JP6470539B2 - 放熱材 - Google Patents

放熱材

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本発明は、熱伝導性無機粒子とセルロースナノファイバーの複合材からなる放熱材に関する。
パソコン、テレビや携帯電話などの電子製品の高機能化・薄型化・小型化に従い、搭載される電子部品の放熱問題が深刻化している。電子部品は高温環境に長時間さらされると本来の機能を発揮できなくなり、寿命も低下する。これを防ぐには放熱効率の良い部材の要求が急速に高まっている。既存のシリコーン系放熱材は、低分子シロキサンの発生による電子部品の接点不良を引き起こす問題を抱えている。また、アクリル系、エポキシ系やポリイミド系などの樹脂をマトリックスとした放熱材も検討されているが、高い熱伝導率を得るには無機粒子を高充填する必要があり、樹脂と無機粒子の間に伝熱を妨げる空隙(空気層)が生じやすい。このため期待する熱伝導率は得られにくく、更に、放熱材が脆くなるため折り曲げ性や凹凸面への追従性も低下するという課題がある。
一方、セルロースナノファイバー(CNF)は2.8W/m・Kの熱伝導率を有し、エポキシやアクリル樹脂よりも一桁高い熱伝導率を持ち、弾性率や強度はエポキシやアクリル樹脂の十数倍高く、複合材のマトリックス成分として期待される。
特許文献1には、微細繊維状セルロースと無機化合物のナノ粒子とをナノレベルでコンポジット化したコンポジットシートの開示がある。しかし、用いられている微細繊維状セルロースは、セルロース系繊維を主として機械的処理しており、TEMPO酸化、オゾン処理、酵素処理などの化学的処理も記載はされているがセルロールの表面を化学物質で修飾することに関しては、何らの開示はない。
特開2012−7247号公報
本発明は、従来の放熱材にはなかった熱伝導率と可撓性又は折り曲げ性と耐水性を兼備える放熱材を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、表面をエステル化及び/又はエーテル化したセルロースナノファイバーをマトリックスとして熱伝導性無機粒子と複合化することで、熱伝導性、可撓性又は折り曲げ性と耐水性を兼備える放熱材を提供できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の技術的手段から構成される。
〔1〕 熱伝導性無機粒子とセルロースナノファイバーの複合材からなる放熱材であって、前記セルロースナノファイバーは、その表面をエステル化及び/又はエーテル化して修飾してあることを特徴とする放熱材。
〔2〕 前記熱伝導性無機粒子は、金属酸化物、金属窒化物及び金属炭化物のいずれか1つ以上からなることを特徴とする前記〔1〕に記載の放熱材。
〔3〕 前記熱伝導性無機粒子は窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つ以上であることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の放熱材。
〔4〕 前記熱伝導性無機粒子の平均粒子径が0.1〜100μmであることを特徴とする前記〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の放熱材。
〔5〕 前記熱伝導性無機粒子の含有割合が、前記放熱材に対して、20体積%以上80体積%以下であることを特徴とする前記〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の放熱材。
本発明によれば、従来技術と同等の熱伝導性無機粒子の配合量を必要とせず、少量配合で従来と同等の熱伝導率を達成し、かつ可撓性又は折り曲げ性を有する放熱材を製造できる。また配合量を従来と同等にしても可撓性又は折り曲げ性を維持し、より高い熱伝導率を有する放熱材を簡便に製造することができる。
セルロースナノファイバーAのSEM像 セルロースナノファイバーAのIRスペクトル セルロースナノファイバーBのSEM像 セルロースナノファイバーBのIRスペクトル 実施例1で調製した放熱シートとセルロースナノファイバーAシートから作った折り鶴 実施例1で作った放熱シートのSEM像
本発明は、熱伝導性無機粒子とセルロースナノファイバーの複合材からなる放熱材であって、前記セルロースナノファイバーは、その表面をエステル化及び/又はエーテル化による表面修飾を施したことを特徴とする放熱材である。
すなわち、表面をエステル化及び/又はエーテル化して修飾してあるセルロースナノファイバーをマトリックスとして、熱伝導性無機粒子を充填した複合材である。
本発明に用いるセルロースナノファイバーの種類は特に限定されないが、天然I型結晶構造を有するセルロースナノファイバーは高い熱伝導率と強度を有するため好ましい。
セルロースナノファイバーの表面をエステル化及び/又はエーテル化して修飾するには、セルロースナノファイバーの表面に露出した水酸基にエステル化剤又はエーテル化剤によりアシル基又はアルキル基を導入すればよい。セルロースナノファイバーをエステル化及び/又はエーテル化する方法は特に限定されるものではなく、公知のセルロースのエステル化又はエーテル化技術を使用することができる。
セルロース繊維を解繊してセルロースナノファイバーを調製する際に、表面修飾化剤を共存させてセルロース繊維を解繊しながら表面修飾することができる。また、セルロース繊維を解繊してセルロースナノファイバーを調製した後に修飾化剤を加えて表面修飾することもできる。
エステル化修飾は、例えば、セルロースナノファイバーをN,N’−ジメチルアセトアミドやピリジンなどの非プロトン性溶媒に分散して得られた分散液にエステル化剤を加え、温度50〜130℃、時間30〜90分の条件下で反応させて行う。
エステル化剤は特に限定されないが、カルボン酸ハロゲン化物やカルボン酸無水物が挙げられる。カルボン酸ハロゲン化物としては、例えば、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブチリル、塩化オクタノイル、塩化ステアロイル、塩化ベンゾイル、パラトルエンスルホン酸クロライド等が挙げられる。また、カルボン酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の脂肪族の酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸等の二塩基酸無水物が挙げられる。なお、エステル化反応では、触媒を添加することにより反応を促進させ、反応時間を短縮することができる。
一方、エーテル化修飾は、例えば、セルロースナノファイバーをエーテル反応溶媒に分散させた分散液にエーテル化剤を加え、室温〜150℃の温度で30〜120分間撹拌しながら反応させることができる。
また、エーテル化する場合、エーテル化剤は特に限定されないが、ハロゲン化アルキルやエポキシ化合物が挙げられる。ハロゲン化アルキルとしては、例えば、炭素数1〜10のクロライド又はブロマイドである。より好ましくはメチル、エチル、プロピルのクロライド又はブロマイドの等が挙げられる。エポキシ化合物としては、脂肪族又は芳香族エポキシ化合物などが挙げられる。たとえば1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテルなどが挙げられる。エーテル化反応は、触媒を添加しなくても良いが、アルカリ触媒を添加して反応を促進させることができる。エーテル修飾反応の触媒としてトリエチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミン化合物やピリジン、ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられるが、この限りではない。
エステル化又はエーテル化の修飾率は特に限定されてないが、セルロースナノファイバーの表面に露出した水酸基の5%以上を修飾することが好ましく、10%以上がさらに好ましい。5%以下になると熱伝導性無機粒子と複合化する際、セルロースナノファイバーは表面水酸基の相互作用により凝集し、熱伝導性無機粒子との相分離を起こす恐れがある。修飾率の上限は、表面水酸基の90%以下が好ましく、80%以下がより好ましい。表面の水酸基を90%以上修飾する場合には反応条件が厳しくなるため、セルロースナノファイバーの結晶化度が低下してセルロースナノファイバー自身の熱伝導率が低下する場合がある。
本発明に用いる熱伝導性無機粒子は、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つ以上であり、特に好ましくは、高い熱伝導率を有する窒化ホウ素と窒化アルミニウムである。
前記熱伝導性無機粒子の平均粒子径は、0.1〜100μmであることが好ましい。更に好ましくは0.5〜100μmである。平均粒径が0.1μm以下になると界面での熱伝達の割合が多くなり、得られた放熱材の熱伝導性が低下する。一方、100μm以上になると放熱材の内部に空隙を形成しやすくなることによる熱伝導率の低下や、放熱材の脆弱化又は表面の平滑性低下等の問題を起こしやすい。
本発明では、前記熱伝導性無機粒子の含有率は、放熱材に対して、20体積%以上80体積%以下であることが好ましい。前記熱伝導性無機粒子の含有率が、20体積%以下であると、高い熱伝導率が得られず好ましくない。前記熱伝導性無機粒子を80体積%以上添加すると、得られる放熱材に空隙を形成しやすく熱伝導率の低下とともに折り曲げ性も低下するため好ましくない。より好ましい無機粒子の含有率は25〜75体積%である。
本発明の放熱材の製造する方法は、表面をエステル化及び/又はエーテル化して修飾してあるセルロースナノファイバーと溶媒を混合して得られたセルロースナノファイバー分散液に、熱伝導性無機粒子を混合して、放熱塗料を得る工程、および前記放熱塗料を用いて放熱シートを成形する工程からなる。
放熱塗料の溶媒は、セルロースナノファイバーと熱伝導性無機粒子を分散できれば特に制限しないが、溶解度パラメーター(SP)は9.0以上のものが好ましい。例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルフォルムアミドとN-メチル-2-ピロリドンなどの窒素系溶媒や、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのセロソルブ系溶媒が挙げられる。また、水、1,4−ジオキサン、アセトン、メタノール、イソプロピルアルコールなども適用できる。以上の溶媒は単独又は二つ以上を混合して使用することもできる。
セルロースナノファイバーと熱伝導性無機粒子と溶媒からなる放熱塗料の調製方法は特に限定しないが、公知の塗料調製プロセスを使用することができる。例えば、機械撹拌によりセルロースナノファイバーを溶媒に分散して得られたセルロースナノファイバー分散液に熱伝導性無機粒子を加えて均一に混ぜることにより調製する。
上記溶媒に対してセルロースナノファイバーと無機粒子を合わせた固形分の濃度は3〜30重量%であることが好ましい。3重量%以下になると溶媒を揮発する時間が長いため好ましくない。一方、固形分の濃度は30%重量%以上になると混合液の粘度は高く、溶液の均一性が低下する恐れがあるため好ましくない。
この放熱塗料の流動性、濡れ性およびこの放熱塗料からつくられる放熱シートの表面平滑性を改善するため、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の種類は特に制限されず、セルロースナノファイバーの表面特性や熱伝導性粒子の種類により適切に選べればよい。例えば、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。放熱材の絶縁性や耐熱性の面からは、非イオン界面活性剤がより好ましい。
放熱塗料から放熱シートの製造方法は特に限定しないが、公知の溶液キャスト法又はコーティング法を用いることができる。例えば、上記放熱塗料を基板上に流涎して一定温度で溶媒を揮発させると放熱シートが得られる。溶媒を揮発させるための温度は特に制限しないが、室温から溶媒の沸点までの温度範囲内で調整すれば良い。揮発温度は低すぎると所要時間が長く、生産効率が悪いため好ましくない。一方、揮発温度は高すぎるとできた放熱シートの緻密性が低く、熱伝導率の低下に繋がる可能性があるため好ましくない。緻密性の高い放熱シートを得るため、先ず、より低温度で溶媒の殆どを揮発した後により高い温度で残存溶媒を揮発することが好ましい。
本発明の放熱材に耐水性や機械強度を付与することを目的として、放熱材にバインダーを含ませることができる。バインダーとしてはアクリル系、エポキシ系、イミド系、フェノール系樹脂などを用いることができるが、これらに限定されない。バインダーの添加量は放熱材に対して、25体積%以下であることが好ましい。25体積%を超えると放熱材の熱伝導性が低下する恐れがあるため好ましくない。バインダーを添加する方法としては、例えば、バインダー樹脂をセルロースナノファイバーの分散液に溶解した後に熱伝導性無機粒子を加えて均一に混ぜる方法がある。
更に、耐水性の向上のため、前記放熱材の単一面又は両面に疎水性の高い樹脂膜とラミネートすることができる。樹脂膜としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレンとポリエチレンなどが挙げられる。放熱シートの熱伝導性の低下を避けるため、樹脂膜の厚みは50μm未満であり、より好ましくは20μm以下である。
本発明について、実施例を用いてさらに説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。各実施例及び各比較例で用いた物性評価法、セルロースナノファイバーの調製方法、及び熱伝導性粒子を以下に示した。
(放熱材の熱伝導率評価)
放熱材の熱伝導率λ(W/m・ K)は式(1)より求めている。熱拡散率α(m/s)、比熱c(kJ/kg・K)、密度ρ(kg/m)を下に示すそれぞれの方法を用いてそれぞれ取得した。
c=λ/(ρ×α) (1)
面方向の熱拡散率の測定は、光交流法(測定装置:アルバック理工製 LaserPIT)、真空下室温で測定した。
厚み方向の熱拡散率は、温度波熱分析法(TWA)で行った。測定装置はai−Phase製Mobile−1、大気雰囲気下室温で行った。
本発明の放熱材の比熱は構成する各単一材料の比熱cと単位体積当たりの質量比rの積を総和して式(2)より算出される。
c = css + cnn + caa (2)
ここで添え字s,m,a は無機粒子、セルロースナノファイバーと空気の各相を表す。このうち,空気の項は他に比べて十分小さいので無視することができる。ここで、窒化ホウ素の比熱は780J/kg・K、セルロースの比熱は1260J/kg・Kとして引用した。
(放熱材の密度評価)
放熱材から一定面積(S)の四角形を切り取り、その質量(W)をマイクロ電子天秤、その厚み(d)をマイクロメータで測り、式(3)により求めた。
密度=W/(d×S) (3)
(放熱シートの耐水性評価)
調製した放熱シートをビーカーに入れ、それに水を加えてから8時間放置した後、放熱シートから析出物が見られない、且つシートを曲げることにより折れない場合、耐水性を良好として評価した。一方、放熱シートから析出物が見られたり、シートが折れたりする場合は耐水性が不良とした。
(セルロースナノファイバーの密度測定)
セルロースナノファイバーをシートに成形した後、放熱シートと同じ測定方法で密度を算出した。
[セルロースナノファイバーA分散液の調製]
セルロースナノファイバー分散液Aは特開2010−104768、特開2013−91874又は特開2013−44076に開示した方法を参考に調製した。即ち、シュレッダーで3mm角に切断したろ紙(ADVANTECのFILTER PAPER)15gを300mlの還流冷却管付三つ口フラスコに入れ、それにN,N−ジメチルアセトアミド150gと塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム150gを加え、90℃下で30分攪拌した。次に、無水酢酸80gを加え、更に60分撹拌した後、エム・テクニック(株)製のクレアミックスを用い、10000rpm回転で30分間処理した後、遠心分離により固形分を回収し、N,N−ジメチルアセトアミドを用いて洗浄した。最後に、N,N−ジメチルアセトアミドを加えて1.5重量%のセルロースナノファイバーA分散液を得た。得られた表面アセチル化修飾セルロースナノファイバーのSEM像、FTIRスペクトルを図1〜2に示す。セルロースナノファイバーAの密度は約1.509 g/cm3であった。
[セルロースナノファイバーB分散液の調製]
ダイセルファインケム(株)製のセルロースミクロフィブリル(商品名:セリッシュ FD100G)15gに85gの蒸留水を加え、固形分1.5重量%の水溶液を調製して遊星ボールミルで20分処理した後、遠心により濃縮した。その後、N,N−ジメチルアセトアミド85gを加えで再分散し、再度遠心により濃縮することにより水をN,N−ジメチルアセトアミドにより置換した。最後にピリジン85gに分散し、攪拌しながら無水酢酸6gを加え、85℃で1時間加熱することにより表面アセチル化修飾を行った。その後、アセトンを用いて洗浄することにより表面修飾セルロースナノファイバーを得た。そこにN,N−ジメチルアセトアミドを加え1.5重量%セルロースナノファイバーB分散液を調製した。得られた表面アセチル化修飾セルロースナノファイバーのSEM像、FTIRスペクトルを図3〜4に示した。セルロースナノファイバーBの密度は約1.4950g/cm3であった。
[エポキシ樹脂溶液の調製]
ビスフェノールA型エポキシ(エポキシ当量190)1.0g、ノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量104)0.5gとトリフェニルホスフィン0.08gをジメチルアセトアミドに溶解して固形分約1.5重量%のエポキシ樹脂溶液を調製した。
[実施例1]
110mlのサンプル瓶に1.5重量%のセルロースナノファイバーA分散液66.7g(固形分1.0g、約0.66cm)、窒化ホウ素粒子1.0g(BN:密度2.2g/cm、約0.46cm)を加え、スターラ―を用いて室温で1時間撹拌してペースト状の混合物を得た。この混合物をバーコーティングでポリプロピレン基板上にキャストし、50℃の送風乾燥機で5時間乾燥させた後、さらに135℃の乾燥機で2時間乾燥した。ポリプロピレンシート上から剥離して、厚み0.103mmの放熱化シートを得た。得られた放熱シートの密度、熱拡散率を評価し、熱伝導率を算出した。併せて耐水性の評価を行った。結果を表1に示した。放熱シートから作った折り鶴と放熱シートのSEM像を図5と図6に示した。放熱シートを折り鶴のように折り曲げ性を有することが分った。
[実施例2]
セルロースナノファイバーAをセルロースナノファイバーBに代えた以外に、実施例1と同様にして、放熱シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[実施例3〜4]
窒化ホウ素の体積配合比を50、60体積%に変えた以外に、実施例1と同様にして、放熱シートを調製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[実施例5]
実施例2の窒化ホウ素を窒化アルミニウム(AlN:密度3.3g/cm、粒径90μm)に代えた以外は実施例2と同様にして、放熱シートを作製した。得られたシートを評価し、結果を表1に示した。
[比較例1]
ダイセルファインケム(株)製のセリッシュ FD100G10g(固形分1.0g、約0.66cm)に65gのN,N−ジメチルアセトアミドを加え、固形分1.5重量%の分散溶液を調製して遊星ボールミルで20分処理した後、窒化ホウ素粒子1.0g(約0.46cm)を加え、スターラ―を用いて室温で1時間撹拌してペースト状の混合物を得た。また、この混合液を用いて実施例1と同様にシートを調製、評価した。結果を表1に示した。
[比較例2]
セルロースナノファイバーA分散液をエポキシ樹脂溶液に変えた以外に、実施例4と同様にキャストしてシートを調製した。得られた放熱シートは脆いため、熱拡散率や密度などを測定することができなかった。
(表1)実施例1〜4及び比較例1,2で調製した放熱シートの評価結果
本発明の放熱材は、高熱伝導率と折り曲げ性を備えるため、LED、CPU、パワーデバイス等からヒートシンク・金属筐体へ効率良く熱を伝える放熱コーティング剤やシートとして展開可能である。
また、本発明の放熱材は絶縁性を備えるため、従来使用されている放熱材に必要な絶縁層を省いて、小型電子機器の更なる薄型化に貢献できる。

Claims (4)

  1. 熱伝導性無機粒子とセルロースナノファイバーの複合材からなる放熱材であって、前記セルロースナノファイバーは、その表面をエステル化及び/又はエーテル化して修飾してあり、前記熱伝導性無機粒子の平均粒子径が0.5〜100μmであることを特徴とする放熱材。
  2. 前記熱伝導性無機粒子は、金属酸化物、金属窒化物及び金属炭化物のいずれか1つ以上からなることを特徴とする請求項1に記載の放熱材。
  3. 前記熱伝導性無機粒子は窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つ以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放熱材。
  4. 前記熱伝導性無機粒子の含有割合が、前記放熱材に対して、20体積%以上80体積%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の放熱材。
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