WO2023189571A1 - スリット刃ブロックおよび電気かみそり - Google Patents

Abstract

本開示は、肌に与える刺激を抑制しつつ、より効率よく体毛を剃ることが可能なスリット刃ブロックおよび電気かみそりを得る。本開示によるスリット刃ブロックは、第１方向に延在し、第１方向と交差する第２方向に沿って離間配置される複数の外刃片（４１５）を有するスリット外刃（４０）を備えている。また、スリット刃ブロックは、スリット外刃（４０）よりも第１方向の外側に設けられ、第２方向に沿って離間配置される複数のコーム（７２）を備えている。そして、コーム（７２）には、第１方向の外側に突出する突起部（７４）が設けられており、突起部（７４）は、第２方向に並ぶ２個以上のコーム（７２）を跨ぐように延在する第１突起部（７４１）を有している。

Description

スリット刃ブロックおよび電気かみそり

　本開示は、スリット刃ブロックおよび電気かみそりに関する。

　従来、電気かみそりにおいて、特許文献１に示すように、複数の外刃片を有するスリット外刃と、複数の内刃片を有するスリット内刃と、を備え、長さがある程度長いヒゲを短くする粗剃りを行うためのスリット刃ブロックが知られている。

　特許文献１では、スリット外刃の外刃片間の間隔の大きさを変えずにヒゲの導入性を向上させるため、スリット刃ブロックが、スリット外刃の外側に設けられるコーム(comb)を備えるようにしている。

特開２０２０－１９５４７５号公報

　このようなコームを備えるスリット刃ブロックにおいては、効率よく体毛を剃ることができるだけでなく、肌に与える刺激を抑制できるようにするのが好ましい。

　そこで、本開示は、肌に与える刺激を抑制しつつ、より効率よく体毛を剃ることが可能なスリット刃ブロックおよび電気かみそりを得ることを目的とする。

　本開示の一態様にかかるスリット刃ブロックは、第１方向に延在し、前記第１方向と交差する第２方向に沿って離間配置される複数の外刃片を有するスリット外刃と、前記スリット外刃よりも前記第１方向の外側に設けられ、前記第２方向に沿って離間配置される複数のコームと、を備え、前記第２方向で隣り合う外刃片の間には外スリットが形成されており、前記第２方向で隣り合うコームの間には、前記外スリットに連通する溝部が形成されており、前記コームには、前記第１方向の外側に突出する突起部が設けられており、前記突起部は、前記第２方向に並ぶ２個以上のコームを跨ぐように延在する第１突起部を有している。

　また、本開示の一態様にかかる電気かみそりは、前記スリット刃ブロックを備えている。

　本開示によれば、肌に与える刺激を抑制しつつ、より効率よく体毛を剃ることが可能なスリット刃ブロックおよび電気かみそりを得ることができる。

実施の形態にかかる電気かみそりを一部分解して示す斜視図である。 実施の形態にかかるスリット刃ブロックを示す分解斜視図である。 実施の形態にかかるスリット刃ブロックのスリット外刃およびスリット内刃を拡大して示す断面図である。 実施の形態におけるスリット外刃本体をコーム部品に取り付けた状態を示す斜視図である。 実施の形態におけるコーム部品を示す斜視図である。 実施の形態におけるスリット外刃本体をコーム部品に取り付けた状態を一部拡大して示す斜視図である。 実施の形態におけるスリット外刃本体をコーム部品に取り付けた状態を一部拡大して示す平面図である。 実施の形態におけるスリット外刃のスリットとコーム部品の溝部との配置パターンの複数の例を模式的に示す図である。 図８に示すパターンＢの具体的な構成を示す平面図である。 図８に示すパターンＣの具体的な構成を示す平面図である。 実施の形態におけるコーム部品の第１変形例を示す斜視図である。 実施の形態におけるコーム部品の第１変形例を示す平面図である。 実施の形態におけるコーム部品の第２変形例を示す斜視図である。 実施の形態におけるコーム部品の第２変形例を示す平面図である。 実施の形態におけるスリット外刃本体をコーム部品に取り付けた状態で、溝部に対応する部位でスリット外刃本体およびコーム部品を切断した断面図である。 図１５のＡ－Ａ断面図である。 実施の形態にかかるスリット刃ブロックの溝部内にヒゲが導入された状態を模式的に示す図である。 実施の形態におけるコーム部品の第３変形例を示す断面図である。

　以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。

　なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。

　また、以下の実施の形態およびその変形例では、複数の刃ブロックが並設される方向をＸ方向（すなわち、第１方向：前後方向：剃り方向）、各刃ブロックが延在する方向をＹ方向（すなわち、第２方向：左右方向）として説明する。そして、肌接触面が上方を向くようにヘッド部（すなわち、電気かみそりの一要素）を配置した状態における上下方向をＺ方向（すなわち、第３方向：上下方向）として説明する。また、電気かみそりの電源スイッチが設けられている側をＸ方向の前方として説明する。

　また、スリット刃ブロックの方向についても、上記Ｘ方向、Ｙ方向およびＺ方向を用いて説明する。すなわち、スリット刃ブロックをかみそり本体に取り付けた状態において、スリット刃ブロックのＸ方向、Ｙ方向およびＺ方向に一致する方向を、それぞれスリット刃ブロックのＸ方向、Ｙ方向およびＺ方向と規定する。

　（実施の形態）
　まず、図１を参照して、電気かみそり１の構成について説明する。

　図１は、実施の形態にかかる電気かみそり１を一部分解して示す斜視図である。本実施の形態にかかる電気かみそり１は、図１に示すように、かみそり本体１０と、かみそり本体１０に、肌接触面２０ａ（すなわち、後述する各刃ブロックの外刃の表面）が露出した状態で保持される刃ユニット２０と、を備えている。

　かみそり本体１０は、手で把持することが可能なグリップ部１１と、グリップ部１１に支持されるヘッド部１２と、を備えている。本実施の形態では、ヘッド部１２は、グリップ部１１の延在方向を上下方向に略一致させた状態で、上方かつ前方に傾斜した状態でグリップ部１１に支持されている。

　このヘッド部１２は、Ｘ方向に延在する図示せぬ軸部を軸として、グリップ部１１に対してＹ方向に揺動できるようにすることが可能である。また、ヘッド部１２は、Ｙ方向に延在する図示せぬ軸部を軸として、グリップ部１１に対してＸ方向に揺動できるようにすることも可能である。さらに、ヘッド部１２を、グリップ部１１に対してＺ方向にフロートできるようにすることも可能である。

　そして、これらの揺動およびフロートを適宜組み合わせた構成とすることも可能である。例えば、ヘッド部１２が、グリップ部１１に対して、Ｘ方向およびＹ方向に揺動できるようにしつつ、グリップ部１１に対してＺ方向にフロートできるようにした構成とすることが可能である。

　なお、ヘッド部１２を、グリップ部１１に対して揺動もフロートもさせない構成とすることも可能である。また、ヘッド部１２がグリップ部１１に対して傾斜していない構成とすることも可能である。

　グリップ部１１は、本体ハウジング１１１を備えており、この本体ハウジング１１１の内部には空洞が形成されている。そして、この本体ハウジング１１１の内部に形成された空洞内に、充電池等の各種電気部品が収容されている。

　また、本体ハウジング１１１には、電気かみそり１を動作させる（すなわち、電源をオン・オフさせる）押圧式の電源スイッチ１１１ａが形成されている。なお、本実施の形態では電源スイッチ１１１ａとして押圧式のスイッチを例示しているが、電源をオン・オフできるスイッチであればスライド式またはその他のスイッチであってもよい。

　本実施の形態では、電源スイッチ１１１ａは、本体ハウジング１１１の前面、すなわち、電気かみそり１の前面（すなわち、正面）に形成されている。なお、電気かみそり１の前面とは、通常の使用時に、使用者が電気かみそり１のグリップ部１１を把持した状態で、使用者と対向する側の面のことである。

　また、本体ハウジング１１１の後部（すなわち、電気かみそり１の後部）に、トリマーユニットを設けるようにすることも可能である。

　ヘッド部１２は、グリップ部１１に取り付けられるヘッド部本体１２１と、ヘッド部本体１２１に着脱可能に装着されるヘッドカバー１２２と、を備えている。本実施の形態では、ヘッド部本体１２１の左右両端に突没自在に設けられた解除ボタン１２１ａを内側に没入させることで、ヘッドカバー１２２とヘッド部本体１２１との装着が解除されるようになっている。

　また、ヘッド部本体１２１内には、駆動機構が収容されている。この駆動機構は、複数個の駆動稈１３を備えており、この駆動稈１３がヘッド部本体１２１から上方に突出するようにした状態でヘッド部本体１２１内に収容されている。このような駆動機構としては、例えば、振動型リニアアクチュエータ、回転モータと回転運動を往復直線運動に変換する変換機構とで構成される駆動機構等、従来公知のものを用いることができる。

　刃ユニット２０は、２個の第１刃ブロック２１と、２個の第２刃ブロック２２と、１個のスリット刃ブロック３０と、外刃ケース２３と、を備えており、５個の刃ブロックが、長手方向をＹ方向に一致させた状態でＸ方向に並ぶように配置されている。

　このように、本実施の形態では、各刃ブロックが所定の長さと幅を有しており、これらの刃ブロックは、長さ方向を電気かみそり１のＹ方向（すなわち、第２方向：左右方向）と略一致させつつ、幅方向を電気かみそり１のＸ方向（すなわち、第１方向：前後方向：剃り方向）と略一致させた状態で配置されている。

　なお、第１刃ブロック２１は、主に倒れた状態のヒゲＨ（すなわち、体毛の一例、後述する図１７参照）を切除する機能を有するものであり、第２刃ブロック２２は、主に短く立った状態のヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を切除する機能を有するものである。そして、スリット刃ブロック３０は、主に細い長ヒゲＨ（すなわち、体毛）を切除する機能を有するものである。

　本実施の形態では、１個のスリット刃ブロック３０がＸ方向の中央に配置されており、２個の第１刃ブロック２１が、スリット刃ブロック３０の両隣にそれぞれ配置されている。そして、２個の第２刃ブロック２２が、第１刃ブロック２１に対してスリット刃ブロック３０とは反対側に位置するようにそれぞれ配置されている。すなわち、Ｘ方向の両端に２個の第２刃ブロック２２が配置されている。

　なお、刃ユニット２０は、少なくとも１個のスリット刃ブロック３０を備えていればよく、４個以下の刃ブロックを備える構成とすることも可能であるし、６個以上の刃ブロックを備える構成とすることも可能である。また、各刃ブロックの並び順も適宜設定することが可能である。

　第１刃ブロック２１は、第１ネット刃２１１と第１内刃２１２とを備えている。本実施の形態では、第１ネット刃２１１は、側面視（すなわち、Ｙ方向に沿って見た状態）で上方が凸となるように逆Ｕ字状に湾曲して形成されている。さらに、第１ネット刃２１１は、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で上方が凸となるようにＹ方向（すなわち、外刃長さ方向）に沿って若干湾曲して形成されている。そして、この第１ネット刃２１１には、例えば、円形の刃穴（図示せず）が多数形成されている。なお、第１ネット刃２１１を、正面視で上方が凸となるように湾曲させない構成とすることも可能である。例えば、第１ネット刃２１１を正面から見た状態（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、第１ネット刃２１１の頂部がＹ方向（すなわち、外刃長さ方向）に延在する直線となるようにすることが可能である。

　第１内刃２１２は、第１ネット刃２１１の湾曲形状に沿う逆Ｕ字状をしており、第１ネット刃２１１の内方（すなわち、第１ネット刃２１１の下側：第１ネット刃２１１の肌Ｓ（後述する図１７参照）に接する側とは反対側）に配置されている。この第１内刃２１２は、複数個の駆動稈１３のうちの１個の駆動稈１３に着脱可能に装着されている。そして、第１内刃２１２を駆動稈１３に装着させつつ第１ネット刃２１１の内方に配置させた状態で電気かみそり１の電源をオンにして駆動稈１３を駆動させた際に、第１内刃２１２が、第１ネット刃２１１の内面に摺接しながら第１ネット刃２１１に対して相対的に変位する（すなわち、相対移動する：Ｙ方向へ往復動する）ようにしている。

　同様に、第２刃ブロック２２は、第２ネット刃２２１と第２内刃（図示せず）とを備えている。本実施の形態では、第２ネット刃２２１も、側面視（すなわち、Ｙ方向に沿って見た状態）で上方が凸となるように逆Ｕ字状に湾曲して形成されている。さらに、第２ネット刃２２１も、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で上方が凸となるようにＹ方向（すなわち、外刃長さ方向）に沿って若干湾曲して形成されている。そして、この第２ネット刃２２１にも、例えば、円形の刃穴（図示せず）が多数形成されている。なお、第２ネット刃２２１を、正面視で上方が凸となるように湾曲させない構成とすることも可能である。例えば、第２ネット刃２２１を正面から見た状態（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、第２ネット刃２２１の頂部がＹ方向（すなわち、外刃長さ方向）に延在する直線となるようにすることが可能である。

　第２内刃は、図示省略したが、第１内刃２１２と同様、第２ネット刃２２１の湾曲形状に沿う逆Ｕ字状をしており、第２ネット刃２２１の内方（すなわち、第２ネット刃２２１の下側：第２ネット刃２２１の肌Ｓに接する側とは反対側）に配置されている。この第２内刃は、複数個の駆動稈１３のうちの１個の駆動稈１３（すなわち、第１内刃２１２が装着される駆動稈とは別の駆動稈１３）に着脱可能に装着されている。そして、第２内刃を駆動稈１３に装着させつつ第２ネット刃２２１の内方に配置させた状態で電気かみそり１の電源をオンにして駆動稈１３を駆動させた際に、第２内刃が、第２ネット刃２２１の内面に摺接しながら第２ネット刃２２１に対して相対的に変位する（すなわち、相対移動する：Ｙ方向へ往復動する）ようにしている。

　スリット刃ブロック３０は、スリット外刃４０とスリット内刃５０（後述される図２を参照）とを備えている。本実施の形態では、スリット外刃４０は、側面視（すなわち、Ｙ方向に沿って見た状態）で上方が凸となるように逆Ｕ字状に屈曲して形成されている。さらに、スリット外刃４０は、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で上方が凸となるようにＹ方向（外刃長さ方向）に沿って若干湾曲して形成されている。そして、このスリット外刃４０には、スリット状の刃穴（すなわち、外スリット４１６、図２参照）が多数形成されている。なお、スリット外刃４０を、正面視で上方が凸となるように湾曲させない構成とすることも可能である。例えば、スリット外刃４０を正面から見た状態（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、スリット外刃４０の頂部がＹ方向（すなわち、外刃長さ方向）に延在する直線となるようにすることが可能である。すなわち、後述する天壁４１１（図１２参照）の上面（すなわち、肌接触面４１１１（図３参照））が平坦面（すなわち、フラットな面）となるようにスリット外刃４０を形成することが可能である。

　スリット内刃５０は、スリット外刃４０の屈曲形状に沿う逆Ｕ字状をしており、スリット外刃４０の内方（すなわち、スリット外刃４０の下側：スリット外刃４０の肌Ｓに接する側とは反対側）に配置されている。このスリット内刃５０は、複数個の駆動稈１３のうちの１個の駆動稈１３（すなわち、第１内刃２１２および第２内刃が装着される駆動稈とは別の駆動稈１３）に着脱可能に装着されている。そして、スリット内刃５０を駆動稈１３に装着させつつスリット外刃４０の内方に配置させた状態で電気かみそり１の電源をオンにして駆動稈１３を駆動させた際に、スリット内刃５０が、スリット外刃４０の内面４１１２（図３参照）に摺接しながらスリット外刃４０に対して相対的に変位する（すなわち、相対移動する：Ｙ方向へ往復動する）ようにしている。

　このように、本実施の形態にかかる電気かみそり１は、第１内刃２１２、第２内刃、スリット内刃５０を、それぞれ、第１ネット刃２１１、第２ネット刃２２１、スリット外刃４０に対して往復運動させる往復動式電気かみそりの形態を有するものである。

　そして、本実施の形態では、５個の刃ブロックのうち２個の第１内刃２１２を除く部材が、略枠状の外刃ケース２３に装着されている。このとき、各部材は、外刃ケース２３に着脱可能に装着されていてもよいし、着脱させることができない状態で外刃ケース２３に装着されていてもよい。

　本実施の形態では、２個の第１ネット刃２１１が、内方に第１内刃２１２を配置させない状態で外刃ケース２３に装着されており、２個の第２ネット刃２２１が、内方に第２内刃を配置させた状態で外刃ケース２３に装着されている。そして、１個のスリット外刃４０が、内方にスリット内刃５０を配置させた状態で外刃ケース２３に装着されている。このとき、２個の第１ネット刃２１１、２個の第２ネット刃２２１および１個のスリット外刃４０のうちの少なくとも１個の外刃を、Ｚ方向（すなわち、上下方向）にフロートできるようにした状態で外刃ケース２３に装着させるようにするのが好ましい。

　このように、本実施の形態では、２個の第１ネット刃２１１、２個の第２刃ブロック２２および１個のスリット刃ブロック３０を外刃ケース２３に装着させることで、外刃カセット２００が形成されるようにしている。そして、この外刃カセット２００がヘッドカバー１２２に着脱可能に装着されるようにしている。

　具体的には、ヘッドカバー１２２は、上側開口１２２ａおよび下側開口１２２ｂが形成される略筒状の周壁部１２２ｃを備えている。そして、各外刃が上方を向くようにした外刃カセット２００を、ヘッドカバー１２２の下側開口１２２ｂ側から挿入することで、外刃カセット２００がヘッドカバー１２２に装着されるようにしている。このとき、外刃カセット２００は、各外刃の表面をヘッドカバー１２２の上側開口１２２ａから露出させた状態でヘッドカバー１２２に装着されることになる。そのため、本実施の形態では、各外刃の表面のうちヘッドカバー１２２の上側開口１２２ａから露出した部位が、使用者の肌Ｓ（すなわち、肌表面）に接触する肌接触面２０ａとなっている。

　なお、外刃ケース２３の左右両端には解除ボタン２３ａが形成されており、この解除ボタン２３ａを操作することで、ヘッドカバー１２２と外刃カセット２００との装着が解除されるようになっている。

　以上説明したように、本実施の形態では、２個の第１内刃２１２をヘッド部本体１２１から上方に突出する駆動稈１３にそれぞれ装着した状態で、外刃カセット２００が装着されたヘッドカバー１２２をヘッド部本体１２１に装着するようになっている。そして、２個の第１内刃２１２を駆動稈１３にそれぞれ装着した状態で、外刃カセット２００が装着されたヘッドカバー１２２をヘッド部本体１２１に装着した際に、２個の第１内刃２１２が対応する第１ネット刃２１１の内方に配置されるようになっている。

　こうすることで、電気かみそり１の電源をオンにした際に、各内刃を対応する外刃に対して相対的に変位させる（すなわち、相対移動させる：Ｙ方向へ往復動させる）ようにしている。

　そして、電気かみそり１の電源をオンにし、各内刃を対応する外刃に対して相対的に変位させた状態で、刃ユニット２０の肌接触面２０ａを使用者の肌Ｓ（すなわち、肌表面）に当て、Ｘ方向に滑らせながら移動させることで、各外刃の刃穴内に挿入されたヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を、外刃と内刃とで切断するようにしている。なお、外刃をＺ方向（すなわち、上下方向）にフロートできるようにした状態で外刃ケース２３に装着させるようにすれば、外刃がかみそり本体１０に対してフロートすることになる。そのため、外刃（すなわち、刃ユニット２０の肌接触面２０ａ）を、より確実に肌Ｓの形状に沿わせることができるようになって、より確実にヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を切断することができるようになる。

　次に、図２～図７を参照して、スリット刃ブロック３０の詳細な構成について説明する。図２は、実施の形態にかかるスリット刃ブロック３０を示す分解斜視図である。図３は、実施の形態にかかるスリット刃ブロック３０のスリット外刃４０およびスリット内刃５０を拡大して示す断面図である。図４は、実施の形態におけるスリット外刃本体４１０をコーム部品７０に取り付けた状態を示す斜視図である。図５は、実施の形態におけるコーム部品７０を示す斜視図である。図６は、実施の形態におけるスリット外刃本体４１０をコーム部品７０に取り付けた状態を一部拡大して示す斜視図である。図７は、実施の形態におけるスリット外刃本体４１０をコーム部品７０に取り付けた状態を一部拡大して示す平面図である。

　スリット刃ブロック３０は、図２に示すように、スリット外刃４０とスリット内刃５０とを備えている。さらに、スリット刃ブロック３０は、一対のコイルばね６０を備えており、一対のコイルばね６０によって、スリット外刃４０とスリット内刃５０とが、スリット内刃５０をスリット外刃４０に対してＹ方向へ往復摺動できるようにした状態で連結されている。

　本実施の形態では、スリット外刃４０は、複数の外刃片４１５を有するスリット外刃本体４１０と、スリット外刃本体４１０に固定されて一対のコイルばね６０に連結される外刃継手４２０と、を備えている。

　同様に、スリット内刃５０は、複数の内刃片５１５を有するスリット内刃本体５１０と、スリット内刃本体５１０に固定されて一対のコイルばね６０に連結される内刃継手５２０と、を備えている。

　まず、スリット外刃本体４１０について説明する。

　スリット外刃本体４１０は、例えば、金属材料を用いて形成することができ、側面視（すなわち、Ｙ方向に沿って見た状態）で上方が凸となるように逆Ｕ字状に屈曲した形状をしている。すなわち、スリット外刃本体４１０は、Ｙ方向に細長い略矩形板状の天壁４１１（すなわち、第１壁部）と、天壁４１１のＸ方向の両端からＺ方向の下方に向けてそれぞれ延設される一対の側壁４１２（すなわち、第２壁部）と、を備えている。そして、天壁４１１（すなわち、第１壁部）の上面が、電気かみそり１の使用時に使用者の肌Ｓに接触することが可能な肌接触面４１１１（図３参照）となっている。

　また、一対の側壁４１２には、第１溶着固定部４１２１および第２溶着固定部４１２２が、それぞれ２個ずつ形成されている。すなわち、スリット外刃本体４１０には、４個の第１溶着固定部４１２１と４個の第２溶着固定部４１２２が形成されている。

　第１溶着固定部４１２１は、側壁４１２のＹ方向の両端に、Ｚ方向の下方に突出するように形成されており、第１溶着固定部４１２１の中央部には、下方に開口する略円形の切り欠きが形成されている。また、第２溶着固定部４１２２は、側壁４１２における第１溶着固定部４１２１よりもＹ方向の内側に、Ｚ方向の下方に突出するように形成されている。さらに、本実施の形態では、第２溶着固定部４１２２は、第１溶着固定部４１２１よりもＺ方向の下方に位置するように形成されており、第２溶着固定部４１２２の中央部にも、下方に開口する略円形の切り欠きが形成されている。

　さらに、本実施の形態では、一対の側壁４１２には、４個の第１爪片４１２３、１個の第２爪片４１２４、４個の嵌合孔４１２５がそれぞれ形成されている。すなわち、スリット外刃本体４１０には、８個の第１爪片４１２３、２個の第２爪片４１２４、８個の嵌合孔４１２５が形成されている。

　第１爪片４１２３は、Ｚ方向の下方に向かうにつれてＹ方向の寸法が小さくなるテーパ状をしており、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で先端（すなわち、下端）が下方に凸となるように湾曲した形状をしている。そして、１個の側壁４１２の下端には、４個の第１爪片４１２３が、Ｙ方向に離間した状態で下方に突出するように形成されている。具体的には、Ｙ方向で隣り合う第１溶着固定部４１２１と第２溶着固定部４１２２との間に位置するように、２個の第１爪片４１２３が形成されており、Ｙ方向で隣り合う一対の第２溶着固定部４１２２の間に、２個の第１爪片４１２３が形成されている。

　また、第２爪片４１２４も、Ｚ方向の下方に向かうにつれてＹ方向の寸法が小さくなるテーパ状をしており、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で先端（すなわち、下端）が下方に凸となるように湾曲した形状をしている。そして、１個の側壁４１２の下端には、１個の第２爪片４１２４が下方に突出するように形成されている。本実施の形態では、１個の第２爪片４１２４は、Ｙ方向で隣り合う一対の第２溶着固定部４１２２の間に形成された２個の第１爪片４１２３の間に、第１爪片４１２３とはＹ方向で離間した状態で形成されている。すなわち、１個の側壁４１２のＹ方向の中央部の下端に１個の第２爪片４１２４が形成されている。この第２爪片４１２４は、Ｚ方向の寸法が、第１爪片４１２３のＺ方向の寸法よりも小さくなっており、下端が第１爪片４１２３の下端よりもＺ方向の上方に位置するように形成されている。

　嵌合孔４１２５は、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）でＹ方向に細長い長方形状をしており、Ｘ方向に貫通するように形成されている。そして、１個の側壁４１２の下端には、４個の嵌合孔４１２５が、Ｙ方向に離間した状態で形成されている。

　具体的には、Ｙ方向で第１溶着固定部４１２１と隣り合う第１爪片４１２３と、この第１爪片４１２３とＹ方向で隣り合う第２溶着固定部４１２２との間に、嵌合孔４１２５がそれぞれ形成されている。この嵌合孔４１２５は、４個の嵌合孔４１２５のうちＹ方向の両端に配置される２個の嵌合孔４１２５となっている。そして、Ｙ方向の両端に配置される２個の嵌合孔４１２５は、第２溶着固定部４１２２が形成される突片のＹ方向の外側に連続するように形成された突片にそれぞれ形成されている。

　また、Ｙ方向で隣り合う第１爪片４１２３と第２爪片４１２４との間に、嵌合孔４１２５がそれぞれ形成されている。この嵌合孔４１２５は、４個の嵌合孔４１２５のうちＹ方向の内側に配置される２個の嵌合孔４１２５となっている。そして、Ｙ方向の内側に配置される２個の嵌合孔４１２５は、１個の側壁４１２の下端から突出し、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）でＹ方向に細長い長方形状をした突片にそれぞれ形成されている。

　そして、スリット外刃本体４１０は、外刃片４１５および外スリット４１６を有するスリット外刃部４１３と、スリット外刃部４１３のＹ方向の両端にそれぞれ連設される連結部４１４と、を備えている。

　スリット外刃部４１３には、複数個の外刃片４１５が、Ｘ方向に延在した状態でＹ方向に離間するように形成されている。本実施の形態では、複数個の外刃片４１５は、Ｙ方向に所定のピッチ（すなわち、所定間隔）で略等間隔に並ぶように形成されている。また、本実施の形態では、複数個の外刃片４１５は、一方の側壁４１２から略平坦な天壁４１１を通って他方の側壁４１２に至るまで延在しており、側面視（すなわち、Ｙ方向に沿って見た状態）で上方が凸となるように逆Ｕ字状に屈曲した形状をしている。すなわち、図３に示されるように、外刃片４１５は、天壁４１１に形成される上部外刃片４１５１と、側壁４１２に形成され、上部外刃片４１５１のＸ方向の端部に連設する一対の側部外刃片４１５２と、を備えている。

　そして、図２および図３に示されるように、Ｙ方向で隣り合う外刃片４１５の間には、Ｘ方向に延在する外スリット４１６が外刃片４１５に沿うように形成されている。したがって、本実施の形態では、外スリット４１６は、Ｙ方向で隣り合う上部外刃片４１５１によって画成される外上部スリット４１６１（すなわち、第１スリット）と、Ｙ方向で隣り合う側部外刃片４１５２によって画成される一対の外側部スリット４１６２（すなわち、第２スリット）と、を備えている。このように、本実施の形態では、外スリット４１６のＸ方向の両端が側壁４１２に形成されている。

　さらに、本実施の形態では、図３に示されるように、一対の外側部スリット４１６２（すなわち、第２スリット）が外内部空間４１６３によって連通されるようになっており、外スリット４１６が外内部空間４１６３も備えるようにしている。こうすることで、外スリット４１６が上方だけでなくＸ方向の両側方にも開口するようにし、側部スリット（すなわち、第２スリット）４１６２の下端４１６２１よりも上方に、Ｘ方向の一端から他端に抜けることができる外スリット４１６が形成されるようにしている。すなわち、外スリット４１６が、スリット外刃４０のＸ方向の一端から他端まで途中で分断されることなく形成されるようにしている。

　こうすれば、比較的長いヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）であっても、外スリット４１６内により容易に導入させることができるようになる。また、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）が外刃片４１５に引っ掛かったりしてヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）による抵抗（例えば、摩擦力等）が大きくなってしまうことが抑制されるため、剃り心地が悪化してしまうのを抑制することもできるようになる。このように、外スリット４１６は、長ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）をスリット外刃４０内に導入する機能を有するものである。

　そして、このようなスリット外刃本体４１０は、一枚の金属平板材をプレス加工することにより形成することができる。具体的には、まず、金属平板材に複数の細長いスリットを、所定間隔で並設されるように穿設することで、隣り合うスリットの間に存在する金属板材の残余部位に外刃片となる部位が形成されるようにする。このとき、貫通孔、切り欠き、突片なども形成されるように一枚の金属平板材を打ち抜き加工する。

　そして、金属板材におけるスリットの前後方向（すなわち、スリット長さ方向）の両端よりも内側をそれぞれ同じ方向に折り曲げる。こうすることで、天壁４１１および一対の側壁４１２を有するスリット外刃本体４１０が形成される。

　なお、スリット外刃本体４１０の形状は、屈曲部分の上部の屈曲角度が鋭角となるようにした形状であってもよいし、屈曲部分の屈曲角度が略直角（すなわち、約９０°）となるようにした形状であってもよい。本実施の形態では、屈曲部分の屈曲角度が略直角（すなわち、約９０°）となるようにしたスリット外刃本体４１０を例示している。

　次に、外刃継手４２０について説明する。

　外刃継手４２０は、例えば、樹脂材料を射出成形することにより形成することができる。この外刃継手４２０は、同一の形状をした一対の継手本体４２１を備えており、一対の継手本体４２１は、Ｙ方向において左右対称に離間配置されている。

　また、本実施の形態では、図２に示されるように、継手本体４２１は、後述するコーム部品７０が載置される載置部４２２を備えている。この載置部４２２は、平面視で略Ｔ字状をしており、継手本体４２１のＹ方向の外側の上端部に形成されている。また、本実施の形態では、載置部４２２は、外方部４２２１および内方部４２２２を有しており、外方部４２２１は、内方部４２２２のＹ方向の外側に内方部４２２２と連続するように形成されている。この外方部４２２１は、Ｘ方向の寸法が内方部４２２２のＸ方向の寸法よりも大きくなるように形成されている。

　また、外方部４２２１には、Ｚ方向の上方に突出する突起部４２３が形成されている。本実施の形態では、平面視でＸ方向の寸法がＹ方向の寸法よりも大きい長方形状となる突起部４２３が外方部４２２１の中央部に形成されている。

　また、継手本体４２１のＸ方向の両側には、Ｘ方向に沿って突出する第１溶着部４２４および第２溶着部４２５がそれぞれ１個ずつ形成されている。すなわち、外刃継手４２０には、４個の第１溶着部４２４と４個の第２溶着部４２５が形成されている。そして、１個の継手本体４２１に設けられる２個の第１溶着部４２４は、略円筒状をしており、継手本体４２１の内方部４２２２よりもＹ方向の内側に形成されている。この２個の第１溶着部４２４は、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で重なり合うように、１個の継手本体４２１に形成されている。

　また、１個の継手本体４２１に設けられる２個の第２溶着部４２５は、略円筒状をしており、Ｙ方向において、継手本体４２１の載置部４２２とは反対側（すなわち、外刃継手４２０のＹ方向の内側）となる端部に形成されている。この２個の第２溶着部４２５も、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で重なり合うように、１個の継手本体４２１に形成されている。

　そして、外刃継手４２０をスリット外刃本体４１０に固定する際には、第１溶着部４２４が第１溶着固定部４１２１の略円形の切り欠きに挿入され、第２溶着部４２５が第２溶着固定部４１２２の略円形の切り欠きに挿入されるようにしている。そのため、本実施の形態では、第２溶着部４２５は、第１溶着部４２４よりもＺ方向の下方に位置するように形成されている。

　そして、第１溶着部４２４を第１溶着固定部４１２１の略円形の切り欠きに挿入しつつ、第２溶着部４２５を第２溶着固定部４１２２の略円形の切り欠きに挿入した状態で、ヒートシール加工を施すことで、第１溶着部４２４を第１溶着固定部４１２１に溶着させつつ、第２溶着部４２５を第２溶着固定部４１２２に溶着させるようにしている。こうすることで、外刃継手４２０がスリット外刃本体４１０に固定されて、スリット外刃４０が形成されるようにしている。

　さらに、本実施の形態では、継手本体４２１には、ばね取付部４２６がＺ方向の上方に突出するように形成されており、このばね取付部４２６をコイルばね６０の下端に挿入することで、スリット外刃４０がコイルばね６０に連結されるようにしている。

　ばね取付部４２６は、略円錐台状をしており、Ｙ方向において第１溶着部４２４と第２溶着部４２５との間に位置するように形成されている。さらに、本実施の形態では、ばね取付部４２６は、第２溶着部４２５よりもＺ方向の下方に位置するように形成されている。

　次に、スリット内刃本体５１０について説明する。

　スリット内刃本体５１０も、スリット外刃本体４１０と同様に、金属材料等を用いて形成することができ、側面視（すなわち、Ｙ方向に沿って見た状態）で上方が凸となるように逆Ｕ字状に屈曲した形状をしている。すなわち、スリット内刃本体５１０は、Ｙ方向に細長い略矩形板状の天壁５１１と、天壁５１１のＸ方向の両端からＺ方向の下方に向けてそれぞれ延設される一対の側壁５１２と、を備えている。そして、図３に示すように、天壁５１１の上面５１１１が天壁４１１の内面４１１２に摺接できるようにした状態で、スリット内刃本体５１０がスリット外刃本体４１０の内方に配置されている。

　また、一対の側壁５１２には、位置決め部５１２１および溶着固定部５１２２が、それぞれ２個ずつ形成されている。

　位置決め部５１２１は、側壁５１２のＹ方向の両側に、Ｚ方向の下方に突出するように形成されており、位置決め部５１２１の中央部には、下方に開口する略凹状の切り欠きが形成されている。また、溶着固定部５１２２は、側壁５１２における位置決め部５１２１よりもＹ方向の内側に、Ｚ方向の下方に突出するように形成されている。また、本実施の形態では、溶着固定部５１２２は、位置決め部５１２１よりもＺ方向の下方に位置するように形成されており、この溶着固定部５１２２の中央部には、下方に開口する略円形の切り欠きが形成されている。

　そして、スリット内刃本体５１０は、内刃片５１５および内スリット５１６を有するスリット内刃部５１３と、スリット内刃部５１３のＹ方向の両端にそれぞれ連設される連結部５１４と、を備えている。

　スリット内刃部５１３には、複数個の内刃片５１５が、Ｘ方向に延在した状態でＹ方向に離間するように形成されている。本実施の形態では、複数個の内刃片５１５は、Ｙ方向に所定のピッチ（すなわち、所定間隔）で略等間隔に並ぶように形成されている。また、本実施の形態では、複数個の内刃片５１５は、一方の側壁５１２から略平坦な天壁５１１を通って他方の側壁５１２に至るまで延在しており、側面視（すなわち、Ｙ方向に沿って見た状態）で上方が凸となるように逆Ｕ字状に屈曲した形状をしている。すなわち、図３に示されるように、内刃片５１５は、天壁５１１に形成される上部内刃片５１５１と、側壁５１２に形成され、上部内刃片５１５１のＸ方向の端部に連設する一対の側部内刃片５１５２と、を備えている。

　そして、Ｙ方向で隣り合う内刃片５１５の間には、Ｘ方向に延在する内スリット５１６が内刃片５１５に沿うように形成されている。したがって、本実施の形態では、内スリット５１６は、Ｙ方向で隣り合う上部内刃片５１５１によって画成される内上部スリット５１６１と、Ｙ方向で隣り合う側部内刃片５１５２によって画成される一対の内側部スリット５１６２と、を備えている。さらに、本実施の形態では、一対の内側部スリット５１６２が内内部空間５１６３によって連通されるようになっており、内スリット５１６が内内部空間５１６３も備えるようにしている。こうすることで、内スリット５１６が上方だけでなくＸ方向の両側方にも開口するようにし、内側部スリット５１６２の下端よりも上方に、Ｘ方向の一端から他端に抜けることができる内スリット５１６が形成されるようにしている。すなわち、内スリット５１６が、スリット内刃５０のＸ方向の一端から他端まで途中で分断されることなく形成されるようにしている。

　こうすれば、外スリット４１６の側方から導入されるヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）が側壁５１２に干渉してしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。このように、内スリット５１６は、長ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の切断される部位をスリット内刃５０内に導入する機能を有するものである。

　このようなスリット内刃本体５１０も、一枚の金属平板材をプレス加工することにより形成することができる。具体的には、まず、金属平板材に複数の細長いスリットを、所定間隔で並設されるように穿設することで、隣り合うスリットの間に存在する金属板材の残余部位に内刃片となる部位が形成されるようにする。このとき、貫通孔、切り欠き、突片なども形成されるように一枚の金属平板材を打ち抜き加工する。

　そして、金属板材におけるスリットの前後方向（すなわち、スリット長さ方向）の両端よりも内側をそれぞれ同じ方向に折り曲げる。こうすることで、天壁５１１および一対の側壁５１２を有するスリット内刃本体５１０が形成される。

　なお、スリット内刃本体５１０の形状は、屈曲部分の上部の屈曲角度が鋭角となるようにした形状であってもよいし、屈曲部分の屈曲角度が略直角（すなわち、約９０°）となるようにした形状であってもよい。本実施の形態では、屈曲部分の屈曲角度が略直角（すなわち、約９０°）となるようにしたスリット内刃本体５１０を例示している。

　次に、内刃継手５２０について説明する。

　内刃継手５２０は、例えば、樹脂材料を射出成形することにより形成することができ、図２に示されるように、継手本体５２１を備えている。

　継手本体５２１は、Ｙ方向に細長い形状をしており、この継手本体５２１のＹ方向の中央部には、駆動稈１３が着脱可能に嵌合する嵌合凹部５２２がＺ方向の下方に開口するように形成されている。

　また、継手本体５２１のＸ方向の両側には、Ｘ方向に沿って突出する位置決め部５２３および溶着部５２４がそれぞれ２個ずつ形成されている。すなわち、内刃継手５２０には、４個の位置決め部５２３と４個の溶着部５２４が形成されている。

　そして、継手本体５２１のＸ方向の一方側には、２個の位置決め部５２３が、継手本体５２１のＹ方向の端部と嵌合凹部５２２との間で、Ｘ方向の一方側に突出するように形成されている。また、継手本体５２１のＸ方向の他方側にも、２個の位置決め部５２３が、継手本体５２１のＹ方向の端部と嵌合凹部５２２との間で、Ｘ方向の他方側に突出するように形成されている。本実施の形態では、４個の位置決め部５２３は略円柱状をしており、継手本体５２１のＸ方向の一方側に形成された２個の位置決め部５２３は、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、継手本体５２１のＸ方向の他方側に形成された２個の位置決め部５２３とそれぞれ重なり合うように形成されている。

　同様に、継手本体５２１のＸ方向の一方側には、２個の溶着部５２４が、位置決め部５２３と嵌合凹部５２２との間で、Ｘ方向の一方側に突出するように形成されている。また、継手本体５２１のＸ方向の他方側にも、２個の溶着部５２４が、位置決め部５２３と嵌合凹部５２２との間で、Ｘ方向の他方側に突出するように形成されている。本実施の形態では、４個の溶着部５２４は略円筒状をしており、継手本体５２１のＸ方向の一方側に形成された２個の溶着部５２４は、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、継手本体５２１のＸ方向の他方側に形成された２個の溶着部５２４とそれぞれ重なり合うように形成されている。

　そして、内刃継手５２０をスリット内刃本体５１０に固定する際には、位置決め部５２３が位置決め部５１２１の略凹状の切り欠きに挿入され、溶着部５２４が溶着固定部５１２２の略円形の切り欠きに挿入されるようにしている。そのため、本実施の形態では、位置決め部５２３は、溶着部５２４よりもＺ方向の上方に位置するように形成されている。

　そして、位置決め部５２３を位置決め部５１２１の略凹状の切り欠きに挿入しつつ、溶着部５２４を溶着固定部５１２２の略円形の切り欠きに挿入した状態で、ヒートシール加工を施すことで、位置決め部５２３および位置決め部５１２１により位置決めがなされた状態で、溶着部５２４を溶着固定部５１２２に溶着させるようにしている。こうすることで、内刃継手５２０がスリット内刃本体５１０に固定されて、スリット内刃５０が形成されるようにしている。

　さらに、本実施の形態では、継手本体５２１には、ばね取付部５２５がＺ方向の下方に突出するように形成されており、このばね取付部５２５をコイルばね６０の上端に挿入することで、スリット内刃５０がコイルばね６０に連結されるようにしている。

　ばね取付部５２５は、略円柱状をしており、継手本体５２１のＹ方向の両端に形成されている。

　なお、スリット刃ブロック３０は、長さがある程度長いヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を短くする粗剃りを目的とするものである。そして、このようなスリット刃ブロック３０においては、外スリット４１６内へのヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の導入性を向上させるようにするのが好ましい。

　ここで、外スリット４１６内へのヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の導入性を向上させるためには、スリット外刃４０の外刃片４１５間の間隔を大きくすることが考えられる。しかしながら、スリット外刃４０の外刃片４１５間の間隔を大きくすると、肌Ｓへの刺激が増加するという課題、外刃片４１５の幅が細くなることでスリット外刃４０の強度が低下するという課題が生じてしまう。

　そこで、本実施の形態では、スリット刃ブロック３０が、スリット外刃４０よりもＸ方向の外側に設けられ、Ｙ方向に沿って離間配置される複数のコーム７２を備えるようにしている。そして、Ｙ方向で隣り合うコーム７２の間に、外スリット４１６に連通する溝部７５が形成されるようにし、コーム７２に、Ｘ方向の外側に突出する突起部７４が設けられるようにしている。

　こうすることで、スリット外刃４０の外刃片４１５間の間隔の大きさを変えずに外スリット４１６内へのヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の導入性を向上させることができるようにしている。具体的には、電気かみそり１の使用時に、コーム７２に設けられた突起部７４の頂部が肌Ｓに対して倒れた状態の長ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）と肌Ｓとの間に挿入されるようにしている。そして、長ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を突起部７４の頂部に乗り上げさせ、コーム７２の移動に伴って長ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を突起部７４の表面に沿って移動させることによって、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）が立ち上げられるようにし、立ち上げられた状態で溝部７５から外スリット４１６に導入されるようにしている。

　本実施の形態では、コーム７２が形成されたコーム部品７０をスリット外刃４０とは個別に形成している。そして、図４に示すように、このコーム部品７０をスリット外刃４０に取り付けることで、スリット外刃４０よりもＸ方向の外側に、複数のコーム７２がＹ方向に沿って離間配置されるようにしている。

　コーム部品７０は、例えば、樹脂材料を射出成形することにより形成することができ、スリット外刃４０よりも剛性が低くなっている。このコーム部品７０は、Ｚ方向に貫通する略枠状をしており、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で上方が凸となるようにＹ方向（すなわち、外刃長さ方向）に沿って若干湾曲して形成されている。なお、コーム部品７０も、正面視で上方が凸となるように湾曲させない構成とすることも可能である。例えば、コーム部品７０を正面から見た状態（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、コーム部品７０の頂部（すなわち、後述するコーム支持壁７１の上端）がＹ方向（すなわち、外刃長さ方向）に延在する直線となるようにすることが可能である。

　コーム部品７０は、図５に示すように、Ｙ方向およびＺ方向に沿って延在し、Ｘ方向で対向する一対のコーム支持壁７１を備えている。また、コーム部品７０は、Ｘ方向およびＺ方向に沿って延在し、Ｙ方向で対向する一対のコーム端壁７７を備えており、一対のコーム端壁７７が、一対のコーム支持壁７１のＹ方向の端部にそれぞれ連設されている。

　一対のコーム支持壁７１は、支持壁本体７１０をそれぞれ備えており、各支持壁本体７１０の上端には、複数個のコーム７２が、Ｙ方向に離間した状態で上方に突出するように形成されている。したがって、本実施の形態では、Ｙ方向に離間した状態で並ぶコーム７２の列がＸ方向に２本並設された構成をしている。

　また、各支持壁本体７１０のＸ方向の内側（すなわち、互いに対向する側）には、Ｚ方向に貫通する４個の第１貫通孔７１１、Ｚ方向に貫通する１個の第２貫通孔７１２、Ｘ方向の内側に突出する４個の嵌合突起７１３が形成されている。すなわち、コーム部品７０には、８個の第１貫通孔７１１、２個の第２貫通孔７１２、８個の嵌合突起７１３が形成されている。

　本実施の形態では、８個の第１貫通孔７１１は、スリット外刃本体４１０に形成された８個の第１爪片４１２３にそれぞれ対応する位置に形成されている。そして、スリット外刃本体４１０を略枠状のコーム部品７０に上方から挿入して取り付ける際に、８個の第１貫通孔７１１に８個の第１爪片４１２３がそれぞれ挿入されるようになっている。

　また、２個の第２貫通孔７１２は、スリット外刃本体４１０に形成された２個の第２爪片４１２４にそれぞれ対応する位置に形成されている。そして、スリット外刃本体４１０を略枠状のコーム部品７０に上方から挿入して取り付ける際に、２個の第２貫通孔７１２に２個の第２爪片４１２４がそれぞれ挿入されるようになっている。

　また、８個の嵌合突起７１３は、スリット外刃本体４１０に形成された８個の嵌合孔４１２５にそれぞれ対応する位置に形成されている。そして、スリット外刃本体４１０を略枠状のコーム部品７０に上方から挿入して取り付ける際に、８個の嵌合突起７１３が８個の嵌合孔４１２５にそれぞれ嵌合されるようになっている。

　このように、本実施の形態では、８個の嵌合突起７１３を８個の嵌合孔４１２５にそれぞれ嵌合させることで、スリット外刃本体４１０がコーム部品７０に取り付けられるようにしている。

　コーム端壁７７は、スリット刃ブロック３０を組み立てた際に、外刃継手４２０の載置部４２２の上面に接触する端壁本体７７１を備えている。本実施の形態では、この端壁本体７７１は、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、Ｙ方向の外側に向かうにつれて下方に位置するように湾曲した形状をしており、端壁本体７７１の下端は、略水平に延在する平坦面になっている。なお、端壁本体７７１の下端には、スリット刃ブロック３０を組み立てた際に、載置部４２２に形成された突起部４２３が収容される収容部（図示せず）が形成されている。

　さらに、コーム端壁７７は、端壁本体７７１のＹ方向の内側の面からＹ方向の内側に突出して、スリット刃ブロック３０を組み立てた際に、外刃継手４２０の載置部４２２の上面に接触する突起部７７２を備えている。本実施の形態では、突起部７７２は、平面視（すなわち、Ｚ方向に沿って見た状態）で略四角形状をしており、上面が略水平に延在する平坦面になっている。そして、スリット外刃本体４１０をコーム部品７０に取り付けた際に、スリット外刃本体４１０の連結部４１４（すなわち、天壁４１１のＹ方向の外側の端部）が突起部７７２の上面に載置されるようにしている。

　このように、本実施の形態では、スリット刃ブロック３０を組み立てた際に、コーム部品７０の突起部７７２がスリット外刃本体４１０と外刃継手４２０とで挟み込まれるようにしている。

　したがって、スリット刃ブロック３０を組み立てた際には、コーム部品７０は、スリット外刃本体４１０および外刃継手４２０に対するＺ方向およびＹ方向への相対移動が規制された状態で、スリット外刃４０に取り付けられることになる。

　また、図７に示されるように、コーム７２は、支持壁本体７１０の上端に上方に突出するように形成された支持部７３を備えている。そして、この支持部７３の上端には、Ｘ方向の外方に突出するように形成された突起部７４が設けられている。このように、本実施の形態では、コーム７２は、支持壁本体７１０の上端に上方に突出するように形成された支持部７３と、この支持部７３の上端にＸ方向の外方に突出するように形成された突起部７４と、を有している。

　さらに、本実施の形態では、図５～図７に示されるように、Ｙ方向（すなわち、第２方向）に沿って見た状態で、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の外側に凸となるように湾曲した形状となるように突起部７４を形成している。こうすることで、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に、突起部７４の湾曲した部分を使用者の肌Ｓに当てることができるようにし、肌Ｓに与える刺激をより低減させることができるようにしている。

　ここで、本実施の形態では、コーム７２の配列ピッチを外刃片４１５の配列ピッチとほぼ同一となるようにしつつ、スリット外刃本体４１０をコーム部品７０に取り付けた際に、各コーム７２が外刃片４１５とＸ方向で隣り合うようにしている。こうすることで、Ｙ方向で隣り合うコーム７２の間に形成される溝部７５が外スリット４１６に連通されるようにし、溝部７５が、スリット外刃本体４１０に形成された外スリット４１６に長ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を導入する機能を有するようにしている。

　そして、このような形状をしたスリット外刃本体４１０、外刃継手４２０、スリット内刃本体５１０、内刃継手５２０、コイルばね６０、コーム部品７０を組み付けて一体化させることで、スリット刃ブロック３０を形成している。

　以下では、スリット刃ブロック３０の組立方法の一例を説明する。

　まず、スリット内刃本体５１０を内刃継手５２０に固定してスリット内刃５０を形成する。具体的には、位置決め部５２３を位置決め部５１２１の略凹状の切り欠きに挿入しつつ、溶着部５２４を溶着固定部５１２２の略円形の切り欠きに挿入した状態で、ヒートシール加工を施し、位置決め部５２３および位置決め部５１２１により位置決めがなされた状態で、溶着部５２４を溶着固定部５１２２に溶着させる。こうすることで、内刃継手５２０をスリット内刃本体５１０に固定してスリット内刃５０を形成する。

　次に、外刃継手４２０が備える一対の継手本体４２１のばね取付部４２６を対応するコイルばね６０の下端にそれぞれ挿入して、外刃継手４２０をコイルばね６０に連結させる。なお、この工程は、スリット内刃５０の形成工程よりも前に行ってもよいし、スリット内刃５０の形成工程と同時に行ってもよい。

　次に、スリット内刃５０に設けられた一対のばね取付部５２５を対応するコイルばね６０の上端にそれぞれ挿入して、スリット内刃５０をコイルばね６０に連結させる。

　次に、スリット外刃本体４１０をコーム部品７０に上方から挿入して、スリット外刃本体４１０をコーム部品７０に取り付ける。なお、この工程は、上述した工程のうちの少なくともいずれか１つの工程と同時に行うこともできるし、上述した工程のうちの少なくともいずれか１つの工程よりも先に行うことも可能である。

　そして、スリット外刃本体４１０をコーム部品７０に取り付けつつ、外刃継手４２０およびスリット内刃５０をコイルばね６０に連結させた状態で、スリット外刃本体４１０を外刃継手４２０に固定してスリット外刃４０を形成する。具体的には、第１溶着部４２４を第１溶着固定部４１２１の略円形の切り欠きに挿入しつつ、第２溶着部４２５を第２溶着固定部４１２２の略円形の切り欠きに挿入した状態で、ヒートシール加工を施すことで、第１溶着部４２４を第１溶着固定部４１２１に溶着させつつ、第２溶着部４２５を第２溶着固定部４１２２に溶着させる。こうすることで、外刃継手４２０をスリット外刃本体４１０に固定してスリット外刃４０を形成する。

　このような工程を行えば、スリット外刃本体４１０、外刃継手４２０、スリット内刃本体５１０、内刃継手５２０、コイルばね６０、コーム部品７０を組み付けて、スリット内刃本体５１０がスリット外刃本体４１０に対して往復動可能に装着されるように一体化させたスリット刃ブロック３０を形成することができる。

　このとき、内刃継手５２０および外刃継手４２０によって、コイルばね６０が圧縮された状態で維持されるようにしている。こうすることで、スリット内刃本体５１０の天壁５１１の上面５１１１が、コイルばね６０によってスリット外刃本体４１０の天壁４１１の内面４１１２に弾接するようにしている。

　このように、本実施の形態にかかるスリット刃ブロック３０では、スリット内刃５０が、スリット内刃本体５１０の上面５１１１をスリット外刃本体４１０の内面４１１２に弾接させつつＹ方向に摺動できるようにした状態で、スリット外刃本体４１０の内部に収納されるようにしている。こうすることで、スリット外刃４０およびスリット内刃５０の摺動面（すなわち、内面４１１２および上面５１１１）において切断するヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の良好な切れ味が確保されるようにしている。

　ここで、本実施の形態では、電気かみそり１の使用時に、肌Ｓに与える刺激を、より確実に抑制することができるようにしている。

　具体的には、支持部７３の上端からＸ方向の外方に突出するように形成された突起部７４が、Ｙ方向（すなわち、第２方向）に並ぶ２個以上の支持部７３（すなわち、コーム７２の一要素）を跨ぐように延在する第１突起部７４１を有するようにしている。すなわち、支持部７３（すなわち、コーム７２の一要素）に、Ｙ方向（すなわち、第２方向）に幅広の第１突起部７４１が設けられるようにしている。

　こうすることで、ヒゲＨ（すなわち、体毛）を剃る際に、Ｙ方向（すなわち、第２方向）に幅広の第１突起部７４１を使用者の肌Ｓに当てることができるようにし、肌Ｓに与える刺激をより低減させることができるようにしている。

　さらに、本実施の形態では、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の一端に位置するコーム７２からＹ方向（すなわち、第２方向）の他端に位置するコーム７２にかけて延在するように形成された一本の細長い第１突起部７４１が、コーム部品７０のＸ方向の両側にそれぞれ形成されるようにしている。すなわち、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の一端に位置するコーム７２からＹ方向（すなわち、第２方向）の他端に位置するコーム７２にかけて延在するように、第１突起部７４１を形成している。

　こうすることで、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に、肌Ｓが外刃片４１５に接触してしまうことをより確実に抑制することができるようにして、肌Ｓに与える刺激をより低減させることができるようにしている。

　また、本実施の形態では、互いに連通する溝部７５と外スリット４１６とのＹ方向（すなわち、第２方向）の位置が同じとなるようにしている。こうすることで、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）がスリット外刃４０の外刃片４１５に踏まれてカットできなくなってしまうことをより確実に抑制できるようにしている。

　さらに、本実施の形態では、図７に示すように、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２が略一定となるように溝部７５を形成し、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ１が略一定となるように外スリット４１６を形成している。そして、溝部７５のＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２が、外スリット４１６のＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ１と同じ大きさとなるようにしている。

　したがって、本実施の形態では、溝部７５の外スリット４１６側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２ａが、外スリット４１６の溝部７５側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ１ａと同じ大きさとなっている。

　さらに、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の一端が同じ位置となるようにしつつ、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の他端が同じ位置となるようにした状態で、溝部７５と外スリット４１６とを互いに連通させている。

　こうすることで、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を外スリット４１６に、より効率的に導入することができるようにしている。

　また、本実施の形態では、上部外刃片４１５１が、Ｘ方向の一方側に配置され、Ｘ方向に延在する第１片部４１５１１と、Ｘ方向の他方側において、第１片部４１５１１とはＹ方向にずれた位置に配置され、Ｘ方向に延在する第２片部４１５１２と、を備えるようにしている。そして、上部外刃片４１５１が、Ｘ方向と交差する斜めの方向に延在し、第１片部４１５１１と第２片部４１５１２とを連結する連結片部４１５１３を備えるようにしている。

　すなわち、外刃片４１５が、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の一端４１５ａと他端４１５ｂとがＹ方向（すなわち、第２方向）にずれた形状となるようにしている。このように、本実施の形態では、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の一端の外刃片４１５と他端の外刃片４１５とがＹ方向（すなわち、第２方向）にずれている。

　したがって、本実施の形態では、Ｙ方向で互いに隣り合う外刃片４１５によって画成される外スリット４１６も、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の一端と他端とがＹ方向（すなわち、第２方向）にずれた形状をしている。

　こうすることで、Ｘ方向（すなわち、第１方向）に往復させながらヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に、一方向への移動の際に外刃片４１５に踏まれて外スリット４１６に導入できなかったヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を、他方向への移動の際に外スリット４１６に導入させることができるようにしている。すなわち、Ｘ方向（すなわち、第１方向）に往復させながらヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に、より効率よくヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃ることができるようにしている。

　また、本実施の形態では、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の一方側のコーム７２が、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の位置が外刃片４１５のＸ方向（すなわち、第１方向）の一端４１５ａと同じとなるように形成されている。そして、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の他方側のコーム７２が、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の位置が外刃片４１５のＸ方向（すなわち、第１方向）の他端４１５ｂと同じとなるように形成されている。

　したがって、本実施の形態では、１つの外スリット４１６に連通する溝部７５も、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の一端側と他端側とで、Ｙ方向（すなわち、第２方向）にずれた位置に形成されることになる。こうすることで、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を外スリット４１６に、より効率的に導入することができるようにしている。

　図８は、スリット外刃４０の外スリット４１６とコーム部品７０の溝部７５との配置パターンの複数の例を模式的に示す図である。図９は、図８に示すパターンＢの具体的な構成を示す平面図である。図１０は、図８に示すパターンＣの具体的な構成を示す平面図である。溝部７５を外スリット４１６に連通させるように配置する方法としては、例えば、図８に示すように、パターンＡ、パターンＢ、パターンＣ、パターンＤ、パターンＥの方法で配置することが考えられる。図８では、各パターンの上段の実線部分がコーム７２、上段の破線部分が溝部７５、下段の実線部分が外刃片４１５、下段の破線部分が外スリット４１６をそれぞれ示している。

　本実施の形態では、図７に示すように、パターンＡの方法で配置したものを例示している。しかしながら、溝部７５を外スリット４１６に連通させるように配置する方法は、パターンＡの方法で配置する必要はなく、図９に示すように、パターンＢの方法で配置することも可能である。

　パターンＢの方法では、図９に示すように、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２が略一定となるように溝部７５を形成し、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ１が略一定となるように外スリット４１６を形成している。そして、溝部７５のＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２が、外スリット４１６のＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ１よりも小さくなるようにしている。さらに、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、溝部７５のＹ方向の両端が、外スリット４１６のＹ方向の一端と他端との間に位置するようにした状態で、溝部７５と外スリット４１６とを互いに連通させている。

　こうすることでも、溝部７５に導入されたヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を、より確実に外スリット４１６に導入することができるようになる。

　また、図１０に示すように、パターンＣの方法で配置することも可能である。

　パターンＣの方法では、図１０に示すように、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２がＸ方向の一端と他端とで異なるように溝部７５を形成している。具体的には、溝部７５の外スリット４１６側とは反対側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２ｂが、溝部７５の外スリット４１６側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２ａよりも大きくなるようにしている。

　また、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ１が略一定となるように外スリット４１６を形成している。そして、溝部７５の外スリット４１６側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２ａが、外スリット４１６の溝部７５側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ１ａと同じ大きさとなるようにしている。

　さらに、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、溝部７５の外スリット４１６側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の一端と、外スリット４１６の溝部７５側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の一端とが同じ位置となるようにしつつ、溝部７５の外スリット４１６側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の他端と、外スリット４１６の溝部７５側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の他端とが同じ位置となるようにした状態で、溝部７５と外スリット４１６とを互いに連通させている。

　こうすることでも、溝部７５へのヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の導入効率を高めつつ、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を外スリット４１６に、より効率的に導入することができるようになる。

　また、パターンＤの方法で配置することも可能である。

　パターンＤの方法では、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２が略一定となるように溝部７５を形成し、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ１が略一定となるように外スリット４１６を形成している。そして、溝部７５のＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２が、外スリット４１６のＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ１よりも大きくなるようにしている。さらに、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、外スリット４１６のＹ方向の両端が、溝部７５のＹ方向の一端と他端との間に位置するようにした状態で、溝部７５と外スリット４１６とを互いに連通させている。

　また、パターンＥの方法で配置することも可能である。

　パターンＥの方法では、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２が略一定となるように溝部７５を形成し、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ１が略一定となるように外スリット４１６を形成している。そして、溝部７５のＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２が、外スリット４１６のＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ１と同じ大きさとなるようにしている。さらに、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、外スリット４１６の一部が溝部７５の一部と重なり合うようにした状態で、溝部７５と外スリット４１６とを互いに連通させている。

　なお、パターンＡ～パターンＥ以外の方法で、溝部７５を外スリット４１６に連通させるように配置することも可能である。

　また、本実施の形態では、スリット外刃部４１３のＹ方向の一端から他端にかけて延在する第１突起部７４１をコーム７２に設けたものを例示したが、第１突起部７４１をコーム７２に設ける方法は、このような方法に限られるものではなく、様々な方法で第１突起部７４１をコーム７２に設けることが可能である。

　図１１は、実施の形態におけるコーム部品７０の第１変形例を示す斜視図である。図１２は、実施の形態におけるコーム部品７０の第１変形例を示す平面図である。図１３は、実施の形態おけるコーム部品７０の第２変形例を示す斜視図である。図１４は、実施の形態にかかるコーム部品７０の第２変形例を示す平面図である。例えば、図１１および図１２に示すように、支持部７３の上端からＸ方向の外方に突出するように形成された突起部７４が、Ｙ方向（すなわち、第２方向）に並ぶ２個の支持部７３（すなわち、コーム７２の一要素）を跨ぐように延在する複数個の第１突起部７４１を有するようにしてもよい。

　こうすることでも、肌Ｓに与える刺激をより低減させることができるようになる。

　また、図１１および図１２では、Ｙ方向（すなわち、第２方向）で隣り合う第１突起部７４１の間に、溝部７５のＸ方向（すなわち、第１方向）の外側を画成する隔壁７６が形成されたものを例示したが、図１３および図１４に示すように、Ｙ方向（すなわち、第２方向）で隣り合う第１突起部７４１の間に溝部７５のＸ方向（すなわち、第１方向）の外側を画成する隔壁７６が形成されないようにすることも可能である。

　図１３および図１４に示す構成とすれば、溝部７５へのヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の導入効率が低下してしまうことを抑制することができるようになる。

　なお、Ｙ方向の長さが異なる複数種類の第１突起部７４１を支持部７３（すなわち、コーム７２の一要素）に設けることも可能であるし、Ｘ方向の一方側と他方側とで第１突起部７４１の形状および配置位置の少なくとも１つを異ならせるようにすることも可能である。

　次に、本実施の形態にかかる溝部７５の具体的な構成について説明する。図１５は、実施の形態におけるスリット外刃本体４１０をコーム部品７０に取り付けた状態で、溝部７５に対応する部位でスリット外刃本体４１０およびコーム部品７０を切断した断面図である。図１６は、図１５のＡ－Ａ断面図である。図１７は、実施の形態におけるスリット刃ブロック３０の溝部７５の内部にヒゲＨが導入された状態を模式的に示す図である。

　本実施の形態では、図１５に示すように、Ｙ方向（すなわち、第２方向）で隣り合うコーム７２の間に隔壁７６が形成されるようにしている。こうすることで、コーム７２の剛性が高められるようにしている。また、隔壁７６におけるＸ方向（すなわち、第１方向）の内側の内面７６１が、溝部７５のＸ方向（すなわち、第１方向）の外側を画成するようにしている。そして、内面７６１を、スリット外刃４０側に向かうにつれて溝部７５の深さが深くなるように傾斜させている。

　このように、本実施の形態では、側面視（すなわち、Ｙ方向に沿って見た状態）で、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の外側が斜辺となる略直角三角形となるように溝部７５を形成している。

　こうすることで、溝部７５の開口７５１の面積を確保しつつ、溝部７５の容積が小さくなるようにしている。こうすれば、図１７に示されるように、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の溝部７５への導入性を向上させつつ、コーム７２の剛性が低下してしまうことをより確実に抑制することができるようになる。

　また、本実施の形態では、Ｙ方向（すなわち、第２方向）に沿って見た状態で、隔壁７６の内面７６１における溝部７５の開口７５１側の端部７６１１をＲ状に湾曲させている。

　こうすることで、溝部７５にヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を導入する際に肌Ｓに当たりやすい部位である内面７６１の開口７５１側の端部７６１１にエッジが形成されてしまうことが抑制されるようにし、肌Ｓに与える刺激をより低減させることができるようにしている。

　また、図１５および図１６に示すように、溝部７５は、下端７５２が外側部スリット４１６２（すなわち、第２スリット）の下端４１６２１よりも下方に位置するように形成されている。すなわち、開口７５１側が上方を向くようにした状態で、外側部スリット４１６２（すなわち、第２スリット）の下端４１６２１以下の深さとなるように溝部７５を形成している。

　さらに、本実施の形態では、図１６に示すように、溝部７５の下端７５２が、Ｙ方向の一端から他端にかけて外側部スリット４１６２（すなわち、第２スリット）の下端４１６２１以下の深さとなるようにしている。

　そして、正面視（すなわち、Ｘ方向に沿って見た状態）で、コーム７２が外側部スリット４１６２（すなわち、第２スリット）に露出しないようにしている。

　こうすることで、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を外スリット４１６に導入する際に、外側部スリット４１６２（すなわち、第２スリット）の空間を有効に使用できるようにし、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を外スリット４１６に、より効率的に導入できるようにしている。

　また、本実施の形態では、コーム７２が、溝部７５の開口７５１側が上方を向くようにしつつＹ方向（すなわち、第２方向）に沿って見た状態で、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の外側に凸となる湾曲面７２２と、湾曲面７２２の上端に連設されて水平に延在する平坦面７２１と、を有するようにしている。

　そして、溝部７５の開口７５１側が上方を向くようにしつつＹ方向（すなわち、第２方向）に沿って見た状態で、溝部７５の開口７５１側におけるＸ方向（すなわち、第１方向）の外側の端部７５３が平坦面７２１上に位置するように、溝部７５を形成している。

　このような溝部７５は、例えば、平坦面７２１と交わる平面に含まれるように内面７６１を形成することで得ることができる。

　こうすることで、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に使用者の肌Ｓに当たる部分である湾曲面７２２の面積を大きくしたままで、溝部７５を形成できるようにし、溝部７５へのヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の導入性能の低下を極力抑制しつつ、肌Ｓに与える刺激をより低減させることができるようにしている。

　図１８は、実施の形態におけるコーム部品７０の第３変形例を示す断面図である。図１８に示すように、溝部７５の開口７５１側が上方を向くようにしつつＹ方向（すなわち、第２方向）に沿って見た状態で、溝部７５の開口７５１側におけるＸ方向（すなわち、第１方向）の外側の端部７５３が、頂部７２２１よりも上側の湾曲面７２２上に位置するように、溝部７５を形成してもよい。

　このような溝部７５は、例えば、頂部７２２１よりも上側の湾曲面７２２と交わる平面に含まれるように内面７６１を形成することで得ることができる。

　こうすれば、溝部７５の開口面積を大きくしつつ、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に使用者の肌Ｓに当たる部分である湾曲面７２２を確保することができるようになって、肌Ｓに与える刺激を極力抑制しつつ、溝部７５へのヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の導入性能を向上させることができるようになる。

　［作用・効果］
　以下では、上記実施の形態およびその変形例で示したスリット刃ブロックおよび電気かみそりの特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。

　上記実施の形態およびその変形例で示したスリット刃ブロック３０は、Ｘ方向（すなわち、第１方向）に延在し、Ｘ方向（すなわち、第１方向）と交差するＹ方向（すなわち、第２方向）に沿って離間配置される複数の外刃片４１５を有するスリット外刃４０を備えている。また、スリット刃ブロック３０は、スリット外刃４０よりもＸ方向（すなわち、第１方向）の外側に設けられ、Ｙ方向（すなわち、第２方向）に沿って離間配置される複数のコーム７２を備えている。

　ここで、Ｙ方向（すなわち、第２方向）で隣り合う外刃片４１５の間には外スリット４１６が形成されており、Ｙ方向（すなわち、第２方向）で隣り合うコーム７２の間には、外スリット４１６に連通する溝部７５が形成されている。

　そして、コーム７２には、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の外側に突出する突起部７４が設けられており、突起部７４は、Ｙ方向（すなわち、第２方向）に並ぶ２個以上のコーム７２を跨ぐように延在する第１突起部７４１を有している。

　また、上記実施の形態およびその変形例で示した電気かみそり１は、スリット刃ブロック３０を備えている。

　このように、コーム７２を有するスリット刃ブロック３０を用いてヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃るようにすれば、スリット外刃４０の外刃片４１５間の間隔の大きさを変えずにヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の導入性を向上させることができるようになる。

　また、コーム７２にＹ方向（すなわち、第２方向）に幅広の第１突起部７４１を設けるようにすれば、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に、幅広の第１突起部７４１を使用者の肌Ｓに当てることができるようになるため、肌Ｓに与える刺激をより低減させることができるようになる。

　このように、上記実施の形態およびその変形例で示したスリット刃ブロック３０および電気かみそり１を用いるようにすれば、肌Ｓに与える刺激を抑制しつつ、より効率よくヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃ることができるようになる。

　また、溝部７５のＹ方向（すなわち、第２方向）の位置と外スリット４１６のＹ方向（すなわち、第２方向）の位置とが同じであってもよい。

　こうすれば、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）がスリット外刃４０の外刃片４１５に踏まれてカットできなくなってしまうことをより確実に抑制することができるようになる。その結果、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）をそのままカットすることができるようになって、より効率よくヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃ることができるようになる。

　また、溝部７５の外スリット４１６側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２ａが、外スリット４１６の溝部７５側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ１ａと同じであってもよい。

　こうすれば、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を外スリット４１６に、より効率的に導入することができるようになって、より効率よくヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃ることができるようになる。

　また、溝部７５の外スリット４１６側とは反対側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２ｂが、溝部７５の外スリット４１６側におけるＹ方向（すなわち、第２方向）の幅Ｗ２ａよりも大きくなっていてもよい。

　こうすれば、溝部７５へのヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の導入効率を高めつつ、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を外スリット４１６に、より効率的に導入することができるようになる。その結果、より効率よくヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃ることができるようになる。

　また、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の一端の外刃片４１５と他端の外刃片４１５とがＹ方向（すなわち、第２方向）にずれていてもよい。

　こうすれば、Ｘ方向（すなわち、第１方向）に往復させながらヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に、一方向への移動の際に外刃片４１５に踏まれて外スリット４１６に導入できなかったヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を、他方向への移動の際に外スリット４１６に導入させることができるようになる。したがって、Ｘ方向（すなわち、第１方向）に往復させながらヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に、より効率よくヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃ることができるようになる。

　また、コーム７２がＸ方向（すなわち、第１方向）の両側に設けられており、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の一方側のコーム７２は、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の位置が外刃片４１５のＸ方向（すなわち、第１方向）の一端４１５ａと同じとなるように形成されていてもよい。そして、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の他方側のコーム７２は、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の位置が外刃片４１５のＸ方向（すなわち、第１方向）の他端４１５ｂと同じとなるように形成されていてもよい。

　こうすれば、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を外スリット４１６に、より効率的に導入することができるようになって、より効率よくヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃ることができるようになる。

　また、第１突起部７４１が、Ｙ方向（すなわち、第２方向）の一端に位置するコーム７２からＹ方向（すなわち、第２方向）の他端に位置するコーム７２にかけて延在するように形成されていてもよい。

　こうすれば、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に、肌Ｓが外刃片４１５に接触してしまうことをより確実に抑制することができるようになるため、肌Ｓに与える刺激をより低減させることができるようになる。

　また、Ｙ方向（すなわち、第２方向）で隣り合うコーム７２の間に隔壁７６が形成されており、隔壁７６におけるＸ方向（すなわち、第１方向）の内側の内面７６１が、溝部７５のＸ方向（すなわち、第１方向）の外側を画成していてもよい。そして、内面７６１が、スリット外刃４０側に向かうにつれて溝部７５の深さが深くなるように傾斜していてもよい。

　こうすれば、溝部７５の開口面積を確保してヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の導入性を向上させつつ、溝部７５の容積を小さくすることができるようになる。その結果、コーム７２の剛性が低下してしまうことをより確実に抑制することができるようになる。

　また、内面７６１は、Ｙ方向（すなわち、第２方向）に沿って見た状態で、溝部７５の開口７５１側の端部７６１１がＲ状に湾曲していてもよい。

　こうすれば、溝部７５にヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を導入する際に肌Ｓに当たりやすい部位である内面７６１の開口７５１側の端部７６１１にエッジが形成されてしまうことをより確実に抑制することができるようになる。その結果、肌Ｓに与える刺激をより低減させることができるようになる。

　また、スリット外刃４０が、肌Ｓに接触することが可能な肌接触面４１１１を有する天壁４１１（すなわち、第１壁部）と、天壁４１１（すなわち、第１壁部）に連設される側壁４１２（すなわち、第２壁部）と、を備えていてもよい。さらに、外スリット４１６が、天壁４１１（すなわち、第１壁部）に形成される外上部スリット４１６１（すなわち、第１スリット）と、外上部スリット４１６１（すなわち、第１スリット）に連通するように側壁４１２（すなわち、第２壁部）に形成される外側部スリット４１６２（すなわち、第２スリット）と、を有していてもよい。そして、溝部７５が、開口７５１側が上方を向くようにした状態で、外側部スリット４１６２（すなわち、第２スリット）の下端４１６２１以下の深さとなるように形成されていてもよい。

　こうすれば、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を外スリット４１６に導入する際に、外側部スリット４１６２（すなわち、第２スリット）の空間を有効に使用できるようになるため、溝部７５に導入したヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を外スリット４１６に、より効率的に導入することができるようになる。

　また、突起部７４が、Ｙ方向（すなわち、第２方向）に沿って見た状態で、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の外側に凸となるように湾曲した形状をしていてもよい。

　こうすれば、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に、突起部７４の湾曲した部分が使用者の肌Ｓに当たるため、肌Ｓに与える刺激をより低減させることができるようになる。

　また、コーム７２が、溝部７５の開口７５１側が上方を向くようにしつつＹ方向（すなわち、第２方向）に沿って見た状態で、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の外側に凸となる湾曲面７２２と、湾曲面７２２の上端に連設されて水平に延在する平坦面７２１と、を有していてもよい。そして、溝部７５の開口７５１側が上方を向くようにしつつＹ方向（すなわち、第２方向）に沿って見た状態で、溝部７５の開口７５１側におけるＸ方向（すなわち、第１方向）の外側の端部７５３が平坦面７２１上に位置していてもよい。

　こうすれば、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に使用者の肌Ｓに当たる部分である湾曲面７２２の面積を大きくしたままで、溝部７５を形成することができるようになる。その結果、溝部７５へのヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の導入性能の低下を極力抑制しつつ、肌Ｓに与える刺激をより低減させることができるようになる。

　また、コーム７２が、溝部７５の開口７５１側が上方を向くようにしつつＹ方向（すなわち、第２方向）に沿って見た状態で、Ｘ方向（すなわち、第１方向）の外側に凸となる湾曲面７２２と、湾曲面７２２の上端に連設されて水平に延在する平坦面７２１と、を有していてもよい。そして、溝部７５の開口７５１側が上方を向くようにしつつＹ方向（すなわち、第２方向）に沿って見た状態で、溝部７５の開口７５１側におけるＸ方向（すなわち、第１方向）の外側の端部７５３が、頂部７２２１よりも上側の湾曲面７２２上に位置していてもよい。

　こうすれば、溝部７５の開口面積を大きくしつつ、ヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）を剃る際に使用者の肌Ｓに当たる部分である湾曲面７２２を確保することができるようになる。その結果、肌Ｓに与える刺激を極力抑制しつつ、溝部７５へのヒゲＨ（すなわち、体毛の一例）の導入性能を向上させることができるようになる。

　［その他］
　以上、本開示にかかるスリット刃ブロックおよび電気かみそりの内容を説明したが、これらの記載に限定されるものではなく、種々の変形および改良が可能であることは、当業者には自明である。

　例えば、上記実施の形態およびその変形例で示した構成の変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態に本開示を適用することができる。また、上記実施の形態およびその変形例で説明した構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。

　また、上記実施の形態およびその変形例では、グリップ部１１およびヘッド部１２を備える電気かみそり１を例示したが、ヘッド部が設けられていない電気かみそりに本開示を適用することも可能である。

　また、外刃片、内刃片、その他の細部のスペック（形状、大きさ、レイアウト等）も適宜に変更可能である。

　以上のように、本開示にかかるスリット刃ブロックおよび電気かみそりは、肌に与える刺激を抑制しつつ、より効率よく体毛を剃ることが可能であるので、ヒゲに限らず、様々な体毛の処理等の用途にも適用することが可能である。

　１　電気かみそり
　１０　かみそり本体
　１１　グリップ部
　１１１　本体ハウジング
　１１１ａ　電源スイッチ
　１２　ヘッド部
　１２１　ヘッド部本体
　１２１ａ　解除ボタン
　１２２　ヘッドカバー
　１２２ａ　上側開口
　１３　駆動稈
　２０　刃ユニット
　２００　外刃カセット
　２０ａ　肌接触面
　２１　第１刃ブロック
　２１１　第１ネット刃
　２１２　第１内刃
　２２　第２刃ブロック
　２２１　第２ネット刃
　２３　外刃ケース
　２３ａ　解除ボタン
　３０　スリット刃ブロック
　４０　スリット外刃
　４１０　スリット外刃本体
　４１１　天壁
　４１１１　肌接触面
　４１１２　内面
　４１２　側壁
　４１２１　第１溶着固定部
　４１２２　第２溶着固定部
　４１２３　第１爪片
　４１２４　第２爪片
　４１２５　嵌合孔
　４１３　スリット外刃部
　４１４　連結部
　４１５　外刃片
　４１５ａ　一端
　４１５ｂ　他端
　４１５１　上部外刃片
　４１５１１　第１片部
　４１５１２　第２片部
　４１５２　側部外刃片
　４１６　外スリット
　４１６１　外上部スリット
　４１６２　外側部スリット
　４１６２１　下端
　４１６３　外内部空間
　４２０　外刃継手
　４２１　継手本体
　４２２　載置部
　４２２１　外方部
　４２２２　内方部
　４２３　突起部
　４２４　第１溶着部
　４２５　第２溶着部
　４２６　ばね取付部
　５０　スリット内刃
　５１０　スリット内刃本体
　５１１　天壁
　５１１１　上面
　５１２　側壁
　５１２１　位置決め部
　５１２２　溶着固定部
　５１３　スリット内刃部
　５１４　連結部
　５１５　内刃片
　５１５１　上部内刃片
　５１５２　側部内刃片
　５１６　内スリット
　５１６１　内上部スリット
　５１６２　内側部スリット
　５１６３　内内部空間
　５２０　内刃継手
　５２１　継手本体
　５２２　嵌合凹部
　５２３　位置決め部
　５２４　溶着部
　５２５　ばね取付部
　６０　コイルばね
　７０　コーム部品
　７１　コーム支持壁
　７１０　支持壁本体
　７１１　第１貫通孔
　７１２　第２貫通孔
　７１３　嵌合突起
　７２　コーム
　７２１　平坦面
　７２２　湾曲面
　７２２１　頂部
　７３　支持部
　７４　突起部
　７４１　第１突起部
　７５　溝部
　７５１　開口
　７５２　下端
　７５３　端部
　７６　隔壁
　７６１　内面
　７６１１　端部
　７７　コーム端壁
　７７１　端壁本体
　７７２　突起部
　Ｓ　肌
　Ｈ　ヒゲ
　Ｗ１ａ　スリットの溝部側における第２方向の幅
　Ｗ２ａ　溝部のスリット側における第２方向の幅
　Ｗ２ｂ　溝部のスリット側とは反対側における第２方向の幅
　Ｘ　第１方向
　Ｙ　第２方向

Claims (14)

1. 　第１方向に延在し、前記第１方向と交差する第２方向に沿って離間配置される複数の外刃片を有するスリット外刃と、
   　前記スリット外刃よりも前記第１方向の外側に設けられ、前記第２方向に沿って離間配置される複数のコームと、
   　を備え、
   　前記第２方向で隣り合う外刃片の間には外スリットが形成されており、
   　前記第２方向で隣り合うコームの間には、前記外スリットに連通する溝部が形成されており、
   　前記コームには、前記第１方向の外側に突出する突起部が設けられており、
   　前記突起部は、前記第２方向に並ぶ２個以上のコームを跨ぐように延在する第１突起部を有している、
   　スリット刃ブロック。
2. 　前記溝部の前記第２方向の位置と前記外スリットの前記第２方向の位置とが同じである、
   　請求項１に記載のスリット刃ブロック。
3. 　前記溝部の前記外スリット側における前記第２方向の幅が、前記外スリットの前記溝部側における前記第２方向の幅と同じである、
   　請求項１または請求項２に記載のスリット刃ブロック。
4. 　前記溝部の前記外スリット側とは反対側における前記第２方向の幅が、前記溝部の前記外スリット側における前記第２方向の幅よりも大きい、
   　請求項３に記載のスリット刃ブロック。
5. 　前記第１方向の一端の外刃片と他端の外刃片とが前記第２方向にずれている、
   　請求項１～４のうちいずれか１項に記載のスリット刃ブロック。
6. 　前記コームは、前記第１方向の両側に設けられており、
   　前記第１方向の一方側のコームは、前記第２方向の位置が前記外刃片の前記第１方向の一端と同じとなるように形成されており、
   　前記第１方向の他方側のコームは、前記第２方向の位置が前記外刃片の前記第１方向の他端と同じとなるように形成されている、
   　請求項５に記載のスリット刃ブロック。
7. 　前記第１突起部は、前記第２方向の一端に位置するコームから前記第２方向の他端に位置するコームにかけて延在するように形成されている、
   　請求項１～６のうちいずれか１項に記載のスリット刃ブロック。
8. 　前記第２方向で隣り合うコームの間には隔壁が形成されており、
   　前記隔壁における前記第１方向の内側の内面が、前記溝部の前記第１方向の外側を画成しており、
   　前記内面が、前記スリット外刃側に向かうにつれて前記溝部の深さが深くなるように傾斜している、
   　請求項１～７のうちいずれか１項に記載のスリット刃ブロック。
9. 　前記内面は、前記第２方向に沿って見た状態で、前記溝部の開口側の端部がＲ状に湾曲している、
   　請求項８に記載のスリット刃ブロック。
10. 　前記スリット外刃は、肌に接触することが可能な肌接触面を有する第１壁部と、前記第１壁部に連設される第２壁部と、を備えており、
    　前記外スリットは、前記第１壁部に形成される第１スリットと、前記第１スリットに連通するように前記第２壁部に形成される第２スリットと、を有しており、
    　前記溝部は、開口側が上方を向くようにした状態で、前記第２スリットの下端以下の深さとなるように形成されている、
    　請求項１～９のうちいずれか１項に記載のスリット刃ブロック。
11. 　前記突起部は、前記第２方向に沿って見た状態で、前記第１方向の外側に凸となるように湾曲した形状をしている、
    　請求項１～１０のうちいずれか１項に記載のスリット刃ブロック。
12. 　前記コームは、前記溝部の開口側が上方を向くようにしつつ前記第２方向に沿って見た状態で、前記第１方向の外側に凸となる湾曲面と、前記湾曲面の上端に連設されて水平に延在する平坦面と、を有しており、
    　前記溝部の開口側が上方を向くようにしつつ前記第２方向に沿って見た状態で、前記溝部の開口側における前記第１方向の外側の端部が前記平坦面上に位置している、
    　請求項１～１１のうちいずれか１項に記載のスリット刃ブロック。
13. 　前記コームは、前記溝部の開口側が上方を向くようにしつつ前記第２方向に沿って見た状態で、前記第１方向の外側に凸となる湾曲面と、前記湾曲面の上端に連設されて水平に延在する平坦面と、を有しており、
    　前記溝部の開口側が上方を向くようにしつつ前記第２方向に沿って見た状態で、前記溝部の開口側における前記第１方向の外側の端部が、頂部よりも上側の前記湾曲面上に位置している、
    　請求項１～１１のうちいずれか１項に記載のスリット刃ブロック。
14. 　請求項１～１３のうちいずれか１項に記載のスリット刃ブロックを備える電気かみそり。

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