JP2007029123A - 往復式電気カミソリ - Google Patents

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Abstract

【課題】 剃り方向に対して直交する方向に寝ている髭の外刃に対する導入性能を向上させて、剃り残しが無くなるようにした往復式電気カミソリを提供する。
【解決手段】 剃り方向Aと直交する方向Bに往復動する内刃7a〜7cをそれぞれ組み込んだ複数枚の外刃8a〜8cを剃り方向Aに並設してなる往復式電気カミソリ1Aであって、各外刃8a〜8cは、剃り方向Aと直交する方向Bに振動させるとともに、隣り合う外刃8aと8b、8bと8cは、相互に逆位相で振動させることにより、剃り方向Aに対して直交する方向Bに寝ている髭が外刃8a〜8cの振動で起き上がるようになるので、起き上がった髭が外刃8a〜8cに導入されて内刃7a〜7cでカットされるようになる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、剃り方向に対して直交する方向に寝ている髭の剃り残しが無くなる往復式電気カミソリに関する。
従来、往復式電気カミソリとしては、剃り方向と直交する方向に往復動する内刃をそれぞれ組み込んだ複数枚の外刃を剃り方向に並設してなるものがある(特許文献1参照)。
この背景技術では、3枚の外刃を有して、剃り方向の中間部の外刃だけを剃り方向と直交する方向に振動させることにより肌をアジテートするようになっている。
特表2000−513976号公報
しかしながら、前記背景技術では、剃り方向に寝ている髭は外刃に導入されやすいが、剃り方向に対して直交する方向に寝ている髭は、中間部の外刃の振動だけでは外刃に導入されにくいために、剃り残しが発生するという問題があった。
本発明は、前記問題を解消するためになされたもので、剃り方向に対して直交する方向に寝ている髭の外刃に対する導入性能を向上させて、剃り残しが無くなるようにした往復式電気カミソリを提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明は、剃り方向と直交する方向に往復動する内刃をそれぞれ組み込んだ複数枚の外刃を剃り方向に並設してなる往復式電気カミソリであって、前記各外刃は、剃り方向と直交する方向に振動するとともに、隣り合う外刃は、相互に逆位相で振動することを特徴とする往復式電気カミソリを提供するものである。
外刃の剃り方向の外側が表皮部分を引っ張る効果の低下を防ぐために、前記外刃の剃り方向の外側に対向して、肌押え部材を設けている構成とすることが好ましい。
外刃の剃り方向の外側が表皮部分を引っ張る効果をより向上させるために、前記肌押え部材は、剃り方向と直交する方向に振動するとともに、対向する外刃と逆位相で振動する構成とすることが好ましい。
本発明によれば、外刃を肌に接触させた状態で、電気カミソリを剃り方向に移動させることで、内刃の往復動に伴って、外刃に導入された髭を内刃でカットできるようになる。
一方、外刃の振動に伴って、外刃に接触している肌の表皮部分は引っ張られるが、髭の毛根付近の真皮部分は表皮部分と比べて引っ張られにくく、表皮部分と真皮部分の移動量に差ができる。このとき、剃り方向に対して直交する方向に寝ている髭は、髭の寝ている方向と反対方向に表皮部分が引っ張られる時に、表皮部分のみがずれて、髭が表皮部分から絞り出されるような状態で起き上がるようになる。したがって、外刃が振動しない場合には、外刃桟の下に潜り込んでしまうような短い髭でも、外刃の振動で起き上がるようになるので、起き上がった髭が外刃に導入されて内刃でカットされるようになる。このように、剃り方向に対して直交する方向に寝ている髭の外刃に対する導入性能が向上するので、剃り残しが無くなる。
また、隣り合う外刃を相互に逆位相で振動させるようにしているから、髭の周囲の肌は逆方向に引っ張られるために、背景技術と比べて、同じ振動振幅でも肌の引っ張られる長さが相対的に2倍となって、より効果的に髭が起き上がるので、髭の外刃に対する導入性能がより向上するようになる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図7は、第1実施形態の往復式電気カミソリ1Aであって、髭を剃るための刃ヘッドブロック2と、手で握るためのグリップブロック3とで構成されている。グリップブロック3には、具体的に図示しないが、次述するリニアモータ5(図5参照)の電源となる電池等が組み込まれている。
刃ヘッドブロック2にはヘッドケース4が設けられ、ヘッドケース4内にはリニアモータ5が収納されるとともに、ヘッドケース4の上部には、剃り方向Aと直交する方向Bに往復動する内刃7a,7b,7cをそれぞれ組み込んだ複数枚(本例では3枚)の外刃8a,8b,8cが剃り方向Aに並設されている。
剃り方向Aの外側部に位置して、内刃7a,7cを組み込んだ円弧状の外刃8a,8cは、ネット刃であり、剃り方向Aの中間部に位置して、内刃7bを組み込んだ平板状の粗剃り用外刃8bは、スリット刃である。
ネット外刃8a,8cは、刃取付け枠10でそれぞれ保持され、スリット外刃8bは、両端を保持部材11でそれぞれ保持されている。スリット外刃8bのスリット内刃7bは、保持部材11とスリット内刃7bとの間に介設したばね12のばね力でスリット外刃8bの内面に押し付けられている。
ヘッドケース4の上部には、剃り方向Aと直交する方向Bに往復移動可能な横長四角枠状のネット刃保持枠13が設けられるとともに、ネット刃保持枠13内に位置して、剃り方向Aと直交する方向Bに往復移動可能なストレート状のスリット刃保持枠14が設けられている。ネット刃保持枠13とスリット刃保持枠14の下面には突起(不図示)が形成され、ヘッドケース4の上面には、剃り方向Aと直交する方向Bに延在する溝(不図示)が形成されて、ネット刃保持枠13とスリット刃保持枠14の突起がヘッドケース4の溝に係合することで、ネット刃保持枠13とスリット刃保持枠14とは、剃り方向Aと直交する方向Bに、相互に干渉しない状態で往復移動可能にガイドされるようになる。
ネット刃保持枠13内の剃り方向Aの外側部には、ネット外刃8a,8cがネット刃保持枠13で独立にフロート可能に保持されている。
ネット刃保持枠13内の剃り方向Aの中間部、つまり、ネット外刃8a,8cの間に位置するスリット外刃8bがスリット刃保持枠14で独立にフロート可能に保持されている。
ヘッドケース4の上部には、リニアモータ5で剃り方向Aと直交する方向Bに往復動される駆動子16がネット外刃8a,8cの内刃7a,7cに対応した位置に設けられ、各駆動子16が内刃7a,7cにそれぞれ係合されるとともに、内刃7a,7cは、駆動子16と内刃7a,7cとの間に介設したばね17のばね力でネット外刃8a,8cの内面にそれぞれ押し付けられている。
ヘッドケース4の上部には、一方の駆動子16に連動するスリット内刃駆動部材19が設けられ、このスリット内刃駆動部材19の突起部19aがスリット内刃7bの係合部材20に係合されている。
そして、リニアモータ5から駆動子16を介して内刃7a,7cが往復動されることにより、ネット外刃8a,8cに導入された髭を内刃7a,7cでカットできるようになる。同時に、一方の駆動子16からスリット内刃駆動部材19を介してスリット内刃7bが往復動されることにより、スリット外刃8bに導入された髭をスリット内刃7bでカットできるようになる。
ヘッドケース4の上部の剃り方向Aと直交する方向Bの一方の端部分には、小型の電動モータ22が収納され、この電動モータ22の出力軸には歯車23が取付けられ、この歯車23は、ヘッドケース4の支軸で回転自在に嵌合させた歯車24に噛み合わされいる。各歯車23,24は同サイズであって、各歯車23,24には、回転中心から離れた位置に、180度で位相をずらせた偏心ピン23a,24aがそれぞれ固定されている。
ネット刃保持枠13には、歯車24の方向に延在する延在部13aが設けられ、この延在部13aには、歯車24の偏心ピン24aに係合する長穴13bが形成されている。また、スリット刃保持枠14には、歯車23の方向に延在する延在部14aが設けられ、この延在部14aには、歯車23の偏心ピン23aに係合する長穴14bが形成されている。
そして、電動モータ22の駆動で歯車23,24が相互に逆回転されて、偏心ピン23a,24aが偏心回転されることにより、ネット刃保持枠13とスリット刃保持枠14とは、剃り方向Aと直交する方向Bに往復振動されるようになる。このとき、歯車23,24が相互に逆回転されることと相俟って、偏心ピン23a,24aの位置を180度で位相をずらせているので、ネット刃保持枠13とスリット刃保持枠14とが逆位相で往復振動するようになる。
つまり、ネット刃保持枠13で保持されたネット外刃8a,8cが左方に振動すると、スリット刃保持枠14で保持されたスリット外刃8bが右方に振動し、逆にネット外刃8a,8cが右方に振動すると、スリット外刃8bが左方に振動するようになる。換言すれば、隣り合うネット外刃8a,8cとスリット外刃8bとは、相互に逆位相で振動することになる。
ヘッドケース4の上部には、ネット外刃8a,8cとスリット外刃8bの剃り部分を外部に露出させた状態で、その周辺部分を覆うネットカバー26が取付けられている。
第1実施形態の往復式電気カミソリ1Aであれば、グリップブロック3を手で握って、刃ヘッドブロック2のヘッドケース4のネット外刃8a,8cとスリット外刃8bとを肌に接触させた状態で、電気カミソリ1Aを剃り方向Aに移動させることで、リニアモータ5による内刃7a,7b,7cの往復動に伴って、外刃8a,8b,8cに導入された髭を内刃7a,7b,7cでカットできるようになる。
一方、電動モータ22による外刃8a,8b,8cの往復振動に伴って、外刃8a,8b,8cに接触している肌の表皮部分は引っ張られるが、髭の毛根付近の真皮部分は表皮部分と比べて引っ張られにくく、表皮部分と真皮部分の移動量に差ができる。このとき、剃り方向Aに対して直交する方向Bに寝ている髭は、髭の寝ている方向と反対方向に表皮部分が引っ張られる時に、表皮部分のみがずれて、髭が表皮部分から絞り出されるような状態で起き上がるようになる。
したがって、外刃8a,8b,8cが振動しない場合には、外刃桟の下に潜り込んでしまうような短い髭でも、外刃8a,8b,8cの振動で起き上がるようになるので、起き上がった髭が外刃8a,8b,8cに導入されて内刃7a,7b,7cでカットされるようになる。
このように、剃り方向Aに対して直交する方向Bに寝ている髭の外刃8a,8b,8cに対する導入性能が向上するので、剃り残しが無くなる。
また、前記背景技術では、剃り方向Aの中間部の外刃だけを剃り方向Aと直交する方向Bに振動させるようにしているから、剃り方向Aに対して直交する方向Bに寝ている髭の外刃に対する導入性能が有ると考えられなくはない。
しかしながら、背景技術では、中間部の外刃だけを振動させるものであるのに対して、本実施形態では、隣り合うネット外刃8a,8cとスリット外刃8bとを相互に逆位相で振動させるようにしているから、髭の周囲の肌は逆方向に引っ張られるために、背景技術と比べて、同じ振動振幅でも肌の引っ張られる長さが相対的に2倍となって、より効果的に髭が起き上がるので、髭の外刃8a,8b,8cに対する導入性能がより向上するようになる。
図8〜図10は、第2実施形態の往復式電気カミソリ1Bであって、第1実施形態の往復式電気カミソリ1Aと相違するのは、ネット外刃8a,8cの剃り方向Aの外側に対向して、肌押え部材28を設けている点である。
すなわち、ヘッドケース4の剃り方向Aの外側部に、溝状の肌押え保持部4aが一体形成され、この肌押え保持部4aに肌押え部材28がそれぞれ独立にフロート可能に差し込み保持されている。各肌押え部材28は、ばね29のばね力で肌にそれぞれ押し付けられるようになる。ヘッドケース4の上部に取付けられるネットカバー26には、各肌押え部材28を外部に露出させる切欠き26aが形成されている。
第2実施形態の往復式電気カミソリ1Bであれば、剃り方向Aの外側部に位置するネット外刃8a,8cは、スリット外刃8bが隣接しない外側(肌押え部材28側)では肌が拘束されないため、髭の周囲の肌も同様に引っ張られて真皮部分も含めた肌全体が動くので、ネット外刃8a,8cが表皮部分を引っ張る効果が低下する。そこで、スリット外刃8bが隣接しない外側の肌を肌押え部材28で拘束することで、剃り方向Aの外側部に位置するネット外刃8a,8cの外側が表皮部分を引っ張る効果の低下を防ぐことができる。
図11〜図13は、第3実施形態の往復式電気カミソリ1Cであって、第2実施形態の往復式電気カミソリ1Bと相違するのは、肌押え部材28は、剃り方向Aと直交する方向Bに振動するとともに、対向するネット外刃8a,8cと逆位相で振動する点である。
すなわち、スリット刃保持枠14にはU字形状の肌押え保持枠部14cが一体形成され、この肌押え保持枠部14cの両端部に、溝状の肌押え保持部14dがそれぞれ一体形成され、この肌押え保持部14dに肌押え部材28がそれぞれ独立にフロート可能に差し込み保持されている。
肌押え保持枠部14cの肌押え保持部14dの下面には突起(不図示)が形成され、ヘッドケース4の上面には、剃り方向Aと直交する方向Bに延在する溝(不図示)が形成されて、肌押え保持枠部14cの突起がヘッドケース4の溝に係合することで、スリット刃保持枠14とともに肌押え保持枠部14cが剃り方向Aと直交する方向Bに往復移動可能にガイドされるようになる。
第3実施形態の往復式電気カミソリ1Cであれば、肌押え部材28は、中間部のスリット外刃8bと同位相で剃り方向Aと直交する方向Bに振動する、つまり、外側部のネット外刃8a,8cと逆位相で振動するから、髭の周囲の肌が逆方向に引っ張られるために、第2実施形態の往復式電気カミソリ1Bの肌押え部材28と比較して、肌押え部材28で肌の引っ張られる長さが相対的に2倍になり、より効果的に髭の絞り出しができて、外刃8a,8cに対する髭の導入性能が向上するようになる。
前記各実施形態において、外刃8a〜8cの振動数を髭剃り速度に応じて変化させるように制御することができる。
この制御であれば、髭剃り速度が速い場合に外刃8a〜8cの振動数が遅いと、髭の周囲の肌を充分に引っ張れなくて、髭の絞り出しが不充分になるところが、髭剃り速度が速い場合には、外刃8a〜8cの振動数を速く制御することで、髭の周囲の肌が充分に引っ張れて、髭を充分に絞り出せるので、外刃8a〜8cに対する髭の導入性能が向上するようになる。
また、外刃8a〜8cの振動数を肌の状態に応じて変化させるように制御することができる。
この制御であれば、骨張っていて引っ張られにくい肌では、外刃8a〜8cを振動させても、外刃8a〜8cが肌上を滑るのみで不快感を与えてしまうところが、外刃8a〜8cの振動数を少なくして、外刃8a〜8cが肌上を滑る現象を抑えることで、不快感を与えることがなくなる。
前記各制御は、髭剃り速度が変わったり、骨張った部分や肌の柔らかい部分で髭剃りをする場合、リニアモータ5に対する負荷が変わって振動振幅に変化が現れる。この変化を検知して、髭剃り速度や肌の状態に応じて予め設定した振動数に変化させるようにすれば良い。
前記各実施形態では、3枚の外刃8a,8b,8cを剃り方向Aに並設したものであったが、2枚の外刃を剃り方向Aに並設したり、4枚以上の外刃を剃り方向Aに並設したものであっても良い。
本発明の第1実施形態に係る往復式電気カミソリの斜視図である。 図1の往復式電気カミソリの分解斜視図である。 図1の往復式電気カミソリのヘッドカバーを取外した斜視図である。 図1の往復式電気カミソリのヘッドカバーと外側部の外刃を取外した斜視図である。 図1の往復式電気カミソリの外側部の外刃部分の正面断面図である。 図1の往復式電気カミソリの中間部の外刃部分の正面断面図である。 図1の往復式電気カミソリの側面断面図である。 本発明の第2実施形態に係る往復式電気カミソリの斜視図である。 図8の往復式電気カミソリの分解斜視図である。 図8の往復式電気カミソリのヘッドカバーを取外した斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る往復式電気カミソリの斜視図である。 図11の往復式電気カミソリの分解斜視図である。 図11の往復式電気カミソリのヘッドカバーを取外した斜視図である。
符号の説明
1A,1B,1C 往復式電気カミソリ
2 刃ヘッドブロック
3 グリップブロック
4 ヘッドケース
5 リニアモータ
7a〜7c 内刃
8a〜8c 外刃
13 ネット刃保持枠
14 スリット刃保持枠
16 駆動子
22 電動モータ
23,24 歯車
23a、24a 偏心ピン
28 肌押え部材
A 剃り方向
B 剃り方向と直交する方向

Claims (3)

  1. 剃り方向と直交する方向に往復動する内刃をそれぞれ組み込んだ複数枚の外刃を剃り方向に並設してなる往復式電気カミソリであって、
    前記各外刃は、剃り方向と直交する方向に振動するとともに、隣り合う外刃は、相互に逆位相で振動することを特徴とする往復式電気カミソリ。
  2. 前記外刃の剃り方向の外側に対向して、肌押え部材を設けていることを特徴とする請求項1に記載の往復式電気カミソリ。
  3. 前記肌押え部材は、剃り方向と直交する方向に振動するとともに、対向する外刃と逆位相で振動することを特徴とする請求項2に記載の往復式電気カミソリ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010162137A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Panasonic Electric Works Co Ltd 電気かみそり
JP2015173703A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 日立マクセル株式会社 電気かみそり

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