本発明の実施の形態にかかる電気かみそりは、所定の長さと幅とを有し、肌に接する外刃と、前記外刃の前記肌に接する側とは反対側に配置され、当該外刃に対して相対的に変位する内刃と、を備えている。
また、前記外刃には、外刃幅方向に延びて体毛が導入されるスリットが、外刃長さ方向に所定間隔で複数並ぶように形成されている。
また、前記スリットは、前記外刃幅方向の一端側に位置する第1スリット部と、前記外刃幅方向の他端側において、前記第1スリット部に対して前記外刃長さ方向にずれた位置にある第2スリット部と、前記第1スリット部と前記第2スリット部とを連結する連結スリット部と、から構成されている。
そして、前記第1スリット部と前記第2スリット部との前記外刃長さ方向におけるずれ幅が、前記連結スリット部との連結部分における前記第1スリット部および/または前記第2スリット部の幅と同等かそれ以上となっている。
こうすれば、寝ている体毛をスリットに導入した状態で外刃を外刃幅方向に移動させた際に、より確実に連結スリット部の周縁部に当接させることができる。その結果、寝ている体毛をより確実に起毛させて、内刃と外刃との接触面(摺動面:内刃と外刃とで体毛を切断する部位)よりも内刃側に導入できるようになるため、より効率的に体毛を剃ることができる。
このとき、前記外刃長さ方向との間になす角度が、0°以上45°以下となるように前記連結スリット部を形成することが可能である。
こうすれば、寝ている体毛をスリットに導入した状態で外刃を外刃幅方向に移動させた際に、連結スリット部の周縁部に当接した体毛が横滑りしてしまうのが抑制され、寝ている体毛をより確実に起毛させることができるようになる。
また、前記第1スリット部および/または前記第2スリット部と前記連結スリット部との連結部分に、前記外刃を前記肌に接する側から視た状態で、湾曲部が形成されるようにすることも可能である。
こうすることで、スリットの周縁部に当接する肌に与えられる刺激を低減させることができる。
また、前記外刃長さ方向において互いに隣り合うスリットの間に、当該スリットに沿って前記外刃幅方向に延びる桟が形成されるようにすることも可能である。
このとき、前記桟が、前記第1スリット部に隣接する第1桟部と、前記第2スリット部に隣接する第2桟部と、前記連結スリット部に隣接して前記第1桟部と前記第2桟部とを連結する連結桟部と、で構成されるようにすることも可能である。
また、前記桟が、前記肌に接する外面と、当該外面の反対側において前記内刃に面する内面と、前記外面と前記内面とをつなぐ側面と、を有するようにすることも可能である。
そして、前記連結桟部における前記外面側の縁部に第1起毛部が形成されるようにすることも可能である。
こうすれば、寝ている体毛をより確実に起毛させることができるようになる。
また、前記第1起毛部が、前記連結スリット部に向けて突出する第1突部を有するようにすることも可能である。
こうすれば、より簡素な構成で、寝ている体毛をより確実に起毛させることができるようになる。
また、前記第1起毛部が、前記連結桟部の外面と、前記連結桟部の側面の一部または全部と、がなす角度が鋭角となる鋭角部を有するようにすることも可能である。
こうすれば、肌と寝ている体毛との間に第1起毛部の先端を潜り込ませやすくすることができ、寝ている体毛をより確実に起毛させることができるようになる。
また、前記第1起毛部の縁部が、角を丸めた第1R部を有するようにすることも可能である。
こうすれば、寝ている体毛をより確実に起毛させつつ、第1起毛部によって肌に与えられる刺激を低減させることが可能となる。
また、前記第1起毛部の第1R部の曲率半径(前記連結桟部を当該連結桟部の延在方向と直交する方向で切断した断面視における第1R部の曲率半径)が20μm以上60μm以下となるようにすることも可能である。
こうすれば、起毛力の低下を抑制しつつ、第1起毛部によって肌に与えられる刺激を低減させることが可能となる。
また、前記桟の前記第1起毛部が形成されていない部位における外面側の縁部が、角を丸めた第2R部を有するようにすることも可能である。
こうすることで、桟に当接する肌に与えられる刺激をより確実に低減させることができる。
また、前記桟における前記第1起毛部が形成されている部位と前記第1起毛部が形成されていない部位との境界の近傍に、前記肌側に突出する第2突部が形成されるようにすることも可能である。
そして、前記桟における前記第1起毛部が形成されている部位の外面が、前記第1起毛部が形成されていない部位の外面よりも前記内刃側に位置するようにすることも可能である。
こうすれば、第1起毛部が形成された領域における肌の接圧を低減することができ、第1起毛部によって肌に与えられる刺激を低減させることが可能となる。
また、前記第1起毛部を設けた前記連結桟部の側面と、前記第1起毛部を設けていない前記第1桟部の側面および第2桟部の側面とを、滑らかにつなげるようにすることも可能である。
こうすることで、桟の側面に不連続面が形成されてしまうのが抑制されるため、肌に与えられる刺激を低減させることが可能となって、より滑らかな剃り心地を得ることができるようになる。
また、前記第1起毛部が、前記外刃を前記肌に接する側から見た状態で、前記内刃と重なる位置に設けられるようにすることも可能である。
こうすれば、第1起毛部によって起毛させた体毛が切断される前に再度寝てしまうのを抑制することができ、より確実に体毛を剃ることができるようになる。
また、前記桟における前記第1起毛部が形成されている部位の側面に、前記外面側から前記内面側に延在する溝部が形成されるようにすることも可能である。
こうすることで、体毛を溝部に沿って移動させやすくすることができ、寝ている体毛をより確実に起毛させることができるようになる。
また、前記連結桟部の内面と、前記連結桟部の側面の一部または全部と、がなす角度を90°以上とすることも可能である。
例えば、連結桟部の内面と、連結桟部の側面の一部または全部と、がなす角度を鋭角にすると、体毛を摺動面よりも内刃側に導入する際に体毛が内面側の縁部の鋭角部分に突き当たってしまい、摺動面よりも内刃側への体毛の導入が妨げられてしまうことがある。
これに対して、連結桟部の内面と、連結桟部の側面の一部または全部と、がなす角度を90°以上とすれば、体毛が内面側の縁部に突き当たってしまうのが抑制されるため、摺動面よりも内刃側への体毛の導入が内面側の縁部によって邪魔されてしまうのを抑制することができる。そのため、体毛をよりスムーズに摺動面よりも内刃側へ導入させることができ、より効率的に体毛を剃ることができるようになる。
また、前記連結桟部の内面側の縁部が、角を丸めた第3R部を有するようにすることも可能である。
ところで、連結桟部は、外刃幅方向と交差する方向に延在しており、内刃と外刃とで体毛を挟み切る際の挟み角が大きくなる部位となっている。
そのため、連結桟部は、ハーフカットなどの切断不良を引き起こしやすい部位となっている。なお、ハーフカットとは、体毛が完全に切断されず半切れの状態となってしまうことである。
ここで、連結桟部の内面側の縁部に、角を丸めた第3R部を形成すれば、連結桟部において体毛が切断されてしまうのを抑制できるようになる。こうすれば、ハーフカットなどの切断不良を引き起こしやすい連結桟部では体毛を切断せずに、第1スリット部または第2スリット部に移動した際に、内刃と外刃とで体毛を挟み切るようにすることができる。
このように、連結桟部の内面側の縁部に、角を丸めた第3R部を形成すれば、体毛を切断する際にハーフカットなどの切断不良を引き起こしてしまうのが抑制され、より確実に体毛を剃ることができるようになる。
また、前記連結桟部の内面と前記内刃との間に隙間が形成されるようにすることも可能である。
このように、連結桟部の内面と内刃との間に隙間を設けるようにすれば、ハーフカットなどの切断不良を引き起こしやすい連結桟部で体毛が切断されてしまうのをより確実に抑制することができるようになる。その結果、体毛を切断する際にハーフカットなどの切断不良を引き起こしてしまうのをより確実に抑制することができようになる。
また、前記外刃が、前記肌に対向する天壁と、前記天壁における前記外刃幅方向の両端部に連設されて、前記肌から離れる方向に延在する側壁と、を備えるようにすることも可能である。
また、前記外刃長さ方向の一方の側壁から他方の側壁にかけて延在するように、前記スリットを形成することも可能である。
そして、前記天壁と前記側壁との連結部における前記肌側に第2起毛部が形成されるようにすることも可能である。
こうすることで、側壁側から導入される体毛を第2起毛部によって起毛させることができるようになるため、より多くの体毛を摺動面よりも内刃側に導入させることができるようになる。その結果、より効率的に体毛を剃ることができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
また、以下では、複数の外刃が並設される方向を前後方向(剃り方向)X、各外刃が延在する方向を左右方向Y、外刃が上方を向くように外刃ブロック(ヘッド部)を配置した状態における上下方向を上下方向Zとして説明する。また、電気かみそりのスイッチ部が設けられている側を前後方向Xの前方として説明する。
また、スリット外刃の方向についても、上記前後方向X、左右方向Yおよび上下方向Zを用いて説明する。すなわち、スリット外刃を本体部に取り付けた状態において、外刃ブロックの前後方向X、左右方向Yおよび上下方向Zに一致する方向を、それぞれスリット外刃の前後方向X、左右方向Yおよび上下方向Zと規定する。
(実施の形態)
本実施の形態にかかる電気かみそり10は、図1に示すように、手で把持する把持部11aを有するグリップ部11と、刃部10bを有し、グリップ部11に支持されるヘッド部12と、を備えている。
このヘッド部12は、前後方向Xに延在する図示せぬ軸部を軸として、グリップ部11に対して左右方向Yに揺動できるようにすることが可能である。また、ヘッド部12は、左右方向Yに延在する図示せぬ軸部を軸として、グリップ部11に対して前後方向Xに揺動できるようにすることも可能である。さらに、ヘッド部12を、グリップ部11に対して上下方向Zにフロートできるようにすることも可能である。
そして、これらの揺動やフロートを適宜組み合わせた構成とすることも可能である。例えば、ヘッド部12が、グリップ部11に対して、前後方向Xおよび左右方向Yに揺動できるようにしつつ、グリップ部11に対して上下方向Zにフロートできるようにした構成とすることが可能である。
なお、ヘッド部12を、グリップ部11に対して揺動もフロートもさせない構成とすることも可能である。
また、電気かみそり10は、本体部10aと、本体部10aに、肌当接面(表面)20aが露出した状態で保持される外刃20と、外刃20の内側に、当該外刃20に対して相対移動可能に配置される内刃30と、を備えている(図1および図2参照)。
本実施の形態では、電気かみそり10を構成する部品のうち、グリップ部11と、刃部10b以外のヘッド部12と、で構成されるものを本体部10aとしている。
グリップ部11は、本体ハウジング13を備えており、この本体ハウジング13の内部には空洞が形成されている。そして、この本体ハウジング13の内部に形成された空洞内に各種電気部品が収容されている。
また、本体ハウジング13には、電気かみそり10を動作させる(電源をオン・オフさせる)押圧式のスイッチ部13aが形成されている。なお、本実施の形態ではスイッチ部として押圧式のスイッチ部13aを例示しているが、電源をオン・オフできるスイッチであればスライド式やその他のスイッチであってもよい。
本実施の形態では、スイッチ部13aは、本体ハウジング13の前面、すなわち、電気かみそり10の前面(正面)に形成されている。なお、電気かみそり10の前面とは、通常の使用時に、使用者が電気かみそり10の把持部11aを把持した状態で、使用者と対向する側の面のことである。
さらに、本実施の形態では、本体ハウジング13におけるスイッチ部13aの下部に、本体ハウジング13の内部に内蔵される充電池(図示せず)の充電状況等を表示する表示部13bが形成されている。
なお、本体ハウジング13の後部(電気かみそり10の後部)に、トリマーユニットを設けるようにすることも可能である。
また、刃部10bは、肌(肌表面)Sに接する外刃20と、外刃20の内方(外刃20の下側:外刃20の肌Sに接する側とは反対側)に配設された内刃30と、を備えている。
外刃20は、図1に示すように、ヘッド部12の上方に向けて露出するように配置されており、外刃20のヘッド部12の上方に向けて露出する部分が使用者の肌(肌表面)Sに当接する肌当接面(表面)20aとなっている。
そして、電気かみそり10の電源をオンにし、外刃20の内方(外刃20の下側:外刃20の肌Sに接する側とは反対側)に配設された内刃30を外刃20に対して相対的に変位(相対移動:左右方向Yへ往復動)させた状態で、外刃20の肌当接面20aを使用者の肌(肌表面)Sに当てて滑らせながら移動させることで、外刃20の刃穴内に挿入された体毛Hを、外刃20と内刃30とで切断するようにしている。
次に、ヘッド部12の具体的な構成について説明する。
ヘッド部12は、図1および図2に示すように、グリップ部11に取り付けられるヘッド部本体14と、当該ヘッド部本体14に着脱自在に装着される外刃ブロック15と、を備えている。本実施の形態では、ヘッド部本体14の左右両端に突没自在に設けられた解除ボタン14aを内側に没入させることで、外刃ブロック15とヘッド部本体14との装着が解除されるようになっている。
ヘッド部本体14内には、図示せぬ駆動機構が収容されている。この駆動機構としては、例えば、振動型リニアアクチュエータや、回転モータと回転運動を往復直線運動に変換する変換機構とで構成される駆動機構等、従来公知のものを用いることができる。
一方、外刃ブロック15は、図2に示すように、外刃20が上下動自在(フロート自在)に取り付けられる略筒状の外刃保持部材16を備えている。
この外刃保持部材16は、上側開口16aおよび下側開口16bが形成される略筒状の周壁部16cを備えている。
そして、外刃20を上下動自在に支持する箱型の外刃カセット17を形成し、外刃カセット17を外刃保持部材16の下側から収納して外刃保持部材16に装着させることで、外刃20が外刃保持部材16に上下動自在に取り付けられるようにしている。
本実施の形態では、この外刃カセット17には、前後方向Xに並設された複数の外刃20が支持されている。
具体的には、外刃20は、第1のネット刃40と、スリット外刃60と、第2のネット刃50と、を備えており、第1のネット刃40、スリット外刃60および第2のネット刃50が前後方向Xに並ぶように配置されている(図2参照)。なお、図2に示す外刃の種類、枚数、並び方は、あくまで一例であり、外刃の種類、枚数、並び方等の組み合わせについては適宜変更できることはいうまでもない。
第1のネット刃40および第2のネット刃50はいずれも、側面視(左右方向Yに外刃を視た状態)で上方が凸となるように前後方向Xに沿って逆U字状に湾曲して形成されている。さらに、第1のネット刃40および第2のネット刃50は、正面視(前後方向Xに外刃を視た状態)で上方が凸となるように左右方向(外刃長さ方向)Yに沿って若干湾曲して形成されている。なお、本実施の形態では、第1のネット刃40および第2のネット刃50を、正面視で上方が凸となるように湾曲させているが、必ずしも湾曲させる必要はない。
そして、この第1のネット刃40および第2のネット刃50には、例えば、円形の刃穴(図示せず)が多数形成されている。
スリット外刃60は、第1のネット刃40や第2のネット刃50で剃りにくい長く伸びた体毛Hを剃るために設けられるものであり、図3〜図6に示すように、前後方向Xに沿って略コ字状に湾曲形成されている。具体的には、スリット外刃60は、前後方向Xに幅狭となるとともに、左右方向Yに長尺となるように配置されており、肌S側に凸となる断面略逆U字状をしている。このように、本実施の形態では、肌(肌表面)Sに接するスリット外刃60が所定の長さと幅を有しており、このスリット外刃60は、外刃長さ方向を電気かみそり10の左右方向Yと略一致させるとともに、外刃幅方向を電気かみそり10の前後方向Xと略一致させた状態で配置されている。
そして、このスリット外刃60は、肌(肌表面)Sに対向する平坦な天壁61と、天壁61の前後方向(外刃幅方向)Xの両端部に連設されて、スリット内刃90側(肌Sから離れる方向)に延在し、前後方向Xで対向する一対の側壁62,62と、を備えている。
また、スリット(外刃20の刃穴)300を、平坦な天壁61から側壁62に至るまで穿設することで、スリット外刃60を形成している。すなわち、スリット300は、スリット外刃60における前後方向Xの一方の側壁62から他方の側壁62にかけて延在するように形成されている。
このように、本実施の形態では、スリット300は、細長のスリット状をしており、長さと幅を有している。そして、スリット300は、当該スリット300の長さ方向(スリット長さ方向)が、スリット外刃60の幅方向(外刃幅方向)と略一致するように形成されている。
したがって、スリット300は、長さ方向(スリット長さ方向)が電気かみそり10の前後方向Xと略一致するとともに、幅方向(スリット幅方向)が電気かみそり10の左右方向Yと略一致した状態で形成されている。
そして、本実施の形態では、スリット300は、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yに所定のピッチ(所定間隔)で略等間隔に並ぶように複数形成されており、隣り合うスリット300の間には、前後方向Xに延在する桟210が、スリット300に沿うように形成されている。この桟210も、平坦な天壁61から側壁62に至るまで延在しており、略コ字状をしている。
さらに、本実施の形態では、スリット300は、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両端301a,301bが、側壁62に形成されている。このように、スリット300の前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両端301a,301bを側壁62に形成することで、スリット300が上方だけでなく両側方にも開口するようになる。こうすることで、各スリット300がスリット外刃60の前後方向Xの一端から他端まで途中で分断されることなく形成されるため、比較的長い体毛Hであっても、スリット300内により容易に導入させることができるようになる。また、体毛Hが桟210に引っ掛かったりして体毛Hによる抵抗(摩擦力等)が大きくなってしまうことが抑制されるため、剃り心地が悪化してしまうのを抑制することもできる。
このスリット外刃60は、本実施の形態では、一枚の金属平板材を用いて形成されている。具体的には、図6に示すように、金属平板材に複数の細長いスリット300を、所定間隔で並設されるように穿設することで、隣り合うスリット300の間に存在する金属板材の残余部位に桟210が形成されるようにする。そして、金属板材におけるスリット300の前後方向(スリット長さ方向)の両端301a,301bよりも内側を折り曲げることで、天壁61および一対の側壁62,62を有するスリット外刃60を形成している。
なお、スリット外刃60の形状は、図22(a)に示すように、屈曲部分の上部の屈曲角度が鋭角となるようにした形状であってもよいし、図25(a)に示すように、屈曲部分の屈曲角度が略直角(約90°)となるようにした形状であってもよい。
また、内刃30は、外刃20を成す各ネット刃40,50およびスリット外刃60に対して専用のものが設置されている。
具体的には、各ネット刃40,50の内方(各ネット刃40,50の下側:外刃20の肌Sに接する側とは反対側)に、対応するネット刃40,50の湾曲形状に沿う逆U字状の内刃(第1の内刃70,第2の内刃80)が配設されている(図2参照)。
一方、スリット外刃60の内方(スリット外刃60の下側:外刃20の肌Sに接する側とは反対側)には、このスリット外刃60の湾曲に沿う略コ字状のスリット内刃90が配設されている(図4参照)。
スリット内刃90は、前後方向Xに幅狭となるとともに、左右方向Yに長尺となるように配置されており、上側(肌S側)に凸となる断面略逆U字状をしている。したがって、このスリット内刃90も、所定の長さと幅を有しており、このスリット内刃90も、内刃長さ方向を電気かみそり10の左右方向Yと略一致させるとともに、内刃幅方向を電気かみそり10の前後方向Xと略一致させた状態で配置されている。また、スリット内刃90は、スリット外刃60よりも一回り小さくなるように形成されている。
スリット内刃90は、図4および図5に示すように、外面(スリット外刃60に摺接可能な摺接面)90aが形成される平坦な天壁91と、天壁91の前後方向(内刃幅方向)Xの両端部に連設されて下方(肌Sから離れる方向)に延在し、前後方向Xで対向する一対の側壁92,92と、を備えている。
そして、スリット94を平坦な天壁91から側壁92に至るまで穿設することで、スリット内刃90を形成している。すなわち、スリット94は、スリット内刃90における前後方向Xの一方の側壁92から他方の側壁92にかけて延在するように形成されている。
このように、本実施の形態では、スリット94も、細長のスリット状をしており、長さと幅を有している。そして、スリット94は、当該スリット94の長さ方向(スリット長さ方向)が、スリット内刃(内刃)90の幅方向(内刃幅方向)と略一致するように形成されている。
したがって、スリット94は、長さ方向(スリット長さ方向)が電気かみそり10の前後方向Xと略一致するとともに、幅方向(スリット幅方向)が電気かみそり10の左右方向Yと略一致した状態で形成されている。
そして、本実施の形態では、スリット94は、左右方向(内刃長さ方向:スリット幅方向)Yに所定のピッチ(所定間隔)で略等間隔に並ぶように複数形成されており、隣り合うスリット94の間には、前後方向Xに延在する桟93が、スリット94に沿うように形成されている。この桟93も、平坦な天壁91から側壁92に至るまで延在しており、略コ字状をしている。なお、スリット94の方がスリット300よりもピッチ間隔が広くなっている。
そして、スリット94も、前後方向(内刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両端が側壁92にそれぞれ形成されている。このように、スリット94の前後方向(内刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両端を側壁92に形成することで、スリット300の側方から導入される体毛Hが側壁92に干渉してしまうのが抑制されるようにしている。
このスリット内刃90も、一枚の金属平板材を用いて形成されている。
これらの内刃30は、図示せぬ駆動機構に取り付けられており、駆動機構を駆動させると、各内刃30がそれぞれ左右方向(内刃長さ方向:スリット幅方向)Yに往復動するようになっている。
そして、第1の内刃70,第2の内刃80およびスリット内刃90は、駆動機構に別個独立して上下動できるように取り付けられており、各内刃30は、対応する外刃20の下側に、左右方向(内刃長さ方向:スリット幅方向)Yに往復動する際に外刃20の内面200bに摺接できるように配置されている。
このように、第1のネット刃40,第2のネット刃50およびスリット外刃60の下方(内方)に配設された第1の内刃70,第2の内刃80およびスリット内刃90を、各外刃20に対してそれぞれ相対的に変位(相対移動:左右方向Yへの往復動)させることで、各外刃20の刃穴やスリット300内に挿入された体毛Hを、各外刃20と対応する内刃30とで協働して切断するように構成している。
ここで、本実施の形態では、各外刃20(第1のネット刃40、スリット外刃60および第2のネット刃50)を、別個独立して上下動できるように、略枠状の外刃フレーム18(図2参照)に装着させることで、外刃カセット17を形成している。
このとき、外刃20を成す各ネット刃40,50およびスリット外刃60は、それぞれ専用の外刃枠に取り付けることで、外刃ユニットを形成し、当該外刃ユニットを、外刃フレーム18にそれぞれ独立して上下移動可能に係合させることで、外刃カセット17を形成している。
この外刃カセット17を外刃保持部材16に装着させることで、外刃保持部材16に、前後方向Xの前方から順に第1のネット刃40、スリット外刃60、第2のネット刃50が、上方に向けて露出するように配置されることとなる。
なお、本実施の形態では、外刃カセット17が、外刃保持部材16に着脱自在に装着されるとともに、ヘッド部本体14に着脱自在に装着されるようにしている。
さらに、本実施の形態では、外刃カセット17には、スリット内刃90がスリット外刃60に対して往復動可能に装着されている。
すなわち、本実施の形態では、スリット外刃60は、図3に示すように、スリット内刃90とともにスリット刃ユニット(上記外刃ユニットの1つ)100を構成するものである。
次に、スリット刃ユニット100の具体的な構成について説明する。
スリット刃ユニット100は、図4に示すように、スリット外刃60の左右端部に支持部材111をそれぞれ固定したスリット外刃体110と、スリット内刃90に継手部材121を固定したスリット内刃体120と、を備えている。そして、スリット外刃体110にスリット内刃体120を先端方向に弾接させた状態で一体化させることでスリット刃ユニット100が形成されている。
スリット外刃体110は、スリット外刃60の側壁62に形成された円形切欠状のヒートシール用凹所62aに、支持部材111に形成された円柱状のヒートシール用ボス111aを係合させた状態でヒートシール溶着を施すことで形成されている。
一方、スリット内刃体120は、スリット内刃90の側壁92に形成された円形切欠状のヒートシール用凹所92aおよび矩形切欠状の係合孔92bに、継手部材121に形成された円柱状のヒートシール用ボス121aおよび鉤爪突起状のフック121bをそれぞれ係合させた状態で、ヒートシール溶着を施すことで形成されている。
こうすることで、スリット内刃90がスリット外刃60に対して往復動可能に装着されたスリット刃ユニット100が形成される。
さらに、本実施の形態では、支持部材111の左右方向Yの外側部に、下方に延在するカバー片111bが設けられており、支持部材111の左右方向Yの内側部に、上方を向くバネ受け部111cが設けられている。
また、継手部材121の左右方向Yの両端部には、下方を向くバネ受け部121cが形成されている。
そして、スリット外刃体110とスリット内刃体120との一体化は、スリット外刃60の内部にスリット内刃90を左右方向に摺動自在に挿入し、支持部材111のバネ受け部111cと継手部材121のバネ受け部121cとの間にスリット刃押上バネ130を介装させた状態で行われる。
このとき、スリット内刃90の外面90aがスリット刃押上バネ130によってスリット外刃60の内面200bに弾接するようにしている(図5参照)。
このように、本実施の形態にかかるスリット外刃ユニット100では、スリット内刃90が、スリット内刃90の外面90aをスリット外刃60の内面200bに弾接させつつ左右方向Yに摺動できるようにスリット外刃60の内部に収納されている。
こうすることで、スリット外刃60およびスリット内刃90の摺動面(内面200bおよび外面90a)において切断する体毛Hの良好な切れ味が確保されるようにしている。
次に、本実施の形態にかかるスリット外刃60の具体的な構成について説明する。
本実施の形態では、スリット外刃(外刃)60は、図5および図6に示すように、肌(肌表面)Sに当接する肌当接面200aとスリット内刃(内刃)90が摺接可能な内面200bとを有する外刃本体200を備えている。さらに、スリット外刃(外刃)60は、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに延びて体毛Hが導入されるスリット300を備えている。このスリット30は、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yに所定間隔で複数並ぶように形成されている。
また、上述したように、スリット外刃(外刃)60における左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yで隣り合うスリット300,300の間には、スリット300に沿って前後方向(外刃幅方向)Xに延びる桟210が形成されている。したがって、本実施の形態では、桟210が外刃本体200の一部を構成している。
また、スリット300の周囲は、桟210によって画成されている。したがって、桟210のスリット300側の端縁が、スリット300の周縁部となっている。
さらに、本実施の形態では、スリット300は、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両端301a,301bが左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた形状をしている。
具体的には、スリット300は、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの一方側に配置され、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに延在する第1スリット部310を備えている。
また、スリット300は、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの他方側において、第1スリット部310に対して左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた位置に配置され、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに延在する第2スリット部320を備えている。
そして、第1スリット部310と第2スリット部320とが連結スリット部330で連結されている。この連結スリット部330は、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xと交差する方向に延在するように形成されている。
すなわち、スリット300は、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの一端側に位置する第1スリット部310と、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの他端側において、第1スリット部310に対して左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた位置にある第2スリット部320と、第1スリット部310と第2スリット部320とを連結する連結スリット部330と、で構成されている。
そして、このスリット300に沿うように形成される桟210は、第1スリット部310に左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yで隣接し、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに延在する第1桟部220を備えている。
また、桟210は、第2スリット部320に左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yで隣接し、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに延在する第2桟部230を備えている。
そして、第1桟部220と第2桟部230とが、連結スリット部330に隣接する連結桟部240によって連結されている。この連結桟部240は、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xと交差する方向(連結スリット部330の延在方向と略同一方向)に延在するように形成されている。
すなわち、桟210は、第1スリット部310に隣接する第1桟部220と、第2スリット部320に隣接する第2桟部230と、連結スリット部330に隣接して第1桟部220と第2桟部230とを連結する連結桟部240と、で構成されている。
そして、連結スリット部330は、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yの一方側であって、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの一方側にある連結部331aと、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yの他方側であって、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの一方側にある連結部331cとで、第1スリット部310に連結されている。
すなわち、連結部331aが、連結スリット部330の左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yの一方側における第1スリット部310との連結部となっており、連結部331bが、連結スリット部330の左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yの一方側における第2スリット部320との連結部となっている。
そして、第1スリット部310における連結部331aと連結部331cとを結ぶ線分の近傍が、第1スリット部310の連結スリット部330との連結部分311となっている(図7(a)参照)。
また、連結スリット部330は、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yの一方側であって、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの他方側にある連結部331bと、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yの他方側であって、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの他方側にある連結部331dとで、第2スリット部320に連結されている。
すなわち、連結部331cが、連結スリット部330の左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yの他方側における第1スリット部310との連結部となっており、連結部331dが、連結スリット部330の左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yの他方側における第2スリット部320との連結部となっている。
そして、第2スリット部320における連結部331bと連結部331dとを結ぶ線分の近傍が、第2スリット部320の連結スリット部330との連結部分321となっている(図7(a)参照)。
ここで、本実施の形態では、第1スリット部310と第2スリット部320との左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにおけるずれ幅W1が、連結スリット部330との連結部分311,321(第1スリット部310および/または第2スリット部320の連結部分)の幅W2と同等かそれ以上となるようにしている。
具体的には、連結部331aと連結部331bとを結ぶ線分の左右方向Yの幅W1が、連結部331aと連結部331cとを結ぶ線分の左右方向Yの幅W2以上となるように連結スリット部330を形成している。
本実施の形態では、図7(a)に示すように、W1=W2となるように、連結スリット部330を形成している。
こうすれば、スリット300を前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xから視た際に、連結部331aと連結部331cとの間のスリット300が、連結桟部(桟210における連結スリット部330の左右方向Yの一方側の周縁部)240によって覆われることとなる。
その結果、寝ている体毛Hが第1スリット部310内に導入された状態で、スリット外刃(外刃)60を前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに移動させると、連結桟部240に寝ている体毛Hが当接するため、より確実に起毛させて切断することができる。
このとき、連結スリット部330は、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとの間になす角度が、0°以上45°以下となるように形成されている。
すなわち、連結部331aと連結部331bとを結ぶ直線L1と、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとのなす角θ1が、0°以上45°以下となるようにしている。本実施の形態では、θ1=45°となるようにしている。
ここで、例えば、θ1を45°よりも大きくすると、連結スリット部330の周縁部214に体毛Hが当接したとしても、周縁部214に沿ってそのまま移動(横滑り)してしまい、起毛させることができなくなるおそれがある。そのため、θ1は45°以下とするのが好ましい。
なお、θ1を0°に近づけると、周縁部214による起毛効果をより高めることができる。
ただし、θ1を0°に近づけると、スリット外刃(外刃)60を前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに移動させた際に、体毛Hと周縁部214との当接によって生じる摩擦抵抗が増大し、体毛Hが周縁部214に沿って滑りにくくなってしまう場合がある。
したがって、連結桟部240による起毛効果を高めつつ、摩擦抵抗少なく滑らかに体毛Hを切断部まで導くことができるようにするためには、θ1を30°以上45°以下となるように設定するのが好ましい。
さらに、本実施の形態では、第1スリット部310および/または第2スリット部320と連結スリット部330との連結部分(連結部分311および/または連結部分321)に、スリット外刃(外刃)60を肌Sに接する側から視た状態で、湾曲部302が形成されるようにしている。
すなわち、スリット外刃(外刃)60を肌当接面200a側から視た状態で、連結スリット部330の前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの端部(連結部331a〜331d)に湾曲部302が形成されるようにしている。この湾曲部302は曲率半径が0.1mm以上0.5mm以下となるようにするのが好ましい。
このように、湾曲部302を形成することで、第1スリット部310や第2スリット部320内に導入された体毛Hが連結部分(連結部分311や連結部分321)に引っ掛かってしまうのが抑制され、スリット300内の体毛Hをよりスムーズに移動させることができるようになる。また、連結部分を滑らかに湾曲させることで、肌(肌表面)Sに与える刺激を低減させることもできる。
また、本実施の形態では、桟210は、肌(肌表面)Sに接する肌当接面(外面)211と、当該肌当接面(外面)211の下側(外面の反対側)においてスリット内刃(内刃)90に面する内面212と、肌当接面(外面)211と内面212とをつなぐ側面213と、を有している。
そして、本実施の形態では、図7(b)および図7(c)に示すように、桟210は、上下方向Zに平行で、当該桟210が延在する方向に対して直交する面で切断した断面形状が略四角形状となるように形成されている。したがって、桟210における肌当接面側端部214および内面側端部215が略直角のエッジ部(角部)となるようにしている。
なお、図7(b)には、第1桟部220および第2桟部230の断面形状(上下方向Zに平行で、第1桟部220および第2桟部230が延在するX方向に対して直交するYZ平面に平行な面で切断した断面形状)を示している。
そして、図7(c)には、連結桟部240の断面形状(上下方向Zに平行で、連結桟部240が延在する方向に対して直交する面で切断した断面形状)を示している。
すなわち、図7(b)に示すように、第1桟部220および第2桟部230は、肌当接面(外面)221,231と、内面222,232と、側面223,233とを有している。そして、第1桟部220および第2桟部230の肌当接面側端部224,234および内面側端部225,235が略直角のエッジ部(角部)となっている。
一方、図7(c)に示すように、連結桟部240は、肌当接面(外面)241と、内面242と、側面243とを有している。そして、連結桟部240における肌当接面側端部244および内面側端部245が略直角のエッジ部(角部)となっている。
このように、本実施形態では、連結桟部240の内面242と、連結桟部240の側面243の全部(一部または全部)と、がなす角度を90°(90°以上)としている。
また、本実施の形態では、スリット外刃(外刃)60におけるスリット300が形成されている領域(左右方向Yの一端のスリットから他端のスリットまでの範囲)では、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに視た際に、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yのいずれの部位にもスリット300が存在するようにしている。すなわち、スリット300が形成されている領域には、スリット外刃(外刃)60を左右方向Yと直交する平面(XZ平面)で切断した際に、一方の側壁62から他方の側壁62にかけて桟210のみが形成される箇所が存在しないようにしている。
こうすることで、スリット外刃(外刃)60を前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに移動させた際に、移動の開始から終了までの間にスリット300が形成されている領域と対向する肌(肌表面)Sのすべてを、いずれかの段階でスリット300に対向させることができる。その結果、肌(肌表面)Sの体毛Hをより効率よく切断させることができるようになる。
また、本実施の形態では、スリット300は、当該スリット300の中心に対して略点対称となるように形成されている。
したがって、スリット外刃(外刃)60を前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xのいずれの方向に移動させたとしても、上記の作用、効果を奏することができる。
次に、スリット外刃60の変形例を説明する。
スリット外刃60は、例えば、スリット300および桟210の平面形状(スリット外刃60を肌Sに接する側から視た状態におけるスリット300および桟210の形状)を、図8(a)、図8(b)および図9(a)〜図9(c)に示す形状とすることができる。
図8(a)に示すスリット300も、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両端301a,301bが左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた形状をしている。
すなわち、図8(a)に示すスリット300も、第1スリット部310と、第1スリット部310に対して左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた位置に配置された第2スリット部320とを連結スリット部330で連結させた形状をしている。
また、第1スリット部310と第2スリット部320との左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにおけるずれ幅W1が、連結スリット部330との連結部分311,321(第1スリット部310および/または第2スリット部320の連結部分)の幅W2と同等かそれ以上となるようにしている。
具体的には、連結部331aと連結部331bとを結ぶ線分の左右方向Yの幅W1が、連結部331aと連結部331cとを結ぶ線分の左右方向Yの幅W2以上となるように連結スリット部330を形成している。図8(a)では、W1>W2となるように、連結スリット部330を形成している。
また、連結スリット部330は、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとの間になす角度が、0°以上45°以下となるように形成されている。
すなわち、連結部331aと連結部331bとを結ぶ直線L1と、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとのなす角θ1が、0°以上45°以下となるようにしている。図8(a)では、θ1が30°となるようにしている。
また、図8(a)では、スリット300は、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両側が幅広となるように形成されている。こうすれば、天壁61および一対の側壁62,62を有するスリット外刃60を形成した際に、スリット300の両側部の開口面積を大きくすることができる。このように、スリット300の側部の開口面積を大きくすることにより、体毛Hが前後方向Xからスリット300内に導入しやすくなる。
図8(b)に示すスリット300も、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両端301a,301bが左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた形状をしている。
すなわち、図8(b)に示すスリット300も、第1スリット部310と、第1スリット部310に対して左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた位置に配置された第2スリット部320とを連結スリット部330で連結させた形状をしている。
また、第1スリット部310と第2スリット部320との左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにおけるずれ幅W1が、連結スリット部330との連結部分311,321(第1スリット部310および/または第2スリット部320の連結部分)の幅W2と同等かそれ以上となるようにしている。
具体的には、連結部331aと連結部331bとを結ぶ線分の左右方向Yの幅W1が、連結部331aと連結部331cとを結ぶ線分の左右方向Yの幅W2以上となるように連結スリット部330を形成している。図8(b)では、W1>W2となるように、連結スリット部330を形成している。
さらに、図8(b)に示すスリット300は、互いに隣り合う連結スリット部330の連結部331aと連結部331dとが前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに並ぶように形成されている。
また、連結スリット部330は、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとの間になす角度が、0°以上45°以下となるように形成されている。
すなわち、連結部331aと連結部331bとを結ぶ直線L1と、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとのなす角θ1が、0°以上45°以下となるようにしている。図8(b)でも、θ1が30°となるようにしている。
また、図8(b)でも、スリット300は、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両側が幅広となるように形成されている。こうすれば、天壁61および一対の側壁62,62を有するスリット外刃60を形成した際に、スリット300の両側部の開口面積を大きくすることができる。このように、スリット300の側部の開口面積を大きくすることにより、体毛Hが前後方向Xからスリット300内に導入しやすくなる。
図9(a)に示すスリット300も、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両端301a,301bが左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた形状をしている。
すなわち、図9(a)に示すスリット300も、第1スリット部310と、第1スリット部310に対して左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた位置に配置された第2スリット部320とを連結スリット部330で連結させた形状をしている。
また、第1スリット部310と第2スリット部320との左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにおけるずれ幅W1が、連結スリット部330との連結部分311,321(第1スリット部310および/または第2スリット部320の連結部分)の幅W2と同等かそれ以上となるようにしている。
具体的には、連結部331aと連結部331bとを結ぶ線分の左右方向Yの幅W1が、連結部331aと連結部331cとを結ぶ線分の左右方向Yの幅W2以上となるように連結スリット部330を形成している。図9(a)では、W1=W2となるように、連結スリット部330を形成している。
また、連結スリット部330は、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとの間になす角度が、0°以上45°以下となるように形成されている。
すなわち、連結部331aと連結部331bとを結ぶ直線L1と、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとのなす角θ1が、0°以上45°以下となるようにしている。図9(a)では、θ1が0°となるようにしている。
すなわち、連結桟部240を左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yに延在させている。
図9(b)に示すスリット300も、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両端301a,301bが左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた形状をしている。
すなわち、図9(b)に示すスリット300も、第1スリット部310と、第1スリット部310に対して左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた位置に配置された第2スリット部320とを連結スリット部330で連結させた形状をしている。
また、第1スリット部310と第2スリット部320との左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにおけるずれ幅W1が、連結スリット部330との連結部分311,321(第1スリット部310および/または第2スリット部320の連結部分)の幅W2と同等かそれ以上となるようにしている。
具体的には、連結部331aと連結部331bとを結ぶ線分の左右方向Yの幅W1が、連結部331aと連結部331cとを結ぶ線分の左右方向Yの幅W2以上となるように連結スリット部330を形成している。図9(b)では、W1=W2となるように、連結スリット部330を形成している。
また、連結スリット部330は、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとの間になす角度が、0°以上45°以下となるように形成されている。
すなわち、連結部331aと連結部331bとを結ぶ直線L1と、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとのなす角θ1が、0°以上45°以下となるようにしている。
さらに、図9(b)では、桟210における連結桟部240を段差状にしている。具体的には、図9(b)では、連結桟部240は、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yに延在する直線L2、L3の端部を、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに延在する直線L4で連結させた階段状となるように形成されている。
図9(c)に示すスリット300も、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両端301a,301bが左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた形状をしている。
すなわち、図9(c)に示すスリット300も、第1スリット部310と、第1スリット部310に対して左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにずれた位置に配置された第2スリット部320とを連結スリット部330で連結させた形状をしている。
また、第1スリット部310と第2スリット部320との左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yにおけるずれ幅W1が、連結スリット部330との連結部分311,321(第1スリット部310および/または第2スリット部320の連結部分)の幅W2と同等かそれ以上となるようにしている。
具体的には、連結部331aと連結部331bとを結ぶ線分の左右方向Yの幅W1が、連結部331aと連結部331cとを結ぶ線分の左右方向Yの幅W2以上となるように連結スリット部330を形成している。図9(c)では、W1=W2となるように、連結スリット部330を形成している。
また、連結スリット部330は、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとの間になす角度が、0°以上45°以下となるように形成されている。
すなわち、連結部331aと連結部331bとを結ぶ直線L1と、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとのなす角θ1が、0°以上45°以下となるようにしている。
さらに、図9(c)でも、連結桟部240を段差状にしている。具体的には、図9(c)では、連結桟部240を、斜め方向(左右方向Yおよび前後方向Xと交差する方向)に延在する直線L5、L6の端部を、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yに延在する直線L7で連結させた形状となるようにしている。
なお、図9(b)および図9(c)では、W1=W2となるようにスリット300を形成し、桟210における連結桟部240を段差状にしたものを例示したが、W1>W2となるようにスリット300を形成し、桟210における連結桟部240を段差状にすることも可能である。
また、スリット外刃(外刃)60の起毛力をより高めるようにすることも可能である。以下では、スリット外刃(外刃)60の起毛力を高めることのできる構成について説明する。
まず、図10に示すように、桟210(外刃本体200)の連結桟部240における肌当接面(外面)241側の縁部に第1起毛部400を形成することができる。
図10では、連結桟部240の断面形状(上下方向Zに平行で、連結桟部240が延在する方向に対して直交する面で切断した断面形状)が略台形状となるようにしている。すなわち、連結桟部240は、肌(肌表面)Sに接する略平坦な肌当接面(外面)241と、当該肌当接面(外面)241の下側(外面の反対側)においてスリット内刃(内刃)90に面する略平坦な内面242と、肌当接面(外面)241と内面242とをつなぐ側面243と、で区画されている。このとき、肌当接面(外面)241の方が内面242よりも長くなっており、肌当接面(外面)241の両端が内面242よりも連結スリット部330側に突出している。したがって、側面243は、上方かつ外方(対向する連結桟部240側)に傾斜する傾斜面となっている。
そして、連結桟部240における肌当接面側端部244の鋭角のエッジ部分(先端部分)を第1起毛部400としている。このように、図10では、第1起毛部400が、連結桟部240の肌当接面(外面)241と、連結桟部240の側面243の全部(一部または全部)と、がなす角度が鋭角となる鋭角部430を有するようにしている。
また、連結桟部240の内面242と、連結桟部240の側面243の全部(一部または全部)と、がなす角度が90°以上となるようにしている。
すなわち、連結桟部240では、上下方向Zに平行で、連結桟部240が延在する方向に対して直交する面で連結桟部240を切断した断面視で、内面側端部245の角度が90°以上となっている。
このように、図10では、連結桟部240の内面側端部245が鈍角のエッジ部(角部)となっており、鈍角部500となっている。
なお、第1起毛部400は、連結桟部240の少なくとも一部に形成されていればよいが、スリット外刃(外刃)60がより均一な起毛力を発揮するためには、連結桟部240の全体に形成するのが好ましい。
このように、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xと交差する方向に延在する連結桟部240に鋭角部430を有する第1起毛部400を設けることで、スリット外刃(外刃)60を前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに移動させた際には、図10(c)および図11に示すように、鋭角部430(第1起毛部400)の見かけの角度が小さくなるため、より起毛力を発揮することができる。
なお、連結桟部240の断面形状(上下方向Zに平行で、連結桟部240が延在する方向に対して直交する面で切断した断面形状)は、図12に示すように、鋭角部430を有する第1起毛部400を上方に屈曲させた形状としてもよい。すなわち、上下方向Zに平行で、連結桟部240が延在する方向に対して直交する面で連結桟部240を切断した断面視で、連結桟部240の肌当接面(外面)241が、中央に位置し、略水平方向に延在する水平面241aと、水平面241aの両端にそれぞれ連設され、上方かつ外方(対向する連結桟部240側)に傾斜する傾斜面241b,241bと、を有するようにしてもよい。
この場合、第1起毛部400の先端410に第1R部411を設け、肌Sに与える影響を抑制できるようにするのが好ましい。また、連結桟部240の内面側端部245に形成された鈍角部(連結桟部240の内面242側の縁部)500が、角を丸めた第3R部510を有するようにしてもよい。
また、図13に示すように、連結桟部240の側面(少なくとも、桟210における第1起毛部400が形成されている部位の側面)243に、肌当接面(外面)241側から内面242側に延在する溝部246を形成するようにしてもよい。
図13では、複数の溝部246が連結桟部240の延在方向に並設されている。このように、上下方向に延在する溝部246を側面243に形成することで、側面243に当接した体毛Hの上下方向への移動に対する抵抗を、連結桟部240の延在方向への移動に対する抵抗よりも小さくすることができる。その結果、体毛Hが溝部246に沿って移動しやすくなって、より確実に寝ている体毛Hを起こすことができるようになる。
また、連結桟部240の断面形状(上下方向Zに平行で、連結桟部240が延在する方向に対して直交する面で切断した断面形状)を、図14(a)に示す形状とすることで、連結桟部240における肌当接面(外面)241側の縁部に第1起毛部400を設けるようにしてもよい。
具体的には、連結桟部240は、肌(肌表面)Sに接する略平坦な肌当接面(外面)241と、当該肌当接面(外面)241の下側(外面の反対側)においてスリット内刃(内刃)90に面する略平坦な内面242と、肌当接面(外面)241と内面242とをつなぐ側面243と、で区画されている。さらに、図14(a)では、側面243を、下側(外面の反対側)に位置し、上下方向Zに延在する垂直面243bと、垂直面243bの上端に連設され、上方かつ外方(対向する連結桟部240側)に傾斜する傾斜面243aと、で構成されるようにしている。
このように、図14(a)では、連結桟部240の断面形状(上下方向Zに平行で、連結桟部240が延在する方向に対して直交する面で切断した断面形状)は、略台形状の上部に略長方形状の下部を、肌当接面(外面)241が内面242よりも長くなるように連設させた多角形状をしている。
このような形状とすることで、図14(a)では、肌当接面側端部244に形成される鋭角部(エッジ部分:先端部分)430を第1起毛部400としている。
このとき、連結桟部240の下部は略長方形状をしているため、連結桟部240における内面側端部245が略直角のエッジ部(角部)となっている。
すなわち、図14(a)では、連結桟部240の内面242と、連結桟部240の側面243の一部(一部または全部)と、がなす角度を90°(90°以上)としている。
このように、図14(a)に示す形状としても、第1起毛部400を内面側端部245よりも外方に突出させることが可能となって、スリット外刃(外刃)60の起毛力(連結桟部240の起毛力)をより高めることができる。
また、図14(a)に示すように、連結桟部240の内面側端部245の角度を90°以上とすれば、内面側端部245が外方に突出してしまうのが抑制されるため、体毛Hが内面側端部245に突き当たってしまうのが抑制される。その結果、摺動面(内面200bおよび外面90a)よりもスリット内刃(内刃)90側への体毛Hの導入が内面側端部245によって邪魔されてしまうのを抑制することができる。したがって、体毛Hをよりスムーズに摺動面(内面200bおよび外面90a)よりもスリット内刃(内刃)90側へ導入させることができ、より効率的に体毛Hを剃ることができるようになる。
なお、図14(a)に示す第1起毛部400も、連結桟部240の少なくとも一部に形成されていればよいが、スリット外刃(外刃)60がより均一な起毛力を発揮するためには、連結桟部240の全体に形成するのが好ましい。
また、図14(b)に示すように、図14(a)の形状とした連結桟部240の内面側端部245に第3R部510を設けるようにしてもよい。この第3R部510は曲率半径が20μm以下となるようにするのが好ましい。
ここで、上記の各図のいずれかに示す連結桟部240は、内面242がスリット内刃(内刃)90の外面90aに摺接できるように構成することが可能である。例えば、連結桟部240の断面形状を図14(a)に示す断面形状とし、当該連結桟部240の内面242がスリット内刃(内刃)90の外面90aに摺接できる構成とすることが可能である。
ただし、連結桟部240は、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xと交差する方向に延在しており、スリット内刃(内刃)90とスリット外刃(外刃)60とで体毛Hを挟み切る際の挟み角が大きくなる部位となっている。
なお、挟み角とは、肌当接面200a側から視た際(上下方向Zから視た際)に、摺動面(内面200bおよび外面90a)上にあるスリット外刃(外刃)60の稜線(内面側端部225が描く線や内面側端部245が描く線等)とスリット内刃(内刃)90の稜線(外面90aの左右方向Yの両端の境界線)との交差角度のことをいう。
特に、上述したスリット300においては、連結部331aと連結部331bとを結ぶ直線L1と、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yとのなす角θ1が、0°以上45°以下となっている。
したがって、連結桟部240においては、スリット内刃(内刃)90とスリット外刃(外刃)60とで体毛Hを挟み切る際の挟み角が大きくなっている(スリット内刃90の稜線が前後方向Xに対して平行な場合、挟み角は45°以上90°以下となる)。
そのため、連結桟部240は、ハーフカットなどの切断不良を引き起こしやすい部位となっている。なお、ハーフカットとは、体毛Hが完全に切断されず半切れの状態となってしまうことである。
しかしながら、図14(b)に示すように、連結桟部240における内面側端部245に角を丸めた第3R部510を形成すれば、連結桟部240において体毛Hが切断されてしまうのを抑制することができるようになる。
こうすれば、ハーフカットなどの切断不良を引き起こしやすい連結桟部240では体毛Hを切断せずに、第1スリット部310または第2スリット部320に移動した際に、スリット内刃90とスリット外刃60(第1桟部220や第2桟部230)とで体毛Hを挟み切るようにすることができる。
このように、連結桟部240における内面側端部245に角を丸めた第3R部510を形成すれば、体毛Hを切断する際にハーフカットなどの切断不良を引き起こしてしまうのが抑制され、より確実に体毛Hを剃ることができるようになる。
なお、図12に示す連結桟部240としても、同様の作用、効果を奏することができる。
また、図15に示すように、連結桟部240の断面形状(上下方向Zに平行で、連結桟部240が延在する方向に対して直交する面で切断した断面形状)を、連結桟部240における内面側端部245の角度が鋭角となるようにすることも可能である。
具体的には、連結桟部240は、肌(肌表面)Sに接する略平坦な肌当接面(外面)241と、当該肌当接面(外面)241の下側(外面の反対側)においてスリット内刃(内刃)90に面する略平坦な内面242と、肌当接面(外面)241と内面242とをつなぐ側面243と、で区画されている。さらに、図15では、側面243を、下側(外面の反対側)に位置し、下方かつ外方(対向する連結桟部240側)に傾斜する傾斜面243cと、傾斜面243cの上端に連設され、上方かつ外方(対向する連結桟部240側)に傾斜する傾斜面243aと、で構成されるようにしている。
このように、図15では、連結桟部240の断面形状(上下方向Zに平行で、連結桟部240が延在する方向に対して直交する面で切断した断面形状)は、略台形状の上部に略台形状の下部を連設させた多角形状をしている。すなわち、図15では、連結桟部240の断面形状は、上端および下端が中央部よりも外方に突出した形状をしている。
そして、このような形状とすることで、図15では、肌当接面側端部244に形成される鋭角部(エッジ部分:先端部分)430を第1起毛部400としている。
このとき、連結桟部240における内面側端部245が鋭角のエッジ部(角部)となっている。
ただし、連結桟部240は、上述したように、ハーフカットなどの切断不良を引き起こしやすい部位となっている。そのため、体毛Hを切断する際にハーフカットなどの切断不良を引き起こしてしまうのを抑制できるようにするのが好ましい。
そこで、図15では、連結桟部240の内面242とスリット内刃(内刃)90の外面90aとの間に隙間D1を形成している。
このように、内面242とスリット内刃(内刃)90の外面90aとの間に隙間D1を形成すれば、連結桟部240の内面242が外面90aに当接しないようにすることが可能となる。こうすることで、第1起毛部400が形成された領域を含む連結桟部240においては、体毛Hが切断されないようになる。なお、隙間D1は、100μm以上に設定するのが好ましい。
このように、連結桟部240の内面242とスリット内刃(内刃)90との間に隙間D1を設けるようにすれば、ハーフカットなどの切断不良を引き起こしやすい連結桟部240で体毛Hが切断されてしまうのをより確実に抑制することができるようになる。その結果、体毛Hを切断する際にハーフカットなどの切断不良を引き起こしてしまうのをより確実に抑制することができようになる。
なお、連結桟部240の断面形状を、上記の各図のいずれかに示す断面形状とし、当該連結桟部240の内面242とスリット内刃(内刃)90の外面90aとの間に隙間D1が形成されるようにすることも可能である。
また、スリット外刃(外刃)60を肌(肌表面)Sに接する側から見た状態で、第1起毛部400が、スリット内刃(内刃)90と重なる位置に設けられるようにするのが好ましい。すなわち、図17に示すように、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yから視た状態で、第1起毛部400とスリット内刃(内刃)90とが上下方向Zにオーバーラップするように、第1起毛部400を配置するのが好ましい。
例えば、図16に示すように、第1起毛部400が、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yから視た状態で、第1起毛部400とスリット内刃(内刃)90とが上下方向Zにオーバーラップしない位置に形成されていると、第1起毛部400によって起こされた体毛Hが、スリット内刃(内刃)90による切断可能領域に到達する前に再度寝てしまうおそれがある。
これに対して、図17に示すように、第1起毛部400を、左右方向(外刃長さ方向:スリット幅方向)Yから視た状態で、第1起毛部400とスリット内刃(内刃)90とが上下方向Zにオーバーラップする位置に形成すれば、第1起毛部400によって起こされた体毛Hを、より確実に、起こされた状態で切断させることが可能となる。
また、図18(a)に示すように、第1起毛部400が、連結スリット部330に向けて突出する第1突部420を有するようにしてもよい。すなわち、連結桟部240における肌当接面(外面)241側に外方に突出する第1突部420を形成し、当該第1突部420を第1起毛部400として機能させるようにしてもよい。図18(a)では、第1突部420は、連結桟部240に一体に形成されている。
また、図18(b)および図18(c)に示すように、連結桟部240とは別の部材440を連結桟部240に固定させることで、第1突部420を形成するようにしてもよい。
このように、スリット外刃(外刃)60の起毛力を高められる構成とすることで、寝ている体毛Hをより確実に起毛させることが可能となるが、起毛力を高めると、肌Sにダメージが与えられるおそれがある。そのため、起毛力を高めつつ肌Sに与える影響を抑制できるようにするのが好ましい。
以下では、肌Sに与える影響を抑制することが可能な構成について説明する。
まず、図18(b)および図18(c)において、連結桟部240とは別の部材440として、樹脂やゴム、軟質材料など、使用時に肌Sに与える影響を抑制することが可能な部材を用いるようにすれば、肌Sに与える影響を抑制することが可能となる。
別の部材440の連結桟部240への取り付け方向としては、嵌合、接着、溶着等がある。また、図18(c)に示すように、樹脂(別の部材)440を用いて連結桟部240の外周を樹脂コーティングすることで、第1突部420を形成することも可能である。
このように、使用時に肌Sに与える影響を抑制することが可能な部材を用いて第1突部420を形成すれば、寝ている体毛Hをより確実に起毛させつつ、第1起毛部400によって肌Sに与えられる刺激を低減させることが可能となる。
また、図19(a)および図19(b)に示すように、第1起毛部400の縁部(先端410)に第1R部411を形成することで、肌Sに与える影響を抑制できるようにすることも可能である。この第1R部411の曲率半径(連結桟部240を当該連結桟部240の延在方向と直交する方向で切断した断面視における第1R部411の曲率半径)は、起毛力を発揮させつつ肌への影響を抑制できるようにするために、20μm以上60μm以下となるようにするのが好ましい。
また、図20に示すように、連結桟部240(第1起毛部400が形成されている部位)と、第1桟部220や第2桟部230(第1起毛部400が形成されていない部位)との境界(連結部331a、331b、331c、331d)の近傍に、肌S側に突出する第2突部250を形成するようにしてもよい。図20では、第1桟部220や第2桟部230に第2突部250を形成したものを例示しているが、連結桟部240に第2突部250を形成することも可能である。なお、この第2突部250の肌当接面(外面)221,231からの突出量は30μmとするのが好ましい。
こうすれば、第1起毛部400が形成された領域における肌Sの接圧を低減することができ、第1起毛部400によって肌Sに与えられる刺激を低減させることが可能となる。
また、図21(a)に示すように、第1起毛部400の先端410を肌当接面(外面)241よりもスリット内刃(内刃)90側に位置させるようにすることも可能である。このとき、肌当接面(外面)241から第1起毛部400の先端410までの上下方向Zの距離を30μmとするのが好ましい。
図21(a)では、両側面243の上部に、上側(肌S側)が下方かつ外方に傾斜する傾斜面となるとともに、下側(内面側)が上方かつ外方に傾斜する傾斜面となる突部を形成し、それらの傾斜面の連結部分が先端410となるようにしている。
また、図21(b)に示すように、外方に突出した部分を下方に変形させることで、先端410の位置が肌当接面(外面)241よりもスリット内刃(内刃)90側となるようにしてもよい。このとき、肌当接面側端部244にR部が形成されるようにすることも可能である。このR部の曲率半径は、20μm以上60μm以下となるようにするのが好ましい。
こうすれば、第1起毛部400によって肌Sに与えられる刺激を低減させることが可能となる。なお、図21(a)に示す形状としつつ、肌当接面側端部244に、曲率半径が20μm以上60μm以下となるR部が形成されるようにすることも可能である。
また、図22(a)〜図22(c)に示すように、連結桟部240(第1起毛部400が形成されている部位)の肌当接面(外面)241を、第1桟部220や第2桟部230(第1起毛部400が形成されていない部位)の肌当接面(外面)221,231よりもスリット内刃(内刃)90側に位置させるようにしてもよい。
こうすれば、第1起毛部400が形成された領域における肌Sの接圧を低減することができ、第1起毛部400によって肌Sに与えられる刺激を低減させることが可能となる。
また、図23に示すように、第1桟部220や第2桟部230(第1起毛部400が形成されていない部位)における肌当接面(外面)221,231の縁部(肌当接面側端部224や肌当接面側端部234)が、第2R部520を有するようにしてもよい。この第2R部520は曲率半径が30μm以上となるようにするのが好ましい。
また、第2R部520は、肌Sが当接する領域のほぼ全体に形成するのが好ましい、すなわち、天壁61だけでなく側壁62の上部まで第2R部520を形成するのが好ましい。
こうすれば、スリット300の桟210に当接する肌Sに与えられる刺激をより確実に低減させることができる。
また、図24(a)および図24(b)に示すように、連結桟部240(第1起毛部400が形成されている部位)の側面243と、第1桟部220や第2桟部230(第1起毛部400が形成されていない部位)における側面223,233とを、滑らかな曲面で連続させるようにしてもよい。
単に第1起毛部400を設けただけでは、図22(a)に示すように、側面223と側面243との間や側面233と側面243との間に不連続面が形成されてしまう。このように、不連続面が形成されると、体毛Hが不連続面に引っ掛かって剃り心地が悪化してしまったり、肌Sが不連続面によって刺激を受けてしまったりするおそれがある。
これに対して、図24(a)および24(b)の形状とすれば、桟210の側面213に不連続面が形成されてしまうのが抑制されるため、肌Sに与えられる刺激を低減させることが可能となって、より滑らかな剃り心地を得ることができるようになる。
また、図25(a)〜図25(c)に示すように、天壁61と側壁62との連結部63における肌当接面(外面)211側に第2起毛部63aを形成するようにしてもよい。図25(c)に示す連結部63の断面形状は、図14(a)とほぼ同様の形状をしている。
このように、天壁61と側壁62との連結部63における肌当接面(外面)211側に第2起毛部63aを形成することで、側壁62側から導入される体毛Hを連結部63側の第2起毛部63aによって起毛させることができるようになるため、より効率的に体毛Hを剃ることが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる電気かみそり10は、所定の長さと幅とを有し、肌(肌表面)Sに接するスリット外刃(外刃)60と、スリット外刃(外刃)60の肌Sに接する側とは反対側に配置され、当該スリット外刃(外刃)60に対して相対的に変位するスリット内刃(内刃)90と、を備えている。
また、スリット外刃(外刃)60には、前後方向(外刃幅方向)Xに延びて体毛Hが導入されるスリット300が、左右方向(外刃長さ方向)Yに所定間隔で複数並ぶように形成されている。
また、スリット300は、前後方向(外刃幅方向)Xの一端側に位置する第1スリット部310と、前後方向(外刃幅方向)Xの他端側において、第1スリット部310に対して左右方向(外刃長さ方向)Yにずれた位置にある第2スリット部320と、第1スリット部310と第2スリット部320とを連結する連結スリット部330と、から構成されている。
そして、第1スリット部310と第2スリット部320との左右方向(外刃長さ方向)Yにおけるずれ幅W1が、連結スリット部330との連結部分311,321における第1スリット部310および/または第2スリット部320の幅W2と同等かそれ以上となっている。
こうすれば、寝ている体毛Hをスリット300に導入した状態でスリット外刃(外刃)60を前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに移動させた際に、より確実に連結スリット部330の周縁部(連結桟部240)に当接させることができる。その結果、寝ている体毛Hをより確実に起毛させて、スリット内刃(内刃)90およびスリット外刃(外刃)60との接触面(摺動面:内面200bおよび外面90a)よりもスリット内刃(内刃)90側に導入できるようになるため、より効率的に体毛Hを剃ることができる。
このとき、左右方向(外刃長さ方向)Yとの間になす角度が、0°以上45°以下となるように連結スリット部330を形成することが可能である。
こうすれば、寝ている体毛Hをスリット300に導入した状態でスリット外刃(外刃)60を前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xに移動させた際に、連結スリット部330の周縁部(連結桟部240)に当接した体毛Hが横滑りしてしまうのが抑制され、寝ている体毛Hをより確実に起毛させることができるようになる。
また、第1スリット部310および/または第2スリット部320と連結スリット部330との連結部分311,321に、スリット外刃(外刃)60を肌Sに接する側から視た状態で、湾曲部302が形成されるようにすることも可能である。
こうすることで、スリット300の周縁部(連結部分311および/または連結部分321)に当接する肌Sに与えられる刺激を低減させることができる。
また、左右方向(外刃長さ方向)Yにおいて互いに隣り合うスリット300,300の間に、当該スリット300,300に沿って前後方向(外刃幅方向)Xに延びる桟210が形成されるようにすることも可能である。
このとき、桟210が、第1スリット部310に隣接する第1桟部220と、第2スリット部320に隣接する第2桟部230と、連結スリット部330に隣接して第1桟部220と第2桟部230とを連結する連結桟部240と、で構成されるようにすることも可能である。
また、桟210が、肌Sに接する肌当接面(外面)211と、当該肌当接面(外面)211の反対側においてスリット内刃(内刃)90に面する内面212と、肌当接面(外面)211と内面212とをつなぐ側面213と、を有するようにすることも可能である。
そして、連結桟部240における肌当接面(外面)241側の縁部(肌当接面側端部244)に第1起毛部400が形成されるようにすることも可能である。
こうすれば、寝ている体毛Hをより確実に起毛させることができるようになる。
また、肌当接面200a側から視た状態で、連結桟部240が段差状となるようにすることも可能である。
こうすれば、体毛Hをさらに横滑りさせにくくすることができるため、寝ている体毛Hをより確実に起毛させることができるようになる。
また、第1起毛部400が、連結スリット部330に向けて突出する第1突部420を有するようにすることも可能である。
こうすれば、より簡素な構成で、寝ている体毛Hをより確実に起毛させることができるようになる。
また、第1起毛部400が、連結桟部240の肌当接面(外面)241と、連結桟部240の側面243の全部(一部または全部)と、がなす角度が鋭角となる鋭角部430を有するようにすることも可能である。
こうすれば、肌Sと寝ている体毛Hとの間に第1起毛部400の先端を潜り込ませやすくすることができ、寝ている体毛Hをより確実に起毛させることができるようになる。
また、連結桟部240とは別の部材440を連結桟部240に固定させることで、第1突部420を形成するようにしてもよい。
こうすれば、寝ている体毛Hをより確実に起毛させつつ、第1起毛部400によって肌Sに与えられる刺激を低減させることが可能となる。特に、十分な弾性を有する部材を用いて第1起毛部400を形成すれば、当該第1起毛部400が肌Sに与える刺激をより低減させることが可能となる。
また、第1起毛部400の縁部(先端410)が、角を丸めた第1R部411を有するようにすることも可能である。
こうすれば、寝ている体毛Hをより確実に起毛させつつ、第1起毛部400によって肌Sに与えられる刺激を低減させることが可能となる。
このとき、第1起毛部400の第1R部411の曲率半径(連結桟部240を当該連結桟部240の延在方向と直交する方向で切断した断面視における第1R部411の曲率半径)が20μm以上60μm以下となるようにするのが好ましい。
こうすれば、起毛力の低下を抑制しつつ、第1起毛部400によって肌Sに与えられる刺激を低減させることが可能となる。
また、第1桟部220や第2桟部230(第1起毛部400が形成されていない部位)における肌当接面(外面)221,231の縁部(肌当接面側端部224や肌当接面側端部234)が、角を丸めた第2R部520を有するようにすることも可能である。
こうすることで、桟210に当接する肌Sに与えられる刺激をより確実に低減させることができる。
また、第1起毛部400の先端410を肌当接面(外面)241よりもスリット内刃(内刃)90側に位置させることも可能である。
こうすれば、第1起毛部400によって肌Sに与えられる刺激を低減させることが可能となる。
また、連結桟部240(桟210における第1起毛部400が形成されている部位)と、第1桟部220や第2桟部230(第1起毛部400が形成されていない部位)との境界(連結部331a、331b、331c、331d)の近傍に、肌S側に突出する第2突部250が形成されるようにすることも可能である。
そして、連結桟部240(桟210における第1起毛部400が形成されている部位)の肌当接面(外面)241を、第1桟部220や第2桟部230(第1起毛部400が形成されていない部位)の肌当接面(外面)221,231よりもスリット内刃(内刃)90側に位置させるようにしてもよい。
こうすれば、第1起毛部400が形成された領域における肌Sの接圧を低減することができ、第1起毛部400によって肌Sに与えられる刺激を低減させることが可能となる。
また、第1起毛部400を設けた連結桟部240の側面243と、第1起毛部400を設けていない第1桟部220の側面223および第2桟部230の側面233とを、滑らかにつなげるようにすることも可能である。
こうすることで、桟210の側面213に不連続面が形成されてしまうのが抑制されるため、肌Sに与えられる刺激を低減させることが可能となって、より滑らかな剃り心地を得ることができるようになる。
また、第1起毛部400が、スリット外刃(外刃)60を肌Sに接する側から見た状態で、スリット内刃(内刃)90と重なる位置に設けられるようにすることも可能である。
こうすれば、第1起毛部400によって起毛させた体毛Hが切断される前に再度寝てしまうのを抑制することができ、より確実に体毛Hを剃ることができるようになる。
また、連結桟部240の側面(少なくとも、桟210における第1起毛部400が形成されている部位の側面)243に、肌当接面(外面)241側から内面242側に延在する溝部246が形成されるようにすることも可能である。
こうすることで、体毛Hを溝部246に沿って移動させやすくすることができ、寝ている体毛Hをより確実に起毛させることができるようになる。
また、連結桟部240の内面242と、連結桟部240の側面243の一部または全部と、がなす角度を90°以上とすることも可能である。
例えば、連結桟部240の内面242と、連結桟部240の側面243の一部または全部と、がなす角度を鋭角にすると、体毛Hを摺動面(内面200bおよび外面90a)よりもスリット内刃(内刃)90側に導入する際に体毛Hが内面側の縁部(内面側端部245)の鋭角部分に突き当たってしまう。そのため、摺動面(内面200bおよび外面90a)よりもスリット内刃(内刃)90側への体毛Hの導入が、内面側の縁部(内面側端部245)の鋭角部分によって妨げられてしまうことがある。
これに対して、連結桟部240の内面242と、連結桟部240の側面243の一部または全部と、がなす角度を90°以上とすれば、体毛Hが内面側の縁部(内面側端部245)に突き当たってしまうのが抑制される。そのため、摺動面(内面200bおよび外面90a)よりもスリット内刃(内刃)90側への体毛Hの導入が内面側の縁部(内面側端部245)によって邪魔されてしまうのを抑制することができる。その結果、体毛Hをよりスムーズに摺動面(内面200bおよび外面90a)よりもスリット内刃(内刃)90側へ導入させることができ、より効率的に体毛Hを剃ることができるようになる。
さらに、連結桟部240における内面側端部245が、角度が鈍角となる鈍角部500を有するようにすることもできる。
こうすれば、連結桟部240の側面243を、肌当接面(外面)241側かつ外側(連結スリット部330側)に傾斜する傾斜面とすることができる。このように、連結桟部240の側面243を、肌当接面(外面)241側かつ外側(連結スリット部330側)に傾斜させるようにすれば、体毛Hを摺動面(内面200bおよび外面90a)よりもスリット内刃(内刃)90側に導入する際に、側面(傾斜面)243に沿って肌当接面(外面)241側から内面242側(スリット内刃90側)に向けてよりスムーズに滑らせることができるようになる。また、内面側端部245の角度を鈍角とすることで、内面側端部245と体毛Hとの間に生じる摩擦力を低減させることができるようになる。このように、連結桟部240における内面側端部245の角度が鈍角となるようにすることで、体毛Hを摺動面(内面200bおよび外面90a)よりもスリット内刃(内刃)90側によりスムーズに導入させることが可能となる。
また、連結桟部240の内面242側の縁部が、角を丸めた第3R部510を有するようにすることも可能である。
ところで、連結桟部240は、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xと交差する方向に延在しており、スリット内刃(内刃)90とスリット外刃(外刃)60とで体毛Hを挟み切る際の挟み角が大きくなる部位となっている。
そのため、連結桟部240は、ハーフカットなどの切断不良を引き起こしやすい部位となっている。なお、ハーフカットとは、体毛Hが完全に切断されず半切れの状態となってしまうことである。
ここで、連結桟部240の内面242側の縁部に、角を丸めた第3R部510を形成すれば、連結桟部240において体毛Hが切断されてしまうのを抑制できるようになる。こうすれば、ハーフカットなどの切断不良を引き起こしやすい連結桟部240では体毛Hを切断せずに、第1スリット部310または第2スリット部320に移動した際に、スリット内刃(内刃)90とスリット外刃(外刃)60とで体毛Hを挟み切るようにすることができる。
このように、連結桟部240の内面242側の縁部に、角を丸めた第3R部510を形成すれば、体毛Hを切断する際にハーフカットなどの切断不良を引き起こしてしまうのが抑制され、より確実に体毛Hを剃ることができるようになる。
また、連結桟部240の内面242とスリット内刃(内刃)90との間に隙間D1が形成されるようにすることも可能である。
このように、連結桟部240の内面242とスリット内刃(内刃)90との間に隙間D1を設けるようにすれば、ハーフカットなどの切断不良を引き起こしやすい連結桟部240で体毛Hが切断されてしまうのをより確実に抑制することができるようになる。その結果、体毛Hを切断する際にハーフカットなどの切断不良を引き起こしてしまうのをより確実に抑制することができようになる。
また、スリット外刃(外刃)60が、肌Sに対向する天壁61と、天壁61における前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの両端部に連設されて、スリット内刃90側(肌Sから離れる方向)に延在する側壁62と、を備えるようにすることもできる。
また、前後方向(外刃幅方向:スリット長さ方向)Xの一方の側壁62から他方の側壁62にかけて延在するように、スリット300を形成することも可能である。
そして、天壁61と側壁62との連結部63における肌当接面(外面)211側に第2起毛部63aが形成されるようにすることも可能である。
こうすることで、側壁62側から導入される体毛Hを第2起毛部63aによって起毛させることができるようになるため、より多くの体毛Hを摺動面(内面200bおよび外面90a)よりもスリット内刃(内刃)90側に導入させることができるようになる。その結果、より効率的に体毛Hを剃ることができるようになる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、グリップ部11およびヘッド部12を備える電気かみそり10を例示したが、ヘッド部が設けられていない電気かみそりに本発明を適用することも可能である。
また、スリット刃(スリット内刃およびスリット外刃)をネット刃、トリマー刃、ヒゲ起こしコーム、ローラー等と共働させるようにすることも可能である。
また、上記実施の形態では、スリット外刃1枚を含む3枚の外刃を並列したものを例示したが、外刃は、スリット外刃を少なくとも1枚有していればよく、外刃の数は、1〜2枚であっても、4枚以上であってもよい。
また、上記実施の形態では、平面形状の異なる複数種類のスリットを例示しているが、スリットの平面形状は、これに限らず様々な形状とすることができる。また、上記実施の形態では、断面形状の異なる複数種類の桟を例示しているが、桟の断面形状も、これに限らず様々な形状とすることができる。
そして、外刃は、所定の平面形状をしたスリットと、所定の断面形状をした桟とを有しており、スリットの平面形状と桟の断面形状は、任意の組み合わせとすることができる。例えば、スリットの平面形状を図7(a)に示す形状としつつ、連結桟部の断面形状を図19(a)に示す形状とすることができる。
また、外刃や内刃、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。