JP5238051B2 - トリマー刃 - Google Patents

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Description

本発明は、櫛刃状の固定刃と、同じく櫛刃状の可動刃とからなるトリマー刃に関するものである。
櫛刃状の固定刃と、同じく櫛刃状の可動刃とを備えて、可動刃を往復動させることで固定刃に対して可動刃を摺接させるトリマー刃においては、図10に示すように、固定刃における刃溝10に導入した毛を固定刃の刃11と可動刃の刃31とで切断する。図中の4は肌である。
ここにおいて、刃溝を介して並ぶ刃の数は、特許文献1に示すように、固定刃と可動刃とにおいてほぼ同数とするのが一般的であるが、このような構成であると、固定刃の刃溝の奥に毛が入るまでに可動刃の刃の先端部でカットされることになる毛が多数存在する。この場合、可動刃の刃先端で毛に対して切り欠きが入ってから可動刃の他の刃が上記の毛を切断したり固定刃の刃に引っ掛かって千切れることで、毛が裂けるように切断されることになる虞が高くなる。このために、毛の切断面が平面ではない上に不均一となる可能性が高く、毛の裂けた部分が処理後の肌の滑らか感を悪くする。これは、むだ毛処理用としてのトリマー刃として好ましいものではない。
特許文献2に示されているように、固定刃の刃と刃との間の刃溝の幅を広くして刃の間隔を大きくすることで、刃溝への毛の導入効率を大きくしたものも示されているが、この場合、図11に示すように、固定刃の刃11と刃11との間の刃溝10に入った毛2が可動刃の刃21によって倒されてしまって、毛を切断できないことが多々生じ、毛の切断効率が悪くなる。
特開2001−096081号公報 特開平11−197372号公報
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、毛の導入効率及び切断効率が良好であるとともに殆どの毛の切断面を滑らかな平面とすることができるトリマー刃を提供することを課題とするものである。
本発明は、刃と刃溝とが交互に並ぶ櫛刃状の刃部を備えた固定刃と、刃と刃溝とが交互に並ぶ櫛刃状の刃部を備えて往復駆動されることで上記固定刃に摺接する可動刃とを有しているトリマー刃において、上記可動刃における刃溝の幅を、その幅内に固定刃の複数の刃溝が位置する大きさとしているとともに、上記可動刃の刃の幅を固定刃の刃の幅よりも広く且つ可動刃の往復動ストロークを可動刃の刃のピッチよりも大としていることに特徴を有している。
上記可動刃の刃の数と上記固定刃の刃の数との比率が1:3から1:5の範囲内であり、可動刃の刃溝の幅内に位置する固定刃の刃溝の数が3〜5個であることがより好ましい。
上記可動刃の刃の厚みと上記可動刃の刃溝の幅との比率が1:4から1:6の範囲内であることも好ましい。
そして上記固定刃と上記可動刃のうちの可動刃が肌との接触面側に配されているものを好適に用いることができる。
本発明においては、固定刃の刃溝の奥まで毛を導入した状態で毛を切断して滑らかな切断面を持つ毛の数を多くすることができ、一部のみが切断されて残りが裂けた状態となる切断面を持つ毛の数を少なくすることができるために、毛の処理後の肌の滑らか感を向上させることができ、使用者の満足度を高くすることができる。
本発明の実施の形態の一例の拡大平面図である。 同上の縦断面図である。 (a)(b)(c)は同上の固定刃の正面図と平面図と側面図である。 (a)は図3中のA部の拡大図、(b)は図3中のB部の拡大図である。 (a)(b)(c)は同上の固定刃の正面図と平面図と側面図である。 (a)は図5中のC部の拡大図、(b)は図5中のD部の拡大図である。 同上の分解斜視図である。 同上の駆動ユニットを含めた全体を示す正面図である。 同上の駆動ユニットを含めた全体を示す断面図である。 (a)(b)は固定刃と可動刃とによる毛の切断の説明図である。 (a)(b)は刃のピッチが広い固定刃と可動刃とによる毛の切断の説明図である。
以下本発明を図示実施例に基づいて詳述すると、このトリマー刃は、図7に示すように、共に櫛刃状のものとなっている固定刃1と可動刃3の他に、トリマー基台29と、固定刃1に可動刃3を押し付けるばね部材28と、カバー27とからなる。
トリマー基台29は、成形品により構成されたもので、上面には長手方向に間隔を置いて2つのボス29d,29dを備えている。このボス29dは、固定刃1の位置決めと可動刃3の往復駆動時のガイドと、カバー27押し付け時の撓み防止のためのものである。また長手方向両端には溝29cを形成している。この溝29cは、上記ばね部材28とカバー27の取り付けのためのもので、この溝29c内には、ばね部材28の位置決め及び抜け止めのための突起が設けられている。さらにトリマー基台29の上面の長手方向中央部には、駆動杆嵌合部29aの上端に設けられた突起29bが突出している。
ばね部材28は、薄い板金で構成されたもので、可動刃3を固定刃1に向けて押圧するばね圧を発生させるための4つのばね片を備え、長手方向の両端に設けた腕部が上記溝29c内の突起に係合することでトリマー基台29に取り付けられる。
成形品により構成されたカバー27は、長手方向の両端から突出したフックを前記溝29cに係合させることでトリマー基台29に連結されて、トリマー基台29とカバー27との間に配された固定刃1と可動刃3とばね部材28とが外れるのを防ぐ。なお、カバー27のトリマー基台29側の面には、トリマー基台29の前記ボス29dの頂面と対向する小さな突起(図示せず)を備えている。この突起は、トリマー刃におけるカバー27を肌面に押し付けた際のカバー27の撓みを抑制し、可動刃3の駆動に対する押付負荷の増大を防ぐ。
これら部材は、次のようにして組み立てられる。すなわち、固定刃1の刃部の研削面を上面とした状態でトリマー基台29へ取り付ける。この時、トリマー基台29上面のボス29dを固定刃1の中央両側に設けた四角孔21aに係合させることで、位置決めを行う。
次いで可動刃22の刃部の研削面を下側として、固定刃1上に重ねる。この時、トリマー基台29の中央の突起29bを可動刃3の中央孔22aに係合させて、可動刃3とトリマー基台29における駆動杆嵌合部29aとを連結する。また、トリマー基台29のボス29dを往復動ガイド用の長孔22b内に位置させる。
この後、ばね部材28の両端の腕部をトリマー基台29に係合させ、さらにその上からカバー27をトリマー基台29に取り付ける。
このトリマー刃では、後述するように、カバー27の表面を肌に当てるようにして毛の切断を行うことから、ここではカバー27の表面を肌当たりの良い材質及び形状となるようにしている。
トリマー基台29における駆動杆嵌合部29aは、図8及び図9に示すように、軸88によって揺動自在に支持される駆動杆89の一端に設けた駆動ピン89cと係合する。駆動杆89の他端に設けたカム受け89bには、モータ90の出力軸に取り付けた偏心カム91が係合する。モータ90による偏心カム91の回転に伴って駆動杆89が軸88を中心に揺動するものであり、この駆動杆89の往復動が駆動杆嵌合部29aを介して可動刃3に伝えられて可動刃3が往復動を行う。なお、トリマー刃の駆動構成は図示例に限定されるものではない。
次に固定刃1と可動刃3について説明すると、板金製で多数の刃11が刃溝10を介して並んでいる刃部を備えた固定刃1は、図3及び図4に示すように、短手方向の中央部をU字形に屈曲させた形状となっているとともに、両端部の底面の高さが略同一高さとなっている。この両端部の底面は平面研削等により面合せを行うことで毛切断時の切れ味を良くしている。また上記両端部の底面は、面積を略同等とすることで、研削面積も略同等とし、研削時の負荷の偏りを少なくして底面の高さばらつきを小さくしている。
そして短手方向の一端側の縁に形成した上記刃部は、刃溝10の幅FDとほぼ同じ幅の刃11が刃溝10を介して並んでいるもので、刃溝10の幅FDは、むだ毛処理の対象となる毛の太さなどに適応する小さいものとなっている。ちなみに刃11のピッチFPは0.4mm以下である。
可動刃3は、図5及び図6に示すように、多数の刃31が刃溝30を介して並んでいるもので、板金によって形成されており、短手方向の一端側の縁に、刃溝30と刃31とが交互に並んでいる。また、固定刃1と同様に、短手方向の中央部をU字形に屈曲させた形状となっているとともに、両端部の底面の高さは略同一高さとし、平面研削等による面合せで毛切断時の切れ味を良くしており、さらに上記両端部の底面を略同等とすることで、研削時の負荷の偏りを少なくして底面の高さばらつきを小さくしている。
そして、本発明における可動刃3は、図からも明らかなように、刃溝30の幅MDを刃31の幅の2倍以上とすることで、刃31のピッチMPを固定刃1の刃11のピッチFPに比して倍以上、好ましくは3倍以上の大きさ(図示例では1.5mm)としている。
この結果、図1にも示すように、トリマー刃を組み立てた時、可動刃3の刃31間に、つまりは刃溝30内に、固定刃1の刃11あるいは刃溝10が2つ以上(図示例では3つ以上)位置するものとなっている。
このために、トリマー刃をそのカバー27側を肌に当てて動かしながら可動刃3を往復動させる時、固定刃1の刃溝10に入った毛は刃溝10の奥にまで到達した状態で固定刃1の刃11と可動刃3の刃31とによって切断されるものが多くなる。つまりは、毛の径方向全体が可動刃3と固定刃1とによって切断されて滑らかな切断面となるものが多くなり、一部のみが切断されて残りが裂けたようになる毛の数が少なくなる。従って、毛の荒れた端面が肌の滑らか感を阻害させてしまうことが少なくなり、肌面の滑らか感を安定して良くする可能性が高くなるものである。
しかも、通常のトリマー刃は、固定刃1が肌側となるようにしているが、このトリマー刃では、上述したところから明らかなように、可動刃3が肌側となるようにしている。可動刃3の刃厚MAは、固定刃1の刃厚FAよりも薄い上に、可動刃3の刃溝30が広くて肌面が固定刃1と可動刃3との摺動面に近づくことができるために、切断後の毛の長さを短くすることができる。
また、可動刃3が肌側にくるとはいえ、固定刃1の刃溝10に導入された毛は、図10に示したものと同様に、刃溝10内で倒れたりすることなく可動刃3の刃31と固定刃1の刃11との間で切断されるために、剃り残しの毛が多くなるということもない。
なお、可動刃3の往復動のストロークは、可動刃3の刃31のピッチMPよりも大きく(たとえばピッチMPが1.5mmの時にストローク1.7mm)していることから、固定刃1の刃溝10に導入された毛は確実に切断することができる。
可動刃3の刃31のピッチMPは、あまり大きくすると、ある刃溝10で可動刃3の刃31が横切る時間当たり回数が少なくなり、トリマー刃を肌に沿って動かしながら毛を切断する時、刃溝30で捉えた毛が可動刃3で切断されるまでに刃溝10から抜け出てしまうことになるために、刃31,31間に(刃溝30内に)位置する刃溝10の数は最大で5つ程度とするのが好ましい。また、6つ以上とすると、刃溝30の幅よりも大きくしなくてはならない可動刃3の往復動ストロークの確保が困難となる。
また、刃31,31間に(刃溝30内に)位置する刃溝10の数は3つより少ないと、肌に沿ってトリマー刃を動かして毛を切る際のトリマー刃の移動速度と、可動刃3の前記振動数との関係もあって、刃溝10の奥に入る前に裂けるように切断される毛の数が多くなるために、毛処理後の肌の滑らか感を得るのが難しくなる。
従って、刃31,31間に(刃溝30内に)位置する刃溝10の数は3〜5個であることが好ましい。可動刃3の刃31の数と固定刃1の刃11の数とで言えば、1:3〜1:5の範囲とすることが、むだ毛処理用のトリマー刃として適当である。ただし、毛の質や上記トリマー速度の移動速度や上記振動数によっては、刃31,31間に(刃溝30内に)位置する刃溝10の数が2個であっても有効である。
可動刃3に関しては、更にその刃厚MAと刃溝30の幅MDの比率を1:4から1:6とするのが、刃31の強度の確保と上述した毛の切断効率との点で好ましい。
固定刃1については、その刃厚FAと刃溝10の幅FDとはほぼ1:1の比率を持つようにするのが好ましい。
また、固定刃1及び可動刃3は、その長手方向の寸法FL,MLと、直交する短手方向の幅FW,MWの比率が2:1以下である時、刃厚FA,MAと全体高さFB,MBの比率が1:2以上となるようにしておくことが、刃の全体剛性の確保の点で好ましい。この剛性が低いと、固定刃1と可動刃3のスムーズな摺動を得るために、摺動面の研削等を行う時に、安定した研削加工を実施することができなくなるが、上記寸法比とすると、研削後も可動刃3及び固定刃1の長手方向両端部と中央部の刃の厚みのばらつきを小さくすることができて、安定した切れ味を得ることができる。
1 固定刃
3 可動刃
10 刃溝
11 刃
30 刃溝
31 刃

Claims (4)

  1. 刃と刃溝とが交互に並ぶ櫛刃状の刃部を備えた固定刃と、刃と刃溝とが交互に並ぶ櫛刃状の刃部を備えて往復駆動されることで上記固定刃に摺接する可動刃とを有しているトリマー刃において、
    上記可動刃における刃溝の幅を、その幅内に固定刃の複数の刃溝が位置する大きさとしているとともに、上記可動刃の刃の幅を固定刃の刃の幅よりも広く且つ可動刃の往復動ストロークを可動刃の刃のピッチよりも大としていることを特徴とするトリマー刃。
  2. 上記可動刃の刃の数と上記固定刃の刃の数との比率が1:3から1:5の範囲内であり、可動刃の刃溝の幅内に位置する固定刃の刃溝の数が3〜5個であることを特徴とする請求項1記載のトリマー刃。
  3. 上記可動刃の刃の厚みと上記可動刃の刃溝の幅との比率が1:4から1:6の範囲内であることを特徴とする請求項1または2記載のトリマー刃。
  4. 上記固定刃と上記可動刃のうちの可動刃が肌との接触面側に配されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトリマー刃。
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