JP6470210B2 - 電気掃除機用電動送風機及びこれを備えた電気掃除機 - Google Patents

電気掃除機用電動送風機及びこれを備えた電気掃除機 Download PDF

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Description

本発明は、電気掃除機用電動送風機及びこれを備えた電気掃除機に関する。
従来、電気掃除機に使用される電動送風機は、羽根車(インペラ)と、羽根車を回転軸に固定したモータ(電動機)と、羽根車の外周に設けたディフューザベーン(静翼)及びディフューザベーンの背面にリターンベーンを備えるディフューザと、羽根車とディフューザとを収容するファンケーシングとを有する構成になっている。ディフューザは、樹脂材によって構成されている。
特許文献1では、ファンケーシングは、鋼板によって構成されている。
特許文献2では、羽根を覆うファンカバーをアルミニウムまたはアルミニウム合金により構成している。
特開平6−108999号公報 特開2013-126298号公報
特許文献1では、ファンケーシングが鋼板で構成されており、強度は十分なものである。しかしながら、鋼板は小型化や軽量化には不向きな材料である。
また、特許文献2においては、ファンカバーがアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されており、鋼板のものに比べると強度が低下する。 本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、軽量化と、強度低下を抑制した電動送風機及び電動送風機を備えた電気掃除機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る電動送風機は、羽根車を回転駆動する電動機と、前記羽根車の外周側に配置されたディフューザベーンと背面に配置されたリターンベーンとからなる略円形のディフューザと、前記羽根車及び前記ディフューザを覆うファンケーシングと、を有し、前記ファンケーシングはアルミニウム材で構成し、前記ファンケーシングにおける前記ディフューザの外周側と対向する側である前記ファンケーシングの側部の内側に鋼板のリング状部材を配置したことを特徴とする。

また、羽根車を回転駆動する電動機と、前記羽根車の外周側に配置されたディフューザベーンと背面に配置されたリターンベーンとからなる略円形のディフューザと、前記羽根車及び前記ディフューザを覆うファンケーシングと、を有し、前記ファンケーシングはアルミニウム材で構成し、前記ファンケーシングにおける前記ディフューザの外周側と対向する側である前記ファンケーシングの側部の内側にガラス繊維入りテープを貼り付けたことを特徴とする。
本発明によれば、軽量化と、強度低下を抑制した電動送風機及び電動送風機を備えた電気掃除機を提供することが可能となる。
実施形態に係る電気掃除機の構成を示す斜視図である。 実施形態に係る掃除機本体の断面図である。 実施形態に係る電動送風機の構成を示す分解図である。 実施形態に係る電動送風機の内部構成を示す一部分断面図である。 実施形態に係る図4におけるP部の拡大図である。 他の実施形態に係る電動送風機の構成を示す斜視図である。
以下、各図を参照しながら、本発明の実施形態に係る電気掃除機1及び電動送風機7の詳細を説明する。各図において、電動送風機を掃除機本体に組み込んだ状態の図1,2では、集塵室側を前側、排気側を後側と呼び、電動送風機の分解図や断面図である図3〜6では、電動送風機の吸気側を上側、排気側を下側と呼ぶこととする。
なお、本発明に係る電気掃除機1は、電動送風機7を有するものであれば、いわゆるサイクロン式電気掃除機であっても、又は、いわゆる紙パック式電気掃除機であっても構わない。また、キャニスター型、スティック型のどちらであっても構わない。
また、電動機21においても、カーボンブラシを用いた整流子モータ、ブラシを用いないブラシレスモータなどの何れでも構わない。
以下、実施形態の一例として、キャニスター型でサイクロン式電気掃除機の電気掃除機1を用いて説明する。
<第1の実施形態>
≪電気掃除機の構成≫
以下、図1及び図2を参照して、第1の実施形態に係る電気掃除機1の構成につき説明する。
図1は、電気掃除機1の構成を示す斜視図である。図2は、掃除機本体2断面図である。
電気掃除機1は、電動送風機7(図2参照)による送風を利用した吸引力で塵埃等を吸引する装置である。
図1に示すように、電気掃除機1は、掃除機本体2と、掃除機本体2の前部に一端が接続されるホース3と、ホース3の他端が一端に接続される手元操作スイッチ等が設けられた手元操作管4と、手元操作管4の他端が一端に接続される延長管5と、延長管5の他端が接続される吸込具6と、を備えて構成されている。吸込具6から吸引した塵埃と空気は、電動送風機7(図2参照)による吸引によって、延長管5と手元操作管4とホース3とを通って掃除機本体2の内部へと流れて、塵埃は掃除機本体2の内部に設けられた集塵部11(図2参照)内に収集され、空気は電動送風機7を通り、掃除機本体2の外部へと排気される。
図2に示すように、掃除機本体2は、内部に、前記ホース3内を通過した塵埃を捕集する集塵部11と、吸引力を発生させる電動送風機7等を備える電動送風機室12と、を有している。掃除機本体2は、図2に示すような清掃作業を行う横置き状態において、前側に集塵部11が配置され、後側に電動送風機室12が配置されている。
≪電動送風機の構成≫
以下、図3、図4及び図5を参照して、電動送風機7の構成を説明する。図3は、電動送風機7の構成を示す分解図である。図4は、電動送風機7の内部構成を示す一部分断面図である。図5は、図4のP部拡大図である。
電動送風機7は、塵挨を吸引する吸引力を発生させるための電動吸引装置である。電動送風機7では、吸込具6から延長管5、手元操作管4,ホース3、集塵部11を介して吸引した空気が、図4に示すように、電動送風機7に設けられた送風機入口(吸気口)17から電動送風機7内へ流入して昇圧し、電動送風機出口18から流出し、掃除機本体2外へ排気される。電動送風機7は、上側に配置されるファンケーシング43と、下側に配置されるハウジング33と、により形成される外郭と、外郭内に備えられる電動機21と、送風機22とにより構成されている。
換言すると、電動送風機7は、電機子巻線を有する回転子23と、界磁巻線を有する固定子24と、整流子25と、回転子23に設けられた回転軸26と、回転軸26を回転自在に軸支する軸受27,28と、電動機21を収納するハウジング33と、回転軸26の上側の軸受28を保持するエンドブラケット35と、エンドブラケット35と回転軸26に固定された羽根車40と、羽根車40の外周側に配置されたディフューザ42と、ディフューザ42のエンドブラケット35側に一体形成されたリターンベーン42aと、羽根車40及びディフューザ42を外側から覆うように設けられたファンケーシング43と、を主に有している。本実施形態では、ディフューザ42は、樹脂材によって構成されている。
ファンケーシング43は、送風機入口17を備える略円板形状の上部43aと、上部43の外周側から下方向へ向かって伸びる略円筒形状の側部43bと、からなり、アルミニウム材によって構成されている。
<電動機の構成>
以下、電動送風機7を構成する電動機21と送風機22のうち、まず、電動機21について説明する。
図4に示すように、電動機21は、回転軸26に固定された送風機22を構成する羽根車40を回転させるための電動モータである。
この電動機21は、前記した回転子23、固定子24、整流子25、回転軸26及び軸受27,28と、それぞれ後記するカーボンブラシ29、バネ30、ピグテール31、ハウジング33、ブラシホルダー34及びエンドブラケット35と、を備えて構成されている。
回転子23は、電機子あるいはロータともいわれる部材であり、回転軸26の中央部分に固定されている。固定子24は、固定子鉄心に固定子巻線を巻装して構成され、ハウジング33内の回転子23の外側に固定されている。
整流子25は、回転子23の下側に設けられている。回転軸26は、回転子23と整流子25と羽根車40とが取り付けられて、電動機21が回転駆動したときに一体に回転する。軸受27,28は、回転子23の上側の回転軸26の一端部と、整流子25の下側の他端部とをそれぞれ両端軸支する一対の部材から成る。
カーボンブラシ29は、整流子25に摺接するように整流子25の外周側に配置されている。バネ30は、カーボンブラシ29の外周側に配置されて、カーボンブラシ29を整流子25側に押圧する付勢手段である。ピグテール31は、カーボンブラシ29と電気的に接続されている。
ハウジング33は、電動機21を収納するとともに、軸受27を保持する略カップ形状のケースから成る。このハウジング33は、電動機21の上部に設けられた送風機22側の開口と、ハウジング33の周囲に設けられた電動送風機出口18の開口との2つの開口を有している。送風機22側の開口の周縁部には、エンドブラケット35の外周縁部とファンケーシング43の下側開口部とが連結されている。
また、ハウジング33の内部は、その内周壁と固定子24との間に、軸方向の通風路が形成されている。さらに、固定子24と回転子23との間にも、軸方向の通風路が形成されている。この通風路には、送風機入口17から羽根車40とディフューザ42と曲がり流路43とリターン流路42aとを通って流れて来た空気の一部が、ハウジング33の後方へ向かって流れる。
ブラシホルダー34は、カーボンブラシ29を保持してハウジング33に固定する部材であり、ハウジング33の外周に設けられている。ハウジングの材質はアルミニウム材を用いている。
エンドブラケット35は、軸受28を保持するための金属製部材であり、鋼板を用いている。中央部に、回転軸26が挿通された軸受28を収容する凹形状部を有している。
エンドブラケット35は、ハウジング33とファンケーシング43とからなる筐体において、この筐体を、電動機21側と送風機22側とに区画するように設置されており、送風機22及び電動機21が接続される。
<送風機の構成>
以下、送風機22について説明する。
図3に示すように、送風機22は、電動機21の回転軸24に直結されて回転する羽根車40と、この羽根車40の外周側に固定設置され、ディフューザベーン42a及びリターンベーン42bが一体化されたたディフューザ42(静翼)と、ディフューザベーン42a上部に配置されたディフューザリング48、このディフューザリング48とディフューザ42及び羽根車40を覆うとともに、送風機入口17を有するファンケーシング43とを備えて構成されている。
ここで、ファンケーシング43の側部43bの内側には、リング状部材45を配置している。リング状部材45は、ディフューザリング48及びディフューザ42の外径より大きい略円筒形状の部材である。ディフューザ42等を覆うようリング状部材45とファンケーシング43とを取り付けた状態で、リング状部材45は、ディフューザ42の外周側(ディフューザベーン42aの下流側とリターンベーン43bの上流側)と対向する。ファンケーシング43は軽量化のためアルミニウム材で構成し、リング状部材45は、薄鋼板で構成している。軽量化のために、ファンケーシング43をアルミニウム材で構成することにより、鋼板で構成したものに比べて強度が低下する。ファンケーシング43の側部43bの内側に鋼板のリング状部材45を配置することにより、強度低下による影響を抑制することができる。
<羽根車の構成>
図4に示すように、羽根車40は、遠心力を利用する略環状形状の遠心型羽根車であり、回転が高速になると、羽根車40の内側の圧力上昇が大きくなり、送風機入口17から空気を吸い込むように構成されている。吸い込まれた空気は、羽根車40を通じて外周側に高速の空気流となってディフューザ42側に吐出される。その羽根車40は、ナットや、圧入、接着などの方法で回転軸26の上端に取り付けられ、回転軸26と一体に回転する。
また、羽根車40の構成は、薄いアルミニウム板からなる平板状の後面プレートと、中央部が隆起しつつ、円形の穴が設けられた前面プレートの2枚により、複数のブレードを挟み込み、後面プレートおよび前面プレートに、ブレードの形状に沿って当接する複数部分に穴を設け、その穴にはブレードに設けた爪が挿入され、外部より爪に加締め(カシメ部)を施している。これにより遠心力に対する強度を確保している。
<ディフューザの構成>
ディフューザ42周りの構成について説明する。ディフューザ42は、空気を吸気口側から排気口側に向けて誘導する構成要素である。ディフューザ42は、羽根車40の外周側に配置されている。ディフューザ42は、羽根車40の回転で流動した空気の持つ運動エネルギーを圧力エネルギーに変換する翼間流路47を形成するとともに、このディフューザ42とその周囲に配置されたファンケーシング42との間に隙間を設けることでその空気を電動機21側に送る流路を形成する。本実施形態ではディフューザ42は樹脂材によって構成している。
上記のような構成の電動送風機7を用いた電気掃除機1について詳細説明する。
図4に示すように、電動送風機7が回転を開始すると回転子24が回転し、回転子24と同軸に設けられた羽根車40が回転する。羽根車40が回転するとファンケーシング43の吸気口から空気が流入し、羽根車40、ディフューザ42を通り電動機側21へ流入される。
このとき、通常の掃除運転状態では問題ないが、万が一、ファンケーシング43の送風機入口17から異物が入り込んで、羽根車40の内部に侵入してしまうと、異物により羽根車40を構成しているブレードが変形して、ブレードを固定しているプレートのカシメ部から外れ、ブレードの一部が欠損してしまう恐れがある。更に、欠損したブレードの一部が、遠心力により、ディフューザ42の方向へ飛ばされた場合、樹脂製のディフューザベーン42aを破壊し、更にはファンケーシング43の外周部側面に衝突してしまう恐れがある。
本実施形態では、図5のP部拡大図に示すように、ファンケーシング43をアルミニウム材で構成しているが、加えてファンケーシング43の側部43bの内側に鋼板のリング状部材45を配置していることにより、ブレードの欠損部分が衝突してもリング状部材45の変形もしくは傷程度の損傷で抑えるとこができる。
一方、質量は、鋼板の比重7.87g/cm3とアルミニウムの比重2.7g/cm3を比較すると、約1/3であるから、同一厚みとすれば、質量も約1/3に軽量化できる。但し、同一厚みでは強度が低下するので、厚みを1.5倍にしたとしても質量は鋼板に比べ約1/2に軽量化することができる。
そして、ファンケーシング43の外周側のリング状薄鋼板45は図4に示すように、ディフューザベーン42aとリターンベーン43bの軸方向の高さHを有していれば良いので、鋼板の板厚が0.1mmから0.2mmを付加しても、数グラムの増加に留められる。ここで、ファンケーシング43の外径をφ110mm、Hを25mm、厚み0.1mmの場合、約7gとなり、軽量化を損なうことがない。
さらに、ファンケーシング43のアルミニウム材とリング状部材45の薄鋼板で2重構造になることで剛性が高くなる。そのため、振動の増加を抑制することができる。
なお、本実施形態では、リング状部材45をファンケーシング43の側部43bの内側に配置するとしたが、ディフューザ42の外周側(ディフューザベーン42aの下流側とリターンベーン43bの上流側)と対向する側であれば、側部43bの外側に配置しても同様の効果が得られる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、第1の実施例のリング状部材45の代わりに、図6に示すように、ファンケーシング43の側部43の外側にガラス繊維入りの強化テープ51を貼り付けたものである。他は第1の実施例と同様である。
実施例1の記載と同様、万が一ブレードの欠損部分が生じ、ファンケーシング43の側部43bに衝突すると、衝撃によりアルミニウム板が変形して膨らもうとするが、強化テープ51の伸縮性によりそれを緩和することができる。また亀裂が入ってもその進行を遅らせることができる。
このように強化テープ51を貼り付けることで構成することができるので、作業性も良く、軽量化と強度低下による影響の抑制を両立することができる。
なお、本実施形態では、強化テープ51をファンケーシング43の側部43bの外側に配置するとしたが、ディフューザ42の外周側と対向する側であれば側部43bの内側に配置しても同様の効果が得られる。
1 電気掃除機
2 掃除機本体
3 ホース
4 手元操作管
5 延長管
6 吸込具
7 電動送風機
11 集塵部
12 電動送風機室
13 集塵袋
14 フィルター部
17 送風機入口(吸気口)
18 電動送風機出口
20 吸込口
21 電動機
22 送風機
23 回転子
24 固定子
26 回転軸
25 整流子
26 回転軸
27,28 軸受
29 カーボンブラシ
30 バネ
31 ピグテール
33 ハウジング
34 ブラシホルダー
35 エンドブラケット
40 羽根車
42 ディフューザ
42a ディフューザベーン
42b リターンベーン
43 ファンケーシング
45 リング状部材
48 ファンケーシングリング
51 強化テープ

Claims (3)

  1. 羽根車を回転駆動する電動機と、前記羽根車の外周側に配置されたディフューザベーンと背面に配置されたリターンベーンとからなる略円形のディフューザと、前記羽根車及び前記ディフューザを覆うファンケーシングと、を有し、前記ファンケーシングはアルミニウム材で構成し、前記ファンケーシングにおける前記ディフューザの外周側と対向する側である前記ファンケーシングの側部の内側に鋼板のリング状部材を配置したことを特徴とする電気掃除機用電動送風機。
  2. 羽根車を回転駆動する電動機と、前記羽根車の外周側に配置されたディフューザベーンと背面に配置されたリターンベーンとからなる略円形のディフューザと、前記羽根車及び前記ディフューザを覆うファンケーシングと、を有し、前記ファンケーシングはアルミニウム材で構成し、前記ファンケーシングにおける前記ディフューザの外周側と対向する側である前記ファンケーシングの側部の内側にガラス繊維入りテープを貼り付けたことを特徴とする電気掃除機用電動送風機。
  3. 請求項1または2に記載ので電気掃除機用電動送風機を用いた電気掃除機。
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