークW同士の間で展ばしながら即硬化されて圧着させることができる。しかも、この時のワークWの変形は最小限に維持される。
図9に示す第2実施例の改良された制御パターンにおいては、硬化剤の圧送量の増加に同期させて主剤の圧送量を減少させて、接着ビードの太さを一定幅とするようにしたものである。このように、一定幅の接着ビードとすることにより、前記実施例の効果を維持しつつ、ワークW圧着時に圧着部分から外部へ接着剤のはみ出しを防止することができる。また、圧送する主剤の吐出量を減少させることによりマニホールド20内での圧力降下を生じ、硬化剤の圧送量のみを増加供給する上記例に比較してマニホールド20への供給を低い圧力で可能となり硬化剤の増加供給が容易とできる。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)第1実施例においては、主剤および硬化剤を混合して接着すべきワークWに接着ビードとして塗布してワークWを接合する2液型接着剤の混合塗布方法において、接着ビードに含まれる硬化剤は接着ビードの塗布位置に応じて間歇的に混入させるため、基本的には主剤のみからなる1液ビードeと間歇的に硬化剤が増量された2液ビードa〜dとからなり、長い寸法の接着ビードにおいても、即硬化接着剤の使用が可能となる。また、全体として1液ビードeにより緩やかな接着発現性を得るため、ワークWに既にプライマーが塗布されている場合においても、プライマーに含まれる硬化成分により即硬化が促進されてプライマーを剥離させる等の不具合を生じることが少ない。さらに、接着ビードの硬度が増大した領域が間歇的に配置されているため、ワークW同士を接着ビードを挟んで圧着させても、ワークWを変形させることなく両者を接着することができる。
(イ)第2実施例においては、主剤および硬化剤を混合して接着すべきワークWに接着ビードとして塗布してワークWを接合する2液型接着剤の混合塗布方法において、接着ビードに含まれる硬化剤の割合を接着ビードの塗布位置に応じて塗布開始位置から塗布終了位置まで連続的若しくは段階的にその混合割合を増加させるよう変化させるため、接着ビードの硬化度合いをその全領域において一様な硬化度合いとでき、接合すべきワークWを接着ビート上に重ねて圧着させると、部分的に大きい反発力が生ずることなく、ワークWは接着ビードの一様な硬化度合いにより一様な反発力を受けるながら接着ビードをワークW同士の間で展ばしながら即硬化されて圧着させることができる。しかも、この時のワークWの変形は最小限に維持される。
(ウ)また、図6および図9に示すように、主剤の混合割合を硬化剤の混合割合に応じて減少させ、主剤と硬化剤との合計塗布量を均一化させると、一定幅の接着ビードとすることができ、前記(ア)および(イ)の効果を維持しつつ、ワークW圧着時に圧着部分から外部へ接着剤のはみ出しを防止することができる。また、圧送する主剤の吐出量を減少させることによりマニホールド20内での圧力降下を生じ、硬化剤の圧送量のみを増加供給する上記例に比較してマニホールド20への供給を低い圧力で可能となり硬化剤の増加供給が容易とできる。
(エ)供給された主剤および硬化剤を混合させて吐出する塗布ガンS3から接着剤を吐出させつつ塗布ガンS3をワークWの接着剤塗布ラインに沿って移動させてワークW上に接着ビードを形成する塗布手段25を備え、制御手段C1により塗布手段25の塗布位置に応じて主剤と硬化剤の混合割合を変化させるようにすると、大型のワークであっても、狙い通りの場所に要求される硬化特性を持った混合比率の接着剤の塗布が可能となる。
(第2実施形態)
図10は、本発明を適用した2液型接着剤の混合塗布方法の第2実施形態を示す塗布ガンの概略断面図である。本実施形態においては、圧送ステージと混合ノズルとを一体に形成して両者間を連通させていたホースを削減するようにしたものである。なお、第1実施形態と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図10は、本発明を適用した2液型接着剤の混合塗布方法の第2実施形態を示す塗布ガンの概略断面図である。本実施形態においては、圧送ステージと混合ノズルとを一体に形成して両者間を連通させていたホースを削減するようにしたものである。なお、第1実施形態と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図10において、本実施形態の2液型接着剤の混合塗布装置は、混合ノズルS3のマニホールド20に直接連通させて主剤および硬化剤の塗布シリンダ15A、15Bを配置している。各塗布シリンダ15A、15Bには、第1実施形態と同様に、ピストン17A、17Bが摺動自在に挿入され、アクチュエータ19A、19Bによりピストンロッド18A、18Bを介してピストン17A、17Bの摺動位置をコントロールし、塗布シリンダ15A、15Bのシリンダ容積を可変に制御する。塗布シリンダ15A、15Bは、逆止弁13A、13Bおよび図示しないホースを介して2液供給ステージS1に連通させている。
以上の構成にように、混合ノズルS3と圧送ステージS2とを一体化させた塗布ガンS4においては、移動させる装置として大型となるため、塗布ロボット25により保持させてワークWへの塗布作業を行わせたり、予め移動軌跡を記憶させた移動装置に保持させて塗布作業を行うことが望ましい。そして、第1実施形態と同様に、ハンドリングロボット30によりワークWをハンドリングさせ、塗布ロボット25により塗布ガンS4を作動させ、混合吐出コントローラC1により圧送ステージS2および2液供給ステージS1の各アクチュエータ12A、12B、19A、19Bを制御することで、ワークWへの接着ビードの塗布およびワークWの接着を行うことができる。なお、塗布工程の主剤および硬化剤の吐出の制御パターンは、第1実施形態の各実施例と同様に行わせることができる。
以上の構成の2液型接着剤の混合塗布装置では、圧送ステージS2と混合ノズルS3とが近接しているため、ホース等の配管による圧力損失を生ずることなく圧送ステージS2から混合ノズルS3に主剤および硬化剤を供給することができ、主剤と硬化剤の供給量および混合比率を高精度に制御することができる。
本実施形態においては、第1実施形態における効果(ア)〜(エ)に加えて以下に記載した効果を奏することができる。
(オ)前記主剤供給手段15A〜19Aおよび硬化剤供給手段15B〜19Bは、塗布手段25に保持させて塗布ガンS3近傍に配置したため、ホース等の配管による圧力損失を生ずることなく圧送ステージS2から混合ノズルS3に主剤および硬化剤を供給することができ、主剤と硬化剤の供給量および混合比率を高精度に制御することができる。
S1 2液供給ステージ
S2 圧送ステージ
S3 混合ノズル、塗布ガン
S4 塗布ガン
W ワーク
10A、10B ペール缶
11A、11B 配管
12A、12B、19A、19B アクチュエータ
13A、13B 逆止弁
15A、15B 塗布シリンダ
20 マニホールド
21 スタティックミキサー
25 塗布ロボット、塗布手段
30 ハンドリングロボット
S2 圧送ステージ
S3 混合ノズル、塗布ガン
S4 塗布ガン
W ワーク
10A、10B ペール缶
11A、11B 配管
12A、12B、19A、19B アクチュエータ
13A、13B 逆止弁
15A、15B 塗布シリンダ
20 マニホールド
21 スタティックミキサー
25 塗布ロボット、塗布手段
30 ハンドリングロボット
Claims (7)
- 主剤および硬化剤を混合して接着すべきワークに接着ビードとして塗布してワークを接合する2液型接着剤の混合塗布方法において、
前記接着ビードに含まれる硬化剤の割合を接着ビードの塗布位置に応じて変化させたことを特徴とする2液型接着剤の混合塗布方法。 - 前記主剤は、連続的に接着ビードを構成させ、
前記硬化剤は、接着ビードの塗布位置に応じて間歇的に混入させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の2液型接着剤の混合塗布方法。 - 前記主剤は、連続的に接着ビードを構成させ、
前記硬化剤は、接着ビードの塗布開始位置から塗布終了位置まで連続的若しくは段階的にその混合割合を増加させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の2液型接着剤の混合塗布方法。 - 前記主剤の混合割合を硬化剤の混合割合に応じて減少させ、主剤と硬化剤との合計塗布量を均一化させたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の2液型接着剤の混合塗布方法。
- 主剤供給手段より供給する主剤および硬化剤供給手段より供給する硬化剤を混合して接着すべきワークに接着ビードとして塗布する塗布ガンと、塗布ガンから接着剤を吐出させつつ塗布ガンをワークの接着剤塗布ラインに沿って移動させてワーク上に接着ビードを形成する塗布手段と、主剤供給手段、硬化剤供給手段および塗布手段を制御する制御手段と、を備える2液型接着剤の混合塗布装置において、
前記制御手段は、塗布手段の塗布位置に応じて主剤と硬化剤の混合割合を変化させるようにしたことを特徴とする2液型接着剤の混合塗布装置。 - 前記主剤供給手段および硬化剤供給手段は、塗布手段に保持させて塗布ガン近傍に配置したことを特徴とする請求項5に記載の2液型接着剤の混合塗布装置。
- 主剤および硬化剤を混合した2液型接着剤の接着ビードにより接合された接着構造体であり、
接着ビードの塗布位置に応じて接着ビードに含まれる硬化剤の割合が変化されていることを特徴とする2液型接着剤による接着構造体。
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